JP5916245B2 - 液晶表示装置、光制御フィルム、表示装置 - Google Patents
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Description
本願は、2011年12月27日に、日本に出願された特願2011−284848号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
また、以下の図面を使用した説明において、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
(1)液晶表示装置の概略構成
(1.1)液晶表示装置の全体構成
以下、本発明の第1実施形態について、図1ないし図7Dを用いて説明する。図1は、本実施形態の液晶表示装置を斜め上方(視認側)から見た斜視図である。図2Aおよび図2Bは、本実施形態の液晶表示装置の断面図である。
本実施形態の液晶表示装置1(表示装置)は、図1および図2Aに示すように、バックライト2(光源)と、第1偏光板3と第1位相差板13と液晶層11およびカラーフィルター基板10を挟持する一対のガラス基板4と第2位相差板8と第2偏光板5とを有する液晶パネル6(表示体)と、光制御フィルム7(視野角拡大部材、光拡散部材)と、から構成されている。図1および図2Aおよび図2Bでは、液晶層およびカラーフィルター等を挟持する一対のガラス基板4を模式的に1枚の板状に図示しているが、その詳細な構造については後で図3を用いて説明する。観察者は、光制御フィルム7が配置された図2Aにおける液晶表示装置1の上側から表示を見ることになる。よって、以下の説明では、光制御フィルム7が配置された側を視認側と称し、バックライト2が配置された側を背面側と称する。
以下、液晶パネル6の具体的な構成について説明する。
ここでは、アクティブマトリクス方式の透過型液晶パネルを一例に挙げて説明するが、本発明に適用可能な液晶パネルはアクティブマトリクス方式の透過型液晶パネルに限るものではない。本発明に適用可能な液晶パネルは、例えば半透過型(透過・反射兼用型)液晶パネルや反射型液晶パネルであっても良く、更には、各画素がスイッチング用薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor, 以下、TFTと略記する)を備えていない単純マトリクス方式(パッシブマトリックス方式)の液晶パネルであっても良い。
液晶パネル6は、図3に示すように、スイッチング素子基板としてのTFT基板9と、TFT基板9に対向して配置されたカラーフィルター基板10と、TFT基板9とカラーフィルター基板10との間に挟持された液晶層11と、を有している。液晶層11は、TFT基板9と、カラーフィルター基板10と、TFT基板9とカラーフィルター基板10とを所定の間隔をおいて貼り合わせる枠状のシール部材(図示せず)と、によって囲まれた空間内に封入されている。
ゲート絶縁膜20上には、半導体層15と対向するようにゲート電極16が形成されている。ゲート電極16の材料としては、例えばW(タングステン)/TaN(窒化タンタル)の積層膜、Mo(モリブデン)、Ti(チタン)、Al(アルミニウム)等が用いられる。
図2Aに示すように、バックライト2は、発光ダイオード、冷陰極管等の光源36と、光源36から出射した光を液晶表示パネル4に導く導光板37から成る。導光板37は、液晶表示パネル6に向けて光を出射する出射面と、出射面に対向する裏面とを有し、裏面には複数のプリズムが形成されている(不図示)。裏面のプリズムは、出射面に対して互いに異なる所定の角度で傾斜した2つの傾斜面を有し(不図示)、バックライト2から出射する光は、表示面法線方向における強度が強く、高い指向性を有している。
本実施形態で用いるバックライト2には、光の出射方向を制御して指向性を持たせたバックライト、いわゆる指向性バックライトを用いることが望ましい。後述する光制御フィルム7の光拡散部に対してコリメートまたは略コリメートした光を入射させるような指向性バックライトを用いることでボヤケを少なくし、さらに光の利用効率を高めることができる。上記の指向性バックライトの輝度分布については、後述する。
以下、光制御フィルム7について詳細に説明する。
光制御フィルム7は、図1および図2Aに示すように、透明基材39と、透明基材39の一面(視認側と反対側の面)に形成された複数の遮光部40と、透明基材39の一面に形成された光拡散層41(光透過性材料層)と、から構成されている。この光制御フィルム7は、図2Aに示すように、光拡散層41が設けられた側を第2偏光板5に向け、透明基材39の側を視認側に向けた姿勢で第2偏光板5上に粘着層42により固定されている。
したがって、透明基材39には、樹脂製の基材の他、ガラス製の基材等を用いても良い。また、透明基材39の全光線透過率は、JIS K7361−1の規定で90%以上が好ましい。全光線透過率が90%以上であると、十分な透明性が得られる。本実施形態では、一例として厚さが100μmの透明樹脂製基材を用いる。
図4Aに示すように、本実施形態では、光制御フィルム7をz軸方向から見たときの遮光部40の平面形状が、例えば楕円形で代表されるような上下左右に非対称のドット形状に形成されている。すなわち、図中の実線で示した方位角0度−180度方向の遮光層幅が広く、図中の点線で示した方位角90度−270度方向の遮光層幅が狭いドット形状となっている(図4A参照)。
非対称のドット径としては、特に一定の大きさに限定されるものではなく、様々な大きさのドット径の形状が混在していても良い。更に、その配置は規則的な配置に限定されるものではなく、周期的な配置に限定されるものでもない。また、各遮光部40のドットは重なって形成されていても良い。
また、光拡散層41の全光線透過率は、JIS K7361−1の規定で90%以上が好ましい。全光線透過率が90%以上であると、十分な透明性が得られる。光拡散層41の層厚は遮光部40の厚さよりも十分大きく設定されている。本実施形態の場合、光拡散層41の層厚は一例として25μm程度であり、遮光部40の層厚は一例として150nm程度である。
なお、本発明において、低屈折率材料が存在しているとは、光を全反射可能にするため、光拡散部44の周囲を低屈折率状態とすることを示している。そのため、中空部43には、空気に代えて、窒素等の不活性ガスが充填されている状態も含むものとする。
もしくは、中空部43の内部が真空状態や大気よりも減圧状態であっても良い。
図6Aは、本実施例に用いた異方的な指向性バックライト2の輝度分布を示している。すなわち、極角方向は外側から中心に向かうにしたがって輝度が高く、かつ、図中に実線で示した方位角0度−180度よりも図中に点線で示した方位角90度−270度の方位が出射する光量が少ない。また、図6Bは、係る指向性バックライト2の輝度分布を極座標図として示している。図中の実線で示した方位角0度−180度方向では略対称な輝度分布であるのに対し、図中点線で示した方位角90度−270度方向では非対称となっており、方位角90度の方位が方位角270度の方位よりも出射する光量が少ない。
次に、上記構成の液晶表示装置1を構成する光制御フィルム7の製造工程を中心に、その製造方法について説明する。
液晶パネル6の製造工程の概略を先に説明すると、最初に、TFT基板9とカラーフィルター基板10をそれぞれ作製する。その後、TFT基板9のTFT19が形成された側の面とカラーフィルター基板10のカラーフィルター31が形成された側の面とを対向させて配置し、TFT基板9とカラーフィルター基板10とをシール部材を介して貼り合わせる。その後、TFT基板9とカラーフィルター基板10とシール部材とによって囲まれた空間内に液晶を注入する。そして、このようにしてできた液晶パネルの両面に、光学接着剤等を用いて第1位相差板13、第1偏光板3、第2位相差板8、第2偏光板5をそれぞれ貼り合わせる。以上の工程を経て、液晶パネル6が完成する。
なお、TFT基板9やカラーフィルター基板10の製造方法は常法によれば良く、その説明を省略する。
次いで、上記の塗膜45を形成した基材39をホットプレート上に載置し、温度90℃で塗膜45のプリベークを行う。これにより、ブラックネガレジスト中の溶媒が揮発する。
複数の開口パターン46は全て楕円形のパターンであり、その長径と短径は様々の大きさから構成されている。隣接する開口パターン46間の間隔(ピッチ)も、その配置は規則的ではなく、周期的な配置でもないが、開口パターン46の間隔(ピッチ)は液晶パネル6の画素の間隔(ピッチ、例えば150μm)よりも小さいことが望ましい。これにより、画素内に少なくとも1つの遮光部40が形成されるので、例えばモバイル機器等に用いる画素ピッチが小さい液晶パネルと組み合わせたときに広視野角化を図ることができる。
次いで、上記の塗膜48を形成した基材39をホットプレート上に載置し、温度95℃で塗膜48のプリベークを行う。これにより、透明ネガレジスト中の溶媒が揮発する。
その後、上記の塗膜48を形成した基材39をホットプレート上に載置し、温度95℃で塗膜48のポストエクスポージャーベイク(PEB)を行う。
なお、露光装置から出射された平行光を光Fとして基材39に照射する手段の一つとして、例えば露光装置から出射された光の光路上にヘイズ50程度の拡散板を配置し、拡散板を介して光を照射する。
以上の工程により、本実施形態の液晶表示装置1が完成する。
本実施形態の光制御フィルム7の視野角拡大効果について、図4A、図4B、図4C、図4D、図6A、および図4Bを用いて説明する。
図4Aに示すように、本実施形態では、光制御フィルム7をz軸方向から見たときの遮光部40の平面形状が、例えば楕円形で代表されるような上下左右に非対称のドット形状に形成されている。すなわち、図中の実線で示した方位角0度−180度方向の遮光層幅が広く、図中の点線で示した方位角90度−270度方向の遮光層幅が狭いドット形状となっている(図4A参照)。
また、遮光部40は一定の大きさに限定されるものではなく、様々な大きさのドット径の形状が混在している。更に、その配置は一定の規則性や周期性をもったものではなく、ランダムである。そのため、光制御フィルム7を断面方向で見た場合は、方位角0度−180度方向は光拡散部44の側面積(図4B参照)が、方位角90度−270度方向の光拡散部44の側面積(図4C参照)よりも小さくなっている。
そこで、バックライトの指向性が高い方位角90度−270度方位と、光制御フィルムの拡散が強い方位である方位角90度−270度方位とを組み合わせることで、方位角90度−270度方向に視野角拡大効果が大きい液晶表示装置を実現することが可能となる。
以下、本発明の第2実施形態について、図8Aおよび図8Bを用いて説明する。
本実施形態の液晶表示装置の基本構成は第1実施形態と同一であり、光制御フィルムの遮光部40の配置が第1実施形態と異なる。また、組み合わせる指向性バックライトが第1実施形態と異なり、等方の輝度分布を有している。したがって、本実施形態では、液晶表示装置の基本構成の説明は省略し、光制御フィルム及び指向性バックライトについてのみ説明する。また、図8A、図8B及び以下の説明において、第1実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図8Aに示すように、本実施形態では、光制御フィルム50をz軸方向から見たときの遮光部40の平面形状が、第1実施形態と同様に、例えば楕円形で代表されるような上下左右に非対称のドット形状に形成されているが、図中の実線で示した方位角0度−180度方向の遮光層幅が狭く、図中の点線で示した方位角90度−270度方向の遮光層幅が広いドット形状として配置されている。
従って、本実施例に係る光制御フィルム50によれば、方位角0度−180度方向に拡散して出射される光量が多く、方位角90度−270度方向に拡散して出射される光量が少なくなる。つまり、方位によって非対称の光拡散が実現される。
図8Bは、本実施形態において、上述した光制御フィルム50と組み合わされる指向性バックライトの輝度分布を示す。すなわち、極角方向は外側から中心に向かうにしたがって輝度が高く、かつ、図中の実線で示した方位角0度−180度及び図中の点線で示した方位角90度−270度のいずれの方位も略対称な輝度分布を示しており、出射される光量は略均一で等方的である。
本実施形態では、係る等方的な指向性バックライト2に、方位角0度−180度方向に拡散して出射される光量が多く、方位角90度−270度方向に拡散して出射される光量が少なくなる光制御フィルム50を組み合わせて液晶表示装置1を構成することで、方位角0度−180度方向に視野角拡大効果を大きく持たせることができる。
係る液晶表示装置を、例えば、車載用ナビゲーションシステムの情報表示部材に適用することで、画像表示の視野角を拡大し、左右方向からの視認性を向上させることができる。
以下、本発明の第3実施形態について、図9A〜図9Cを用いて説明する。
本実施形態の液晶表示装置の基本構成は第1、第2実施形態と同一であり、光制御フィルムの遮光部の構成が第1、第2実施形態と異なるのみである。したがって、本実施形態では、液晶表示装置の基本構成の説明は省略し、光制御フィルムについてのみ説明する。
また、図9A〜図9C及び以下の説明において、第1、第2実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
第1、第2実施形態では、複数の遮光部40は全て、その長径方向が特定の方位に配置されていた。例えば、第1実施形態では、長径方向が図中の実線で示した方位角0度−180度方向、第2実施形態では、長径方向が図中の点線で示した方位角90度−270度方向に配置されていた。これに対して、本実施形態の光制御フィルム51では、図9Aに示すように、光制御フィルム51をz軸方向から見たときの遮光部40の平面形状が、等方的な円形状及び種々の異方性の方位を持つドット形状として配置されている。
従って、本実施例に係る光制御フィルム51によれば、方位角0度−180度方向に拡散して出射される光量が少なく、方位角90度−270度方向に拡散して出射される光量が多くなる。つまり、方位によって非対称の光拡散が実現される。
なお、図9Cに示すように、遮光部40の平面形状は、周縁部が凹凸した形状、三日月形状などが含まれていても良い。また、遮光部40のドットは重なって形成されていても良い。すなわち、遮光部40の長径方向が、方位角90度−270度方向と直交する割合が光制御フィルム全体として多ければよい。
本実施形態に係る光制御フィルム51を備えた液晶表示装置において、例えば、第1実施形態で説明した、異方的な輝度分布を有した指向性バックライト2を使用した場合であっても、全体として方位角90度−270度方向の視野角の向上を図ることが可能になる。 特に、本実施形態に係る光制御フィルム51は、全体として方位角90度−270度の光拡散量を多くすることができるために、滑らかな視野角変化を得ることができる。
また、第2実施形態で説明した、等方的な輝度分布を有した指向性バックライト2を使用した場合は、更に連続的滑らかな視野角変化を得ることができる。
以下、本発明の第4実施形態について、図10を用いて説明する。
本実施形態の液晶表示装置の基本構成は第1ないし第3実施形態と同一であり、光制御フィルムの遮光部の構成が第1ないし第3実施形態と異なるのみである。したがって、本実施形態では、液晶表示装置の基本構成の説明は省略し、光制御フィルムについてのみ説明する。
また、図10及び以下の説明において、第1ないし第3実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
第1、第2実施形態では、複数の遮光部40は全て、その長径方向が特定の方位に配置されていた。特に、第3実施形態においては、光制御フィルム51をz軸方向から見たときの遮光部40の平面形状が、等方的な円形状及び種々の異方性の方位を持つドット形状として配置され、遮光部40の長径方向が、方位角90度−270度方向と直交する割合が光制御フィルム全体として多い配置とされている(図9A参照)。
従って、本実施例に係る光制御フィルム52によれば、全体として方位角0度−180度方向に拡散して出射される光量が少なく、方位角90度−270度方向に拡散して出射される光量が多くなる。つまり、方位によって非対称の光拡散が実現される。
本実施形態に係る光制御フィルム52を備える液晶表示装置において、第3実施形態と同様に、例えば、第1実施形態で説明した、異方的な輝度分布を有した指向性バックライト2を使用した場合であっても、全体として方位角90度−270度方向の視野角の向上を図ることが可能になる。特に、本実施形態に係る光制御フィルム52は、全体として方位角90度−270度の光拡散量を多くすることができるために、滑らかな視野角変化を得ることができる。
また同様に、第2実施形態で説明した、等方的な輝度分布を有した指向性バックライト2を使用した場合は、更に連続的滑らかな視野角変化を得ることができる。
以下、本発明の第5実施形態について、図11A及び図11Bを用いて説明する。
本実施形態の液晶表示装置の基本構成は第1ないし第4実施形態と同一であり、光制御フィルムの遮光部の構成が第1ないし第4実施形態と異なるのみである。したがって、本実施形態では、液晶表示装置の基本構成の説明は省略し、光制御フィルムについてのみ説明する。
また、図11A、図11B及び以下の説明において、第1ないし第4実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施形態の光制御フィルム53では、図11Aに示すように、光制御フィルム53をz軸方向から見たときの遮光部40の平面形状が、半円形状のドット形状として配置されている。
従って、本実施形態に係る光制御フィルム53によれば、全体として図中の実線で示した方位角0度−180度方向は、等方的に拡散して出射される光量が少なく、図中の点線で示した方位角270度方向のみが拡散して出射される光量が多くなる。つまり、方位角270度方向の指向性が高い非対称の光拡散が実現される。
なお、遮光部40の平面形状は、半円形上に限定されず、方位角270度方向が直線のドット形状であれば、例えば、半楕円形状であっても良い。
本実施形態に係る光制御フィルム53を備える液晶表示装置において、例えば、第1実施形態で説明した、異方的な輝度分布を有した指向性バックライト2を使用した場合であっても、遮光部40の直線部と直交する方向、すなわち、方位角270度という特定方向の視野角の向上を図ることが可能になる。
また同様に、第2実施形態で説明した、等方的な輝度分布を有した指向性バックライト2を使用した場合も、方位角270度という特定方向の視野角の向上を図ることが可能になる。
図11Bに、本実施形態に係る光制御フィルムの変形例を示す。光制御フィルム54をz軸方向から見たときの遮光部40の平面形状が、半円形状のドット形状として配置されているが、遮光部40の直線部が必ずしも方位角270度の方位と直交していない点で図11Aに示した実施形態と異なり、遮光部40の直線部が、全体として方位角270度の方位と直交する割合が多い配置となっている。
従って、図12Aないし図15及び以下の説明において、第1実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
(1)光制御フィルムの構成
図12Aに示すように、本実施形態では、光制御フィルム60をz軸方向から見たときの光拡散部44の平面形状が、例えば楕円形で代表されるような上下左右に非対称の形状の開口部として独立して配置されている。
そのため、光制御フィルム60を断面方向で見た場合は、図12A中の実線で示した方位角0度−180度方向は光拡散部の側面積(図12B参照)が、図12A中の点線で示した方位角90度−270度方向の光拡散部の側面積(図12C参照)よりも小さくなっている。従って、本実施例に係る光制御フィルム60によれば、方位角0度−180度方向に拡散して出射される光量が少なく、方位角90度−270度方向に拡散して出射される光量が多くなる。つまり、方位によって非対称の光拡散が実現される。
なお、光拡散部44の平面形状は、円形、多角形、半円等の形状が含まれていても良い。また、光拡散部44の開口部同士が重なって形成されていても良い。
本実施形態に係る光制御フィルム60によれば、方位角0度−180度方向に拡散して出射される光量が少なく、方位角90度−270度方向に拡散して出射される光量が多くなる。つまり、方位によって非対称の光拡散が実現される。
一方、本実施例に用いた指向性バックライト2の輝度分布として、極角方向は外側から中心に向かうにしたがって輝度が高く、かつ、方位角0度−180度よりも方位角90度−270度のほうが出射する光量が少ない場合は、方位角90度−270度方向は、指向性が強いため、液晶パネル6を通過後、強く拡散させる必要がある(図6A、図6B参照)。
(1)光制御フィルムの構成
以下、本発明の第7実施形態について、図13A及び図13Bを用いて説明する。
図13Aに示すように、本実施形態では、光制御フィルム61をz軸方向から見たときの光拡散部44の平面形状が、等方的な円形状及び種々の異方性の方位を持つドット形状を含み、図中の実線で示した方位角0度−180度方向の開口部が長く、図中の点線で示した方位角90度−270度方向の開口部が短い形状として配置されている。
そのため、光制御フィルム61を断面方向で見た場合は、第6実施形態と同様に方位角0度−180度方向は光拡散部の側面積(図12B参照)が、方位角90度−270度方向の光拡散部の側面積(図12C参照)よりも小さくなっている。従って、本実施例に係る光制御フィルム61によれば、方位角0度−180度方向に拡散して出射される光量が少なく、方位角90度−270度方向に拡散して出射される光量が多くなる。つまり、方位によって非対称の光拡散が実現される。
本実施形態に係る光制御フィルム61を備えた液晶表示装置において、例えば、第1実施形態で説明した、異方的な輝度分布を有した指向性バックライト2を使用した場合であっても、全体として方位角90度−270度方向の視野角の向上を図ることが可能になる。 特に、本実施形態に係る光制御フィルムは、全体として方位角90度−270度の光拡散量を多くすることができるために、滑らかな視野角変化を得ることができる。
また、第2実施形態で説明した、等方的な輝度分布を有した指向性バックライト2を使用した場合は、更に連続的滑らかな視野角変化を得ることができる。
(1)光制御フィルムの構成
以下、本発明の第8実施形態について、図14を用いて説明する。
本実施形態の光制御フィルム62では、図14に示すように、光制御フィルム62をz軸方向から見たときの光拡散部44の平面形状が、多角形のドット形状を有する開口部として独立して配置されている。また、各開口部は、例えば図中の実線で示した方位角0度−180度の方向に対して、回転して、かつ非周期的に配置されているが、全体としては、方位角0度−180度方向の開口部が長く、図中の点線で示した方位角90度−270度方向の開口部が短く配置されている。
なお、光拡散部44の開口部は重なって形成されていても良い。また、必ずしも全ての開口部の長径方向が、方位角0度−180度方向である必要は無く、開口部形状の全体として、開口部の長径方向が方位角90度−270度方位と直交する割合が多ければ良い。
本実施形態に係る光制御フィルム62を備える液晶表示装置において、第7実施形態と同様に、例えば、第1実施形態で説明した、異方的な輝度分布を有した指向性バックライト2を使用した場合であっても、全体として方位角90度−270度方向の視野角の向上を図ることが可能になる。特に、本実施形態に係る光制御フィルム62は、全体として方位角90度−270度の光拡散量を多くすることができるために、滑らかな視野角変化を得ることができる。
また同様に、第2実施形態で説明した、等方的な輝度分布を有した指向性バックライト2を使用した場合は、更に連続的滑らかな視野角変化を得ることができる。
(1)光制御フィルムの構成
以下、本発明の第9実施形態について、図15を用いて説明する。
本実施形態の光制御フィルム63では、図15に示すように、光制御フィルム63をz軸方向から見たときの光拡散部44の平面形状が、半円形状のドット形状を有する開口部として独立して配置されているが、開口部の直線部は必ずしも方位角270度の方位と直交していない。すなわち、開口部の直線部が、全体として方位角270度の方位と直交する割合が多い配置となっている。
なお、光拡散部44の開口部としての半円形形状は、半楕円形状や扇形状であっても良い。また、開口部同士が重なっていても良く、開口部の直線部が方位角90度の方位である光拡散部が含まれていても、光拡散部44の開口部の全体平均として、開口部の直線部が方位角270度の方位と直交する割合が多い配置であれば良い。
本実施形態に係る光制御フィルム63は、特に直線部と円形部とから形成されている開口部を備えているために、直線部と直交方位への光拡散が強くなる。従って、本実施形態に係る光制御フィルム63を備える液晶表示装置において、例えば、第1実施形態で説明した、異方的な輝度分布を有した指向性バックライト2を使用した場合であっても、全体として方位角270度方向の視野角の向上を図ることが可能になる。特に、本実施形態に係る光制御フィルムは、全体として方位角270度の光拡散量を多くすることができるために、滑らかな視野角変化を得ることができる。
Claims (12)
- 光透過性を有する基材と、
前記基材の一面に点在して形成されかつ非周期的に配置された複数の遮光層と、
前記基材の一面において前記遮光層の形成領域以外の領域に形成された光拡散部と、 を備え、
前記光拡散部の層厚が、前記遮光層の厚さよりも大きく、
前記光拡散部が、前記基材側に光出射端面を有するとともに前記基材側と反対側に前記光出射端面の面積よりも大きい面積の光入射端面を有し、
前記光拡散部間隙に前記光拡散部の屈折率よりも低い屈折率を有する空気又は不活性ガスが存在し、
前記透明基材の一面の法線方向から見た平面的な形状が等方性形状をなす前記遮光層と、少なくとも長軸と短軸とを有している異方形状をなす前記遮光層と、が混在していることを特徴とする光制御フィルム。 - 前記透明基材の一面の法線方向から見た前記遮光層の平面的な形状が、多角形で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光制御フィルム。
- 前記透明基材の一面の法線方向から見た前記遮光層の平面的な形状が、曲線と直線とからなる形状で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光制御フィルム。
- 光透過性を有する基材と、
前記基材の一面に形成されかつ非周期的に配置された複数の光拡散部と、
前記基材の一面において前記光拡散部の形成領域以外の領域に形成された遮光層と、 を備え、
前記光拡散部の層厚が、前記遮光層の厚さよりも大きく、
前記光拡散部が、前記基材側に光出射端面を有するとともに前記基材側と反対側に前記光出射端面の面積よりも大きい面積の光入射端面を有し、
前記光拡散部間隙に前記光拡散部の屈折率よりも低い屈折率を有する空気又は不活性ガスが存在し、
前記透明基材の一面の法線方向から見た平面的な形状が等方性形状をなす前記光拡散部と、少なくとも長軸と短軸とを有している異方形状をなす前記光拡散部と、が混在していることを特徴とする光制御フィルム。 - 前記透明基材の一面の法線方向から見た前記光拡散部の平面的な形状が、多角形で形成されていることを特徴とする請求項4に記載の光制御フィルム。
- 前記透明基材の一面の法線方向から見た前記光拡散部の平面的な形状が、曲線と直線とからなる形状で形成されていることを特徴とする請求項4に記載の光制御フィルム。
- 前記光拡散部よりも視認側の一面に光散乱体を含む光拡散層が配置されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光制御フィルム。
- 前記遮光層が光吸収性顔料、光吸収性染料、カーボンブラックの少なくとも一つを含有する黒色樹脂、または金属、もしくは金属酸化物の多層膜からなることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光制御フィルム。
- 前記光拡散部の間隙と前記光拡散部との界面が、傾斜角度が連続的に変化する、断面形状が曲線状の傾斜面であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光制御フィルム。
- 前記光拡散部の間隙と前記光拡散部との界面が、複数の異なる傾斜角度を有する、断面形状が折れ線状の傾斜面であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光制御フィルム。
- 請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の光制御フィルムを用いたことを特徴とする表示装置。
- 請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の光制御フィルムを用いたことを特徴とする液晶表示装置。
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