JP2002332475A - シーラント組成物並びにそれを用いた圧力容器及びタイヤ - Google Patents

シーラント組成物並びにそれを用いた圧力容器及びタイヤ

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JP2002332475A
JP2002332475A JP2001138765A JP2001138765A JP2002332475A JP 2002332475 A JP2002332475 A JP 2002332475A JP 2001138765 A JP2001138765 A JP 2001138765A JP 2001138765 A JP2001138765 A JP 2001138765A JP 2002332475 A JP2002332475 A JP 2002332475A
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sealant
pressure
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Hiroyuki Teratani
裕之 寺谷
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Bridgestone Corp
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/86Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction 

Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧力容器の破裂破損防止用乃至内圧低下防止
用として好適であり、該圧力容器の重量増加を伴うこと
なく、該圧力容器が裂傷等の損傷時において内圧が急激
に低下することを効果的に抑制可能なシーラント組成物
等の提供。 【解決手段】 大気圧下での平均嵩比重が0.3以下で
ある粒子と、刺激により体積膨張可能な膨張粒子と、シ
ーラントマトリクス材料とを含有することを特徴とする
シーラント組成物である。膨張粒子が、発泡剤及び該発
泡剤の発泡により発生する気体を密閉状態で内包する殻
を有する態様、刺激が、熱、圧力及び振動の少なくとも
いずれかである態様等が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧力容器の破裂破
損防止用乃至内圧低下防止用として好適なシーラント組
成物、並びに、該シーラント組成物を用いたことによ
り、破裂破損乃至急激な内圧低下を防止可能な圧力容器
及びタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】乗用車用タイヤ等のタイヤにおいては、
通常、絶対圧として250〜350kPa程度の内圧に
なるように内部に気体(空気、窒素等)を封じ込めて、
カーカス、ベルト等のタイヤ骨格部に張力を発生させて
おり、この張力によって入力に対する変形乃至復元を可
能としている。即ち、内圧を所定範囲にすることによ
り、前記タイヤ骨格部に一定の張力を発生させて該タイ
ヤに荷重支持機能を付与し、前記タイヤ骨格部の剛性を
高めて該タイヤに基本的な走行性能(駆動性、制動性、
旋回性等)を付与している。
【0003】このようなタイヤにおいて、裂傷が生ずる
と、内部に充填されていた空気等の気体が該裂傷部分か
ら外部に漏出し、該タイヤの内圧が大気圧まで減少して
しまい、該タイヤは、いわゆるパンク状態となる。該パ
ンク状態となったタイヤにおいては、前記タイヤ骨格部
に発生させていた前記一定の張力が失われるため前記荷
重支持機能が発揮されず、前記タイヤ骨格部の剛性も失
われてしまうため前記走行性能(駆動性、制動性、旋回
性等)も発揮されない。その結果、このようなタイヤを
装着した車両は走行不能に陥る。
【0004】前記タイヤにおける前記裂傷の殆どは、
釘、鉄片等の硬く鋭利な異物が該タイヤに突き刺さるこ
とにより発生するが、単に該異物が該タイヤに突き刺さ
っただけでは直ちに前記パンク状態とはならず、該異物
が走行中に該タイヤから抜け落ちることにより急激に該
タイヤの内圧が低下し前記パンク状態となる。前記パン
ク状態が走行中に発生すると、ドライバーにとっては危
険な状況となる。特に該パンク状態が走行中の操舵輪
(殆どの車両では前輪)に発生すると、急激な左右・前
後バランスの変化が生じ、車両挙動を制御不能な状態に
陥る可能性が極めて高く、大事故になり易い等、ドライ
バーにとっては大変危険な状況となる。
【0005】そこで、従来から、前記異物がタイヤに突
き刺さった等の状況においても急激に前記パンク状態を
引き起こさず走行の継続が可能な安全タイヤについて多
くの提案がなされている。例えば、自動車用の安全タイ
ヤ及びリム組立体としては、二重壁構造を有するもの、
タイヤ内に荷重支持装置を配設したもの、タイヤサイド
部を補強したものなど種々のタイプのもの、等の各種提
案がなされている。
【0006】これらの各種提案は実用されていないもの
も多いが、その中でも実用されているものとして、タイ
ヤのサイドウォール部を中心にショルダー部からビ−ド
部にかけての内面に比較的硬質のゴムからなるサイド補
強層を設けたタイヤがあり、主に扁平比が60%以下の
ランフラットタイヤに適用されている。
【0007】しかし、このように比較的硬質のゴムから
なるサイド補強層を設ける場合には、タイヤ重量を30
〜40%も増加して該タイヤの縦ばね定数を上昇させる
ため、転がり抵抗が大幅に悪化し、通常走行時の乗り心
地性・燃費が大幅に低下し、環境に悪影響を与えるとい
う重大な問題がある。
【0008】一方、比較的高速かつ長距離の走行による
サイドウォール部の発熱を避ける目的で、リムに中子な
どの内部支持体を固定してパンク時の荷重を支持する構
造を採用したタイヤがあり、主に扁平比が60%を超え
るランフラットタイヤに適用されている。
【0009】しかし、この場合、前記パンク状態後のラ
ンフラット時における該タイヤと前記内部支持体との間
で発生する、局所的な繰り返し応力に該タイヤが耐えら
れない結果、前記パンク状態後の走行距離が100〜2
00km程度に限定されてしまうという問題がある。ま
た、前記内部支持体は衝撃耐久性の点で軽量化が困難で
ある結果、該タイヤにおける総重量は従来のタイヤにお
ける総重量に比し3〜5割以上増加してしまうため、通
常走行時の乗り心地性が低下する上、車両の足回り部品
であるブッシュ等の耐久性も著しく損なわれてしまうと
いう問題がある。更に、前記内部支持体を該タイヤの内
部に配置してから該タイヤをリムに組み付けする必要が
あることから、取付け作業が煩雑で長時間を要するとい
う問題がある。このため、リムの幅方向における一端側
と他端側との間でリム径に差を設けることにより、前記
内部支持体の挿入を容易にすることも提案されているも
のの、十分な効果は得られていない。
【0010】他方、前記内部支持体を備えたランフラッ
トタイヤにおける前記パンク状態後の走行距離を延ばす
目的で、更に骨格材を追加してタイヤ構造をより重厚に
することも考えられるが、この場合、該骨格材を追加し
た分だけ、通常走行時の転がり抵抗や乗り心地性が悪化
してしまうという問題がある。
【0011】以上のような従来技術は、いずれもタイヤ
に急激な内圧の低下が生じた後の該タイヤの走行性能を
如何にして維持するかという視点に立つものであり、そ
もそも急激な内圧の低下自体を防止可能とするものでは
なく、前記パンク状態における安全性という点では十分
とは言えない。
【0012】そこで、タイヤの内面に予め流動性を有す
るシーラント材を配置しておき、該タイヤに裂傷が生じ
た際に、該タイヤの内圧を利用して該シーラント材を該
裂傷に流し込むことにより該裂傷を瞬時に封止し、内圧
の低下を防止する技術も提案されている。しかし、この
場合、以下のような問題がある。即ち、前記シーラント
材による前記裂傷の封止能力は該シーラント材の該タイ
ヤ内での配置厚みに依存し、直径3mm程度の釘による
裂傷を封止するには前記シーラント材を厚み3〜5mm
程度に配置させることが必要となり、一般的な乗用車タ
イヤの場合では、前記シーラント材を配置すると、その
重量が1500〜2500gも増加してしまう上、重量
の均一性に乏しくなり、結果として、通常走行時の転が
り抵抗や乗り心地性が低下し、車両の足回り部品である
ブッシュ等の耐久性も著しく損なわれてしまうという問
題がある。
【0013】また、タイヤ使用中に釘等の異物が突き刺
さった場合、釘等の異物は必ずしも直ぐに抜け落ちると
は限らず、タイヤ内に貫通した状態で留まることがあ
る。このような状態では、釘が突き刺さるとすぐにタイ
ヤ内の内圧が低下するわけではなく、その後の走行と共
に、該釘等の異物がタイヤ内部で刺さったまま揉まれる
ような入力を受ける。このため、釘等の異物とタイヤと
の接触面にて擦れ合いが生じ、ある程度接触面が摩耗す
る事で接触面に隙間ができてしまい、ある時突然、釘等
の異物が脱離すると共に、一気に内圧が低下し走行不能
になるという問題がある。従来のシーラント材を配置し
た前記タイヤでは、このような残存異物の入力履歴によ
り引き起こされる突然の異物の脱離と内圧低下に充分に
対応できないという問題がある。
【0014】更に、タイヤとこれに組付けるリムとの組
立体の内部空洞に、独立気泡を有する複合体を充填した
タイヤが、例えば、特開平6−127207号公報、特
開平6−183226号公報、特開平7−186610
号公報及び特開平8−332805号公報などにおいて
提案されている。ところが、これらにおいて提案された
タイヤは、転がり抵抗や乗り心地性等が極めて重視され
るような乗用車用、トラック用、バス用等の用途ではな
く、農耕用、ラリー用、二輪車用、自転車用等の特殊
用、あるいは小型用などの用途に限定されていた。ま
た、前記複合体は、発泡倍率が低いために重量が大き
く、しかも内部が大気圧であるため、該複合体を使用し
たとしてもそのタイヤにおいては、振動乗り心地性や燃
費の悪化が避けられないという問題がある。
【0015】また、特許第2987076号公報におい
ては、発泡体充填材を内周部に挿入したパンクレスタイ
ヤが提案されている。しかし、このパンクレスタイヤの
場合、該発泡体充填材における気泡内圧が大気圧に極め
て近いため、振動乗り心地性や燃費の悪化が避けられな
いという問題がある。その上、該発泡体充填材は、その
素材であるウレタン系素材におけるウレタン基の分子間
水素結合に起因するエネルギーロスが大きく自己発熱性
が高いため、該発泡体充填材を該パンクレスタイヤ内に
充填した場合、タイヤ転動時の繰返し変形により該発泡
体充填材が発熱し、大幅に耐久性が低下してしまうとい
う問題がある。また、ウレタン系素材の場合、気泡が連
通し易く、独立した気泡を形成するのが難しいため、所
望の荷重支持能力乃至撓み抑制能力を発揮し得るタイヤ
内圧が得られないという問題がある。
【0016】更に、特開昭48−47002号公報にお
いては、タイヤ内容積と同等以上のガスが発生する量の
発泡剤を使用して得られ、内圧が常圧よりも高い独立気
泡を内包する気泡含有体を、厚みが0.5〜3mm程度
にゴムや合成樹脂等で被覆して形成した膨張圧力気泡体
をタイヤ内に多数充填してなるパンクレスタイヤが提案
されている。前記膨張圧力気泡体は、以下のようにして
製造される、即ち、窒素ガス透過性の低いブチルラバー
を主体とした軟質弾性材料と発泡剤とを含む未加硫の独
立気泡体形成用組成物を未加硫タイヤ内に複数配置した
後、加熱により該発泡剤を発泡させることにより製造さ
れる。このとき、前記膨張圧力気泡体の膨張によるタイ
ヤ内部の常圧空気は、リムに開けられた排気小孔から自
然排気される。乗用車用タイヤの内圧は一般的に常温に
おける絶対圧で250〜350kPa程度に設定される
ため、前記膨張圧力気泡体を内包するタイヤを製造する
場合、その加硫成形時(140℃程度)の該乗用車用タ
イヤにおいては、気体の状態方程式から該絶対圧の約
1.5倍程度の内圧になっているものと推定される。
【0017】ところが、この程度の内圧では加硫圧力不
足によるブローン現象の発生が避けられず、該ブローン
現象を回避するためには、前記発泡剤の配合量を大幅に
増加して発泡による圧力を高めたり、加熱温度を高める
ことが必要となる。しかしながら、前記発泡剤の配合量
を増加すると、常温時の内圧が400KPaを大きく超
えてしまうため、従来のタイヤの代替品とすることが困
難となり、また、前記加熱温度を高めると、熱老化によ
り該タイヤの耐久性が大幅に悪化してしまうという問題
がある。
【0018】また、該タイヤにおいては、前記膨張圧力
気泡体をドーナツ形状のタイヤ内に分割して多数配置し
ているので、前記ブローン現象が発生した、該膨張圧力
気泡体における被覆膜同士の摩擦、タイヤ・リム内面と
の摩擦など、耐久性の点で問題がある。また、該タイヤ
において、前記リムに開けられた排気小孔は、前記膨張
圧力気泡体中の気泡内ガスの散逸経路となってしまうた
め、長期使用の点で問題がある。更に、前記軟質弾性材
料におけるブチルラバーは、加硫反応速度が極めて遅い
ために、反応を完結させるには140℃程度の温度では
多大な時間を要し、熱老化による該タイヤの耐久性低下
を招く上、該軟質弾性材料における架橋密度の不足を招
き、前記被覆膜に剥離等が発生してしまうという問題が
ある。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来におけ
る前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、圧力容器の破裂破損防止用
乃至内圧低下防止用として好適であり、該圧力容器の重
量増加を伴うことなく、該圧力容器が裂傷等の損傷時に
おいて内圧が急激に低下することを効果的に抑制可能な
シーラント組成物、並びに、該シーラント組成物を用い
たことにより、重量増加を伴うことなく、破裂破損乃至
急激な内圧低下を防止可能であり、損傷後の一定期間最
低限の安全性を保つことができる圧力容器、及び、重量
増加を伴うことなく、耐久性、乗り心地性等の性能を維
持しつつ、損傷後にタイヤ内圧の急激な低下を効果的に
抑制し、ドライバーが安全かつ確実に緊急対応動作を取
ることを可能とする安全なタイヤを提供することを目的
とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明者が鋭意検討した結果、粘着性に富むシーラ
ントマトリクスと、軽比重の粒子と、膨張粒子とを、併
用したシーラント組成物がセルフシール効果に優れ、該
シーラント組成物を、タイヤ等の圧力容器の内表面に配
置することにより、該圧力容器が、損傷を受けた際に該
損傷部を瞬時にかつ確実に封止し、内圧の急激な低下を
効果的に抑制し、ドライバー等の使用者が安全かつ確実
に危険回避動作を取ることが可能となるという知見であ
る。
【0021】本発明は、本発明者による前記知見に基づ
くものであり、前記課題を解決するための手段は以下の
通りである。即ち、 <1> 大気圧下での平均嵩比重が0.3以下である粒
子と、刺激により体積膨張可能な膨張粒子と、シーラン
トマトリクス材料とを含有することを特徴とするシーラ
ント組成物である。 <2> 膨張粒子が、発泡剤及び該発泡剤の発泡により
発生する気体を密閉状態で内包する殻を有する前記<1
>に記載のシーラント組成物である。 <3> 刺激が、熱、圧力及び振動の少なくともいずれ
かである前記<1>又は<2>に記載のシーラント組成
物である。
【0022】<4> 発泡剤が、炭素数3〜6の直鎖状
又は分岐状の脂肪族炭化水素及びそのフルオロ化物、並
びに、炭素数3〜6の脂環式炭化水素及びそのフルオロ
化物からなる群から選択される少なくとも1種である前
記<2>又は<3>に記載のシーラント組成物である。 <5> 発泡剤が、熱分解性発泡剤である前記<2>か
ら<4>のいずれかに記載のシーラント組成物である。 <6> 発泡剤が、100℃以上で発泡する前記<2>
から<5>のいずれかに記載のシーラント組成物であ
る。
【0023】<7> 発泡剤が、ジニトロソペンタメチ
レンテトラミン、アゾジカルボンアミド、パラトルエン
スルフォニルヒドラジン及びその誘導体、及びオキシビ
スベンゼンスルフォニルヒドラジンからなる群から選択
される少なくとも1種である前記<2>から<6>のい
ずれかに記載のシーラント組成物である。 <8> 殻が、樹脂製である前記<2>から<7>のい
ずれかに記載のシーラント組成物である。 <9> 大気圧下での平均嵩比重が0.3以下である粒
子が、中空粒子及び孔質粒子から選択される少なくとも
1種である前記<1>から<8>のいずれかに記載のシ
ーラント組成物である。
【0024】<10> 大気圧下での平均嵩比重が0.
3以下である粒子が、気泡及び該気泡を密閉状態で内包
する樹脂製の殻を有する前記<1>から<9>のいずれ
かに記載のシーラント組成物である。 <11> 殻が、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアク
リロニトリル系重合体、ポリアクリル系重合体及びポリ
塩化ビニリデン系重合体から選択される少なくとも1種
で形成された前記<2>から<10>のいずれかに記載
のシーラント組成物である。 <12> 殻が、30℃におけるガス透過係数が300
×10-12(cc・cm/cm2・s・cmHg)以下で
ある前記<2>から<11>のいずれかに記載のシーラ
ント組成物である。
【0025】<13> 大気圧下での平均嵩比重が0.
3以下である粒子及び膨張粒子が、シーラントマトリク
ス材料中に混合分散された前記<1>から<12>のい
ずれかに記載のシーラント組成物である。 <14> 大気圧下での平均嵩比重が0.3以下である
粒子が、シーラントマトリクス材料による層に積層され
積層体を形成し、膨張粒子が、該積層体中に混合分散さ
れた前記<1>から<12>のいずれかに記載のシーラ
ント組成物である。 <15> 前記<1>から<14>のいずれかに記載の
シーラント組成物を有することを特徴する圧力容器であ
る。
【0026】<16> アドバルーン、気球、ゴムボー
ト、ホバークラフト、ラバーダム及びドーム型球状のド
ームから選択される前記<15>に記載の圧力容器であ
る。 <17> 前記<1>から<14>のいずれかに記載の
シーラント組成物を有することを特徴するタイヤであ
る。 <18> シーラント組成物をインナーライナーの露出
表面上に有する前記<17>に記載のタイヤである。 <19> 乗用車用タイヤ、トラック用タイヤ、バス用
タイヤ、モーターサイクル用タイヤ、自転車用タイヤ、
建設車両用タイヤ及び航空機用タイヤのいずれかである
前記<17>又は<18>に記載のタイヤである。
【0027】大気圧下での平均嵩比重が0.3以下であ
る粒子と、刺激により体積膨張可能な膨張粒子と、シー
ラントマトリクス材料とを、含有する本発明のシーラン
ト組成物をタイヤ等の圧力容器の内表面に配置しておく
と、該圧力容器に釘等の異物が刺さる等により裂傷等の
損傷が生じた際に、受傷部に異物が刺さった状態で残存
してしまうことがある。また、該本発明のシーラント組
成物を有する本発明のタイヤ等の圧力容器は、釘等の異
物が刺さる等により裂傷等の損傷が生じた際に、受傷部
に異物が刺さった状態で残存してしまうことがある。該
圧力容器が例えばタイヤである場合、タイヤに異物が刺
さった状態で走行を続けると、該異物とタイヤとの間で
大きな摩擦が生じ、受傷部周囲が特異的に発熱する(刺
激が生ずる)。該摩擦による発熱(刺激)により、走行
に伴ってタイヤと異物との接触面において更に空隙がで
きてしまう。該空隙においては、前記タイヤ内の気体
が、タイヤ外部へ噴出するのに伴い、前記粒子(大気圧
下での平均嵩比重が0.3以下である粒子及び膨張粒
子)を含有するシーラント組成物が勢いよく流れ込む。
このとき、該シーラント組成物に含まれる前記膨張粒子
は、前記発熱(刺激)により体積膨張する。そして、該
空隙に移動した膨張粒子の体積膨張により、前記異物表
面に、前記膨張粒子が高い密着性で密着し、該空隙が先
ずマクロに埋められる。また、前記シーラント組成物に
含まれる、大気圧下での平均嵩比重が0.3以下である
粒子は、極めて軽量であり、移動・流動が容易であるた
め、該粒子によっても該空隙がマクロに埋められる。更
に、前記シーラントマトリクス材料により、該空隙と該
粒子との間のミクロな空隙が埋められ、該シーラントマ
トリクス材料の粘着性により、該空隙において、前記粒
子の流動・移動が抑制される結果、該受傷部における空
隙が、該シーラント組成物により封止され、摩擦により
更に形成される空隙も封止される。
【0028】すると、前記タイヤ内の気体が外部に漏出
することがなくなる。しかも、このとき、前記粒子(体
積膨張した膨張粒子及び大気圧下での平均嵩比重が0.
3以下である粒子)が、先ずマクロに前記受傷部の大き
な空隙を塞ぎ、続いて該受傷部に充填された該粒子同士
のミクロな空隙を、流動性のある前記シーラントマトリ
クス材料で塞ぎ、前記粒子と該シーラントマトリクス材
料とで機能分担をしており、該受傷部の封止完了までの
時間が極めて短くて済むため、該タイヤの破裂破損乃至
急激な内圧低下が効果的に抑制される。更に、前記異物
が、走行中に抜け落ちても、前記膨張粒子の体積膨張に
より、異物表面に密に絡み合っているシーラント組成
物、及び、受傷部周囲の内面に存在するシーラント組成
物が、受傷部の空隙(異物が突き刺さっていた部位)に
誘導され、異物脱離後の空隙を確実に封止することによ
り、突然の内圧低下を避けることができ、最低限度のタ
イヤ内圧を一定時間確保可能となる。本発明のシーラン
ト組成物は、セルフシール性に優れる。また本発明の圧
力容器は、前記本発明のシーラント組成物を有するた
め、突然の内圧低下を避けることができ、圧力容器内の
気体の外部への漏出が防止されると共に、最低限度の安
全性が保たれる。更に本発明のタイヤは、前記本発明の
シーラント組成物を有するため、パンク状態になるまで
の時間がある程度確実に確保され、該タイヤの撓み量の
増加が抑制され、より長い距離の走行が可能となり、そ
の間にドライバーが安全かつ確実に緊急対応動作を取る
事ができるため安全である。更に、該本発明のタイヤ
は、前記本発明のシーラント組成物をたとえ多量に有し
ていても該シーラント組成物自体は極めて比重が軽く全
体として軽量であるため、該タイヤ全体が重くなること
がなく、通常走行時の省燃費性、振動乗り心地性、操縦
性等の性能を損なうことがない。本発明のタイヤにおい
ては、通常走行時の省燃費性、振動乗り心地性、操縦性
等が損なわれることなく、受傷後の走行可能距離が効果
的に向上される。
【0029】
【発明の実施の形態】(シーラント組成物)本発明のシ
ーラント組成物は、大気圧下での平均嵩比重が0.3以
下である粒子と、膨張粒子と、シーラントマトリクス材
料とを含有してなり、更に必要に応じて適宜選択したそ
の他の成分を含有してなる。
【0030】−大気圧下での平均嵩比重が0.3以下で
ある粒子−前記粒子としては、大気圧下での平均嵩比重
が0.3以下であることが必要である。前記大気圧下で
の平均嵩比重が、0.3以下であると、前記圧力容器の
内表面に該シーラント組成物を配置しても該圧力容器を
重量化することがない一方、該圧力容器に生じた裂傷等
の損傷における隙間を瞬時に埋めることができる点で有
利である。なお、前記大気圧下での平均嵩比重は、例え
ば、大気圧下にて既知体積であるものの重量を測定する
ことにより算出することができ、本発明における該大気
圧下での平均嵩比重は、大気圧下でメスシリンダーに前
記粒子を量りとり、超音波水浴中にて振動を与え、該粒
子間のパッキングが安定した状態で、該粒子の体積及び
重量を測定することにより算出したものである。
【0031】前記粒子としては、大気圧下での平均嵩比
重が0.3以下であること以外は、特に制限はなく、目
的に応じて適宜選択することができるが、中空粒子及び
孔質粒子から選択される少なくとも一種であるのが好ま
しい。
【0032】本発明において、前記「中空粒子」とは、
外部と連通せずに密閉された独立の気泡(以下「独立気
泡」と略称する)を内包する粒子を意味し、該独立気泡
の数は単数であってもよいし、複数であってもよい。ま
た、前記「孔質粒子」とは、前記独立気泡を内包せず、
外部と連通する孔を有する粒子を意味し、該孔を一つの
み有する単孔質粒子であってもよいし、該孔を多数有す
る多孔質粒子であってもよい。
【0033】前記粒子における空隙(前記中空粒子で
は、前記独立気泡のみを内包する場合には該独立気泡を
意味し、前記独立気泡と前記孔とを内包する場合には該
独立気泡及び該孔を意味し、前記孔質粒子では、前記孔
を意味する。以下同じ。)の容積としては、該粒子とし
ての形状等を保持するのに必要な強度を有している限り
特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ
るが、例えば、50vol%以上であるのが好ましく、
70〜99vol%がより好ましく、80〜99vol
%が特に好ましい。前記空隙の容積が前記数値範囲内で
あると、該粒子を軽量化させることができる点で有利で
ある。
【0034】前記粒子における空隙の形状、構造等につ
いては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択すること
ができるが、該粒子が前記中空粒子である場合には前記
独立気泡の形状としては略球状等が好ましく、該粒子が
前記孔質粒子である場合には前記空隙孔の形状としては
略パイプ状、多孔質体における多孔状等が好ましい。
【0035】前記粒子の材質としては、特に制限はな
く、目的に応じて適宜選択することができるが、前記中
空粒子の場合には前記独立気泡の形成性等の観点から
は、有機材料が好適に挙げられ、その中でも樹脂が特に
好ましく、前記孔質粒子の場合には、有機材料、無機材
料等が好適に挙げられ、その中でも樹脂、シリカ、アル
ミナなどが特に好ましい。
【0036】前記樹脂としては、例えば、ポリビニルア
ルコール(PVA)、ポリアクリロニトリル系重合体、
ポリアクリル系重合体、ポリ塩化ビニリデン系重合体、
アクリロニトリル/スチレン樹脂(AS)、ポリエチレ
ン樹脂(PE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエ
ステル樹脂(PET)、ポリスチレン/ポリエチレン共
重合体(PS/PE)などが好適に挙げられ、これらの
中でも、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリロニト
リル系重合体、ポリアクリル系重合体及びポリ塩化ビニ
リデン系重合体から選択される少なくとも1種が好まし
い。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2
種以上を併用してもよい。
【0037】前記アクリロニトリル系重合体としては、
例えば、アクリロニトリル重合体、アクリロニトリル/
メタアクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル/メ
チルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル/メタ
アクリロニトリル/メチルメタクリレート3元共重合体
などが好適に挙げられる。
【0038】前記アクリル系重合体としては、例えば、
メチルメタクリレート樹脂(MMA)、メチルメタクリ
レート/アクリロニトリル共重合体(MMA/AN)、
メチルメタクリレート/メタアクリロニトリル共重合体
(MMA/MAN)、メチルメタクリレート/アクリロ
ニトリル/メタアクリロニトリル3元共重合体(MMA
/AN/MAN)などが好適に挙げられる。
【0039】前記塩化ビニリデン系重合体としては、例
えば、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体、塩
化ビニリデン/メチルメタクリレート共重合体、塩化ビ
ニリデン/メタアクリロニトリル共重合体、塩化ビニリ
デン/アクリロニトリル/メタアクリロニトリル共重合
体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル/メチルメタク
リレート共重合体、塩化ビニリデン/メタアクリロニト
リル/メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニリデン
/アクリロニトリル/メタアクリロニトリル/メチルメ
タクリレート共重合体などが好適に挙げられる。
【0040】これらの重合体は、いずれもガス透過係数
が小さく気体の透過性が低いので、該粒子に内包された
気泡(気体)が外部に漏れることがなく、特に前記独立
気泡においてはその内圧を保持することができる点で有
利である。
【0041】前記中空粒子が前記独立気泡を有する場
合、該中空粒子における空隙に占める該独立気泡の割合
が大きい方が好ましい。前記中空粒子が前記独立気泡を
有する場合、該中空粒子は該独立気泡を密閉状態で内包
する樹脂製の殻を有する。前記樹脂製の殻としては、特
に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる
が、30℃におけるガス透過係数が300×10
-12(cc・cm/cm2・s・cmHg)以下であるの
が好ましく、20×10-12(cc・cm/cm2・s・
cmHg)以下であるのがより好ましく、2×10-12
(cc・cm/cm2・s・cmHg)以下であるのが
特に好ましい。
【0042】前記30℃におけるガス透過係数が300
×10-12(cc・cm/cm2・s・cmHg)以下で
ある場合、タイヤ(空気入り、窒素入り等)におけるイ
ンナーライナー層のガス透過係数と同等であるので、十
分な内圧保持機能が得られ、20×10-12(cc・c
m/cm2・s・cmHg)以下である場合、メインテ
ナンス性にも優れる点で有利であり、2×10-12(c
c・cm/cm2・s・cmHg)以下である場合には
それが顕著である点で有利である。なお、前記30℃に
おけるガス透過係数は、例えば、JIS K7126
(199−1987)に準拠して、東洋精機製作所製M
T−C3(型式)などを用いて測定することができる。
【0043】前記樹脂製の殻の厚みとしては、特に制限
はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記
樹脂製の殻の厚みが、前記数値範囲内にあると、該殻に
必要な強度を維持しつつ、圧力変化により該殻が膨張可
能にし得る点で有利である。
【0044】前記粒子における前記空隙に内包される気
体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択す
ることできるが、例えば、窒素、空気、炭素数3〜6の
直鎖状又は分岐状の脂肪族炭化水素及びそのフルオロ化
物、並びに、炭素数3〜6の脂環式炭化水素及びそのフ
ルオロ化物からなる群から選択される少なくとも1種が
好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよ
いし、2種以上を併用してもよい。なお、前記気体がフ
ルオロ化物でない場合には、安全性の観点から前記タイ
ヤ等の圧力容器内の気体として、酸素を含まない気体、
例えば窒素や不活性ガス等を使用するのが好ましい。
【0045】前記粒子が前記中空粒子である場合、該中
空粒子における前記独立気泡の25℃における内圧とし
ては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すること
ができるが、絶対圧で例えば、一般に100kPa以上
であり、150kPa以上が好ましく、200kPa以
上がより好ましい。
【0046】前記粒子が前記中空粒子である場合、該中
空粒子中に前記独立気泡を形成するには、特に制限はな
く、目的に応じて各種方法を採用することができるが、
例えば、前記樹脂中に、熱分解によって気体を発生する
熱分解性発泡剤等の発泡剤を添加させる、高圧圧縮ガス
を添加させる、液化ガスを添加させた後、これらを熱に
よりガス化させることにより行うことができる。なお、
該ガス化の時期としては、特に制限はなく、目的に応じ
て適宜選択することができるが、前記シーラント組成物
を前記圧力容器に配置する前であってもよいし、配置し
た後であってもよく、後者の場合、例えばタイヤ等の加
硫時等でもよい。
【0047】前記熱分解性発泡剤としては、特に制限は
なく、目的に応じて適宜選択することができるが、例え
ば、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、
アゾジカルボンアミド(ADCA)、パラトルエンスル
ホニルヒドラジン(TSH)及びその誘導体、オキシビ
スベンゼンスルホニルヒドラジン(OBSH)などが挙
げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2
種以上を併用してもよい。これらは、窒素を発生させる
ものが多いため、該熱分解性発泡剤を使用すると、得ら
れる中空粒子は、前記独立気泡として窒素を含み、燃焼
し難い点で好ましい。
【0048】前記高圧圧縮ガスとしては、特に制限はな
く、目的に応じて適宜選択することができるが、例え
ば、窒素、空気、二酸化炭素などが挙げられる。これら
は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して
もよい。
【0049】前記液化ガスとしては、特に制限はなく、
目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、プ
ロパン、ブタン、ペンタン、シクロプロパン、シクロブ
タン、シクロペンタンなどが挙げられる。これらは、1
種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよ
い。これらの中でも、製造上の観点からはイソブタン、
イソペンタンが好ましい。
【0050】前記液化ガスを使用する場合、前記樹脂製
の殻を重合する際、前記液化ガス(高圧下でプロパン、
ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、ネオペ
ンタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタ
ン等を液化させたもの)を反応溶媒中に分散させつつ、
乳化重合させることにより、該樹脂製の殻の中に該液化
ガスを液体状態で封じ込めた発泡性樹脂粒子が得られ
る。
【0051】この発泡性樹脂粒子は、タイヤ等の圧力容
器内に配置後に加熱されると、該発泡性樹脂粒子の内部
で前記液化ガスが気化し、該発泡性樹脂粒子の内部に前
記独立気泡を形成しながら膨張し、前記樹脂製の殻の径
を任意に拡大して前記中空粒子を形成することができる
点で好ましい。なお、前記発泡性樹脂粒子は、適宜調製
したものであってもよいし、市販品を使用してもよく、
該市販品としては、例えば、ブタン、プロパン、ペンタ
ン等を高分子中空粒子中に液化して封入した、アクゾー
ノーベル社製の「エクスパンセル(商品名)」などが好
適に挙げられる。
【0052】前記粒子が樹脂製の前記中空粒子である場
合、該中空粒子は、一般に粒子径の割に内径が大きく、
シェル(外殻)厚みの薄い粒子であり、弾力性に富み、
通常内圧下での圧縮程度が大きいため、大気圧超の圧力
下から大気圧下に移動すると膨張可能であり、前記圧力
容器等の損傷部を効率よく封止することができ、セルフ
シール性に優れたシーラント組成物が得られる点で有利
である。
【0053】前記粒子の形状としては、特に制限はな
く、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、略
球形状、略楕円球状、略立方体形状、略直方体形状など
が挙げられるが、これらの中でも、前記シーラントマト
リクス材料中での分散性に優れ、流動性・移動性に優
れ、前記圧力容器等の損傷部(裂傷部)に入り込んでそ
の空隙を効率よく封止することができる点で、略球形状
であるのが好ましい。
【0054】前記粒子としては、大気圧超の圧力下から
大気圧下におかれた際に膨張可能であるのが好ましい。
この場合、前記圧力容器(タイヤ等)の内表面に配置さ
れた前記シーラント組成物中において、該粒子は大きな
圧力を受けた状態で存在しており、該圧力容器(タイヤ
等)に裂傷等の損傷が生じて該損傷部に該粒子が前記シ
ーラントマトリクス材料と共に入り込むと、今まで大き
な圧力を受けた状態で存在していた該粒子が内圧低下分
に相当する分の回復反力により膨張するため、効率よく
該損傷部の空隙を充填し該損傷部を封止することができ
る点で有利である。
【0055】前記粒子の粒径としては、特に制限はな
く、用途、目的、裂傷等の損傷部の大きさ等に応じて適
宜選択することができるが、平均粒径として、一般に1
〜1000μm程度であり、タイヤ等の用途においては
10〜500μm程度が好ましい。前記粒径が前記数値
範囲内であると、前記圧力容器等に生じた裂傷等の損傷
部を効率よく閉塞することができる点で好ましい。
【0056】−膨張粒子− 前記膨張粒子は、刺激により体積膨張可能である。
【0057】前記刺激としては、特に制限はなく、熱
(発熱、吸熱)、圧力及び振動等が挙げられる。これら
の中でも、本発明のシーラント組成物をタイヤに用いる
場合等には、釘等の異物が刺さり損傷が生じた状態で走
行し続けると、摩擦により大量の熱が発生することか
ら、熱(特に発熱)が好ましい。
【0058】前記膨張粒子の構成としては、前述のよう
に刺激により体積膨張可能であれば特に制限はないが、
例えば、発泡剤及び殻を有する構成等が好ましい。
【0059】−−殻−− 前記殻としては、前記発泡剤の発泡により発生する気体
を密閉状態で内包可能で、外部に該気体を逃がさない構
造を有していれば特に制限はないが、前記「大気圧下で
の平均嵩比重が0.3以下である粒子」の項で述べた樹
脂製の殻が何れも好適に挙げられる。該樹脂製の殻にお
ける樹脂としては、前述の樹脂材料が何れも好適に挙げ
られる。
【0060】−−発泡剤−− 前記発泡剤としては、例えば、前記「大気圧下での平均
嵩比重が0.3以下である粒子」の項で述べた窒素、空
気、炭素数3〜6の直鎖状又は分岐状の脂肪族炭化水素
及びそのフルオロ化物、並びに、炭素数3〜6の脂環式
炭化水素及びそのフルオロ化物からなる群から選択され
る少なくとも1種が好適に挙げられる。これらは、1種
単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの発泡剤については、フルオロ化物でない場合
に、圧力容器内の気体として酸素を含まない気体を使用
するのが好ましい点についても前述と同様である。
【0061】前記発泡剤としては、発泡により気体を発
生し得るものであれば特に制限はなく、前記「大気圧下
での平均嵩比重が0.3以下である粒子」の項で述べた
熱分解性発泡剤、高圧圧縮ガス及び液化ガス等が挙げら
れ、これらの中でも、熱分解によって気体を発生する熱
分解性発泡剤が好ましい。該熱分解性発泡剤としては、
前記「大気圧下での平均嵩比重が0.3以下である粒
子」の項で述べた熱分解性発泡剤が何れも好適に挙げら
れる。
【0062】前記発泡剤としては、前記シーラント組成
物を、タイヤ等に用いる場合、100℃以上の温度条件
で発泡を開始するのが好ましく、120℃以上の温度条
件で発泡を開始するのがより好ましい。内圧充填した通
常のタイヤ等は、環境条件にもよるが、内部温度が10
0℃を超えることは極めて少ない。また、−20℃の外
部環境においても、タイヤに釘等の異物が突き刺さった
状態で走行すると、残存する異物の周囲の温度は、局部
的に100℃以上に上昇する。よって、いかなる環境条
件下でも、局部的な発熱に対してのみ確実に発泡させる
ためには、前記発泡剤の発泡開始温度としては、100
℃以上が好ましい。
【0063】<膨張粒子の特性等>前記膨張粒子の粒径
としては、特に制限はないが、体積膨張前の状態で、平
均粒径が1〜200μm程度であるのが好ましく、1〜
40μm程度であるのがより好ましい。前記平均粒径
が、1〜200μmであれば、体積膨張率が高く、か
つ、異物とタイヤ等との接触面に入り込み易く、受傷部
における空隙の封止効果、内圧低下防止効果に特に優れ
る。
【0064】前記膨張粒子の体積膨張能としては、10
0℃以上の温度条件で体積膨張した際の体積膨張率で5
倍以上であるのが好ましく、10倍以上であるのがより
好ましい。前記体積膨張率が、5倍以上であれば、異物
とタイヤ等との接触面内で体積膨張した際、空隙を封止
する力(シーラントマトリクス組成物を接触面内に押し
込む力や、直接的に異物表面やタイヤ接触面を押す力
等)が充分となり、封止効果、内圧低下防止効果等に特
に優れる。
【0065】前記膨張粒子は、前記「大気圧下での平均
嵩比重が0.3以下である粒子」がタイヤ等の圧力容器
内に配置後、加熱により作製されたものである場合、加
熱後のタイヤを一度冷却してから、タイヤ等の圧力容器
内に配置するのが好ましい。また、前記「大気圧下での
平均嵩比重が0.3以下である粒子」が、予め加熱等に
より発泡し中空粒子とされた後に、タイヤ内に配置され
る場合には、中空粒子とされた「大気圧下での平均嵩比
重が0.3以下である粒子」及び膨張粒子を混合し、シ
ーラントマトリクス材料に添加する方法等によりタイヤ
内に好適に配される。
【0066】−シーラントマトリクス材料− 前記シーラントマトリクス材料としては、流動性、粘着
性等を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜
選択することができるが、例えば、エチレン−プロピレ
ン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元重合
体、ポリブタジエン、ハロゲン化ポリブタジエン、ポリ
イソプレン、ポリイソプレン−ブタジエン共重合体、ブ
チルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、
スチレン−ブタジエン共重合体、合成ポリテルペン、熱
可塑性オレフィン、水素化ロジンのペンタエリスリトー
ルエステル、水素化ロジンのトリエチレングリコールエ
ステル、ビニルトルエン共重合体、アルキル芳香族、ク
ロマン−インデン、解重合した天然ゴム、ポリブテン、
などが好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用し
てもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0067】前記シーラントマトリクス材料の分子量と
しては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択するこ
とができるが、例えば、数平均分子量で500〜500
0程度が好ましい。
【0068】−その他の成分− 前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応
じて適宜選択することができるが、例えば、数平均分子
量が50000以上の高分子などが挙げられる。前記高
分子としては、例えば、エチレン−プロピレン−ジエン
三元重合体、ポリブタジエン、ブチルゴム、ハロゲン化
ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、
スチレン−ブタジエン共重合体、天然ゴム、シスポリイ
ソプレン、ポリイソプレン−ブタジエン共重合体、シリ
コーンゴムなどが好適に挙げられる。これらは、1種単
独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0069】−シーラント組成物の特性等− 前記シーラント組成物の流動性としては、特に制限はな
く、目的に応じて適宜選択することができるが、例え
ば、60℃における粘度が60000ポイズ以下である
のが好ましい。
【0070】前記シーラント組成物における、前記大気
圧下での平均嵩比重が0.3以下である粒子の含有量と
しては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択するこ
とができるが、例えば、前記圧力容器(タイヤ等)の内
容積に対し、0.1体積%以上であるのが好ましい。
【0071】前記シーラント組成物における、前記膨張
粒子の含有量(体積膨張前)としては、体積膨張による
圧力容器(タイヤ等)の空隙封止及び内圧低下の効果の
点から、前記圧力容器(タイヤ等)の内容積に対し、
0.021体積%以上であるのが好ましく、0.042
体積%以上であるのがより好ましい。
【0072】なお、ここでは、前記シーラント組成物に
おける前記粒子の含有量を前記圧力容器の内容積に対す
る体積比率で表しているが、該体積比率は、該粒子のみ
ならず該粒子間の空隙をも含む体積の前記圧力容器の内
容積に対する比率(体積%)を意味する。前記体積比率
は、例えば、大気圧下でメスシリンダーに前記粒子を量
りとり、超音波水浴中にて振動を与え、該粒子間のパッ
キングが安定した状態で、該粒子の体積を測定すること
により算出することができる。
【0073】本発明のシーラント組成物の使用態様とし
ては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すること
ができるが、例えば、前記大気圧下での平均嵩比重が
0.3以下である粒子及び前記膨張粒子が、シーラント
マトリクス材料中に混合分散された態様、前記大気圧下
での平均嵩比重が0.3以下である粒子がシーラントマ
トリクス材料による層に積層され積層体を形成し、前記
膨張粒子が、該積層体中に混合分散された態様などが好
ましい。
【0074】ここで、本発明のシーラント組成物の一例
について説明すると、図1に示す通り、本発明のシーラ
ント組成物10は、タイヤ等の圧力容器の内表面等にシ
ート状等に配置されて使用される。シーラント組成物1
0は、中空粒子(大気圧下での平均嵩比重が0.3以下
である粒子)12及び膨張粒子13がシーラントマトリ
クス材料14中に分散した状態で存在している。中空粒
子12は、樹脂製の殻12aの内部に独立気泡12bを
有している。膨張粒子13は、樹脂製の殻13aの内部
に発泡剤13bを有している。
【0075】シーラント組成物10は、図2に示す通
り、タイヤ等の圧力容器40の内表面にシート状に配置
されているが、圧力容器(タイヤ)40に釘70等の異
物が刺さる等により裂傷等の損傷が生じ、受傷部に釘7
0が刺さった状態で残存すると、この状態で走行を続け
ることにより、釘70と圧力容器(タイヤ)40との間
で大きな摩擦が生じ、受傷部周囲が特異的に発熱する
(刺激が生ずる)。該発熱(刺激)により、走行に伴っ
て圧力容器(タイヤ)40と釘70との接触面において
更に空隙ができてしまう。該空隙においては、圧力容器
(タイヤ)40内の気体が、圧力容器(タイヤ)40外
部へ噴出するのに伴い、大気圧下での平均嵩比重が0.
3以下である粒子12及び膨張粒子13を含有するシー
ラント組成物10が勢いよく流れ込む。このとき、シー
ラント組成物10に含まれる膨張粒子13は、前記発熱
(刺激)により図3に示すように体積膨張する。そし
て、該空隙に移動した膨張粒子13の体積膨張により、
前記釘70表面に、膨張粒子13が高い密着性で密着
し、該空隙が先ずマクロに埋められる。また、シーラン
ト組成物10に含まれる、大気圧下での平均嵩比重が
0.3以下である粒子12は、極めて軽量であり、移動
・流動が容易であるため、該粒子によっても該空隙がマ
クロに埋められる。更に、シーラントマトリクス材料1
4により、該空隙と粒子(大気圧下での平均嵩比重が
0.3以下である粒子12及び膨張粒子13)との間の
ミクロな空隙が埋められ、該シーラントマトリクス材料
14の粘着性により、該空隙において、前記粒子(大気
圧下での平均嵩比重が0.3以下である粒子12及び膨
張粒子13)の流動・移動が抑制される結果、該受傷部
における空隙が、該シーラント組成物10により封止さ
れ、摩擦により更に形成される空隙も封止される。
【0076】更に、釘70が、走行中に抜け落ちても、
前記膨張粒子13の体積膨張により、釘70表面に密に
絡み合っていたシーラント組成物10、及び、受傷部周
囲の内面に存在していたシーラント組成物10が、受傷
部の空隙(釘70が突き刺さっていた部位)に誘導さ
れ、釘70脱離後の空隙を確実に封止する。その結果、
図4に示す通り、空隙が、大気圧下での平均嵩比重が
0.3以下である粒子12及び膨張粒子13により埋め
られることにより、圧力容器(タイヤ)40における突
然の内圧低下を避けることができ、最低限度の内圧を一
定時間確保可能となる。このため、該圧力容器において
は、破裂破損が効果的に防止され、急激な内圧低下が防
止される。
【0077】本発明のシーラント組成物は、各種圧力容
器、例えば、タイヤ(タイヤ−リム組立体)、アドバル
ーン、気球、ゴムボート、ホバークラフト、ラバーダ
ム、ドーム型球状ドームなどに特に好適に使用すること
ができる。
【0078】(圧力容器)本発明の圧力容器としては、
前記本発明のシーラント組成物を有すること以外は特に
制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記圧力容器において、前記本発明のシーラント組成物
を配置個所としては、特に制限はなく、目的に応じて適
宜選択することができるが、その内表面であるのが好ま
しい。この場合、該圧力容器に裂傷等の損傷が生じた場
合に、内部の気体の噴出に伴い、該シーラント組成物が
該損傷部に移動乃至流動可能である点で好ましい。前記
圧力容器において、前記本発明のシーラント組成物を配
置する内表面の割合としては、特に制限はなく、目的に
応じて適宜選択することができ、100%即ち全部であ
ってもよいし、100%未満即ち一部であってもよい。
【0079】前記内表面に前記本発明のシーラント組成
物を配置する場合、その厚みとしては、特に制限はな
く、用途、目的、前記シーラントマトリクス材料の種
類、該シーラント組成物の流動性等に応じて適宜選択す
ることができるが、通常0.5〜5mm程度が好まし
い。
【0080】本発明の圧力容器としては、特に制限はな
いが、弾性のある圧力容器であるのが好ましく、例え
ば、タイヤ(タイヤ−リム組立体)、アドバルーン、気
球、ゴムボート、ホバークラフト、ラバーダム及びドー
ム型球状のドームから選択されるのが好ましい。
【0081】前記圧力容器の内圧としては、種類、用途
等に応じて異なり一義的に規定することはできないが、
例えば、絶対内圧で150〜1600kPa程度であ
り、200〜1100kPaが好ましい。
【0082】(タイヤ)本発明のタイヤは、前記本発明
のシーラント組成物を有すること以外は特に制限はな
く、その形状、構造、大きさ、材質等については、目的
に応じて適宜選択することができる。
【0083】前記タイヤにおいて、前記本発明のシーラ
ント組成物は、その内表面(通常、インナーライナーの
露出表面)上に配置されていてもよいし、内部に埋め込
まれていてもよいが、製造が容易な点で前者の態様が好
ましい。
【0084】前記タイヤとしては、その大きさ、形状、
構造等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選
択することができるが、例えば、乗用車用タイヤ、トラ
ック用タイヤ、バス用タイヤ、モーターサイクル用タイ
ヤ、自転車用タイヤ、建設車両用タイヤ及び航空機用タ
イヤのいずれかであるのが好ましい。前記構造として
は、公知のものを採用することができるが、例えば、一
対のビード、ビードフィラー、カーカス、サイドウォー
ル部、ベルト部、トレッド部、インナーライナー等を有
する構造などが好適に挙げられる。
【0085】前記インナーライナーとしては、特に制限
はなく、目的に応じて適宜選択することができ、従来の
ブチルゴムを主体として形成されていてもよいが、例え
ば、融点170〜230℃のナイロン樹脂と、イソブチ
レンパラメチルスチレン共重合体のハロゲン化物を含む
エラストマー成分をゲル化率50〜95%に動的加硫し
た熱可塑性エラストマー組成物とで形成されているのが
好ましい。この場合、従来のブチルゴムを主体として形
成されたインナーライナーと異なり、ナイロン樹脂が連
続相となるのでガス透過性が極めて低いインナーライナ
ーとなる点で有利である。該インナーライナーを使用す
ると内圧が低下し難いため、内圧の低下に伴う前記中空
粒子における独立気泡内のガスの漏出等を招かない点で
有利である。また、イソブチレンパラメチルスチレン共
重合体のハロゲン化物を含むエラストマー成分をゲル化
率50〜95%に動的加硫した熱可塑性エラストマー組
成物を使用するので、柔軟性に富み、耐熱性、耐久性に
優れたインナーライナーとなる点で有利である。
【0086】なお、前記ゲル化率は、2軸混練り後のペ
レット化した配合物をウォーターバス中で8時間アセト
ンにてソックスレー抽出し、その残渣を更に8時間n−
ヘキサンにてソックスレー抽出することによって、未加
硫のエラストマー成分を溶媒で抽出し、アセトン及びn
−ヘキサン抽出物の溶媒乾燥後の重量を測定し、下記式
にて算出した値である。 式: ゲル化率(%)=〔全配合物の重量−{(アセト
ン抽出量+n−ヘキサン抽出量)−ステアリン酸量}〕
/全配合物の重量×100
【0087】また、前記インナーライナーの30℃にお
けるガス透過係数としては、特に制限はなく、目的に応
じて適宜選択することができるが、タイヤの圧力保持性
を直接的に影響するので低いことが必要とされるが、例
えば、20×10-12(cc・cm/cm2・s・cmH
g)以下が好ましい。この場合、前記中空粒子から前記
独立気泡内のガスの漏出が生じたとしても、インナーラ
イナーのガス透過性が十分に低ければ、該ガスがタイヤ
の外側に漏出することがなく、タイヤの内圧を効果的に
かつ確実に保持することができる点で有利である。
【0088】前記タイヤの扁平率としては、特に制限は
なく、目的に応じて適宜選択することができる。前記タ
イヤに充填される気体としては、特に制限はなく、目的
に応じて適宜選択することができ、例えば、空気、窒
素、二酸化炭素などが好ましい。
【0089】前記タイヤの内圧としては、該タイヤの種
類、用途等に応じて異なり一義的に規定することはでき
ないが、絶対圧で例えば、200〜1300kPa程度
である。前記内圧が200〜1300kPaであると、
タイヤとしての十分な基本性能を維持することができ、
受傷後においても内圧がある程度高いため、また、該圧
が高すぎず前記中空粒子が潰れてしまうことがないた
め、前記シーラント組成物のセルフシール機能が十分に
発揮される点で有利である。
【0090】ここで、本発明のタイヤの一例について説
明すると、図5に示す通り、本発明のタイヤ1は、空気
入りタイヤであり、リム(図示しない)に気密に装着さ
れる。タイヤ1の内表面と該リムの内表面とで画成され
た空間に空気が高圧に充填されている。タイヤ1は、1
対のビードコア20間でトロイド状に延びるカーカス2
4のクラウン部に、その半径方向外側へ順にベルト層3
0、ベーストレッド34及びキャップトレッド36を有
してなり、最内層としてインナーライナー26を有す
る。そして、インナーライナー26の表面には、本発明
のシーラント組成物10が層状に被覆されている。
【0091】シーラント組成物10は、図1に示す通
り、中空粒子(大気圧下での平均嵩比重が0.3以下で
ある粒子)12と膨張粒子13とシーラントマトリクス
14とを有する。中空粒子12は、略球形状の樹脂性の
殻12aを有し、樹脂製の殻12aに内包された独立気
泡12bを有する。中空粒子12は、粒径が10〜50
0μm程度であり、嵩比重が0.3以下である。中空粒
子12は、嵩比重が小さく軽いため、その多数個をシー
ラントマトリクス14中に分散させて配置しても、従来
におけるシーラント層を配置したタイヤと同等のゲージ
設定にて比較してみても、シーラント層におけるシーラ
ントマトリクス14の必要体積が少なくて済む。したが
って、タイヤ1を重量化させることなく、その大幅な軽
量化が可能となる。また、走行によるタイヤ1の繰返し
変形に対しても、中空粒子12が殆ど剛性的関わりを持
たないために、通常内圧走行での転がり抵抗、乗り心地
性等を犠牲にすることはない。
【0092】シーラント組成物10は、図1では、イン
ナーライナー26の表面に層状に被覆されていたが、図
6に示す通り、インナーライナー26の露出表面に限ら
ず、インナーライナー26の内側に配置されていてもよ
い。なお、この場合、インナーライナー26の露出表面
にシーラント組成物10を配置しなくてもよい。また、
シーラント組成物10は、図7に示す通り、インナーラ
イナー26の露出表面のみならず、インナーライナー2
6の内側にある例えばゴム組成物層38中に、複数の層
が交互に重なり合った状態で配置されていてもよい。な
お、この場合、インナーライナー26の露出表面にシー
ラント組成物10を配置しなくてもよい。これらの場合
は、シーラント組成物10の使用量が多いが、受傷時の
セルフシール性を向上させることができる点で有利であ
る。
【0093】一方、シーラント組成物10は、図8に示
す通り、多数の凹凸乃至突起を表面に有するインナーラ
イナー26の凹凸乃至突起を有する表面上に配置しても
よい。この場合、シーラント組成物10がインナーライ
ナー26と接触する面積が大きいので、インナーライナ
ーに生じた損傷部内にシーラント組成物10が効率よく
移動乃至流動し短時間で該損傷部を封止することができ
る点で有利である。尚、本発明においては、図5〜図8
に示す各態様を適宜任意に組み合わせることができ、任
意の組み合わせにて実施することができる。
【0094】次に、本発明のタイヤの走行状態について
説明する。図9に示す通り、タイヤ1は、圧力容器40
としてのタイヤがリム50に気密に装着されて走行可能
となる。この状態において、タイヤ1は、その内部が密
閉状態となっており、その内表面の全面にシーラント組
成物10が層状に設けられている。シーラント組成物1
0は、流動可能であるもののシーラントマトリクス材料
14の粘着性により地面60に対し上方に位置するとき
でも垂下が抑制される。シーラント組成物10は、タイ
ヤ1の内圧により常にタイヤ1の内表面に向けて押圧さ
れた状態でタイヤ1内に配置されている。
【0095】走行中のタイヤ1が右左折時に縁石等の段
差にその端部を乗り上げることがあるが、この場合は、
図10に示す通り、タイヤ1のサイドウォール部が縁石
等の段差62とリム50とに挟まれた状態になる。この
とき、タイヤ1におけるゴム製のサイドウォール部は、
石の段差と、金属製のリム50の端部であるリムフラン
ジとに強い力で挟まれるので、破断が生じ易い。ここで
生じる破断が、いわゆるサイドカットと称されるもので
ある。
【0096】一般にタイヤは、接地面であるトレッド部
及びその内側は強固に補強がされているが、サイドウォ
ール部は前記トレッド部等に比し補強が十分でない。そ
こで、前記サイドカットを防止する観点から、該サイド
ウォール部の内側に補強層等を設けることも考えられる
が、この場合、該タイヤの重量が大きくなり、燃費が悪
くなり、振動乗り心地性等の走行性能が大幅に低下して
しまう。
【0097】ところが、本発明のタイヤ1においては、
該サイドウォール部の内側にも軽比重のシーラント組成
物10が配置されているだけなので、重量化することが
なく、前記走行性能の低下を招くことがない一方、前記
サイドカットが生じたとしても、図4に示す通り、該サ
イドカットによる裂傷部から圧力容器40としてのタイ
ヤ内から気体が外部に噴出しようとする際に、流動性の
あるシーラント組成物10が該裂傷部に瞬時に流れ込
む。このとき、シーラント組成物10に含まれる膨張粒
子13及び中空粒子(大気圧下での平均嵩比重が0.3
以下である粒子)12が、まず該裂傷部の大きな空隙を
塞ぎ、流動性、粘着性のあるシーラントマトリクス材料
14が更に膨張粒子13及び中空粒子(大気圧下での平
均嵩比重が0.3以下である粒子)12と該裂傷部との
僅かな空隙を塞ぎ、該裂傷部が封止される。このため、
タイヤ1は、ある一定期間は一定の内圧に保持される。
このため、タイヤ1においては、破裂破損が効果的に防
止され、急激な内圧低下が防止される。
【0098】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0099】本発明のタイヤをリムに気密にリム付けし
て各試験用タイヤを準備した。使用したタイヤのサイズ
は185/70R14であり、使用したリムのサイズは
5.5J×14である。そして、このタイヤの内表面に
試験用のシーラント組成物を配置させた。なお、使用し
たタイヤは、市販品である。前記試験用のシーラント組
成物は、表2に示す各種中空粒子(大気圧下での平均嵩
比重が0.3以下である粒子)及び表3に示す各種膨張
粒子を、表1に示す組成のシーラントマトリクス材料中
に、表1に示す配合比にて配合させた。なお、表1にお
いて、「比較例」は、表3に示す膨張粒子を使用せずシ
ーラントマトリクス材料及び中空粒子のみを使用した場
合であり、「実施例」は、表3に示す膨張粒子を使用し
該膨張粒子と中空粒子とシーラントマトリクス材料とを
併用した場合(本発明のシーラント組成物を使用した場
合)である。なお、表1における「中空粒子の使用体
積」は、中空粒子のみならず、該中空粒子間の空隙を含
む体積を意味し、次式、中空粒子の使用体積=中空粒子
の殻の体積+中空粒子内の空隙体積(=独立気泡体積)
+中空粒子間の空隙体積、で表される。また、表1にお
ける「膨張粒子の使用体積」は、体積膨張前の膨張粒子
を指し、膨張粒子のみならず、該膨張粒子間の空隙を含
む体積を意味し、次式、膨張粒子の使用体積=膨張粒子
の体積+膨張粒子間の空隙、で表される。表1に示すシ
ーラントマトリクス材料の詳細は、表4に示した通りで
ある。
【0100】前記試験用タイヤにおけるリムの内面に、
内圧をモニターするセンサーを組み込んだ。そして、該
センサーが測定した内圧データの信号を一般に使用され
ているテレメーターを用いて電波伝送し、ドラム試験装
置の外部に配置した受信機にて受信しながら内圧の変化
を計測することとした。
【0101】前記リムの内面に、窒素ガスを充填し、内
圧を300kPaに調整した後、直径5.0mm、長さ
50mmの釘10本を、トレッド表面からタイヤ内部に
向けて貫通するまで打ち込んだ。該釘がタイヤに打ち込
まれたままの状態で3.54kNの荷重を負荷しつつ、
90km/hの速度でドラム走行を開始し、ドラム走行
の開始直後からの経過時間とタイヤ内圧を計測した。
尚、内圧が、ドラム走行の開始の際のレベルである30
0kPaに比べ、50kPa以上低下するまで、継続し
て90km/hで走行しつつ内圧を計測し、250kP
aになった時点で試験中止とし走行距離を比較した。ま
た、この時の、釘の残存本数の算出、釘の抜けた痕の観
察を行い、シール性の程度を評価した。結果を表1に示
す。
【0102】
【表1】
【0103】表1中「*1:中空粒子のタイヤ内配置方
法」において、「ア」は、タイヤ内面にシーラント層2
mmゲージを配置し、その上に中空粒子を配置する方法
である。「イ」は、タイヤ内面に、シーラント層1mm
ゲージを配置し、その上に中空粒子を配置し、更に、シ
ーラント層1mmゲージを配置し、更に中空粒子を配置
する方法である。「ウ」は、タイヤ内面に、中空粒子を
添加・分散させたシーラント層2mmゲージを配置する
方法である。
【0104】表1中、「*2:膨張粒子の配置方法」に
おいて、「カ」は、膨張粒子を、中空粒子層に混入させ
る方法であり、「キ」は、膨張粒子を、シーラント層に
混入させる方法であり、「ク」は、中空粒子を添加・分
散させたシーラント層中に、膨張粒子を混入・分散させ
る方法である。
【0105】表1中、「*3:初期タイヤ内圧(kP
a)」においては、窒素ガスをタイヤ内に充填し内圧を
調整した。「*4:内圧が250kPaに低下するまで
の走行距離(km)」は、釘を刺したままドラム走行さ
せ、内圧をモニタリングして測定した。「*5:釘が抜
けた痕のシール性」において、「完全」とは、釘が抜け
た痕の空隙が、完全にシーラント組成物で封止されてお
り、ドラム走行の停止直前でも、内圧が徐々に低下して
おり、安全で更に走行が可能な状態を指す。また「不完
全」とは、釘が抜けた痕が完全には封止されておらず、
徐々に内圧が低下してはいるものの、ドラム走行の停止
直前での内圧低下量が大きく、釘抜けによるシール性が
不完全であるため、更なる追加走行が期待できない状態
を指す。尚、表1中、「シーラントマトリクス材料の配
合成分」における各数値は、質量部を表す。
【0106】
【表2】
【0107】
【表3】
【0108】
【表4】
【0109】表1に示す結果から、本発明のシーラント
組成物を有する本発明のタイヤの場合、比較例のタイヤ
の場合に比し、タイヤの重量増加を伴うことなく、耐久
性、乗り心地性等の性能を維持しつつ、釘による損傷後
にタイヤ内圧の急激な低下を効果的に抑制し、ドライバ
ーが安全かつ確実に緊急対応動作を取る時間が確保され
た上で、走行可能距離を更に伸ばす事が可能であること
がわかる。
【0110】
【発明の効果】本発明によると、従来における前記諸問
題を解決することができ、圧力容器の破裂破損防止用乃
至内圧低下防止用として好適であり、該圧力容器の重量
増加を伴うことなく、該圧力容器が裂傷等の損傷時にお
いて内圧が急激に低下することを効果的に抑制可能なシ
ーラント組成物、並びに、該シーラント組成物を用いた
ことにより、重量増加を伴うことなく、破裂破損乃至急
激な内圧低下を防止可能であり、損傷後の一定期間最低
限の安全性を保つことができる圧力容器、及び、該圧力
容器の重量増加を伴うことなく、耐久性、乗り心地性等
の性能を維持しつつ、損傷後にタイヤ内圧の急激な低下
を効果的に抑制し、ドライバーが安全かつ確実に緊急対
応動作を取ることを可能とする安全なタイヤを提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のシーラント組成物の一例を説
明するための拡大概略図である。
【図2】図2は、本発明のシーラント組成物を圧力容器
(タイヤ)の内表面に配置した状態において、該圧力容
器(タイヤ)に裂傷が生じた際における本発明のシーラ
ント組成物のセルフシール性を説明するための拡大概略
図である。
【図3】図3は、本発明のシーラント組成物を圧力容器
(タイヤ)の内表面に配置した状態において、該圧力容
器(タイヤ)に裂傷が生じた際における本発明のシーラ
ント組成物のセルフシール性を説明するための拡大概略
図である。
【図4】図4は、本発明のシーラント組成物を圧力容器
(タイヤ)の内表面に配置した状態において、該圧力容
器(タイヤ)に裂傷が生じた際における本発明のシーラ
ント組成物のセルフシール性を説明するための拡大概略
図である。
【図5】図5は、本発明のタイヤの一例を説明するため
の一部概略断面図である。
【図6】図6は、本発明のタイヤの他の例を説明するた
めの一部拡大概略図である。
【図7】図7は、本発明のタイヤの他の例を説明するた
めの一部拡大概略図である。
【図8】図8は、本発明のタイヤの他の例を説明するた
めの一部拡大概略図である。
【図9】図9は、本発明のタイヤが通常の走行状態にあ
る場合を説明するための一部断面概略説明図である。
【図10】図10は、本発明のタイヤが段差に乗り上げ
てサイドカットを起こす状態にある場合を説明するため
の一部断面概略説明図である。
【符号の説明】
1 タイヤ 10 シーラント組成物 12 大気圧下での平均嵩比重が0.3以下である
粒子(中空粒子) 12a 樹脂製の殻 12b 独立気泡 13 膨張粒子 13a 樹脂製の殻 13b 発泡剤 14 シーラントマトリクス材料 20 ビードコア 22 ビードフィラー 24 カーカス 26 インナーライナー 28 サイドウォール部 30 ベルト層 32 突起 34 ベーストレッド 36 キャップトレッド 38 ゴム組成物 40 圧力容器(タイヤ) 50 リム 60 地面 62 段差 70 釘
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 9/32 CEQ C08J 9/32 CEQ CER CER // C08L 101:00 C08L 101:00 Fターム(参考) 4F074 AA07 AA08 AA10 AA13 AA26 AA90 AC03 AC32 AD05 AD08 AD11 BA13 BA17 BA19 BA38 BA39 CA29 CB62 CB68 CB84 CB85 DA59 4H017 AA04 AA31 AA39 AB01 AB10 AB17 AC01 AC09 AC13 AC19 AD06 AE01 AE03 AE05

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大気圧下での平均嵩比重が0.3以下で
    ある粒子と、刺激により体積膨張可能な膨張粒子と、シ
    ーラントマトリクス材料とを含有することを特徴とする
    シーラント組成物。
  2. 【請求項2】 膨張粒子が、発泡剤及び該発泡剤の発泡
    により発生する気体を密閉状態で内包する殻を有する請
    求項1に記載のシーラント組成物。
  3. 【請求項3】 刺激が、熱、圧力及び振動の少なくとも
    いずれかである請求項1又は2に記載のシーラント組成
    物。
  4. 【請求項4】 発泡剤が、炭素数3〜6の直鎖状又は分
    岐状の脂肪族炭化水素及びそのフルオロ化物、並びに、
    炭素数3〜6の脂環式炭化水素及びそのフルオロ化物か
    らなる群から選択される少なくとも1種である請求項2
    又は3に記載のシーラント組成物。
  5. 【請求項5】 発泡剤が、熱分解性発泡剤である請求項
    2から4のいずれかに記載のシーラント組成物。
  6. 【請求項6】 発泡剤が、100℃以上で発泡する請求
    項2から5のいずれかに記載のシーラント組成物。
  7. 【請求項7】 発泡剤が、ジニトロソペンタメチレンテ
    トラミン、アゾジカルボンアミド、パラトルエンスルフ
    ォニルヒドラジン及びその誘導体、及びオキシビスベン
    ゼンスルフォニルヒドラジンからなる群から選択される
    少なくとも1種である請求項2から6のいずれかに記載
    のシーラント組成物。
  8. 【請求項8】 殻が、樹脂製である請求項2から7のい
    ずれかに記載のシーラント組成物。
  9. 【請求項9】 大気圧下での平均嵩比重が0.3以下で
    ある粒子が、中空粒子及び孔質粒子から選択される少な
    くとも1種である請求項1から8のいずれかに記載のシ
    ーラント組成物。
  10. 【請求項10】 大気圧下での平均嵩比重が0.3以下
    である粒子が、気泡及び該気泡を密閉状態で内包する樹
    脂製の殻を有する請求項1から9のいずれかに記載のシ
    ーラント組成物。
  11. 【請求項11】 殻が、ポリビニルアルコール樹脂、ポ
    リアクリロニトリル系重合体、ポリアクリル系重合体及
    びポリ塩化ビニリデン系重合体から選択される少なくと
    も1種で形成された請求項2から10のいずれかに記載
    のシーラント組成物。
  12. 【請求項12】 殻が、30℃におけるガス透過係数が
    300×10-12(cc・cm/cm2・s・cmHg)
    以下である請求項2から11のいずれかに記載のシーラ
    ント組成物。
  13. 【請求項13】 大気圧下での平均嵩比重が0.3以下
    である粒子及び膨張粒子が、シーラントマトリクス材料
    中に混合分散された請求項1から12のいずれかに記載
    のシーラント組成物。
  14. 【請求項14】 大気圧下での平均嵩比重が0.3以下
    である粒子が、シーラントマトリクス材料による層に積
    層され積層体を形成し、膨張粒子が、該積層体中に混合
    分散された請求項1から12のいずれかに記載のシーラ
    ント組成物。
  15. 【請求項15】 請求項1から14のいずれかに記載の
    シーラント組成物を有することを特徴する圧力容器。
  16. 【請求項16】 アドバルーン、気球、ゴムボート、ホ
    バークラフト、ラバーダム及びドーム型球状のドームか
    ら選択される請求項15に記載の圧力容器。
  17. 【請求項17】 請求項1から14のいずれかに記載の
    シーラント組成物を有することを特徴するタイヤ。
  18. 【請求項18】 シーラント組成物をインナーライナー
    の露出表面上に有する請求項17に記載のタイヤ。
  19. 【請求項19】 乗用車用タイヤ、トラック用タイヤ、
    バス用タイヤ、モーターサイクル用タイヤ、自転車用タ
    イヤ、建設車両用タイヤ及び航空機用タイヤのいずれか
    である請求項17又は18に記載のタイヤ。
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