JP5915443B2 - 走行環境推定装置、車両制御装置、車両、走行環境推定方法、及び車両制御方法 - Google Patents

走行環境推定装置、車両制御装置、車両、走行環境推定方法、及び車両制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5915443B2
JP5915443B2 JP2012174089A JP2012174089A JP5915443B2 JP 5915443 B2 JP5915443 B2 JP 5915443B2 JP 2012174089 A JP2012174089 A JP 2012174089A JP 2012174089 A JP2012174089 A JP 2012174089A JP 5915443 B2 JP5915443 B2 JP 5915443B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stop time
stop
time
vehicle
rate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012174089A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013166540A (ja
Inventor
伸和 植木
伸和 植木
亨裕 宮下
亨裕 宮下
伊藤 耕巳
耕巳 伊藤
康平 栃木
康平 栃木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2012174089A priority Critical patent/JP5915443B2/ja
Publication of JP2013166540A publication Critical patent/JP2013166540A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5915443B2 publication Critical patent/JP5915443B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

この発明は、車両の走行環境を推定する装置及び方法に関する。
自動車は、車両の走行環境を推定し、その走行環境を車両の様々な制御に用いている。例えば特許文献1には、走行時間比率検出工程により車両の走行時間比率を算出し、平均速検出工程により車両の平均速度を算出する。そして、道路交通状況推定工程は、走行時間比率と平均速度とに基づき道路交通状況をファジー推論する道路交通状況推定方法が開示されている。さらに、この推定結果の道路交通状況を含む出力パラメータに応じて車両運転特性を可変制御する車両運転特性制御方法が開示されている。
特開平7−105474号公報 特開2005−67293号公報 特開2011−163281号公報
車両の走行環境を推定する時に、例えば、エンジンを掛けたままの状態で買い物待ち、人との待ち合わせ、電話対応などの長時間の停車が発生すると、走行環境の推定精度が悪化する虞があった。
本発明は、車両の走行環境の推定精度を向上することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。本発明の一形態によれば、車両で用いられる走行環境推定装置が提供される。この走行環境推定装置は、前記車両の速度を測定する速度計と、前記速度の履歴を用いて、第1の期間中の前記車両の停車時間率を算出する停車時間率算出部と、停車時間率と第1の走行環境指数との間のあらかじめ定められた関係を用いて、前記停車時間率から前記第1の走行環境指数を算出し、前記第1の走行環境指数を総合走行環境指数とする走行環境推定部と、前記車両が停車したときに、停車時点の停車時間率を格納する第1の記憶部と、を備え、前記走行環境推定部は、前記第1の期間中における前記車両が連続して停車した時間である連続停車時間が第1の判定時間以上である場合には、前記停車時間率算出部に対して、前記連続停車時間を、前記第1の期間及び前記第1の期間中の前記車両の停車時間の合計の両方から除外して前記停車時間率を算出させて、前記停車時間率から前記第1の走行環境指数を算出し、前記連続停車時間が前記第1の判定時間未満である場合には、前記停車時間を含めて算出させた停車時間率から前記第1の走行環境指数を算出し、さらに、前記車両が停車したときには、停車時点の停車時間率を前記第1の記憶部に格納し、前記連続停車時間が前記第1の判定時間以上となった場合には、前記第1の記憶部に格納された停車時間率を用いて前記第1の走行環境指数を算出し、前記連続停車時間が、前記第1の判定時間より小さい第2の判定時間以上で、かつ、前記第1の判定時間未満である場合には、停車時間と停車時間除外率との関係が定められたマップを用いて前記停車時間除外率を取得し、前記停車時間除外率に前記連続停車時間を掛けて前記停車時間から除外する停車除外時間を算出し、前記停車時間から前記停車除外時間を引いた時間を用いて前記停車時間率を算出し、停車時間率と前記第1の走行環境指数との間のあらかじめ定められた関係を用いて、前記第1の走行環境指数を算出し、前記連続停車時間が、前記第2の判定時間未満の場合には、前記停車時間除外率を0%として、前記停車時間を含めて算出した停車時間率を用いて前記第1の走行環境指数を算出する。この形態によれば、停車時間が第1の判定時間以上の長いときにおける車両の走行環境の推定精度を向上させ、さらに、停車時間が、第2の判定時間以上、かつ、第1の判定時間未満のやや長いときにおける車両の走行環境の推定精度を向上させることが可能となる。
(1)本発明の一形態によれば、車両で用いられる走行環境推定装置が提供される。この走行環境推定装置は、前記車両の速度を測定する速度計と、前記速度の履歴を用いて、第1の期間中の前記車両の停車時間率を算出する停車時間率算出部と、停車時間率と第1の走行環境指数との間のあらかじめ定められた関係を用いて、前記停車時間率から前記第1の走行環境指数を算出し、前記第1の走行環境指数を総合走行環境指数とする走行環境推定部と、を備え、前記走行環境推定部は、前記第1の期間中における前記車両が連続して停車した時間である連続停車時間が第1の判定時間以上である場合には、前記停車時間率算出部に対して、前記連続停車時間を、前記第1の期間及び前記第1の期間中の前記車両の停車時間の合計の両方から除外して前記停車時間率を算出させ、前記連続停車時間が前記第1の判定時間未満である場合には、前記停車時間を含めて算出させた停車時間率から前記第1の走行環境指数を算出する。この形態の走行環境推定装置によれば、停車時間が第1の判定時間以上の長いときにおける車両の走行環境の推定精度を向上させることが可能となる。
(2)上記形態の走行環境推定装置は、さらに、前記車両が停車したときに、停車時点の停車時間率を格納する第1の記憶部を備え、前記走行環境推定部は、前記連続停車時間が前記第1の判定時間以上となった場合には、前記第1の記憶部に格納された停車時間率を用いて前記第1の走行環境指数を算出し、前記連続停車時間が前記第1の判定時間未満である場合には、前記停車時間を含めて算出された停車時間率から前記第1の走行環境指数を算出してもよい。この形態の走行環境推定装置によれば、連続停車時間が第1の判定時間以上となった場合には、記憶部に格納された停車時間率を用いて第1の走行環境指数を算出するので、停車時間が第1の判定時間以上の長いときにおける車両の走行環境の推定精度を向上させることが可能となる。
(3)上記形態の走行環境推定装置において、前記走行環境推定部は、前記車両が連続して停車する停車時間が、前記第1の判定時間より小さい第2の判定時間以上で、かつ、前記第1の判定時間未満である場合には、停車時間と停車時間除外率との関係が定められたマップを用いて前記停車時間除外率を取得し、前記停車時間除外率に前記車両の連続停車時間を掛けて前記停車時間から除外する停車除外時間を算出し、前記停車時間から停車除外時間を引いた時間を用いて前記停車時間率を算出し、停車時間率と前記第1の走行環境指数との間のあらかじめ定められた関係を用いて、前記第1の走行環境指数を算出し、前記車両が連続して停車する時間が、前記第2の判定時間未満の場合には、前記停車時間除外率を0%として、前記停車時間を含めて算出した停車時間率を用いて前記第1の走行環境指数を算出し、前記第1の走行環境指数を総合走行環境指数としてもよい。この形態の走行環境推定装置によれば、停車時間が、第2の判定時間以上、かつ、第1の判定時間未満のやや長いときにおける車両の走行環境の推定精度を向上させることが可能となる。
(4)上記形態の走行環境推定装置において、さらに、前記第1の判定時間よりも短い第2の時間毎の停車時間を、前記第1の期間に亘って格納する複数の第2の記憶部と、前記複数の第2の記憶部にそれぞれ対応し、前記複数の第2の記憶部に格納された停車時間をさらに前記第1の期間経過した後に格納する複数の第3の記憶部と、を有し、前記走行環境推定部は、前記連続停車時間が前記第1の判定時間以上の場合には、前記第1の判定時間前以後の前記第2の記憶部にそれぞれ格納された前記停車時間の値を、対応する前記第3の記憶部に格納された停車時間の値にそれぞれ置換し、置換後の前記複数の第2の記憶部に格納された停車時間を用いて前記停車時間率を算出してもよい。この形態の走行環境推定装置によれば、停車時間率の算出において分母となる第1の期間の長さを一定に出来るので、停車時間率や走行環境の推定精度を向上させることが可能となる。
(5)上記形態の走行環境推定装置において、前記走行環境推定部は、前記車両が停車した時を記録し、前記連続停車時間が前記第1の判定時間以上となった場合には、前記連続停車時間が始まった時から前記車両の連続した停車が終了するまでの間の前記停車時間の記録を破棄してもよい。この形態の走行環境推定装置によれば、走行環境指数の算出において、実際の走行環境にそぐわない連続停車時間を破棄することにより、より精度の高い走行環境指数を算出できる。
(6)上記形態の走行環境推定装置において、前記走行環境推定部は、さらに、前記速度を積分して得られる距離と、前記停車時間率に経過時間を掛けることにより得られる停車時間を前記経過時間から引いて得られる走行時間と、を用いて平均速度を算出し、あらかじめ定められた平均速度と第2の走行環境指数との関係を用いて、前記平均速度から前記第2の走行環境指数を算出し、前記第1と第2の走行環境指数の加重平均をとることにより総合走行環境指数を算出してもよい。この形態の走行環境推定装置によれば、さらに平均速度を用いるので、車両の走行環境の推定精度をより向上させることが可能となる。
(7)上記形態の走行環境推定装置において、走行環境推定部は、さらに前記車両のバンドル舵角の絶対値の合計を算出し、前記停車時間率に経過時間を掛けることにより得られる停車時間を前記経過時間から引いて得られる走行時間と、を用いて前記ハンドル舵角の変化量の絶対値の平均値を算出し、あらかじめ定められたハンドル舵角の変化量の絶対値の平均値と第3の走行環境指数との関係を用いて、前記平均値から前記第3の走行環境指数を算出し、前記第1と第3の走行環境指数を含む、第1〜第3の走行環境指数の加重平均をとることにより総合走行環境指数を算出してもよい。この形態の走行環境推定装置によれば、さらにハンドル舵角の変化量の絶対値の平均値を用いるので、車両の走行環境の推定精度をより向上させることが可能となる。
(8)本発明の一形態によれば、エンジンの動力によって駆動される発電機からの電力により充電可能なバッテリを備える車両の車両制御装置が提供される。この形態の車両制御装置は、あらかじめ定められた総合走行環境指数と前記車両のアイドリングストップ中の消費電力の推定値との関係を用い、上記形態のいずれか一つの形態に記載の走行環境推定装置により算出された総合走行環境指数の推定結果から前記車両のアイドリングストップ中の消費電力を推定する消費電力予測部と、前記エンジンのアイドリングストップ制御を行うアイドリングストップ制御部と、前記バッテリの蓄電状態(SOC)を検出するSOC検出部と、前記車両の走行時に、前記消費電力予測部により予測された消費電力に基づいて、前記アイドリングストップ制御によるエンジン停止から再始動までのストップアンドスタート期間において使用すると予想されるアイドリングストップ用電力量を設定する電力量設定部と、前記車両の走行時に、前記SOC検出部によって検出されたSOCと、前記使用可能なSOC範囲の下限値との差である残存電力量が、前記アイドリングストップ用の電力量を下回ることを回避するように、前記発電機の電力による前記バッテリの充電を制御するSOC制御部と、を備えてもよい。
(9)上記形態の車両制御装置は、前記車両の走行状態から停車状態に減速されるときに、回生される回生電力量を予測する回生電力量予測部を備え、前記SOC制御部は、走行中の前記残存電力量に前記回生電力量を加えた電力量が、前記アイドリングストップ用の電力量を下回ることを回避するように、前記発電機の電力による前記バッテリの充電を制御してもよい。
(10)本発明の一形態によれば、車両が提供される。この車両は、エンジンと、前記エンジンの動力によって駆動される発電機の発電量によって充電可能なバッテリと、請求項5または6に記載の車両制御装置と、を備えてもよい。
(11)本発明の一形態によれば、車両で用いられる走行環境推定方法が提供される。この形態の素行環境推定方法は、前記速度の履歴を用いて、第1の期間中の前記車両の停車時間率を算出する停車時間率算出工程と、前記停車時間率から前記第1の走行環境指数を算出し、前記第1の走行環境指数を総合走行環境指数とする工程と、を備え、前記車両が連続して停車する時間である連続停車時間が、第1の判定時間以上である場合には、前記連続停車時間を、前記第1の期間及び前記第1の期間中の前記車両の停車時間の合計の両方から除外して前記停車時間率を算出して、前記第1の走行環境指数を算出し、前記連続停車時間が前記第1の判定時間未満である場合には、前記停車時間を含めて算出させた停車時間率から前記第1の走行環境指数を算出する。
(12)上記形態の走行環境推定方法は、さらに、前記車両が停車したときに、停車時点の停車時間率を第1の記憶部に格納する工程を備え、前記連続停車時間が前記第1の判定時間以上となった場合には、前記第1の記憶部に格納された停車時間率を用いて前記第1の走行環境指数を算出し、前記連続停車時間が前記第1の判定時間未満である場合には、前記停車時間を含めて算出された停車時間率から前記第1の走行環境指数を算出してもよい。
(13)上記形態の走行環境推定方法は、前記第1の判定時間よりも短い第2の時間毎の停車時間を、前記第1の期間に亘って複数の第2の記憶部に格納する工程と、前記複数の第2の記憶部に格納された停車時間を、さらに前記第1の期間経過した後に、前記複数の第2の記憶部にそれぞれ対応して設けられている複数の第3の記憶部に格納する工程と、前記連続停車時間が前記第1の判定時間以上の場合には、前記第1の判定時間前以後の前記第2の記憶部にそれぞれ格納された前記停車時間の値を、対応する前記第3の記憶部に格納された停車時間の値にそれぞれ置換し、置換後の前記複数の第2の記憶部に格納された停車時間を用いて前記停車時間率を算出する工程と、を備えてもよい。
(14)本発明の一形態によれば、エンジンと、前記エンジンの動力によって駆動される発電機の発電量によって充電可能なバッテリと、を有する車両を制御する車両制御方法が提供される。この形態の両制御方法は、アイドリングストップ制御を行う工程と、前記バッテリの蓄電状態(SOC)を検出する工程と、あらかじめ定められた総合走行環境指数と前記車両のアイドリングストップ中の消費電力の推定値との関係を用い前記車両の走行時に、請求項8に記載の走行環境推定方法を用いて算出された総合走行環境指数を用いて、前記車両のアイドリングストップ中に消費される電力量をアイドリングストップ用の電力量として予測する工程と、前記車両の走行時に、前記SOC検出部によって検出されたSOCと、前記使用可能なSOC範囲の下限値との差である残存電力量が、前記アイドリングストップ用の電力量を下回ることを回避するように、前記発電機の電力による前記バッテリの充電を制御する工程と、を備える。
上記形態の車両制御装置、車両、車両制御方法によれば、車両の走行環境の推定精度をより向上させることができる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、走行環境推定装置、車両制御装置、車両、車両制御方法の他、走行環境推定方法等の形態でも実現することができる。
本発明の一実施例としての自動車200の構成を示す説明図である。 ECU50の構成を機能的に示す説明図である。 走行環境予測部の構成を示す説明図である。 停車時間率と第1の走行環境指数P11との関係を示す説明図である。 平均車速と第2の走行環境指数P12の関係を示す説明図である。 ハンドルの平均舵角Astr2と第3の走行環境指数P13の関係を示す説明図である。 停車時間率の例外処理を示すフローチャートである。 ステップS1070で用いられるマップの一例を示す説明図である。 いろいろな走行パターンにおける停車時間率を示す説明図である。 目標SOC推定ルーチンを示すフローチャートである。 SOC配分要求レベル算出用マップMPを示す説明図である。 目標SOC値算出用テーブルTBを示す説明図である。 自動車200の運転中における車速とバッテリ40のSOC(現在SOC値C2)についてのタイムチャートを示す説明図である。 停車時間率算出の一例を示す説明図である。 自動車の速度の変遷を示す一例である。 180秒以上の連続停車時間率があった場合の停車時間率を算出する方法の一例を示す説明図である。 停車時間率算出の他の一例を示す説明図である。 長時間停車が生じたときの停車時間率算出の一例を示す説明図(その1)である。 長時間停車が生じたときの停車時間率算出の一例を示す説明図(その2)である。 連続停車時間中の停車時間率として直前の停車時間率を採用する例を示す説明図である。 バッファメモリを備える代わりにスタックメモリを3個多く備える例を示す説明図である。 長時間停車がノイズ停車となったときの過去時間確定破棄処理を示す説明図である。 過去時間確定フラグがオンにされた後にノイズ停車が発生した場合の処理を示す説明図である。 過去時間確定フラグがオンにされる前にノイズ停車が発生した場合の処理を示す説明図である。 過去時間確定フラグがオンにされる前にノイズ停車が発生した場合の処理を示す説明図である。 ノイズ停車可能性フラグについて説明する説明図である。 600秒経過時に連続停車中である場合の停車状態フラグノイズ停車可能性フラグノイズ停車フラグ過去時間経過確定フラグの関係を示す説明図である。 600秒経過後に連続停車が始まった場合の停車状態フラグノイズ停車可能性フラグノイズ停車フラグ過去時間経過確定フラグの関係を示す説明図である。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.全体構成:
B.ECUの構成:
C.目標SOC推定部の構成:
D.作用、効果:
E:停車時間率の算出の具体例:
F.変形例:
A.全体構成:
図1は、本発明の一実施例としての自動車200の構成を示す説明図である。自動車200は、アイドリングストップ機能を搭載した車両である。自動車200は、エンジン10と、自動変速機15と、ディファレンシャルギア20と、駆動輪25と、スタータ30と、オルタネータ35と、バッテリ40と、電子制御ユニット(ECU:Electrical Control Unit)50とを備えている。
エンジン10は、ガソリンや軽油などの燃料を燃焼させることによって動力を発生させる内燃機関である。エンジン10の動力は、自動変速機15に伝達されるとともに、駆動機構34を介してオルタネータ35に伝達される。エンジン10の出力は、運転者により操作されるアクセルペダル(図示せず)の踏み込み量に応じて、エンジンコントロールコンピュータ(図示せず)により変更される。
自動変速機15は、変速比の変更(いわゆるシフトチェンジ)を自動的に実行する。エンジン10の動力(回転数・トルク)は、自動変速機15によって変速され、所望の回転数・トルクとして、ディファレンシャルギア20を介して、左右の駆動輪25に伝達される。こうして、エンジン10の動力は、アクセルペダルの踏み込み量に応じて変更されつつ、自動変速機15を介して駆動輪25に伝達されて、車両(自動車200)の加速・減速が行われることになる。
オルタネータ35にエンジン10の動力を伝達する駆動機構34は、本実施例では、ベルトドライブの構成を採用している。オルタネータ35は、エンジン10の動力の一部を用いて発電を行う。発電された電力は、インバータ(図示せず)を介してバッテリ40の充電に用いられる。本明細書では、オルタネータ35を用いたエンジン10の動力による発電を「燃料発電」と呼ぶ。オルタネータ35は、[課題を解決するための手段]の欄に記載した「発電機」に相当する。なお、オルタネータ35は、駆動機構34、エンジン10、自動変速機15、ディファレンシャルギア20を介して駆動輪25と接続されている。減速時には、駆動輪25の回転運動が、ディファレンシャルギア20、自動変速機15、エンジン10、駆動機構34を介してオルタネータ35を駆動するため、車両の運動エネルギーを電気エネルギーとして回生することができる。
バッテリ40は、電圧14Vの直流電源としての鉛蓄電池であり、エンジン本体以外に設けられた周辺機器に電力を供給する。本明細書では、エンジン本体以外に設けられた周辺機器であって、バッテリ40の電力を用いて動作する機器を、「補機」と呼ぶ。また、補機の集まりを、「補機類」と呼ぶ。自動車200は、補機類70として、ヘッドライト72、空調装置(A/C)74等を備える。
スタータ30は、バッテリ40から供給される電力によってエンジン10を始動させるセルモータである。通常は、停止している自動車の運転を開始する際に、運転者がイグニッションスイッチ(図示せず)を操作すると、スタータ30が起動し、エンジン10が始動する。このスタータ30は、以下で説明するように、アイドリングストップ状態からエンジン10を再始動させる場合にも利用される。本明細書では、「アイドリングストップ状態」とは、アイドリングストップ制御による停止状態をいう。
ECU50は、コンピュータプログラムを実行するCPU51、コンピュータプログラム等を記憶するROM52、一時的にデータを記憶するRAM53、各種センサやアクチュエータ等に接続される入出力ポート等を備える。ECU50に接続されるセンサとしては、駆動輪25の回転速度を検出する車輪速センサ82、ブレーキペダル(図示せず)の踏み込みの有無を検出するブレーキペダルセンサ84、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量をアクセル開度として検出するアクセル開度センサ86、ハンドルの舵角を検知するハンドル舵角センサ87、バッテリ40の充放電電流を検出するバッテリ電流センサ88、およびオルタネータ35の出力電流を検出するオルタネータ電流センサ89がある。アクチュエータとしては、スタータ30やオルタネータ35等がある。ECU50は、バッテリ40から電力の供給を受けている。
ECU50は、前記各種のセンサやエンジンコントロールコンピュータ(図示せず)からの信号をもとに、スタータ30やオルタネータ35を制御することによって、エンジン停止と再始動を制御(アイドリングストップ制御)するとともにバッテリ40のSOC(State of Charge)を制御する。SOCは、バッテリ40の満充電時を100%、バッテリが空の時を0%としたときのバッテリ40の充電率で示される指標である。バッテリ40は、満充電状態を維持すると自己放電により劣化し易いので、バッテリ40は、SOCが一定の範囲内に収まるように充電制御されることが好ましい。このECU50が本発明に直接関わる車両制御装置である。
B.ECUの構成:
図2は、ECU50の構成を機能的に示す説明図である。図示するように、ECU50は、アイドリングストップ制御部90と、SOC値制御部100と、停車判断部111と、を備える。アイドリングストップ制御部90、SOC値制御部100及び停車判断部111は、実際は、ECU50に備えられたCPU51が、ROM52に記憶されたコンピュータプログラムを実行することで実現する機能を示す。
アイドリングストップ制御部90は、車輪速センサ82で検出された車輪速Vhとアクセル開度センサ86で検出されたアクセル開度Tpとを取得し、エンジン10を停止/始動させる指示Ssをスタータ30に出力する。詳しくは、アイドリングストップ制御部90は、車輪速Vhが低下して所定速度(例えば10km/h)未満となったときに、エンジン停止条件が成立したとしてエンジン停止の指示Ssをスタータ30に出力し、その後、アクセル開度Tpからアクセルペダルが踏み込まれたことが検出されたときに、エンジン再始動条件が成立したとしてエンジン再始動の指示Ssをスタータ30に出力する。
すなわち、アイドリングストップ制御部90は、エンジン停止条件が成立したときにエンジン10を停止させ、前記停止後においてエンジン再始動条件が成立したときにエンジン10を再始動させる。前記エンジン停止条件およびエンジン再始動条件は、前述したものに限らない。例えば、車輪速Vhが完全に0km/hとなることをエンジン停止条件とすることもできるし、ブレーキペダルから足が離れたことをエンジン再始動条件とすることもできる。
停車判断部111は、自動車200が停車しているか、否かを判断する。停車判断部111は、車輪速Vhが0km/hであれば、自動車200が停車していると判断し、0km/hでなければ、自動車200は停車していない、と判断することができる。停車判断部111は、自動車200が停車しているときは、停車信号Sstpを活性化(例えばSstp=1)し、自動車200が停車していないときは、停車信号Sstpを非活性化(例えばSstp=0)する。
SOC値制御部100は、目標SOC値推定部110と、バッテリSOC値算出部120と、フィードバック制御部130とを備える。目標SOC値推定部110は、車両の走行時(例えば、車輪速Vh>0km/hの時)に、アイドリングストップ制御によるエンジン停止から再始動までの期間(以下、「ストップアンドスタート期間」と呼ぶ)において使用すると予想されるSOCを、目標SOC(以下、「目標SOC値」とも呼ぶ)C1として推定するもので、詳しい構成についてはC節で説明する。なお、この目標SOC値推定部110が[課題を解決するための手段]の欄に記載した「電力量設定部」に相当する。「SOC」は、バッテリに残存している電気量を、バッテリを満充電したときに蓄えられる電気量で除した値として定義される。
バッテリSOC値算出部120は、バッテリ電流センサ88によって検出されたバッテリ40の充放電電流(「バッテリ電流」と呼ぶ)Abに基づいて、バッテリ40の現在のSOC(以下、「現在SOC値」と呼ぶ)C2を算出する。詳しくは、バッテリ40の充電電流をプラス値とし、バッテリ40の放電電流をマイナス値として充放電電流Abを積算することで、現在SOC値C2を算出する。バッテリ電流センサ88およびバッテリSOC値算出部120の構成が、[課題を解決するための手段]の欄に記載した「SOC検出部」に相当する。なお、SOC検出部は、バッテリ電流センサ88によって検出されたバッテリ電流に基づいて算出するものに限る必要はなく、バッテリ電解液比重センサ、セル電圧センサ、バッテリ端子電圧センサ等に基づいて求める構成としてもよい。さらに、SOC検出部は、バッテリに残存している電気量を検出する構成に限る必要もなく、例えば充電可能量等の他のパラメータで蓄電状態を検出するものとすることもできる。
フィードバック制御部130は、車両の走行時に、目標SOC値C1から現在SOC値C2を差し引いた差分値を求め、その差分値を値0にフィードバック制御で一致させる電圧指示値Svを求める。その電圧指示値Svはオルタネータ35の発電量を指示するもので、オルタネータ35に送られる。この結果、燃料発電によって現在SOC値C2が目標SOC値C1に制御される。フィードバック制御部130の構成が、[課題を解決するための手段]の欄に記載した「SOC制御部」に相当する。
SOC値制御部100には、図示はしないが、上記以外に、「バッテリ制御」と呼ばれる機能と、「充電制御」と呼ばれる機能が設けられている。バッテリ制御について説明する。バッテリ、特に本実施例の鉛バッテリは、長寿命化の要請から、使用可能なSOC範囲(運用するSOC範囲)が予め定められている。このため、このSOC範囲の下限値(例えば60%)をバッテリ40のSOCが下回るときにエンジン10の動力を増大してSOCを前記SOC範囲内とし、SOC範囲の上限値(例えば90%)をSOCが上回るときにSOCを消費して前記SOC範囲内とする「バッテリ制御」が行われる。アイドリングストップ制御によるエンジンの停止時においてもSOCが下限値を下回ると、エンジンが始動して燃料発電によってSOCを前記SOC範囲内とする。
「充電制御」は、通常走行中に燃料発電によるバッテリへの充電を抑えることで燃料消費量を節約し、減速走行中に回生発電によりバッテリへの充電を行なう制御処理である。充電制御については周知の構成であることから、詳しく説明しないが、概ね次の処理を行う。充電制御においては、通常走行時におけるフィードバック制御部130によるフィードバック制御を、目標SOC値C1が現在SOC値C2を上回るときに実行し、通常走行時に目標SOC値C1が現在SOC値C2以下であるときには、所定の発電カット電圧をオルタネータ35への電圧指示値Svとする。この構成により、通常走行時における充電を抑制し燃料消費量を節約することができる。なお、「通常走行」とは、車速が0km/hである「停車」、および前記回生発電が行われる「減速走行」のいずれにも該当しない自動車200の状態である。
C.目標SOC推定部の構成:
目標SOC値推定部110は、走行環境予測部112と、自車両状態予測部114と、SOC配分要求レベル算出部116と、目標SOC値算出部118とを備える。
走行環境予測部112は走行環境を予測する。ここでいう「走行環境」とは、今後(現在以後)どれくらいアイドリングストップ状態となるかを示すパラメータであり、今後の所定期間におけるストップアンドスタート期間の割合に関わるパラメータとも言える。すなわち、「走行環境」は、アイドリングストップ制御による停車を引き起こす車両の走行環境である。走行環境予測部112は、詳しくは、車輪速センサ82によって検出された車輪速Vhに基づいて、走行環境を指数で示す走行環境指数を算出する。具体的には、現在から遡る所定期間(例えば10分間)における停車時間の比率Tstp2を車輪速Vhに基づいて算出し、その比率から第1の走行環境指数P11を算出する。すなわち、所定期間において車輪速Vhが値0となる停車時間の合計を求め、その合計を所定期間の全時間で割り算することで比率Tstp2を算出し、その比率Tstp2から第1の走行環境指数P11を算出する。ただし、連続停車時間が多い場合には、現実の停車時間からあらかじめ定められた条件に従って、停車時間を補正する例外処理を行う。例外処理の具体的な内容については、後述する。
図3は、走行環境予測部112の構成を示す説明図である。走行環境予測部112は、停車時間率算出処理部1120と、平均車速算出処理部1121と、追加走行環境情報処理部1122と、例外処理部1123と、停車時間率−走行環境指数変換部1127と、平均車速−走行環境指数変換部1128と、追加走行環境情報−走行環境指数変換部1129と、調停処理部1130と、を備える。例外処理部1123は、停車時間が長い場合に例外処理を実行する。例外処理とは、例えば、運転手が、エンジンを始動したまま長時間駐車した場合に、条件に従って連続停車時間のいくらかを実際の停車時間から減じて停車時間率、平均車速等を算出する処理である。長時間連続停車の例としては、例えば、運転手と同乗者の2人以上がコンビニエンスストア(以下、「コンビニ」と呼ぶ。)に行った場合に、運転手がエンジンを掛けたまま車両に残り、同乗者がコンビニエンスストアで買い物をする場合、ナビゲーションシステムの目的地などの設定のために停車する場合、電話対応のため路肩に停車する場合、等が挙げられる。ただし、これらは一例であり、長時間連続停車の例は、これらに限られない。
停車時間率算出処理部1120は、所定期間のうちの車輪速Vhが値0となる停車時間の合計の割合(停車時間率Tstp1)を以下のように算出する。なお、具体的な算出については、後述する。
Tstp1=[車輪速Vhが値0となる停車時間]/[所定期間]
平均車速算出処理部1121は、所定期間に車両が移動した距離Lを、以下のように算出する。
L=∫(Vh)dt
次に、平均車速算出処理部1121は、所定期間の平均速度Vave1を、以下の式を用いて算出する。
Vave1=L/[所定期間]
停車時間率算出処理部1120は、メモリ1120mを備えており、停車時間率Tstp1や車輪速Vhが値0となる停車時間の値は、メモリ1120mに格納される。
追加走行環境情報処理部1122は、停車時間率、平均速度以外の走行データを算出する。その他のデータの一例を挙げれば、ハンドルの舵角Astrである。追加走行環境情報処理部1122は、ハンドルの平均舵角Astr1を、以下の式を用いて算出することが出来る。
Astr1=Σ(|Astr|)/[所定期間]
すなわち、追加走行環境情報処理部1122は、所定期間内のハンドルの舵角の変化量の絶対値の総和をとり、所定期間で割ることにより、ハンドルの平均舵角Astr1を算出することができる。ハンドルの舵角の変化量の絶対値とせず、ハンドルの舵角の変化量(右に切るのをプラス、左に切るのをマイナス)とした場合には、平均を取れば、ハンドルの舵角位置となるからである。
例外処理部1123は、停車時間率例外処理部1124と、平均車速例外処理部1125と、追加走行環境情報例外処理部1126と、を備える、停車時間率例外処理部1124は、車両の連続停車時間が長い場合に実際の停車時間から一定の停車時間を減じて得られた停車時間を用いて、停車時間率Tstp2を算出する。
停車時間率−走行環境指数変換部1127は、停車時間率Tstp2から第1の走行環境指数P11を算出する。停車時間の合計(例外処理後)を所定期間で割った停車時間率Tstp2が高いということは、前記車両の停車頻度と停車期間の長さが高いということであり、今後の車両の停車頻度と長さも高いと予測することができる。このため、本実施例では、下記に従って第1の走行環境指数P11を決定する。
図4は、停車時間率Tstp2と第1の走行環境指数P11との関係を示す説明図である。
・10分間停車時間率Tstp2<38%のとき、第1の走行環境指数P11を値1とする。
・38%≦10分間停車時間率Tstp2<42%のとき、第1の走行環境指数P11を値2とする。
・42%≦10分間停車時間率Tstp2<46%のとき、第1の走行環境指数P11を値3とする。
・10分間停車時間率Tstp2≧46%のとき、第1の走行環境指数P11を値4とする。
なお、図4では、横軸に停車時間率Tstp2を取っているが、後述するように、停車時間率の例外処理が行われない場合には、横軸に停車時間率Tstp1を採用して適用する。
前記38%、42%、46%という閾値は一例であり、これらに限らず、別の数値とすることができる。また、求める第1の走行環境指数P11の値は1〜4までの4つに限らず、3つ、5つ、6つ等の他の数とすることもできる。また、図4に示す例では、第1の走行環境指数P11の値が整数となるようにしているが、第1の走行環境指数P11の値は、整数でなくても良い。例えば、図4の破線で示すように、停車時間率Tstp2と第1の走行環境指数P11との関係を定義してもよい。この場合、停車時間率Tstp2が41%であれば、第1の走行環境指数P11は2.25となる。なお、停車時間率Tstp2が低い場合は郊外であり、停車時間率Tstp2が高い場合は市街地であると言えることから、第1の走行環境指数P11の値が高いほど、市街化度が高いといえる。
停車時間率−走行環境指数変換部1127は、走行環境指数P11を停車時間率Tstp2に基づいて求めていたが、走行環境指数は停車時間率Tstp2に基づいて算出されるものに限られない。例えば、平均車速に基づくものであってもよい。平均車速算出部処理1121は、車速センサによって検出された車速の平均値Vave1を算出する。平均車速例外処理部1125は、同様に、車両の連続停車時間が長い場合に実際の停車時間から一定の停車時間を減じて得られた停車時間(走行環境算定用停車時間)を算出し、以下の式を用いて平均速度Vave2(平均車速Vave2とも呼ぶ。)を算出する。
Vave2=L/([所定期間]−[走行環境算定用停車時間])
平均車速−走行環境指数変換部1128は、平均車速Vave2から第2の走行環境指数P12を算出する。図5は、平均車速と第2の走行環境指数P12の関係を示す説明図である。平均車速−走行環境指数変換部1128は、平均車速Vave2を用いて第2の走行環境指数P12を算出する。例えば、車速の平均値が低いほど市街化度が高くなることから、平均車速−走行環境指数変換部1128は、車速の平均値が低いほど第2の走行環境指数P12を高い値とする。
また、走行環境指数を算出する際に、ハンドルの舵角の平均Astr2を用いてもよい。例えば、追加走行環境情報処理部1122は、ハンドル舵角の変化量の絶対値の平均Astr2を以下の式を用いて算出する。
Astr2=Σ(|Astr|)/([所定期間]−[走行環境算定用停車時間])
追加走行環境情報−走行環境指数変換部1129は、ハンドル平均舵角Astr2から第3の走行環境指数P13を算出する。図6は、ハンドルの平均舵角Astr2と第3の走行環境指数P13の関係を示す説明図である。ハンドルの平均舵角Astr2が大きいほど、走行中にハンドルが大きく切られ、あるいは多数回切られることになる。したがって、ハンドルの平均舵角Astr2が大きいほど市街化度が高くなると考えられることから、ハンドルの平均舵角Astr2が大きいほどほど第3の走行環境指数P13を高い値とする。
上記説明では、停車時間率Tstp2、自動車200の平均速度Vave2、ハンドルの平均舵角Astr2を用いて、第1〜第3の走行環境指数P11〜P13をそれぞれ算出したが、走行環境指数はこれ以外のパラメータを用いて算出することも可能である、例えば、車輪速センサ82によって検出された車輪速Vhの変化率(すなわち加速度)、MT(Manual Transmission)車の場合手動変速機のシフトポジション、またはAT(Automatic Transmission)車の場合の自動変速機のギヤ比等に基づいて走行環境指数を求める構成としてもよい。例えば、車輪速Vhの変化率が高いほど市街化度が高くなることから、車輪速Vhの変化率が高いほど第4の走行環境指数P14を高い値とすればよい。手動変速機のシフトポジションが頻繁に行われるほど市街化度が高くなることから、手動変速機のシフトポジションが頻繁に行われるほど第5の走行環境指数P15を高い値とすればよい。自動変速機のギヤ比等が頻繁に切り換わるほど市街化度が高くなることから、自動変速機のギヤ比等が頻繁に切り換わるほど第6の走行環境指数P16を高い値とすればよい。なお、上述のように、本実施例では、第nの走行環境指数をP1n(nは整数)で示している。
調停処理部1130は、第1〜第3の走行環境指数P11〜P13を用いて、総合走行環境指数P1を算出する。具体的には以下の式を用いて総合走行環境指数P1を算出する。
P1=(Σ(ci×P1i))/(Σ(ci))
ここでciは加重平均を行うための重み付け係数である。iは添え字であり、第1〜第3の走行環境指数P11〜P13を用いる場合には、i=3となる。このように、前記車輪速Vhと車輪速Vhに替わる各パラメータは、それらの中から選択した1つに基づいて総合走行環境指数P1を求める構成に限る必要もなく、2つ以上のパラメータに基づいて総合走行環境指数P1を求める構成としてもよい。2つ以上のパラメータを採用する場合、上述したように、各走行環境指数P1iに個別の重み付け指数を掛けて総合走行環境指数P1を求める構成とすることが好ましい。また、1つの走行環境指数に基づいて総合走行環境指数P1を算出する場合には、その走行環境指数に関する重み付け係数を1とし、他の走行環境指数に関する重み付け係数をゼロとすればよい。なお、前述した車輪速Vhと車輪速Vhに替わる各パラメータを採用することで、自動車200という自律系のみで走行環境を予測することができる。これに対して、自律系の外側から取得する情報に基づいて、総合走行環境指数P1を求める構成としてもよい。自律系の外側から取得する情報としては、ナビゲーションシステムの道路地図情報等がある。ナビゲーションシステムの道路地図情報に基づいて今後の走行地位置が市街地か郊外かを見極めて、総合走行環境指数P1を求めることができる。また、VICS(Vehicle Information and communication System:VICSは登録商標)のような、渋滞や交通規制などの道路交通情報をリアルタイムに受信し、カーナビゲーションなどの車載機に文字・図形で表示する画期的な情報通信システムを備えている車両にあっては、情報通信システムで受信した渋滞や交通規制などの道路交通情報のデータに基づいて総合走行環境指数P1を決定してもよい。また、情報通信システムで受信した渋滞や交通規制などの道路交通情報のデータと、そのデータから予測される停車時間とが合致せず、予測された停車時間よりも実際の停車時間が一定以上長い場合に、停車時間率例外処理部1124は、例外処理を実行してもよい。
図7は、停車時間率の例外処理を示すフローチャートである。ステップS1000において、停車時間率例外処理部1124は、停車の開始を検出すると、処理をステップS1010に移行する。停車時間率例外処理部1124は、停車信号Sstpの値により、停車を開始したか否かを判断できる。ステップS1010では、停車時間率例外処理部1124は、停車を開始した時点の停車時間率([停車時間の合計]/[所定期間])をRAM53に格納する。ステップS1020において、停車時間率例外処理部1124は、連続停車時間のカウントアップを開始する。
停車時間率例外処理部1124は、ステップS1030で自動車200の走行開始を検知すると、処理をステップS1040に移行する。停車時間率例外処理部1124は、停車信号Sstpの値により、自動車200の走行開始を容易に検知することができる。ステップS1040では、停車時間率例外処理部1124は、連続停車時間が判定時間TA以上の場合には、処理をステップS1050に移行する。ステップS1050では、停車時間率例外処理部1124は、停車時間率として、ステップS1010でRAM53に格納された停車時間率を用いる。停車時間が判定時間TAよりも長い場合には、例えば、停車時間がコンビニへの買い物等により費やされたことが考えられる。走行環境指数を算出するのにこのような長い停車時間を用いると、適切な総合走行環境指数P1を得ることができなくなる。したがって、停車時間が判定時間TAよりも長い場合には、この時間を考慮せず、停車時(停車直前)の停車時間率を用いることが好ましい。なお、判定時間TAとしては、例えば、30分〜1時間程度の値を採用してもよい。また、判定時間TAは所定期間より長くてもよい。
ステップS1040で連続停車時間が判定時間TA未満の場合には、停車時間率例外処理部1124は、処理をステップS1060に移行し、連続停車時間が判定時間TB(TB<TA)以上か否かを判断する。連続停車時間が判定時間TB以上、判定時間TA未満である場合には、停車時間率例外処理部1124は、処理をステップS1070に移行する。連続停車時間が判定時間TB以上、判定時間TA未満に該当する場合とは、例えば、ナビゲーションシステムの目的地などの設定、電話対応のため路肩に停車する場合等であり、コンビニへの買い物のような長時間ではないが、信号待ちのような短時間でもない停車の場合である。判定時間TBとしては、例えば3分程度の値を採用しても良い。ステップS1070では、停車時間率例外処理部1124は、マップに基づいて停車時間除外率を算出する。停車時間除外率は、連続停車時間から、除外する時間(停車除外時間)の割合を示す。停車時間除外率と、連続停車時間と、停車除外時間と、の間には、以下の式の関係がある。
[停車除外時間]=[停車時間除外率]×[連続停車時間]
ステップS1080では、停車時間率例外処理部1124は、停車時間率Tstp2を算出する。具体的には、停車時間率例外処理部1124は、以下の式を用いて停車時間率を算出することができる。
停車時間率=([所定期間内の停車時間合計]―[停車除外時間])/([所定期間]―[停車除外時間])
ここで、停車除外時間はマップから得られた値が用いられる。マップについては後述する。
ステップS1060において、連続停車時間が判定時間TB未満の場合には、停車時間率例外処理部1124は、処理をステップS1090に移行する。ステップS1090では、停車時間率例外処理部1124は、所定期間内の実際の停車時間の合計を、所定期間で除することにより、停車時間率Tstp1を算出する。
Tstp1=[所定期間内の実際の停車時間の合計]/[所定期間]
このような短時間の停車は、例えば信号待ちであり、自動車200の第1の走行環境指数P11を算出する際には、停車時間として、停車時間率の算出のための考慮に入れることが好ましい。この場合、図4に示すマップにおいて、停車時間率として停車時間率Tstp2の代わりに停車時間率Tstp1を用いる。停車時間率例外処理部1124は、ステップS1100でRAM53に格納された停車時間率をクリアし、ステップS1110では、連続停車時間のカウンタをクリアし、カウントを停止する。
図8は、ステップS1070で用いられるマップの一例を示す説明図である。連続停車時間を横軸にとり、停車時間除外率を縦軸にとっている。ここで停車時間除外率とは、連続停車時間のうち、どの割合を連続停車時間から除外するか、を示す割合(率)である。連続停車時間が判定時間TB未満の場合には、除外率は0%である。停車時間除外率が0%のときは、連続停車時間から除外される停車時間がゼロとなる。すなわち、連続停車時間は、停車時間率を算出するときの停車時間に含まれる。そのため、図7のステップS1090のように、停車時間率は、(停車時間合計)/(所定期間)で算出される。連続停車時間が判定時間TA以上のときは、停車時間控除率が100%である。停車時間控除率が100%のときは、連続停車時間は、全て除外されるため、この間の停車時間はゼロとみなされる。したがって、停車時間率が小さくなる。特に、連続停車時間が例えば、所定期間を越える場合、停車時間率がゼロとなってしまい、正しい走行環境指数を算出できない。したがって、連続停車時間が、判定時間TA以上の場合には、図7のステップS1050のように、RAM53に格納された停車開始時の停車時間率を用いる。連続停車時間が、判定時間TB以上、判定時間TA未満の場合には、連続停車時間が長くなると、停車時間除外率も大きくしている。なお、連続停車時間が判定時間TA未満に場合には、全てマップを用いて停車時間除外率を算出しても良い。
図9は、いろいろな走行パターンにおける停車時間率を示す説明図である。走行パターン1は、連続停車時間が、判定時間TB未満の場合であり、走行パターン2は、連続停車時間が、判定時間TB以上、判定時間TA未満の場合であり、走行パターン3は、連続停車時間が、判定時間TA以上の場合である。なお、破線は、本実施例の例外処理を行わなかったときの停車時間率を示す。また、自動車200が停車状態から走行状態に移行するときには、図8のステップS1110に示すように、カウンタがクリア、停止されるので、この3つの走行パターンを考慮すればよい。なお、停車時間率は、実施例の例外処理が考慮されなければ、走行中は小さくなっていき、停車中は大きくなっていく。
走行パターン1では、連続停車時間が、判定時間TB未満であるので、停車時間から停車除外時間は引かれない。したがって、自動車200が停車状態から走行状態に移行するまでは、停車時間率は、例外処理を行わなかったときと同じであり、自動車200が停車状態から走行状態に移行した後は、例外処理を行わなかったときの停車時間率を示す直線上の点Q1から小さくなっていく。
走行パターン2では、連続停車時間が、判定時間TB以上、判定時間TA未満であるので、停車時間からマップにより算出された停車除外時間が引かれる。式(1)から分かるように、停車除外時間は、分子と分母の両方から引かれるが、(所定期間内の停車時間合計)<(所定期間)であるので、演算後の停車時間率は小さくなる。したがって、停車時間率は、例外処理を行わなかったときの停車時間率を示す直線上よりも小さい点Q2から小さくなっていく。
走行パターン3では、連続停車時間が、判定時間TA以上であるので、停車時間率は、停車開始時の停車時間率点Q4と同じ大きさの停車時間率点Q3から小さくなっていく。走行パターン1〜3からわかるように、本実施例に例外処理が実行された場合の停車時間率は、例外処理を行わなかった場合に比べて小さくなっている。すなわち、例外処理を実行しない場合には、コンビニへの買い物や、ナビゲーションの設定、電話対応を行うほど、停車時間率が大きくなるため、走行環境指数が高くなり市街化度が高く判断される。しかし、本実施例によれば、コンビニへの買い物や、ナビゲーションの設定、電話対応による影響を排除して、より正確に走行環境を推定することが可能となる。
図2に戻り、説明を続ける。自車両状態予測部114は、自動車200の状態(自車両状態)を予測する。ここでいう「自車両状態」とは、自動車200が今後どの程度SOCを消費するかを表すパラメータである。詳しくは、自車両状態予測部114は、バッテリ電流センサ88によって検出されたバッテリ電流Abと、オルタネータ電流センサ89によって検出されたオルタネータ電流Aaとに基づいて、補機類70で費やす電力量を算出し、その電力量を自車両状態P2として出力する。補機類70で費やす電力量が大きいときにはSOCを消費する速度は早いことから、本実施例では、自車両状態予測部114は、補機類70で費やす電力量を自車両状態P2として求める。
なお、自車両状態P2を、補機類70で費やす電力量に基づいて求めていたが、本発明ではこれに限られない。例えば、空調装置(A/C)の消費電力と対応関係がある空調情報(例えば、目標温度と車内温度との差)や、エンジン水温と周囲温度との差などのエンジンの暖機状況を示す情報等に基づいて求める構成とすることができる。なお、補機類70で費やす電力量や空調情報や暖機状況情報等の中から選択した1つのパラメータに基づいて自車両状態P2を求める構成に限る必要もなく、2つ以上のパラメータに基づいて自車両状態P2を求める構成としてもよい。2つ以上のパラメータを採用する場合、各パラメータに個別の重み付け指数を掛けて自車両状態P2を求める構成とすることが好ましい。
さらに、前述した各例は、現在検出されるセンサ信号によって補機類の現在の動作状況を求め、その現在の動作状況を今後の自車両状態と見なすものであったが、これに替えて、上記のように求めた現在の動作状況から動作状況が変化する兆候を捕らえることで、今後の自車両状態を予測する構成としてもよい。
前記構成の走行環境予測部112および自車両状態予測部114は、自動車200の運転が開始された以後、常にその予測を行っている。各部122〜124は、実際は、ECU50に備えられたCPU51が、ROM52に記憶されたコンピュータプログラムを実行することで実現する。走行環境予測部112によって算出した総合走行環境指数P1と、自車両状態予測部114によって算出した自車両状態P2とは、SOC配分要求レベル算出部116に送られる。
SOC配分要求レベル算出部116は総合走行環境指数P1および自車両状態P2に基づいてSOC配分要求レベルP3を算出し、目標SOC値算出部118はSOC配分要求レベルP3に基づいて目標SOC値C1を算出する。以下、SOC配分要求レベル算出部116および目標SOC値算出部118の内容を、以下に詳述する。
図10は、目標SOC推定ルーチンを示すフローチャートである。この目標SOC推定ルーチンは、車両の走行時に所定時間(例えば、60sec)毎に繰り返し実行される。すなわち、目標SOC推定ルーチンは、アイドリングストップ制御によるエンジン10の停止時には実行されない。図示するように、処理が開始されると、ECU50のCPU51は、走行環境予測部112(図2)によって求められた総合走行環境指数P1を取得する(ステップS100)。このステップS100の内容については、すでに説明したとおりである。CPU51は、次いで、自車両状態予測部114(図2)によって求められた自車両状態P2を取得する(ステップS200)。
ステップS200の実行後、CPU51は、SOC配分要求レベル算出用マップMPを用いて、総合走行環境指数P1と自車両状態P2に基づいてSOC配分要求レベルを算出する処理を行う(ステップS300)。バッテリには、先に説明したように、使用可能なSOC範囲がバッテリの種類毎に定められている。本実施例では、使用可能SOC範囲をアイドリングストップ用と充電制御用とに配分することを図っており、「SOC配分要求レベル」は前記配分のレベルを指定するパラメータである。
図11は、SOC配分要求レベル算出用マップMPを示す説明図である。図示するように、SOC配分要求レベル算出用マップMPは、横軸に総合走行環境指数P1をとり、縦軸に自車両状態P2をとり、横軸の値と縦軸の値とに対応するSOC配分要求レベルP3をマッピングしたマップデータである。総合走行環境指数P1と、自車両状態P2と、SOC配分要求レベルP3との関係を、予め実験的にあるいはシミュレーションにより求めることで、SOC配分要求レベル算出用マップMPは作成されており、ROM52に記憶している。ステップS300では、ROM52からSOC配分要求レベル算出用マップMPを呼び出し、そのマップMPを参照して、ステップS100で求めた総合走行環境指数P1とステップS200で求めた自車両状態P2とに対応するSOC配分要求レベルP3を取得する。図示の例では、SOC配分要求レベルP3としてA、B、C、Dの4つの値が用意されている。A、B、C、Dはこの順で高い値となっている。総合走行環境指数P1が高いほど、自車両状態P2が高いほど、SOC配分要求レベルP3は高い値となる。
図10に戻って、ステップS300の実行後、CPU51は、目標SOC値算出用テーブルTBを用いて、SOC配分要求レベルP3に基づいて目標SOC値C1を算出する処理を行う(ステップS400)。
図12は、目標SOC値算出用テーブルTBを示す説明図である。図示するように、目標SOC値算出用テーブルTBは、横軸にSOC配分要求レベルP3をとり、縦軸に目標SOC値C1をとり、直線LでSOC配分要求レベルP3と目標SOC値C1の関係を示している。このSOC配分要求レベルP3と目標SOC値C1の関係を、予め実験的にあるいはシミュレーションにより求めることで、目標SOC値算出用テーブルTBは作成されており、ROM52に記憶している。ステップS400は、ROM52から目標SOC値算出用テーブルTBを呼び出し、そのテーブルTBを参照して、ステップS300で算出したSOC配分要求レベルP3に対応する目標SOC値C1を取得する。
図示するように、直線Lで示される目標SOC値C1は、バッテリ40の使用可能SOC範囲W内に設定される値であり、その使用可能SOC範囲Wをカット可能な発電容量とアイドリングストップ用電力量とに配分したときの配分率を示す。換言すれば、バッテリ40の使用可能SOC範囲Wに対して、アイドリングストップ用電力量の領域が下側に、カット可能な発電容量の領域が上側にそれぞれ設定されており、両領域の境が目標SOC値C1となっている。また、使用可能SOC範囲Wの下限値にアイドリングストップ用電力量を加えた水準が目標SOC値C1として設定されているとも言える。ECU50は、カット可能な発電容量だけオルタネータ35の発電量を抑えても、アイドリングストップ中にバッテリ40の充電量がSOC下限値を下回ることはなく、アイドリング開始によるエンジン10の再始動を抑制し、燃料消費を抑制できる。
カット可能な発電容量は、前述した充電制御により、発電抑制により削減可能な電力量であり、「充電制御用容量」とも呼ぶ。アイドリングストップ用電力量は、今後のストップアンドスタート期間において使用されると予想される容量である。本実施例では、アイドリングストップ用電力量は、予想される最大の大きさに定められている。SOC配分要求レベルP3が高い値になるほど、アイドリングストップ用電力量は大きくなっている。直線Lよりも上側にSOCを制御したとき、そのSOCに対応する使用可能SOC範囲内の残存容量がアイドリングストップ用電力量を上回ることからアイドリングストップ制御を完全に実施できるといえるが、その上回る分だけ余剰である。このため、直線Lで示される目標SOC値C1は、今後アイドリングストップ制御を完全に実施でき、かつSOC貯蔵のための発電量を最小にできるSOCを示しているといえる。なお、この余剰を少なくした方が、バッテリ40の劣化をより抑制し、より寿命を長くすることができる。
目標SOC値C1は、直線Lに示すように、SOC配分要求レベルP3の上昇に従ってリニアに増大するものであったが、本発明ではこれに限られない。例えば、SOC配分要求レベルP3が所定値以下のときにはSOC配分要求レベルP3の上昇に従ってリニアに増大し、SOC配分要求レベルP3が所定値を上回るときには一定値を維持するように、目標SOC値C1を定めた構成としてもよい。この構成は、使用可能SOC範囲が比較的小さいバッテリの場合に有効である。さらに、目標SOC値C1の変化を直線で示す構成に換えて、曲線で示す構成とすることもできる。
図10に戻って、ステップS400の実行後、CPU51は、ステップS400で算出した目標SOC値C1をフィードバック制御部130に出力し(ステップS500)、その後、目標SOC推定ルーチンを一旦終了する。フィードバック制御部130(図2)では、現在SOC値C2が前記算出された目標SOC値C1に制御される。現在SOC値C2は、バッテリ40の使用可能SOC範囲における残存容量を指し示すが、上記制御の結果、車両走行中に、残存容量はアイドリングストップ用電力量を下回ることを回避することができる。すなわち、図11において、現在SOC値が充電制御用容量の領域に位置するとき、すなわち、前記残存容量がアイドリングストップ用電力量を上回るときには、ECU50は、充電制御を実行して、オルタネータ35を駆動させず、バッテリ40への充電を抑制する。この場合、オルタネータ35を駆動するためのトルクが不要となるため、エンジン10の燃料消費を抑えることができる。そして、SOCが低下してアイドリングストップ用電力量を下回ろうとするとき、燃料発電によって、直線Lで示される目標SOC値C1にSOCは制御されることで、前記アイドリングストップ用電力量を下回ろうとすることが回避される。
D.作用、効果:
図13は、自動車200の運転中における車速とバッテリ40のSOC(現在SOC値C2)についてのタイムチャートを示す説明図である。タイムチャートは、縦軸に車速とSOCをとり、横軸に時間をとったものである。自動車200の運転が開始され、時刻t0において自動車200が発進すると、車速は次第に増し、通常走行に至る。その後、時刻t1において、車両が減速状態に移行する。この時刻t0から時刻t1までのt0−t1期間においては、実線に示すように、SOCは徐々に低下する。この実線は従来例についてのもので、本実施例では2点鎖線のように変化する。これについては後述する。
時刻t1の後、時刻t2において車両は停車する。t1−t2の期間では、減速による回生発電がなされ、実線に示すようにSOCは徐々に上昇する。時刻t2(厳密に言えばエンジン停止条件が成立したとき)から車速が立ち上がる時刻t3までの期間がストップアンドスタート期間SSTであり、エンジン10は停止されている。ストップアンドスタート期間SSTでは、補機類による電力消費によってSOCは徐々に下降する。従来例では、実線に示すように、この停止の最中にSOCが下限値SLに達すると(時刻tb)、バッテリ制御によってエンジン10は再始動することになる。再始動後、実線に示すように、エンジン10の動力により発電されSOCは増大する。
本実施例では、通常走行時にSOCが低下して、バッテリ40の使用可能SOC範囲における残存容量がアイドリングストップ用電力量を下回ったときに(時刻ta)、燃料発電によってSOCが増大される。図中2点鎖線に示すようにta−t2期間においてSOCは増大する。この増大は、今後のストップアンドスタート期間に使用すると予想される最大の電池容量を考慮したものであることから、ストップアンドスタート期間t2−t3においてSOCが低下しても、SOCは下限値SLに至ることがない。なお、「今後のストップアンドスタート期間」とは、図示の一つのストップアンドスタート期間SSTに限るものではなく、所定の期間において複数のストップアンドスタート期間があれば、それらストップアンドスタート期間の全部である。
したがって、本実施例では、従来例のように、ストップアンドスタート期間t2−t3において、SOCが下限値に達してエンジン10が再始動されることがない。ストップアンドスタート期間の途中でSOC不足からエンジンを再始動する場合は、エンジンの運転時に動力増大してSOCを増加する場合に比べて、3倍から5倍近くの燃料量が必要である。すなわち、エンジンの運転時における単位SOC(例えばSOC1%)当たりの燃費効果は、ストップアンドスタート期間の途中でSOC不足からエンジンを再始動する場合に比べて、3倍から5倍優れている。したがって、本実施例の自動車200は、従来例に比べて燃費を向上させることができる。
E:停車時間率の算出の具体例:
図14は、停車時間率算出の一例を示す説明図である。停車時間率算出処理部1120(図3)は、カウンタCNTと、スタックメモリS0〜S9(請求項の「第2の記憶部」に対応)を備えている。スタックメモリS0〜S9は、例えば、メモリ1120mの中に設けられる。停車時間率算出処理部1120は、上述したように、停車時間率Tstp1を以下の式に基づいて算出する。
Tstp1=[車輪速Vhが値0となる停車時間]/[所定期間]
停車時間率算出処理部1120は、所定期間(請求項の「第1の期間」に対応)を600秒(10分)とし、カウンタCNTを用いて60秒毎の停車時間を、カウントする。ここで、60秒毎の「60秒」は、1分で、計時上、都合がよい値である。また、所定時間の600秒は、60秒にスタックメモリS0〜S9の数(10個)を掛けて得られた値である。なお、後述するように、本実施例では、180秒を基準として、連続停車時間が渋滞・信号待ちによるものか、渋滞・信号待ちによらないか、の判断をしているので、所定期間は、180秒(3分)よりある程度長い時間であればよい。ただし、所定期間が長すぎると、車両200が、市街地と郊外の両方を走行する場合もありえるので、所定期間は、適度な長さであることが好ましく、本実施例では所定期間を600秒(10分)とした。例えば、停車時間率算出処理部1120は、自動車200(図1)の速度が0となった時には、車両停車フラグを立てる。そして、停車時間率算出処理部1120は、車両停車フラグが立っているときに、カウンタCNTに対し、カウントを行わせることができる。停車時間率算出処理部1120は、60秒毎に、カウンタCNTの値(停車時間)を、スタックメモリS0〜S9に対して順番に格納する。停車時間率算出処理部1120は、カウンタCNTの値を、スタックメモリS0〜S9のいずれかに格納すると、カウンタCNTに対して、カウンタCNTの値を0にリセットさせ、次のスタックメモリに格納する停車時間のカウントを行わせる。
なお、停車時間率算出処理部1120は、自動車200のイグニションキーがオンにされた後、自動車200が最初に時速3km/hに達した後、カウンタCNTに対し、カウントを開始可能な状態にさせてもよい。自動車200の速度が3km/hに達しないうちは、例えば自動車200が車庫あるいは駐車場から出庫していないと判断できるので、停車時間率を算出するデータとしては妥当でないと考えられるからである。
図14の(A)に示す状態は、自動車200の速度が3km/hに達してから60秒が経過し、その60秒間の自動車200の停車時間が20秒とカウントされた状態である。停車時間率算出処理部1120は、この20秒の値を、スタックメモリS0に格納する。次に、停車時間率算出処理部1120は、図14の(B)に示されるように、カウンタCNTの値をリセットする。以後60秒毎に、停車時間率算出処理部1120は、カウンタCNTの停車時間の値を、スタックメモリS1からS9に順番に格納していく。図14の(C)に示す状態において、停車時間率算出処理部1120が、スタックメモリS9に、カウンタCNTの値(40秒)を格納すると、スタックメモリS0〜S9の全てに停車時間が格納されることになる。停車時間率算出処理部1120は、スタックメモリS9に停車時間を格納した次は、図14の(D)に示されるように、スタックメモリS0に戻って停車時間を格納する。
停車時間率算出処理部1120は、スタックメモリS0〜S9の全てに停車時間を格納し終わった時には、スタックメモリS0〜S9に格納されている停車時間の値の総和を算出し、600秒(10分、請求項の「第1の期間」に対応)で割ることにより、停車時間率を算出する。以後、停車時間率算出処理部1120は、60秒毎に停車時間率を算出することができる。
図15は、自動車の速度の変遷を示す一例である。横軸は時刻を示し、縦軸は、自動車200の速度(車速)を示している。この例では、時刻T1からT2までは、自動車200の速度は0km/hよりも大きいが、時刻T2において速度が0km/hとなり、速度が0km/hの期間が180秒以上継続している。一般に、エンジンが起動したまま180秒以上継続して自動車200の速度が0km/hになる場合は、渋滞や信号待ちによる停車というよりは、むしろ、同乗者がコンビニエンスストアなどで買い物をするときの停車、人を待つための停車、ナビゲーションシステムの設定のための停車、電話通話のための停車によるものと考えられる。したがって、このような停車は、自動車200の走行開始後の走行環境指数を算出する際の郊外/市街判定において誤判定要因となり得るため、除外することが好ましい。なお、弊社が東京都及び名古屋市の市街地での渋滞や信号待ち時間の調査を行ったところ、渋滞や信号待ち時間により停車が発生した場合、その98%が180秒未満の停車時間であった。したがって、連続停車時間が180秒以上の場合は、渋滞や信号待ち以外の要因による停車と判断できるので、停車時間率を算出する際に除外することが好ましいと考えられる。なお、本実施例では、連続停車時間が180秒以上の場合の停車を、「ノイズ停車」とも呼ぶ。
図16は、180秒以上の連続停車時間率があった場合の停車時間率を算出する方法の一例を示す説明図である。なお、図16においては、自動車200の速度(車速)は、図15に示したものと同一のデータを用いた。時刻T1までは、自動車200の車速が0km/hなので、その期間の停車時間率は増加していく。次の時刻T1から時刻T2までは、自動車200の車速が0km/hを越えているので、逆に停車時間率は下がっていく。なお、図16では、停車時間率のグラフは傾きのある直線として記載しているが、図14に示したように停車時間率が60秒毎に算出される場合には、60秒ごとの階段状のグラフとなる。時刻T2で自動車200の車速が0km/hとなるので、停車時間率算出処理部1120は、メモリ1120m中に設けられている格納バッファMb2に時刻T2の時の停車時間率Tstpaを格納する。時刻T2以後は、一点鎖線で示すように停車時間率は上昇していく。
時刻T2から180秒が経過し、時刻T3になると、停車時間率算出処理部1120は、時刻T2において格納バッファMb2に格納した停車時間率の値Tstpaを停車時間率として採用する。停車時間率算出処理部1120は、時刻T3以降自動車が動き出す時刻T4までの間、この停車時間率Tstpaを、停車時間率として用いる。また、停車時間率算出処理部1120は、時刻T3から時刻T4までは、停車時間率Tstpaを停車時間率として用いるため、スタックメモリS0〜S9の停車時間を用いた停車時間率の算出を停止し、時刻T4以降に、再びスタックメモリS0〜S9の停車時間を用いた停車時間率の算出を開始する。なお、時刻T2からT4までの間の停車時間は総合走行環境指数P1を算出する際の郊外/市街判定において誤判定要因となり得るため、停車時間率算出処理部1120は、時刻T2からT4までの間の停車時間を、時刻T4以降の停車時間率を算出するためには用いない。
以上、この停車時間率の算出方法によれば、総合走行環境指数P1を算出する際の郊外/市街判定において誤判定要因となり得る180秒以上の長時間停車を停車時間率算出処理から除外することができる。なお、長時間停車は、渋滞や信号待ちなどの走行環境に起因しない。そのため、長時間停車の前後において、走行環境の変化はないと考えられる。したがって、180秒以上の長時間停車を停車時間率算出処理から除外してもよいと考えられる。
図17は、停車時間率算出の他の一例を示す説明図である。この例では、停車時間率算出処理部1120(図3)は、メモリ1120mの中にスタックメモリS0〜S9(請求項の「第2の記憶部」に対応)に加えてバッファメモリB0〜B9(請求項の「第3の記憶部」に対応)を備えている。バッファメモリB0〜B9は、それぞれスタックメモリS0〜S9に対応して設けられている。停車時間率算出処理部1120は、図17の(A)に示されるように、スタックメモリS0に格納した停車時間のデータを、スタックメモリS0に格納してから600秒(請求項の「第1の期間」の相当)経過時に、バッファメモリB0に書き込む(1)。次いで、停車時間率算出処理部1120は、カウンタCNTの停車時間のデータをスタックメモリS0に書き込む(2)。
その後60秒が経過すると、図17の(B)に示されるように、停車時間率算出処理部1120は、スタックメモリS1に格納された停車時間のデータを、バッファメモリB1に格納する(3)。なお、停車時間率算出処理部1120がスタックメモリS1に格納した停車時間のデータをバッファメモリB1に格納するタイミングは、停車時間のデータをスタックメモリS1に格納してから600秒(第1の期間)経過時である。次いで、図17の(C)に示されるように、停車時間率算出処理部1120は、カウンタCNTの停車時間のデータをスタックメモリS1に格納する(4)。
図18は、長時間停車が生じたときの停車時間率算出の一例を示す説明図(その1)である。ここでは、スタックメモリS2に書き込む停車時間をカウンタCNTがカウントしている最中に自動車200の長時間停車が開始したとする。まず、停車時間算出処理部1120は、自動車200の停車を検知すると、図18の(A)に示されるように、停車状態フラグを立て(停車状態フラグをオンにして)、そのときの停車時間を格納する予定のスタックメモリの番号を、停車開始スタックナンバーとして、メモリ1120mに記録する。例えば、この例の場合、停車開始スタックナンバーとして、メモリ1120mに記録されるスタックメモリの番号は、S2である。停車時間算出処理部1120は、自動車200速度が0km/hよりも大きくなり、停車状態でなくなったことを検知すると、停車状態フラグを下ろし(停車状態フラグをオフにし)、停車スタックナンバーを破棄する。したがって、停車時間算出処理部1120は、停車状態フラグが立っているか、下がっているか、あるいは、停車スタックナンバーが設定されているか、破棄されているか、により、自動車200が連続停止しているか、否かを判断することが可能である。
図18の(B)の星印は、停車開始スタックナンバーとして記録されたスタックメモリを示している。停車開始スタックナンバーが設定されているため、停車時間算出処理部1120は、自動車200が連続して停車していると、判断することができる。その後、スタックメモリS3、S4の順番に停車時間が格納されていく。
図18の(C)は、自動車200の連続停車時間が180秒に達した状態を示す。この例では、スタックメモリS2、S3、S4に格納されている停車時間と、カウンタCNTの停車時間の値の合計が180秒となっている。ここで、自動車200は、連続して停車しているので、スタックメモリS3、S4の値は、60秒である。なお、スタックメモリS2の値について、2回の停車があった場合には、停車時間が連続していないにもかかわらず、1回目の停車時間も連続停車時間としてカウントされる虞がある。すなわち、60秒間中に、1回目の停車−移動−2回目の停車と、2回の停車があった場合には、停車開始スタックナンバーは、設定−破棄−設定されている。しかし、1回目の停車で設定された停車開始スタックナンバーと、2回目の設定された停車開始スタックナンバーは同じ値である。そのため、1回目の停車と2回目の停車は、停車時間が連続していないにもかかわらず、連続停車時間としてカウントされる虞がある。したがって、停車状態フラグが立ったときにカウントし、停車状態フラグが下がったときにリセットされる連続停車時間カウンタを備え、その連続停車時間カウンタの値を用いて、連続停車時間が180秒に達したか否かを判断することが好ましい。
図19は、長時間停車が生じたときの停車時間率算出の一例を示す説明図(その2)である。図19の(C)の状態は、図18の(C)の状態と同じである。そのため同じ符号(C)を付している。連続停車時間が180秒に達した場合、停車時間算出処理部1120は、ノイズ停車フラグを立てる(ノイズ停車フラグをオンにする。)。その後、停車時間算出処理部1120は、図19の(D)に示すように、バッファメモリB2、B3、B4の停車時間の値を、スタックメモリS2、S3、S4に書き戻す。ここで、スタックメモリS2は、停車開始スタックナンバーとして記録されたスタックメモリであり、スタックメモリS3、S4は、連続停車中に停車時間が格納されたスタックメモリである。停車時間算出処理部1120は、停車開始スタックナンバーとして記録されたスタックメモリから、直前に停車時間のデータを格納したスタックメモリまでについて、対応するバッファメモリから停車時間のデータを書き戻せばよい。停車時間算出処理部1120は、停車時間のデータをスタックメモリS2、S3、S4に書き戻すと、図14の場合と同様に、スタックメモリS0〜S9の停車時間の値の総和を600秒で割ることにより停車時間率を算出する。この停車時間率は、自動車200が再び走行を開始するまで用いられる。
また、停車時間算出処理部1120は、連続停車時間が180秒に達すると、算出されるカウンタCNTに対して、停車時間の値を0にリセットさせて、カウントを停止させる。そして、自動車200が走行を開始すると、停車時間算出処理部1120は、ノイズ停車フラグを下げるとともに、カウンタCNTに対して、0からのカウントを始めさせる。自動車200が走行を開始したか否かは、例えば、停車状態フラグが立っているか、否かにより判断することが出来る。自動車200が走行を開始してから60秒後に、カウンタCNTの停車時間の値は、図19の(E)に示すように、停車開始スタックナンバーとして記録されているスタックメモリS2に格納される。停車時間算出処理部1120は、図14の場合と同様に、スタックメモリS0〜S9の停車時間の値の総和を600秒で割ることにより停車時間率を算出する。
この方法の例によれば、連続停車時間が長くなっても、停車時間率算出において分母となる時間は600秒(10分)で、変わらない。例えば連続停車時間が3分間であれば、停車時間算出処理部1120は、3分前から13分前までの10分間の停車時間の総和から停車時間率を算出する。また、連続停車時間が4分間であれば、停車時間算出処理部1120は、4分前から14分前までの10分間の停車時間の総和から停車時間率を算出する。また、連続停止時間が3分で、走行開始後1分経過したときには、停車時間算出処理部1120は、4分前から13分までの9分間と、走行開始後の1分前から現在までの1分間の、合わせて10分間における停車時間の総和から停車時間率を算出する。したがって、停車時間算出処理部1120は、連続停車時間の長さにかかわらず、分母となる所定時間(第1の期間)を10分で変えないため、停車時間率や、走行環境指数の精度を高めることができる。
図20は、連続停車時間中の停車時間率として、直前の停車時間率を採用する例を示す説明図である。図20(C)の状態は、図18(C)、図19(C)の状態と同じである。ただし、図20(C)では、スタックメモリS1に停車時間を格納したときの停車時間率(ここでは20%)が、メモリ1120mに格納されている。ここでは、停車開始スタックナンバーとして、スタックメモリS2が記録されている。この場合には、停車時間算出処理部1120は、停車開始から180秒経過したときに、停車開始スタックナンバーが記録されたスタックメモリS2と、その次のスタックメモリS3、S4について、停車時間を12秒に置換する。この12秒は、スタックメモリの長さ(60秒)にメモリ1120mに格納された停車時間率20%を掛けて得られる値である。したがって、停車時間算出処理部1120が置換する値は、メモリ1120mに格納された停車時間率により異なる。そして、連続停車が終わったとき、停車時間算出処理部1120は、カウンタCNTのカウントをリセットし、次のスタックメモリ(本実施例では、スタックメモリS5)に格納する停車時間のカウントを開始させる。このように、ノイズ停車の時の停車を削除する代わりに、60秒間の停車時間を直前の停車時間率から算出して、代入しても良い。
図21は、バッファメモリを備える代わりに、スタックメモリを3個多く備える例を示す説明図である。この例では、停車時間算出処理部1120は、合計13個のスタックメモリのうち、連続する10個のスタックメモリの停車時間の和を算出して、600秒で割ることで、停車時間率を算出する。例えば、図21(A)に示される場合、現時点は、停車時間算出処理部1120がスタックメモリS10に停車時間を格納して、スタックメモリS11に格納する停車時間のカウントを始めたところである。この場合、停車時間算出処理部1120は、その直前10個のスタックメモリ、具体的にはスタックメモリS1からスタックメモリS10までの10個のスタックメモリの停車時間の和を算出し、600秒で割ることで、停車時間率を算出する。
図21(B)は、連続停車がスタックメモリS8のときに開始し、停車開始スタックナンバーとしてスタックメモリS8が記録されている場合を示す。現在は、スタックメモリS11に格納する停車時間をカウント中であり、そのカウント中に連続停車時間が180秒に達したとする。この場合、停車時間算出処理部1120は、図21(C)に示すように、スタックメモリS7を含めて前に10個、具体的には、スタックメモリS0〜S7とスタックメモリS11、S12の合計10個のスタックメモリの停車時間の和を算出し、600秒で割ることで、停車時間率を算出する。そして、自動車200の連続停車が終わったとき、停車時間算出処理部1120は、カウンタCNTのカウントをリセットし、停車時間率を算する際に用いたスタックメモリの次のスタックメモリ(本実施例では、スタックメモリS8)に格納する停車時間のカウントを開始させる。この方法の例によれば、連続停車時間が長くなっても、停車時間率算出において分母となる時間は600秒(10分)で、変わらない。またスタックメモリの数は3個増えるがバッファメモリは不要となるので、バッファメモリを用いるよりは、全体としてメモリ1120mの大きさを小さくすることができる。
図22は、長時間停車がノイズ停車となったときの、過去時間確定破棄処理を示す説明図である。図22において、自動車200のイグニションキーがオンにされた後、自動車200の車速が初めて3km/hに達したときを0秒としている。停車時間算出処理部1120は、停車時間を、60秒毎にスタックメモリS0〜S9に順番に格納していく。ここで、停車時間算出処理部1120は、600秒に達すると、過去時間確定フラグを立てる(過去時間確定フラグをオンにする)とともに、スタックメモリS0〜S9に格納された停車時間を用いて、0秒から600秒の間の停車時間率を算出する。したがって、自動車200のイグニションキーがオンにされた後600秒に達しない前の状態では、停車時間算出処理部1120は、停車時間率を算出できない。この場合、停車時間算出処理部1120は、あらかじめ定められた過去時間確定フラグが立っていれば、停車時間算出処理部1120は、自動車200のイグニションキーがオンにされた後600秒経過しており、停車時間率が算出されていると、判断することが出来る。ここで、過去時間確定フラグがオンにされた後に180秒以上の連続停車(ノイズ停車)が発生したとする。この場合、停車時間算出処理部1120は、ノイズ停車中の停車時間の値を破棄する。具体的内容については、図23を用いて説明する。
図23は、過去時間確定フラグがオンにされた後にノイズ停車が発生した場合の処理を示す説明図である。この例は、現在がスタックメモリS1に3回目の格納する停車時間をカウント中であり、スタックメモリS8に2回目に格納する停車時間のカウント中に始まった連続停車の時間が180秒に達した例である。この場合、図19(D)で説明したのと同様に、停車時間算出処理部1120は、スタックメモリS8、S9、S0の停車時間の値を、バッファメモリB8、B9、B0の値に置換して停車時間率を算出する。図19(D)で説明した例と異なる点は、これ以降の点である。停車時間算出処理部1120は、カウンタCNTをリセットし、車両200の走行開始後、カウンタCNTに対して停車時間のカウントを開始させ、停車時間をスタックメモリS8に格納する。すなわち、図19(D)の例に従えば、カウントされた停車時間は、スタックメモリS1に格納されるのであるが、この例では、カウントされた停車時間は、停車開始スタックナンバーとして記録されているスタックメモリS8に格納される。
図19(D)の例と図23の例とを比較すると、図19(D)では、置換されたスタックメモリS8、S9、S0の値は、780秒前から600秒前の停車時間の値である。ここで、図19(D)では、60秒ごとのスタックメモリへの停車時間の格納は、スタックメモリS1から開始されるため、スタックメモリS8、S9、S0の値は、最後に書き換えられる。すなわち、スタックメモリS8、S9、S0の値は、車両200の走行開始後420秒間の間、停車時間率を算出する際に用いられることになる。これに対し、本実施例では、スタックメモリS8、S9、S0の値は、走行開始後、最初に書き換えられる。したがって、図19(D)と比較して本実施例の方が、停車時間率を算出するときに用いる600秒間の停車時間の値が、現在により近い時間における停車時間となる。そのため、停車時間率や走行環境指数を算出するときの精度を良くすることができる。
図24は、過去時間確定フラグがオンにされる前にノイズ停車が発生した場合の処理を示す説明図である。図24においても図22と同様に、自動車200のイグニションキーがオンにされた後、自動車200の車速が初めて3km/hに達したときを0秒としている。この例では、スタックメモリS8に格納する停車時間をカウント中に連続停車が開始されている。連続停車の開始時点では、自動車200の車速が初めて3km/hに達したときから600秒を経過していない。そして、自動車200の車速が初めて3km/hに達してから600秒の経過時点において、連続停車中である。停車時間算出処理部1120は、600秒の経過時点で、一旦過去時間確定フラグを立てる(過去時間確定フラグをオンにする)。停車時間算出処理部1120が過去時間確定フラグを立てるのは、600秒の経過時点では、連続停車時間が180秒を越えるか、越えないか、が未確定だからである。連続停車時間が180秒を越えた以降で車両200が走行を開始すると、停車時間算出処理部1120は、ノイズ停車時間を削除する等の処理を行う。この処理については、次の図25を用いて説明する。
図25は、過去時間確定フラグがオンにされる前にノイズ停車が発生した場合の処理を示す説明図である。この処理は、連続停車が、自動車200の車速が初めて3km/hに達してから600秒経過前に始まり、自動車200の車速が初めて3km/hに達してから600秒経過後に、連続停車の時間が180秒に達したときに実行される。この例の場合、図19(D)や図23で説明したように、停車時間算出処理部1120が、スタックメモリS8、S9、S0の停車時間の値を、バッファメモリB8、B9、B0の値に置換しようとしても、バッファメモリB8、B9には、停車時間の値が格納されていない。かかる場合には、停車時間算出処理部1120は、対応するバッファメモリB8、B9に停車時間の値が格納されていないスタックメモリS8、S9については、単に停車時間の値を削除する(廃棄する)。一方、対応するバッファメモリB0に停車時間の値が格納されているスタックメモリS0については、バッファメモリB0に格納されている停車時間の値を、スタックメモリS0に書き戻す。次いで、停車時間算出処理部1120は、過去時間確定フラグを下げる。停車時間算出処理部1120は、カウンタCNTをリセットし、車両200の走行開始後、カウンタCNTに対して停車時間のカウントを開始させ、停車時間をスタックメモリS8に格納する。なお、停車時間算出処理部1120は、停車時間をスタックメモリS9に格納した後、過去時間確定フラグを立てる。
図26は、ノイズ停車可能性フラグについて説明する説明図である。ノイズ停車可能性フラグは、自動車200が長時間停車する可能性が有る場合に立てられるフラグである。自動車200が停車状態になると、停車時間算出処理部1120は、停車状態フラグを立てる。ここで、この停車状態が180秒以上続くと、ノイズ停車となるが、180秒未満で自動車が走行開始すると、ノイズ停車とはならない。しかしながら、停車開始時点では、その後の停車時間が180秒続くか否かが不明である。すなわち、停車状態フラグが立っている場合、そのままノイズ停車となる可能性がある。したがって、この例では、停車状態フラグが立っている場合、停車時間算出処理部1120は、ノイズ停車可能性フラグを立てる。なお、停車時間算出処理部1120は、ノイズ停車であることが確定した場合には、ノイズ停車可能性フラグを下ろし、代わりにノイズ停車フラグを立てる。
図27は、600秒経過時に連続停車中である場合の、停車状態フラグ、ノイズ停車可能性フラグ、ノイズ停車フラグ、過去時間経過確定フラグの関係を示す説明図である。停車状態フラグは、自動車200の車速が0km/hのとき立ち上がり、0km/hを越えると立ち下がる。ノイズ停車可能性フラグは、停車状態フラグと同期して立ち上がり、立ち下がる。ただし、停車状態フラグが連続して180秒以上立っていた場合には、180秒経過時点で、ノイズ停車可能性フラグは立ち下げられる。なお、代わりに、ノイズ停車フラグが立ち上げられる。過去時間経過確定フラグは、600秒経過時点で一旦立ち上がり、ノイズ停車フラグが立ち上がると(あるいは、ノイズ停車可能性フラグが立ち下がると)、立ち下がる。そして、ノイズ停車フラグが立ち下がると、n×60秒後(nは1、2、3のいずれか)経過すると、立ち上がる。ここで600秒経過後、ノイズ停車フラグが立ち上がるまでの時間が60秒以下の場合にはn=1、60秒を越え120秒以下の場合にはn=2、120秒を越えた場合にはn=3となる。
図28は、600秒経過後に連続停車が始まった場合の、停車状態フラグ、ノイズ停車可能性フラグ、ノイズ停車フラグ、過去時間経過確定フラグの関係を示す説明図である。停車状態フラグ、ノイズ停車可能性フラグ、ノイズ停車フラグの動きは、図27で説明したのと同様である。過去時間経過確定フラグは、600秒経過時点で一旦立ち上がり、以後、ノイズ停車フラグあるいは、ノイズ停車可能性フラグの立ち上がり、立ち下がりに関係なく、過去時間経過確定フラグが立ち上がった状態が継続する。
F.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
・変形例1:
上記実施例では、SOC配分要求レベルP3を総合走行環境指数P1および自車両状態P2に基づいて求めていたが、これに換えて、自動車200のインストルメントパネル(図示せず)に運転者により操作されるダイヤルを設け、そのダイヤルの操作量に応じてSOC配分要求レベルP3を求める構成としてもよい。運転者は、例えば郊外から市街地に入るような場合に、ダイヤルを「高」側に切り換えてSOC配分要求レベルP3が大きくなるように設定することで、目標SOC、すなわち、アイドリングストップ用の配分率を大きくすることができる。この構成によれば、運転者が、これから進む地域を判っていてSOC配分要求レベルを設定することが可能な場合に、ストップアンドスタート期間において使用する最大SOCを走行環境から高精度に設定することができる。なお、ダイヤルは「高」と「低」の2段階を指示できるものであってもよいし、3以上の多段で指示できるものであってもよい。また、ダイヤルはスイッチ等の他の入力手段に替えることもできる。さらに、ダイヤルの操作量だけでSOC配分要求レベルP3を求めるのではなく、前記実施例で総合走行環境指数P1と自車両状態P2から求めたSOC配分要求レベルP3を、前記ダイヤルの操作量に基づいて補正する構成とすることもできる。
・変形例2:
上記実施例では、総合走行環境指数P1と自車両状態P2に基づいてSOC配分要求レベルP3を一旦求め、SOC配分要求レベルP3に基づいて目標SOCを算出する構成であったが、これに換えて、総合走行環境指数P1と自車両状態P2に基づいて、目標SOCを直接、算出する構成としてもよい。すなわち、総合走行環境指数P1と自車両状態P2に基づいて、バッテリの使用可能SOC範囲を充電制御用とアイドリングストップ用とを配分する配分率を直接算出する構成としてもよい。同様に上記変形例1においても、ダイヤルの操作量に基づいて目標SOCを直接、算出する構成としてもよい。
・変形例3:
上記実施例では、SOC配分要求レベルは、総合走行環境指数P1と自車両状態Pの両方に基づいて算出していたが、これに換えて、総合走行環境指数P1と自車両状態Pのいずれか一方に基づいて算出する構成としてもよい。
・変形例4:
上記実施例では、バッテリは鉛蓄電池としたが、本発明ではこれに限られない。例えば、リチウムイオン蓄電池、ロッキングチェア型蓄電体等の他の種類のバッテリに替えることもできる。また、上記実施例では、車両は自動車であったが、これに換えて、電車等の自動車以外の車両としてもよい。
・変形例5:
上記実施例においてソフトウェアで実現されている機能の一部をハードウェア(例えば集積回路)で実現してもよく、あるいは、ハードウェアで実現されている機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
・変形例6:
なお、前述した実施例および各変形例における構成要素の中の、独立請求項で記載された要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。例えば、通常走行中はバッテリへの充電を抑えることで燃料消費量を節約し、減速走行中に回生発電によりバッテリへの充電を行なう充電制御についても省略することができる。
以上、いくつかの実施例に基づいて本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
10…エンジン
15…自動変速機
20…ディファレンシャルギア
25…駆動輪
30…スタータ
34…駆動機構
35…オルタネータ
40…バッテリ
50…ECU
51…CPU
52…ROM
53…RAM
70…補機類
72…ヘッドライト
74…空調装置
82…車輪速センサ
84…ブレーキペダルセンサ
86…アクセル開度センサ
87…ハンドル舵角センサ
88…バッテリ電流センサ
89…オルタネータ電流センサ
90…アイドリングストップ制御部
100…SOC値制御部
111…停車判断部
110…目標SOC値推定部
112…走行環境予測部
114…自車両状態予測部
116…SOC配分要求レベル算出部
118…目標SOC値算出部
120…バッテリSOC値算出部
130…フィードバック制御部
200…自動車
1120…停車時間率算出処理部
1120m…メモリ
1121…平均車速算出処理部
1122…追加走行環境情報処理部
1123…例外処理部
1124…停車時間率例外処理部
1125…平均車速例外処理部
1126…追加走行環境情報例外処理部
1127…停車時間率−走行環境指数変換部
1128…平均車速−走行環境指数変換部
1129…追加走行環境情報−走行環境指数変換部
1130…調停処理部
S0〜S12…スタックメモリ
B0〜B9…バッファメモリ

Claims (11)

  1. 車両で用いられる走行環境推定装置であって、
    前記車両の速度を測定する速度計と、
    前記速度の履歴を用いて、第1の期間中の前記車両の停車時間率を算出する停車時間率算出部と、
    停車時間率と第1の走行環境指数との間のあらかじめ定められた関係を用いて、前記停車時間率から前記第1の走行環境指数を算出し、前記第1の走行環境指数を総合走行環境指数とする走行環境推定部と、
    前記車両が停車したときに、停車時点の停車時間率を格納する第1の記憶部と、
    を備え、
    前記走行環境推定部は、
    前記第1の期間中における前記車両が連続して停車した時間である連続停車時間が第1の判定時間以上である場合には、前記停車時間率算出部に対して、前記連続停車時間を、前記第1の期間及び前記第1の期間中の前記車両の停車時間の合計の両方から除外して前記停車時間率を算出させて、前記停車時間率から前記第1の走行環境指数を算出し
    前記連続停車時間が前記第1の判定時間未満である場合には、前記停車時間を含めて算出させた停車時間率から前記第1の走行環境指数を算出し、
    さらに、前記車両が停車したときには、停車時点の停車時間率を前記第1の記憶部に格納し、
    前記連続停車時間が前記第1の判定時間以上となった場合には、前記第1の記憶部に格納された停車時間率を用いて前記第1の走行環境指数を算出し、
    前記連続停車時間が、前記第1の判定時間より小さい第2の判定時間以上で、かつ、前記第1の判定時間未満である場合には、停車時間と停車時間除外率との関係が定められたマップを用いて前記停車時間除外率を取得し、前記停車時間除外率に前記連続停車時間を掛けて前記停車時間から除外する停車除外時間を算出し、前記停車時間から前記停車除外時間を引いた時間を用いて前記停車時間率を算出し、停車時間率と前記第1の走行環境指数との間のあらかじめ定められた関係を用いて、前記第1の走行環境指数を算出し、
    前記連続停車時間が、前記第2の判定時間未満の場合には、前記停車時間除外率を0%として、前記停車時間を含めて算出した停車時間率を用いて前記第1の走行環境指数を算出する、
    走行環境推定装置。
  2. 車両で用いられる走行環境推定装置であって、
    前記車両の速度を測定する速度計と、
    前記速度の履歴を用いて、第1の期間中の前記車両の停車時間率を算出する停車時間率算出部と、
    停車時間率と第1の走行環境指数との間のあらかじめ定められた関係を用いて、前記停車時間率から前記第1の走行環境指数を算出し、前記第1の走行環境指数を総合走行環境指数とする走行環境推定部と、
    前記第1の期間よりも短い第2の時間毎の停車時間を、前記第1の期間に亘って格納する複数の第1の停車時間記憶部と、
    前記複数の第1の停車時間記憶部にそれぞれ対応し、前記複数の第1の停車時間記憶部に格納された停車時間をさらに前記第1の期間経過した後に格納する複数の第2の停車時間記憶部と、
    を備え、
    前記走行環境推定部は、
    前記第1の期間中における前記車両が連続して停車した時間である連続停車時間が第1の判定時間以上である場合には、前記停車時間率算出部に対して、前記連続停車時間を、前記第1の期間及び前記第1の期間中の前記車両の停車時間の合計の両方から除外して前記停車時間率を算出させて、前記停車時間率から前記第1の走行環境指数を算出し
    前記連続停車時間が前記第1の判定時間未満である場合には、前記停車時間を含めて算出させた停車時間率から前記第1の走行環境指数を算出し、
    さらに、前記第1の期間中における前記車両が連続して停車した時間である連続停車時間が前記第1の判定時間よりも短い第2の判定時間以上である場合には、前記第2の判定時間前以後の前記第1の停車時間記憶部にそれぞれ格納された前記停車時間の値を、対応する前記第2の停車時間記憶部に格納された停車時間の値にそれぞれ置換し、前記停車時間率算出部に対して、置換後の前記複数の第1の停車時間記憶部に格納された停車時間を用いて、前記停車時間率を算出させて、前記停車時間率から前記第1の走行環境指数を算出する、
    走行環境推定装置。
  3. 請求項1またはに記載の走行環境推定装置において、
    前記走行環境推定部は、
    前記車両が停車した時を記録し、
    前記連続停車時間が前記第1の判定時間以上となった場合には、前記連続停車時間が始まった時から前記車両の連続した停車が終了するまでの間の前記停車時間の記録を破棄する、
    走行環境推定装置。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載の走行環境推定装置において、
    前記走行環境推定部は、
    さらに、前記速度を積分して得られる距離と、前記停車時間率に経過時間を掛けることにより得られる停車時間を前記経過時間から引いて得られる走行時間と、を用いて平均速度を算出し、あらかじめ定められた平均速度と第2の走行環境指数との関係を用いて、前記平均速度から前記第2の走行環境指数を算出し、前記第1と第2の走行環境指数の加重平均をとることにより総合走行環境指数を算出する、走行環境推定装置。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の走行環境推定装置において、
    前記走行環境推定部は、
    さらに前記車両のバンドル舵角の絶対値の合計を算出し、前記停車時間率に経過時間を掛けることにより得られる停車時間を前記経過時間から引いて得られる走行時間と、を用いて前記ハンドル舵角の変化量の絶対値の平均値を算出し、あらかじめ定められたハンドル舵角の変化量の絶対値の平均値と第3の走行環境指数との関係を用いて、前記平均値から前記第3の走行環境指数を算出し、前記第1と第3の走行環境指数を含む、第1〜第3の走行環境指数の加重平均をとることにより総合走行環境指数を算出する、走行環境推定装置。
  6. エンジンの動力によって駆動される発電機からの電力により充電可能なバッテリを備える車両の車両制御装置であって、
    あらかじめ定められた総合走行環境指数と前記車両のアイドリングストップ中の消費電力の推定値との関係を用い、請求項1〜のいずれか一項に記載の走行環境推定装置により算出された総合走行環境指数の推定結果から前記車両のアイドリングストップ中の消費電力を推定する消費電力予測部と、
    前記エンジンのアイドリングストップ制御を行うアイドリングストップ制御部と、
    前記バッテリの蓄電状態(SOC)を検出するSOC検出部と、
    前記車両の走行時に、前記消費電力予測部により予測された消費電力に基づいて、前記アイドリングストップ制御によるエンジン停止から再始動までのストップアンドスタート期間において使用すると予想されるアイドリングストップ用電力量を設定する電力量設定部と、
    前記車両の走行時に、前記SOC検出部によって検出されたSOCと、使用可能なSOC範囲の下限値との差である残存電力量が、前記アイドリングストップ用の電力量を下回ることを回避するように、前記発電機の電力による前記バッテリの充電を制御するSOC制御部と、
    を備える車両制御装置。
  7. 請求項に記載の車両制御装置であって、
    前記車両の走行状態から停車状態に減速されるときに、回生される回生電力量を予測する回生電力量予測部を備え、
    前記SOC制御部は、走行中の前記残存電力量に前記回生電力量を加えた電力量が、前記アイドリングストップ用の電力量を下回ることを回避するように、前記発電機の電力による前記バッテリの充電を制御する、車両制御装置。
  8. 車両であって、
    エンジンと、
    前記エンジンの動力によって駆動される発電機の発電量によって充電可能なバッテリと、
    請求項またはに記載の車両制御装置と、
    を備える、車両。
  9. 車両で用いられる走行環境推定方法であって、
    前記車両の速度を測定する工程と、
    前記速度の履歴を用いて、第1の期間中の前記車両の停車時間率を算出する停車時間率算出工程と、
    前記停車時間率から第1の走行環境指数を算出し、前記第1の走行環境指数を総合走行環境指数とする工程と、
    を備え、
    前記車両が連続して停車する時間である連続停車時間が、第1の判定時間以上である場合には、前記連続停車時間を、前記第1の期間及び前記第1の期間中の前記車両の停車時間の合計の両方から除外して前記停車時間率を算出して、前記第1の走行環境指数を算出し、
    前記連続停車時間が前記第1の判定時間未満である場合には、前記停車時間を含めて算出させた停車時間率から前記第1の走行環境指数を算出し、
    さらに、前記車両が停車したときには、停車時点の停車時間率を第1の記憶部に格納し、
    前記連続停車時間が前記第1の判定時間以上となった場合には、前記第1の記憶部に格納された停車時間率を用いて前記第1の走行環境指数を算出し、
    前記連続停車時間が、前記第1の判定時間より小さい第2の判定時間以上で、かつ、前記第1の判定時間未満である場合には、停車時間と停車時間除外率との関係が定められたマップを用いて前記停車時間除外率を取得し、前記停車時間除外率に前記連続停車時間を掛けて前記停車時間から除外する停車除外時間を算出し、前記停車時間から前記停車除外時間を引いた時間を用いて前記停車時間率を算出し、停車時間率と前記第1の走行環境指数との間のあらかじめ定められた関係を用いて、前記第1の走行環境指数を算出し、
    前記連続停車時間が、前記第2の判定時間未満の場合には、前記停車時間除外率を0%として、前記停車時間を含めて算出した停車時間率を用いて前記第1の走行環境指数を算出する、
    走行環境推定方法。
  10. 車両で用いられる走行環境推定方法であって、
    前記車両の速度を測定する工程と、
    前記速度の履歴を用いて、第1の期間中の前記車両の停車時間率を算出する停車時間率算出工程と、
    前記停車時間率から第1の走行環境指数を算出し、前記第1の走行環境指数を総合走行環境指数とする工程と、
    を備え、
    前記車両が連続して停車する時間である連続停車時間が、第1の判定時間以上である場合には、前記連続停車時間を、前記第1の期間及び前記第1の期間中の前記車両の停車時間の合計の両方から除外して前記停車時間率を算出して、前記第1の走行環境指数を算出し、
    前記連続停車時間が前記第1の判定時間未満である場合には、前記停車時間を含めて算出させた停車時間率から前記第1の走行環境指数を算出し、
    さらに、
    前記第1の期間よりも短い第2の時間毎の停車時間を、前記第1の期間に亘って複数の第1の停車時間記憶部に格納する工程と、
    前記複数の第1の停車時間記憶部に格納された停車時間を、さらに前記第1の期間経過した後に、前記複数の第1の停車時間記憶部にそれぞれ対応して設けられている複数の第2の停車時間記憶部に格納する工程と、
    前記第1の期間中における前記車両が連続して停車した時間である連続停車時間が前記第1の判定時間よりも短い第2の判定時間以上である場合には、前記第2の判定時間前以後の前記第1の停車時間記憶部にそれぞれ格納された前記停車時間の値を、対応する前記第2の停車時間記憶部に格納された停車時間の値にそれぞれ置換し、置換後の前記複数の第1の停車時間記憶部に格納された停車時間を用いて、前記停車時間率を算出させて、前記停車時間率から前記第1の走行環境指数を算出する工程と、
    を備える、
    走行環境推定方法。
  11. エンジンと、前記エンジンの動力によって駆動される発電機の発電量によって充電可能なバッテリと、を有する車両を制御する車両制御方法であって、
    アイドリングストップ制御を行う工程と、
    前記バッテリの蓄電状態(SOC)を検出する工程と、
    あらかじめ定められた総合走行環境指数と前記車両のアイドリングストップ中の消費電力の推定値との関係を用い前記車両の走行時に、請求項9または10に記載の走行環境推定方法を用いて算出された総合走行環境指数を用いて、前記車両のアイドリングストップ中に消費される電力量をアイドリングストップ用の電力量として予測する工程と、
    前記車両の走行時に、前記SOC検出部によって検出されたSOCと、使用可能なSOC範囲の下限値との差である残存電力量が、前記アイドリングストップ用の電力量を下回ることを回避するように、前記発電機の電力による前記バッテリの充電を制御する工程と、
    を備える車両制御方法。
JP2012174089A 2012-01-17 2012-08-06 走行環境推定装置、車両制御装置、車両、走行環境推定方法、及び車両制御方法 Expired - Fee Related JP5915443B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012174089A JP5915443B2 (ja) 2012-01-17 2012-08-06 走行環境推定装置、車両制御装置、車両、走行環境推定方法、及び車両制御方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012006641 2012-01-17
JP2012006641 2012-01-17
JP2012174089A JP5915443B2 (ja) 2012-01-17 2012-08-06 走行環境推定装置、車両制御装置、車両、走行環境推定方法、及び車両制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013166540A JP2013166540A (ja) 2013-08-29
JP5915443B2 true JP5915443B2 (ja) 2016-05-11

Family

ID=49177314

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012174089A Expired - Fee Related JP5915443B2 (ja) 2012-01-17 2012-08-06 走行環境推定装置、車両制御装置、車両、走行環境推定方法、及び車両制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5915443B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7087551B2 (ja) * 2018-03-28 2022-06-21 株式会社デンソー 制御装置
KR102555374B1 (ko) * 2018-12-27 2023-07-14 삼성전자주식회사 전자 장치 및 그 제어 방법

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61275061A (ja) * 1985-05-30 1986-12-05 Toyoda Mach Works Ltd 自動車の走行状態判定装置
JPH0820260B2 (ja) * 1991-02-12 1996-03-04 住友電気工業株式会社 旅行時間計測装置および旅行時間データ処理システム
JP3508265B2 (ja) * 1995-01-31 2004-03-22 マツダ株式会社 走行環境の判断方法及び判断装置
JPH11210517A (ja) * 1998-01-22 1999-08-03 Honda Motor Co Ltd 車両の駆動力制御装置
JP4470311B2 (ja) * 1999-10-15 2010-06-02 日産自動車株式会社 走行パターン生成装置
JP3880924B2 (ja) * 2002-12-18 2007-02-14 松下電器産業株式会社 電源制御装置及びその制御方法
JP4581461B2 (ja) * 2004-04-02 2010-11-17 日産自動車株式会社 内燃機関の発電制御装置
JP4442405B2 (ja) * 2004-12-02 2010-03-31 株式会社デンソー 経路出力装置およびプログラム
JP4038514B2 (ja) * 2005-07-27 2008-01-30 三菱電機株式会社 旅行時間計測通知システム
JP2009064283A (ja) * 2007-09-07 2009-03-26 Omron Corp 交通情報提供システムおよび交通情報提供方法
JP5093251B2 (ja) * 2010-01-22 2012-12-12 日産自動車株式会社 車両の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013166540A (ja) 2013-08-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5783267B2 (ja) 車両制御装置、車両及び車両制御方法
JP5842927B2 (ja) 車両制御装置、車両、および車両制御方法
JP5096056B2 (ja) 車両の制御装置および制御方法
JP5896081B2 (ja) 充電制御装置、車両制御装置、車両、充電制御方法、および車両制御方法
US8768553B2 (en) Method and system for controlling charging of battery for hybrid electric vehicle
JP5929288B2 (ja) 車両制御装置、車両、車両制御方法、走行環境予測装置、及び走行環境予測方法
JP5729484B2 (ja) 走行環境予測装置および車両制御装置、並びにそれらの方法
JP4668840B2 (ja) 電気自動車のエネルギー管理システム
JP5811192B2 (ja) 車両制御装置、車両、および車両制御方法
MX2013000276A (es) Vehiculo.
JP2011044346A (ja) 二次電池の制御装置、二次電池の制御方法および制御マップの作成方法
JP2017144801A (ja) 電気自動車
JP5655831B2 (ja) 走行環境推定装置およびその方法
CN107415712B (zh) 混合动力汽车
KR20140060751A (ko) 전기자동차의 주행가능 거리 안내 장치 및 그 방법
JP5915443B2 (ja) 走行環境推定装置、車両制御装置、車両、走行環境推定方法、及び車両制御方法
JP5120172B2 (ja) バッテリ情報提供装置、方法およびプログラム
Das et al. Eco-routing navigation systems in electric vehicles: A comprehensive survey
JP2013147233A (ja) 電気自動車の制御装置
JP2016028198A (ja) 車両制御装置、車両、および車両制御方法
CN114834433A (zh) 混动车辆动力模式的管理方法、装置、电子设备及介质
CN116685495A (zh) 确定续航里程的方法、装置、系统、电动汽车和存储介质
JP2013127225A (ja) 車両制御装置、車両、および車両制御方法
JP6597752B2 (ja) 車両用表示装置
JP2014097708A (ja) 走行環境推定装置およびその方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140827

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150721

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150908

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151028

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160308

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160321

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5915443

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees