JP2013096325A - 内燃機関の燃焼制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】擬似ノックと本来のノックとを正確に峻別して最適な燃焼制御を実現できる燃焼制御装置を提供する。
【解決手段】内燃機関の燃焼室に流れるイオン電流に比例した検出信号を出力する信号検出回路DETを有して構成され、点火コイルCLを制御する制御装置ECUは、スイッチング素子がOFF状態である時の検出信号を取得する取得手段ST1と、検出信号を評価して、燃焼室の圧力が最大値であると想定される時間位置と燃焼室が最小容積となる時間位置とのクランク角を特定する特定手段ST3と、検出信号から所定周波数帯域の異常信号成分を抽出する抽出手段ST4と、抽出手段が抽出した異常信号成分と、特定手段が特定したクランク角と、に基づいて遅角制御を含んだ燃焼制御動作を実行する制御手段ST7〜ST8と、を有して構成される。
【選択図】図6

Description

本発明は、自動車エンジンなどの内燃機関の燃焼制御装置に関し、特に、エンジンに大きな悪影響を与える可能性のあるノッキングだけを特異的に検出して適切な制御を実行する燃焼制御装置に関する。
ノッキング(以下、ノックと略す)とは、内燃機関の燃焼室において混合気の異常燃焼によって金属性の打撃音を発する現象を意味する。そして、ほぼ聞き取れない音が数十秒程度の間隔で発生するトレースノック(Trace knock)と、やや聞き取れる程度の音が10秒かそれ以下の間隔で発生するライトノック(light knock)と、明らかな異常音が聞き取れるハードノック(hard knock)とに大別されている。そして、特にハードノックについては、これを放置するとエンジン壁面の疲労劣化が促進されるなど、更なるトラブルに至るので、ノック検出に対応して適切な燃焼制御を実行する必要がある。
そこで、一般には、気筒の異常振動を検出する振動センサが活用されてきた(特許文献1〜特許文献4)。また、混合気の燃焼時に燃焼室に発生するイオン信号に基づいてノック判定することも知られており、出願人も、イオン信号に基づくノック判定の研究を重ねてきた。具体的な燃焼制御としては、所定帯域のBPF処理によってイオン信号からノック信号を抽出し、そのレベルに基づいてノック発生を検出し、ノック発生時には、点火タイミングを遅角させるなどの燃焼制御を実行していた(特許文献5〜特許文献6)。
特開2011−185093号公報 特開2011−174409号公報 特開2011−149354号公報 特開2011−102563号公報 特開2011−140881号公報 特開2011−127562号公報
しかしながら、更に研究を進めると、本来ならノックが発生しない大幅な遅角制御時にも、時として、全く同一周波数帯域の擬似ノック信号を検出することがあった。一般に、遅角制御時には燃焼室の最大圧がそれほど高くないので、余りシビアに対応する必要がないにも拘らず、擬似ノック信号に対して、通常通りの燃焼制御をしたのでは、燃焼性能を著しく劣化されてしまうおそれがある。なお、この擬似ノック信号の問題は、イオン信号に固有の問題ではなく、振動センサからの振動信号や圧力センサからの圧力信号を使用した場合も同様である。
ここで、遅角制御時の遅角量に基づいて、ノック信号か擬似ノック信号かを断定的に区別することも考えられる。しかし、例え、空燃比や遅角量などの制御量が同一であっても、燃焼状態は点火サイクル毎に同一ではなく、燃焼室の最大圧力や最大圧力位置が少なからず変動するので、遅角量に基づく擬似ノック信号の断定は、判定性能として著しく正確性に欠ける。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、擬似ノックと本来のノックとを正確に峻別して最適な燃焼制御を実現できる燃焼制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、意図的にノックを発生させる燃焼実験を繰り返した。具体的には、空燃比(A/F)を理論空燃比(14.7)未満のリッチ状態で種々変化させると共に、各空燃比において点火タイミングの遅角量に段階的に変化させて、ノック信号及び擬似ノック信号を発生させて検討した。
この検討では、燃焼室の圧力センサから得られる圧力パラメータ(BPF出力の積分値)、振動センサから得られる判定パラメータ(BPF出力の積分値)、イオン信号から得られる判定パラメータ(BPF出力の積分値)についても合わせて検討した。なお、ここで、BPFは、ノック信号及び擬似ノック信号の中心周波数として予め特定された7.5kHz程度を中心とするバンドパスフィルタ処理を意味する。
図1は、その一部を整理して示したものであり、遅角量を8段階に変化させ、各遅角量における200回の点火サイクルにおける、圧力パラメータとイオンパラメータとを一枠毎に記載したものである。遅角量は、TDC(上死点)基準で特定されるBTDC(before TDC)であって、0.0CA,2.25CA,4.5CA,6.0CA,6.75CA,7.5CA,8.25CA,9.0CAの8段階であり、サンプル数は、圧力パラメータ及びイオンパラメータとも、8×200個である。図2は、この1600個のサンプルについて、イオン信号の第二ピーク位置PKを、TDC基準で特定されるATDC(after TDC)のクランク角CAで示したものである。ここで、第二ピーク位置とは、点火タイミングから開始して時間軸の二番目に発生するイオン信号の最大位置を意味する。一般に、イオン信号は、点火開始後直ぐに第一ピークを示した後、TDC(上死点)の手前で減少して再び増加し、燃焼圧が最大となるクランク角の近傍で最大となるが、この最大位置が第二ピーク位置である。なお、第一ピーク付近の波形は、燃焼開始時のケミカルイオンの挙動を示し、第二ピーク付近の波形は、燃焼開始後の熱発生により発生するサーマルイオンの挙動を示していると考えられる。
ところで、図3は、図2に示される1600個のサンプルのうち、最遅角位置(0.0CA)と、遅角制御時の最進角位置(9.0CA)の典型サンプルについて、点火パルスSGと、振動センサからの振動信号VIBと、圧力センサからの圧力信号PRと、イオンセンサからのイオン信号IONとを示している。
図示の通り、イオン信号IONの第二ピークPK位置は、圧力信号PRの最大位置に一致する。そして、図3(b)に示す振動信号VIBは、エンジンに悪影響を与える本来のノック信号であるが、点火位置を大きく遅角制御した場合に発生する図3(a)に示す振動信号VIBは、擬似ノック信号であることを確認している。但し、両者は、同一周波数域であり区別ができない。なお、区別が困難であることは、圧力信号PRやイオン信号IONにBPF処理を施して得られるノック信号や擬似ノック信号についても同様であった。
一方、イオン信号の第二ピークPK位置を、TDC基準(ATDC)のクランク角で特定した場合には、図2に示される通り、遅角制御時の遅角量(0〜9CA)に対応して有意な差異が認められる。すなわち、TDC基準(ATDC)で評価すると、本来のノック信号に対して、擬似ノック信号は、有意に遅いタイミングから発生することが確認される。したがって、この特性を利用することで、擬似ノック信号と本来のノック信号とを切り分けることができると思われ、本発明は、この知見に基づいて完成された。
すなわち、本発明は、一次コイルと二次コイルとからなる点火コイルと、前記一次コイルの通電を制御するスイッチング素子と、前記スイッチング素子に点火信号を供給してON/OFF動作させる制御装置と、前記二次コイルの誘起電圧を受けて放電動作をする点火プラグと、内燃機関の燃焼室に流れるイオン電流又は燃焼室の圧力に比例した検出信号を出力する信号検出回路と、を有して構成され、前記制御装置は、前記スイッチング素子がOFF状態である時の検出信号を取得する取得手段と、前記検出信号を評価して、燃焼室の圧力が最大値であると想定される位置と燃焼室が最小容積となる位置との間のクランク角を特定する特定手段と、前記検出信号から所定周波数帯域の異常信号成分を抽出する抽出手段と、抽出手段が抽出した異常信号成分と、特定手段が特定したクランク角と、に基づいて遅角制御を含んだ燃焼制御動作を実行する制御手段と、を有して構成されている。
本発明の制御装置は、例えば、自動車エンジンの場合に必ずしもECU(Engine Control Unit)単独を意味せず、ECUの制御下で動作する専用コンピュータ回路、例えば、DSP(Digital Signal Processor)回路なども含んだ概念である。なお、燃焼室の圧力が最大値であると想定される位置(実施例では第二ピーク位置)と、燃焼室が最小容積となる位置(TDC)と、の時間差を特定すれば、その時の内燃機関の回転数に基づいて、クランク角(角度差)を特定することができる。
何れにしても、前記制御手段は、異常信号成分が異常レベルであっても、クランク角が基準値より大きい場合には、正常時の燃焼制御動作を実行するのが好ましい。或いは、前記制御手段は、異常信号成分が異常レベルであっても、クランク角が基準値より大きい場合には、確認動作として、遅角制御を含んだ燃焼制御動作を実行する一方、確認動作を終えた後は、異常信号成分が異常レベルであり、クランク角が基準値より大きい場合には、正常時の燃焼制御動作を実行するのも好ましい。
この場合、確認動作時には、点火時期を、遅角側に制御するか、これに代え、又はこれに加えて、空燃比を、敢えてリッチ側に制御するのが好ましい。何れにしても、確認動作は、1回で完了するのが典型的である。
上記した本発明によれば、擬似ノックと本来のノックとを正確に峻別して最適な燃焼制御を実現することができる。
複数段階に変化させた遅角量における圧力パラメータとイオンパラメータとを一枠毎に整理した図面である。 図1のサンプルデータについて、イオン信号の第二ピーク位置を、TDC基準で特定されるATDCのクランク角で示したものである。 最遅角位置と最進角位置の典型サンプルについて、点火パルスSGと、振動信号VIBと、圧力信号PRと、イオン信号IONとを図示したものである。 実施例に係る燃焼制御装置DETを示す回路図である。 図4の燃焼制御装置について、各部の波形を示すタイムチャートである。 第1実施例の制御動作を説明する図面である。 第2実施例の制御動作を説明する図面である。 第3実施例の制御動作を説明する図面である。
以下、図4の実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。図4は、実施例に係る燃焼制御装置DETを示す回路図であり、図5は、燃焼制御装置DET各部の概略波形を示すタイムチャートである。
図5に示す通り、この燃焼制御装置DETは、内燃機関の電子制御ユニットたるECU(Engine Control Unit)と、一次コイルL1と二次コイルL2からなる点火コイルCLと、ECUから受ける点火パルスSGに基づく遷移動作によって一次コイルL1の電流をON/OFF制御するスイッチング素子Qと、二次コイルL2の誘起電圧を受けて放電動作をする点火プラグPGと、イオン信号検出回路IONと、を中心に構成されている。
そして、イオン信号検出回路IONの出力電圧Voは、ECUのA/Dコンバータ(不図示)に供給され、デジタルレベルのイオン信号としてECUのメモリに記憶される。ここで、イオン信号検出回路IONの出力電圧Voは、点火パルスSGの立下りタイミングからイオン電流が消滅するまでのデータ解析区間において取得される。なお、このデータ解析区間WINは、ECUの参照テーブルTBLに、運転状態毎に記憶されている。
そして、運転状態毎に決定されているデータ解析区間WINのイオン信号について、その第二ピークPKの位置を特定した後、第二ピークPK以降のデータ解析区間について、ノック周波数帯域に対応するBPF処理が実行される。なお、ノック周波数帯域は、予め実験的に特定されており、例えば、7kHz〜10kHz程度である。以下、回路構成について詳述すると、スイッチング素子Qは、ここではIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)が使用されている。そして、スイッチング素子Qのコレクタ端子は、一次コイルL1を経由してバッテリ電圧VBを受けており、エミッタ端子は、グランドに接続されている。
イオン信号検出回路IONは、電流検出回路として機能するOPアンプAMPを中心に構成され、コンデンサC1、ツェナーダイオードZD、ダイオードD1,D2、抵抗R1〜R3を有して構成されている。コンデンサC1とツェナーダイオードZDの並列回路によって、イオン電流検出時のバイアス電圧が生成される。
二次コイルL2の高圧端子は、点火プラグPGに接続され、低圧端子は、前記バイアス電圧を生成するコンデンサC1及びツェナーダイオードZDの並列回路に接続されている。そして、コンデンサC1及びツェナーダイオードZDの並列回路は、ダイオードD1を通して、グランドに接続されている。図示の通り、ダイオードD1のカソード端子がグランドに接続されている。
一方、ダイオードD1のアノード端子は、電流制限抵抗R1を経由してOPアンプの反転入力端子(−)に接続されている。そして、OPアンプAMPの反転入力端子(−)と出力端子の間に、電流検出抵抗R2が接続され、出力端子のグランド間には、負荷抵抗R3が接続されている。また、OPアンプの非反転端子(+)は、グランドに接続され、反転端子(−)には、ダイオードD2のカソード端子が接続されている。なお、ダイオードD2のアノード端子はグランドに接続されている。
上記した構成の燃焼制御装置DETでは、タイミングT0において、点火パルスSGがHレベルからLレベルに変化すると、二次コイルL2に誘起される高電圧によって点火プラグPGが放電する。この放電電流は、点火プラグPG→二次コイルL2→コンデンサC1→ダイオードD1の経路で流れるので、コンデンサC1は、ツェナーダイオードZDの降伏電圧により規定される電圧値に充電される。
点火プラグPGの放電によって燃焼室の混合気が着火されると、その後、急速に燃焼反応が進行するが、イオン電流iは、電流検出抵抗R2→電流制限抵抗R1→コンデンサC1→二次コイルL2→点火プラグPGの経路で流れる。したがって、イオン信号検出回路IONの出力電圧Voは、Vo=R2*iとなり、イオン電流iに比例した値となる。
続いて、燃焼制御装置DETの動作内容について、図6のフローチャートに基づいて説明する。ECUは、点火サイクル毎に、点火時期や空燃比について適宜な燃焼制御を実行しており、決定されたタイミングで、適宜な点火パルスSGを立下げて、一次コイルL1の電流を遮断状態にする(ST1)。
すると、イオン信号検出回路IONの出力電圧Voは、図5(c)のように激しく変動した後、緩やかに推移する。そこで、予め決定されているデータ取得区間について、イオン信号検出回路IONの出力電圧Voを、デジタル変換してイオン信号としてメモリに記憶する(ST2)。
サンプリング周波数は、特に限定されないが、この実施例では、30KHz程度に設定されている。なお、データ取得区間は、イオン信号の第二ピークPKが確実に含まれる位置を始期とし、燃焼反応が確実に完了する位置を終期としている。
続いて、データ取得区間のイオン信号を解析して、第二ピーク位置を特定し、TDCを基準として、第二ピーク位置とのクランク偏差角DGをクランク角(CA)で特定する(ST3)。なお、第二ピーク位置を特定する手法としては、例えば、特開2011−127562号公報、特開2010−059937号公報、特開2007−270831号公報などに開示された手法が採用される。
次に、ステップST2の処理で取得されたイオン信号について、その第二ピーク位置以降のデータについてBPF処理を実行して、BPF処理後のデータの振幅絶対値を累積(積分処理)することでノックパラメータKPを特定する(ST4)。このBPF処理は、予め実験的に特定されている周波数域におけるノック信号抽出処理である。
続いて、ノックパラメータKPを、予め運転条件毎に規定されている閾値TH1と対比してノック発生か否かを判定する(ST5)。そして、ノックパラメータKPが閾値TH1より低い場合には、ノックが発生していないと判定され、次回の点火サイクルでは、正常状態の燃焼制御が実行される(ST8)。
一方、ノックパラメータKPが閾値TH1を超える場合には、ノック発生と判定される。但し、このノックには、エンジンに多大な悪影響を与える本来のノックだけでなく、擬似ノックが含まれている可能性があり、閾値TH1だけでは両者を区別することはできない。
そこで、次に、本発明者の知見に基づいて、TDCと第二ピーク位置とのクランク偏差角DGを、予め運転条件毎に規定されている閾値TH2と対比する(ST6)。ここで、DG≧TH2となる場合には、図3(a)に示すような緩慢燃焼状態であると考えられるので、次回の点火サイクルでは、正常状態の燃焼制御を実行することにする(ST6,ST8)。すなわち、過大な遅角制御などの過敏な対応を回避するべく、通常状態の燃焼制御パラメータを設定する(ST8)。
一方、DG<TH2となる場合には、図3(b)に示すような異常燃焼状態であるとして、次回の点火サイクルでは、ノック対策用の燃焼制御が実行することにし、遅角制御量を増加させるなどのノック対策用の制御パラメータを設定する(ST7)。その結果、次回の点火サイクルでは、ノック発生が抑制または解消されることが期待される。
図6(b)は、上記の動作を記載したタイムチャートであり、ノックパラメータKPに基づいてノック発生と判定された場合でも、第二ピーク位置とTDCとのクランク偏差角DGが大きい場合(DG≧TH2)には、特にノック対策が採られることがなく、通常の燃焼制御パラメータが維持されることを示している。
一方、図6(b)の最初二回の点火サイクルにおいては、ノックパラメータKPが閾値TH1を超えた状態で、第二ピーク位置とTDCとのクランク偏差角DGが小さいので(DG<TH2)には、次の点火サイクルにおいて点火時期を遅角側に制御している。
本実施例では、このような燃焼制御を実行するので、擬似ノックに過敏に反応して燃焼性能を著しく悪化させるおそれがない。なお、図3(a)と図3(b)では、第二ピーク位置PKにおけるイオン信号(イオンピーク値)に大きな差異が認められ、このイオンピーク値に基づいてノック判定できるとも思われる。しかし、擬似ノック時のイオンピーク値が必ず低いとは限らず、その値のバラツキが点火サイクル毎に大きいので、信頼性の高いノック判定を実現することは困難であることを確認している。ところで、図6のフローチャートでは、擬似ノックと思われる場合には、正常時の燃焼制御を継続したが、必ずしもこのような燃焼制御に限定されず、フェイルセーフ(fail safe)の観点から、最初の数回又は一回目だけ過渡的にノック対応動作を実行するのも好ましい。
図7(a)は、このような実施例を示すフローチャートであり、ノックパラメータKPがKP≧TH1であって、クランク偏差角DGがDG≧TH2となる擬似ノック判定時には、その連続回数をカウンタ変数CNTでカウントし(ST11)、最初の所定回数(N=1〜2)の擬似ノック判定時(N≧CNT)には、ノック対策用の燃焼制御パラメータを採用している(ST12、ST13)。この場合の燃焼制御パラメータは、特に限定されないが、遅角制御を採用する場合でも、最初に増加させた遅角量がN回の過渡動作においてそのまま維持される。もっとも、所定回数Nは、典型的には一回である。
このような過渡的な制御動作を実行すると、その後、ノックパラメータKPが正常値に回復するので、その後は、漸次、点火時期を進角側に推移させる正常燃焼時の燃焼制御が実行される(ST8)。なお、ノックパラメータKPが、KP<TH1となると、カウンタ変数CNTがリセットされるので(ST10)、再度、擬似ノック判定が生じると、改めて、同様の過渡的な制御動作が実行されることになる。
図7(b)は、第2実施例の制御方法を説明するタイムチャートである。この例では、最初二回のノック判定によって遅角制御などの燃焼制御が実行されている。そして、その後の三回目の点火サイクルでは、擬似ノック判定がされるが(DG≧TH2)、最初だけは、過渡的に遅角制御され、その後は、遅角量が維持されている。
第2実施例では、このような処理を採っているので、擬似ノックに過剰反応して燃焼性能を悪化させることがないだけでなく、フェイルセーフ動作が実現される。なお、この実施例では、カウンタ変数CNTによって、擬似ノック判定の連続回数を計数できるので、その回数が上限値を超える場合には、安全のためノック対策用の制御パラメータを採用しても良い。但し、現実的には、このような事態は考えにくい。
図8(a)は、第3実施例の制御方法を説明するフローチャートであり、ノックパラメータKPがKP≧TH1であって、クランク偏差角DGがDG≧TH2となる擬似ノック判定時には、その連続回数をカウンタ変数CNTでカウントし(ST11)、一回目又は最初の所定回数Nの検出時(CNT≦N)には、遅角制御を採ると共に、空燃比A/Fをリッチ側に制御している(ST13)。なお、この実施例でも、最初に設定した遅角量や空燃比は、過渡動作が続いても変化しないが、所定回数Nは、典型的には一回である。
何れにしても、空燃比をリッチ側に制御すると、次回の点火サイクルでは、擬似ノックがより発生しやすい傾向となる。なお、この点は本発明者の研究により確認している。そこで、次回の点火サイクルでも、擬似ノック判定がされる場合には、その判定結果の信頼性が高いと評価することができ、その後の燃焼制御においては、遅角された点火タイミングを漸次進角側に戻すことができる。
図8(b)は、第3実施例の動作を説明するタイムチャートである。最初二回の遅角制御の後、三回目の点火サイクルでは、擬似ノック状態であると判定されているが(DG≧TH2)、最初の一回目だけは、遅角量を増やすと共に、空燃比をリッチ側に制御している。
その結果、もし擬似ノック判定が正しければ、その後の点火サイクルにおいて、図示のようにクランク偏差角DGがDG≧TH2を維持すると思われ、遅角された点火タイミングを、漸次、進角側に戻す燃焼制御を実行しても問題が生じない。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、具体的な記載内容は、特に本発明を限定するものではない。例えば、実施例では、もっぱらイオン信号に基づいて説明したが、イオン信号に代えて、燃焼室内の圧力を検知する圧力センサからの圧力信号を使用しても同様の制御性能を発揮することができる。なお、フローチャートについては、説明の便宜上、簡略化しており、実際の処理はより複雑になるのは勿論である。
また、上記した実施例では、過渡的な燃焼制御についてだけ説明したが、擬似ノックと判定される毎に、その時のエンジン回転数と遅角量を記憶しておけば、その後の擬似ノック判定時の有力な参考データとすることができる。なお、圧力センサを搭載している場合には、擬似ノック判定時の圧力レベルを記憶するのが好適である。
ECU 制御装置
DET 信号検出回路
ST1 取得手段
ST3 特定手段
ST4 抽出手段
ST7 制御手段
ST8 制御手段

Claims (6)

  1. 一次コイルと二次コイルとからなる点火コイルと、前記一次コイルの通電を制御するスイッチング素子と、前記スイッチング素子に点火信号を供給してON/OFF動作させる制御装置と、前記二次コイルの誘起電圧を受けて放電動作をする点火プラグと、内燃機関の燃焼室に流れるイオン電流又は燃焼室の圧力に比例した検出信号を出力する信号検出回路と、を有して構成され、
    前記制御装置は、
    前記スイッチング素子がOFF状態である時の検出信号を取得する取得手段と、
    前記検出信号を評価して、燃焼室の圧力が最大値であると想定される位置と燃焼室が最小容積となる位置との間のクランク角を特定する特定手段と、
    前記検出信号から所定周波数帯域の異常信号成分を抽出する抽出手段と、
    抽出手段が抽出した異常信号成分と、特定手段が特定したクランク角と、に基づいて遅角制御を含んだ燃焼制御動作を実行する制御手段と、
    を有して構成されていることを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。
  2. 前記制御手段は、異常信号成分が異常レベルであっても、クランク角が基準値より大きい場合には、正常時の燃焼制御動作を実行する請求項1に記載の燃焼制御装置。
  3. 前記制御手段は、異常信号成分が異常レベルであっても、クランク角が基準値より大きい場合には、その後の確認動作として、遅角制御を含んだ燃焼制御動作を実行する一方、
    確認動作を終えた後は、異常信号成分が異常レベルであり、クランク角が基準値より大きい場合には、正常時の燃焼制御動作を実行する請求項1に記載の燃焼制御装置。
  4. 確認動作時には、点火時期を、遅角側に制御する請求項3に記載の燃焼制御装置。
  5. 確認動作時には、空燃比を、リッチ側に制御する請求項3又は4に記載の燃焼制御装置。
  6. 確認動作は、1回で完了する請求項3〜5の何れかに記載の燃焼制御装置。
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