JP3621689B2 - タイヤとリムとの組立体および発泡性組成物 - Google Patents

タイヤとリムとの組立体および発泡性組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、外傷を受けた後も通常の走行を可能とするタイヤとリムとの組立体、特にタイヤ受傷後の走行における耐久性および乗り心地性に共に優れ、かつ安全性を高めたタイヤとリムとの組立体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
空気入りタイヤ、例えば乗用車用タイヤにおいては、タイヤ内部にゲージ圧で150kPaから250kPa程度の圧力下に空気を封じ込めて、タイヤのカーカスおよびベルト等のタイヤ骨格部に張力を発生させ、この張力によって、タイヤへの入力に対してタイヤの変形並びにその復元を可能としている。すなわち、タイヤの内圧が所定の範囲に保持されることによって、タイヤの骨格に一定の張力を発生させて、荷重支持機能を付与するとともに、剛性を高めて、駆動、制動および旋回性能などの、車両の走行に必要な基本性能を付与している。
【0003】
ところで、この所定の内圧に保持されたタイヤが外傷を受けると、この外傷を介して空気が外部に漏れ出してタイヤ内圧が大気圧まで減少する、いわゆるパンク状態となるため、タイヤ骨格部に発生させていた張力はほとんど失われることになる。すると、タイヤに所定の内圧が付与されることによって得られる、荷重支持機能や、駆動、制動および旋回性能も失われる結果、そのタイヤを装着した車両は走行不能に陥るのである。
【0004】
そこで、パンク状態においても走行を可能とする、いわゆる安全タイヤについて多くの提案がなされている。例えば、自動車用の空気入り安全タイヤ及びリム組立体としては、二重壁構造を有するもの、タイヤ内に荷重支持装置を配設したもの、タイヤサイド部を補強したものなど種々のタイプのものが提案されている。これらの提案の内、実際に使用されている技術としては、タイヤのサイドウォール部を中心にショルダー部からビ−ド部にかけての内面に比較的硬質のゴムからなるサイド補強層を設けたタイヤがあり、この種のタイヤは主にへん平比が60%以下の、いわゆるランフラットタイヤとして適用されている。
【0005】
しかし、サイド補強層を追加する手法は、タイヤ重量を30%から40%も増加してタイヤの縦ばね定数を上昇するため、転がり抵抗の大幅な悪化とパンク前の通常走行時の乗り心地性低下をまねく不利がある。従って、通常走行時の性能、燃費および環境に悪い影響を与えることから、未だ汎用性に乏しい技術である。
【0006】
一方、タイヤ断面高さの高い、へん平比が60%以上の空気入りタイヤにおいては、比較的高速かつ長距離の走行によるサイドウォール部の発熱を避けるために、リムに中子などの内部支持体を固定してパンク時の荷重を支持する構造とした、ランフラットタイヤが主に適用されている。
【0007】
しかし、パンク後のランフラット時にタイヤと内部支持体との間で発生する、局所的な繰り返し応力にタイヤが耐えることができずに、結果としてパンク後の走行距離は100kmから200km程度に限定されていた。加えて、内部支持体をタイヤ内部に配置してからタイヤをリムに組み付ける作業は、煩雑で長時間を要することも問題であった。この点、リムの幅方向一端側と他端側とのリム径に差を設けて、内部支持体を挿入し易くした工夫も提案されているが、十分な効果は得られていない。
【0008】
なお、内部支持体をそなえるランフラットタイヤのパンク後走行距離を延ばすには、骨格材を追加してタイヤ構造をより重厚にすることが有効であるが、骨格材を追加した分、通常使用時の転がり抵抗や乗り心地性が悪化するため、この手法を採用することは現実的ではない。
【0009】
さらに、これらの従来技術の安全タイヤは、通常のアスファルト路面や、不整地路面等の摩擦係数がある程度高い路面では、パンク後の走行能力をある程度発揮できる。しかしながら、冬期の氷路や雪路に代表される摩擦係数の低い路面では、パンクしたタイヤが駆動輪ではなく遊輪であった場合、大きな欠点を露呈することとなる。すなわち、パンク前の状態では、当然タイヤの撓みが小さく、円に近い形状を保っているため、発進時に駆動輪から発生する駆動力によって車両が動き始めたとき、車両の動きに伴って遊輪が転動を始める。ところが、パンク後の状態では、タイヤの撓みが大きく、円形状からは逸脱した形状となる。遊輪は、ホイールが自ら転動できない、すなわち駆動力を出せない車輪であるため、遊輪の転動は、車両の動きと路面の摩擦係数に依存する事となる。よって摩擦係数の低い路面では、車両が動き始めても、路面の摩擦係数が低いために、パンクにより大きく撓んで円形状から逸脱したタイヤは、接地踏面内で大きな滑りを発生し、転動することなく引きずられながら車両と共に移動することとなる。その理由は、接地踏面内での接地圧力分布が、パンク前の比較的均一な状態に比して、大きな撓み変形と共に極端に不均一になるからである。このような状況は、発進時のみではなく、制動時にも発生する。よって、あらかじめ車両に搭載された機能である摩擦係数の低い路面で安全な走行を補完するための「駆動力調整機能(トラクションコントロールシステム)」や、制動時のタイヤロックを回避する「制動力調整機能(アンチロックブレーキシステム)」などが充分に発揮しないばかりか、誤作動を起こし、車両が制御不能に陥る危険性をはらんでいるのである。特に、前輪が遊輪かつ操舵輪であり、後輪が駆動輪である車両においては、前輪がパンクすると操舵性が極端に低下し、大変危険な状態に陥る事は言うまでもない。
【0010】
また、タイヤとこれに組付けるリムとの組立体の内部空洞へ独立気泡を有する発泡体を充填したタイヤが、例えば特開平6−127207号公報、特開平6−183226号公報、特開平7−186610号公報および特開平8−332805号公報などに記載されている。これらに提案されたタイヤは、主に農耕用タイヤ、ラリー用タイヤ、二輪車用タイヤおよび自転車タイヤなど特殊な、または小型のタイヤに限定されるものである。従って、乗用車用タイヤやトラックおよびバス用タイヤなど、とりわけ転がり抵抗や乗り心地性を重視するタイヤへの適用は未知数であった。そしていずれの発泡体も発泡倍率が低いために、気泡を有する発泡体のわりには重量が大きく、振動乗り心地性や燃費の悪化を避けられない上、その独立気泡内部は大気圧であるため、従来タイヤの高圧空気の代替とするには機能的に不十分であった。
【0011】
さらに、特許第2987076号公報には、発泡体充填材を内周部に挿入したパンクレスタイヤが開示されているが、気泡内圧が大気圧に極めて近いことによる不利に加え、発泡体がウレタン系であるために、ウレタン基の分子間水素結合に起因するエネルギーロスが大きく、自己発熱性が高い。よって、ウレタン発泡体をタイヤ内に充填した場合、タイヤ転動時のくり返し変形により、発泡体が発熱し大幅に耐久性が低下する。また、気泡を独立して形成するのが難しい素材を用いているため、気泡が連通しやすくて気体を保持することが難しく、所望のタイヤ内圧(荷重支持能力又はたわみ抑制能力、以下同様)を得られない不利がある。
【0012】
さらにまた、特開昭48−47002号公報には、独立気泡を主体とする多気泡体の外周をゴムや合成樹脂等の厚さ0.5〜3mmの外包皮膜で一体的に包被密封した膨張圧力気泡体の多数をタイヤ内に充填し、該タイヤを規定内圧に保持した、パンクレスタイヤが提案されている。この技術は、発泡体の気泡内気圧を常圧より高くするために、膨張圧力気泡体となる独立気泡体形成配合原料中の発泡剤配合量をタイヤ内容積に対して、少なくとも同等以上の発生ガスが発生する発泡剤配合量に設定しており、これによって通常の少なくとも空気入りタイヤと同様の性能を目指している。
【0013】
上記技術では、膨張圧力気泡体中の気泡内ガスの散逸を防ぐために、外包皮膜で一体的に包被密封しているが、この外包皮膜の材料として例示されているものは、自動車用チューブまたは該チューブ形成用配合物のような材料のみである。つまり、タイヤチューブ等に用いられる、窒素ガス透過性の低いブチルラバーを主体とした軟質弾性外包皮膜にて包被密封を施し、これらの多数をタイヤ内に充填している。製法としては、軟質弾性外包皮膜として未加硫のタイヤチューブを、膨張圧力気泡体として未加硫の独立気泡体形成配合原料を用い、これらの多数をタイヤとリムの組立体の内部に配置後、加熱により発泡させ、発泡体充填タイヤを得ている。発泡体の膨張によるタイヤ内部の常圧空気は、リムに開けられた排気小孔から自然排気される。
【0014】
ここで、乗用車用タイヤの内圧は、一般的に常温における150〜250kPa程度に設定されるため、上記の発泡体充填タイヤを製造するには、その加硫成形の加熱時(140℃程度)の状態において、絶対圧で上記内圧の約1.5倍程度になっているものと、気体の状態方程式から推定される。ところが、この程度の圧力レベルでは、加硫圧力不足をまねいてブローンが発生するのを避けることは出来ない。このブローン現象を回避するためには、発泡剤配合量を大幅に増加して発泡による発生圧力を高めたり、加熱温度を高める必要がある。しかしながら、発泡剤配合量を増加する手法は、発泡剤配合量の増加により常温時の内圧が300kPaを大きく超えてしまうため、従来の空気入りタイヤの代替品とするのは困難であった。また、加熱温度を高める手法は、熱老化によるタイヤのダメージが大きくなってタイヤの耐久性を大幅に悪化させるため、長期使用における耐久性に問題が生じる。一方、タイヤおよびリム組立体の内部には、軟質弾性外包皮膜に包まれた膨張圧力気泡体が多数配置されているが、上記ブローンが発生した軟質弾性外包皮膜同士の摩擦、タイヤ内面およびリム内面との摩擦等、耐久性面での問題が大きい。以上から上記の問題は、膨張圧力気泡体の形状が一体的なドーナツ形状をとるのとは異なり、分割された多数の膨張圧力気泡体を配置することに起因する大きな欠点とも言える。また、リムに開けられた排気小孔は、膨張圧力気泡体の膨張によるタイヤ内部の常圧空気を自然排気するためには有効であるものの、膨張圧力気泡体中の気泡内ガスの散逸経路となってしまうため、長期間の使用に耐えうるものではない。
【0015】
さらに、軟質弾性外包皮膜として、タイヤチューブ等の、窒素ガス透過性が小さいブチルラバーを主体とした配合組成物を用いているが、ブチルラバーは加硫反応速度が極めて遅いために、反応を完結させるためには、140℃程度の温度では多大なる加熱時間を必要とする。このことは、軟質弾性外包皮膜の架橋密度不足を意味し、軟質弾性外包皮膜の剥離発生の一要因になることはいうまでもない。また、加熱時間の延長は、前述した熱老化によるタイヤのダメージを更に大きくするため、耐久性の低下を避けられず、得策とはいえない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明は、通常走行時における転がり抵抗および乗り心地性を犠牲にすることなしに、タイヤ受傷後のタイヤ内圧低下時にあっても必要とされる距離を安定して走行し得る、タイヤとリムとの組立体について提供することを目的とする。
【0017】
また、この発明の別の目的は、タイヤが新品時から磨耗等による寿命末期までの使用期間にわたり、上記のタイヤ受傷後の性能を確実に発揮させる保証を与えることのできる、上記タイヤとリムとの組立体内側に配置する粒子の素材となる発泡性樹脂組成物について提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、上記の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、受傷後のタイヤ内圧低下時にあっても安定した走行を可能とするためには、外傷によってタイヤ内の気体が漏れ出た際に、その後の走行に必要な最低限のタイヤ内圧を適正な手段にて与えることが有効であることを見出した。
【0019】
すなわち、この発明の要旨構成は、次のとおりである。
(1)タイヤを適用リムに装着し、該タイヤと適用リムとで区画されたタイヤの内部に、樹脂による連続相と独立気泡とからなる略球形状の粒子の多数を、下記の上限値および下限値に従う充填体積量の下に配置し、タイヤとリムとの組立体を下記車両によって指定される内圧に調整した際の粒子の体積が、同粒子の大気圧下での体積の70%以上であることを特徴とするタイヤとリムとの組立体。

充填体積量の上限値:タイヤとリムとの組立体を装着する車両によって指定される内圧に調整されたタイヤとリムとの組立体を当該車両に装着し、車両の各軸にかかる荷重が負荷された際の同組立体の内容積。
充填体積量の下限値:内圧を大気圧に設定したタイヤとリムとの組立体を当該車両に装着し、上記上限値における車両の各軸にかかる荷重の2.0倍の荷重をタイヤとリムとの組立体に負荷した際の同組立体の内容積。
ただし、粒子の充填体積量とは、タイヤとリムとの組立体内部に充填した全粒子の大気圧下での合計体積を指し、粒子周囲の空隙体積を含むものとする。
【0020】
(2)上記(1)において、タイヤとリムとの組立体を車両によって指定される内圧に調整した際の粒子の体積が、同粒子の大気圧下での体積の80%以上であることを特徴とするタイヤとリムとの組立体。
【0021】
(3)上記(1)において、タイヤとリムとの組立体を車両によって指定される内圧に調整した際の粒子の体積が、同粒子の大気圧下での体積の90%以上であることを特徴とするタイヤとリムとの組立体。
【0022】
(4)上記(1)ないし(3)のいずれかにおいて、粒子の連続相が、ポリビニルアルコール樹脂、アクリロニトリル系重合体、アクリル系重合体および塩化ビニリデン系重合体のいずれか少なくとも1種から成ることを特徴とするタイヤとリムとの組立体。
【0023】
(5)上記(1)ないし(4)のいずれかにおいて、粒子の連続相がアクリロニトリル系重合体から成り、該アクリロニトリル系重合体は、アクリロニトリル重合体、アクリロニトリル/メタアクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル/メチルメタクリレート共重合体およびアクリロニトリル/メタアクリロニトリル/メチルメタクリレート3元共重合体から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とするタイヤとリムとの組立体。
【0024】
(6)上記(1)ないし(4)のいずれかにおいて、粒子の連続相がアクリル系重合体から成り、該アクリル系重合体は、メチルメタクリレート樹脂、メチルメタクリレート/アクリロニトリル共重合体、メチルメタクリレート/メタアクリロニトリル共重合体およびメチルメタクリレート/アクリロニトリル/メタアクリロニトリル3元共重合体から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とするタイヤとリムとの組立体。
【0025】
(7)上記(1)ないし(4)のいずれかにおいて、粒子の連続相が塩化ビニリデン系重合体から成り、該塩化ビニリデン系重合体は、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン/メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニリデン/メタアクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル/メタアクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル/メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニリデン/メタアクリロニトリル/メチルメタクリレート共重合体および塩化ビニリデン/アクリロニトリル/メタアクリロニトリル/メチルメタクリレート共重合体から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とするタイヤとリムとの組立体。
【0026】
(8)上記(1)ないし(7)のいずれかにおいて、粒子の気泡内に、窒素、空気、炭素数2から8の直鎖状及び分岐状の脂肪族炭化水素およびそのフルオロ化物、炭素数2から8の脂環式炭化水素およびそのフルオロ化物、そして次の一般式(I):
−O−R−−−− (I)
(式中のRおよびRは、それぞれ独立に炭素数が1から5の一価の炭化水素基であり、該炭化水素基の水素原子の一部をフッ素原子に置き換えても良い)にて表されるエーテル化合物、からなる群の中から選ばれた少なくとも1種の気体を有することを特徴とするタイヤとリムとの組立体。
【0027】
(9)上記(8)において、タイヤの内周面にインナーライナー層を有し、該インナーライナー層30℃におけるガス透過係数が20×10−12(cc・cm/cm・s・cmHg)以下であるタイヤとリムとの組立体。
【0028】
(10)上記(1)ないし(9)のいずれかにおいて、さらにアンチロックブレーキシステムの車輪速度センサーによる車輪速度検知に基づくタイヤ内圧低下警報機能および圧力センサーによるタイヤ内圧の直接測定方式に基づくタイヤ内圧低下警報機能のいずれか一方または両方をそなえるタイヤとリムとの組立体。
【0029】
(11)下記の樹脂(A)と、下記の熱分解性発泡剤(B)および下記の発泡剤(C)のいずれか一方または両方とを含有する発泡性組成物。

(A)ポリビニルアルコール樹脂、アクリロニトリル系重合体、アクリル系重合体および塩化ビニリデン系重合体から選ばれた少なくとも1種
(B)ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾジカルボンアミド、パラトルエンスルフォニルヒドラジンおよびその誘導体、そしてオキシビスベンゼンスルフォニルヒドラジンから選ばれた少なくとも1種
(C)炭素数2から8の直鎖状及び分岐状の脂肪族炭化水素およびそのフルオロ化物、炭素数2から8の脂環式炭化水素およびそのフルオロ化物、そして次の一般式(I):
−O−R−−−− (I)
(式中のRおよびRは、それぞれ独立に炭素数が1から5の一価の炭化水素基であり、該炭化水素基の水素原子の一部をフッ素原子に置き換えても良い)にて表されるエーテル化合物から選ばれた少なくとも1種
【0030】
ここで、本文中で記載する内圧とは、特に記載しない場合はゲージ圧(ゲージに示される圧力)を指す。すなわち、大気圧は、ゲージ圧で0[kPa]で表され、ゲージ圧0[kPa]=絶対圧100[kPa]、なる関係を持つ。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明に従うタイヤとリムの組立体において、その内部に略球形状の粒子を充填した場合について、その幅方向断面を示す図1に基づいて説明する。
すなわち、図示のタイヤとリムの組立体は、タイヤ1を適用リム2に装着し、該タイヤ1と適用リム2とで区画されたタイヤ1の内部に、樹脂による連続相と独立気泡とからなる、略球形状の粒子3の多数を配置して成る。なお、タイヤ1は、各種自動車用タイヤ、例えば乗用車用タイヤなどの一般に従うものであれば、特に構造を限定する必要はない。例えば、図示のタイヤは一般的な自動車用タイヤであり、1対のビード部4間でトロイド状に延びるカーカス5のクラウン部に、その半径方向外側へ順にベルト6およびトレッド7を配置して成る。なお、図において、符号8はインナーライナー層および9は粒子3周囲の空隙である。
【0032】
上記粒子3は、略球形状の樹脂による連続相で囲まれた独立気泡を有する、例えば径が10μmから500μm程度の中空体、あるいは独立気泡による小部屋の多数を含む海綿状構造体である。すなわち、該粒子3は、外部と連通せずに密閉された独立気泡を内包する粒子であり、該独立気泡の数は単数であってもよいし、複数であってもよい。この粒子が独立気泡を有することは、該粒子が独立気泡を密閉状態で内包する樹脂製の殻を有することである。上記の樹脂による連続相とは、この樹脂製の殻を構成する成分組成上の連続相を指す。なお、この樹脂製の殻の組成は後述する。
【0033】
この粒子3の多数個を、下記の上限値および下限値に従う充填体積量の下に、タイヤ内部に配置することによって、タイヤの内圧を部分的に担うと共に、タイヤ受傷時に必要となる必要最低限の内圧が確保される。

充填体積量の上限値:タイヤとリムとの組立体を装着する車両によって指定される内圧に調整されたタイヤとリムとの組立体を当該車両に装着し、車両の各軸にかかる荷重が負荷された際の同組立体の内容積。
充填体積量の下限値:内圧を大気圧に設定したタイヤとリムとの組立体を当該車両に装着し、上記上限値における車両の各軸にかかる荷重の2.0倍の荷重をタイヤとリムとの組立体に負荷した際の同組立体の内容積。
ここで、粒子の充填体積量とは、タイヤとリムとの組立体内部に充填した全粒子の大気圧下での合計体積を指し、粒子周囲の空隙体積を含むものとする。
【0034】
なお、タイヤとリムの組立体内部に配置した全粒子の大気圧下での合計体積は、以下の方法で算出する。まず、該粒子の大気圧下での平均嵩比重を求める。その方法は、例えば大気圧下にて既知体積であるものの重量を測定することにより算出する。ここでは、大気圧下でメスシリンダーに粒子を量りとり、超音波水浴中にて振動を与え、粒子間のパッキングが安定した状態にて、粒子の総体積(粒子周囲の空隙体積を含む)と粒子の総重量とを測定することによって、上記大気圧下での平均嵩比重を算出した。すなわち、粒子の大気圧下での平均嵩比重は、
粒子の大気圧下での平均嵩比重=(粒子の総重量)/(粒子の総体積)
である。
【0035】
次に、タイヤに充填した粒子の総重量を測定し、前記にて算出した該粒子の大気圧下での平均嵩比重で割ることによって、タイヤ内部に配置した全粒子の大気圧下での合計体積を算出することができる。すなわち、
(タイヤ内部に配置した全粒子の大気圧下での合計体積)
=(タイヤに充填した粒子の総重量)/(粒子の大気圧下での平均嵩比重)
【0036】
また、タイヤとリムとの組立体の内容積は、タイヤとリムとによって閉ざされた容積にて定義される。よって、タイヤにリムを組み付けた後、その内部に水等の比重が既知な非圧縮性流体を充填し、その重量増加分からタイヤとリムの組立体の内容積を求めた。
【0037】
さて、上記粒子3の多数個を、上記の体積充填率の下にタイヤ1の内側に配置したタイヤとリムとの組立体にあっては、該タイヤが受傷すると、粒子3とともにタイヤに車両によって指定される内圧を付与していた粒子3相互間の空隙9に存在する気体がタイヤの外側に漏れ出る結果、タイヤとリムとの組立体の内圧はタイヤの外側と同程度の圧力に低下する。そして、この内圧低下の過程において、次の事がタイヤ内で起こっている。
【0038】
まず、タイヤが受傷し内圧が低下し始めると、粒子が受傷部を封止し、急激な内圧低下を抑制する。その一方、タイヤ内圧の低下に伴いタイヤの撓み量は増加し、タイヤとリムとの組立体の内容積が減少する事によって、タイヤとリムとの組立体の内容積が充填した粒子の総体積に近づいてくる。さらにタイヤ内圧が低下すると、タイヤとリムとの組立体の内容積が充填した粒子の総体積とほぼ同等の状態にまで減少する。この状態からは、粒子そのものが直接的に荷重を負担することとなり、その後の走行に必要な最低限のタイヤ撓み量を保持することとなる。一方、上記の車両によって指定される内圧(以下、車両指定内圧という)下で存在していた粒子の独立気泡中の気泡内圧力は、受傷後も上記の車両指定内圧に準じた圧力を保ったまま、言い換えれば、受傷前の粒子総体積を保持したままタイヤとリムとの組立体内に存在する事となる。よって、さらにタイヤが転動する事により、粒子そのものが直接的に荷重を負担しつつ粒子同士が摩擦を引き起こし自己発熱するために、タイヤとリムとの組立体内の粒子の温度が急上昇する。すると、粒子の連続相を形成する樹脂の熱膨張開始温度を越え、粒子の独立気泡中の気泡内圧力が車両指定内圧に準じた圧力であるのに加え、粒子温度の急上昇によりさらに気泡内圧力が上昇しているために、粒子が一気に体積膨張しタイヤ内圧を受傷前に近い状態まで復活させる事ができるのである。
【0039】
上記の状態は、粒子が直接的に荷重を負担することで走行に必要な最低限のタイヤ内圧を与えている状態である。この状態でのタイヤの撓みは比較的小さく、従来技術による安全タイヤに比して円形状を保つ事ができ、よって接地踏面内の接地圧力分布が比較的均一な状態を保つ事ができるために、例えばスタッドレスタイヤなどの冬期路面走行を主体としたタイヤに、上記の中空粒子を充填した本発明のタイヤとリムとの組立体にあっては、タイヤ受傷後であってもスタッドレスタイヤのもつ基本的な性能を低下させる事はない。すなわち、氷雪路等での摩擦係数の低い路面にあっても、駆動性、制動性、旋回性などの操縦性能を悪化させることが少なく、走行不能に陥る事はない。
【0040】
以上の効果は、タイヤの内側に所定の充填体積量の下に粒子を配置することにより得られるから、タイヤ構造自体を規制する必要はなく、汎用のタイヤ、そして汎用のリムを活用して、新たに安全タイヤ及びリム組立体を提供できる。
【0041】
次に、「粒子の充填体積量の上限値を、充填体積量の上限値:タイヤとリムとの組立体を装着する車両によって指定される内圧に調整されたタイヤとリムとの組立体を当該車両に装着し、車両の各軸にかかる荷重が負荷された際の同組立体の内容積」と規定した理由を説明する。この発明では、上述した発現機構によりタイヤ内圧を復活させる。よって、上記した上限値を越える体積の粒子を充填すると、タイヤ受傷前の指定内圧での走行中に粒子同士の摩擦が発生する可能性があり、この摩擦により転がり抵抗を増大させる可能性がある。このことは省燃費の観点から好ましくない。
【0042】
また、「充填体積量の下限値を、内圧を大気圧に設定したタイヤとリムとの組立体を当該車両に装着し、上記上限値における車両の各軸にかかる荷重の2.0倍の荷重をタイヤとリムとの組立体に負荷した際の同組立体の内容積」と規定した理由を説明する。すなわち、この発明では上述した発現機構によりタイヤ内圧を復活させる。よって、上記した下限値に満たない体積の粒子を充填すると、タイヤ内圧が大気圧まで低下しても粒子そのものが直接的に荷重を負担できず、粒子同士の摩擦が引き起こされ難いために、結果としてタイヤ内圧の復活を保証できないのである。
【0043】
以上のように、上記した上限値および下限値に従う充填体積量の下に該粒子を充填することにより、内圧復活機能を確実に発現させることができ、これをもって、タイヤ受傷後の一定距離を安全に走行することが達成される。
なお、粒子の充填体積量の上限値は、その車両の走行条件や、乗車人員、荷物積載量等による使用方法や条件により車両の各軸荷重に適宜対応させれば良い。すなわち、乗車人員や荷物積載量が日々変動する使用状況下においては、上記懸念を鑑み、粒子体積の上限値を下げる事が好ましい。すなわち、車両の各軸にかかる荷重の1.2倍、より好ましくは1.5倍、さらに好ましくは2.0倍の荷重下におけるタイヤとリムの組立体のもつ内容積とする事が好ましい。
【0044】
同様に、粒子の充填体積量の下限値は、以下の理由により好ましい範囲を説明できる。すなわち、タイヤ受傷により内圧が低下し始めた際、上限値に近い充填体積量では、すぐに粒子同士の摩擦が発生し内圧復活する。この状況では、左右輪の車輪速度差が大きくないことや、タイヤ内圧センサーでの直接測定での圧力低下量が大きくないために、タイヤ受傷による内圧低下検知感度が下がり、危険情報をドライバーに適切に知らせる事が出来なくなる恐れがある。一方、該下限値に近い充填体積量では、タイヤ受傷により内圧が低下する際、ある程度大きな内圧低下により撓み量が大きくなるとともにタイヤ内容積も大きく減少し、その後に粒子同士の摩擦が発生し内圧復活に至る事となる。この状況下では、一旦タイヤ内圧が大きく減少するためカーカス等のタイヤ骨格部材の張力も大きく低下する。よって、ごくわずかの時間であるが、内圧が復活するまでの間の低内圧(=低張力)状態において、リムにフィットしていたタイヤのビード部が、リムから外れてしまう懸念がある。よって、このような懸念を回避するためにも、該下限値は高いほうが好ましい。具体的には、該下限値が、該車両の各軸にかかる荷重の2.0倍の荷重下において、タイヤ内圧を大気圧としたときの内容積、好ましくはタイヤ内圧を指定内圧の10%としたときの内容積、さらに好ましくは30%、より好ましくは40%、最も好ましくは50%としたときの内容積である。
【0045】
この発明では、所定の充填体積量の下に粒子をタイヤ内部に配置した後、該粒子周囲の空隙部の圧力が車両指定内圧となるように、空気や窒素等の気体を充填することが肝要である。すなわち、気体を充填し空隙部の圧力を車両指定内圧に設定すると、粒子の内部圧力が空隙部の圧力より小さいために、粒子は体積減少する。この時点での粒子の形状は、略球形状ではなく、球形状から扁平化した歪な形状となっている。この粒子形状が扁平化した歪な状態のまま走行を開始すると、球形状の場合と比べて粒子同士の衝突や、タイヤおよびリム内面との衝突により、粒子が破壊しやすくなる。すなわち、扁平化した歪な形状では、衝突による入力を均一に分散させることができず、耐久性面で大きな不利をもたらすことになる。
【0046】
一方、扁平化した歪な粒子は、その内部圧力と空隙部の圧力との差により体積減少したのち、一定期間粒子周囲の空隙部の圧力を保つことによって、粒子の内部圧力、言い換えれば該粒子内の独立気泡の内部圧力を、空隙部の圧力程度に高めることができる。すなわち、扁平化した粒子は変形させられているため、粒子の殻の部分には元の略球形状に戻ろうとする力が働いている。また、扁平化した粒子中の気体圧力は、空隙気体の圧力よりも低いことから、その圧力差を解消するために、空隙部の気体が粒子内に浸透する。さらに、粒子内の独立気泡中の気体は、発泡剤に起因するガスであるため、空隙部の気体とは異なる場合があり、この場合は、上述した空隙部の気体の粒子内への浸透が、上述の単なる圧力差だけではなく、気体の分圧差に従いながら、その分圧差を解消する方向に気体が浸透していく。
かように、粒子内の独立気泡の気泡圧力は、粒子周囲の空隙圧力に近づきながら、一旦減少した粒子体積を回復していき、粒子形状は扁平化された歪な形状から元の略球形状へと復帰する。
以上の機構と粒子の形状、体積の変化過程に則り、タイヤ内部の空隙部に充填する気体の種類と圧力とを適宜に調節することによって、粒子内の独立気泡の気泡圧力を所定の範囲に設定できる。
【0047】
上記の手法によって粒子内の独立気泡の気泡内圧力を大気圧以上の高い圧力に設定すれば、タイヤ受傷後の上述した内圧復活機能を確実に発現させることができる。また、粒子のまわりに高圧気体が介することになり、通常走行時に粒子が負担する荷重を無視できるほど軽減できるのはもちろんのこと、上述の粒子体積を回復した粒子においては、粒子形状が略球形となるため、タイヤ転動時の繰り返し変形伴って粒子に加わる疲労や破壊も大幅に低減できる結果、粒子の耐久性が損なわれることはない。粒子の耐久性が損なわれない範囲は、所望の車両指定内圧等の高圧下環境のなかで粒子が体積を回復する過程において、大気圧での粒子体積を基準して、その少なくとも70%の体積までは回復することが肝要であり、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上の体積まで回復するとよい。
【0048】
ここで、車両指定内圧下での粒子体積を大気圧での粒子体積の70%以上とするには、上述のように、粒子周囲の空隙圧力を高めた状態に保持したまま適切な時間を経過させれば、粒子体積の回復を図ることができる。あるいは、粒子をタイヤとは別の圧力容器内に充填し、空隙圧力を高く設定した状態において、該圧力容器内に適切な時間保管しておき、体積を回復した状態の粒子を、その周囲の雰囲気と共に、タイヤに充填することによっても、粒子体積を所望の比率に調整することができる。
【0049】
なお、適切な時間は、粒子の殻の部分、すなわち粒子の連続相に対する空隙気体の透過性と、粒子内の気泡中の気体と空隙気体との分圧差とを考慮して、設定すればよい。
【0050】
また、上述した内圧復活機能を確実に発現させるためには、該内圧復活機能が発現する前に、受傷部を確実に封止する事が肝要である。すなわち、受傷部の封止が不完全であると、復活したはずの内圧が受傷部から漏洩してしまう結果、内圧復活により得られた内圧がその後の走行能力に一時的にしか貢献できないために、受傷後の走行性能を保証できなくなる恐れがあるからである。該粒子は、中空構造による低比重かつ弾力性に富んだ粒子であるために、タイヤが受傷し受傷部から粒子周囲の空隙気体が漏洩し始めると、空隙気体の漏洩による流れに乗って即座に受傷部に密集し、受傷部の傷口を瞬時に封止する。以上述べたように、該粒子による受傷部の封止機能は、この発明の内圧復活機能を支える必須機能である。
【0051】
ここで、この発明に従ってタイヤ内部に粒子を配置するに当り、タイヤが損傷した際のタイヤ受傷部の封止機能を高めるために、さらに該粒子の連続層を実質的に膨潤させない液体を加えることにより、該内圧復活機能の発現期間を延ばし、タイヤ受傷後の走行能力を増大させることが可能である。
【0052】
すなわち、該粒子は略球形状であるために流動性が高く、よってタイヤバルブ等の内径の小さい導入口からタイヤとリムとの組立体内部に、容易に充填することができる。その一方、タイヤが受傷したとき、該受傷部からタイヤの外側へ該粒子が吹き出ようとして受傷部内面に集まることになる。しかしながら、受傷部内面からタイヤ外周面までの受傷経路は直線ではなく複雑に入り組んだ形状を呈するため、タイヤ内面傷口から入り込んだ該粒子は、該経路の途上行く手を阻まれる結果、多数の粒子が受傷部内面に圧縮状態で集合することになり、受傷部が暫定的に封止される。ここで、暫定的に封止とは、粒子そのものの漏洩はないが、粒子周囲の空隙気体が徐々に漏洩する状態を指す。
【0053】
その際、タイヤ内部に該粒子と共に液体を添加しておくと、該粒子表面と該液体との親和性および該液体の粘度に基づき、受傷部の圧縮状態の粒子の集合体において、該粒子間の隙間に液体が流れ込み、受傷部を瞬時に埋めることが可能になる。
【0054】
さらに、混合する液体は、粒子に比べて明らかに比重が大きいために、通常の走行下では、タイヤ転動に伴う遠心力により、タイヤトレッド部の内面に多く分布することとなる。このことは、通常走行時よりタイヤトレッド部の内面近傍に比較的大きな集合体となった該粒子が数多く存在している事を示す。よって、タイヤが異物等を踏む事で受傷した場合、比較的多量の液体を介して集合体となった該粒子の多くが、いち早く受傷部を封止する事となり、きわめて有効である。
【0055】
なお、液体を混合した該粒子充填タイヤを得るには、製造上、以下の留意点がある。
すなわち、タイヤに充填する際は、該粒子は流動性の高い状態、言い換えれば液体と混合する前の乾いた状態で充填することが重要である。該粒子は、前述のように液体と混合する事で集合体を形成しやすい特性を持つ。よって、液体と混合した該粒子は、きわめて流動性が低くなりタイヤへの充填が困難になるのである。よって、混合する液体を、充填前のタイヤ内面やリム内面に塗布する方法や、該粒子を充填した後のタイヤとリムの組立体内部に液体を注入する方法が効率的かつ確実である。
【0056】
具体的には、この発明で用いる液体としては、シリコンオイル、及び、エチレングリコール、プロピレングリコールに代表される、脂肪族多価アルコールなどを挙げることができる。
【0057】
ところで、粒子は、比重が極端に小さいが、粒子各々すべてが均一であるわけではなく、比重的に分布を持っている。こういった粒子を比重の観点から大きく二つの成分に分離する尺度として、エタノール(比重:0.79)中で沈殿する成分(比重が0.79以上の粒子)と浮遊する成分(比重が0.79以下の粒子)の分離を試み、サンプルのトータル重量に対する沈殿成分含有率といった定義の下に、各粒子を位置付けた。ここに、沈殿成分含有率といった定義から見出だされた事実は以下の通りである。
【0058】
すなわち、タイヤの内部に配置する粒子のうち、比重0.79以上の粒子の含有率が40mass%以下であることが好ましい。まず、比重0.79以上の粒子の含有率を規定したのは、該比重0.79以上の成分が粒子の耐久性を支配している事が判明したからである。従って、この比重0.79以上の粒子の含有率が40mass%をこえると、タイヤ受傷により粒子周囲の空隙気圧が大気圧となったとき、粒子の破壊が極端に速くなりタイヤが大きく撓んでしまい、サイド部を引きずりながら走行する様態となる為、サイド部が局部的に摩耗してしまい目標距離を達成する以前に、タイヤが破壊してしまう、おそれがある。
【0059】
以上の理由から、比重0.79以上の粒子の含有率を40mass%以下とすることが推奨されるが、さらには該含有率を30mass%以下、20mass%以下、そして10mass%以下とすることが、より好ましい。
【0060】
また、タイヤの受傷後の低内圧状態において、粒子によって必要最低限の内圧を付与するには、粒子の独立気泡内に所定圧力で封入された気体が、粒子外部へ漏れ出ないこと、換言すると、粒子において独立気泡の連続相が気体を透過し難い性質を有することが、肝要である。すなわち、独立気泡のマトリックスとなる粒子の連続相は、ガス透過性の低い材質によること、具体的には、ポリビニルアルコール樹脂、アクリロニトリル系共重合体、アクリル系共重合体、塩化ビニリデン系共重合体、アクリロニトリル/スチレン樹脂(AS)、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエステル樹脂(PET)およびポリスチレン/ポリエチレン共重合体(PS/PE)のいずれか少なくとも1種から成ることが、肝要である。これらの材料は、いずれもタイヤ内で比較的容易に発泡させることができ、タイヤ変形による入力に対して柔軟性を有するため、この発明に特に有効である。
【0061】
とりわけ、粒子の連続相には、ポリビニルアルコール樹脂、アクリロニトリル系重合体、アクリル系重合体および塩化ビニリデン系重合体のいずれかを適用することが好ましい。さらに、アクリロニトリル系重合体としては、アクリロニトリル重合体、アクリロニトリル/メタアクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル/メチルメタクリレート共重合体およびアクリロニトリル/メタアクリロニトリル/メチルメタクリレート3元共重合体から選ばれた少なくとも1種、アクリル系重合体としては、メチルメタクリレート樹脂(MMA)、メチルメタクリレート/アクリロニトリル共重合体(MMA/AN)、メチルメタクリレート/メタアクリロニトリル共重合体(MMA/MAN)およびメチルメタクリレート/アクリロニトリル/メタアクリロニトリル3元共重合体(MMA/AN/MAN)から選ばれた少なくとも1種、そして塩化ビニリデン系重合体としては、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン/メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニリデン/メタアクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル/メタアクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル/メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニリデン/メタアクリロニトリル/メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル/メタアクリロニトリル/メチルメタクリレート共重合体から選ばれた少なくとも1種がそれぞれ有利に適合する。これらの材料は、いずれもガス透過係数が小さくて気体の透過性が低いために、独立気泡内の気体が外部に漏れることはなく、独立気泡内の気圧を保持することができる。
【0062】
さらに、粒子の連続相は、30℃におけるガス透過係数が300×10−12 (cc・cm/cm・s・cmHg)以下、好ましくは30℃におけるガス透過係数が20×10−12(cc・cm/cm・s・cmHg)以下、さらに好ましくは30℃におけるガス透過係数が2×10−12(cc・cm/cm・s・cmHg)以下であることが、推奨される。なぜなら、通常の空気入りタイヤにおけるインナーライナー層のガス透過係数は300×10−12(cc・cm/cm・s・cmHg)以下のレベルにあって十分な内圧保持機能を有している実績を鑑み、粒子の連続相についても、30℃におけるガス透過係数を300×10−12(cc・cm/cm ・s・cmHg)以下とした。ただし、このガス透過係数のレベルでは、3〜6カ月に1度程度の内圧補充が必要であるから、そのメンテナンス性の点からも、20×10−12 (cc・cm/cm・s・cmHg)以下、さらに好ましくは2×10−12(cc・cm/cm・s・cmHg)以下とすることが推奨される。
【0063】
また、粒子の独立気泡を構成する気体としては、窒素、空気、炭素数2から8の直鎖状及び分岐状の脂肪族炭化水素およびそのフルオロ化物、炭素数2から8の脂環式炭化水素およびそのフルオロ化物、そして次の一般式(I):
−O−R−−−− (I)
(式中のRおよびRは、それぞれ独立に炭素数が1から5の一価の炭化水素基であり、該炭化水素基の水素原子の一部をフッ素原子に置き換えても良い)にて表されるエーテル化合物、からなる群の中から選ばれた少なくとも1種が挙げられる。また、タイヤ内に充填する気体は、空気でも良いが、上記粒子中の気体がフルオロ化物でない場合には、安全性の面から酸素を含まない気体、たとえば窒素や不活性ガス等が好ましい。
【0064】
尚、独立気泡を有する粒子とする方法は特に限定されないが、発泡剤を用いることが好ましい。この発泡剤としては、熱分解によって気体を発生する熱分解性発泡剤のほか、高圧圧縮ガス及び液化ガスなどを挙げることができる。
特に、熱分解性発泡剤には窒素を発生させる特徴のあるものが多く、これらによる発泡性樹脂粒子の反応を適宜制御することによって得た粒子は気泡内に窒素を有するものとなる。
【0065】
さらに、粒子を形成する上記樹脂連続相重合の際、高圧下でプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタンおよびシクロオクタン等を液化させ、反応溶媒中に分散させつつ、乳化重合させる手法もあり、これによりプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタンおよびシクロオクタン等のガス成分を液体状態で上記樹脂連続相にて封じ込めた発泡性の樹脂粒子を得ることができ、これをもってタイヤ内に充填し、加熱により粒子とした場合は、気泡内にプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタンおよびシクロオクタンが封入される。なお、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンおよびオクタン、の異性体としては、イソブタン、イソペンタン、ネオペンタン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、メチルヘキサン類、ジメチルペンタン類、トリメチルブタン、メチルヘプタン類、ジメチルヘキサン類およびトリメチルペンタン類等を挙げることができる。
【0066】
また、前記発泡性樹脂粒子の表面に、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、界面活性剤、油剤等を塗布したものを、タイヤ内にて加熱発泡させることにより、目的のタイヤを得ることができる。更に、前記発泡性樹脂粒子をあらかじめ加熱発泡させ、略球形状の粒子とし、これをタイヤとリム組立体内に充填することによっても、目的のタイヤを得ることができる。
【0067】
以上、この発明の効果を述べてきたが、この発明の効果をさらに高める工夫として以下の手法が挙げられる。すなわち、前記の発泡させた略球形状の該粒子に加え、前記発泡性樹脂粒子を一部添加することである。これにより、タイヤ受傷後のこの発明による内圧復活機能をさらに大きく発現させる事ができる。しかしながら、前記発泡性樹脂粒子は、発泡後の該粒子に比して比重が大きくタイヤとリムの組立体としての重量増を招く他に、発泡後の該粒子の耐久性を低下させる要因となることを上述した。よって、両者の背反する特性をうまく活用しうる範囲として、充填した全粒子重量に対する前記発泡性樹脂粒子の含有率を40mass%以下、さらには該含有率を30mass%以下、20mass%以下、そして10mass%以下とすることが好ましい。
【0068】
又、この発明で用いる発泡性の組成物は発泡剤を含むことが好ましい。この発泡としては特に限定されないが、熱分解性発泡剤を用いることが好ましい。熱分解性発泡剤が、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾジカルボンアミド、パラトルエンスルフォニルヒドラジンおよびその誘導体、そしてオキシビスベンゼンスルフォニルヒドラジンを好適に挙げることができる。
【0069】
一方、タイヤは、その内周面にインナーライナー層を有するのが通例であるが、該インナーライナー層が、融点170〜230℃のナイロン樹脂と、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体のハロゲン化物を含むエラストマー成分をゲル化率50〜95%に動的加硫した熱可塑性エラストマー組成物とからなることが、好ましい。なぜなら、従来のブチルゴムを主体とするインナーライナー層と異なり、ナイロン樹脂を連続相とすることによって、ガス透過性が極めて低くなる結果、インナーライナー層の機能を強化できるからである。一方、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体のハロゲン化物を含むエラストマー成分をゲル化率50〜95%に動的加硫した熱可塑性エラストマー組成物とすることによって、柔軟性に富み、かつ耐熱性および耐久性に優れたインナーライナー層が得られる。そして、以上の特徴をインナーライナー層が有することにより、粒子の独立気泡内の気体が気泡内に止まり続けることを容易とする環境を創出できるのである。
【0070】
なお、ゲル化率とは、2軸混練り後のペレット化した配合物をウォーターバス中で8時間アセトンにてソックスレー抽出し、その残渣をさらに8時間n−ヘキサンにてソックスレー抽出することによって、未加硫のエラストマー成分を溶媒で抽出し、アセトンおよびn−ヘキサン抽出物の溶媒乾燥後重量を測定し、下記の式にて算出した値である。

ゲル化率(%)=〔全配合物の重量−{(アセトン抽出量+n−ヘキサン抽出量)−ステアリン酸量}〕/全配合物の重量×100
【0071】
さらに、インナーライナー層は、30℃におけるガス透過係数が20×10−12 (cc・cm/cm・s・cmHg)以下であることが好ましい。なぜなら、粒子から何らかの理由により気泡内のガスが漏出するような場合にあっても、インナーライナー層のガス透過性が十分に低ければ、粒子中の気泡内のガスがタイヤの外側に漏れ出ることは少なくなり、タイヤの内圧を保持するのに有利であるからである。つまり、インナーライナー層のガス透過性は、そのタイヤの圧力容器としての圧力保持性を直接的に決定する要因となるのである。勿論、粒子を形成する連続相のガス透過性が低いことが基本であり、その上でインナーライナー層にガス透過性の低いものを用いることが理想的である。
【0072】
以上の効果は、タイヤの内側に粒子を配置することにより得られるから、タイヤ構造自体を規制する必要はなく、汎用のタイヤ、そして汎用のリムを活用して、新たに安全タイヤ及びリム組立体を提供できる。
【0073】
さらに、この発明のタイヤとリムとの組立体には、アンチロックブレーキシステムの車輪速度センサーによる車輪速度検知に基づくタイヤ内圧低下警報機能および圧力センサーによるタイヤ内圧の直接測定方式に基づくタイヤ内圧低下警報機能のいずれか一方または両方を、付与することができ、安全性をより高めることが可能である。
【0074】
【実施例】
図1に示した構造のタイヤに、表1に示す種々の仕様の粒子を同表に示すように適用し、サイズ175/70R13のタイヤをサイズ5J×13のリムに組み込んだ乗用車用安全タイヤ及びリム組立体を試作した。ここで、タイヤ1は、当該タイヤ種およびサイズの一般的構造に従うものである。なお、表1における、粒子の連続相を構成する組成物の種類は表2に示すとおりであり、この表2に示す気泡ガス成分を封入した樹脂粒子を加熱して発泡させることによって粒子とし、該粒子を表1に示す充填体積量の下でタイヤとリムの組立体内部に装入した。同様にインナーライナー層のゴム種は表3に、それぞれ示すとおりである。
【0075】
次に、前記乗用車タイヤとリムとの組立体に、窒素ガスを充填し内圧を200kPaに調整した。次に、予め後述する調査法により粒子体積回復挙動を調査した上で、目的の粒子体積回復率となるに相当する放置時間を算出し、室温にて内圧を保持して粒子体積を回復させながら、供試タイヤの調製を行った。
【0076】
かくして得られた供試タイヤを、1500ccクラスの乗用車に装着し、通常内圧時の振動及び乗り心地性を専門のドライバーにより10点満点で評価した。その評価結果は、点数の高いほうが優れていることを示している。
【0077】
さらに、上述の各タイヤについて、負荷荷重3.53kNおよび速度90km/hで距離50000kmにわたるドラム走行を実施し、走行による履歴を加えた。その後、1500CCクラスの乗用車を4名乗車相当の積載量に設定後、評価タイヤを左前輪に装着し本車両の左前輪での軸重量を測定した。左前輪の軸重量は3.92kNであった。次に、直径5.0mm、長さ50mmの釘4本を評価タイヤのトレッド表面からタイヤ内部に向けて踏み抜き、タイヤ内圧が大気圧にまで低下するのを確認した後、90km/hの速度でテストコースの周回路を走行させ、タイヤとリムの組立体内の温度と粒子周囲の空隙圧力を連続的に計測し、内圧復活機能の発現状況を調査した。なお、評価を行うタイヤ及びリム組立体のリム内表面には、内圧をモニターする内圧センサーを組み込み、測定した内圧データの信号を一般に使用されているテレメータを用いて電波伝送し、試験車両内部に設置した受信機にて受信しながら内圧の変化を計測した。また、温度は、リム内表面の温度センサーで測定した。これらの調査結果を表1に併記する。
【0078】
また、転がり抵抗は、惰行法にて測定したものであり、タイヤ内圧:170kPa及び荷重:JIS100%荷重及び惰行開始温度:100kmの条件下で試験を行って、惰行するドラムの速度低下曲線からタイヤの転がり抵抗に相当する仕事量を求めた。その測定結果は、比較例1のタイヤの結果を100としたときの指数にて示した。この数値が小さいほど、転がり抵抗が小さいことを示している。これらの調査結果を、表1に併記する。
【0079】
ここで、表2における粒子の熱膨張開始温度の測定、タイヤとリムの組立体の内容積の測定および粒子体積の回復挙動の調査の各方法は、次のとおりである。〔粒子の熱膨張開始温度測定法〕
表2における熱膨張開始温度は、以下に示す条件にて膨張変位量を測定し、その変位量の立ち上がり時の温度とした。
機器:西沢PERKIN−ELMER 7Series
(Thermal Analysis System)
測定条件:昇温速度10℃/min、測定開始温度25℃、測定終 了温度200℃、
測定物理量:加熱による膨張変位量を測定。
この発明に用いた粒子の熱膨張開始温度の測定結果を表2に示す。
【0080】
〔タイヤとリムの組立体の内容積の測定方法〕
タイヤとリムの組立体の内容積測定法を、以下に示す手順によって説明する。
手順1−1:タイヤとリムの組立体に荷重がかからない状態を保持したまま、水などの比重が既知な非圧縮性流体を大気圧充填し、充填後の重量測定によってタイヤとリムの組立体の初期内容積V(リットル)を得る。
以上の手順により、タイヤ内圧が大気圧で無負荷状態におけるタイヤとリムの組立体内容積を決定した。
【0081】
手順2−1:タイヤとリムの組立体に荷重がかからない状態を保持したまま、常温の空気を充填し、所定内圧Pを得る。この時、内圧によりタイヤは拡張し、所定内圧時の内容積Vは、初期内容積Vよりも増加する。
【0082】
手順2−2:タイヤバルブを開放し、排出される空気の大気圧下での体積Vを積算流量計にて測定する。この時、内圧によりVまで拡張していたタイヤは、初期内容積Vまで戻ることになる。なお、積算流量計には、品川精機製 DC DRYガスメーター DC−2C、インテリジェントカウンターSSFを用いた。
【0083】
手順2−3:P×(V+V)=P×V ・・・・・式(1)
式(1)に則り、所定内圧時のタイヤ内容積Vを求める。
ここで、V=タイヤとリムの組立体の初期内容積(リットル)
=大気圧(絶対圧:kPa)
=大気圧下での空気体積 (リットル)
=所定内圧(絶対圧:kPa)
=所定内圧に設定され無荷重時のタイヤとリムの組立体の内容積(リットル)
以上の手順により、各内圧における無負荷時タイヤとリムの組立体内容積を決定した。
【0084】
手順3−1:タイヤとリムの組立体に荷重がかからない状態を保持したまま、常温の空気を充填し、所定内圧Pを得る。
手順3−2:タイヤとリムの組立体を所定荷重にて路面等に押し付け、内圧Pを圧力センサにて測定する。この荷重負荷によりタイヤが撓むため、負荷状態のタイヤとリムの組立体の内容積Vは、無負荷状態のタイヤとリムの組立体の内容積Vよりも減少する。その内容積減少作用により、負荷状態のタイヤ内圧Pは、無負荷状態のタイヤ内圧Pよりも増加する。なお、圧力センサには、コパル電子(株)製のアンプ内臓型圧力トランジューサPA−400−352Gを用いた。
【0085】
手順3−3:P×V=P×V ・・・・・式(2)
手順2−1〜3にて求めた無負荷状態の所定内圧時のタイヤとリムの組立体の内容積V 及び 式(2)に則り、所定荷重時のタイヤとリムの組立体内容積Vを求める。
ここで、P=所定内圧(絶対圧:kPa)
=所定内圧に設定されたタイヤの、無荷重時のタイヤとリムの組立体の内容積 (リットル)
=所定内圧に設定されたタイヤに、所定荷重をかけた時のタイヤ内圧(絶対圧:kPa)
=所定内圧に設定されたタイヤに、所定荷重をかけた時のタイヤとリムの組立体の内容積(リットル)
【0086】
以上の手順により、各内圧における負荷時タイヤとリムの組立体内容積を決定した。上記手順による、各内圧、各荷重下でのタイヤとリムの組立体の内容積測定結果を、表4に示す。
【0087】
〔高圧下での粒子総体積の回復挙動測定〕
内容積が10リットルの透明なアクリル樹脂製の円筒型耐圧容器を準備し、該容器に超音波水浴等で振動を与えながら、この発明の粒子を容器内が一杯になるまで装入する。次いで、大気圧下で容器内側の高さ、つまり粒子で満たされた部分の容器高さ(以下、容器高さとする)を測定した後、該容器と窒素ボンベとを繋ぎ、車両指定内圧に相当する圧力になるまで窒素ガスを充填する。圧力が高まるにつれて容器内の粒子は体積減少して粒子の充填高さが低下する。容器内圧が目標圧力に達したら、超音波水浴等で容器に5分間の振動を与えた後、5分間静置する。そして、容器内の粒子充填高さが安定したところで、その高さ(以下、粒子充填高さとする)を測定し、上記の容器高さに対する粒子充填高さの百分率値を算出する。すなわち、
粒子体積回復率(%)
=(車両指定圧力下での粒子体積/大気圧下の粒子体積)×100
=(設定圧力下での容器内の粒子充填高さ/容器高さ)×100
【0088】
次に、上記の圧力を付与したまま、一定時間置きに、上記粒子充填高さを測り、上記の式による粒子体積回復率の経時変化を記録しておき、体積回復による粒子充填高さが変化しなくなるまで、該測定を継続する。
以上の測定結果を基に、目標とする体積回復率となるまでの時間を割り出し、粒子を充填したタイヤとリムとの組立体に車両指定内圧の窒素ガスを充填した上で、割り出した回復時間に従って、粒子総体積の回復処置を施した。
【0089】
【表1】
Figure 0003621689
【0090】
【表2】
Figure 0003621689
【0091】
【表3】
Figure 0003621689
【0092】
【表4】
Figure 0003621689
【0093】
【発明の効果】
この発明によれば、タイヤ受傷前の通常走行時における転がり抵抗および乗り心地性を犠牲にすることなしに、タイヤ受傷状態にあっても安定した走行を可能とした安全タイヤ及びリム組立体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に従う安全タイヤ及びリム組立体を示すタイヤ幅方向断面図である。
【符号の説明】
1 タイヤ
2 リム
3 粒子
4 ビード部
5 カーカス
6 ベルト
7 トレッド
8 インナーライナー層

Claims (11)

  1. タイヤを適用リムに装着し、該タイヤと適用リムとで区画されたタイヤの内部に、樹脂による連続相と独立気泡とからなる略球形状の粒子の多数を、下記の上限値および下限値に従う充填体積量の下に配置し、タイヤとリムとの組立体を下記車両によって指定される内圧に調整した際の粒子の体積が、同粒子の大気圧下での体積の70%以上であることを特徴とするタイヤとリムとの組立体。

    充填体積量の上限値:タイヤとリムとの組立体を装着する車両によって指定される内圧に調整されたタイヤとリムとの組立体を当該車両に装着し、車両の各軸にかかる荷重が負荷された際の同組立体の内容積。
    充填体積量の下限値:内圧を大気圧に設定したタイヤとリムとの組立体を当該車両に装着し、上記上限値における車両の各軸にかかる荷重の2.0倍の荷重をタイヤとリムとの組立体に負荷した際の同組立体の内容積。
    ただし、粒子の充填体積量とは、タイヤとリムとの組立体内部に充填した全粒子の大気圧下での合計体積を指し、粒子周囲の空隙体積を含むものとする。
  2. 請求項1において、タイヤとリムとの組立体を車両によって指定される内圧に調整した際の粒子の体積が、同粒子の大気圧下での体積の80%以上であることを特徴とするタイヤとリムとの組立体。
  3. 請求項1において、タイヤとリムとの組立体を車両によって指定される内圧に調整した際の粒子の体積が、同粒子の大気圧下での体積の90%以上であることを特徴とするタイヤとリムとの組立体。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、粒子の連続相が、ポリビニルアルコール樹脂、アクリロニトリル系重合体、アクリル系重合体および塩化ビニリデン系重合体のいずれか少なくとも1種から成ることを特徴とするタイヤとリムとの組立体。
  5. 請求項1ないし4のいずれかにおいて、粒子の連続相がアクリロニトリル系重合体から成り、該アクリロニトリル系重合体は、アクリロニトリル重合体、アクリロニトリル/メタアクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル/メチルメタクリレート共重合体およびアクリロニトリル/メタアクリロニトリル/メチルメタクリレート3元共重合体から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とするタイヤとリムとの組立体。
  6. 請求項1ないし4のいずれかにおいて、粒子の連続相がアクリル系重合体から成り、該アクリル系重合体は、メチルメタクリレート樹脂、メチルメタクリレート/アクリロニトリル共重合体、メチルメタクリレート/メタアクリロニトリル共重合体およびメチルメタクリレート/アクリロニトリル/メタアクリロニトリル3元共重合体から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とするタイヤとリムとの組立体。
  7. 請求項1ないし4のいずれかにおいて、粒子の連続相が塩化ビニリデン系重合体から成り、該塩化ビニリデン系重合体は、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン/メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニリデン/メタアクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル/メタアクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル/メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニリデン/メタアクリロニトリル/メチルメタクリレート共重合体および塩化ビニリデン/アクリロニトリル/メタアクリロニトリル/メチルメタクリレート共重合体から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とするタイヤとリムとの組立体。
  8. 請求項1ないし7のいずれかにおいて、粒子の気泡内に、窒素、空気、炭素数2から8の直鎖状及び分岐状の脂肪族炭化水素およびそのフルオロ化物、炭素数2から8の脂環式炭化水素およびそのフルオロ化物、そして次の一般式(I):
    −O−R−−−− (I)
    (式中のRおよびRは、それぞれ独立に炭素数が1から5の一価の炭化水素基であり、該炭化水素基の水素原子の一部をフッ素原子に置き換えても良い)にて表されるエーテル化合物、からなる群の中から選ばれた少なくとも1種の気体を有することを特徴とするタイヤとリムとの組立体。
  9. 請求項8において、タイヤの内周面にインナーライナー層を有し、該インナーライナー層30℃におけるガス透過係数が20×10−12(cc・cm/cm・s・cmHg)以下であるタイヤとリムとの組立体。
  10. 請求項1ないし9のいずれかにおいて、さらにアンチロックブレーキシステムの車輪速度センサーによる車輪速度検知に基づくタイヤ内圧低下警報機能および圧力センサーによるタイヤ内圧の直接測定方式に基づくタイヤ内圧低下警報機能のいずれか一方または両方をそなえるタイヤとリムとの組立体。
  11. 下記の樹脂(A)と、下記の熱分解性発泡剤(B)および下記の発泡剤(C)のいずれか一方または両方とを含有する発泡性組成物。

    (A)ポリビニルアルコール樹脂、アクリロニトリル系重合体、アクリル系重合体および塩化ビニリデン系重合体から選ばれた少なくとも1種
    (B)ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾジカルボンアミド、パラトルエンスルフォニルヒドラジンおよびその誘導体、そしてオキシビスベンゼンスルフォニルヒドラジンから選ばれた少なくとも1種
    (C)炭素数2から8の直鎖状及び分岐状の脂肪族炭化水素およびそのフルオロ化物、炭素数2から8の脂環式炭化水素およびそのフルオロ化物、そして次の一般式(I):
    −O−R−−−− (I)
    (式中のRおよびRは、それぞれ独立に炭素数が1から5の一価の炭化水素基であり、該炭化水素基の水素原子の一部をフッ素原子に置き換えても良い)にて表されるエーテル化合物から選ばれた少なくとも1種
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