JP5916094B2 - 内燃機関の燃焼制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車エンジンなどの内燃機関の燃焼制御装置に関し、特に、EGR制御などによってイオン信号が低レベル化しても、ノイズの影響を排除して確実にノッキングを検出できる燃焼制御装置に関する。
一般に、内燃機関のノッキング(以下ノックと略す)とは、混合気の自然発火(プレ・イグニッション)によって発生した爆発と、点火プラグによって発生した爆発とがぶつかり合い、衝撃波を発生する異常状態を意味する。そして、このような異常状態を素早く解消して内燃機関を保護する燃焼制御が必要であり、混合気の燃焼時に発生するイオンに基づいて、ノック発生を検出することが考えられる。
すなわち、内燃機関が正常に燃焼している場合には、イオン信号は第一ピークを示した後、上死点TDCの手前で減少して再び増加し、燃焼圧が最大となるクランク角の近傍で、サーマルイオンの挙動に対応して第二ピークを示すので、例えば、この第二ピークに着目してノック発生を検出することが考えられる。
かかる観点から本発明者が検討を繰り返したところ、ノック発生の有無に拘らず、一般に、イオン波形の振動成分の強度は、ノック強度だけでなくイオン濃度やイオン電流の増幅率等に影響を受けることが明らかとなった。
そこで、ノック強度に関係の無いイオン濃度や増幅率等の影響を排除すべく、イオン信号の振幅積分値を、イオンピーク値で補正するのが好適であると考えられる。
しかし、例えば、低公害化や燃費向上のために実行されるEGR(Exhaust Gas Recirculation)制御時において、EGR量を増加したような場合には、燃焼温度が低下することに対応して、イオン波形も低レベル化するので、このような場合には、第二ピーク位置を読み違える可能性もあり、このような場合、イオンピーク値での補正ではノック判定では正確性を欠くおそれがある。
また、ノック信号との区別が困難なコロナノイズが発生することがあり、このようなノイズを確実に排除できる手法も望まれるところである。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、イオン波形が低レベル化しても、また、イオン波形にノイズが重畳しても、確実にノック判定ができる燃焼制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、一次コイルと二次コイルとを有する点火コイルと、前記一次コイルの通電を制御するスイッチング素子と、前記スイッチング素子に点火信号を供給してON/OFF動作させる制御装置と、前記二次コイルの誘起電圧を受けて放電動作をする点火プラグと、内燃機関の燃焼状態を示すイオン電流に比例した検出信号を出力するイオン電流検出回路と、を有して構成され、前記制御装置は、前記スイッチング素子がOFF状態である所定のデータ解析区間の検出信号について、ノック周波数帯域を通過域とするノックBPF処理を実行する第一抽出手段と、前記所定のデータ解析区間の検出信号について、ノック周波数帯域を遮断域とするノイズBPF処理を実行する第二抽出手段と、前記ノックBPF処理後のデータと前記ノイズBPF処理後のデータとに基づいて、判定用抽出値Yを算出する第一算出手段と、前記所定のデータ解析区間の検出信号について、時間軸上の信号累積値Xを算出する第二算出手段と、ノック発生時における判定用抽出値の最低値であって、予め実験的に特定された最低抽出値Y0と、最低抽出値Y0に対応するノック発生時における信号累積値Xとを規定する判定式Y0=f(X)に基づいて、第一算出手段が算出した判定用抽出値Yが、第二算出手段が算出した信号累積値Xに対応する最低抽出値Y0を超えるか否かを評価してノック発生を判定するノック判定手段と、を設け、前記判定式Y0=f(X)は、信号累積値Xの増加に対応して、最低抽出値Y0が必ず増加する右肩上りの増加特性を示すことを特徴とする。
本発明では、所定のデータ解析区間の検出信号の信号累積値Xを問題にし、しかも、判定式Y=f(X)が、右肩上りの増加特性を示すので、例え、イオン信号が低レベル化しても、正確にノック判定をすることができる。すなわち、例えば、イオン信号の第二ピーク位置を問題にする場合には、イオン信号が低レベル化した場合には、その位置の誤認によってノック判定の誤認が生じるが、本発明では、信号累積値Xを判定パラメータとするので、イオン信号のレベル降下時にも、ノック判定の精度が維持される。
ここで、前記所定のデータ解析区間は、内燃機関の着火動作が終了して熱発生が本格化したことを示す検出信号の第二ピークの位置と、その後方の領域とを含んで、運転状態毎に予め設定されているのが好ましい。ここで、運転状態は、例えば、エンジンの吸気管圧力と、エンジンの回転数と、EGR制御時のEGR量などで特定される。本発明では、運転状態毎にデータ解析区間(WIN)が規定されているので、その運転状態における標準的な信号累積値X、及び、その運転状態において各種の燃焼状態で発生する信号累積値Xの範囲は、自ずと限定される。
そして、本発明では、ノックが発生しているか否かは、ノックBPF処理後のデータに基づいて算出される判定用抽出値Yが、信号累積値Xから特定される最低抽出値Yを超えるか否かで判定できるよう最低抽出値Yが予め実験的に規定されているので、判定用抽出値Yと、最低抽出値Yとの対比によって簡易にノック判定をすることができる。
判定式Y=f(X)から算出される最低抽出値Yは、信号累積値Xに対応して右肩上りの増加傾向を示すが、より典型的には、一次式Y=A*X+Bで与えられる。判定式Y=f(X)が一次式Y=A*X+Bで与えられる場合には、所定のデータ解析区間に対応して、定数Aと定数Bとを運転状態毎に記憶することができるので、ノック判定精度を更に上げることができる。
図1は、所定の運転状態における燃焼実験結果を例示したものであり、予め固定的に規定されているデータ解析区間WINにおける検出信号の信号累積値X(イオン電流面積)を横軸とし、ノックBPF処理後のデータに基づいて算出される判定用抽出値Yを縦軸にしたXとYの相関関係を示している。ここで、○枠で囲むサンプルは、意図的にノックを発生させたサンプルである。○枠で囲むノック発生時のサンプルから確認される通り、判定用抽出値Yが、一次式Y=A*X+Bより上に位置するか否かで、ノック発生状態か否かを一意的に判定できる。
ところで、EGR制御時においてEGR量を増加させたような場合には、イオン波形が低レベル化するが、そのような場合にも、判定式Y=A*X+Bに基づいて、正確なノック判定が可能となる。すなわち、イオン波形が低レベル化して、検出信号の信号累積値X(イオン電流面積)が低レベルとなっても、判定式Y=A*X+Bから特定される最低抽出値Yも、定数Aが正値であるので、信号累積値Xに対応して低レベルとなるので、正確なノック判定が可能となる。
なお、図2には、イオン波形の終盤に、ノック信号と区別困難なコロナノイズが重畳しているが、このようなノイズの影響を確実に排除するには、第一算出手段は、所定のデータ解析区間の検出信号について、ノック周波数帯域の上側帯域、及び/又は、下側帯域を通過域とするノイズBPF処理を実行した上で、ノックBPF処理後の信号と、ノイズBPF処理後の信号とのレベル差に基づいて、判定用抽出値Yを特定するのが好適である。
この場合、ノックBPF処理後の信号、及び、ノイズBPF処理後の信号は、各々、自己の前後に連続する所定個数の信号値に基づいて平滑化された後に、互いのレベル差が評価されるのが更に好適である。ここで、平滑化処理は、各BPF処理後の信号値を、前記所定個数の信号値の中央値で置き換えるのが好適であり、また、前記中央値は、各BPF処理後の信号値を、その絶対値で評価して抽出されるのが好適である。
各BPF処理は、30次以上65次以下の次数を有するFIRフィルタで構成されるのが好適である。そして、前記所定個数の信号値は、FIRフィルタの次数Mに対して、M*(0.75〜1.25)個の信号値であり、自己の前後の個数が同数であるのが効果的である。また、好ましくは、検出信号は、30kHzより高いサンプリング周波数で取得されるべきである。なお、少なくともEGR制御時には、各手段が機能するよう構成されるのが好適である。
上記した本発明によれば、イオン波形が低レベル化しても、また、イオン波形にノイズが重畳しても、確実にノック判定ができる燃焼制御装置を実現することができる。
ノック判定用の判定式Y=A*X+Bを説明する図面である。 イオン波形の終盤にノック信号と区別困難なコロナノイズが重畳しているイオン波形を例示したものである。 実施例に係る燃焼制御装置の構成を示す回路図である。 燃焼制御装置の動作を説明するタイムチャートである。 燃焼制御装置の動作を説明するフローチャートである。 実施例で使用するBPF処理の周波数特性を説明する図面である。
以下、実施例について更に詳細に説明する。図3は、実施例に係る燃焼制御装置DETを示す回路図であり、図4は、燃焼制御装置DET各部の概略波形を示すタイムチャートである。
図3に示す通り、この燃焼制御装置DETは、内燃機関の電子制御ユニットたるECU(Engine Control Unit)と、一次コイルL1と二次コイルL2からなる点火コイルCLと、ECUから受ける点火パルスPLSに基づく遷移動作によって一次コイルL1の電流ic1をON/OFF制御するスイッチング素子Qと、二次コイルL2の誘起電圧を受けて放電動作をする点火プラグPGと、イオン信号検出回路IONと、を中心に構成されている。
イオン信号検出回路IONの出力電圧Voは、ECUのA/Dコンバータ(不図示)に供給され、デジタルレベルのイオン信号としてECUのメモリに記憶される。ここで、イオン信号検出回路IONの出力電圧Voは、点火パルスPLSの立下りタイミングからイオン電流が消滅するまでのデータ取得区間において取得される。そして、全データが取得された後で、運転状態毎に決定されているデータ解析区間WINにおいて、後述するノックBPF処理やノイズBPF処理が実行される。
そのため、ECUには、解析開始位置Aから解析終了位置Cに至るデータ解析区間WINを、運転状態毎に特定する参照テーブルTBLが設けられている。なお、運転状態は、例えば、エンジンの吸気管圧力と、エンジンの回転数と、EGR制御時のEGR量などで特定され、これらを検索パラメータとして参照テーブルTBLを検索することで、データ解析区間WINが特定される。
内燃機関が正常に燃焼している場合には、イオン電流は第一ピークを示した後、上死点TDCの手前で減少して再び増加し、燃焼圧が最大となるクランク角の近傍で最大となり、イオン電流の第二ピークを示す。ここで、第一ピーク付近の波形は、燃焼開始時のケミカルイオンの挙動を示し、第二ピーク付近の波形は、燃焼開始後の熱発生により発生するサーマルイオンの挙動を示していると思われる。
そこで、本実施例では、解析開始位置Aが、イオン電流の第二ピーク位置の少し手前の位置となるよう、また、解析終了位置Cが、燃焼反応が完了した位置となるよう実験的に特定されて、ECUの参照テーブルTBLに規定されている。
以下、回路構成について詳述すると、スイッチング素子Qは、ここではIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)が使用されている。そして、スイッチング素子Qのコレクタ端子は、一次コイルL1を経由してバッテリ電圧VBを受けており、エミッタ端子は、グランドに接続されている。
イオン信号検出回路IONは、電流検出回路として機能するOPアンプAMPを中心に構成され、コンデンサC1、ツェナーダイオードZD、ダイオードD1,D2、抵抗R1〜R3を有して構成されている。コンデンサC1とツェナーダイオードZDの並列回路によって、イオン電流検出時のバイアス電圧が生成される。
二次コイルL2の高圧端子は、点火プラグPGに接続され、低圧端子は、前記バイアス電圧を生成するコンデンサC1及びツェナーダイオードZDの並列回路に接続されている。そして、コンデンサC1及びツェナーダイオードZDの並列回路は、ダイオードD1を通して、グランドに接続されている。図示の通り、ダイオードD1のカソード端子がグランドに接続されている。
一方、ダイオードD1のアノード端子は、電流制限抵抗R1を経由してOPアンプの反転入力端子(−)に接続されている。そして、OPアンプAMPの反転入力端子(−)と出力端子の間に、電流検出抵抗R2が接続され、出力端子のグランド間には、負荷抵抗R3が接続されている。また、OPアンプの非反転端子(+)は、グランドに接続され、反転端子(−)には、ダイオードD2のカソード端子が接続されている。なお、ダイオードD2のアノード端子はグランドに接続されている。
上記した構成の燃焼制御装置DETでは、タイミングT0において、点火パルスPLSがHレベルからLレベルに変化すると、二次コイルL2に誘起される高電圧によって点火プラグPGが放電する。この放電電流は、点火プラグPG→二次コイルL2→コンデンサC1→ダイオードD1の経路で流れるので、コンデンサC1は、ツェナーダイオードZDの降伏電圧により規定される電圧値に充電される。
点火プラグPGの放電によって燃焼室の混合気が着火されると、その後、急速に燃焼反応が進行するが、イオン電流iは、電流検出抵抗R2→電流制限抵抗R1→コンデンサC1→二次コイルL2→点火プラグPGの経路で流れる。したがって、イオン信号検出回路IONの出力電圧Voは、Vo=R2*iとなり、イオン電流iに比例した値となる。
続いて、燃焼制御装置DETの動作内容について、図5のフローチャートに基づいて説明する。
ECUは、各点火サイクル毎に、点火パルスPLSを立下げて(T0)、一次コイルL1の電流を遮断状態にした後、データ取得区間について、イオン信号検出回路IONの出力電圧Voを、デジタル変換してイオン電流の検出信号SG(i)としてメモリに記憶する(ST1)。
サンプリング周波数は、特に限定されないが、この実施例では、精密なノック判定を実現するべく50kHzに設定されている。なお、データ取得区間は、燃焼反応が確実に完了するタイミングで終了するが、この終期は、運転状態に対応して予め実験的に決定されている。
ステップST1の処理で取得される検出信号SG(i)は、ノック信号が重畳されて異常燃焼状態の挙動を示す場合と、ノック信号が重畳されることなく正常燃焼状態の挙動を示す場合とがある。また、ノック信号とは別に、燃焼状態の適否に拘らず、ノック信号と区別困難なコロナノイズなどが重畳されている場合もある。しかし、本実施例の構成によれば、ノック信号だけを特異的に取得して燃焼状態を正しく判定することができる。
ステップST1の処理が終われば、次に、参照テーブルTBLを参照して、その時々の運転状態に対応する解析区間WIN=[A,C]について、解析開始位置Aと解析終了位置Cを特定し、解析区間WINについて、ノック周波数を通過帯域とするノックBPF処理を実行する(ST2)。
本実施例の場合には、ノック周波数は、予め実験的に8kHzであると特定されており、ノックBPF処理の中心周波数8kHzに対する20%フィルタゲイン位置を、ノックBPF処理の帯域幅と定義すると、帯域幅の設計値は、図6(a)に示す通り、6.5kHz〜9.5kHzの3kHzとなる。なお、実施例では、上記した周波数特性を実現するべく、窓関数法によるフィルタ設計手法をとっており、具体的には、ハミング窓を使用して、53次(=2*X+1)のFIRデジタルフィルタ係数を特定している。このデジタルフィルタは、そのインパルス応答h(n)が、左右対称h{(X+m)}=h{(X−m)}(但し、m=0,1,・・・,X)であり、X=26である。
ステップST2のノックBPF処理が終われば、次に、ノックBPF処理後のデータSG1(i)の絶対値ABS(SG1(i))について、第一平滑化処理としてノック・メディアン処理を実行する(ST3)。本実施例のノック・メディアン処理では、ノックBPF処理後の全てのデータSG1(i)が、所定の時間幅D(自己を含んだ前後28個の時間幅)の絶対値データ列ABS(SG1(i−28))・・・ABS(SG1(i+28))の中央値D1(i)に置き換えられる。
すなわち、本実施例のノック・メディアン処理では、各データSG1(i)に先行する28点と、各データSG1(i)に続く28点と、自己データSG1(i)とを含んだ時間幅Dの57個のデータ(絶対値ABS)の中央値D1(i)が特定され、各データSG1(i)が中央値D1(i)に変換されることで平滑化される。なお、本実施例のサンプリング周期は、20μS(=1/50kHz)であるので、ノック・メディアン処理の時間幅Dは、57×20=1.14mSとなる。
ステップST3の処理が終われば、次に、ノック周波数帯域を減衰帯域とする一方で、ノック周波数帯域の上側領域と下側領域を通過帯域とするノイズBPF処理を実行する(ST4)。図6(a)に示す通り、実施例のノイズBPF処理は、フィルタゲイン=1の中心周波数(5.5kHz、10.5kHz)を2つ設けた双峰特性を有しており、双峰特性の通過帯域の間に、フィルタゲイン20%以下の減衰領域を設けている。
実施例の場合、図1(a)に示す双峰特性の通過帯域は、kHz〜kHzを通過帯域とする下側BPFと、9kHz〜12kHzを通過帯域とする上側BPFとを組合せて構成されて、上側及び下側とも通過帯域幅を3kHzとしている。このような構成を採ることで、図6(b)に示すような、低レベルで広帯域になだらかに延びるスペクトル分布を示すコロナノイズについても、その成分を確実に取得できることになる。
なお、図6(b)に示すスペクトル分布は、多数のコロナノイズの実測データの一例であり、他の実測データは、低レベルで広帯域になだらかに延びる点では共通するものの、具体的なスペクトル形状は全く相違している。したがって、ノック周波数帯域を遮断帯域とすると共にノック周波数帯域の上側帯域と下側帯域とを通過帯域とする本実施例のノイズBPF処理の意義は大きい。
そして、実施例では、図6(a)に示すノイズBPFの周波数特性(双峰特性)を実現するべく、窓関数法によるフィルタ設計手法をとっており、ハミング窓を使用して、53次のFIRデジタルフィルタ係数を特定している。このデジタルフィルタも、そのインパルス応答h(n)が、左右対称h{(X+m)}=h{(X−m)}(但し、m=0,1,・・・,X)であり、X=26である。
以上のノイズBPF処理(ST4)が終われば、続いて、ノイズBPF処理後のデータSG2(i)の絶対値ABS(SG2(i))について、第二平滑化処理としてノイズ・メディアン処理を実行する(ST5)。このノイズ・メディアン処理は、ノック・メディアン処理と類似する手法であり、ノイズBPF処理後の全てのデータSG2(i)が、自己を含んだ前後49個の時間幅Dの絶対値データ列ABS(SG2(i−24))・・・ABS(SG2(i+24))の中央値D2(i)に置き換えられる。
次に、ステップST3のノック・メディアン処理の結果データD1(i)と、ステップST5のノイズ・メディアン処理の結果データD2(i)とを、時間軸上に対比して、D1(i)>D2(i)なる場合には、2つのメディアン処理の結果データの差分値D1(i)−D2(i)を累積して判定用抽出値Yを算出する(ST6)。この累積処理Σ(D1(i)−D2(i))によって、コロナノイズなどの影響が排除されたノック情報として、判定用抽出値Yが算出される。
なお、ノック・メディアン処理及びノイズ・メディアン処理は、何れもBPF処理後のデータの絶対値について実行されているので、累積演算Y=ΣD(i)−D2(i)において、各結果データD1(i),D2(i)は、必ず正の値を示す。
続いて、解析区間[A,C]の検出信号SG(i)について、その、時間軸上の信号累積値X=ΣSG(i)を算出する(ST7)。そして、この信号累積値Xを、予め実験的に特定されている判定式Y=A*X+Bに代入し、代入結果である最低抽出値Yと、ステップST6で算出された判定用抽出値Yとを対比する(ST8)。
ここで、判定式Y=A*X+Bは、信号累積値Xがノック発生を意味しているか否かを実験的に規定した一次式であり、算出される最低抽出値Yは、信号累積値Xについてのノック判定の判定閾値を意味する。なお、判定式A*X+Bにおいて、定数A,Bは、運転状態毎に参照テーブルTBLに記憶されている。
ここで、差分値D1(i)−D2(i)を累積した判定用抽出値Yが、最低抽出値Y(=A*X+B)より大きく、Y>A*X+Bとなる場合にはノック発生と判定される。そして、ノック発生時には、次回の点火サイクルでは点火時期を遅角させるなどの燃焼制御を実行することで内燃機関の破損を防止する(ST10)。
以上の通り、この実施例では、第一平滑化処理と第二平滑化処理の処理結果D1(i),D2(i)の差分値を累積した判定用抽出値Y=Σ(D1(i)−D2(i))を使用することでコロナノイズなどの影響を排除している。また、解析区間[A,C]の検出信号SG(i)を累積して得られる信号累積値Xに対して、ノック発生状態か否かを規定する最低抽出値A*X+Bを実験的に予め規定しているので、イオン信号のレベル低下に拘らず、特異的にノック発生を判定することができる。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、具体的な記載内容は、特に本発明を限定するものではない。例えば、実施例では、イオン信号検出回路として、最も簡易な回路構成を例示したが、より複雑な回路構成と採っても良いのは勿論である。
L1 一次コイル
L2 二次コイル
CL 点火コイル
Q スイッチング素子
ECU 制御装置
PG 点火プラグ
ION イオン信号検出回路
ST2 抽出手段
ST3〜ST6 第一算出手段
ST7 第二算出手段
ST8 ノック判定手段

Claims (11)

  1. 一次コイルと二次コイルとを有する点火コイルと、前記一次コイルの通電を制御するスイッチング素子と、前記スイッチング素子に点火信号を供給してON/OFF動作させる制御装置と、前記二次コイルの誘起電圧を受けて放電動作をする点火プラグと、内燃機関の燃焼状態を示すイオン電流に比例した検出信号を出力するイオン電流検出回路と、を有して構成され、
    前記制御装置は、
    前記スイッチング素子がOFF状態である所定のデータ解析区間の検出信号について、ノック周波数帯域を通過域とするノックBPF処理を実行する第一抽出手段と、
    前記所定のデータ解析区間の検出信号について、ノック周波数帯域を遮断域とするノイズBPF処理を実行する第二抽出手段と
    前記ノックBPF処理後のデータと前記ノイズBPF処理後のデータとに基づいて、判定用抽出値Yを算出する第一算出手段と、
    前記所定のデータ解析区間の検出信号について、時間軸上の信号累積値Xを算出する第二算出手段と、
    ノック発生時における判定用抽出値の最低値であって、予め実験的に特定された最低抽出値Y0と、最低抽出値Y0に対応するノック発生時における信号累積値Xとを規定する判定式Y0=f(X)に基づいて、第一算出手段が算出した判定用抽出値Yが、第二算出手段が算出した信号累積値Xに対応する最低抽出値Y0を超えるか否かを評価してノック発生を判定するノック判定手段と、を設け、
    前記判定式Y0=f(X)は、信号累積値Xの増加に対応して、最低抽出値Y0が必ず増加する右肩上りの増加特性を示すことを特徴とする燃焼制御装置。
  2. 前記所定のデータ解析区間は、内燃機関の着火動作が終了して熱発生が本格化したことを示す検出信号の第二ピークの位置と、その後方の領域とを含んで、運転状態毎に予め設定されている請求項1に記載の燃焼制御装置。
  3. 前記判定式Y0=f(X)は、一次式Y0=A*X+Bで与えられ、前記所定のデータ解析区間に対応して、定数Aと定数Bとが運転状態毎に特定されている請求項1又は2に記載の燃焼制御装置。
  4. 前記第一算出手段は、
    ノックBPF処理後の信号と、ノイズBPF処理後の信号とのレベル差に基づいて、前記判定用抽出値Yを特定する請求項1〜3の何れかに記載の燃焼制御装置。
  5. ノックBPF処理後の信号、及び、ノイズBPF処理後の信号は、各々、自己の前後に連続する所定個数の信号値に基づいて平滑化された後に、互いのレベル差が評価される請求項4に記載の燃焼制御装置。
  6. 前記平滑化処理は、各BPF処理後の信号値を、前記所定個数の信号値の中央値で置き換えることで実現される請求項5に記載の燃焼制御装置。
  7. 前記中央値は、各BPF処理後の信号値を、その絶対値で評価して抽出される請求項6記載の燃焼制御装置。
  8. 前記各BPF処理は、30次以上65次以下の次数を有するFIRフィルタで構成されている請求項4〜7の何れかに記載の燃焼制御装置。
  9. 前記所定個数の信号値は、FIRフィルタの次数Mに対して、M*(0.75〜1.25)個の信号値であり、自己の前後の個数が同数である請求項8に記載の燃焼制御装置。
  10. 前記検出信号は、30kHzより高いサンプリング周波数で取得される請求項1〜9の何れかに記載の燃焼制御装置。
  11. 少なくともEGR制御時には、前記各手段が機能するよう構成されている請求項1〜10の何れかに記載の燃焼制御装置。
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