JP3236257B2 - 熱可塑性エラストマー組成物およびそれを使用した空気入りタイヤ - Google Patents
熱可塑性エラストマー組成物およびそれを使用した空気入りタイヤInfo
- Publication number
- JP3236257B2 JP3236257B2 JP00502898A JP502898A JP3236257B2 JP 3236257 B2 JP3236257 B2 JP 3236257B2 JP 00502898 A JP00502898 A JP 00502898A JP 502898 A JP502898 A JP 502898A JP 3236257 B2 JP3236257 B2 JP 3236257B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nylon
- thermoplastic elastomer
- elastomer composition
- rubber
- resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Tires In General (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
マー組成物、更に詳しくは、ナイロン樹脂とイソブチレ
ンパラメチルスチレン共重合体のハロゲン化物(X−I
PMS)からなる、耐久性に優れ、かつタイヤ内部外
観、耐空気透過性に優れた熱可塑性エラストマー組成
物、およびそれを使用した空気入りタイヤに関する。
はナイロン66(HDPE/PA6.66)、ポリエチ
レンテレフタレートと芳香族ナイロン(PET/MXD
6)、及びポリエチレンテレフタレートとビニルアルコ
ール−エチレン共重合体(PET/EVOH)等の熱可
塑性樹脂/熱可塑性樹脂二元系のブレンド物で、成型に
より一方の熱可塑性樹脂が層状として複層化した低気体
透過性能(ガスバリアー性能)を有する組成物及びその
製造法については、秦功夫:高分子、40(4),p.
244(1991)等により既に公知である。そして、
このような系の組成物をタイヤのインナーライナー層に
使用することが、本願出願人により既に出願されている
(特願平7−55929号)。しかしながら、これらの
材料は、熱可塑性樹脂/熱可塑性樹脂ブレンド物である
ため、ガスバリアー性には優れているが、柔軟性がない
ためにタイヤ走行時にフィルムが破壊してしまう。
性エラストマーをタイヤのインナーライナーに使用した
例もあるが(特願平8−183683号)、一般に、耐
久性の優れた柔軟な材料はその耐熱性が低く、タイヤ加
硫温度以下の融点をもっている熱可塑性樹脂をマトリッ
クスに使用した熱可塑性エラストマーでは、ブラダー離
型時、ブラダーへの付着、ブラダーとのこすれ等でタイ
ヤ内面が外観不良となる欠点がある。
に鑑み、これらの問題点を解消すべく総合的に検討を進
めた結果、柔軟性を維持したまゝ、耐熱性および耐久性
に優れた熱可塑性エラストマー組成物を提供すること、
更には、タイヤの空気透過防止層として該エラストマー
組成物を使用した場合に、柔軟性に優れつつ、その耐熱
性、耐久性にも優れた上、成形ブラダーへの付着がな
く、したがってその表面仕上がりも良好であるような、
当該エラストマー組成物のタイヤにおける空気透過防止
層への利用を提供することを目的とする。
70〜230℃のナイロン樹脂をイソブチレンパラメチ
ルスチレン共重合体のハロゲン化物を含むエラストマー
をゲル化率50〜95%に動的加硫した熱可塑性エラス
トマー組成物が提供される。
が、ナイロン11またはナイロン12とナイロン6/6
6共重合体とからなり、その組成比が10/90〜90
/10であること、前記熱可塑性エラストマー組成物中
のナイロン11またはナイロン12とナイロン6/66
共重合体とのブレンド物の分子量分布(Mw /Mn )
が、二軸混練後の樹脂抽出測定による分子量分布でMw
/Mn <10.0、好ましくはMw /Mn <5.0であ
ること、および前記エラストマーを架橋させる架橋剤を
予めエラストマー成分中に練り込んでおくことを特徴と
する熱可塑性エラストマー組成物が提供される。
ストマー組成物を空気透過防止層として使用した空気入
りタイヤが提供される。
マー組成物としては、融点170〜230℃のナイロン
樹脂に対してイソブチレンパラメチルスチレン共重合体
のハロゲン化物(X−IPMS)を含むエラストマーを
配合して、これをゲル化率50〜95%に動的加硫した
ものが有効に用いられる。本発明による熱可塑性エラス
トマー組成物は、前記ナイロン樹脂の熱可塑性樹脂成分
が連続相を形成し、これに前記X−IPMSを含むエラ
ストマー成分が分散相として均一配合された状態を構成
していることが必要で、更に本発明で特徴的なことは、
このエラストマー成分がゲル化率50〜95%で存在し
ていることであって、それによって従来のこの種の熱可
塑性エラストマー組成物における弱点であった耐熱性、
耐久性の向上を図ったものである。
夜、ソックスレー抽出にてゴムに対する溶媒(本場合に
は、アセトンおよびn−ヘキサン)で抽出し、そして乾
燥残渣を秤量し、更に組成物の知識に基づいて適当な補
正を行うことによって不溶性重合体の量を決定すること
からなる。即ち、補正された初期および最終重量は、最
初の重量からゴム以外の可溶性成分および有機溶媒可溶
性樹脂成分を減ずることによって得られる。全ての不溶
性の顔料、充填剤その他は、初期および最終重量から減
じられる。ゲル化率が50%未満である場合には、高剪
断状態でゴムと樹脂を混練しても、一度分散したゴムが
再び合体して、樹脂中にゴムを微細(数ミクロン粒径)
に分散、固定することができず、フィルム物性が悪化し
てしまう。また、ゲル化率が95%超であると、熱可塑
性エラストマー組成物を動的耐久試験に供した場合に、
エラストマー成分のヤング率が大きくなりすぎるため、
エラストマーを起点に破壊が生じてしまう。このことか
ら、ゲル化率が50〜95%であることが好ましい。
では、前記熱可塑性樹脂成分に融点170〜230℃の
ナイロン樹脂が、また、前記エラストマー成分にX−I
PMSを含むゴム成分が選定使用される。本発明に使用
できる、融点170〜230℃のナイロン樹脂には、ナ
イロン6(N6)、ナイロン11(N11)、ナイロン
12(N12)、ナイロン6/66共重合体(N6/6
6)、ナイロン610(N610)およびナイロン61
2(N612)等が含まれる。また、前記エラストマー
成分のX−IPMSと共に使用できるゴム成分には、ジ
エン系ゴムおよびその水添物(例えば、NR、IR、エ
ポキシ化天然ゴム、SBR、BR(高シスBRおよび低
シスBR)、NBR、水素化NBR、水素化SBR)、
オレフィン系ゴム(例えば、エチレンプロピレンゴム
(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピ
レンゴム(M−EPM)、IIR、イソブチレンと芳香
族ビニルまたはジエン系モノマー共重合体、アクリルゴ
ム(ACM)、アイオノマー)、含ハロゲンゴム(例え
ば、Br−IIR、Cl−IIR、イソブチレンパラメ
チルスチレン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、
クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(CHR)、
クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩素化ポリ
エチレン(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレン
(M−CM))、シリコーンゴム(例えば、メチルビニ
ルシリコーンゴム、ジメチルシリコーンゴム、メチルフ
ェニルビニルシリコーンゴム)、含イオウゴム(例え
ば、ポリスルフィドゴム)、フッ素ゴム(例えば、ビニ
リデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系
ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、含
フッ素シリコーン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴ
ム)、熱可塑性エラストマー(例えば、スチレン系エラ
ストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラ
ストマー、ウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラ
ストマー)等を挙げることができる。
において、前記融点範囲のナイロン樹脂を熱可塑性樹脂
成分として選定したのは、170℃未満の融点のもので
は、タイヤ加硫時に熱可塑性エラストマー組成物が融解
し、ブラダーに付着してタイヤ内面の外観を悪化させ、
また、230℃を超えるものでは、熱可塑性エラストマ
ーのヤング率が大きくなり、タイヤ走行時に熱可塑性エ
ラストマー組成物の耐久性が低下するからである。ま
た、前記エラストマー成分のX−IPMSに含めること
ができるゴム成分には、好ましくは、エチレン性不飽和
ニトリル−共役ジエン系高飽和共重合体ゴム(HNB
R)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、NBR、ヒドリ
ンゴム、アクリルゴム等が挙げられるが、これらは、相
溶性の大きく異なるナイロンとX−IPMSとの相溶性
を向上させる目的で用いる。このエラストマー成分にお
いて、主成分としてのX−IPMSは、全体のゴム成分
量の30重量%以上を配合することが熱可塑性エラスト
マー組成物の耐空気透過性、耐熱性向上の理由により必
要であり、その余を前記の併用ゴム成分とすることがで
きる。
ける前記特定のナイロン樹脂に対して、X−IPMSを
含むエラストマー成分は、ナイロン/エラストマー成分
が30/70〜70/30の範囲の重量比で配合するこ
とができ、好ましくは35/65〜50/50の範囲で
ある。
ナイロン樹脂成分として、ナイロン11(N11)また
はナイロン12(N12)とナイロン6/66共重合体
(N6/66)とからなり、その組成比(重量比)が1
0/90〜90/10、好ましくは、30/70〜85
/15である熱可塑性樹脂成分を選定使用した熱可塑性
エラストマー組成物とすることができる。かかる熱可塑
性エラストマー組成物は、耐久性にも優れ、かつタイヤ
内部外観および耐空気透過性にも優れ、そしてこれらの
諸特性をバランスよく有する熱可塑性エラストマーが得
られるという点で、特に好ましいものである。また、こ
の熱可塑性エラストマー組成物中のN11またはN12
とN6/66とのブレンド物の分子量分布(Mw /Mn
)が、二軸混練後の樹脂抽出測定による分子量分布で
Mw /Mn <10.0、好ましくはMw /Mn <5.
0、さらに好ましくはMw /Mn <3.0となるような
熱可塑性エラストマー組成物は、上記諸特性に加えて、
更に疲労耐久性に優れた本発明の熱可塑性エラストマー
組成物が得られる。熱可塑性エラストマー組成物中の樹
脂成分(N11またはN12とN6/66のブレンド
物)には、2軸混練時の高温高剪断の条件とエラストマ
ー成分の架橋剤に用いられる成分(例えば、アミン系加
硫促進剤、金属酸化物とハロゲン化物によって生成する
ハロゲン化金属等)によって分子切断が生じる。分子切
断が生じると、樹脂成分の分子量分布は大きくなる傾向
があり、これが10を超える場合には、特に耐久性が悪
化することが見出された。
に配合される前記エラストマー成分には、そのエラスト
マーの分散性や耐熱性の改善その他のために一般的にエ
ラストマーに配合される補強剤、充填剤、架橋剤、軟化
剤、老化防止剤、加工助剤などの配合剤が必要量添加さ
れる。このうち、本発明の熱可塑性エラストマー組成物
では、必要量の架橋剤がエラストマー成分中に加えられ
るが、本発明で必要とするエラストマーのゲル化率50
〜95%を達成するには、このエラストマーを架橋せし
める架橋剤を予めエラストマー成分中に練り込んでおく
方法を採ることが有効である。このような方法によっ
て、従来のように、熱可塑性樹脂成分、エラストマー成
分を溶融混練した後、架橋剤を添加する方法に比して、
架橋剤が熱可塑性樹脂と一部反応して該樹脂に分子切断
等の作用を与えることが少なく、かつ、エラストマー成
分のゲル化率制御も容易で、結果的に熱可塑性樹脂の劣
化が少なく、かつ、エラストマー成分の50〜95%の
加硫が達成され、本発明の熱可塑性エラストマー組成物
の耐久性を高めることが可能となるからである。
造方法は、以下の手順で行う。先ず、エラストマー成分
と所定の架橋剤を予め一般のニーダー、バンバリーミキ
サー等を用いて、均一混合状態が得られるまで混練す
る。この際、エラストマー成分には、カーボン、オイ
ル、その他炭酸カルシウム等の充填剤を適当量添加する
ことも可能である。また、この混練の時、材料温度が高
すぎると混練機中でゴム成分が架橋反応を起こしてしま
うため、温度は、120℃以下の低温に抑えて混練する
ことが必要である。このようにして作製した架橋剤含有
エラストマー成分と所定のナイロン樹脂を2軸混練機等
に投入し、溶融混練を行ないながら、ゴム成分を動的架
橋させて、連続相(マトリックス相)を形成するナイロ
ン樹脂中にエラストマー成分を分散相(ドメイン)とし
て分散させる。また、ナイロン樹脂またはエラストマー
成分への各種配合剤(加硫剤は除く)は、上記混練中に
添加してもよいが、混練の前に予め混合しておくことが
好ましい。ナイロン樹脂とエラストマー成分の混練に使
用する混練機としては、特に限定はなく、スクリュー押
出機、ニーダー、バンバリーミキサー、2軸混練押出機
等が使用できる。なかでもナイロン樹脂とエラストマー
成分の混練およびエラストマー成分の動的加硫には、2
軸混練押出機を使用するのが好ましい。更に、2種類以
上の混練機を使用し、順次混練してもよい。溶融混練の
条件として、温度は所定のナイロン樹脂が溶融する温度
以上であればよい。また、混練時の剪断温度は500〜
7500sec -1であるのが好ましい。混練全体の時間
は、30秒から10分が好ましい。
マー組成物は、連続相を形成するナイロン樹脂のマトリ
ックス中に不連続相を形成するエラストマー成分が分散
相(ドメイン)として分散した構造をとる。かかる状態
の分散構造をとることにより、熱可塑の加工が可能とな
り、成形に際してナイロン樹脂と同等の成形加工性を得
ることができるため、通常の樹脂用成形機、即ち押出成
形、またはカレンダー成形によってフィルム化すること
が可能となる。
される加硫剤としては、一般的なゴム加硫剤(架橋剤)
を用いることができる。具体的には、イオウ系加硫剤と
しては粉末イオウ、沈降性イオウ、高分散性イオウ、表
面処理イオウ、不溶性イオウ、ジモルフォリンジサルフ
ァイド、アルキルフェノールジサルファイド等を例示で
き、例えば、0.5〜4phr (エラストマー成分(ポリ
マー)100重量部当りの重量部)程度用いることがで
きる。また、有機過酸化物系の加硫剤としては、ベンゾ
イルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイ
ド、2,4−ビクロロベンゾイルパーオキサイド、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ(パー
オキシルベンゾエート)等が例示され、例えば、1〜2
0phr 程度用いることができる。更に、フェノール樹脂
系の加硫剤としては、アルキルフェノール樹脂の臭素化
物や、塩化スズ、クロロプレン等のハロゲンドナーとア
ルキルフェノール樹脂とを含有する混合架橋系等が例示
でき、例えば、1〜20phr 程度用いることができる。
その他として、亜鉛華(5phr 程度)、酸化マグネシウ
ム(4phr 程度)、リサージ(10〜20phr 程度)、
p−キノンジオキシム、p−ジベンゾイルキノンジオキ
シム、テトラクロロ−p−ベンゾキノン、ポリ−p−ジ
ニトロソベンゼン(2〜10phr 程度)、メチレンジア
ニリン(0.2〜10phr 程度)が例示できる。また、
前記加硫剤には、必要に応じて加硫促進剤を添加しても
よい。加硫促進剤としては、アルデヒド・アンモニア
系、グアニジン系、チアゾール系、スルフェンアミド
系、チウラム系、ジチオ酸塩系、チオウレア系等の一般
的な加硫促進剤を、例えば0.5〜2phr 程度用いるこ
とができる。
は、柔軟性に優れつつ、その耐熱性、耐久性にも優れた
上、成形ブラダーへの付着がなく、また空気透過率が低
くて空気漏れ性能も優れているので、これをタイヤにお
ける空気透過防止層に有効な利用が図られる。
説明するが、本発明を以下の実施例に限定するものでな
いことは言うまでもない。
用いた。1)樹脂成分 <商品名> <メーカー> N11(ナイロン11):リルサンBMN O (アトケム製) N6/661)(ナイロン6/66共重合体): (東レ製) アミランCM6001 N6/662)(ナイロン6/66共重合体): (東レ製) アミランCM6041 N66(ナイロン66):アミランCM3001N (東レ製) PP(ポリプロピレン):RV421 (トクヤマ) MAH−g−EEA(マレイン酸変性エチレンエチル アクリレート):A1600 (日本石油化学)2)ゴム(エラストマー)成分 Br−IPMS:EXXPRO 89−4 (エクソン化学製) HNBR:Zetpol 1020 (日本ゼオン製) ENR:50% Epoxidized Natural Rubber (Malaysia製) 3)加硫系成分 亜鉛華:亜鉛華3号 (正同化学製) ステアリン酸亜鉛: (正同化学製) ステアリン酸:ビーズステアリン酸NY (日本油脂製) イオウ:粉末イオウ (軽井沢精錬所) TT:Nocceler TT (大内新興化学製) M:Nocceler M (大内新興化学製)
す配合で、所定のエラストマー成分と加硫系をバンバリ
ーミキサーに投入し、約2分間混練し、120℃で放出
して加硫系入りエラストマー成分を調整し、ゴム用ペレ
タイザーでペレット化した。その後、エラストマー成分
と樹脂を所定の配合にてドライブレンドし、2軸混練機
に投入し、動的加硫して熱可塑性エラストマー組成物を
作製した。この時の混練条件は、温度230℃(比較例
4は、270℃)、剪断速度1000s-1で行なった。
実施例6については、エラストマー成分と樹脂が溶融分
散した後、加硫系を投入した。2軸混練によって作製さ
れた熱可塑性エラストマー組成物は、水冷した後、ペレ
ット化して、次に単軸押出機でTダイを通して、幅35
0mm、厚さ100μmのフィルム化を実施した。
法は、次のとおりである。
た。 試験片:各例で作成したフィルムサンプルを、フィルム
の押出成形時の樹脂の押出方向に平行にJIS 3号ダ
ンベルで打ち抜いた。 得られた応力〜歪曲線の初期歪領域の曲線に接線を引
き、その接線の傾きよりヤング率を求めた。
の気体透過度試験方法(A法)」に準じた。 試験片:各例で作成したフィルムサンプルを用いた。 試験気体:空気(N2 :O2 =8:2) 試験温度:30℃
をハケ塗りし、乾燥後、タイヤカーカス用ゴム(カーカ
スなし)と積層させて、180℃で10分間加硫し、2
mm厚のフィルム/ゴム積層体を作製した。これをダンベ
ル形状に打ち抜き、40%の歪をかけながら5Hzの周期
で耐久試験に供した。(500万回で破壊しないものは
打切りとした。)
物をウォーターバス中で8時間アセトンにてソックスレ
ー抽出し、その残渣をさらに8時間n−ヘキサンにてソ
ックスレー抽出する。この操作により、未加硫のエラス
トマー成分は、溶媒で抽出されてくる。アセトンおよび
n−ヘキサン抽出物は、溶媒乾燥後重量を測定し、以下
の式によってゲル化率を決定した。(こゝで、ステアリ
ン酸は、溶媒に抽出されてくるため差し引いた。)
ノール(以下、HFIPという)で8時間ソックスレー
抽出する。この操作によって、熱可塑性樹脂(ナイロ
ン)が溶解し、抽出されてくる。抽出物を無水トリフル
オロ酢酸にてアセチル化して、GPCで分子量測定を実
施した。得られたデータより、重量平均分子量と数平均
分子量との比から分子量分布(Mw /Mn )を求めた。
メントを塗布し、これをタイヤ成形用ドラム上に巻き、
その上にカーカス、サイドベルト、トレッド等のタイヤ
部材を積層させ、インフレートさせて、グリーンタイヤ
とした。グリーンタイヤは、加硫機で180℃、10分
間加硫させ、タイヤサイズ165SR13のタイヤに仕
上げた。
加硫ブラダーにとられたり、もしくは、表面層が破壊
し、ザラザラ状に変質する。このようなものを不合格
(×)とする。また、タイヤ性能には影響しないが商品
性が低下するものを△とする。これら異常なきものを合
格(○)とする。
1/2−J)を使用して、初期圧力220kPa 、無負
荷条件にて室温21℃で3ケ月間放置して測定間隔4日
毎に圧力を測定した。測定圧力Pt 、初期圧力Po およ
び経過日数tとして、関数: Pt /Po =exp(−αt) に回帰してα値を求める。得られたαを用い、t=30
を下式に代入し、 β=〔1−exp(−αt)〕×100 β値を得る。このβ値を1ケ月当りの圧力低下率(%/
月)とする。
1/2−J)を用い、空気圧140kPa で荷重5.5
kNを与え実路上を10000km走行する。走行後に、タ
イヤをリムから外し、タイヤ内面のライナー層を目視観
測し、ライナー層に亀裂、クラック、目視できるしわ、
ライナー層の剥離・浮き上がりがあるものを不合格
(×)、ないものを合格(○)と判定する。
従った熱可塑性エラストマー組成物をタイヤの空気透過
防止層に使用した実施例1〜6のものは、いずれも柔軟
性、耐久性に優れ、かつタイヤ内部外観および耐空気透
過性にも優れ、更に、疲労耐久性の点でも優れており、
また、これら諸特性をバランスよく保持していることが
わかる。
Claims (5)
- 【請求項1】 融点170〜230℃のナイロン樹脂と
イソブチレンパラメチルスチレン共重合体のハロゲン化
物を含むエラストマー成分をゲル化率50〜95%に動
的加硫した熱可塑性エラストマー組成物。 - 【請求項2】 前記ナイロン樹脂がナイロン11または
ナイロン12とナイロン6/66共重合体とからなり、
その組成比が10/90〜90/10である請求項1に
記載の熱可塑性エラストマー組成物。 - 【請求項3】 前記熱可塑性エラストマー組成物中のナ
イロン11またはナイロン12とナイロン6/66共重
合体とのブレンド物の分子量分布(Mw /Mn )が、M
w /Mn <10.0である請求項2に記載の熱可塑性エ
ラストマー組成物。 - 【請求項4】 前記エラストマー成分を架橋させる架橋
剤を、予めエラストマー成分中に練り込んでおくことを
特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑
性エラストマー組成物の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱
可塑性エラストマー組成物を空気透過防止層として使用
した空気入りタイヤ。
Priority Applications (8)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00502898A JP3236257B2 (ja) | 1998-01-13 | 1998-01-13 | 熱可塑性エラストマー組成物およびそれを使用した空気入りタイヤ |
KR1019997008266A KR100703576B1 (ko) | 1998-01-13 | 1999-01-07 | 열가소성 탄성중합체 조성물, 이의 제조방법 및 이를 사용한 공기 타이어 |
EP99900135.7A EP0969039B1 (en) | 1998-01-13 | 1999-01-07 | Thermoplastic elastomer composition, process for producing the same, and pneumatic tire and hose made with the same |
PCT/JP1999/000019 WO1999036471A1 (fr) | 1998-01-13 | 1999-01-07 | Composition elastomere thermoplastique, son procede de production, pneumatique et tube fabrique avec ce dernier |
US09/380,588 US6359071B1 (en) | 1998-01-13 | 1999-01-07 | Thermoplastic elastomer composition, process for producing the same, and pneumatic tire and hose made with the same |
US09/800,782 US6538066B2 (en) | 1998-01-13 | 2001-03-08 | Thermoplastic elastomer composition and process for producing the same and pneumatic tire and hose using the same |
US10/347,283 US6861470B2 (en) | 1998-01-13 | 2003-01-21 | Thermoplastic elastomer composition and process for producing the same and pneumatic tire and hose using the same |
US11/008,962 US7275574B2 (en) | 1998-01-13 | 2004-12-13 | Thermoplastic elastomer composition and process for producing the same and pneumatic tire and hose using the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00502898A JP3236257B2 (ja) | 1998-01-13 | 1998-01-13 | 熱可塑性エラストマー組成物およびそれを使用した空気入りタイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11199713A JPH11199713A (ja) | 1999-07-27 |
JP3236257B2 true JP3236257B2 (ja) | 2001-12-10 |
Family
ID=11600045
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00502898A Expired - Fee Related JP3236257B2 (ja) | 1998-01-13 | 1998-01-13 | 熱可塑性エラストマー組成物およびそれを使用した空気入りタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3236257B2 (ja) |
Families Citing this family (28)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001287505A (ja) * | 2000-02-04 | 2001-10-16 | Bridgestone Corp | 安全タイヤとこれに用いる複合体および発泡性組成物 |
JP2002120510A (ja) * | 2000-07-27 | 2002-04-23 | Bridgestone Corp | 安全タイヤとこれに用いる複合体および発泡性組成物と安全タイヤの製造方法 |
JP2002144812A (ja) * | 2000-08-30 | 2002-05-22 | Bridgestone Corp | 安全タイヤ |
JP2002144811A (ja) * | 2000-08-30 | 2002-05-22 | Bridgestone Corp | 安全タイヤ |
JP4603850B2 (ja) * | 2001-03-21 | 2010-12-22 | 株式会社ブリヂストン | 安全タイヤ及びリム組立体と発泡性組成物 |
JP2003048411A (ja) * | 2001-08-06 | 2003-02-18 | Bridgestone Corp | 安全タイヤ |
JP3770892B2 (ja) | 2001-09-05 | 2006-04-26 | 横浜ゴム株式会社 | ランフラット性能を有する空気入りタイヤ |
US20050277723A1 (en) * | 2002-07-05 | 2005-12-15 | Caiguo Gong | Functionalized elastomer nanocomposite |
JP2004137430A (ja) * | 2002-10-21 | 2004-05-13 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ |
CN100535046C (zh) * | 2003-03-06 | 2009-09-02 | 横滨橡胶株式会社 | 具有提高的橡胶造粒过程的热塑性弹性体组合物 |
US7560514B2 (en) * | 2003-03-06 | 2009-07-14 | Exxonmobil Chemical Patents Inc. | Thermoplastic elastomer composition having moderate cure state |
EP1645404B1 (en) | 2003-07-16 | 2013-08-21 | The Yokohama Rubber Co., Ltd. | Pneumatic tire producing method and tire forming drum |
JP2005035188A (ja) * | 2003-07-16 | 2005-02-10 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | タイヤ成形ドラム |
JP4682757B2 (ja) * | 2005-08-31 | 2011-05-11 | 横浜ゴム株式会社 | 低騒音空気入りタイヤ及びその製造方法 |
JP5247456B2 (ja) * | 2005-10-27 | 2013-07-24 | エクソンモービル ケミカル パテンツ,インコーポレイティド | 熱可塑性エラストマー組成物及びその製造方法 |
EP2022647B1 (en) * | 2006-05-01 | 2012-04-11 | The Yokohama Rubber Co., Ltd. | Pneumatic tire having flexible protective release layer |
US8336592B2 (en) | 2006-10-30 | 2012-12-25 | The Yokohama Rubber Co., Ltd. | Pneumatic tire and process for producing the same |
US8945447B2 (en) * | 2006-12-29 | 2015-02-03 | Bridgestone Americas Tire Operations, Llc | Tire innerliner |
JP4650437B2 (ja) | 2007-02-22 | 2011-03-16 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤの製造方法 |
EP2147803B1 (en) | 2007-05-17 | 2015-07-08 | Bridgestone Corporation | Radial tire for heavy load |
JP5125630B2 (ja) | 2008-03-07 | 2013-01-23 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤ及びその製造方法 |
JP5592616B2 (ja) | 2008-03-31 | 2014-09-17 | 株式会社ブリヂストン | フィルム、タイヤ用インナーライナー及びそれを用いたタイヤ |
JP4442700B2 (ja) | 2008-05-19 | 2010-03-31 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤ及びその製造方法 |
US8158721B2 (en) * | 2008-06-13 | 2012-04-17 | Exxonmobil Chemical Patents Inc. | Process for preparing dynamically vulcanized alloys |
JP4821868B2 (ja) * | 2009-03-13 | 2011-11-24 | 横浜ゴム株式会社 | 熱可塑性エラストマー組成物 |
JP5736677B2 (ja) | 2010-06-25 | 2015-06-17 | 横浜ゴム株式会社 | 熱可塑性エラストマー組成物およびその製造方法 |
CN103732398B (zh) | 2011-05-31 | 2016-07-06 | 株式会社普利司通 | 多层结构体、充气轮胎用气密层以及充气轮胎 |
US20180179372A1 (en) * | 2015-07-28 | 2018-06-28 | Exxonmobil Chemical Patents Inc. | Elastomeric Compositions and Their Use in Articles |
-
1998
- 1998-01-13 JP JP00502898A patent/JP3236257B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11199713A (ja) | 1999-07-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3236257B2 (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物およびそれを使用した空気入りタイヤ | |
EP0969039B1 (en) | Thermoplastic elastomer composition, process for producing the same, and pneumatic tire and hose made with the same | |
EP0857761B1 (en) | Process for making a pneumatic tire having an almost impermeable thermoplastic elastomer composition in gas-barrier layer | |
JP4197784B2 (ja) | ガスバリヤー性に優れた熱可塑性エラストマー組成物およびそれを使用した積層体 | |
JP4942253B2 (ja) | 加工性が改良された熱可塑性エラストマー組成物およびそれを用いたタイヤ | |
CN102257063B (zh) | 可用于流体阻挡应用的稳定化的动态硫化热塑性弹性体组合物 | |
JP3532036B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP3848771B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP3786471B2 (ja) | 空気入りタイヤおよびその製造方法 | |
JPWO2005007423A1 (ja) | 耐久性の改良された空気入りタイヤ | |
JPH08259741A (ja) | タイヤ用ポリマー組成物およびそれを使用した空気入りタイヤ | |
JP3212470B2 (ja) | タイヤ用ポリマー組成物 | |
JP3126321B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
CN1451025A (zh) | 取向的热塑性硫化橡胶 | |
JP2006315339A (ja) | 熱可塑性エラストマーフィルム | |
JPH08216610A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP4282131B2 (ja) | タイヤ用熱可塑性エラストマー組成物 | |
JP3568322B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP4524965B2 (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ | |
JP3766735B2 (ja) | 空気入りタイヤの空気透過防止層用熱可塑性エラストマー組成物 | |
JP2001239805A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP3640467B2 (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物およびそれを使用した空気入りタイヤ | |
JP3236247B2 (ja) | エラストマー組成物および空気入りタイヤ | |
JP4720340B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP4779354B2 (ja) | 変性ブチルゴム含有熱可塑性エラストマー組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080928 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080928 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090928 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090928 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100928 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100928 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110928 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110928 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110928 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120928 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120928 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130928 Year of fee payment: 12 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |