JP4382331B2 - セルフシール性及びセルフバランシング性に富んだタイヤ−リム組立体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、セルフシール性及びセルフバランシング性に富んだタイヤ−リム組立体に関し、特に、タイヤが外傷を受けていない通常の走行における耐久性及び乗り心地性を犠牲にすることなく、外傷を受けた後のタイヤ内圧の急激な低下を抑制することで危機的状況を確実に回避することができると共に、受傷後の走行可能距離をより長いものとすることができる高い安全性を有するセルフシール性及びセルフバランシング性に富んだタイヤ−リム組立体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
空気入りタイヤ、例えば、乗用車用タイヤにおいては、タイヤ内部に内圧(絶対圧、以下同様)250〜350kPa程度の下に空気を封じ込めて、タイヤのカーカス及びベルト等のタイヤ骨格部に張力を発生させ、この張力によって、タイヤへの入力に対してタイヤの変形並びにその復元を可能としている。即ち、タイヤの内圧が所定の範囲に保持されることによって、タイヤの骨格に一定の張力を発生させて、荷重支持機能を付与すると共に、剛性を高めて、駆動、制動及び旋回性能などの、車両の走行に必要な基本性能を付与している。
【0003】
ところで、この所定の内圧に保持されたタイヤが外傷を受けると、この外傷を介して空気が外部に漏れ出してタイヤ内圧が大気圧まで減少する、所謂パンク状態となるため、タイヤ骨格部に発生させていた張力はほとんど失われることになる。すると、タイヤに所定の内圧が付与されることによって得られる、荷重支持機能や、駆動、制動及び旋回性能も失われる結果、そのタイヤを装着した車両は走行不能に陥ってしまう。
【0004】
一般的に、パンクのほとんどは、釘、金属片等の硬く鋭利な異物がタイヤに突き刺さることにより発生し、その中でも特に一般ドライバーにとって危険な状況は、タイヤに突き刺さった異物が走行中に抜け落ちることにより急激な内圧低下が発生した場合である。とりわけ、受傷したタイヤが操舵輪(ほとんどの車両では前輪)である場合、急激な左右バランス、前後バランスの変化により、車両の挙動が制御できない状態に陥ることがあり、大規模な事故へ繋がるおそれがある等、大変危険な状況を引き起こすことがある。
【0005】
そこで、パンク状態においても走行を可能とする、安全タイヤについて多くの提案がなされている。例えば、自動車用の空気入り安全タイヤとリムの組立体としては、二重壁構造を有するもの、タイヤ内に荷重支持装置を配設したもの、タイヤサイド部を補強したものなど種々のタイプのものが提案されている。これらの提案の内、実際に使用されている技術としては、タイヤのサイドウォール部を中心にショルダー部からビ−ド部にかけての内面に比較的硬質のゴムからなるサイド補強層を設けたタイヤがあり、この種のタイヤは主にへん平比が60%以下の、所謂ランフラットタイヤとして適用されている。
【0006】
しかしながら、サイド補強層を追加する手法は、タイヤ質量が30〜40%も増加してタイヤの縦ばね定数を上昇するため、転がり抵抗の大幅な悪化とパンク前の通常走行時の乗り心地性の低下をまねく不利がある。
また、現行製法上の制約から、サイド補強型ランフラットタイヤのユニフォミティー(均一性)は悪化傾向にある。一般的にタイヤは、リム組後、所謂バランサーを用い、所定の回転数で回転させてアンバランス成分を検出し、その検出したアンバランス成分を演算し、この演算結果より導かれるリム上の指示位置にバランスウェイトを配置してアンバランス成分を抑制する。しかしながら、使用時には上記回転数以外にも広範囲な速度域にてタイヤ−リム組立体は使用されるために、速度によっては転動に伴う比較的大きな残留アンバランス成分が現れることがある。よって結果として操縦性、乗り心地性の悪化をもたらすことがあり、上記サイド補強型ランフラットタイヤは、通常走行時の性能、燃費及び環境に悪影響を与えることがある。また、ランフラットタイヤに限らず、一般的な従来の空気入りタイヤにおいても、頻繁な制動・駆動入力によりタイヤとリムの相対的位置関係がずれる、所謂リムすべりが発生することによって、タイヤ−リム組立体のバランスウェイトが崩れることがある。それ故、バランスウェイトを用いる限り、操縦性、乗り心地性の悪化をもたらす要因が残っており、常に満足の行くものとはいえない。
【0007】
一方、タイヤ断面高さの高い、へん平比が60%以上の空気入りタイヤにおいては、比較的高速かつ長距離の走行によるサイドウォール部の発熱を避けるために、リムに中子などの内部支持体を固定してパンク時の荷重を支持する構造とした、ランフラットタイヤが主に適用されている。
【0008】
しかしながら、パンク後のランフラット時にタイヤと内部支持体との間で発生する、局所的な繰り返し応力にタイヤが耐えることができずに、結果としてパンク後の走行距離は100〜200km程度に限定されていた。
また、内部支持体は衝撃耐久性の面から軽量化が難しく、結果的にタイヤ、内部支持体、リムの総質量は従来の空気入りタイヤに比して3割〜5割以上増加してしまうため、パンク前の通常走行時の乗り心地性の低下はもちろんのこと、車両の足回り部品であるブッシュ等の耐久性を著しく損なう不利がある。
加えて、内部支持体をタイヤ内部に配置してからタイヤをリムに組み付ける作業は、煩雑で長時間を要することも問題であった。この点、リムの幅方向一端側と他端側とのリム径に差を設けて、内部支持体を挿入し易くした工夫も提案されているが、十分な効果は得られていない。
【0009】
なお、内部支持体をそなえるランフラットタイヤのパンク後走行距離を延ばすには、骨格材を追加してタイヤ構造をより重厚にすることが有効であるが、骨格材を追加した分、通常使用時の転がり抵抗や乗り心地性が悪化するため、この手法を採用することは現実的ではない。
【0010】
また、以上に示した従来技術は、タイヤ受傷による内圧低下後の走行能力に言及しているものの、上述したような、突き刺さった異物が走行中に抜け落ちることによる、急激な内圧低下の状況に対応できるものではなく、パンクに対する危険回避対策が充分であるとはいえない。
【0011】
一方、タイヤ内面に予め流動性をもつシーラント材を配置し、タイヤ内の圧力を活用して、受傷後の傷穴を瞬時に封止する技術も種々提案されているが、タイヤ質量の増加をまねく不利がある。即ち、シーラント材による傷穴の封止能力は、タイヤ内面に設けるシーラント材層の厚みに依存し、例えば直径3mm程度の釘による傷穴を封止するには、3〜5mm程度のシーラント材層の厚みが必要となる。よって、一般的な乗用車用タイヤの場合、シーラント材を配置することで質量が1500g〜2500gも増加してしまい、パンク前の通常走行時の転がり抵抗や乗り心地性低下はもちろんのこと、車両の足回り部品であるブッシュ等の耐久性を著しく損なうことにもなる。また、シーラント材を配置したタイヤは、質量均一性に乏しく、通常走行時の転がり抵抗や乗り心地性低下の主たる要因となる。
【0012】
更に、タイヤ使用中に釘等の異物が突き刺さった場合、釘等の異物は必ずしもすぐに抜け落ちるとは限らず、タイヤ内に貫通した状態で留まることがある。このような状態では、タイヤの内圧はすぐに低下するわけではなく、その後の走行と共に釘等の異物がタイヤ内部で刺さったまま揉まれるようにして入力を受けるため、釘等の異物とタイヤとの接触面にて擦れ合いが生じる。この擦れ合いによって、ある程度接触部分のタイヤゴムが摩減すると、該接触面に隙間ができてしまい、ある時を境に突然、釘等の異物が脱離すると共に、一気に内圧が低下し走行不能となる。従来のシーラント材を配置したタイヤでは、上記のような残存異物の入力履歴により引き起こされる突然の異物離脱と内圧低下に充分対応できず、満足のいくものではなかった。
【0013】
また、タイヤとこれに組付けるリムとの組立体の内部空洞へ独立気泡を有する発泡体を充填したタイヤが種々提案されている(例えば、特開平6−127207号公報、特開平6−183226号公報、特開平7−186610号公報及び特開平8−332805号公報など)。これらの提案されたタイヤは、主に農耕用タイヤ、ラリー用タイヤ、二輪車用タイヤ及び自転車タイヤなど特殊な、又は小型のタイヤに限定されるものである。従って、乗用車用タイヤやトラック及びバス用タイヤなど、とりわけ転がり抵抗や乗り心地性を重視するタイヤへの適用は未知数であった。そしていずれの発泡体も発泡倍率が低いために、気泡を有する発泡体のわりには質量が大きく、振動乗り心地性や低燃費性の悪化を避けられない上、その独立気泡内部は大気圧であるため、従来タイヤの高圧空気の代替とするには機能的に不十分であった。
【0014】
更に、特許第2987076号公報には、発泡体充填材を内周部に挿入したパンクレスタイヤが開示されているが、気泡内圧が大気圧に極めて近いことによる不利に加え、発泡体がウレタン系であるために、ウレタン基の分子間水素結合に起因するエネルギーロスが大きく、自己発熱性が高い。よって、ウレタン発泡体をタイヤ内に充填した場合、タイヤ転動時のくり返し変形により、発泡体が発熱し大幅に耐久性が低下する。また、気泡を独立して形成するのが難しい素材を用いているため、気泡が連通しやすくて気体を保持することが難しく、所望のタイヤ内圧(即ち、荷重支持能力又はたわみ抑制能力、以下同様)を得られない不利がある。
【0015】
更にまた、特開昭48−47002号公報には、独立気泡を主体とする多気泡体の外周をゴムや合成樹脂等の厚さ0.5〜3mmの外包皮膜で一体的に包被密封した膨張圧力気泡体の多数をタイヤ内に充填し、該タイヤを規定内圧に保持した、パンクレスタイヤが提案されている。この技術は、発泡体の気泡内気圧を常圧より高くするために、膨張圧力気泡体となる独立気泡体形成配合原料中の発泡剤配合量をタイヤ内容積に対して、少なくとも同等以上の発生ガスが発生する発泡剤配合量に設定しており、これによって通常の少なくとも空気入りタイヤと同様の性能を目指している。
【0016】
上記技術では、膨張圧力気泡体中の気泡内ガスの散逸を防ぐために、外包皮膜で一体的に包被密封しているが、この外包皮膜の材料として例示されているものは、自動車用チューブ又は該チューブ形成用配合物のような材料のみである。つまり、タイヤチューブ等に用いられる、窒素ガス透過性の低いブチルラバーを主体とした軟質弾性外包皮膜にて包被密封を施し、これらの多数をタイヤ内に充填している。製法としては、軟質弾性外包皮膜として未加硫のタイヤチューブを、膨張圧力気泡体として未加硫の独立気泡体形成配合原料を用い、これらの多数をタイヤ/リム組立体の内部に配置後、加熱により発泡させ、発泡体充填タイヤを得ている。発泡体の膨張によるタイヤ内部の常圧空気は、リムに開けられた排気小孔から自然排気される。
【0017】
ここで、乗用車用タイヤの内圧は、一般的に常温における絶対圧で250〜350kPa程度に設定されるため、上記の発泡体充填タイヤを製造するには、その加硫成形の加熱時(140℃程度)の状態において、上記内圧の約1.5倍程度の圧力になっているものと、気体の状態方程式から推定される。ところが、この程度の圧力レベルでは、加硫圧力不足をまねいてブローンが発生するのを避けることは出来ない。このブローン現象を回避するためには、発泡剤配合量を大幅に増加して発泡による発生圧力を高めたり、加熱温度を高める必要がある。しかしながらながら、発泡剤配合量を増加する手法は、発泡剤配合量の増加により常温時の内圧が400kPaを大きく超えてしまうため、従来の空気入りタイヤの代替品とするのは困難であった。また、加熱温度を高める手法は、熱老化によるタイヤのダメージが大きくなってタイヤの耐久性を大幅に悪化させるため、長期使用における耐久性に問題が生じる。一方、タイヤ/リム組立体の内部には、軟質弾性外包皮膜に包まれた膨張圧力気泡体が多数配置されているが、上記ブローンが発生した軟質弾性外包皮膜同士の摩擦、タイヤ内面及びリム内面との摩擦等、耐久性面での問題が大きい。以上から上記の問題は、膨張圧力気泡体の形状が一体的なドーナツ形状をとるのとは異なり、分割された多数の膨張圧力気泡体を配置することに起因する大きな欠点とも言える。また、リムに開けられた排気小孔は、膨張圧力気泡体の膨張によるタイヤ内部の常圧空気を自然排気するためには有効であるものの、膨張圧力気泡体中の気泡内ガスの散逸経路となってしまうため、長期間の使用に耐えうるものではない。
【0018】
更に、軟質弾性外包皮膜として、タイヤチューブ等の、窒素ガス透過性が小さいブチルラバーを主体とした配合組成物を用いているが、ブチルラバーは加硫反応速度が極めて遅いために、反応を完結させるためには、140℃程度の温度では多大なる加熱時間を必要とする。このことは、軟質弾性外包皮膜の架橋密度不足を意味し、軟質弾性外包皮膜の剥離発生の一要因(詳しくは後述する)になることはいうまでもない。また、加熱時間の延長は、前述した熱老化によるタイヤのダメージを更に大きくするため、耐久性の低下を避けられず、得策とはいえない。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況下、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明は、第1に、特にタイヤが外傷を受けていない通常の走行における耐久性及び乗り心地性を犠牲にすることなく、外傷を受けた後の急激なタイヤ内圧低下の抑制と、受傷後の走行可能距離をより長いものとする安全なタイヤ−リム組立体を提供することを目的とする。
【0020】
また、本発明は、第2に、気泡含有粒子と、気泡含有粒子に比して比重の大きい粒子とを組み合わせた粒子組成物をタイヤとリムの組立体内側に配置してなることによるセルフバランシング性及びセルフシール性に富んだタイヤ−リム組立体を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を解決すべく、通常内圧使用時の性能を犠牲にしないために、タイヤの大幅な質量増を招かないことを前提条件として、タイヤ転動中のウェイトバランスがもたらす振動に注目しつつ、釘等の異物がタイヤに突き刺さりそのまま残存した場合、残存した異物がタイヤとの接触面にて擦れ合い、接触部分においてタイヤゴムがある程度摩減して接触面に隙間ができることによって、突然異物がタイヤから脱離し一気にタイヤ内圧が低下するといった、ドライバーにとって大変危険かつ不測の事態をいかに抑制するかについて鋭意検討した結果、真比重が0.01以上であり、体積充填率が5.0体積%以上、100体積%以下の範囲であり、かつ、質量が20グラム以上である粒子組成物をタイヤ内に配置することにより、きわめて優れたセルフシール効果とセルフバランシング効果とを同時に発現させることに成功し、本発明をなすにいたった。
【0022】
即ち、本発明は、上記課題を解決するため、下記のセルフシール性及びセルフバランシング性に富んだタイヤ−リム組立体を提供する。
【0023】
請求項1の発明は、中空ドーナツ状のタイヤを適用リムに装着し、該タイヤと適用リムとで区画されたタイヤの内部に、真比重が0.01以上であり、下記式(1)で定義される体積充填率が5.0体積%以上、100体積%以下の範囲であり、かつ、質量が20グラム以上である粒子組成物を配置したタイヤ−リム組立体において、
前記粒子組成物が、粒子Aと粒子Bとを含み、該粒子Aが真比重0.05以下の略球形状の気泡含有粒子であり、粒子Bが前記粒子Aの真比重の2倍以上大きい真比重を有することを特徴とするセルフシール性及びセルフバランシング性を有するタイヤ−リム組立体である。
体積充填率=(Vs/Vt)×100 …(1)
〔但し、Vsは、タイヤ内部に配置した粒子組成物の大気圧下での体積(リットル)を示し、なお、Vsは、粒子周囲の空隙体積を含むものとする。また、Vtは、タイヤ−リム組立体の内部容積(リットル)を示す。〕
【0024】
請求項2の発明は、上記式(1)で定義される体積充填率が10.0体積%以上、100体積%以下の範囲であり、かつ、質量が50グラム以上である粒子組成物を配置する請求項1記載のタイヤ−リム組立体である。
【0025】
請求項3の発明は、上記式(1)で定義される体積充填率が20.0体積%以上、100体積%以下の範囲であり、かつ、質量が100グラム以上である粒子組成物を配置する請求項1又は2記載のタイヤ−リム組立体である。
【0026】
請求項4の発明は、上記式(1)で定義される体積充填率が75.0体積%以上、100体積%以下の範囲であり、かつ、質量が200グラム以上である粒子組成物を配置する請求項1乃至3のいずれか1項記載のタイヤ−リム組立体である。
【0028】
請求項5の発明は、下記式(1)で定義される体積充填率が、5.0体積%以上の粒子Aと0.1体積%以上の粒子Bとを配置してなる請求項1乃至4のいずれか1項記載のタイヤ−リム組立体である。
体積充填率=(Vs/Vt)×100 …(1)
〔但し、Vsは、タイヤ内部に配置した各粒子の大気圧下での体積(リットル)を示し、なお、Vsは、粒子周囲の空隙体積を含むものとする。また、Vtは、タイヤ−リム組立体の内部容積(リットル)を示す。〕
【0029】
請求項6の発明は、粒子Aが、独立気泡及び該気泡を密閉状態で内包する樹脂製の殻よりなり、該樹脂がポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリロニトリル系重合体、ポリアクリル系重合体及びポリ塩化ビニリデン系重合体から選択される少なくとも1種で形成された請求項1乃至5のいずれか1項記載のタイヤ−リム組立体である。
【0030】
請求項7の発明は、粒子Aの内包する独立気泡中の気体が、窒素、空気、炭素数2から8の直鎖状及び分岐状の脂肪族炭化水素およびそのフルオロ化物、炭素数2から8の脂環式炭化水素およびそのフルオロ化物、そして次の一般式(I):
R1−O−R2 ----(I)
(式中のR1およびR2は、それぞれ独立に炭素数が1から5の一価の炭化水素基であり、該炭化水素基の水素原子の一部をフッ素原子に置き換えたものを含む)にて表されるエーテル化合物、からなる群の中から選ばれた少なくとも1種である請求項1乃至6のいずれか1項記載のタイヤ−リム組立体である。
【0031】
請求項8の発明は、粒子Aが内包する独立気泡中の気体の25℃における内圧が、絶対圧で150kPa以上である請求項1乃至7のいずれか1項記載のタイヤ−リム組立体である。
【0032】
請求項9の発明は、粒子Aに内包された独立気泡の25℃における内圧が、絶対圧で200kPa以上である請求項8記載のタイヤ−リム組立体である。
【0033】
請求項10の発明は、粒子Aの樹脂製の殻の30℃におけるガス透過係数が、300×10-12(cc・cm/cm2・s・cmHg)以下である請求項1乃至9のいずれか1項記載のタイヤ−リム組立体である。
【0034】
請求項11の発明は、粒子Bが、真比重が0.1以上の略球形状粒子である請求項1乃至10のいずれか1項記載のタイヤ−リム組立体である。
【0035】
請求項12の発明は、粒子Bが、無機材料からなる請求項1乃至11のいずれか1項記載のタイヤ−リム組立体である。
【0036】
請求項13の発明は、粒子Bが、直径80μm以上の粒子である請求項1乃至12のいずれか1項記載のタイヤ−リム組立体である。
【0037】
請求項14の発明は、粒子Bが、直径100μm以上の粒子である請求項13記載のタイヤ−リム組立体である。
【0038】
請求項15の発明は、粒子Bが、真比重が0.1以上の25℃下で流動性及び粘着性を有する高分子体を内包する粒子である請求項1乃至10のいずれか1項記載のタイヤ−リム組立体である。
【0039】
請求項16の発明は、高分子体が、液状ゴムからなる請求項15記載のタイヤ−リム組立体である。
【0040】
請求項17の発明は、高分子体を包む殻が、ポリアクリロニトリル系重合体、ポリアクリル系重合体及びポリ塩化ビニリデン系重合体から選択される少なくとも1種で形成された請求項15又は16記載のタイヤ−リム組立体である。
【0041】
請求項18の発明は、粒子Bが、請求項12乃至15のいずれか1項記載の粒子と、請求項15乃至17のいずれか1項記載の粒子との混合物である請求項1乃至10のいずれか1項記載のタイヤ−リム組立体である。
【0042】
請求項19の発明は、乗用車用タイヤ、トラック用タイヤ、バス用タイヤ、モーターサイクル用タイヤ、自転車用タイヤ、建設車両用タイヤ及び航空機用タイヤのいずれかとリムとの組立体である請求項1乃至18のいずれか1項記載のタイヤ−リム組立体である。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態に係るセルフバランシング性に富んだタイヤ−リム組立体について、その幅方向断面を示す図1に基づいて説明する。
【0044】
前記タイヤ−リム組立体は、タイヤ1を適用リム2に装着し、該タイヤ1と適用リム2とで区画されたタイヤ1の内部に、真比重が0.01以上であり、下記式(1)で定義される体積充填率が5.0体積%以上、100体積%以下の範囲であり、かつ、質量が20グラム以上である粒子組成物3(気泡含有粒子A31及び粒子B41)を配置してなる。なお、図1中、粒子組成物3(気泡含有粒子A31及び粒子B41)の配置は、タイヤ走行中の状態を表している。
体積充填率=(Vs/Vt)×100 …(1)
〔但し、Vsは、タイヤ内部に配置した粒子組成物の大気圧下での体積(リットル)を示し、なお、Vsは、粒子周囲の空隙体積を含むものとする。また、Vtは、タイヤ−リム組立体の内部容積(リットル)を示す。〕
【0045】
前記タイヤ1は、各種自動車用タイヤ、例えば、乗用車用タイヤなどの一般に従うものであれば、特に構造を限定する必要はない。例えば、図1に示したタイヤは一般的な乗用車用タイヤであり、1対のビード部5,5間でトロイド状に延びる一層以上のプライからなるカーカス(図中では一層)6のクラウン部に、その半径方向外側へ順に二層以上のプライからなるベルト(図中では二層)7及びトレッド8を配置してなる。前記ベルト7は、その端部付近のタイヤの耐久性を上げるために所謂キャップ層、レーヤー層等の保護層を配置してもよい。また、サイドウォール部に補強層(例えば断面が三日月形のゴム補強層)を配設することにより、タイヤのランフラット性能を大幅に向上させることができる。
なお、図1中9は、インナーライナー層であり、10は高圧に充填された空気又は窒素ガス等の気体である。
【0046】
本発明の粒子組成物3は、上述したように、中空ドーナツ状のタイヤを適用リムに装着し、該タイヤと適用リムとで区画されたタイヤの内部に配置されるものであり、真比重が0.01以上であり、好ましくは0.01〜1.0、より好ましくは0.01〜0.5であり、例えば径が10μm〜500μm程度の中空体であることが好ましい。
これは、セルフバランシング効果を発現させるには、タイヤ−リム組立体によって限定される内容積に対し、その一部分を移動性があり、かつ質量を持った物質である粒子組成物3をもって占めるように配置することが好ましい。ここで、粒子組成物の真比重が0.01を下回ると、粒子組成物3の絶対的質量が不足し、セルフバランシング効果が発現しにくくなる恐れがある。このことは、当然、粒子組成物3の質量面からも説明でき、粒子組成物3の質量が20グラム以上であり、好ましくは50グラム以上、より好ましくは100グラム以上、更に好ましくは200グラム以上のものである。
【0047】
また、同様の理由から、下記式(1)で定義される粒子組成物3の体積充填率が5.0体積%以上、100体積%以下の範囲であり、好ましくは10.0体積%以上、100体積%以下の範囲、より好ましくは20.0体積%以上、100体積%以下、更に好ましくは75体積%以上、100体積%以下であり、かつ質量が20グラム以上である。
前記粒子組成物の体積充填率100体積%を超えると、タイヤ転動時におけるタイヤ内での移動性が極端に低下するため、セルフバランシング機能が発現できなくなる。
体積充填率=(Vs/Vt)×100 …(1)
〔但し、Vsは、タイヤ内部に配置した粒子組成物の大気圧下での体積(リットル)を示し、なお、Vsは、粒子周囲の空隙体積を含むものとする。また、Vtは、タイヤ−リム組立体の内部容積(リットル)を示す。〕
【0048】
ここで、粒子組成物の使用体積量は、大気圧下でメスシリンダーに粒子を量りとり、超音波水浴中にて振動を与え、粒子間のパッキングが安定した状態で測定した。また、タイヤ内容積は、タイヤとリムとによって閉ざされた容積にて定義される。よって、タイヤにリムを組み付けた後、その内部に水等の比重が既知な非圧縮性流体を充填し、その質量増加分からタイヤ内容積を求めた。
【0049】
かくして内部に前記粒子組成物が配置されたタイヤ−リム組立体は、一般的な材料による粒子に比して、該粒子組成物が極めて低比重であるために、粒子組成物が占める体積のわりには質量増加分がわずかであり、また走行によるタイヤの繰り返し変形に対し、該粒子組成物が何ら剛性的関わりを持たないために、通常内圧走行での転がり抵抗及び乗り心地性等を犠牲にすることはないものである。
【0050】
前記粒子組成物3は代表的な例としては、粒子Aと粒子Bの2種類の粒子よりなり、粒子Aとしては気泡含有粒子A31を挙げることができる。即ち、略球形状の樹脂による連続相で囲まれ、外部と連通せずに密閉された独立気泡を内包する粒子であり、独立気泡の数は単数であってもよいし、複数であってもよい。また気泡含有粒子A31は、該独立気泡を密閉状態で内包する樹脂製の殻を有する。ここに、上記樹脂による連続相とは、この樹脂製の殻を構成する成分組成上の連続相を指すものである。
【0051】
また、前記粒子B41は、真比重が0.1以上、好ましくは0.1〜1.0の略球形状粒子であり、特に直径が50μm以上の無機材料又は25℃で流動性と粘着性をもつ高分子体を内包する粒子が好適であり、これらの混合物を用いることもできる。
【0052】
一方、粒子組成物3が以下に示す2種類の粒子により構成されているとセルフシール機能を発現させる上で好ましい。即ち、該粒子組成物3が気泡含有粒子A31の多数個と粒子B41の多数個とを、タイヤ1の内部に配置したタイヤ及びリム組立体にあっては、該タイヤに異物が刺さる等で受傷し、その後異物がタイヤ内に残存したまま走行することによって、異物及びタイヤ間の接触面にて大きな繰返し摩擦が発生し、その後異物が抜け落ちて傷穴が露出した場合、粒子B41が極めて有効な作用をする。
【0053】
即ち、上記気泡含有粒子A31と粒子B41は、タイヤの転動中はタイヤ内面側に遠心力によって押し付けられた状態となっている。そのなかでも、真比重が気泡含有粒子A31に比して大きい粒子B41は、この粒子B41にかかる遠心力が気泡含有粒子A31よりも大きいために、気泡含有粒子A31に比べてよりタイヤ内面近傍に多く存在する事となる。よって、粒子B41に傷穴を封止する機能を搭載することにより傷穴を完全に埋め尽くすため、確実に異物脱離後の傷穴を封止出来る。そのため、従来は不可避であった突然の内圧低下を避けることができ、必要最低限のタイヤ内圧を一定時間確保でき、必要最低限の走行が保証されるのである。
【0054】
上記粒子B41の有する傷穴を封止する機能について説明する。
第一の機能は、粒子B41の粒径が少なくとも直径50μm以上、好ましくは80μm以上の粒子を含んでいることである。一般に釘等の異物が刺さり、その後の走行により脱離したときの傷穴の大きさは2〜3mm程度である。一方、200〜400kPaの圧力下の粒子を、2〜3mm程度の穴を通して排出させようとした場合、粒子の直径が50μ未満では容易に排出させることができるが、直径が50μmを超えると次第に圧密が始まり、直径が80μmの粒子では容易に圧密することで、大まかに傷穴を封止することができる。更に、傷穴周辺に存在する気泡含有粒子A31が、粒子B41の圧密による小さな隙間を埋め尽くすことにより、傷穴を完全に封止することができるのである。
【0055】
第二の機能は、粒子B41が室温下で流動性と粘着性を持つ高分子体を内包していることである。前記にて、粒子B41の真比重が大きいことによるタイヤ最内面での存在を説明したが、該タイヤに異物が刺さる等で受傷し、その後異物がタイヤ内に残存したまま走行することによって、異物とタイヤの接触面にて大きな繰返し摩擦が発生した際、タイヤ最内面に多く存在する粒子B41は、異物とタイヤ間に生ずる隙間に取り込まれ、異物とタイヤ間の接触面での大きな摩擦熱とせん断入力を受けることとなる。よって、粒子B41は摩擦熱やせん断入力により割れたり溶融することにより、内包する高分子体を粒子B41の外部へ流出する。
この流出した高分子体は、室温下で流動性と粘着性を持つために、傷穴の周辺部に存在する気泡含有粒子A31や粒子B41を取り込み複数個の粒子集合体を形成する。この粒子集合体は、集合体であるがゆえに粒子1個に比べその体積が格段に大きい。よって、前記異物の突然の脱離に対して、該粒子集合体がタイヤ内部の圧力により傷穴に押し込まれていき、確実に傷穴を封止できるものである。
【0056】
ここで、上記のタイヤ受傷後の低内圧走行を有利に行うためには、真比重が0.05以下の気泡含有粒子A31をタイヤ内部に充填することが好ましい。なぜなら、真比重が大きすぎると、粒子外径の割には内径の小さくなる、即ち、シェル(外殻)厚さが厚くなり、かような粒子は弾力性に乏しいため、タイヤ内部において通常内圧下での圧縮程度が小さくなる。よって、粒子組成物の体積充填率によっては、粒子組成物をとりまく空隙体積が相対的に小さいため、粒子組成物の移動性が確保できず、セルフバランシング機能を充分に発揮することができなくなる恐れがある。また、セルフシール性の観点からは、受傷直後にタイヤ内面の傷穴内部に気泡含有粒子が入り込んでも、内圧低下分に相当する回復の程度が小さいため、受傷部の封止能力が低下してしまう恐れがある。
【0057】
これに対して、気泡含有粒子A31の真比重を0.05以下とすると、同0.05を超える粒子に比して、きわめて弾力性に富み、通常内圧下で大きく圧縮された状態になっている。よって、粒子組成物をとりまく空隙体積が相対的に大きいため、粒子組成物の移動性が確保でき、セルフバランシング機能を充分に発揮することができる。また、受傷直後にタイヤ内面の傷穴内部に気泡含有粒子が入り込んだとき、いままで大きく圧縮されていた該気泡含有粒子A31は内圧低下分に相当する分だけの回復反力を発生して膨張するため、より確実に受傷部を封止することができるのである。なお、上記真比重は、例えば、ASTM D2840(1984版)のエアーコンパリソンピクノメータを使用することにより測定することができる。
【0058】
更に、上記の通常走行におけるセルフバランシング機能を発現し、かつ、タイヤ受傷後での低内圧走行を有利に行うため、大気圧下での体積が該タイヤ内容積の5.0体積%以上の気泡含有粒子A31をタイヤ内部に充填することが好ましい。即ち、タイヤが通常内圧下で走行している時、気泡含有粒子A31はタイヤの回転による遠心力で、タイヤ内表面に押し付けられ、ある厚さを持った層状に配置された状態となっている。しかも、該遠心力の大きさは、タイヤ中心からの距離(タイヤ半径方向に相当)に依存するため、該距離の短いサイド部内面よりも、該距離のもっとも長いトレッド中心の内面が、もっとも大きな遠心力を受ける部位と言える。通常走行により、タイヤが鋭利な異物等を踏むことで受傷する位置は、タイヤの幅方向において、一方のショルダー部内面から他方のショルダー部内面までのトレッド内面全般にわたる為、少なくとも回転中のタイヤ内面において、上記トレッド内面全般にわたり気泡含有粒子A31が層状に配置されることが理想となる。一方、気泡含有粒子A31は転動時の接地部内面では、タイヤが撓むことにより該距離が撓んだ分だけ短くなる結果、遠心力の大きさが変化して気泡含有粒子A31の上記層状の配置が乱され、気泡含有粒子A31の一部はタイヤ転動中、常に移動していることになる。
よって、タイヤが異物による受傷をした以降の内圧低下過程において、走行可能なうちに受傷部の封止を達成するに必要な気泡含有粒子A31の体積量と、前述したセルフバランシング機能が発現される体積充填率の兼ね合いから、タイヤ内容積に対して5.0体積%以上であることが好ましい。
【0059】
更に、大気圧下での体積が該タイヤ内容積の0.1体積%以上の粒子B41をタイヤ内部に充填することが好ましい。即ち、前記気泡含有粒子A31がタイヤ内で受ける遠心力の変動による配置の乱れと移動は、粒子B41においても同様に発生している。そこで、前述したセルフバランシング機能が発現される体積充填率と、タイヤ受傷後の内圧低下過程において、走行可能なうちにセルフシール機能を発現する体積充填率との兼ね合いから見出された5.0体積%での封止効果を前提とし、粒子B41を更に加える事によって、封止効果をより高めるに必要な粒子B41の体積量は、タイヤ内容積に対して0.1体積%以上であることが好ましい。
【0060】
この場合、粒子B41に内包される高分子体は、室温(25℃)で流動性と粘着性を持つことが好ましい。即ち、通常の内圧充填したタイヤは、環境条件にもよるが、内部温度が100℃を超えることは極めて少ない一方、例えば、−20℃の環境下であっても、釘等の異物が突き刺さった状態で走行すると、残存する異物の周囲の温度は、局部的に100℃程度まで上昇する。
このような高分子体としては、室温(25℃)で流動性と粘着性を有していれば特に制限されないが、例えば、液状ブチルゴム(LIQ−IIR)、液状スチレンブタジエンゴム(LIQ−SBR)、液状イソプレンゴム(LIQ−IR)、液状ブタジエンゴム(LIQ−BR)等の液状ゴムが好ましい。
【0061】
また、前記高分子体を包む殻が、ポリアクリロニトリル系重合体、ポリアクリル系重合体及びポリ塩化ビニリデン系重合体から選択される少なくとも1種で形成されたものであることが好ましい。この場合、ポリアクリロニトリル系重合体、ポリアクリル系重合体及びポリ塩化ビニリデン系重合体としては、後述する気泡含有粒子Aと同様のものを用いることができる。
【0062】
従って、いかなる環境条件下でも、該高分子体を流出させ粒子集合体を形成し、傷穴を確実に封止させるに適正な温度設定を考慮すると、少なくとも室温レベルでの流動性と粘着性が確保できていれば、走行中の温度上昇を活用して機能を発揮させることができる。
【0063】
前記高分子体を内包した粒子B41の粒径は、1〜200μm程度が好ましい。なぜなら、粒径が1μm未満では、いくら内包する高分子体を流出させても粒子体積が小さいことから粒子集合体形成の観点から効果が小さく、一方、200μmを超えると、異物とタイヤの接触面に入り込みにくくなる為である。
【0064】
一方、高分子体を内包しない粒子B41の場合(例えば、無機材料)は、該異物が脱離したなるべく短時間に粒子B41自身で傷穴を圧密させる必要があり、圧密性の観点から、直径が50μm以上、より好ましくは80μm以上であることが好ましい。
このような無機材料としては、例えば、アルミノシリケート、ソーダ石灰、珪酸ガラスなどが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0065】
以上の効果は、タイヤの内側に所定の真比重の粒子組成物3を配置することにより得られるから、タイヤ構造自体を規制する必要はなく、汎用のタイヤ、そして汎用のリムを活用して、新たにタイヤ−リム組立体を提供できる。
【0066】
ここで、タイヤの内部に上記真比重の気泡含有粒子A31と粒子B41とを配置した上で、該タイヤの内部の25℃における圧力を絶対圧で150kPa以上900kPa以下に設定することが好ましい。即ち、150kPa未満では、タイヤ内部の粒子組成物周囲の空隙気圧が小さくなって、所謂空気入りタイヤとしての基本性能が乏しくなり、また、タイヤ受傷後において、内圧が低いと、粒子組成物による受傷部の封止機能が活用できないおそれがある。一方、900kPaを超えると、粒子組成物3が気泡含有粒子A31である場合、気泡含有粒子A31の一部は圧縮により完全につぶれた状態となり、この時点で気泡含有粒子A31の一部は破壊してしまう。よって、タイヤ受傷によりタイヤ内圧が低下したとき、瞬時に受傷部を封止する機能を保証できなくなる可能性がある。
【0067】
また、タイヤの受傷後の低内圧状態において、上記気泡含有粒子A31及び粒子B41による確実な傷穴封止を発現かつ維持するには、気泡含有粒子A31の独立気泡内に所定圧力で封入された気体が気泡含有粒子A31外部へ簡単に漏れ出ないことが重要である。換言すると、該気泡含有粒子A31を構成する外殻が、気体を透過し難い性質を有する連続相であることが好ましい。即ち、該気泡含有粒子A31の外殻となる連続相は、ガス透過性の低い材質によることが好ましい。
【0068】
具体的には、気泡含有粒子A31の独立気泡及び該気泡を密閉状態で内包する樹脂製の殻は、ポリビニルアルコール樹脂、アクリロニトリル系共重合体、アクリル系共重合体、塩化ビニリデン系共重合体、アクリロニトリル/スチレン樹脂(AS)、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエステル樹脂(PET)及びポリスチレン/ポリエチレン共重合体(PS/PE)のいずれか少なくとも1種からなることが好ましい。
【0069】
これらの中でも、気泡含有粒子A31の外殻となる連続相には、ポリビニルアルコール樹脂、アクリロニトリル系重合体、アクリル系重合体及び塩化ビニリデン系重合体のいずれかを適用することが好ましい。
【0070】
前記アクリロニトリル系重合体としては、例えば、アクリロニトリル重合体(AN)、アクリロニトリル/メタアクリロニトリル共重合体(AN/MAN)、アクリロニトリル/メチルメタクリレート共重合体(AN/MMA)及びアクリロニトリル/メタアクリロニトリル/メチルメタクリレート(AN/MAN/MMA)3元共重合体から選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
【0071】
前記アクリル系重合体としては、例えば、メチルメタクリレート樹脂(MMA)、メチルメタクリレート/アクリロニトリル共重合体(MMA/AN)、メチルメタクリレート/メタアクリロニトリル共重合体(MMA/MAN)及びメチルメタクリレート/アクリロニトリル/メタアクリロニトリル3元共重合体(MMA/AN/MAN)から選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
【0072】
前記塩化ビニリデン系重合体としては、例えば、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン/メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニリデン/メタアクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル/メタアクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル/メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニリデン/メタアクリロニトリル/メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル/メタアクリロニトリル/メチルメタクリレート共重合体から選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
なお、これらの材料は、いずれもガス透過係数が小さくて気体の透過性が低いために、独立気泡内の気体が外部に漏れることはなく、独立気泡内の気圧を保持することができる。
【0073】
更に、気泡含有粒子A31の外殻となる連続相は、30℃におけるガス透過係数が300×10−12(cc・cm/cm2・s・cmHg)以下、好ましくは30℃におけるガス透過係数が20×10−12(cc・cm/cm2・s・cmHg)以下、更に好ましくは30℃におけるガス透過係数が2×10−12(cc・cm/cm2・s・cmHg)以下であることが、推奨される。なぜなら、通常の空気入りタイヤにおけるインナーライナー層のガス透過係数は300×10-12(cc・cm/cm2・s・cmHg)以下のレベルにあって十分な内圧保持機能を有している実績を鑑み、気泡含有粒子A31の外殻となる連続相についても、30℃におけるガス透過係数を300×10−12(cc・cm/cm2・s・cmHg)以下とした。但し、このガス透過係数のレベルでは、3〜6カ月に1度程度の内圧補充が必要であるから、そのメンテナンス性の点からも、20×10−12(cc・cm/cm2・s・cmHg)以下、更に好ましくは2×10−12(cc・cm/cm2・s・cmHg)以下とすることが推奨される。
【0074】
また、気泡含有粒子A31の独立気泡を構成する気体としては、窒素、空気、炭素数2から8の直鎖状及び分岐状の脂肪族炭化水素およびそのフルオロ化物、炭素数2から8の脂環式炭化水素およびそのフルオロ化物、そして次の一般式(I):
R1−O−R2 ----(I)
(式中のR1およびR2は、それぞれ独立に炭素数が1から5の一価の炭化水素基であり、該炭化水素基の水素原子の一部をフッ素原子に置き換えても良い)にて表されるエーテル化合物、からなる群の中から選ばれた少なくとも1種が挙げられる。また、タイヤ内に充填する気体は、空気でも良いが、上記粒子中の気体がフルオロ化物でない場合には、安全性の面から酸素を含まない気体、たとえば窒素や不活性ガス等が好ましい。
【0075】
なお、独立気泡を有する気泡含有粒子A31とする方法は特に限定されないが、発泡剤を用いることが好ましい。この発泡剤としては、熱分解によって気体を発生する熱分解性発泡剤のほか、高圧圧縮ガス及び液化ガスなどを挙げることができる。
この場合特に、熱分解性発泡剤には窒素を発生させる特徴のあるものが多く、その反応を適宜制御することによって得た気泡含有粒子A31の気泡ガスや熱膨張性粒子内での発泡ガスは気泡内に窒素を有するものとなる。
【0076】
更に、気泡含有粒子A31を形成する樹脂連続相重合の際、高圧下でプロパン、ブタン、ペンタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等を液化させ、反応溶媒中に分散させつつ、乳化重合させる手法もあり、これによりプロパン、ブタン、ペンタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等のガス成分を液体状態で上記樹脂連続相にて封じ込めた発泡性の樹脂粒子を得ることができる。前記気泡含有粒子A31は、上記発泡性の樹脂粒子を予め加熱発泡させることで得られ、これをもってタイヤ内に充填しても良いし、タイヤ内で加熱発泡させても良い。
【0077】
また、前記発泡性樹脂粒子をタイヤ内にて加熱発泡させる場合には、予め前記発泡性樹脂粒子の表面に、界面活性剤、油剤等の表面コーティングを施しておくと、目的のタイヤを生産性よく得ることができる。更に、前記液化ガスを封じ込めた樹脂粒子を予め加熱発泡させ、略球形状の気泡含有粒子A31とし、これをタイヤ内に配置する場合には、粒子B41を上記気泡含有粒子A31とブレンドする方法を選択できる。
【0078】
一方、タイヤは、その内周面にインナーライナー層を有するのが通例であるが、該インナーライナー層が、融点170〜230℃のナイロン樹脂と、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体のハロゲン化物を含むエラストマー成分をゲル化率50〜95体積%に動的加硫した熱可塑性エラストマー組成物とからなることが、好ましい。なぜなら、従来のブチルゴムを主体とするインナーライナー層と異なり、ナイロン樹脂を連続相とすることによって、ガス透過性が極めて低くなる結果、インナーライナー層の機能を強化できるからである。一方、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体のハロゲン化物を含むエラストマー成分をゲル化率50〜95体積%に動的加硫した熱可塑性エラストマー組成物とすることによって、柔軟性に富み、かつ耐熱性及び耐久性に優れたインナーライナー層が得られる。そして、以上の特徴をインナーライナー層が有することにより、気泡含有粒子の独立気泡内の気体が気泡内に止まり続けることを容易とする環境を創出できるのである。
【0079】
なお、ゲル化率とは、2軸混練り後のペレット化した配合物をウォーターバス中で8時間アセトンにてソックスレー抽出し、その残渣を更に8時間n−ヘキサンにてソックスレー抽出することによって、未加硫のエラストマー成分を溶媒で抽出し、アセトン及びn−ヘキサン抽出物の溶媒乾燥後質量を測定し、下記の式にて算出した値である。
ゲル化率(体積%)=〔全配合物の質量−{(アセトン抽出量+n−ヘキサン抽出量)−ステアリン酸量}〕/全配合物の質量×100
【0080】
更に、インナーライナー層は、30℃におけるガス透過係数が20×10−12(cc・cm/cm2・s・cmHg)以下であることが好ましい。なぜなら、気泡含有粒子A31から何らかの理由により気泡内のガスが漏出するような場合にあっても、インナーライナー層のガス透過性が十分に低ければ、気泡含有粒子A31中の気泡内のガスがタイヤの外側に漏れ出ることは少なくなり、タイヤの内圧を保持するのに有利であるからである。つまり、インナーライナー層のガス透過性は、そのタイヤの圧力容器としての圧力保持性を直接的に決定する要因となるのである。勿論、気泡含有粒子A31を形成する連続相のガス透過性が低いことが基本であり、その上でインナーライナー層にガス透過性の低いものを用いることが理想的である。
【0081】
本発明のタイヤ−リム組立体は、その大きさ、形状、構造等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、乗用車用タイヤ、トラック用タイヤ、バス用タイヤ、モーターサイクル用タイヤ、自転車用タイヤ、建設車両用タイヤ及び航空機用タイヤから選ばれるタイヤと、リムとの組立体などに好適に用いることができる。
【0082】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
【0083】
〔実施例1〜15、比較例1,2〕
図1に示した構造のタイヤに、表1及び2に示す種々の仕様の粒子組成物を同表に示すように適用し、サイズ5.5J×14のリムに組み込みサイズ185/70R14の乗用車用のタイヤとリムの組立体、及びサイズ750×22.5のリムに組み込みサイズ11R22.5のトラック、バス用のタイヤとリムの組立体を試作した。
ここで、タイヤ1は、当該タイヤ種及びサイズの一般的構造に従うものである。
なお、表1及び2における、粒子組成物の種類と内容については表3及び表4に示した。
【0084】
得られたタイヤとリムの組立体について、下記方法により諸性能を評価した。乗用車用のタイヤとリムの組立体の結果については表1に、トラック、バス用のタイヤとリムの組立体の結果については表2にそれぞれ併記した。
【0085】
なお、上記評価を行うタイヤ及びリム組立体のリム内表面には、内圧をモニターするセンサーを組み込み、測定した内圧データの信号を一般に使用されているテレメータを用いて電波伝送し、ドラム試験装置の外部に設置した受信機にて受信しながら内圧の変化を計測した。
【0086】
<実車試験での騒音、振動、乗心地性評価>
得られたタイヤとリムの組立体に窒素を300kPa充填し、2000ccクラスの乗用車に装着した。まず、通常内圧時の振動及び乗り心地性を専門のドライバーにより10点満点で評価した。その評価結果は、点数の高いほうが優れていることを示している。
【0087】
−乗用車用タイヤとリムの組立体−
<タイヤ受傷後の性能評価(ドラム試験)>
得られた乗用車用のタイヤとリムの組立体に、窒素ガスを充填し内圧を絶対圧力で300kPaに調整した後、直径5.0mm、長さ50mmの釘10本をトレッド表面からタイヤ内部に向けて貫通するまで打ち込んだ。そして、釘がタイヤに打ち込まれたままの状態にて、4.18kNの荷重を負荷しつつ、90km/hの速度でドラム走行を開始し、開始直後からの経過時間とタイヤ内圧を計測した。即ち、内圧が開始時のレベルである300kPaに比して50kPa以上低下するまで、継続して90km/hで走行しつつ内圧を計測し、250kPaになった時点で試験中止とし、その走行距離を比較した。更に、250kPaになった時点でドラムを停止し、釘の残存本数を数えた後、釘の抜けた痕を観察し、シールの程度を評価すると共に、上記内圧低下の原因を解析した。
<内圧が大気圧になってからのドラム走行距離>
次に、内圧が完全に抜けて大気圧になるまでタイヤを静置し、その状態から4.18kNの荷重を負荷しつつ、90km/hの速度でドラム走行を開始し、300kmまでの走行を行い、200km以上を合格とした。
【0088】
−トラック及びバス用のタイヤとリムの組立体−
<タイヤ受傷後の性能評価(ドラム試験)>
得られたトラック及びバス用のタイヤとリムの組立体は、内圧を絶対圧力で800kPa、径:5mm及び長さ:8cmの釘、荷重は26.46kN、速度は60km/h、試験中止とした内圧を500kPa、とした以外は上記と同様の評価を行った。
<内圧が大気圧になってからのドラム走行距離>
また、内圧を大気圧としてからのドラム走行では、荷重を26.46kN、速度を60km/hとして走行試験を行い、40km/h以上を合格とした。
【0089】
【表1】
乗用車用タイヤとリムの組立体
(*1)タイヤ内容積:24リットル、サイズ:185/70R14、リム:5.5J−14
(*2)粒子組成物をタイヤに配置した後、窒素ガスをタイヤ内に充填し内圧を調整した。
(*3)釘をさしたままでドラム走行させ、内圧をモニタリングした。
(*4)釘が抜けた傷穴のシール性
「完全」:釘が抜けた傷穴が、完全に気泡含有粒子Aや粒子Bの組成物で塞がれており、ドラム停止直前でも極めてゆっくりと内圧が低下しているにすぎないため、更に走行が可能である。
「不完全」:釘が抜けた傷穴が完全には塞がれておらず、徐々に内圧が低下しているが、ドラム停止直前での内圧低下量が特に大きい。また、釘抜け部位の封止が不完全なため更なる追加走行は期待できない。
【0090】
【表2】
トラック、バス用タイヤとリムの組立体
(*1)タイヤ内容積:120リットル、サイズ:11R22.5、リム:750×22.5
(*2)粒子組成物をタイヤに配置した後、窒素ガスをタイヤ内に充填し内圧を調整した。
(*3)釘をさしたままでドラム走行させ、内圧をモニタリングした。
(*4)釘が抜けた傷穴のシール性
「完全」:釘が抜けた傷穴が、完全に気泡含有粒子Aや粒子Bの組成物で塞がれており、ドラム停止直前でも極めてゆっくりと内圧が低下しているにすぎないため、更に走行が可能である。
「不完全」:釘が抜けた傷穴が完全には塞がれておらず、徐々に内圧が低下しているが、ドラム停止直前での内圧低下量が特に大きい。また、釘抜け部位の封止が不完全なため更なる追加走行は期待できない。
【0091】
【表3】
気泡含有粒子Aの種類と内容
【0092】
【表4】
粒子Bの種類と内容
【0093】
【発明の効果】
本発明によれば、真比重が0.01以上であり、体積充填率が5.0体積%以上、100体積%以下の範囲であり、かつ、質量が20グラム以上である粒子組成物をタイヤ内に配置することにより、特に、タイヤが外傷を受けていない通常の走行における耐久性及び乗り心地性を犠牲にすることなく、外傷を受けた後のタイヤ内圧の急激な低下を抑制することで危機的状況を確実に回避することができると共に、受傷後の走行可能距離をより長いものとすることができる高い安全性を有するセルフシール性及びセルフバランシング性に富んだタイヤ−リム組立体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施態様に係るタイヤ−リム組立体を示すタイヤ幅方向断面図である。
【符号の説明】
1 タイヤ
2 リム
3 粒子組成物
31 気泡含有粒子A
41 粒子B
5 ビード部
6 カーカス
7 ベルト
8 トレッド
8a キャップトレッド
8b ベーストレット
9 インナーライナー層
10 気体
Claims (19)
- 中空ドーナツ状のタイヤを適用リムに装着し、該タイヤと適用リムとで区画されたタイヤの内部に、真比重が0.01以上であり、下記式(1)で定義される体積充填率が5.0体積%以上、100体積%以下の範囲であり、かつ、質量が20グラム以上である粒子組成物を配置したタイヤ−リム組立体において、
前記粒子組成物が、粒子Aと粒子Bとを含み、該粒子Aが真比重0.05以下の略球形状の気泡含有粒子であり、粒子Bが前記粒子Aの真比重の2倍以上大きい真比重を有することを特徴とするセルフシール性及びセルフバランシング性を有するタイヤ−リム組立体。
体積充填率=(Vs/Vt)×100 …(1)
〔但し、Vsは、タイヤ内部に配置した粒子組成物の大気圧下での体積(リットル)を示し、なお、Vsは、粒子周囲の空隙体積を含むものとする。また、Vtは、タイヤ−リム組立体の内部容積(リットル)を示す。〕 - 上記式(1)で定義される体積充填率が10.0体積%以上、100体積%以下の範囲であり、かつ、質量が50グラム以上である粒子組成物を配置する請求項1記載のタイヤ−リム組立体。
- 上記式(1)で定義される体積充填率が20.0体積%以上、100体積%以下の範囲であり、かつ、質量が100グラム以上である粒子組成物を配置する請求項1又は2記載のタイヤ−リム組立体。
- 上記式(1)で定義される体積充填率が75.0体積%以上、100体積%以下の範囲であり、かつ、質量が200グラム以上である粒子組成物を配置する請求項1乃至3のいずれか1項記載のタイヤ−リム組立体。
- 下記式(1)で定義される体積充填率が、5.0体積%以上の粒子Aと0.1体積%以上の粒子Bとを配置してなる請求項1乃至4のいずれか1項記載のタイヤ−リム組立体。
体積充填率=(Vs/Vt)×100 …(1)
〔但し、Vsは、タイヤ内部に配置した各粒子の大気圧下での体積(リットル)を示し、なお、Vsは、粒子周囲の空隙体積を含むものとする。また、Vtは、タイヤ−リム組立体の内部容積(リットル)を示す。〕 - 粒子Aが、独立気泡及び該気泡を密閉状態で内包する樹脂製の殻よりなり、該樹脂がポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリロニトリル系重合体、ポリアクリル系重合体及びポリ塩化ビニリデン系重合体から選択される少なくとも1種で形成された請求項1乃至5のいずれか1項記載のタイヤ−リム組立体。
- 粒子Aの内包する独立気泡中の気体が、窒素、空気、炭素数2から8の直鎖状及び分岐状の脂肪族炭化水素およびそのフルオロ化物、炭素数2から8の脂環式炭化水素およびそのフルオロ化物、そして次の一般式(I):
R1−O−R2 ----(I)
(式中のR1およびR2は、それぞれ独立に炭素数が1から5の一価の炭化水素基であり、該炭化水素基の水素原子の一部をフッ素原子に置き換えたものを含む)にて表されるエーテル化合物、からなる群の中から選ばれた少なくとも1種である請求項1乃至6のいずれか1項記載のタイヤ−リム組立体。 - 粒子Aが内包する独立気泡中の気体の25℃における内圧が、絶対圧で150kPa以上である請求項1乃至7のいずれか1項記載のタイヤ−リム組立体。
- 粒子Aに内包された独立気泡の25℃における内圧が、絶対圧で200kPa以上である請求項8記載のタイヤ−リム組立体。
- 粒子Aの樹脂製の殻の30℃におけるガス透過係数が、300×10-12(cc・cm/cm2・s・cmHg)以下である請求項1乃至9のいずれか1項記載のタイヤ−リム組立体。
- 粒子Bが、真比重が0.1以上の略球形状粒子である請求項1乃至10のいずれか1項記載のタイヤ−リム組立体。
- 粒子Bが、無機材料からなる請求項1乃至11のいずれか1項記載のタイヤ−リム組立体。
- 粒子Bが、直径80μm以上の粒子である請求項1乃至12のいずれか1項記載のタイヤ−リム組立体。
- 粒子Bが、直径100μm以上の粒子である請求項13記載のタイヤ−リム組立体。
- 粒子Bが、真比重が0.1以上の25℃下で流動性及び粘着性を有する高分子体を内包する粒子である請求項1乃至10のいずれか1項記載のタイヤ−リム組立体。
- 高分子体が、液状ゴムからなる請求項15記載のタイヤ−リム組立体。
- 高分子体を包む殻が、ポリアクリロニトリル系重合体、ポリアクリル系重合体及びポリ塩化ビニリデン系重合体から選択される少なくとも1種で形成された請求項15又は16記載のタイヤ−リム組立体。
- 粒子Bが、請求項12乃至15のいずれか1項記載の粒子と、請求項15乃至17のいずれか1項記載の粒子との混合物である請求項1乃至10のいずれか1項記載のタイヤ−リム組立体。
- 乗用車用タイヤ、トラック用タイヤ、バス用タイヤ、モーターサイクル用タイヤ、自転車用タイヤ、建設車両用タイヤ及び航空機用タイヤのいずれかとリムとの組立体である請求項1乃至18のいずれか1項記載のタイヤ−リム組立体。
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