JPH11310656A - 熱可塑性エラストマー発泡体およびその製造方法 - Google Patents

熱可塑性エラストマー発泡体およびその製造方法

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JPH11310656A
JPH11310656A JP11908798A JP11908798A JPH11310656A JP H11310656 A JPH11310656 A JP H11310656A JP 11908798 A JP11908798 A JP 11908798A JP 11908798 A JP11908798 A JP 11908798A JP H11310656 A JPH11310656 A JP H11310656A
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rubber
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foam
thermoplastic elastomer
thermoplastic resin
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JP11908798A
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Tetsuji Kawamo
哲司 川面
Yoshihiro Soeda
善弘 添田
Jiro Watanabe
次郎 渡邊
Yuichi Hara
祐一 原
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Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 軽量で強度も大きい熱可塑性エラストマー発
泡体を提供する。 【解決手段】 超臨界流体を使用して製造した、熱可塑
性樹脂が連続相、架橋ゴムが不連続相を形成しており、
少なくとも該ゴム相が発泡している熱可塑性エラストマ
ー発泡体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性エラスト
マー発泡体、更に詳しくは、熱可塑性樹脂成分が連続
相、ゴム成分が不連続相を形成している熱可塑性エラス
トマーにおいて、少なくともそのゴム成分部分が発泡し
ている熱可塑性エラストマー発泡体およびその製造方法
に関する。本発明の熱可塑性エラストマー発泡体は、遮
水シート、ホース、各種気体透過防止層、断熱材、遮音
材、電気絶縁材等に利用できる。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂成分が連続相、ゴム成分が
不連続相を形成している熱可塑性エラストマー材料につ
いては、本発明者等が出願した一連の発明(例えば、特
願平7−8394号および特願平7−150353号
等)がある。また、従来の発泡材料の製造技術として
は、例えば、「プラスチックおよびゴム用添加剤実用便
覧」、化学工業社、昭和52年4月発行などに各種有機
系、無機系発泡剤を使用した高分子材料の発泡について
記載されている。また、超臨界流体を使用した超微孔質
発泡材料について、特許第2625576号公報に開示
されている。しかしながら、本発明のようなゴム成分相
と熱可塑性樹脂成分が複合化された材料の発泡体、更に
はそのゴム成分が選択的に発泡した材料については、未
だ例をみないものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、連続相を
形成する熱可塑性樹脂成分と不連続相を形成する架橋し
たゴム成分からなり、少なくとも該ゴム相が発泡してい
る構造の熱可塑性エラストマー発泡体、並びにその発泡
手段に超臨界流体または亜臨界流体を使用することを特
徴とする該熱可塑性エラストマー発泡体の製造方法を提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を達成するための手段】本発明によれば、熱可塑
性樹脂が連続相、架橋ゴムが不連続相を形成しており、
少なくとも該ゴム相が発泡している熱可塑性エラストマ
ー発泡体が提供される。
【0005】また、本発明によれば、前記ゴム相は超臨
界状態または亜臨界状態の流体を用いて発泡されたもの
であること、前記超臨界状態または亜臨界状態の流体は
二酸化炭素であること、また前記ゴム相の発泡率は1〜
400%であることを特徴とする熱可塑性エラストマー
発泡体が提供される。
【0006】また、本発明によれば、超臨界状態または
亜臨界状態の雰囲気下で、未加硫ゴムと超臨界流体また
は亜臨界流体の接触および熱可塑性樹脂との混練を実施
し、その後該超臨界状態または亜臨界状態を解放した雰
囲気下で、ゴム相の架橋を行う熱可塑性エラストマー発
泡体の製造方法が提供される。
【0007】また、本発明によれば、熱臨界状態または
亜臨界状態の雰囲気下で、未架橋ゴムと超臨界流体また
は亜臨界流体の接触を予め実施し、その後該超臨界状態
を解放した雰囲気下で、熱可塑性樹脂との混練およびゴ
ム相の架橋を行う熱可塑性エラストマー発泡体の製造方
法が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の熱可塑性エラストマー発
泡体は、連続相を形成する熱可塑性樹脂成分と不連続相
を形成するゴム成分からなり、少なくとも該ゴム相が発
泡していることを特徴としている。したがって、連続相
を形成する熱可塑性樹脂相は、発泡していても発泡して
いなくてもよい。
【0009】本発明の熱可塑性エラストマー発泡体の軽
量化、断熱性、遮音性、絶縁性などを最大限にするため
には、熱可塑性樹脂相も発泡させることが好ましいが、
例えば、気体透過防止層などの用途に本発明の熱可塑性
エラストマー発泡体材料を使用する場合には、ゴム成分
相のみを発泡状態とすることが好ましい。当然のことな
がら、その用途に応じて発泡部位の選択、発泡の程度は
自由に選択することができる。本発明では、特に、前記
ゴム相の発泡率が1〜400%に選定した熱可塑性エラ
ストマー発泡体が、種々の用途に好ましい材料として推
奨される。このゴム成分相は、発泡段階、または発泡終
了後に少なくとも一部が架橋されることによって、発泡
状態がその後の加工(例えば、フィルム成形等)によっ
ても維持される。
【0010】本発明の熱可塑性エラストマー発泡体にお
ける発泡は、超臨界流体または亜臨界流体を熱可塑性樹
脂成分および未加硫ゴム成分の両者、あるいは未加硫ゴ
ム成分のみと接触、浸透溶解させ、その後に該流体の超
臨界状態および亜臨界状態を解放することによって、該
流体を超臨界流体または亜臨界流体から気体へと状態変
化させて発泡させることの原理に基づくものである。本
発明では、少なくとも架橋ゴム相が発泡している熱可塑
性エラストマー発泡体を得ることを主たる目的としてい
るので、この意味で、本発明で用いる臨界流体または亜
臨界流体は、その臨界温度または亜臨界温度がゴム成分
の架橋温度以下であるものが好ましく、それ故、二酸化
炭素(臨界温度:31.1℃)が好適に用いられる。
【0011】本発明の熱可塑性エラストマー発泡体に用
いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド系
樹脂(例えばナイロン6(N6)、ナイロン66(N6
6)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N1
1)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N6
10)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/6
6共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/610
共重合体(N6/66/610)、ナイロンMXD6
(MXD6)、ナイロン6T、ナイロン6/6T共重合
体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PP
S共重合体)、ポリエステル系樹脂(例えばポリブチレ
ンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PE
I)、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PA
R)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリ
エステル、ポリオキシアルキレンジイミド酸/ポリブチ
レートテレフタレート共重合体などの芳香族ポリエステ
ル)、ポリニトリル系樹脂(例えばポリアクリロニトリ
ル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニト
リル/スチレン共重合体(AS)、メタクリロニトリル
/スチレン共重合体、メタクリロニトリル/スチレン/
ブタジエン共重合体)、ポリメタクリレート系樹脂(例
えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタク
リル酸エチル)、ポリビニル系樹脂(例えば酢酸ビニル
(EVA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニル
アルコール/エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩化
ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、
塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン
/メチルアクリレート共重合体)、セルロース系樹脂
(例えば酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース)、フッ
素系樹脂(例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、
ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチ
レン(PCTFE)、テトラフロロエチレン/エチレン
共重合体(ETFE))、イミド系樹脂(例えば芳香族
ポリイミド(PI))など、およびこれらのまたはこれ
らを含む任意の樹脂混合物を挙げることができる。
【0012】本発明の熱可塑性エラストマー発泡体に用
いられるゴム成分には、ゴム相の分散性や耐熱性などの
改善その他のために一般にゴム成分に配合される補強
剤、充填剤、架橋剤、軟化剤、老化防止剤、加工助剤な
どの配合剤を必要量添加したゴム組成物で、その配合量
は、熱可塑性樹脂およびゴム成分を含むポリマー成分の
合計量の全重量当り10重量%以上、好ましくは10〜
85重量%である。
【0013】このようなゴム相を形成するゴム成分とし
ては、例えば、ジエン系ゴムおよびその水添物(例えば
NR,IR、エポキシ化天然ゴム、SBR,BR(高シ
スBR及び低シスBR)、NBR、水素化NBR、水素
化SBR)、オレフィン系ゴム(例えばエチレンプロピ
レンゴム(EPDM,EPM)、マレイン酸変性エチレ
ンプロピレンゴム(M−EPM)、IIR、イソブチレ
ンと芳香族ビニル又はジエン系モノマー共重合体、アク
リルゴム(ACM)、アイオノマー)、含ハロゲンゴム
(例えば臭素化ブチルゴム(Br−IIR)、塩素化ブ
チルゴム(Cl−IIR)、イソブチレンパラメチルス
チレン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、クロロ
プレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(CHR,CH
C)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩素
化ポリエチレン(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエ
チレン(M−CM))、シリコンゴム(例えばメチルビ
ニルシリコンゴム、ジメチルシリコンゴム、メチルフェ
ニルビニルシリコンゴム)、含イオウゴム(例えばポリ
スルフィドゴム)、フッ素ゴム(例えばビニリデンフル
オライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テト
ラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、含フッ素シリ
コン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム)、熱可塑性
エラストマー(例えばスチレン系エラストマー、ポリオ
レフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマ
ー、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラス
トマー)などを挙げることができる。
【0014】本発明の熱可塑性エラストマー発泡体に使
用されるゴム成分の加硫に用いられる加硫剤、加硫助剤
や加硫条件(温度、時間)等は、添加するゴム成分の組
成に応じて適宜決定すればよく、特に限定はない。加硫
剤としては、一般的なゴム加硫剤(架橋剤)を用いるこ
とができる。具体的には、イオウ系加硫剤としては粉末
イオウ、沈降性イオウ、高分散性イオウ、表面処理イオ
ウ、不溶性イオウ、ジモルフォリンジサルファイド、ア
ルキルフェノールジサルファイド等が例示され、例え
ば、0.5〜4phr (エラストマー成分(ポリマー)1
00重量部あたりの重量部)程度を用いればよい。
【0015】また、有機過酸化物系の加硫剤としては、
ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキ
サイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ
(パーオキシルベンゾエート)等が例示され、例えば、
1〜15phr 程度を用いればよい。さらに、フェノール
樹脂系の加硫剤としては、アルキルフェノール樹脂の臭
素化物や、塩化スズ、クロロプレン等のハロゲンドナー
とアルキルフェノール樹脂とを含有する混合架橋系等が
例示され、例えば1〜20phr 程度を用いればよい。
【0016】その他として、亜鉛華(5phr 程度)、酸
化マグネシウム(4phr 程度)、リサージ(10〜20
phr 程度)、p−キノンジオキシム、p−ジベンゾイル
キノンジオキシム、テトラクロロ−p−ベンゾキノン、
ポリ−p−ジニトロソベンゼン(2〜10phr 程度)、
メチレンジアニリン(0.2〜10phr 程度)が例示さ
れる。
【0017】また、必要に応じて、加硫促進剤を添加し
てもよい。加硫促進剤としては、アルデヒド・アンモニ
ア系、グアニジン系、チアゾール系、スルフェンアミド
系、チウラム系、ジチオ酸塩系、チオウレア系等の一般
的な加硫促進剤を、例えば0.5〜2phr 程度用いれば
よい。
【0018】具体的には、アルデヒド・アンモニア系加
硫促進剤としては、ヘキサメチレンテトラミン等が;グ
アジニン系加硫促進剤としては、ジフェニルグアジニン
等が;チアゾール系加硫促進剤としては、ジベンゾチア
ジルジサルファイド(DM)、2−メルカプトベンゾチ
アゾールおよびそのZn塩、シクロヘキシルアミン塩等
が;スルフェンアミド系加硫促進剤としては、シクロヘ
キシルベンゾチアジルスルフェンアミド(CBS)、N
−オキシジエチレンベンゾチアジル−2−スルフェンア
ミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェ
ンアミド、2−(チモルポリニルジチオ)ベンゾチアゾ
ール等が;チウラム系加硫促進剤としては、テトラメチ
ルチウラムジサルファイド(TMTD)、テトラエチル
チウラムジサルファイド、テトラメチルチウラムモノサ
ルファイド(TMTM)、ジペンタメチレンチウラムテ
トラサルファイド等が;ジチオ酸塩系加硫促進剤として
は、Zn−ジメチルジチオカーバメート、Zn−ジエチ
ルジチオカーバメート、Zn−ジ−n−ブチルジチオカ
ーバメート、Zn−エチルフェニルジチオカーバメー
ト、Tc−ジエチルジチオカーバメート、Cu−ジメチ
ルジチオカーバメート、Fe−ジメチルジチオカーバメ
ート、ピペコリンピペコリルジチオカーバメート等が;
チオウレア系加硫促進剤としては、エチレンチオウレ
ア、ジエチルチオウレア等が;それぞれ開示される。
【0019】また、加硫促進助剤としては、一般的なゴ
ム用助剤を併せて用いることができ、例えば、亜鉛華
(5phr 程度)、ステアリン酸やオレイン酸およびこれ
らのZn塩(2〜4phr 程度)等を用いればよい。
【0020】前記した特定の熱可塑性樹脂とゴム成分と
の相溶性が異なる場合は、第3成分として適当な相溶化
剤を用いて両者を相溶化させるのが好ましい。系に相溶
化剤を混合することにより、熱可塑性樹脂とエラストマ
ー成分との界面張力が低下し、その結果、分散層を形成
しているゴム粒子径が微細になることから両成分の特性
はより有効に発現されることになる。そのような相溶化
剤としては、一般的に熱可塑性樹脂およびゴム成分の両
方または片方の構造を有する共重合体、或いは熱可塑性
樹脂またはゴム成分と反応可能なエポキシ基、カルボニ
ル基、ハロゲン基、アミノ基、オキサゾリン基、水酸基
等を有した共重合体の構造をとるものとすることができ
る。これらは混合される熱可塑性樹脂とゴム成分の種類
によって選定すればよいが、通常使用されるものにはス
チレン/エチレン・ブチレンブロック共重合体(SEB
S)およびそのマレイン酸変性物、EPDM,EPDM
/スチレンまたはEPDM/アクリロニトリルグラフト
共重合体およびそのマレイン酸変性物、スチレン/マレ
イン酸共重合体、反応性フェノキシ樹脂等を挙げること
ができる。かかる相溶化剤の配合量には特に限定はない
が、好ましくはポリマー成分(熱可塑性樹脂とゴム成分
の総和)100重量部に対して、0.5〜20重量部が
良い。
【0021】次に本発明の熱可塑性エラストマー発泡体
の製造方法について、図1〜3に基いて説明する。図1
は、少なくとも材料によって系内を密閉することができ
る混練ゾーンを二つ以上有した2軸混練機である。図1
の態様では、初めに、ゴム、樹脂、加硫剤をホッパーか
ら2軸混練機に投入し、混練を始める。次に第1の混練
ゾーン(ND1)の後に、超臨界または亜臨界流体を2
軸混練機内に注入する。機内で十分に、材料に超臨界ま
たは亜臨界流体が浸透した後、材料は、最終の混練ゾー
ン(ND2)を通過する。ここで材料が超臨界または亜
臨界状態から解放されることにより、材料は発泡を始め
る。ゴムと樹脂の混練中(ND2以前)は、系内の温度
をゴムの架橋が著しく進まない温度に抑えておき、最終
混練ゾーンND2以降を高温にして、ゴムを発泡しなが
ら架橋させることにより熱可塑性エラストマー発泡体を
作製する。
【0022】図2の態様では、上記図1と同様の2軸混
練機において、ゴム成分と樹脂のみを投入し、図1と同
様の原理で先ず未加硫の発泡体を作製しておく。なお、
ゴム成分に加硫剤以外の配合剤を予め加えておいてもよ
い。その後、未加硫発泡体と加硫剤とを再度通常の2軸
混練機に投入し、ゴム成分を高温で架橋させることによ
って熱可塑性エラストマー発泡体を作製する。
【0023】更に、図3の態様では、超臨界または亜臨
界流体を注入することができるサイドフィーダーを有し
た2軸混練機を用いる。ゴムに予めサイドフィーダー内
で超臨界または亜臨界流体を浸透させておき、それを通
常の2軸混練機に送る。一方、2軸混練機の第1のホッ
パーからは樹脂のみを投入し、サイドフィーダーから送
られたゴムと合流した後混練し、次いで第2のホッパー
から加硫剤を投入してゴム成分の架橋を行なう。
【0024】上記図1〜3の態様において、超臨界また
は亜臨界状態を脱した後の発泡核の生成成長工程の条件
は、所望する発泡径、密度などにより適宜設定すること
ができる。また、上記樹脂、ゴムと超臨界または亜臨界
流体との接触、混練に使用される機器については、特に
上記したものに限定されることはなく、系内を密封する
ことができるものであれば何でもよいが、例えば、上記
態様で説明したような二軸押出混練機など、接触、混練
中に圧力を保持できるものが好適に用いられる。
【0025】以上の態様の方法によって作製された熱可
塑性エラストマー発泡体は、2軸混練機から排出した
後、水冷、カットしてペレット化する。この時点では、
樹脂マトリクス側も発泡しているが、次に射出成形また
は押出成形等の成形をする際に、熱可塑性樹脂中の気泡
は大気中に放出される。一方、ゴム相側の気泡は、既に
架橋により固定されているので、材料中に残る。このよ
うにして、成形された熱可塑性エラストマー発泡体は、
樹脂のマトリックス中に発泡ゴムが分散したモルフォロ
ジーを有し、引張強度、空気透過率等の物性を保持しな
がら、軽量化が達成される。
【0026】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に説明す
る。ただし、本発明は実施例の範囲に限定されるもので
ない。
【0027】実施例1〜5および比較例1 以下の表Iに示すゴム成分と樹脂成分を用いて、前述の
製造方法(図1)、(図2)および(図3)に従って実
施例1〜5の試験サンプル(ペレット状)を作製し、そ
の後、樹脂用押出機/Tダイによって2mmシートおよび
100μmフィルムに成形した。(ここで、実施例1の
場合は、2軸押出機先端にTダイを設置し、シート化、
フィルム化したサンプルを使用した。)サンプルは、そ
の発泡率、比重、引張り強さ、および空気透過係数につ
いて以下の方法で測定、評価した。なお、比較例1は、
従来製法により超臨界流体を用いなかった例である。発泡率 サンプルを切り出し、断面を電子顕微鏡写真で撮り、コ
ンピュータで画像解析して、樹脂部分、ゴム部分の発泡
率を測定した。比重、引張強さ JIS K 6300に従って、測定した。空気透過率 JIS K 7126に準じて、30℃の空気透過率を
測定した。その結果を以下の表Iに示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】表Iにも示されるとおり、本発明によれ
ば、軽量で強度も強く、かつ空気透過係数も小さい、熱
可塑性エラストマー発泡体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱可塑性エラストマー発泡体の一製造
例を示す製造工程図である。
【図2】本発明の熱可塑性エラストマー発泡体の一製造
例を示す製造工程図である。
【図3】本発明の熱可塑性エラストマー発泡体の一製造
例を示す製造工程図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原 祐一 神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株 式会社平塚製造所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂が連続相、架橋ゴムが不連
    続相を形成しており、少なくとも該ゴム相が発泡してい
    る熱可塑性エラストマー発泡体。
  2. 【請求項2】 前記ゴム相が超臨界状態または亜臨界状
    態の流体を用いて発泡された請求項1に記載の熱可塑性
    エラストマー発泡体。
  3. 【請求項3】 前記超臨界状態または亜臨界状態の流体
    が、二酸化炭素である請求項2に記載の熱可塑性エラス
    トマー発泡体。
  4. 【請求項4】 前記ゴム相の発泡率が1〜400%であ
    る請求項1〜3に記載の熱可塑性エラストマー発泡体。
  5. 【請求項5】 超臨界状態または亜臨界状態の雰囲気下
    で、未加硫ゴムと超臨界流体または亜臨界流体の接触お
    よび熱可塑性樹脂との混練を実施し、その後該超臨界状
    態または亜臨界状態を解放した雰囲気下で、ゴム相の架
    橋を行うことを特徴とする熱可塑性エラストマー発泡体
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 超臨界状態または亜臨界状態の雰囲気下
    で、未架橋ゴムと超臨界流体または亜臨界流体の接触を
    予め実施し、その後該超臨界状態または亜臨界状態を解
    放した雰囲気下で、熱可塑性樹脂との混練およびゴム相
    の架橋を行うことを特徴とする熱可塑性エラストマー発
    泡体の製造方法。
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