JP5915595B2 - 蛇行修正装置および蛇行修正方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼帯等の金属帯に発生する蛇行を修正する蛇行修正装置および蛇行修正方法に関するものである。
従来から、鋼帯の連続処理ラインには、連続処理される鋼帯を適宜蓄積または払い出すルーパが設置されている。一般に、ルーパは、定位置において鋼帯に張力を付与する複数の固定ロールと、これら複数の固定ロールとの間において鋼帯を張架する可動ロールとを有する。鋼帯の連続処理ラインにおいて、ルーパは、鋼帯を連続処理する熱処理炉等の連続処理設備の入側に設置される。また、このルーパの前段には、複数の鋼帯を先尾端部同士の溶接によって一連の鋼帯とする溶接機が設置される。すなわち、この連続処理ライン内の鋼帯は、溶接機によって溶接された後、ルーパを経て連続処理設備に供給される。
このような連続処理ラインにおいて、溶接機が鋼帯の溶接を行っていない期間、鋼帯は、溶接機を通過してルーパに順次供給される。この場合、ルーパは、固定ロールと可動ロールとを最大限に離間した状態にして溶接機から鋼帯を受け入れ、この受け入れた鋼帯を蓄積しつつ、連続処理設備に鋼帯を連続的に供給する。一方、溶接機が各鋼帯の先尾端部同士を溶接している期間、溶接機からルーパへの鋼帯の搬送が停止する。この場合、ルーパは、鋼帯の長手方向に可動ロールを移動させて固定ロールに可動ロールを接近させ、これにより、上述したように蓄積していた鋼帯を連続処理設備の入側に払い出して、連続処理設備に対する鋼帯の連続的な供給を維持する。そして、溶接機による鋼帯の溶接が完了後、ルーパは、固定ロールから離間する方向に可動ロールを移動させて、再び固定ロールと可動ロールとを最大限に離間した状態にし、この状態において溶接機から受け入れた鋼帯を蓄積しつつ、連続処理設備に鋼帯を連続的に供給する。上述したルーパの作用により、連続処理設備は、溶接機が鋼帯の溶接を行っているか否かによらず、いずれの期間においても、ルーパから鋼帯を連続的に受け入れて鋼帯を連続処理することができる。
一方、ルーパが鋼帯を蓄積するために可動ロールを固定ロールから最大限に離間する位置に移動させた場合、固定ロールと可動ロールとの間に張架された鋼帯の長さが増大し、この結果、鋼帯がロール端部側(ロールの回転軸方向)へずれる現象、すなわち、鋼帯の蛇行が発生し易くなる。このような鋼帯の蛇行は、鋼帯の正常な搬送を阻害するのみならず、その蛇行量が一定量を超えて鋼帯が搬送ロールからはみ出す現象(以下、この現象をロールアウトという)が発生した場合、鋼帯の破断等の不具合を招来する。したがって、鋼帯の連続処理ラインにおいては、鋼帯の蛇行を修正する必要がある。
このような鋼帯の蛇行を修正する従来技術として、例えば、入側の固定ロールと2本のステアリングロールを保持する傾動ロールフレームとをロールユニット傾転フレームに配置し、蛇行量検出機によって検出された鋼帯の蛇行方向ならびに蛇行量に応じてロールユニット傾転フレームを傾動させることにより、鋼帯の蛇行を制御するものが開示されている(特許文献1参照)。また、ステアリングロールの上流側に所定距離をおいて2つ以上の蛇行検出器を配設し、蛇行検出器の出力の時間変化および鋼帯の搬送条件から鋼帯の蛇行状況を解析し、その解析値に基づいて鋼帯の蛇行修正を行うものが開示されている(特許文献2参照)。
特開平7−1022号公報 特開平5−208763号公報
しかしながら、特許文献1に記載の従来技術では、固定ロール等を配置するロールユニット傾転フレームと、固定ロールの中心点を支点としてロールユニット傾転フレームを傾動する駆動機構とが必要であることから、鋼帯の蛇行を修正するための設備が大掛かりなものとなる。このため、本設備の設置に広大なスペースを要し、この結果、既存のラインに本設備を追加設置することが困難である。また、本設備の投資費用も嵩むという問題がある。一方、特許文献2に記載の従来技術は、ステアリングロールの上流側において鋼帯の蛇行量を測定し、この測定情報を下流のステアリングロールの駆動制御に用いるフィードフォワード制御を行って鋼帯の蛇行を修正するものであるが、このフィードフォワード制御にトラッキングずれ等のトラッキング不良が発生した場合には、不必要にステアリングロールを傾動させることになり、この結果、鋼帯の蛇行トラブルを引き起こす可能性がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、大掛かりな設備改造を必要とすることなく、また、フィードフォワード制御におけるトラッキング不良の問題が生じることなく、鋼帯等の金属帯の蛇行を簡易に修正することが可能な蛇行修正装置および蛇行修正方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる蛇行修正装置は、順次搬送される金属帯の蛇行を修正する蛇行修正装置において、前記金属帯の蛇行量を検出する蛇行量検出部と、円筒形状の外形を有し、前記金属帯に接触しながら前記円筒形状の中心軸を中心に回転して、前記金属帯の搬送方向に前記金属帯を送出するステアリングロールと、前記円筒形状の中心軸を中心に回転可能に前記ステアリングロールを支持し、水平方向に対して前記円筒形状の中心軸が傾斜するように前記ステアリングロールを傾動するロール傾動部と、前記ステアリングロールの傾動角度と前記蛇行量検出部によって検出された前記金属帯の蛇行量とに応じて、前記ステアリングロールに負荷される前記金属帯の張力を制御し、前記金属帯の蛇行が発生した場合、前記金属帯の張力を低減して前記ステアリングロールの傾動による前記金属帯の蛇行修正を促進する制御部と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかる蛇行修正装置は、上記の発明において、前記制御部は、前記金属帯の蛇行が発生した場合、前記ステアリングロールに関して初期設定された前記金属帯の初期設定張力から前記金属帯の蛇行修正に要する前記金属帯の張力低減量を減じて得られる修正張力に、前記ステアリングロールに負荷される前記金属帯の張力を制御することを特徴とする。
また、本発明にかかる蛇行修正装置は、上記の発明において、前記制御部は、前記金属帯の蛇行修正が可能な前記ステアリングロールの傾動角度および前記金属帯の張力を加味して設定される定数と前記金属帯の蛇行量とを乗じて、前記張力低減量を算出することを特徴とする。
また、本発明にかかる蛇行修正方法は、順次搬送される金属帯に接触しながら回転して前記金属帯の搬送方向に前記金属帯を送出するステアリングロールを水平方向に対し傾動させて前記金属帯の蛇行を修正する蛇行修正方法において、前記金属帯の蛇行量を検出する検出ステップと、前記金属帯の蛇行が発生した場合、前記金属帯の蛇行を修正する方向に前記ステアリングロールを水平方向に対し傾動させるとともに、前記ステアリングロールの傾動角度と前記検出ステップによって検出した前記金属帯の蛇行量とに応じ、前記ステアリングロールに負荷される前記金属帯の張力を低減する制御ステップと、を含み、前記金属帯の張力低減によって前記ステアリングロールの傾動による前記金属帯の蛇行修正を促進することを特徴とする。
また、本発明にかかる蛇行修正方法は、上記の発明において、前記制御ステップは、前記ステアリングロールに関して初期設定された前記金属帯の初期設定張力から前記金属帯の蛇行修正に要する前記金属帯の張力低減量を減じて得られる修正張力に、前記ステアリングロールに負荷される前記金属帯の張力を制御することを特徴とする。
また、本発明にかかる蛇行修正方法は、上記の発明において、前記制御ステップは、前記金属帯の蛇行修正が可能な前記ステアリングロールの傾動角度および前記金属帯の張力を加味して設定される定数と前記金属帯の蛇行量とを乗じて、前記張力低減量を算出することを特徴とする。
本発明によれば、大掛かりな設備改造を必要とすることなく、また、フィードフォワード制御におけるトラッキング不良の問題が生じることなく、金属帯の蛇行を簡易に修正することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる蛇行修正装置を適用した連続処理ラインの一構成例を示す図である。 図2は、鋼帯に作用する蛇行修正力を説明するための図である。 図3は、ステアリングロールの負荷張力に起因して鋼帯に作用する垂直抗力を説明するための図である。 図4は、ステアリングロールの外周方向の任意位置において鋼帯に作用する張力起因の垂直抗力を説明するための図である。 図5は、本発明の実施の形態にかかる蛇行修正方法の一例を示すフローチャートである。
以下に、添付図面を参照して、本発明にかかる蛇行修正装置および蛇行修正方法の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下では、処理対象の金属帯の一例として鋼帯を例示し、鋼帯の連続処理ラインに本発明を適用した場合を説明するが、本実施の形態により、本発明が限定されるものではない。
(実施の形態)
まず、本発明の実施の形態にかかる蛇行修正装置の構成と、この蛇行修正装置を適用した鋼帯の連続処理ラインの構成とについて説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる蛇行修正装置を適用した連続処理ラインの一構成例を示す図である。
図1に示すように、本実施の形態における連続処理ライン1には、鋼帯15の搬送経路に沿って、鋼材を払い出すペイオフリール2と、鋼材の端部同士を溶接する溶接機3と、鋼帯15を蓄積または払い出すためのルーパ4と、鋼帯15を連続処理する連続処理設備9とが設置される。また、この連続処理ライン1内の各装置の間には、鋼材を搬送する搬送ロールが必要な箇所に配置される。本実施の形態にかかる蛇行修正装置10は、この連続処理ライン1において、ルーパ4内に組み込まれている。
ペイオフリール2は、その回転によって、コイル16から鋼材(鋼帯、鋼板等)を連続処理ライン1内へ払い出す。コイル16は、鋼材をコイル状に巻いたものであり、図1に示すように、ペイオフリール2に取り付けられている。ペイオフリール2から払い出された鋼材は、溶接機3に供給される。
溶接機3は、順次搬送される複数の鋼材を先尾端部同士の溶接によって一連の鋼帯15とするものである。具体的には、溶接機3は、ペイオフリール2から払い出された各鋼材を順次受け入れ、搬送方向に先行する鋼材の尾端部と、この鋼材に後続する後行の鋼材の先端部とを溶接する。これによって、ペイオフリール2からの複数の鋼材は一連の鋼帯15となる。このように溶接機3によって形成された鋼帯15は、ルーパ4、蛇行修正装置10、および搬送ロール等を経て、連続処理設備9に供給される。
ルーパ4は、連続処理される鋼帯15を適宜蓄積または払い出すための設備である。具体的には、図1に示すように、ルーパ4は、複数の固定ロール5a〜5cと、固定ロール5a〜5cを各々回転する駆動部6a〜6cと、鋼帯15の長手方向に移動可能な複数の可動ロール7a,7bと、鋼帯15の長手方向に可動ロール7a,7bを移動させるループカー8とを備える。また、ルーパ4には、蛇行修正装置10のステアリングロール12がルーパ4内の搬送ロールの一つとして配置されている。このようなルーパ4において、図1に示すように、可動ロール7a、固定ロール5a、可動ロール7b、固定ロール5b、ステアリングロール12、および固定ロール5cは、この順に鋼帯15の搬送経路に沿って配置されている。
固定ロール5a〜5cの各々は、円筒形状の外形を有する搬送ロールである。ルーパ4内において、固定ロール5a〜5cの各位置は固定されている。固定ロール5a〜5cは、各々、鋼帯15を巻き掛けられる等によって鋼帯15に接触しながら、駆動部6a〜6cの作用によって回転する。これにより、固定ロール5a〜5cは、鋼帯15をその搬送経路に沿って搬送するとともに、定位置において鋼帯15に張力を付与する。駆動部6a〜6cは、各々、固定ロール5a〜5cをその円筒形状の中心軸を中心に回転可能に軸支して、固定ロール5a〜5cの各円筒形状の中心軸周りの回転力を固定ロール5a〜5cに各々付与する。
可動ロール7a,7bは、各々、円筒形状の外形を有する搬送ロールであり、ループカー8の作用によって鋼帯15の長手方向に移動可能である。可動ロール7aは、鋼帯15を巻き掛けられる等によって鋼帯15に接触しながら、その円筒形状の中心軸を中心に回転する。これにより、可動ロール7aは、固定ロール5a等との間において鋼帯15を張架するとともに、鋼帯15をその搬送方向に送出する。可動ロール7bは、可動ロール7aと同様に鋼帯15に接触しながら、その円筒形状の中心軸を中心に回転する。これにより、可動ロール7bは、固定ロール5a,5bとの間において鋼帯15を張架するとともに、鋼帯15をその搬送方向に送出する。ループカー8は、可動ロール7a,7bと接続され、鋼帯15の長手方向(図1に示す太線両側矢印参照)に可動ロール7a,7bを移動させる。これにより、ループカー8は、ルーパ4内における鋼帯15の蓄積量を調整する。
上述したような構成を有するルーパ4は、図1に示すように、連続処理設備9の入側に設置され、連続処理設備9に対する鋼帯15の連続的な搬送(供給)を維持するために、鋼帯15を蓄積または払い出しする。具体的には、連続処理ライン1において、溶接機3が鋼帯15の溶接を行っていない期間、鋼帯15は、溶接機3を通過してルーパ4に順次供給される。この場合、ルーパ4は、溶接機3から鋼帯15を受け入れつつ、ループカー8によって可動ロール7a,7bを固定ロール5a,5bから離間する方向に移動させる。これにより、ルーパ4は、固定ロール5a,5bと可動ロール7a,7bとを最大限に離間した状態にして、溶接機3からの鋼帯15を蓄積しつつ、連続処理設備9に鋼帯15を連続的に供給する。一方、溶接機3が各鋼材の先尾端部同士を溶接している期間、溶接機3からルーパ4への鋼帯15の搬送が停止する。この場合、ルーパ4は、ループカー8によって可動ロール7a,7bを固定ロール5a,5bに接近する方向に移動させる。これにより、ルーパ4は、上述したように蓄積していた鋼帯15を連続処理設備9の入側に払い出して、連続処理設備9に対する鋼帯15の連続的な供給を維持する。ルーパ4は、溶接機3による鋼帯15の溶接が完了後、再び、ループカー8によって可動ロール7a,7bを固定ロール5a,5bから離間する方向に移動させて固定ロール5a,5bと可動ロール7a,7bとを最大限に離間した状態にする。ルーパ4は、この状態において溶接機3から受け入れた鋼帯15を蓄積しつつ、連続処理設備9に鋼帯15を連続的に供給する。
連続処理設備9は、連続処理ライン1において鋼帯15を連続処理する設備であり、図1に示すように、ルーパ4の後段に設置される。連続処理設備9には、上述したルーパ4の作用によって、鋼帯15が連続的に供給される。すなわち、溶接機3が鋼帯15の溶接を行っているか否かによらず、いずれの期間においても、鋼帯15は、ルーパ4内の可動ロール7a、固定ロール5a、可動ロール7b、固定ロール5b、ステアリングロール12、および固定ロール5cをこの順に経て、連続処理設備9に連続的に供給される。これにより、連続処理設備9は、鋼帯15の連続処理が必要な期間、常に、ルーパ4から鋼帯15を連続的に受け入れて鋼帯15を連続処理することができる。連続処理設備9によって処理された鋼帯15は、連続処理設備9の出側に搬送され、その後、連続処理設備9の下流側に搬送されつつ、連続処理ライン1の各種設備(図示)によって必要な処理を施される。なお、このような連続処理設備9として、例えば、熱処理炉、圧延機、酸洗処理設備等の鋼帯15に対する連続的な処理を行う設備が挙げられる。
蛇行修正装置10は、連続処理ライン1において順次搬送される鋼帯15の蛇行を修正するものである。図1に示すように、蛇行修正装置10は、板位置検出装置11と、ステアリングロール12と、ロール傾動部13と、制御部14とを備え、例えば、上述したルーパ4内の後半側に組み込まれる。
板位置検出装置11は、鋼帯15の蛇行量を検出する蛇行量検出部として機能する。具体的には、板位置検出装置11は、鋼帯15の搬送経路上のうちのステアリングロール12の出側近傍に設置される。板位置検出装置11は、ステアリングロール12から固定ロール5cに向かって搬送される鋼帯15の板幅方向の位置を検出し、この位置検出情報をもとに、鋼帯15の板幅方向の中央位置と鋼帯15の搬送経路の中央位置とのずれ量およびずれ方向を、鋼帯15の蛇行量および蛇行方向として検出する。この際、板位置検出装置11は、鋼帯15の搬送経路の中央位置として、例えば、ステアリングロール12のロール幅方向の中央位置を採用する。板位置検出装置11は、連続的または所定の時間毎に鋼帯15の蛇行量および蛇行方向を検出し、得られた蛇行量および蛇行方向の各情報を制御部14に送信する。
ステアリングロール12は、円筒形状の外形を有し、順次搬送される鋼帯15の蛇行を自身の傾動によって修正する傾動可能なロール体である。具体的には、図1に示すように、ステアリングロール12は、ルーパ4内において、固定ロール5bよりも鋼帯15の搬送経路の下流側であり且つ固定ロール5cよりも鋼帯15の搬送経路の上流側に配置される。なお、固定ロール5bは、固定ロール5cよりも鋼帯15の搬送経路の上流側に配置された搬送ロールである。ステアリングロール12は、鋼帯15を巻き掛けられる等によって鋼帯15に接触しながら、その円筒形状の中心軸を中心に回転する。これにより、ステアリングロール12は、固定ロール5b,5cとの間において鋼帯15を張架するとともに、鋼帯15をその搬送方向に送出する。すなわち、ステアリングロール12は、固定ロール5bから搬送された鋼帯15を下流側の固定ロール5cに向けて送出する。また、ステアリングロール12は、その円筒形状の中心軸を水平方向に対して傾斜するように傾動して、鋼帯15の蛇行方向と反対方向に下る傾斜を形成する。これにより、ステアリングロール12は、鋼帯15の蛇行を修正する。
ロール傾動部13は、ステアリングロール12の円筒形状の中心軸(以下、中心軸と略す)を中心に回転可能にステアリングロール12を支持する。また、ロール傾動部13は、鋼帯15の蛇行が発生している場合、水平方向に対してステアリングロール12の中心軸が傾斜するように、ステアリングロール12を傾動する。これによって、ロール傾動部13は、鋼帯15の蛇行方向と反対方向に下るように、ステアリングロール12の外周面を傾斜させる。一方、鋼帯15の蛇行が発生していない場合、ロール傾動部13は、水平方向に対してステアリングロール12の中心軸を略平行(望ましくは水平方向に対して平行)にする。このように、ロール傾動部13は、鋼帯15の蛇行発生状況に応じて、水平方向に対するステアリングロール12の傾動角度を調整する。
制御部14は、板位置検出装置11の動作を制御して、鋼帯15の蛇行量および蛇行方向の各情報を板位置検出装置11から取得する。また、制御部14は、板位置検出装置11から取得した各情報をもとにロール傾動部13の動作を制御し、このロール傾動部13の制御を通してステアリングロール12の傾動角度および傾動方向を制御する。さらに、制御部14は、ロール傾動部13によるステアリングロール12の傾動角度と、板位置検出装置11によって検出された鋼帯15の蛇行量とに応じて、ステアリングロール12に負荷される鋼帯15の張力(以下、ステアリングロール12の負荷張力と適宜略す)を制御する。具体的には、制御部14は、ルーパ4における固定ロール5bの駆動部6bと固定ロール5cの駆動部6cとを制御し、これによって、固定ロール5b,5cの各回転速度を制御する。制御部14は、固定ロール5b,5cの各回転速度の制御を通して、ステアリングロール12の負荷張力を制御する。特に、鋼帯15の蛇行が発生した場合、制御部14は、駆動部6b,6cの制御を通して固定ロール5b,5cとステアリングロール12との間における鋼帯15の張力を低減する。これによって、制御部14は、上述したステアリングロール12の傾動による鋼帯15の蛇行修正を促進する。
つぎに、本発明の実施の形態にかかる蛇行修正装置10によって鋼帯15の蛇行を修正する際に鋼帯15に作用する修正力(以下、蛇行修正力という)について説明する。図2は、鋼帯に作用する蛇行修正力を説明するための図である。図3は、ステアリングロールの負荷張力に起因して鋼帯に作用する垂直抗力を説明するための図である。図4は、ステアリングロールの外周方向の任意位置において鋼帯に作用する張力起因の垂直抗力を説明するための図である。
本実施の形態にかかる蛇行修正装置10は、上述したように、鋼帯15の蛇行を修正するために、水平方向に対してステアリングロール12を傾動する。この際、ステアリングロール12には、図1に示したように、鋼帯15が巻き掛けられている。具体的には、図3に示すように、ステアリングロール12の外周面のうち、外周方向に沿って180°の角度範囲の領域が鋼帯15と接触している。このステアリングロール12と鋼帯15との接触領域について、ステアリングロール12の外周方向に任意の位置iを設定する。ステアリングロール12が水平方向に対して傾斜した場合、ステアリングロール12上の位置iにおいて、鋼帯15の蛇行修正力Faiが発生する。
詳細には、図2に示すように、蛇行修正力Faiは、水平方向に対して傾動したステアリングロール12の中心軸12aの方向に沿った下向き(以下、傾斜下降方向という)の力であり、ステアリングロール12上の位置iにおいて鋼帯15に作用する。この蛇行修正力Faiは、位置iにおいて鋼帯15に掛かる重力mgiの傾斜下降方向の成分である。すなわち、蛇行修正力Faiは、鋼帯15に掛かる重力mgiと、水平方向に対するステアリングロール12の傾動角度θとを用い、次式(1)によって表される。なお、この傾動角度θは、ステアリングロール12の中心軸12aと水平方向とのなす角度に等しい。

ai=mgisinθ ・・・(1)
また、この蛇行修正力Faiは、ステアリングロール12と鋼帯15との接触領域の全域に亘って鋼帯15に作用する。したがって、ステアリングロール12の傾動による鋼帯15の総合的な蛇行修正力Faは、次式(2)によって表される。なお、式(2)において、整数nは、ステアリングロール12の外周方向の位置iを特定する正数である。
Figure 0005915595
一方、図2に示すように水平方向に対して傾斜したステアリングロール12上の位置iにおいては、鋼帯15の蛇行修正力Faiの反力として、摩擦抵抗Friが作用する。この摩擦抵抗Friは、鋼帯15の自重に起因してステアリングロール12から鋼帯15に作用する垂直抗力(以下、自重起因の垂直抗力という)と、上述したステアリングロール12の負荷張力に起因して鋼帯15に作用する垂直抗力(以下、張力起因の垂直抗力という)とを用いて導出される。
位置iにおける鋼帯15の自重起因の垂直抗力は、鋼帯15に掛かる重力mgiに起因してステアリングロール12から鋼帯15に作用する垂直抗力のロール径方向成分である。なお、このロール径方向は、ステアリングロール12の径方向、すなわち、ステアリングロール12の中心軸12aに対して垂直な方向である。したがって、この位置iにおける自重起因の垂直抗力は、図2に示すように、鋼帯15に掛かる重力mgiと、ステアリングロール12の傾動角度θを加味したcosθとの積(=mgicosθ)によって表される。
また、位置iにおける鋼帯15の張力起因の垂直抗力は、鋼帯15に作用する垂直抗力Niのロール径方向成分である。なお、垂直抗力Niは、ステアリングロール12が水平方向に対して平行である場合にステアリングロール12の負荷張力に起因して鋼帯15に作用する垂直抗力である。したがって、この位置iにおける張力起因の垂直抗力は、鋼帯15に掛かる垂直抗力Niと、ステアリングロール12の傾動角度θを加味したcosθとの積(=Nicosθ)によって表される。
図2に示す摩擦抵抗Friは、上述した自重起因の垂直抗力(=mgicosθ)による摩擦抵抗と、張力起因の垂直抗力(=Nicosθ)による摩擦抵抗とを加算したものである。すなわち、摩擦抵抗Friは、自重起因の垂直抗力mgicosθと、張力起因の垂直抗力Nicosθと、ステアリングロール12の摩擦係数μとを用い、次式(3)によって表される。

ri=μ×(mgicosθ+Nicosθ) ・・・(3)
ここで、鋼帯15に作用する垂直抗力Niは、図4に示すように、位置iにおけるステアリングロール12の負荷張力Tai,Tbiに起因する力(=−Ni)の反力である。なお、負荷張力Taiは、ステアリングロール12の下流側(図1に示した固定ロール5c側)からステアリングロール12上の位置iに負荷される鋼帯15の張力である。負荷張力Tbiは、ステアリングロール12の上流側(図1に示した固定ロール5b側)からステアリングロール12上の位置iに負荷される鋼帯15の張力である。図3に示すように、この垂直抗力Ni(i=1,2,3,・・・,n−1,n)は、ステアリングロール12と鋼帯15との接触領域の全域に亘って鋼帯15に作用する。このような接触領域の全域に亘る総合的な垂直抗力(=N1+N2+N3+,・・・,+Nn-1+Nn)は、固定ロール5c側から受けるステアリングロール12の負荷張力Taと、固定ロール5b側から受けるステアリングロール12の負荷張力Tbとを加算したものに等しい。
以上より、ステアリングロール12と鋼帯15との接触領域の全域に亘って鋼帯15に作用する総合的な摩擦抵抗Frは、上式(2)によって示される鋼帯15の蛇行修正力Faの反力であり、自重起因の垂直抗力mgicosθと、張力起因の垂直抗力Nicosθと、ステアリングロール12の摩擦係数μと、を用い、次式(4)によって表される。なお、式(4)において、ステアリングロール12の負荷張力Ta,Tbの加算値(=Ta+Tb)は、上述したように垂直抗力Niの総和に等しい。
Figure 0005915595
本実施の形態にかかる蛇行修正装置10は、鋼帯15の蛇行を修正する際、蛇行修正力Faが摩擦抵抗Frに比して大きくなるように、ステアリングロール12を水平方向に対して傾斜させ且つステアリングロール12の負荷張力Ta,Tbを制御する。
つぎに、本実施の形態にかかる蛇行修正装置10が鋼帯15の蛇行を修正する際の張力制御について説明する。鋼帯15の蛇行修正力Faは、式(2)に示されるように、鋼帯15の自重に起因する力である。一方、この蛇行修正力Faの反力である摩擦抵抗Frは、式(4)に示されるように、鋼帯15の自重に起因する摩擦抵抗とステアリングロール12の負荷張力Ta,Tbに起因する摩擦抵抗との和である。したがって、ステアリングロール12の傾動による鋼帯15の蛇行修正の効果を高めるためには、ステアリングロール12の負荷張力Ta,Tbを低減することが有効である。
本実施の形態において、蛇行修正装置10の制御部14(図1参照)は、初期設定張力Tおよび定数kを予め有する。初期設定張力Tは、ステアリングロール12に関して初期設定された鋼帯15の張力である。例えば、初期設定張力Tは、鋼帯15の蛇行が発生していない場合にステアリングロール12に負荷される鋼帯15の張力である。この初期設定張力Tが固定ロール5b,5cからステアリングロール12に負荷されることにより、固定ロール5b,5cとステアリングロール12との間において鋼帯15に過度な撓みを起こすことなく正常に鋼帯15を搬送することが可能となる。一方、定数kは、鋼帯15の蛇行修正が可能となるステアリングロール12の傾動角度θおよび鋼帯15の張力を加味して設定される。すなわち、定数kは、鋼帯15の蛇行修正力Fa(式(2)参照)がその反力である摩擦抵抗Fr(式(4)参照)に比して大きいという条件(Fa>Fr)を満足するように設定される。
鋼帯15の蛇行が発生した場合、制御部14は、予め設定された次式(5)に基づいて、ステアリングロール12の負荷張力Ta,Tbを低減する。

T’=T−k△L ・・・(5)

すなわち、制御部14は、上述した初期設定張力Tから、鋼帯15の蛇行修正に要する鋼帯15の張力低減量k△Lを減じて得られる修正張力T’に、ステアリングロール12に負荷される鋼帯15の張力を制御する。この張力制御において、制御部14は、予め設定された定数kと、板位置検出装置11によって検出された鋼帯15の蛇行量△Lとを乗じ、これにより、張力低減量k△Lを算出する。このような張力低減量k△Lは、蛇行量△Lの鋼帯15の蛇行を修正可能とするために低減すべき負荷張力Ta,Tbの低減量に相当する。
上述したように、制御部14は、ステアリングロール12に負荷される鋼帯15の張力、すなわち、負荷張力Ta,Tbを、その初期設定張力Tから修正張力T’に低減する。これにより、制御部14は、鋼帯15の蛇行修正力Faの反力である摩擦抵抗Frを、撓み等によって鋼帯15の搬送に支障を来たすことなく、蛇行修正力Fa未満に低減する。このような張力制御により、蛇行量△Lの鋼帯15の蛇行に対し、その蛇行修正効果が生じ始める。
つぎに、本発明の実施の形態にかかる蛇行修正方法について説明する。図5は、本発明の実施の形態にかかる蛇行修正方法の一例を示すフローチャートである。本実施の形態にかかる蛇行修正方法では、図1に示した蛇行修正装置10を用い、順次搬送される鋼帯15に接触しながら回転して鋼帯15をその搬送方向に送出するステアリングロール12の傾動と、このステアリングロール12の負荷張力Ta,Tbの低減とを行って、鋼帯15の蛇行を修正する。
すなわち図5に示すように、本実施の形態にかかる蛇行修正方法において、蛇行修正装置10は、まず、鋼帯15の蛇行量を検出する(ステップS101)。ステップS101において、板位置検出装置11は、ステアリングロール12からルーパ4の固定ロール5cに向かって順次搬送される鋼帯15の蛇行量△Lおよび蛇行方向を検出する。板位置検出装置11は、検出した蛇行量△Lおよび蛇行方向の各情報を制御部14に送信する。
つぎに、蛇行修正装置10は、鋼帯15の蛇行が発生したか否かを判断する(ステップS102)。ステップS102において、制御部14は、板位置検出装置11から取得した鋼帯15の蛇行量△Lおよび蛇行方向をもとに、鋼帯15に蛇行が発生したか否かを判断する。例えば、制御部14は、蛇行方向に対応して予め設定された鋼帯15の蛇行許容範囲と蛇行量△Lとを比較し、蛇行量△Lが蛇行許容範囲から外れる場合、鋼帯15の蛇行が発生したと判断する。蛇行量△Lが蛇行許容範囲内である場合、制御部14は、鋼帯15の蛇行が発生していないと判断する。
鋼帯15の蛇行が発生した場合(ステップS102,Yes)、蛇行修正装置10は、ステアリングロール12を傾動するとともに、このステアリングロール12の負荷張力Ta,Tbを低減し(ステップS103)、これにより、鋼帯15の蛇行を修正する(ステップS104)。
ステップS103において、制御部14は、ロール傾動部13を制御することにより、鋼帯15の蛇行を修正する方向にステアリングロール12を水平方向に対し傾動させて、ステアリングロール12を鋼帯15の蛇行方向と反対方向に下るように傾斜させる。これとともに、制御部14は、ステアリングロール12の傾動角度θとステップS101によって検出した鋼帯15の蛇行量△Lとに応じ、ステアリングロール12に負荷される鋼帯15の張力を低減する。この張力制御において、制御部14は、上述した式(5)に基づきステアリングロール12の負荷張力Ta,Tbを制御する。すなわち、制御部14は、定数kと鋼帯15の蛇行量△Lとを乗じて張力低減量k△Lを算出し、鋼帯15の初期設定張力Tから張力低減量k△Lを減じることにより、修正張力T’を算出する。制御部14は、ステアリングロール12の負荷張力Ta,Tbを、この算出した修正張力T’に制御する。ここで、初期設定張力Tは、ステアリングロール12の負荷張力Ta,Tbの初期設定値である。例えば、負荷張力Ta,Tbが互いに等しい場合、負荷張力Ta,Tbの和(Ta+Tb)は、初期設定張力Tの2倍(=2T)となる。制御部14は、このような負荷張力Ta,Tbを初期設定張力Tから修正張力T’に低減し、これにより、負荷張力Ta,Tbの和(Ta+Tb)を低減して、鋼帯15の蛇行修正力Faを、その反力である摩擦抵抗Frに比して大きくする。本実施の形態において、制御部14は、負荷張力Ta,Tbの低減のために、例えば、ステアリングロール12よりも上流側の固定ロール5bの回転速度を上げるように駆動部6bを制御し、且つ、ステアリングロール12よりも下流側の固定ロール5cの回転速度を下げるように駆動部6cを制御する。制御部14は、上述したような鋼帯15の張力低減によって、ステアリングロール12の傾動による鋼帯15の蛇行修正を促進する。
ステップS104の後、蛇行修正装置10は、上述したステップS101に戻り、このステップS101以降の処理手順を適宜繰り返す。すなわち、蛇行修正装置10は、鋼帯15の蛇行量△Lが蛇行許容範囲内になるまで、上述したステップS101〜S104の処理を繰り返し行って、鋼帯15の蛇行を修正する。
一方、上述したステップS102において、鋼帯15の蛇行が発生していない場合(ステップS102,No)、蛇行修正装置10は、ステアリングロール12の傾動角度θおよび負荷張力Ta,Tbを通常状態に制御する(ステップS105)。その後、蛇行修正装置10は、上述したステップS101に戻り、このステップS101以降の処理手順を適宜繰り返す。
ステップS105において、制御部14は、ステアリングロール12の中心軸12a(図2参照)が水平方向に対して平行となるようにロール傾動部13を制御し、これにより、ステアリングロール12の傾動角度θを略零(望ましくは零)にする。また、制御部14は、ステアリングロール12の負荷張力Ta,Tbが初期設定張力Tと同程度となるように駆動部6b,6cを制御する。ここで、鋼帯15に蛇行が発生しておらず、鋼帯15がステアリングロール12のロール幅方向の中心位置上を走っている場合、鋼帯15の搬送経路の中心またはその近傍の位置に鋼帯15の板幅方向の中心を留めるという観点から、ステアリングロール12の負荷張力Ta,Tbは可能な限り高い方が望ましい。したがって、制御部14は、このステップS105において、例えば駆動部6b,6cの制御(ステップS103と逆の張力制御)を行うことにより、ステアリングロール12の負荷張力Ta,Tbを適度に高めるよう固定ロール5b,5cの回転速度を制御してもよい。
以上、説明したように、本発明の実施の形態では、順次搬送される鋼帯の蛇行量を検出し、鋼帯の蛇行が発生した場合、この鋼帯の蛇行を修正する方向にステアリングロールを水平方向に対し傾動させるとともに、このステアリングロールの傾動角度と、検出した鋼帯の蛇行量とに応じ、このステアリングロールに負荷される鋼帯の張力を低減して、この鋼帯の蛇行を修正している。このため、ステアリングロールの傾動による鋼帯の蛇行修正力を発生させるとともに、この蛇行修正力の反力として鋼帯に作用する摩擦抵抗を、簡易な装置構成によるステアリングロールの負荷張力の低減に伴って応答性良く蛇行修正力未満に制御することができる。したがって、鋼帯の蛇行修正機能の実現に大掛かりな設備改造を必要とせず、また、フィードフォワード制御に起こり得るトラッキング不良に起因して鋼帯の蛇行を誤修正する懸念もなく、簡易な設備構成によって鋼帯の蛇行をその発生時に応答性良く修正することができる。
本発明の実施の形態にかかる蛇行修正装置および蛇行修正方法を鋼帯の連続処理ライン(例えば酸洗処理ライン)のルーパ内に適用することにより、鋼帯の蛇行によるロールアウトに起因して鋼帯のエッジ部に疵等の欠陥が発生するコイル数を従来技術に比して低減することができた。例えば、コイル全長に対して14.5%の鋼帯長さの部分に欠陥が発生した従来技術に比して、本発明によれば、鋼帯の欠陥発生を、コイル全長の2.0%の鋼帯長さ分にまで低減できた。
なお、上述した実施の形態では、ルーパ4内における鋼帯15の搬送経路の後半側にステアリングロール12をルーパ4の一搬送ロールとして配置していたが、ステアリングロール12は、ルーパ4内において鋼帯15の搬送経路の前半に配置されてもよいし、中央に配置されてもよい。すなわち、ルーパ4内におけるステアリングロール12の位置は、本発明において特に問われない。
また、上述した実施の形態では、横方向(例えば鉛直方向に対して垂直な方向)に可動ロールを移動させて鋼帯を蓄積または払い出す横型のルーパに本発明にかかる蛇行修正装置を組み合わせていたが、これに限らず、縦方向(例えば鉛直方向)に可動ロールを移動させて鋼帯を蓄積または払い出す縦型のルーパに本発明にかかる蛇行修正装置を組み合わせてもよい。すなわち、本発明において、本実施の形態にかかる蛇行修正装置が適用されるルーパのタイプは特に問われない。また、ルーパを構成する固定ロールおよび可動ロールの各配置数は、2つまたは3つに限定されず、1つ以上であればよい。さらには、本発明にかかる蛇行修正装置は、鋼帯の連続処理ラインにおける連続処理設備の入側のルーパに限らず、出側のルーパに適用されてもよいし、入側および出側の双方のルーパに適用されてもよい。
さらに、上述した実施の形態では、本発明にかかる蛇行修正装置を連続処理ラインのルーパに適用していたが、これに限らず、連続処理ライン内のルーパ以外の設備、例えば鋼帯の搬送ロールまたは連続処理設備に、本発明にかかる蛇行修正装置を適用してもよい。また、本発明にかかる蛇行修正装置は、鋼帯の連続処理ライン以外、例えば、鋼帯の蛇行が発生し得る搬送系を備えるラインに配置されてもよい。
また、上述した実施の形態では、ステアリングロール12に負荷される鋼帯15の張力を固定ロール5b,5cの回転速度によって制御していたが、これに限らず、回転速度による張力制御以外、例えば、固定ロール5b,5cに対して離間する方向または接近する方向にステアリングロール12を移動させることにより、ステアリングロール12の負荷張力を増減させてもよい。
さらに、上述した実施の形態では、ステアリングロール12に比して鋼帯15の搬送経路の下流側であってステアリングロール12の近傍に板位置検出装置11を配置していたが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、板位置検出装置11は、ステアリングロール12と下流側の固定ロール5cとの間における所望の位置(例えば固定ロール5cの近傍等)に配置されてもよいし、ステアリングロール12に比して鋼帯15の搬送経路の上流側における所望の位置(例えばステアリングロール12の上流側の近傍)に配置されてもよい。
また、上述した実施の形態では、単一のステアリングロール12を備えた蛇行修正装置10を例示したが、これに限らず、本発明にかかる蛇行修正装置10は、複数のステアリングロール12を備えていてもよい。この場合、複数のステアリングロール12は、単一のロール傾動部13によって回転可能に支持されてもよいし、複数のロール傾動部13の各々に回転可能に支持されてもよい。
さらに、上述した実施の形態では、鋼帯15の蛇行を修正していたが、これに限らず、本発明にかかる蛇行修正装置および蛇行修正方法によって蛇行修正される金属帯は、鋼以外の鉄鋼材の帯体であってもよいし、銅またはアルミニウム等の鉄鋼材以外の帯体であってもよい。すなわち、本発明において、蛇行処理対象の金属帯は、鋼帯、鋼帯以外の鉄合金帯、鉄合金帯以外の金属帯のいずれであってもよく、また、鋼種等の金属帯の種類(例えば強度や組成等)も特に問われない。
また、上述した実施の形態により本発明が限定されるものではなく、上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。その他、上述した実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例および運用技術等は全て本発明に含まれる。
1 連続処理ライン
2 ペイオフリール
3 溶接機
4 ルーパ
5a,5b,5c 固定ロール
6a,6b,6c 駆動部
7a,7b 可動ロール
8 ループカー
9 連続処理設備
10 蛇行修正装置
11 板位置検出装置
12 ステアリングロール
12a 中心軸
13 ロール傾動部
14 制御部
15 鋼帯
16 コイル

Claims (6)

  1. 順次搬送される金属帯の蛇行を修正する蛇行修正装置において、
    前記金属帯の蛇行量を検出する蛇行量検出部と、
    円筒形状の外形を有し、前記金属帯に接触しながら前記円筒形状の中心軸を中心に回転して、前記金属帯の搬送方向に前記金属帯を送出するステアリングロールと、
    前記円筒形状の中心軸を中心に回転可能に前記ステアリングロールを支持し、水平方向に対して前記円筒形状の中心軸が傾斜するように前記ステアリングロールを傾動するロール傾動部と、
    前記ステアリングロールの傾動角度と前記蛇行量検出部によって検出された前記金属帯の蛇行量とに応じて、前記ステアリングロールに負荷される前記金属帯の張力である負荷張力を制御し、前記金属帯の蛇行が発生した場合、前記負荷張力を低減して前記ステアリングロールの傾動による前記金属帯の蛇行修正を促進する制御部と、
    を備えたことを特徴とする蛇行修正装置。
  2. 前記制御部は、前記金属帯の蛇行が発生した場合、前記ステアリングロールに関して初期設定された前記金属帯の初期設定張力から前記金属帯の蛇行修正に要する前記金属帯の張力低減量を減じて得られる修正張力に、前記負荷張力を制御することを特徴とする請求項1に記載の蛇行修正装置。
  3. 前記制御部は、前記ステアリングロールの傾動による前記金属帯の蛇行修正力が前記ステアリングロールと前記金属帯との摩擦抵抗に比して大きいという条件を満足する際の前記負荷張力の低減量と前記蛇行修正力によって修正可能な前記金属帯の蛇行量との相関に基づいて予め設定された定数と、前記蛇行量検出部によって検出された前記金属帯の蛇行量とを乗じて、前記張力低減量を算出することを特徴とする請求項2に記載の蛇行修正装置。
  4. 順次搬送される金属帯に接触しながら回転して前記金属帯の搬送方向に前記金属帯を送出するステアリングロールを水平方向に対し傾動させて前記金属帯の蛇行を修正する蛇行修正方法において、
    前記金属帯の蛇行量を検出する検出ステップと、
    前記金属帯の蛇行が発生した場合、前記金属帯の蛇行を修正する方向に前記ステアリングロールを水平方向に対し傾動させるとともに、前記ステアリングロールの傾動角度と前記検出ステップによって検出した前記金属帯の蛇行量とに応じ、前記ステアリングロールに負荷される前記金属帯の張力である負荷張力を低減する制御ステップと、
    を含み、前記金属帯の張力低減によって前記ステアリングロールの傾動による前記金属帯の蛇行修正を促進することを特徴とする蛇行修正方法。
  5. 前記制御ステップは、前記ステアリングロールに関して初期設定された前記金属帯の初期設定張力から前記金属帯の蛇行修正に要する前記金属帯の張力低減量を減じて得られる修正張力に、前記負荷張力を制御することを特徴とする請求項4に記載の蛇行修正方法。
  6. 前記制御ステップは、前記ステアリングロールの傾動による前記金属帯の蛇行修正力が前記ステアリングロールと前記金属帯との摩擦抵抗に比して大きいという条件を満足する際の前記負荷張力の低減量と前記蛇行修正力によって修正可能な前記金属帯の蛇行量との相関に基づいて予め設定された定数と、前記検出ステップによって検出した前記金属帯の蛇行量とを乗じて、前記張力低減量を算出することを特徴とする請求項5に記載の蛇行修正方法。

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