JP5919603B2 - 固体電池用電極、固体電池、固体電池用接着フィルム、及び固体電池用電極の製造方法 - Google Patents

固体電池用電極、固体電池、固体電池用接着フィルム、及び固体電池用電極の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、固体電池用電極、固体電池、固体電池用接着フィルム、及び固体電池用電極の製造方法に関する。
例えば特許文献1〜4に開示されるように、リチウムイオン二次電池として、固体電解質を用いた固体電池が知られている。このような固体電池は、固体電解質を含む電解質層と、電解質層の両面に形成される電極(正極及び負極)と、各電極に接合される集電部材とを備える。固体電池では、電解質として固体電解質が使用され、各電極にも固体電解質が混合されているのが一般的である。
固体電池を製造する方法としては、円筒形の容器に各層を構成する材料粉を順次挿入し、圧粉成型し、容器の両端を集電部材で塞ぐという方法、即ち圧粉成型による製造方法が知られている。しかし、圧粉成型による製造方法では、電極面積(電極が電解質層に接触する面積)の大きさに応じた容器及び加圧装置を用意する必要があるので、電極面積を大きくするのが困難であった。このため、圧粉成型による製造方法では、近年要求されている固体電池の高容量化に対応することが出来なかった。
そこで、他の製造方法として、各層の材料粉、結着剤、及び溶媒を混合することで各層の塗工液を形成し、この塗工液を集電部材上に順次塗工、乾燥することで積層体を形成し、この積層体を圧延する方法、即ち塗工による製造方法が提案されている。塗工による製造方法であれば、電極及び電解質層の塗工面積を大きくする等の処理を行うだけで、電極面積を大きくすることができるので、電極面積を容易に大きくすることができる。
特開平10−125330号公報 特開平5−13099号公報 特開2008−257962号公報 特開2011−134675号公報
しかし、塗工による製造方法では、固体電解質が硫化物系固体電解質のように高い反応性を有するものである場合に、固体電池の特性が悪化してしまうという問題があった。具体的には、硫化物系固体電解質は非水電解液を電解質とするリチウムイオン二次電池の電極で使用される結着剤や溶媒と反応することによって劣化してしまう。
そのため、結着剤や溶媒として固体電解質に対して不活性なものを使用することが提案されている(特許文献4)。しかしながら、電極と集電部材とが十分に結着しないので、電極の圧延時等に集電部材が電極から剥離してしまうという問題があった。
なお、特許文献3に開示された技術では、集電部材と電極層との間に導電層が介在され、集電部材と導電層とがエチルアセテートを含有する導電性接着剤で結着されている。エチルアセテートは極性官能基含有樹脂である。したがって、集電部材と導電層とは十分に結着されると推察される。しかし、この技術では、正極層に結着剤を使用していないので、正極層と導電層との接着性が悪いという別の問題があった。したがって、特許文献3に開示された技術では、上記の問題を根本的に解決することができなかった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、固体電解質の劣化を防止し、かつ、集電部材に強固に結着することが可能な新規かつ改良された固体電池用電極、固体電池用電極を使用した固体電池、固体電池用接着フィルム、及び固体電池用電極の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、固体電解質、固体電解質に対して不活性な電極層結着剤、電極層導電性物質、及び電極活物質を含む電極層と、電極層に結着する第1の結着剤、集電部材への結着性が第1の結着剤よりも優れた第2の結着剤、及び接着層導電性物質を含み、電極層と集電部材との間に介在される接着層と、を含むことを特徴とする、固体電池用電極が提供される。
この観点によれば、固体電池用電極の接着層は、電極層に結着する第1の結着剤と、集電部材への結着性が第1の結着剤よりも優れた第2の結着剤と、接着層導電性物質とを含み、集電部材と電極層との間に介在される。したがって、接着層の第1の結着剤は電極層に結着し、第2の結着剤は集電部材に結着する。さらに、電極層の結着剤は、固体電解質に対して不活性となっている。したがって、固体電池用電極は、電極層内の固体電解質の劣化を防止し、かつ、集電部材に強固に結着することができる。
ここで、電極層結着剤は、第1の結着剤を含んでいてもよい。この観点によれば、接着層内の第1の結着剤は、接着層と電極層との界面を通じて電極層内の第1の結着剤と相互拡散することで、電極層と強固に結着することができる。
また、第1の結着剤は、極性官能基を有しない非極性樹脂で構成されていてもよい。
この観点によれば、第1の結着剤は、極性官能基を有しない非極性樹脂で構成されているので、電極層により強固に結着することができる。
また、第2の結着剤は、極性官能基を有する極性官能基含有樹脂で構成されていてもよい。
この観点によれば、第2の結着剤は、極性官能基を有する極性官能基含有樹脂で構成されているので、集電部材により強固に結着することができる。
また、固体電解質は、硫化物系固体電解質であってもよい。
この観点によれば、固体電池用電極は、電極層内の硫化物系固体電解質の劣化を防止し、かつ、集電部材に強固に結着することができる。
また、本発明の別の観点によれば、上記の固体電池用電極を含むことを特徴とする、固体電池が提供される。
この観点によれば、固体電池用電極は、電極層内の固体電解質の劣化を防止し、かつ、集電部材に強固に結着することができるので、固体電池の特性が向上する。
また、本発明の他の観点によれば、固体電解質、固体電解質に対して不活性な電極層結着剤、電極層導電性物質、及び電極活物質を含む電極層に結着し、固体電解質に不活性な第1の結着剤と、集電部材への結着性が第1の結着剤よりも優れた第2の結着剤と、接着層導電性物質とを含み、電極層と集電部材との間に介在されることを特徴とする、固体電池用接着フィルムが提供される。
この観点によれば、固体電池用接着フィルムは、電極層に結着し、固体電解質に不活性な第1の結着剤と、集電部材への結着性が第1の結着剤よりも優れた第2の結着剤と、接着層導電性物質とを含み、集電部材と電極層との間に介在される。したがって、接着フィルムの第1の結着剤は電極層に結着し、第2の結着剤は集電部材に結着するので、接着フィルムは、電極層の結着剤に固体電解質に不活性なものが用いられた場合であっても、集電部材と電極層とを強固に結着することができる。したがって、固体電池用接着フィルムは、電極層内の固体電解質の劣化を防止し、かつ、集電部材に強固に結着することができる。
また、本発明の別の観点によれば、固体電解質、固体電解質に対して不活性な電極層結着剤、電極層導電性物質、及び電極活物質を含む電極層に結着し、固体電解質に不活性な第1の結着剤と、集電部材への結着性が第1の結着剤よりも優れた第2の結着剤と、接着層導電性物質と、第1の結着剤及び第2の結着剤を溶解する第1の溶媒と、を含む接着層塗工液を集電部材上に塗工し、乾燥することで、接着層を生成する接着層生成工程と、固体電解質と、電極層結着剤と、電極活物質と、電極層導電性物質と、電極層結着剤及び第1の結着剤を溶解する第2の溶媒と、を含む電極層塗工液を接着層上に塗工し、乾燥することで、電極層を生成する電極層生成工程と、を含むことを特徴とする、固体電池用電極の製造方法が提供される。
この観点によれば、接着層生成工程は、第1の結着剤と、第2の結着剤と、接着層導電性物質と、第1の溶媒と、を含む接着層塗工液を集電部材上に塗工し、乾燥することで、接着層を生成する工程である。電極層生成工程は、固体電解質と、電極層結着剤と、電極活物質と、電極層導電性物質と、第2の溶媒と、を含む電極層塗工液を接着層上に塗工し、乾燥することで、電極層を生成する工程である。したがって、電極層塗工液の塗工時に、接着層内の第1の結着剤が第2の溶媒に溶解することで電極層内に膨潤するので、接着層と電極層との結着がより強固になる。また、接着層の第2の結着剤は、集電部材に結着し、電極層内の電極層結着剤は固体電解質に不活性である。したがって、この観点により製造された固体電池用電極は、電極層内の固体電解質の劣化を防止し、かつ、集電部材に強固に結着することができる。
以上説明したように本発明によれば、接着層の第1の結着剤は電極層に結着し、第2の結着剤は集電部材に結着する。さらに、電極層の結着剤は、固体電解質に対して不活性となっている。したがって、固体電池用電極は、電極層内の固体電解質の劣化を防止し、かつ、集電部材に強固に結着することができる。
本発明の実施形態に係る固体電池の構造を示す断面図である。 実施例と比較例との電極密度を比較して示すグラフである。 実施例と比較例とのインピーダンス実成分を比較して示すグラフである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.固体電池の構成>
まず、図1に基づいて、本実施形態に係る固体電池1の構成について説明する。固体電池1は、正極集電部材2、接着層3、正極層4、電解質層5、負極層6、負極集電帯7を備える。正極層3及び正極層4により固体電池1の正極10が構成される。また、負極層6が固体電池1の負極20を構成する。
正極集電部材2は、導電体であればどのようなものでも良く、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、及びニッケルメッキ鋼等で構成される。
接着層3は、正極集電部材2と正極層4とを結着する。接着層3は、接着層導電性物質、第1の結着剤、及び第2の結着剤を含む。接着層導電性物質は、例えばケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、グラファイト、天然黒鉛、人造黒鉛等,炭素繊維,金属粉であるが、接着層3の導電性を高めるためのものであれば特に制限されず、これらを単独で使用しても、混合して使用してもよい。
第1の結着剤は、例えば、極性官能基を有しない非極性樹脂である。したがって、第1の結着剤は、反応性の高い固体電解質、特に硫化物系固体電解質に対して不活性である。硫化物径固体電解質は、酸類、アルコール類、アミン類、エーテル類等に対して活性であることが知られている。第1の結着剤は、正極層4と結着する。ここで、正極層4に第1の結着剤が含まれる場合、接着層3内の第1の結着剤は、接着層3と正極層4との界面を通じて正極層4内の第1の結着剤と相互拡散することで、正極層4と強固に結着する。したがって、正極層4には、第1の結着剤が含まれることが好ましい。
第1の結着剤としては、例えば、SBS(スチレンブタジエンブロック重合体)、SEBS(スチレンエチレンブタジエンスチレンブロック重合体)、スチレン−スチレンブタジエン−スチレンブロック重合体等のスチレン系熱可塑性エラストマー類、SBR(スチレンブタジエンゴム)、BR(ブタジエンゴム)、NR(天然ゴム)、IR(イソプレンゴム)、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)および、これらの部分水素化物、あるいは完全水素化物が挙げられる。その他、ポリスチレン、ポリオレフィン、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリシクロオレフィン、シリコーン樹脂等が挙げられる。なお、特許文献3では、導電層に結着剤が含まれていない。したがって、接着層3と正極層4との結着性は、特許文献3の導電性接着剤と導電層との結着性よりも良好となる。
第2の結着剤は、第1の結着剤よりも正極集電部材2への結着性が優れた結着剤である。正極集電部材2への結着性が優れた結着剤であることは、例えば正極集電部材2に結着剤溶液を塗布、乾燥することにより得られた結着剤フィルムを正極集電部材2から剥離するのに必要な力を、市販の剥離試験機で計測することにより判定することができる。第2の結着剤は、例えば、極性官能基を有する極性官能基含有樹脂であり、正極集電部材2と水素結合を介して強固に結着する。ただし、第2の結着剤は、硫化物系固体電解質に対する反応性が高い場合が多いので、正極層4には含まれない。第2の結着剤としては、NBR(ニトリルゴム)、CR(クロロプレンゴム)、および、これらの部分水素化物、あるいは完全水素化物、ポリアクリル酸エステルの共重合体、PVDF(ポリビニリデンフロライド)、VDF−HFP(ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)およびそれらのカルボン酸変性物、CM(塩素化ポリエチレン)、ポリメタクリル酸エステル、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等が挙げられる。上記の第1の結着剤にカルボン酸、スルホン酸、リン酸等を有するモノマーを共重合させた高分子等が挙げられる。なお、接着層導電性物質、第1の結着剤、及び第2の結着剤の含有量の比については、特に制限されない。例えば、接着層導電性物質は接着層3の総質量に対して50〜95質量%、第1の結着剤は接着層3の総質量に対して3〜30質量%、第2の結着剤は接着層3の総質量に対して2〜20質量%含んでいれば良い。
正極層4は、硫化物系固体電解質、正極活物質、正極層導電性物質、及び正極層結着剤を含む。正極層導電性物質は、接着層導電性物質と同様のものを使用することができる。硫化物系固体電解質としては、例えば、LiS−Pが挙げられる。この硫黄系固体電解質は、リチウムイオン伝導性が他の無機化合物より高いことが知られており、LiSとPの他に、SiS、GeS、B等の硫化物を含んでいてもよい。また、固体電解質層には、適宜、LiPOやハロゲン、ハロゲン化合物等を添加した無機固体電解質を用いてもよい。
また、硫黄系固体電解質は、LiSとPを含む硫化物とを両者が溶融する温度以上に加熱して所定の比率で溶融混合し、所定時間保持した後、急冷することにより得ることができる(溶融急冷法)。また、LiSとPを含む硫化物とをメカニカルミリング法(MM法)により処理して得ることができる。LiSとPを含む硫化物との混合比は、モル比で、通常50:50〜80:20、好ましくは60:40〜75:25である。
固体電池1は、電解質が固体電解質で構成されるので、正極層4にも固体電解質が含まれる。なお、本発明者は、負極活物質が黒鉛活物質で構成される場合、負極層6に固体電解質を含めなくても、固体電池1の性能が良好になることを見出した(後述する実施例参照)。したがって、負極層6には固体電解質が含まれなくてもよい。正極層4を構成する固体電解質は、硫化物系固体電解質の他に、無機化合物からなるリチウムイオン伝導体を無機固体電解質として含有するものが挙げられる。このようなリチウムイオン伝導体としては、例えば、LiN、LISICON、LIPON(Li3+yPO4−x)、Thio−LISICON(Li3.25Ge0.250.75)、LiO−Al−TiO−P(LATP)等が挙げられる。これらの無機化合物は、結晶、非晶質、ガラス状、ガラスセラミック等の構造をとりうる。
正極活物質は、リチウムイオンを可逆的に吸蔵及び放出することが可能な物質であれば特に限定されず、例えば、コバルト酸リチウム(LCO)、ニッケル酸リチウム、ニッケルコバルト酸リチウム、ニッケルコバルトアルミニウム酸リチウム(以下、「NCA」と称する場合もある。)、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム(以下、「NCM」と称する場合もある。)、マンガン酸リチウム、リン酸鉄リチウム、硫化ニッケル、硫化銅、硫黄、酸化鉄、酸化バナジウム等が挙げられる。これらの正極活物質は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
正極活物質は、上記に挙げた正極活物質の例のうち、特に、層状岩塩型構造を有する遷移金属酸化物のリチウム塩であることが好ましい。ここでいう「層状」とは、薄いシート状の形状のことを意味し、「岩塩型構造」とは、結晶構造の1種である塩化ナトリウム型構造のことであり、陽イオン及び陰イオンのそれぞれが形成する面心立方格子が、互いに単位格子の稜の1/2だけずれた構造を指す。このような層状岩塩型構造を有する遷移金属酸化物のリチウム塩としては、例えば、Li1−x−y−zNiCoAl(NCA)またはLi1−x−y−zNiCoMn(NCM)(0<x<1、0<y<1、0<z<1、かつx+y+z<1)で表される3元系の遷移金属酸化物のリチウム塩が挙げられる。
正極層結着剤は、例えば、極性官能基を有しない非極性樹脂である。したがって、正極層結着剤は、反応性の高い固体電解質、特に硫化物系固体電解質に対して不活性である。正極層結着剤としては、例えば、SBS(スチレンブタジエンブロック重合体)、SEBS(スチレンエチレンブタジエンスチレンブロック重合体)、スチレン−(スチレンブタジエン)−スチレンブロック重合体などのスチレン系熱可塑性エラストマー類、SBR(スチレンブタジエンゴム)、BR(ブタジエンゴム)、NR(天然ゴム)、IR(イソプレンゴム)、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)および、これらの部分水素化物、あるいは完全水素化物等が挙げられる。その他、ポリスチレン、ポリオレフィン、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリシクロオレフィン、シリコーン樹脂等が挙げられる。正極層結着剤は、好ましくは、第1の結着剤を含む。
即ち、本実施形態では、固体電池1の電解質として、反応性の高い硫化物系固体電解質を使用しているので、正極層結着剤として第1の結着剤と同様に非極性樹脂を使用する。したがって、正極層4を直接正極集電部材2に結着させようとしても、正極層4が正極集電部材2に十分結着しない。そこで、本実施形態では、第1の結着剤及び第2の結着剤を含む接着層3を正極層4と正極集電部材2との間に介在させるようにしている。これにより、接着層3内の第1の結着剤が正極層4と強固に結着し、接着層3内の第2の結着剤が正極集電部材2と強固に結着するので、正極集電部材2と正極層4とが強固に結着する。ここで、正極層結着剤に第1の結着剤が含まれる場合、接着層3内の第1の結着剤は、接着層3と正極層4との界面を通じて正極層4内の第1の結着剤と相互拡散することで、正極層4と強固に結着することができる。
なお、硫化物系固体電解質、正極活物質、正極層導電性物質及び正極層結着剤の含有量の比については、特に制限されない。例えば、硫化物系固体電解質は正極層4の総質量に対して20〜50質量%、正極活物質は正極層4の総質量に対して45〜75質量%、正極層導電性物質は正極層4の総質量に対して1〜10質量%、正極層結着剤は正極層4の総質量に対して0.5〜4質量%含んでいれば良い。
電解質層5は、少なくとも硫化物系固体電解質を含む。電解質層5は、圧粉成型により生成されても、塗工により生成されてもよい。
負極層6は、少なくとも負極活物質を含む。負極活物質は、例えば、黒鉛活物質(人造黒鉛、天然黒鉛、人造黒鉛と天然黒鉛との混合物、人造黒鉛を被覆した天然黒鉛等)、ケイ素もしくはスズもしくはそれらの酸化物の微粒子と黒鉛活物質との混合物、ケイ素もしくはスズの微粒子、ケイ素もしくはスズを基本材料とした合金、及びLiTi12等の酸化チタン系化合物等が挙げられる。負極層6は圧粉成型により生成されても、塗工により生成されてもよい。
負極集電部材7は、導電体であればどのようなものでも良く、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、銅、及びニッケルメッキ鋼等で構成される。なお、上記の各層には、公知の添加剤等を適宜加えてもよい。
<2.固体電池の製造方法>
次に、固体電池1の製造方法の一例について説明する。まず、第1の結着剤と、第2の結着剤と、接着層導電性物質と、第1の結着剤及び第2の結着剤を溶解する第1の溶媒と、を含む接着層塗工液を生成する。ここで、第1の溶媒としては、例えば、NMP(N−メチルピロリドン)、DMF(N、N−ジメチルホルムアミド)、N,N−ジメチルアセトアミド、等のアミド溶媒、酢酸ブチル、酢酸エチル等のアルキルエステル溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類溶媒、テトラフドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類溶媒等が挙げられる。接着層3には硫化物系固体電解質が含まれないか、正極層4から膨潤した硫化物系固体電解質が少量含まれる程度であるので、第1の溶媒には極性溶媒を使用することができる。即ち、本発明者は、第1の結着剤及び第2の結着剤を溶解することができる第1の溶媒を見出し、この知見に基づき、本実施形態の製造方法に想到するに至った。
次いで、接着層塗工液を正極集電部材2上に塗工し、乾燥することで、接着層3を生成する。なお、卓上スクリーン印刷機等の基板上に接着層塗工液を塗工し、乾燥することで、接着フィルムを形成し、この接着フィルムを正極集電部材2に圧着してもよい。
次いで、硫化物系固体電解質と、正極活物質と、正極層導電性物質と、正極層結着剤と、正極層結着剤及び第1の結着剤を溶解する第2の溶媒と、を含む正極層塗工液を生成する。第2の溶媒は、正極層結着剤及び第1の結着剤を溶解するが、第2の結着剤を溶解しない。第2の溶媒は、具体的には非極性溶媒であり、例えば、キシレン、トルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類等が挙げられる。次いで、正極層塗工液を接着層3上に塗工し、乾燥することで、正極層4を生成する。これにより、接着層3内の第1の結着剤が第2の溶媒に溶解することで正極層4内に膨潤するので、接着層3と正極層4との結着がより強固になる。また、第2の溶媒は第2の結着剤を溶解しないので、接着層3上に正極層塗工液を塗工した際に、接着層3内の第2の結着剤が正極層4内に膨潤することが防止される。これにより、正極層4内の硫化物系固体電解質が第2の結着剤により劣化することが防止される。以上の工程により、正極集電部材2、接着層3、及び正極層4を含む正極構造体が生成される。
一方、圧粉成型等により電解質層5、負極層6、及び負極集電部材7を形成し、これらと正極構造体とを圧着することで、固体電池1を生成する。
<3.実施例>
次に、本実施形態の実施例について説明する。なお、以下の各実施例及び比較例での作業は、全て露点温度−55℃以下のドライルーム内で行われた。
[実施例1]
[接着層の生成]
接着層導電性物質としてのグラファイト(ティムカル社KS−4、以下同じ)及びアセチレンブラック(電気化学工業、以下同じ)と、第1の結着剤としてのスチレン系熱可塑性エラストマー(以下、結着剤A)(旭化成S.O.E S1611、以下同じ)と、第2の結着剤としての酸変性PVDF(以下、結着剤B)(クレハKF9200、以下同じ)とを60:10:15:15の質量%比で秤量した。そして、これらの材料と適量のNMPとを自転公転ミキサに投入し、3000rpmで5分撹拌することで、接着層塗工液を生成した。
次いで、卓上スクリーン印刷機(ニューロンリング精密工業社製、以下同じ)に正極集電部材2として厚さ20μmのアルミニウム箔集電部材を載置し、400メッシュのスクリーンを用いて接着層塗工液をアルミニウム箔集電部材上に塗工した。その後、接着層塗工液が塗工された正極集電部材2を80℃で12時間真空乾燥させた。これにより、正極集電部材2上に接着層3を形成した。乾燥後の接着層3の厚さは7μmであった。
[正極層の生成]
正極活物質としてのLiNiCoAlO三元系粉末と、硫化物系固体電解質としてのLiS−P(80:20モル%)非晶質粉末と、導電助剤(正極層導電性物質)としての気相成長炭素繊維粉末とを60:35:5の質量%比で秤量し、自転公転ミキサを用いて混合した。
次いで、この混合粉に、正極層結着剤としての水素化NBR(以下結着剤C)(ランクセス社Therban A3907、以下同じ)が溶解したキシレン溶液を結着剤Cが混合粉の総質量に対して1質量%となるように添加することで、1次混合液を調整した。さらに、この混合液に、正極層結着剤としての結着剤Aが溶解したキシレン溶液を結着剤Aが混合粉の総質量に対して0.5質量%となるように添加することで、2次混合液を調整した。さらに、この2次混合液に、粘度調整のための脱水キシレンを適量添加することで、3次混合液を生成した。さらに、混合粉の分散性を向上させるために、直径5mmのジルコニアボールを、空間、混合粉、ジルコニアボールがそれぞれ混練容器の全容積に対して1/3ずつを占めるように3次混合液に投入した。これにより生成された4次混合液を自転公転ミキサに投入し、3000rpmで3分撹拌することで、正極層塗工液を生成した。
次いで、卓上スクリーン印刷機に正極集電部材2及び接着層3からなるシートを載置し、150μmのメタルマスクを用いて正極層塗工液をシート上に塗工した。その後、正極層塗工液が塗工されたシートを40℃のホットプレートで10分乾燥させた後、40℃で12時間真空乾燥させた。これにより、接着層3上に正極層4を形成した。乾燥後の正極集電部材2、接着層3、及び正極層4の総厚さは165μm前後であった。
次いで、正極集電部材2、接着層3、及び正極層4からなるシートをロールギャップ10μmのロールプレス機を用いて圧延することで、正極構造体を生成した。正極構造体の厚さは120μm前後であった。得られた正極構造体を直径13mmで打ちぬき、これを固体電池の製造に用いた。なお、正極構造体の密度、即ち電極密度は2.96g/ccであった。
[固体電池の生成]
固体電解質としてのLiS−P(80:20モル%)非晶質粉末を70mg秤量し、内径13mmのポリプロピレン製絶縁筒に充填した。その後、LiS−Pを直径13mmの成形治具で圧粉成型することで、電解質層5を生成した。次いで、負極活物質としての黒鉛粉末(80℃で24時間真空乾燥したもの)を電解質層5の上面に15mg充填し、同様に圧粉成型することで、負極層6を形成した。
次いで、電解質層5の裏面に正極構造体を充填し、ポリプロピレン製絶縁筒の両端を直径13mmのステンレス製ピンで塞ぐ。次いで、ポリプロピレン製絶縁筒を4t/mの圧力で10分保持することで、一体成型体とした。ついで、一体成型体を3kN/mの圧力で保持した後、真空ラミネート加工することで、固体電池1を製造した。
[実施例2]
正極層の生成工程において、結着剤Aのキシレン溶液を結着剤Aが混合粉の総質量に対して2.0質量%となるように混合液に添加したこと以外は、実施例1と同様の工程により、固体電池1を製造した。なお、正極構造体の密度、即ち電極密度は1.93g/ccであった。
[参考例]
正極層の生成工程において、結着剤Cのキシレン溶液を結着剤Cが混合粉の総質量に対して2.0質量%となるように混合粉に添加したこと以外は、実施例1と同様の工程により、固体電池1を製造した。なお、正極構造体の密度、即ち電極密度は1.53g/ccであった。
[比較例1]
[正極層の生成]
正極活物質としてのLiNiCoAlO三元系粉末と、硫化物系固体電解質としてのLiS−P(80:20モル%)非晶質粉末と、導電助剤としての気相成長炭素繊維粉末とを60:35:5の質量%比で秤量し、自転公転ミキサを用いて混合した。
次いで、この混合粉に、結着剤A(正極層結着剤)のキシレン溶液を結着剤Aが混合粉の総質量に対して2.0質量%となるように添加することで、1次混合液を調整した。さらに、この1次混合液に、粘度調整のための脱水キシレンを適量添加することで、2次混合液を生成した。さらに、混合粉の分散性を向上させるために、直径5mmのジルコニアボールを、空間、混合粉、ジルコニアボールがそれぞれ混練容器の全容積に対して1/3ずつを占めるように2次混合液に投入した。これにより生成された3次混合液を自転公転ミキサに投入し、3000rpmで3分撹拌することで、正極層塗工液を生成した。
次いで、卓上スクリーン印刷機に正極集電部材として厚さ20μmのアルミニウム箔集電部材を載置し、150μmのメタルマスクを用いて正極層塗工液をシート上に塗工した。その後、正極層塗工液が塗工されたシートを40℃のホットプレートで10分乾燥させた後、40℃で12時間真空乾燥させた。これにより、正極集電部材上に正極層を形成した。乾燥後の正極集電部材及び正極層の総厚さは135μm前後であった。
次いで、正極集電部材及び正極層からなるシートをロールギャップ10μmのロールプレス機を用いて圧延したが、正極層の正極集電部材からの剥離が認められた。このため、比較例1では、固体電池の製造及び評価を行わなかった。
[比較例2]
[正極層の生成]
正極活物質としてのLiNiCoAlO三元系粉末と、硫化物系固体電解質としてのLiS−P(80:20モル%)非晶質粉末と、導電助剤としての気相成長炭素繊維粉末とを60:35:5の質量%比で秤量し、自転公転ミキサを用いて混合した。
次いで、この混合粉に、結着剤B(第2の結着剤)のNMP溶液を結着剤Bが混合粉の総質量に対して2.0質量%となるように添加することで、1次混合液を調整した。さらに、この1次混合液に、粘度調整のためのNMP溶媒を適量添加することで、2次混合液を生成した。さらに、混合粉の分散性を向上させるために、直径5mmのジルコニアボールを、空間、混合粉、ジルコニアボールがそれぞれ混練容器の全容積に対して1/3ずつを占めるように2次混合液に投入した。これにより生成された3次混合液を自転公転ミキサに投入し、3000rpmで3分撹拌することで、正極層塗工液を生成した。
次いで、卓上スクリーン印刷機に正極集電部材として厚さ20μmのアルミニウム箔集電部材を載置し、150μmのメタルマスクを用いて正極層塗工液をシート上に塗工した。その後、正極層塗工液が塗工されたシートを80℃のホットプレートで10分乾燥させた後、80℃で12時間真空乾燥させた。これにより、正極集電部材上に正極層を形成した。乾燥後の正極集電部材及び正極層の総厚さは135μm前後であった。
次いで、正極集電部材及び正極層からなるシートをロールギャップ10μmのロールプレス機を用いて圧延することで、正極構造体を得た。正極構造体の厚さは110μm前後であった。得られた正極構造体を直径13mmで打ちぬき、これを固体電池の製造に用いた。その後は実施例1と同様にして、固体電池を製造した。なお、正極構造体の密度、即ち電極密度は2.65g/ccであった。
[インピーダンス測定]
得られた固体電池を、25℃恒温槽内で電圧4Vとなるまで電流密度0.05mA/cmの条件で充電を行い、その後、25℃の恒温槽内で1kHzにおけるインピーダンスの実成分Z’(Ω)を固体電池の抵抗として測定した。なお、測定はAUTOLAB製インピーダンスアナライザーにより行われた。
[評価]
図2に、実施例1〜2、及び参考例の電極密度と比較例2の電極密度とを対比して示す。また、図3に、実施例1〜2、及び参考例のインピーダンス実成分Z’と比較例2のインピーダンス実成分Z’とを対比して示す。図2及び図3によれば、実施例1〜2、及び参考例の電極密度は比較例2の電極密度と同程度または小さいのに対し、実施例1〜2、及び参考例のインピーダンス実成分Z’は比較例2のインピーダンス実成分Z’よりも明らかに小さい。即ち、実施例1〜2、及び参考例の固体電池1は比較例2の固体電池よりも大きく特性が向上している。
比較例2では、正極層に第2の結着剤を含むので、正極層内の硫化物系固体電解質が劣化してしまったのに対し、実施例1〜2、及び参考例では、正極層4への第2の結着剤の膨潤が防止されるので、硫化物系固体電解質の劣化が防止される。さらに、実施例1〜2、及び参考例では、接着層3内の第1の結着剤が正極層4と強固に結着し、接着層3内の第2の結着剤が正極集電部材2と強固に結着する。したがって、正極集電部材2と正極層4とが強固に結着する。これらの理由により、実施例1〜2、及び参考例の固体電池1は、比較例2の固体電池よりも特性が大きく向上していると考えられる。表1に、実施例1〜2、参考例及び比較例1〜2の材料及び評価をまとめて示す。
Figure 0005919603
以上により、本実施形態の正極10は、接着層3及び正極層4を含む。そして、接着層3は、正極層4に結着する第1の結着剤と、正極集電部材2への結着性が第1の結着剤よりも優れた第2の結着剤と、接着層導電性物質とを含み、正極集電部材2と正極層4との間に介在される。さらに、正極層4の結着剤は、硫化物系固体電解質に対して不活性な第1の結着剤となっている。したがって、正極10は、正極層4内の硫化物系固体電解質の劣化を防止し、かつ、正極集電部材2に強固に結着することができる。
さらに、正極層結着剤は、第1の結着剤を含む。したがって、接着層3内の第1の結着剤は、接着層3と正極層4との界面を通じて正極層4内の第1の結着剤と相互拡散することで、正極層4と強固に結着することができる。
さらに、第1の結着剤は、極性官能基を有しない非極性樹脂で構成されているので、正極層4により強固に結着することができ、かつ、硫化物系固体電解質の劣化をより確実に防止することができる。
さらに、第2の結着剤は、極性官能基を有する極性官能基含有樹脂で構成されているので、正極集電部材2により強固に結着することができる。
さらに、固体電池1は、正極10を含むので、固体電池1の特性が向上する。さらに、本実施形態の製造方法は、接着層生成工程と、正極層生成工程とを含む。接着層生成工程は、第1の結着剤と、第2の結着剤と、接着層導電性物質と、第1の溶媒と、を含む接着層塗工液を正極集電部材2上に塗工し、乾燥することで、接着層を生成する工程である。正極層生成工程は、固体電解質と、電極活物質と、正極層導電性物質と、正極層結着剤と、第2の溶媒と、を含む正極層塗工液を接着層上に塗工し、乾燥することで、正極層4を生成する工程である。第2の溶媒は、第1の結着剤を溶解する。したがって、正極層塗工液の塗工時に、接着層3内の第1の結着剤が第2の溶媒に溶解することで正極層4内に膨潤するので、接着層3と正極層4との結着がより強固になる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。例えば、上記の実施形態では、接着層を正極集電部材2と正極層4との間に設けたが、負極集電部材7と負極層6との間に設けてもよい。この場合、負極層6は正極層4と同様の構成をとりうる。
1 固体電池
2 正極集電部材
3 接着層
4 正極層
5 電解質層
6 負極層
7 負極集電部材

Claims (4)

  1. 固体電解質、前記固体電解質に対して不活性な電極層結着剤、及び電極活物質を含む電極層と、
    前記電極層に結着し、前記固体電解質に不活性な第1の結着剤、集電部材への結着性が前記第1の結着剤よりも優れた第2の結着剤、及び接着層導電性物質を含み、前記電極層と前記集電部材との間に介在される接着層と、を含み、
    前記電極層結着剤は、前記第1の結着剤を含み、
    前記第1の結着剤は、極性官能基を有しない非極性樹脂で構成され、
    前記第2の結着剤は、極性官能基を有する極性官能基含有樹脂で構成され、
    前記固体電解質は、硫化物系固体電解質であることを特徴とする、固体電池用電極。
  2. 請求項に記載の固体電池用電極を含むことを特徴とする、固体電池。
  3. 固体電解質、前記固体電解質に対して不活性な電極層結着剤、及び電極活物質を含む電極層に結着し、前記固体電解質に不活性な第1の結着剤と、集電部材への結着性が前記第1の結着剤よりも優れた第2の結着剤と、接着層導電性物質とを含み、前記電極層と前記集電部材との間に介在され
    前記電極層結着剤は、前記第1の結着剤を含み、
    前記第1の結着剤は、極性官能基を有しない非極性樹脂で構成され、
    前記第2の結着剤は、極性官能基を有する極性官能基含有樹脂で構成され、
    前記固体電解質は、硫化物系固体電解質であることを特徴とする、固体電池用接着フィルム。
  4. 固体電解質、前記固体電解質に対して不活性な電極層結着剤、及び電極活物質を含む電極層に結着し、前記固体電解質に不活性な第1の結着剤と、集電部材への結着性が前記第1の結着剤よりも優れた第2の結着剤と、接着層導電性物質と、前記第1の結着剤及び前記第2の結着剤を溶解する第1の溶媒と、を含む接着層塗工液を集電部材上に塗工し、乾燥することで、接着層を生成する接着層生成工程と、
    前記固体電解質と、前記電極層結着剤と、前記電極活物質と、前記電極層結着剤及び前記第1の結着剤を溶解する第2の溶媒と、を含む電極層塗工液を前記接着層上に塗工し、乾燥することで、電極層を生成する電極層生成工程と、を含み、
    前記電極層結着剤は、前記第1の結着剤を含み、
    前記第1の結着剤は、極性官能基を有しない非極性樹脂で構成され、
    前記第2の結着剤は、極性官能基を有する極性官能基含有樹脂で構成され、
    前記固体電解質は、硫化物系固体電解質であることを特徴とする、固体電池用電極の製造方法。
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