JP6224405B2 - 電気素子および電気素子の製造方法 - Google Patents
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Description
また、本発明は、正極層と負極層との短絡を抑制しつつ、電気素子を製造することが可能な、電気素子の製造方法を提供する。
第1固体電極層と、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質層と、第2固体電極層と、がこの順に積層されることにより構成された素子部を含み、発電または蓄電を行う素子本体を備え、
前記素子部を平面視したときに、前記第1固体電極層と前記第2固体電極層とのうちの少なくとも何れか一方の電極層の外形線が、前記固体電解質層の外形線の内側に収まっており、
前記素子本体を封止している封止樹脂部を更に備え、
前記封止樹脂部は、
樹脂製の枠体であって、その表裏を貫通する貫通孔が形成され、前記貫通孔内に前記素子本体を収容している枠体と、
前記素子本体の一方の面に接合されているとともに、前記貫通孔の一端を封止している第1封止導電性樹脂層と、
前記素子本体の他方の面に接合されているとともに、前記貫通孔の他端を封止している第2封止導電性樹脂層と、
を有し、
前記第1封止導電性樹脂層は、前記素子本体の一方の面と、前記枠体の一方の面と、に接合されて、前記貫通孔の一端を封止しており、
前記第2封止導電性樹脂層は、前記素子本体の他方の面と、前記枠体の他方の面と、に接合されて、前記貫通孔の他端を封止しており、
前記枠体には、複数の前記貫通孔が形成され、
前記複数の貫通孔の各々に、それぞれ前記素子本体が収容され、
前記第1封止導電性樹脂層は、各素子本体の一方の面に接合されて、各素子本体の前記第1固体電極層を相互に電気的に接続しているとともに、前記複数の貫通孔の各々の一端を一括して封止しており、
前記第2封止導電性樹脂層は、各素子本体の他方の面に接合されて、各素子本体の前記第2固体電極層を相互に電気的に接続しているとともに、前記複数の貫通孔の各々の他端を一括して封止している電気素子を提供する。
つまり、この電気素子は、第1固体電極層と第2固体電極層との短絡が抑制された構造すなわち製造安定性に優れた構造のものである。
第1固体電極層と、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質層と、第2固体電極層と、がこの順に積層されることにより構成される素子部を含み、発電または蓄電を行う素子本体を作製する工程を備え、
前記素子本体を作製する工程は、平面視において、前記第1固体電極層と前記第2固体電極層とのうちの少なくとも何れか一方の電極層の外形線が、前記固体電解質層の外形線の内側に収まるように、前記第1固体電極層と、前記固体電解質層と、前記第2固体電極層と、をこの順に積層して、プレス成形を行う工程を含み、
前記素子本体を封止する工程を更に備え、
前記素子本体を封止する工程は、
表裏を貫通する貫通孔が形成された樹脂製の枠体の前記貫通孔内に前記素子本体を挿入する工程と、
第1封止導電性樹脂層によって前記貫通孔の一端を封止する工程と、
前記素子本体の一方の面に前記第1封止導電性樹脂層を接合する工程と、
第2封止導電性樹脂層によって前記貫通孔の他端を封止する工程と、
前記素子本体の他方の面に前記第2封止導電性樹脂層を接合する工程と、
を備え、
前記第1封止導電性樹脂層は、第1封止導電性粘着フィルムであり、
前記第2封止導電性樹脂層は、第2封止導電性粘着フィルムであり、
前記貫通孔の一端を封止する工程では、前記第1封止導電性粘着フィルムを前記枠体の一方の面に貼り付け、
前記素子本体の一方の面に前記第1封止導電性樹脂層を接合する工程では、前記第1封止導電性粘着フィルムを前記素子本体の一方の面に貼り付け、
前記貫通孔の他端を封止する工程では、前記第2封止導電性粘着フィルムを前記枠体の他方の面に貼り付け、
前記素子本体の他方の面に前記第2封止導電性樹脂層を接合する工程では、前記第2封止導電性粘着フィルムを前記素子本体の他方の面に貼り付ける電気素子の製造方法を提供する。
以下に説明する各実施形態では、電気素子が全固体型リチウムイオン電池100であり、電気素子の製造方法が全固体型リチウムイオン電池の製造方法である例を説明する。
図1は第1の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池(電気素子)100の断面図である。図2は第1の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100を構成する部品の平面図であり、このうち図2(a)は枠体30を、図2(b)は電池本体(素子本体)1を、図2(c)は集電体層51、52を、それぞれ示す。
ここで、貫通孔33の一端を封止(閉塞)するとは、貫通孔33の一端側の開口を封止(閉塞)することを意味する。同様に、貫通孔33の他端を封止(閉塞)するとは、貫通孔33の他端側の開口を封止(閉塞)することを意味する。
枠体30には、その表裏を貫通する貫通孔33が形成されている。貫通孔33の平面形状は、電池本体1の平面形状と同等である。貫通孔33は、電池本体1をほぼ隙間無く収容する寸法に設定されていることが好ましい。枠体30の厚さは、電池本体1の厚さと同等である。
ただし、貫通孔33に電池本体1が収容された状態で、電池本体1の側面(周面)が貫通孔33の内周壁面33aに当接していることが好ましい。
第1封止導電性粘着フィルム41は、電池本体1の一方の面1aと、枠体30の一方の面31と、に貼り付けられて、貫通孔33の一端を封止(閉塞)している。同様に、第2封止導電性粘着フィルム42は、電池本体1の他方の面1bと、枠体30の他方の面32と、に貼り付けられて、貫通孔33の他端を封止(閉塞)している。
同様に、第2封止導電性粘着フィルム42は、貫通孔33の他端を完全に閉塞することが可能な形状及び寸法であることが好ましいが、その平面形状は、任意の形状とすることができる。
第1封止導電性粘着フィルム41および第2封止導電性粘着フィルム42の平面形状は、例えば、枠体30の外形形状と同等の形状とすることができる。
図3(a)〜(d)および図4(a)〜(c)は第1の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池の製造方法における一連の工程を示す断面図である。
この製造方法は、第1固体電極層(例えば正極層11)と、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質層12と、第2固体電極層(例えば負極層13)と、がこの順に積層されることにより構成される素子部(電池素子10)を含み、発電または蓄電を行う素子本体(電池本体1)を作製する工程を備える。
素子本体を作製する工程は、平面視において、第1固体電極層と第2固体電極層とのうちの少なくとも何れか一方の電極層(例えば正極層11)の外形線が、固体電解質層12の外形線の内側に収まるように、第1固体電極層と、固体電解質層12と、第2固体電極層と、をこの順に積層して、プレス成形を行う工程を含む。
以下、具体的な工程の一例を説明する。なお、以下に説明する工程は、最終的に全固体型リチウムイオン電池100を作製することが可能な順序であれば、以下に例示する以外の順序で行っても良い。
ここでのプレス成形の際には、平面視において、正極層11の外形線が固体電解質層12の外形線の内側に収まっている。このため、プレス成形の際にプレス成形用の型と積層体(正極層11、固体電解質層12および負極層13)との隙間において、正極層11または負極層13を構成する粉末材料がこぼれてしまうことによって正極層11と負極層13とが短絡してしまうことが、抑制される。
プレス成形の際に、下から順に、負極層13、固体電解質層12および正極層11を配置した場合は、正極層11の粉末材料が正極層11の側面からこぼれたとしても、正極層11の粉末材料が固体電解質層12の上面にて捕捉される。よって、正極層11の粉末材料が負極層13の側面に付着してしまうことが抑制される結果、短絡が抑制される。
一方、プレス成形の際に、下から順に、正極層11、固体電解質層12および負極層13を配置した場合は、負極層13の粉末材料が負極層13の側面からこぼれて、その粉末材料が更に固体電解質層12よりも下方に落下したとしても、その粉末材料が下層の正極層11の側面に付着してしまうことが抑制される。よって、やはり、短絡が抑制される。
また、第1集電体層51および第2集電体層52を準備する。第1集電体層51の一方の面には、第1集電体層51と同一の形状及び寸法の第1封止導電性粘着フィルム41を貼り付け、第2集電体層52の他方の面には、第2集電体層52と同一の形状及び寸法の第2封止導電性粘着フィルム42を貼り付ける。
この構造によれば、正極層11と、固体電解質層12と、負極層13と、をこの順に積層してプレス成形を行うことによって電池本体1を作製する場合であっても、正極層11と負極層13との短絡を抑制することができる。
つまり、全固体型リチウムイオン電池100を、正極層11と負極層13との短絡が抑制された構造のものとすることができる。
このように、電池本体1が封止樹脂部20によって封止されているので、全固体型リチウムイオン電池100を安定的な構造のものとすることができる。
電池本体1の一方の面1aには第1導電性樹脂層(例えば第1封止導電性粘着フィルム41)が接合されているので、第1導電性樹脂層を介して電池本体1を外部へ電気的に接続することができる。同様に、電池本体1の他方の面1bには第2導電性樹脂層(例えば第2封止導電性粘着フィルム42)が接合されているので、第2導電性樹脂層を介して電池本体1を外部へ電気的に接続することができる。
なお、全固体型リチウムイオン電池100は、有機電解液を有していないため、有機電解液の漏れの心配が無いとともに、有機電解液によって第1導電性樹脂層および第2導電性樹脂層が溶解してしまう心配もない。よって、第1導電性樹脂層および第2導電性樹脂層を用いた封止が可能である。
つまり、全固体型リチウムイオン電池100を、生産性に優れ、且つ、品質を容易に安定させることが可能な構造のものとすることができる。
図5は第2の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100の断面図である。本実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100は、以下に説明する点で、上記の第1の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100と相違し、その他の点では、上記の第1の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100と同様に構成されている。
図6(a)〜(e)および図7(a)〜(c)は本実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池の製造方法における一連の工程を示す断面図である。
このように、電池本体1を作製する工程は、正極層11を導電性粘着フィルム61の一方の面により保持させる工程を含む。
より具体的には、例えば、導電性樹脂層は、導電性粘着フィルム61であり、正極層11を導電性樹脂層の一方の面により保持させる工程では、正極層11を構成する粉末材料を導電性粘着フィルム61に対してプレスすることによって、正極層11を成形するとともに正極層11を導電性粘着フィルム61の一方の面により保持させる。
このように、プレス成形を行う工程では、正極層11を導電性粘着フィルム61により保持した状態で、プレス成形を行う。
また、第1集電体層51および第2集電体層52を準備し、第1集電体層51の一方の面には、第1集電体層51と同一の形状及び寸法の第1導電性粘着フィルム41を貼り付け、第2集電体層52の他方の面には、第2集電体層52と同一の形状及び寸法の第2導電性粘着フィルム42を貼り付ける。
より具体的には、電池本体1は、負極層13の、固体電解質層12側とは反対側の面(外表面13a)に接合された、導電性樹脂層(例えば導電性粘着フィルム62)を更に備える。よって、導電性粘着フィルム62が負極層13の崩壊を抑制する支持体として機能するので、負極層13の崩壊が抑制されている。このため、電池本体1が大寸法(大面積)であっても、電池本体1を安定的な構造のものとすることができる。
また、正極層11、固体電解質層12および負極層13をプレスにより一体化する際に、負極層13における固体電解質層12側とは反対側に導電性粘着フィルム62を配置した状態でプレスを行う。よって、このプレスの際に負極層13が崩壊してしまうことを導電性粘着フィルム62によって抑制することができる。
図8(a)は第3の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100の断面図であり、図8(b)は第3の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100の枠体の平面図である。図8(a)は図8(b)に示すA−A線と対応する位置での断面を示す。本実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100は、以下に説明する点で、上記の第2の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100と相違し、その他の点では、上記の第2の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100と同様に構成されている。
つまり、本実施形態の場合、第1封止導電性樹脂層と第2封止導電性樹脂層とによって、複数の電池本体1が相互に並列に接続されている。
また、複数の電池本体1が、第1封止導電性樹脂層と第2封止導電性樹脂層とによって相互に並列に接続されているので、全固体型リチウムイオン電池100全体の容量が上記の第2の実施形態よりも増大する。
図9は第4の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100の断面図である。本実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100は、以下に説明する点で、上記の第3の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100と相違し、その他の点では、上記の第3の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100と同様に構成されている。
そして、電池本体1を構成する複数の電池素子10は、直列接続用導電性樹脂層80を介して相互に電気的に接続されている。すなわち、電池本体1を構成する複数の電池素子10のうち、互いに隣り合う電池素子10の正極層11と負極層13とが、直列接続用導電性樹脂層80を介して相互に電気的に接続されている。
そして、直列接続用導電性樹脂層80は、例えば、1つの電池本体1を構成する2つの電池素子10のうち、一方の電池素子10に貼り付けられた導電性粘着フィルム61と、他方の電池素子10に貼り付けられた導電性粘着フィルム62と、の間に介装されて、これら導電性粘着フィルム61と導電性粘着フィルム62とを相互に電気的に接続している。
また、各電池本体1は、相互に直列に接続された複数の電池素子10を有するので、全固体型リチウムイオン電池100が出力する電圧が上記の第3の実施形態よりも増大する。
また、上記の第4の実施形態では、電池本体1が導電性粘着フィルム61および導電性粘着フィルム62を有する例を説明したが、上記の第1の実施形態と同様に、電池本体1は、導電性粘着フィルム61および導電性粘着フィルム62を有していなくても良い。
図11(a)〜(d)の各々は、第5の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100の断面図である。
より具体的には、周縁封止部70は、第1集電体層51の外周端面51aと、第1封止導電性粘着フィルム41の外周端面41aと、枠体30の外周面34と、第2封止導電性粘着フィルム42の外周端面42aと、第2集電体層52の外周端面52aと、を一括して封止している。
本実施形態の場合、全固体型リチウムイオン電池100は、周縁封止部70を有しているので、大気中の水分が第1封止導電性樹脂層(第1封止導電性粘着フィルム41)および第2封止導電性樹脂層(第2封止導電性粘着フィルム42)を通して貫通孔33の内部に浸入してしまうことを抑制することができる。よって、全固体型リチウムイオン電池100をより安定的な構造のものとすることができる。
導電性粘着フィルム61、62は、片面が粘着性を有する導電性粘着フィルムからなる。この導電性粘着フィルムは、厚さ0.05mmのAl箔の一方の面に0.035mmの厚さの粘着性樹脂層が形成されたものであり、その総厚が0.085mmである。粘着性樹脂層は、粘着性樹脂中に導電性微粒子としてNi粒子を分散させることにより構成されており、導電性を有する。導電性粘着フィルム61、62は、そのような構造の導電性粘着フィルムを直径13mmの円形に切り取ったものである。
正極層11の材料としては、アモルファスLi6MoS6の粉末と、アセチレンブラックの粉末と、Li11P3S12の粉末と、を重量比1:1:1で混合してなる粉末材料を34mg用いた。
正極層11の粉末材料を導電性粘着フィルム61における粘着剤層側の面に対してプレスすることによって、正極層11を導電性粘着フィルム61と一体的に成形した。このプレス成形は室温で行い、プレス圧力は250MPaとした。正極層11は、導電性粘着フィルム61と同じ直径(13mm)の円板形とした。
正極層11と導電性粘着フィルム61との合計の厚さは150μmとした。
Li11P3S12ガラスの粉末400mgをプレス成形することにより固体電解質層12を作製した。固体電解質層12は、直径14mmの円板形とした。このプレス成形は、室温で行い、プレス圧力は377MPaとした。固体電解質層12の厚さは200μmとした。
負極層13の材料としては、Li22Si5の粉末と、グラファイトの粉末と、Li11P3S12の粉末と、を重量比27:53:20で混合してなる粉末材料を14mg用いた。負極層13の粉末材料を、成形後の固体電解質層12に対して積層プレスすることにより、負極層13を固体電解質層12と一体的にプレス成形した。
このプレス成形は室温で行い、プレス圧力は377MPaとした。負極層13は、固体電解質層12と同じ直径(14mm)の円板形とした。負極層13と導電性粘着フィルム62との合計の厚さは150μmとした。
導電性粘着フィルム61、正極層11、固体電解質層12、負極層13および導電性粘着フィルム62をこの順に積層する。なお、導電性粘着フィルム62は、粘着剤層側の面を負極層13側に配置する。そして、導電性粘着フィルム61、正極層11、固体電解質層12、負極層13および導電性粘着フィルム62の積層体をプレスすることによって、電池素子10を一体形成する。電池素子10は合計8つ作製した。電池素子10の厚さは、500μmとした。
直列接続用導電性樹脂層80は、両面が粘着性を有する導電性粘着フィルムからなる。この導電性粘着フィルムは、0.035mmの厚さの粘着性樹脂層からなる。この粘着性樹脂層は、粘着性樹脂中に導電性微粒子としてNi粒子を分散させることにより構成されており、導電性を有する。直列接続用導電性樹脂層80は、このような構造の導電性粘着フィルムを直径13mmの円形に切り取ったものである。
直列接続用導電性樹脂層80を間に挟んで2つの電池素子10を積層することによって、直列接続用導電性樹脂層80により2つの電池素子10を直列に接続し、電池本体1を作製した。すなわち、直列接続用導電性樹脂層80を、2つの電池素子10のうちの一方の電池素子10の導電性粘着フィルム61と、他方の電池素子10の導電性粘着フィルム62とに貼り付けることにより、電池本体1を作製した。電池本体1は合計4つ作製した。電池本体1の厚さは1mmとした。
枠体30としては、一辺40mmの正方形状(角が丸められている)で厚さ1mmのPETフィルムに、直径15mmの貫通孔33を4つ、前後左右対称に形成したものを用いた。
第1集電体層51および第2集電体層52として、それぞれ厚さ8μmのSUS304箔を用いた。第1集電体層51および第2集電体層52の平面形状は、平面視における枠体30の外形形状と等しくした。
第1封止導電性粘着フィルム41および第2封止導電性粘着フィルム42は、直列接続用導電性樹脂層80と同じ構造の導電性粘着フィルムを、第1集電体層51および第2集電体層52と同じ平面形状に切り取ったものである。第1封止導電性粘着フィルム41は第1集電体層51の一方の面に貼り付け、第2封止導電性粘着フィルム42は第2集電体層52の一方の面に貼り付けた。
枠体30の他方の面32には、第2封止導電性粘着フィルム42を介して第2集電体層52を貼り付けた。
そして、枠体30の4つの貫通孔33の各々に、電池本体1を挿入した。ここで、各電池本体1の他方の面1bには、第2封止導電性粘着フィルム42を介して、第2集電体層52を貼り付けた。
そして、枠体30の一方の面31には、第1封止導電性粘着フィルム41を介して第1集電体層51を貼り付けた。ここで、第1集電体層51は、第1封止導電性粘着フィルム41を介して、各電池本体1の一方の面1aにも貼り付けた。
電圧:4V
容量:2.6mAh
エネルギー密度:3.3Wh/kg
5.6Wh/L
以下、参考態様の例を付記する。
1. 第1固体電極層と、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質層と、第2固体電極層と、がこの順に積層されることにより構成された素子部を含み、発電または蓄電を行う素子本体を備え、
前記素子部を平面視したときに、前記第1固体電極層と前記第2固体電極層とのうちの少なくとも何れか一方の電極層の外形線が、前記固体電解質層の外形線の内側に収まっている電気素子。
2. 前記素子部を平面視したときに、前記第1固体電極層と前記第2固体電極層とのうちの何れか一方の外形線が、前記固体電解質層の外形線の内側に収まっており、何れか他方の外形線が前記固体電解質層の外形線と重なっている1.に記載の電気素子。
3. 前記素子部を平面視したときに、前記第1固体電極層と前記第2固体電極層とのうちの何れか一方の外形線の全体が、前記固体電解質層の外形線の内側に収まっている2.に記載の電気素子。
4. 前記素子部を平面視したときに、前記第1固体電極層、前記固体電解質層および前記第2固体電極層の各々の外形線が互いに相似形である1.乃至3.の何れか一つに記載の電気素子。
5. 前記素子本体は、前記少なくとも何れか一方の電極層の、前記固体電解質層側とは反対側の面に接合された、導電性樹脂層を更に備える1.乃至4.の何れか一つに記載の電気素子。
6. 前記導電性樹脂層は、導電性粘着フィルムであり、前記少なくとも何れか一方の電極層の前記固体電解質層側とは反対側の面に貼り付けられている5.に記載の電気素子。
7. 前記素子本体を封止している封止樹脂部を更に備え、
前記封止樹脂部は、
樹脂製の枠体であって、その表裏を貫通する貫通孔が形成され、前記貫通孔内に前記素子本体を収容している枠体と、
前記素子本体の一方の面に接合されているとともに、前記貫通孔の一端を封止している第1封止導電性樹脂層と、
前記素子本体の他方の面に接合されているとともに、前記貫通孔の他端を封止している第2封止導電性樹脂層と、
を有する1.乃至6.の何れか一つに記載の電気素子。
8. 前記第1封止導電性樹脂層は、前記素子本体の一方の面と、前記枠体の一方の面と、に接合されて、前記貫通孔の一端を封止しており、
前記第2封止導電性樹脂層は、前記素子本体の他方の面と、前記枠体の他方の面と、に接合されて、前記貫通孔の他端を封止している7.に記載の電気素子。
9. 前記枠体には、複数の前記貫通孔が形成され、
前記複数の貫通孔の各々に、それぞれ前記素子本体が収容され、
前記第1封止導電性樹脂層は、各素子本体の一方の面に接合されて、各素子本体の前記第1固体電極層を相互に電気的に接続しているとともに、前記複数の貫通孔の各々の一端を一括して封止しており、
前記第2封止導電性樹脂層は、各素子本体の他方の面に接合されて、各素子本体の前記第2固体電極層を相互に電気的に接続しているとともに、前記複数の貫通孔の各々の他端を一括して封止している8.に記載の電気素子。
10. 前記第1封止導電性樹脂層は、前記素子本体の一方の面と、前記枠体の一方の面と、に貼り付けられた、第1封止導電性粘着フィルムであり、
前記第2封止導電性樹脂層は、前記素子本体の他方の面と、前記枠体の他方の面と、に貼り付けられた、第2封止導電性粘着フィルムである8.または9.に記載の電気素子。
11. 前記第1封止導電性粘着フィルムおよび前記第2封止導電性粘着フィルムは、それぞれ両面が粘着性を有しており、
当該電気素子は、前記第1封止導電性粘着フィルムにおける前記素子本体側とは反対側の面に貼り付けられた第1集電体層と、前記第2封止導電性粘着フィルムにおける前記素子本体側とは反対側の面に貼り付けられた第2集電体層と、を更に備える10.に記載の電気素子。
12. 前記素子本体は、
互いに積層された複数の前記素子部と、
互いに隣り合う層の前記素子部の前記第1固体電極層と前記第2固体電極層との間に配置され、これら第1固体電極層および第2固体電極層を相互に接合している直列接続用導電性樹脂層と、
を備える1.乃至11.の何れか一つに記載の電気素子。
13. 前記直列接続用導電性樹脂層は、直列接続用導電性粘着フィルムであり、互いに隣り合う層の前記素子部の前記第1固体電極層と前記第2固体電極層とにそれぞれ貼り付けられることにより、これら第1固体電極層および第2固体電極層を相互に接合している12.に記載の電気素子。
14. 前記素子本体は、少なくとも前記素子部が前記貫通孔の内周壁面に対して非接合な状態で、前記貫通孔内に収容されている1.乃至13.の何れか一つに記載の電気素子。
15. 当該電気素子は全固体型リチウムイオン電池である1.乃至14.の何れか一つに記載の電気素子。
16. 第1固体電極層と、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質層と、第2固体電極層と、がこの順に積層されることにより構成される素子部を含み、発電または蓄電を行う素子本体を作製する工程を備え、
前記素子本体を作製する工程は、平面視において、前記第1固体電極層と前記第2固体電極層とのうちの少なくとも何れか一方の電極層の外形線が、前記固体電解質層の外形線の内側に収まるように、前記第1固体電極層と、前記固体電解質層と、前記第2固体電極層と、をこの順に積層して、プレス成形を行う工程を含む電気素子の製造方法。
17. 前記素子本体を作製する工程は、
前記少なくとも何れか一方の電極層を導電性樹脂層の一方の面により保持させる工程を含み、
前記プレス成形を行う工程では、前記少なくとも何れか一方の電極層を前記導電性樹脂層により保持した状態で、前記プレス成形を行う16.に記載の電気素子の製造方法。
18. 前記導電性樹脂層は、導電性粘着フィルムであり、
前記少なくとも何れか一方の電極層を導電性樹脂層の一方の面により保持させる工程では、粉末材料を前記導電性粘着フィルムに対してプレスすることによって、前記少なくとも何れか一方の電極層を成形するとともに前記少なくとも何れか一方の電極層を前記導電性粘着フィルムの一方の面により保持させる17.に記載の電気素子の製造方法。
19. 前記素子本体を封止する工程を更に備え、
前記素子本体を封止する工程は、
表裏を貫通する貫通孔が形成された樹脂製の枠体の前記貫通孔内に前記素子本体を挿入する工程と、
第1封止導電性樹脂層によって前記貫通孔の一端を封止する工程と、
前記素子本体の一方の面に前記第1封止導電性樹脂層を接合する工程と、
第2封止導電性樹脂層によって前記貫通孔の他端を封止する工程と、
前記素子本体の他方の面に前記第2封止導電性樹脂層を接合する工程と、
を備える16.または17.に記載の電気素子の製造方法。
20. 前記第1封止導電性樹脂層は、第1封止導電性粘着フィルムであり、
前記第2封止導電性樹脂層は、第2封止導電性粘着フィルムであり、
前記貫通孔の一端を封止する工程では、前記第1封止導電性粘着フィルムを前記枠体の一方の面に貼り付け、
前記素子本体の一方の面に前記第1封止導電性樹脂層を接合する工程では、前記第1封止導電性粘着フィルムを前記素子本体の一方の面に貼り付け、
前記貫通孔の他端を封止する工程では、前記第2封止導電性粘着フィルムを前記枠体の他方の面に貼り付け、
前記素子本体の他方の面に前記第2封止導電性樹脂層を接合する工程では、前記第2封止導電性粘着フィルムを前記素子本体の他方の面に貼り付ける19.に記載の電気素子の製造方法。
1a 一方の面
1b 一方の面
10 電池素子(素子部)
11 正極層(第1固体電極層)
11a 外表面
12 固体電解質層
13 負極層(第2固体電極層)
13a 外表面
20 封止樹脂部
30 枠体
31 一方の面
32 他方の面
33 貫通孔
33a 内周壁面
34 外周面
41 第1封止導電性粘着フィルム(第1封止導電性樹脂層)
41a 外周端面
42 第2封止導電性粘着フィルム(第2封止導電性樹脂層)
42a 外周端面
51 第1集電体層
51a 外周端面
52 第2集電体層
52a 外周端面
61 導電性粘着フィルム
62 導電性粘着フィルム
70 周縁封止部
80 直列接続用導電性樹脂層
100 全固体型リチウムイオン電池(電気素子)
Claims (15)
- 第1固体電極層と、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質層と、第2固体電極層と、がこの順に積層されることにより構成された素子部を含み、発電または蓄電を行う素子本体を備え、
前記素子部を平面視したときに、前記第1固体電極層と前記第2固体電極層とのうちの少なくとも何れか一方の電極層の外形線が、前記固体電解質層の外形線の内側に収まっており、
前記素子本体を封止している封止樹脂部を更に備え、
前記封止樹脂部は、
樹脂製の枠体であって、その表裏を貫通する貫通孔が形成され、前記貫通孔内に前記素子本体を収容している枠体と、
前記素子本体の一方の面に接合されているとともに、前記貫通孔の一端を封止している第1封止導電性樹脂層と、
前記素子本体の他方の面に接合されているとともに、前記貫通孔の他端を封止している第2封止導電性樹脂層と、
を有し、
前記第1封止導電性樹脂層は、前記素子本体の一方の面と、前記枠体の一方の面と、に接合されて、前記貫通孔の一端を封止しており、
前記第2封止導電性樹脂層は、前記素子本体の他方の面と、前記枠体の他方の面と、に接合されて、前記貫通孔の他端を封止しており、
前記枠体には、複数の前記貫通孔が形成され、
前記複数の貫通孔の各々に、それぞれ前記素子本体が収容され、
前記第1封止導電性樹脂層は、各素子本体の一方の面に接合されて、各素子本体の前記第1固体電極層を相互に電気的に接続しているとともに、前記複数の貫通孔の各々の一端を一括して封止しており、
前記第2封止導電性樹脂層は、各素子本体の他方の面に接合されて、各素子本体の前記第2固体電極層を相互に電気的に接続しているとともに、前記複数の貫通孔の各々の他端を一括して封止している電気素子。 - 前記第1封止導電性樹脂層は、前記素子本体の一方の面と、前記枠体の一方の面と、に貼り付けられた、第1封止導電性粘着フィルムであり、
前記第2封止導電性樹脂層は、前記素子本体の他方の面と、前記枠体の他方の面と、に貼り付けられた、第2封止導電性粘着フィルムである請求項1に記載の電気素子。 - 前記第1封止導電性粘着フィルムおよび前記第2封止導電性粘着フィルムは、それぞれ両面が粘着性を有しており、
当該電気素子は、前記第1封止導電性粘着フィルムにおける前記素子本体側とは反対側の面に貼り付けられた第1集電体層と、前記第2封止導電性粘着フィルムにおける前記素子本体側とは反対側の面に貼り付けられた第2集電体層と、を更に備える請求項2に記載の電気素子。 - 前記素子部を平面視したときに、前記第1固体電極層と前記第2固体電極層とのうちの何れか一方の外形線が、前記固体電解質層の外形線の内側に収まっており、何れか他方の外形線が前記固体電解質層の外形線と重なっている請求項1乃至3の何れか一項に記載の電気素子。
- 前記素子部を平面視したときに、前記第1固体電極層と前記第2固体電極層とのうちの何れか一方の外形線の全体が、前記固体電解質層の外形線の内側に収まっている請求項4に記載の電気素子。
- 前記素子部を平面視したときに、前記第1固体電極層、前記固体電解質層および前記第2固体電極層の各々の外形線が互いに相似形である請求項1乃至5の何れか一項に記載の電気素子。
- 前記素子本体は、前記少なくとも何れか一方の電極層の、前記固体電解質層側とは反対側の面に接合された、導電性樹脂層を更に備える請求項1乃至6の何れか一項に記載の電気素子。
- 前記導電性樹脂層は、導電性粘着フィルムであり、前記少なくとも何れか一方の電極層の前記固体電解質層側とは反対側の面に貼り付けられている請求項7に記載の電気素子。
- 前記素子本体は、
互いに積層された複数の前記素子部と、
互いに隣り合う層の前記素子部の前記第1固体電極層と前記第2固体電極層との間に配置され、これら第1固体電極層および第2固体電極層を相互に接合している直列接続用導電性樹脂層と、
を備える請求項1乃至8の何れか一項に記載の電気素子。 - 前記直列接続用導電性樹脂層は、直列接続用導電性粘着フィルムであり、互いに隣り合う層の前記素子部の前記第1固体電極層と前記第2固体電極層とにそれぞれ貼り付けられることにより、これら第1固体電極層および第2固体電極層を相互に接合している請求項9に記載の電気素子。
- 前記素子本体は、少なくとも前記素子部が前記貫通孔の内周壁面に対して非接合な状態で、前記貫通孔内に収容されている請求項1乃至10の何れか一項に記載の電気素子。
- 当該電気素子は全固体型リチウムイオン電池である請求項1乃至11の何れか一項に記載の電気素子。
- 第1固体電極層と、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質層と、第2固体電極層と、がこの順に積層されることにより構成される素子部を含み、発電または蓄電を行う素子本体を作製する工程を備え、
前記素子本体を作製する工程は、平面視において、前記第1固体電極層と前記第2固体電極層とのうちの少なくとも何れか一方の電極層の外形線が、前記固体電解質層の外形線の内側に収まるように、前記第1固体電極層と、前記固体電解質層と、前記第2固体電極層と、をこの順に積層して、プレス成形を行う工程を含み、
前記素子本体を封止する工程を更に備え、
前記素子本体を封止する工程は、
表裏を貫通する貫通孔が形成された樹脂製の枠体の前記貫通孔内に前記素子本体を挿入する工程と、
第1封止導電性樹脂層によって前記貫通孔の一端を封止する工程と、
前記素子本体の一方の面に前記第1封止導電性樹脂層を接合する工程と、
第2封止導電性樹脂層によって前記貫通孔の他端を封止する工程と、
前記素子本体の他方の面に前記第2封止導電性樹脂層を接合する工程と、
を備え、
前記第1封止導電性樹脂層は、第1封止導電性粘着フィルムであり、
前記第2封止導電性樹脂層は、第2封止導電性粘着フィルムであり、
前記貫通孔の一端を封止する工程では、前記第1封止導電性粘着フィルムを前記枠体の一方の面に貼り付け、
前記素子本体の一方の面に前記第1封止導電性樹脂層を接合する工程では、前記第1封止導電性粘着フィルムを前記素子本体の一方の面に貼り付け、
前記貫通孔の他端を封止する工程では、前記第2封止導電性粘着フィルムを前記枠体の他方の面に貼り付け、
前記素子本体の他方の面に前記第2封止導電性樹脂層を接合する工程では、前記第2封止導電性粘着フィルムを前記素子本体の他方の面に貼り付ける電気素子の製造方法。 - 前記素子本体を作製する工程は、
前記少なくとも何れか一方の電極層を導電性樹脂層の一方の面により保持させる工程を含み、
前記プレス成形を行う工程では、前記少なくとも何れか一方の電極層を前記導電性樹脂層により保持した状態で、前記プレス成形を行う請求項13に記載の電気素子の製造方法。 - 前記導電性樹脂層は、導電性粘着フィルムであり、
前記少なくとも何れか一方の電極層を導電性樹脂層の一方の面により保持させる工程では、粉末材料を前記導電性粘着フィルムに対してプレスすることによって、前記少なくとも何れか一方の電極層を成形するとともに前記少なくとも何れか一方の電極層を前記導電性粘着フィルムの一方の面により保持させる請求項14に記載の電気素子の製造方法。
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