JP5916285B2 - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents
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Description
発泡ゴム層の発泡前後の密度比率は、好ましくは、0.2〜0.7である。
発泡ゴム層を構成するゴムは、好ましくは、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴムおよびエチレンプロピレンゴムからなる群から選ばれた少なくとも1種である。
前記熱可塑性樹脂は、好ましくは、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン6/66共重合体、ナイロンMXD6、およびナイロン6Tからなる群から選ばれた少なくとも1種である。
前記エラストマーは、好ましくは、臭素化イソブチレン−p−メチルスチレン共重合体、無水マレイン酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、および無水マレイン酸変性エチレン−エチルアクリレート共重合体からなる群から選ばれた少なくとも1種である。
発泡ゴム層の独立気泡の平均径は、発泡ゴム層の平均厚みの半分以下、すなわち0.5倍以下であり、好ましくは発泡ゴム層の平均厚みの0.4倍以下である。独立気泡の平均径が大きすぎると歪を緩和できるものの、発泡ゴム層を起点に亀裂が発生しやすくなる。
独立気泡の平均径が大きい発泡ゴム層を形成するには、分解の速い化学発泡剤を選択するか、あるいはゴム組成物の加硫促進剤を減らして加硫速度を遅くすればよく、逆に独立気泡の平均径が小さい発泡ゴム層を形成するには、分解の遅い化学発泡剤を選択するか、あるいは加硫促進剤を増量して加硫速度を速くすればよい。
なかでも、隣接部材との接着性の観点から、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ハロゲン化ブチルゴムが好ましい。
なかでも、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン6/66共重合体、ナイロンMXD6、ナイロン6Tが、耐疲労性と空気遮断性の両立という点で、好ましい。
なかでも、臭素化イソブチレン−p−メチルスチレン共重合体、無水マレイン酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、無水マレイン酸変性エチレン−エチルアクリレート共重合体が、空気遮断性の観点から、好ましい。
発泡ゴム層を形成するためのゴム組成物として、表1に示す配合のゴム組成物を調製し、そのゴム組成物をTダイ付き二軸押出機で厚さ0.5mmのシートに押出成形し、発泡ゴム層用部材を作製した。
インナーライナー層を形成するための組成物として、表2に示す配合の組成物を調製し、その組成物をインフレーション成形装置で厚さ0.2mmのシートに成形し、インナーライナー層用部材を作製した。
タイヤ成形用ドラム上に、インナーライナー層用部材を置き、その上に、発泡ゴム層用部材を貼り重ね、その上に未加硫ゴムからなるカーカス層、ベルト層、トレッド層等の通常のタイヤ製造に用いられる部材を順次貼り重ね、成形後、ドラムを抜き去ってグリーンタイヤとし、次いで、このグリーンタイヤを175℃で10分間加熱加硫することにより、空気入りタイヤを作製した。
実施例1において、ゴム組成物のシート厚みを0.25mmに減らし、かつ加硫促進剤(TOT−N)を0.5質量部に増やした点以外は、実施例1と同様に、ゴム組成物を調製し、空気入りタイヤを作製した。
実施例1において、ゴム組成物のシート厚みを1mmに増やし、かつ加硫促進剤(TOT-N)を0.5質量部に増やした点以外は、実施例1と同様に、ゴム組成物を調製し、空気入りタイヤを作製した。
実施例1において、ゴム組成物のシート厚みを2mmに増やし、かつ加硫促進剤(TOT-N)を0.5質量部に増やした点以外は、実施例1と同様に、ゴム組成物を調製し、空気入りタイヤを作製した。
実施例1において、発泡剤を配合しなかった点以外は、実施例1と同様に、ゴム組成物を調製し、空気入りタイヤを作製した。
実施例1において、ゴム組成物に配合している発泡剤を3質量部に減量した点以外は、実施例1と同様に、ゴム組成物を調製し、空気入りタイヤを作製した。
実施例1において、ゴム組成物に配合している発泡剤を10質量部に増量した点以外は、実施例1と同様に、ゴム組成物を調製し、空気入りタイヤを作製した。
実施例1において、ゴム組成物のシート厚みを2.5mmに増やした点以外は、実施例1と同様に、ゴム組成物を調製し、空気入りタイヤを作製した。
実施例1において、ゴム組成物のシート厚みを0.075mmに減らし、加硫促進剤(TOT−N)を1質量部に増やした点以外は、実施例1と同様に、ゴム組成物を調製し、空気入りタイヤを作製した。
実施例1において、ゴム組成物に加硫促進剤を配合しなかった点以外は、実施例1と同様に、ゴム組成物を調製し、空気入りタイヤを作製した。
実施例1において、ゴム組成物のシート厚みを0.25mmに減らし、ゴム組成物の加硫促進剤(TOT−N)を0.75質量部に増やした点以外は、実施例1と同様に、ゴム組成物を調製し、空気入りタイヤを作製した。
加硫後タイヤの断面サンプルを作成し、インナーライナー/カーカス間に存在する発泡ゴム層部位を、光学顕微鏡にて発泡部厚みを5箇所観察し、平均値を平均厚さとした。
加硫後タイヤよりインナーライナー/カーカス間に存在する発泡ゴム層部位を体積が15cm3以上になるように切り出し、ノギスで寸法測定後、電子天秤で質量を測定して見掛け密度を求めた。
加硫前後のゴム組成物を体積が15cm3以上になるように切り出し、ノギスで寸法測定後、電子天秤で質量を測定して見掛け密度を求め、加硫前の密度で加硫後の密度を割って算出する。
加硫後タイヤの断面サンプルを作成し、インナーライナー/カーカス間に存在する発泡ゴム層部位を、光学顕微鏡にて発泡部の径を10箇所観察し、平均値を平均径とした。
185℃×15分、圧力2.3MPaの加硫条件でスチールラジアルタイヤ165SR13(リム:13×41/2−J)を作製し、得られたタイヤを用いて空気圧140kPa×荷重5.5kNの試験条件下に、室温38℃で、1707mmφドラム上で、速度80km/hで10,000km走行させた後にタイヤの内面の空気透過防止層(インナーライナー層)を目視検査し、故障が発見されないものを○、故障が見られるものを×とした。
185℃×15分、圧力2.3MPaの加硫条件でスチールラジアルタイヤ165SR13(リム:13×41/2−J)を作製し、得られたタイヤを用いて空気圧140kPa×荷重5.5kNの試験条件下に、−35℃で、1707mmφドラム上で、速度80km/hで10,000km走行させた後にタイヤの内面の空気透過防止層(インナーライナー層)を目視検査し、故障が発見されないものを○、故障が見られるものを×とした。
比較例1は、インナーライナー層とカーカス層の間のゴム層が発泡していないため、すなわち発泡ゴム層が設けられていないため、樹脂高温耐久性および樹脂低温疲労耐久性に劣る。
比較例2は、発泡ゴム層の発泡が不十分なため、樹脂高温耐久性および樹脂低温疲労耐久性に劣る。
比較例3は、発泡ゴム層が発泡しすぎのため、樹脂高温耐久性および樹脂低温疲労耐久性に劣る。
比較例4は、発泡ゴム層が厚すぎるため、樹脂高温耐久性および樹脂低温疲労耐久性に劣る。
比較例5は、発泡ゴム層が薄すぎるため、樹脂高温耐久性および樹脂低温疲労耐久性に劣る。
比較例6は、発泡ゴム層の独立気泡の平均径が大きすぎるため、樹脂高温耐久性および樹脂低温疲労耐久性に劣る。
比較例7は、発泡ゴム層の独立気泡の平均径が小さすぎるため、樹脂高温耐久性および樹脂低温疲労耐久性に劣る。
Claims (5)
- 熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂にエラストマー成分を分散させた組成物からなるインナーライナー層とカーカス層との間に、独立気泡発泡ゴム層を有する空気入りタイヤの製造方法であって、発泡ゴム層の平均厚みが0.3〜4.0mmであり、発泡ゴム層の見掛け密度が0.22〜0.77g/cm3であり、そして発泡ゴム層の独立気泡の平均径が0.1mmより大きく、かつ発泡ゴム層の平均厚みの半分以下であり、発泡ゴム層は発泡剤を配合したゴム組成物を加熱することにより発泡させて形成することを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
- 発泡ゴム層の発泡前後の密度比率が0.2〜0.7であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 発泡ゴム層を構成するゴムが、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴムおよびエチレンプロピレンゴムからなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記熱可塑性樹脂が、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン6/66、ナイロンMXD6、およびナイロン6Tからなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記エラストマーが、臭素化イソブチレン−p−メチルスチレン共重合体、無水マレイン酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、および無水マレイン酸変性エチレン−エチルアクリレート共重合体からなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
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