JP2013127225A - 車両制御装置、車両、および車両制御方法 - Google Patents

車両制御装置、車両、および車両制御方法 Download PDF

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亨裕 宮下
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Abstract

【課題】車両の燃費をより向上させる。
【解決手段】車両制御装置は、アイドリングストップ制御部と、SOC検出部と、アイドリングストップ用容量設定部と、残存容量設定部とを備える。アイドリングストップ用容量設定部は、予め規定された補機類が全てオフ状態である所定のタイミングでSOCを用いて動作する前記補機類を含めた電子機器全般に流れる電流の電流値を取得する初期電流値取得部114bと、車両の走行時に前記電子機器全般に流れる電流の電流値を取得する走行時電流値取得部114aと、初期電流値取得部114aによって取得された電流値と設計電流値との間の差分を算出し、走行時電流値取得部114aによって取得された電流値を差分に基づいて補正する補機電流値予測部114dとを備える。その補正された前記電流値に基づいて前記アイドリングストップ用容量を決定する。
【選択図】図7

Description

本発明は、エンジンとバッテリを有する車両に搭載される車両制御装置、車両、および車両制御方法に関するものである。
自動車には、エンジンとバッテリが搭載されており、エンジンの動力によってバッテリは充電される。従来、バッテリへの充電を行う充電制御として、通常走行中はバッテリへの充電を抑えることで燃料消費量を節約し、減速走行中に回生発電によりバッテリへの充電を行なう技術が知られている。
また、燃料消費量を節約する技術として、アイドリングストップ(アイドル・リダクションともいう)制御が知られている。特許文献1には、アイドリングストップ制御によるエンジンストップ開始前に、エンジンストップ中の消費電力量を補機の運転負荷から推定し、この推定した消費電力量に基づいてバッテリの目標充電量を求める構成が開示されている。
特開2004−176624号公報
しかしながら、前記従来の技術では、自動車の納車以後にユーザ自身が後付けで補機を取り付けたときに、バッテリのSOC(State of Charge )が不足することがあった。このため、アイドリングストップ制御によるエンジンの停止中にエンジンが再始動されることがあった。「SOC」とは、バッテリにどの程度の電力が残存しているかを示す指標である。特に、前記技術では、充電制御の機能によって余剰のSOCが少なくなっていることから、SOC不足からの再始動が起こり易かった。このため、燃費向上を十分に果たすことができない場合があり、改善の余地があった。
本発明は、上述した従来の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、車両の燃費をより向上させることを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するために、以下の形態または適用例を取ることが可能である。
[適用例1]
エンジンと、前記エンジンの動力によって駆動される発電機の発電量によって充電可能なバッテリと、前記バッテリのSOCを用いて動作する補機類であって予め規定された種類の補機類と、を有する車両に搭載される車両制御装置であって、
アイドリングストップ制御を行うアイドリングストップ制御部と、
前記バッテリの蓄電状態(SOC)を検出するSOC検出部と、
前記車両の走行時に、前記バッテリの使用可能なSOC範囲に対して、前記アイドリングストップ制御によるエンジン停止から再始動までのストップアンドスタート期間において使用すると予想されるアイドリングストップ用容量を設定するアイドリングストップ用容量設定部と、
前記車両の走行時に、前記SOC検出部によって検出されたSOCに対応する、前記使用可能なSOC範囲における残存容量が、前記アイドリングストップ用容量を下回ることを回避するように、前記発電機の発電量を制御する残存容量制御部と
を備え、
前記アイドリングストップ用容量設定部は、
前記補機類が全てオフ状態である所定のタイミングで、前記バッテリのSOCを用いて動作する、前記補機類を含めた電子機器全般に流れる電流の電流値を取得する初期電流値取得部と、
前記車両の走行時に、前記電子機器全般に流れる電流の電流値を取得する走行時電流値取得部と、
前記初期電流値取得部によって取得された電流値と、前記車両に規定された設計電流値との間の差分を算出し、前記走行時電流値取得部によって取得された電流値を前記差分に基づいて補正する補機電流値予測部と、
前記補機電流値予測部によって補正された前記電流値に基づいて前記アイドリングストップ用容量を決定する容量決定部と
を備える車両制御装置。
適用例1の車両制御装置によれば、車両の走行時に、発電機の発電量を制御することで、バッテリの使用可能SOC範囲における残存容量が、ストップアンドスタート期間において使用すると予想されるアイドリングストップ用容量を下回ることを回避するように制御される。このため、ストップアンドスタート期間の途中でSOC不足からエンジンが再始動されることを抑制することができる。エンジンの運転時における動力増大によるSOCの増加は、ストップアンドスタート期間の途中でSOC不足からエンジンを再始動する場合に比べて、単位SOC(例えばSOC1%)当たりの燃費効果が高いことから、車両の燃費を向上させることができる。さらに、この構成によれば、車両に後付けで補機が取り付けられている場合に、前記差分は後付け補機に流れる電流値として求められることから、この後付け補機分だけ補正した電流値に基づいてアイドリングストップ用容量を決定することができる。このため、後付け補機が取り付けられた車両においても、車両の燃費を十分に向上させることができる。
[適用例2]
適用例1に記載の車両制御装置であって、前記補機電流値予測部は、前記走行時電流値取得部によって取得された電流値から前記差分を差し引くことによって、前記補正を行う、車両制御装置。
この構成によれば、走行時電流値取得部によって取得された電流値から後付け補機に流れる電流値をオフセットすることができることから、アイドリングストップ用容量を精度良く設定することができる。
[適用例3]
適用例1または2に記載の車両制御装置であって、前記初期電流値取得部は、前記エンジンが始動してから所定時間を経過したか否かを判定することにより、前記所定のタイミングを検知する、車両制御装置。
この構成によれば、前記所定時間を、ヘッドライトや空調装置等のようにメーカ出荷時から搭載されている補機が動作を開始する前と定めることにより、初期電流値を容易に取得することができる。
[適用例4]
適用例1ないし3のいずれかに記載の車両制御装置であって、前記車両の走行時に、前記発電機の発電を抑制し、前記車両の減速走行中の回生発電による前記バッテリへの充電を許可する充電制御部を備え、前記アイドリングストップ用容量設定部は、前記バッテリの使用可能なSOC範囲を、前記充電制御部による前記発電機の発電の抑制によって必要となる充電制御用容量と、前記アイドリングストップ用容量とに配分したときの配分率を規定するパラメータを、前記アイドリングストップ用容量として設定する、車両制御装置。
この構成によれば、バッテリの使用可能なSOC範囲は、充電制御用容量とアイドリングストップ用容量とに配分される。その充電制御用容量と前記アイドリングストップ用容量との配分率を規定するパラメータが、前記アイドリングストップ用容量として設定されることになる。したがって、バッテリの使用可能なSOC範囲において適切にアイドリングストップ用容量を定めることができる。
[適用例5]
適用例1ないし4のいずれかに記載の車両制御装置であって、前記アイドリングストップ用容量設定部は、停車を引き起こす車両の走行環境を予測する走行環境予測部をさらに備え、前記容量決定部は、前記補機電流値予測部によって補正された前記電流値に加えて前記走行環境に基づいて前記アイドリングストップ用容量の決定を行う、車両制御装置。
この構成によれば、ストップアンドスタート期間において使用すると予想されるアイドリングストップ用容量を走行環境も考慮して高精度に推定することができる。したがって、燃費向上の確実性を高めることができる。
[適用例6]
車両であって、
エンジンと、
前記エンジンの動力によって駆動される発電機の発電量によって充電可能なバッテリと、
前記バッテリのSOCを用いて動作する補機類であって予め規定された種類の補機類と、
アイドリングストップ制御を行うアイドリングストップ制御部と、
前記バッテリの蓄電状態(SOC)を検出するSOC検出部と、
前記車両の走行時に、前記バッテリの使用可能なSOC範囲に対して、前記アイドリングストップ制御によるエンジン停止から再始動までのストップアンドスタート期間において使用すると予想されるアイドリングストップ用容量を設定するアイドリングストップ用容量設定部と、
前記車両の走行時に、前記SOC検出部によって検出されたSOCに対応する、前記使用可能なSOC範囲における残存容量が、前記アイドリングストップ用容量を下回ることを回避するように、前記発電機の発電量を制御する残存容量制御部と
を備え、
前記アイドリングストップ用容量設定部は、
前記補機類が全てオフ状態である所定のタイミングで、前記バッテリのSOCを用いて動作する、前記補機類を含めた電子機器全般に流れる電流の電流値を取得する初期電流値取得部と、
前記車両の走行時に、前記電子機器全般に流れる電流の電流値を取得する走行時電流値取得部と、
前記初期電流値取得部によって取得された電流値と、前記車両に規定された設計電流値との間の差分を算出し、前記走行時電流値取得部によって取得された電流値を前記差分に基づいて補正する補機電流値予測部と、
前記補機電流値予測部によって補正された前記電流値に基づいて前記アイドリングストップ用容量を決定する容量決定部と
を備える、車両。
[適用例7]
エンジンと、前記エンジンの動力によって駆動される発電機の発電量によって充電可能なバッテリと、前記バッテリのSOCを用いて動作する補機類であって予め規定された種類の補機類とを有する車両を制御する車両制御方法であって、
アイドリングストップ制御を行うアイドリングストップ制御工程と、
前記バッテリの蓄電状態(SOC)を検出するSOC検出工程と、
前記車両の走行時に、前記バッテリの使用可能なSOC範囲に対して、前記アイドリングストップ制御によるエンジン停止から再始動までのストップアンドスタート期間において使用すると予想されるアイドリングストップ用容量を設定するアイドリングストップ用容量設定工程と、
前記車両の走行時に、前記SOC検出工程によって検出されたSOCに対応する、前記使用可能なSOC範囲における残存容量が、前記アイドリングストップ用容量を下回ることを回避するように、前記発電機の発電量を制御する残存容量制御工程と
を備え、
前記アイドリングストップ用容量設定工程は、
前記補機類が全てオフ状態である所定のタイミングで、前記バッテリのSOCを用いて動作する、前記補機類を含めた電子機器全般に流れる電流の電流値を取得する初期電流値取得工程と、
前記車両の走行時に、前記電子機器全般に流れる電流の電流値を取得する走行時電流値取得工程と、
前記初期電流値取得工程によって取得された電流値と、前記車両に規定された設計電流値との間の差分を算出し、前記走行時電流値取得工程によって取得された電流値を前記差分に基づいて補正する補機電流値予測工程と、
前記補機電流値予測工程によって補正された前記電流値に基づいて前記アイドリングストップ用容量を決定する容量決定工程と
を備える車両制御方法。
適用例6の車両、および適用例7の車両制御方法によれば、適用例1の車両制御装置と同様に、ストップアンドスタート期間の途中でSOC不足からエンジンが再始動されることを、後付け補機が取り付けられた場合にも抑制することができ、車両の燃費を向上させることができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、適用例1の車両制御装置を備える制御システム、適用例7の車両制御方法の各工程に対応する機能をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の形態で実現することができる。
本発明の一実施例としての自動車200の構成を示す説明図である。 ECU50の構成を機能的に示す説明図である。 目標SOC推定ルーチンを示すフローチャートである。 SOC配分要求レベル算出用マップMPを示す説明図である。 目標SOC算出用テーブルTBを示す説明図である。 自動車の運転中における車速とSOCについてのタイムチャートを示す説明図である。 自車両状態予測部114の機能を示すブロック図である。 自車両状態予測処理ルーチンを示すフローチャートである。 自動車200が後付け補機を付けていない状態における各種電流値についてのタイムチャートを示す説明図である。 自動車200が後付け補機を付けている状態における各種電流値についてのタイムチャートを示す説明図である。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.全体構成:
B.ECUの構成:
C.目標SOC推定部の構成:
D.自車両状態予測部の構成:
E.作用、効果:
F.変形例:
A.全体構成:
図1は、本発明の一実施例としての自動車200の構成を示す説明図である。自動車200は、アイドリングストップ機能を搭載した車両である。自動車200は、エンジン10と、自動変速機15と、ディファレンシャルギア20と、駆動輪25と、スタータ30と、オルタネータ35と、バッテリ40と、電子制御ユニット(ECU:Electrical Control Unit)50と、エンジンコントロールコンピュータ60とを備えている。
エンジン10は、ガソリンや軽油などの燃料を燃焼させることによって動力を発生させる内燃機関である。エンジン10の動力は、自動変速機15に伝達されるとともに、駆動機構34を介してオルタネータ35に伝達される。エンジン10の出力は、運転者により操作されるアクセルペダル(図示せず)の踏み込み量に応じて、エンジンコントロールコンピュータ60により変更される。
自動変速機15は、変速比の変更(いわゆるシフトチェンジ)を自動的に実行する。エンジン10の動力(回転数・トルク)は、自動変速機15によって変速され、所望の回転数・トルクとして、ディファレンシャルギア20を介して、左右の駆動輪25に伝達される。こうして、エンジン10の動力は、アクセルペダルの踏み込み量に応じて変更されつつ、自動変速機15を介して駆動輪25に伝達されて、車両(自動車200)の加速・減速が行なわれることになる。
オルタネータ35にエンジン10の動力を伝達する駆動機構34は、本実施例では、ベルトドライブの構成を採用している。オルタネータ35は、エンジン10の動力の一部を用いて発電を行なう。発電された電力は、インバータ(図示せず)を介してバッテリ40の充電に用いられる。本明細書では、オルタネータ35を用いたエンジン10の動力による発電を「燃料発電」と呼ぶ。オルタネータ35は、[課題を解決するための手段]の欄に記載した「発電機」に相当する。
バッテリ40は、電圧14Vの直流電源としての鉛蓄電池であり、エンジン本体以外に設けられた周辺機器に電力を供給する。本明細書では、エンジン本体以外に設けられた周辺機器であって、バッテリ40の電力を用いて動作する機器を、「補機」と呼ぶ。また、補機の集まりを、「補機類」と呼ぶ。自動車200は、補機類70として、ヘッドライト72、空調装置(A/C)74、イルミネーション76等を備える。イルミネーション76とは、多数のLEDランプを含む電飾装置である。
補機類70には、ヘッドライト72、空調装置(A/C)74等のようにメーカ出荷時から搭載されるものと、イルミネーション76やポータブルナビ(図示せず)等のようにユーザが自身で取り付けた後付けのものとが含まれる。本明細書では、前者のものを「初期搭載補機」と呼び、後者のものを「後付け補機」と呼ぶ。初期搭載補機は、[課題を解決するための手段]の欄に記載した「予め規定された種類の補機類」に相当する。後付け補機は、「予め規定された種類の補機類」に相当しない。なお、バッテリ40は、補機類70以外にも、ECU50やエンジンコントロールコンピュータ60にも電力を供給する。すなわち、補機類70とECU50とエンジンコントロールコンピュータ60とを電気的に結ぶ結線LNは、オルタネータ35とバッテリ40とに電気的に接続されている。
スタータ30は、バッテリ40から供給される電力によってエンジン10を始動させるセルモータである。通常は、停止している自動車の運転を開始する際に、運転者がイグニッションスイッチ(図示せず)を操作すると、スタータ30が起動し、エンジン10が始動する。このスタータ30は、以下で説明するように、アイドリングストップ状態からエンジン10を再始動させる場合にも利用される。本明細書では、「アイドリングストップ状態」とは、アイドリングストップ制御による停止状態をいう。
ECU50は、コンピュータプログラムを実行するCPU、コンピュータプログラム等を記憶するROM、一時的にデータを記憶するRAM、各種スイッチやセンサ、アクチュエータ等に接続される入出力ポート等を備える。ECU50に接続されるセンサとしては、駆動輪25の回転速度を検出する車輪速センサ82、ブレーキペダル(図示せず)の踏み込みの有無を検出するブレーキペダルセンサ84、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量をアクセル開度として検出するアクセル開度センサ86、バッテリ40の充放電電流の電流値Abを検出するバッテリ電流センサ88、およびオルタネータ35の出力電流の電流値Aaを検出するオルタネータ電流センサ89等が設けられている。スイッチとしては、イグニッションキー91、ヘッドライト作動スイッチ92、およびA/C作動スイッチ93等が設けられている。アクチュエータとしては、スタータ30やオルタネータ35等が該当する。
ECU50は、前記各種のセンサやエンジンコントロールコンピュータ60からの信号をもとに、スタータ30やオルタネータ35を制御することによって、エンジン停止と再始動を制御(アイドリングストップ制御)するとともにバッテリ40のSOCを制御する。このECU50が本発明に直接関わる車両制御装置である。
エンジンコントロールコンピュータ60は、前記各種のセンサやECU50からの信号等をもとに、エンジン10の燃料供給と点火時期を制御する。エンジンコントロールコンピュータ60は、CPU、ROM、RAM等から構成される周知のコンピュータであり、詳しい説明は省略する。
B.ECUの構成:
図2は、ECU50の構成を機能的に示す説明図である。図示するように、ECU50は、アイドリングストップ制御部90と、SOC制御部100とを備える。アイドリングストップ制御部90およびSOC制御部100は、実際は、ECU50に備えられたCPUが、ROMに記憶されたコンピュータプログラムを実行することで実現する機能を示す。
アイドリングストップ制御部90は、車輪速センサ82で検出された車輪速Vhとアクセル開度センサ86で検出されたアクセル開度Tpとを取得し、エンジン10を停止/始動させる指示Ssをスタータ30に出力する。詳しくは、アイドリングストップ制御部90は、車輪速Vhが低下して所定速度(例えば10km/h)未満となったときに、エンジン停止条件が成立したとしてエンジン停止の指示Ssをスタータ30に出力し、その後、アクセル開度Tpからアクセルペダルが踏み込まれたことが検出されたときに、エンジン再始動条件が成立したとしてエンジン再始動の指示Ssをスタータ30に出力する。
すなわち、アイドリングストップ制御部90は、エンジン停止条件が成立したときにエンジン10を停止させ、前記停止後においてエンジン再始動条件が成立したときにエンジン10を再始動させる。前記エンジン停止条件およびエンジン再始動条件は、前述したものに限らない。例えば、車輪速Vhが完全に0km/hとなることをエンジン停止条件とすることもできるし、ブレーキペダルから足が離れたことをエンジン再始動条件とすることもできる。
SOC制御部100は、目標SOC推定部110と、バッテリSOC算出部120と、フィードバック制御部130とを備える。目標SOC推定部110は、車両の走行時(例えば、車輪速Vh>0km/hの時)に、アイドリングストップ制御によるエンジン停止から再始動までの期間(以下、「ストップアンドスタート期間」と呼ぶ)において使用すると予想されるSOCを、目標SOC(以下、「目標SOC値」とも呼ぶ)C1として推定するもので、詳しい構成についてはC節で説明する。なお、この目標SOC推定部110が[課題を解決するための手段]の欄に記載した「アイドリングストップ用容量設定部」に相当する。「SOC」は、バッテリに残存している電気量を、バッテリを満充電したときに蓄えられる電気量で除した値として定義される。
バッテリSOC算出部120は、バッテリ電流センサ88によって検出されたバッテリ40の充放電電流の電流値(「バッテリ電流」とも呼ぶ)Abに基づいて、バッテリ40の現在のSOC(以下、「現在SOC値」と呼ぶ)C2を算出する。詳しくは、バッテリ40の充電電流をプラス値とし、バッテリ40の放電電流をマイナス値として充放電電流Abを積算することで、現在SOC値C2を算出する。バッテリ電流センサ88およびバッテリSOC算出部120の構成が、[課題を解決するための手段]の欄に記載した「SOC検出部」に相当する。なお、SOC検出部は、バッテリ電流センサ88によって検出されたバッテリ電流に基づいて算出するものに限る必要はなく、バッテリ電解液比重センサ、セル電圧センサ、バッテリ端子電圧センサ等に基づいて求める構成としてもよい。さらに、SOC検出部は、バッテリに残存している電気量を検出する構成に限る必要もなく、例えば充電可能量等の他のパラメータで蓄電状態を検出するものとすることもできる。
フィードバック制御部130は、車両の走行時に、目標SOC値C1から現在SOC値C2を差し引いた差分値を求め、その差分値を値0にフィードバック制御で一致させる電圧指示値Svを求める。その電圧指示値Svはオルタネータ35の発電量を指示するもので、オルタネータ35に送られる。この結果、燃料発電によって現在SOC値C2が目標SOC値C1に制御される。フィードバック制御部130の構成が、[課題を解決するための手段]の欄に記載した「残存容量制御部」に相当する。
SOC制御部100には、図示はしないが、上記以外に、「バッテリ制御」と呼ばれる機能と、「充電制御」と呼ばれる機能が設けられている。バッテリ制御について説明する。バッテリ、特に本実施例の鉛バッテリは、長寿命化の要請から、使用可能なSOC範囲(運用するSOC範囲)が予め定められている。このため、このSOC範囲の下限値(例えば60%)をバッテリ40のSOCが下回るときにエンジン10の動力を増大してSOCを前記SOC範囲内とし、SOC範囲の上限値(例えば90%)をSOCが上回るときにSOCを消費して前記SOC範囲内とする「バッテリ制御」が行われる。アイドリングストップ制御によるエンジンの停止時においてもSOCが下限値を下回ると、エンジンが始動して燃料発電によってSOCを前記SOC範囲内とする。
「充電制御」は、通常走行中に燃料発電によるバッテリへの充電を抑えることで燃料消費量を節約し、減速走行中に回生発電によりバッテリへの充電を行なう制御処理である。充電制御については周知の構成であることから、詳しく説明しないが、概ね次の処理を行う。充電制御においては、通常走行時におけるフィードバック制御部130によるフィードバック制御を、目標SOC値C1が現在SOC値C2を上回るときに実行し、通常走行時に目標SOC値C1が現在SOC値C2以下であるときには、所定の発電カット電圧をオルタネータ35への電圧指示値Svとする。この構成により、通常走行時における充電を抑制し燃料消費量を節約することができる。なお、「通常走行」とは、車速が0km/hである「停車」、および前記回生発電が行われる「減速走行」のいずれにも該当しない自動車200の状態である。
C.目標SOC推定部の構成:
目標SOC推定部110は、走行環境予測部112と、自車両状態予測部114と、SOC配分要求レベル算出部116と、目標SOC算出部118とを備える。
走行環境予測部112は走行環境を予測する。ここでいう「走行環境」とは、今後(現在以後)どれくらいアイドリングストップ状態となるかを示すパラメータであり、今後の所定期間におけるストップアンドスタート期間の割合に関わるパラメータとも言える。すなわち、「走行環境」は、アイドリングストップ制御による停車を引き起こす車両の走行環境である。走行環境予測部112は、詳しくは、車輪速センサ82によって検出された車輪速Vhに基づいて、走行環境を指数で示す走行環境指数を算出する。具体的には、現在から遡る所定期間(例えば10分間)における停車時間の比率Rを車輪速Vhに基づいて算出し、その比率から走行環境指数P1を算出する。すなわち、所定期間において車輪速Vhが値0となる停車時間の合計を求め、その合計を所定期間の全時間で割り算することで比率Rを算出し、その比率Rから走行環境指数P1を算出する。
比率Rが高いということは、前記車両の停止頻度と停止期間の長さが高いということであり、今後の車両の停止頻度と長さも高いと予測することができる。このため、本実施例では、下記に従って走行環境指数P1を決定する。
・10分間停止時間比率R<38%のとき、走行環境指数P1を値1とする。
・38%≦10分間停止時間比率R<42%のとき、走行環境指数P1を値2とする。
・42%≦10分間停止時間比率R<46%のとき、走行環境指数P1を値3とする。
・10分間停止時間比率R≧46%のとき、走行環境指数P1を値4とする。
前記38%、42%、46%という閾値はこれらに限らず、別の数値とすることができる。また、求める走行環境指数P1は1〜4までの4つに限らず、3つ、5つ、6つ等の他の数とすることもできる。なお、走行環境指数P1が低い場合は郊外であり、走行環境指数P1が高い場合は市街地であると言えることから、走行環境指数P1の値が高いほど、市街化度が高いといえる。
本実施例では、走行環境指数P1を車輪速センサ82によって検出された車輪速Vhに基づいて求めていたが、本発明ではこれに限られない。例えば、車速センサによって検出された車速の平均値、車輪速センサ82によって検出された車輪速Vhの変化率(すなわち加速度)、MT(Manual Transmission)車の場合手動変速機のシフトポジション、またはAT(Automatic Transmission)車の場合の自動変速機のギヤ比等に基づいて求める構成としてもよい。すなわち、車速の平均値が低いほど市街化度が高くなることから、車速の平均値が低いほど走行環境指数P1を高い値とすればよい。車輪速Vhの変化率が高いほど市街化度が高くなることから、車輪速Vhの変化率が高いほど走行環境指数P1を高い値とすればよい。手動変速機のシフトポジションが頻繁に行われるほど市街化度が高くなることから、手動変速機のシフトポジションが頻繁に行われるほど走行環境指数P1を高い値とすればよい。自動変速機のギヤ比等が頻繁に切り換わるほど市街化度が高くなることから、自動変速機のギヤ比等が頻繁に切り換わるほど走行環境指数P1を高い値とすればよい。
なお、前記車輪速Vhと車輪速Vhに替わる各パラメータは、それらの中から選択した1つに基づいて走行環境指数P1を求める構成に限る必要もなく、2つ以上のパラメータに基づいて走行環境指数P1を求める構成としてもよい。2つ以上のパラメータを採用する場合、各パラメータに個別の重み付け指数を掛けて走行環境指数P1を求める構成とすることが好ましい。なお、前述した車輪速Vhと車輪速Vhに替わる各パラメータを採用することで、自動車200という自律系のみで走行環境を予測することができる。これに対して、自律系の外側から取得する情報に基づいて、走行環境指数P1を求める構成としてもよい。自律系の外側から取得する情報としては、ナビゲーションシステムの道路地図情報等がある。ナビゲーションシステムの道路地図情報に基づいて今後の走行地位置が市街地か郊外かを見極めて、走行環境指数P1を求めることができる。
自車両状態予測部114は、自動車200の状態(自車両状態)を予測する。ここでいう「自車両状態」とは、自動車200が今後どの程度SOCを消費するかを表すパラメータである。自車両状態予測部114は、オルタネータ電流センサ89によって検出されたオルタネータ電流値Aaと、バッテリ電流センサ88によって検出されたバッテリ電流値Abと、前述した初期搭載補機の作動情報Faに基づいて、自車両で費やす電力量を予測し、その電力量を自車両状態P2として出力する。自車両で費やす電力量が大きいときにはSOCを消費する速度は早いことから、本実施例では、自車両状態予測部114は、自車両で費やす電力量を自車両状態P2として求める。自車両で費やす電力量の意味およびその詳しい求め方については、D節で詳述する。
前記構成の走行環境予測部112および自車両状態予測部114は、自動車200の運転が開始された以後、常にその予測を行っている。各部122〜124は、実際は、ECU50に備えられたCPUが、ROMに記憶されたコンピュータプログラムを実行することで実現する。走行環境予測部112によって算出した走行環境指数P1と、自車両状態予測部114によって算出した自車両状態P2とは、SOC配分要求レベル算出部116に送られる。
SOC配分要求レベル算出部116は走行環境指数P1および自車両状態P2に基づいてSOC配分要求レベルP3を算出し、目標SOC算出部118はSOC配分要求レベルP3に基づいて目標SOC値C1を算出する。以下、SOC配分要求レベル算出部116および目標SOC算出部118の内容を、以下に詳述する。
図3は、目標SOC推定ルーチンを示すフローチャートである。この目標SOC推定ルーチンは、車両の走行時に所定時間(例えば、60sec)毎に繰り返し実行される。すなわち、目標SOC推定ルーチンは、アイドリングストップ制御によるエンジン10の停止時には実行されない。図示するように、処理が開始されると、ECU50のCPUは、走行環境予測部112(図2)によって求められた走行環境指数P1を取得する(ステップS100)とともに、自車両状態予測部114(図2)によって求められた自車両状態P2を取得する(ステップS200)。
ステップS200の実行後、CPUは、SOC配分要求レベル算出用マップMPを用いて、走行環境指数P1と自車両状態P2に基づいてSOC配分要求レベルを算出する処理を行う(ステップS300)。バッテリには、先に説明したように、使用可能なSOC範囲がバッテリの種類毎に定められている。本実施例では、使用可能SOC範囲をアイドリングストップ用と充電制御用とに配分することを図っており、「SOC配分要求レベル」は前記配分のレベルを指定するパラメータである。
図4は、SOC配分要求レベル算出用マップMPを示す説明図である。図示するように、SOC配分要求レベル算出用マップMPは、横軸に走行環境指数P1をとり、縦軸に自車両状態P2をとり、横軸の値と縦軸の値とに対応するSOC配分要求レベルP3をマッピングしたマップデータである。走行環境指数P1と、自車両状態P2と、SOC配分要求レベルP3との関係を、予め実験的にあるいはシミュレーションにより求めることで、SOC配分要求レベル算出用マップMPは作成されており、ROMに記憶している。ステップS300では、ROMからSOC配分要求レベル算出用マップMPを呼び出し、そのマップMPを参照して、ステップS100で求めた走行環境指数P1とステップS200で求めた自車両状態P2とに対応するSOC配分要求レベルP3を取得する。図示の例では、SOC配分要求レベルP3としてA、B、C、Dの4つの値が用意されている。A、B、C、Dはこの順で高い値となっている。走行環境指数P1が高いほど、自車両状態P2が高いほど、SOC配分要求レベルP3は高い値となる。
なお、前述した走行環境指数P1と自車両状態P2とSOC配分要求レベルP3との関係を求める際の実験あるいはシミュレーションは、自動車200に後付け補機が取り付けられていない状態のものである。すなわち、SOC配分要求レベル算出用マップMPは、自動車200に後付け補機が取り付けられていない状態に対応するものである。
図3に戻って、ステップS300の実行後、CPUは、目標SOC算出用テーブルTBを用いて、SOC配分要求レベルP3に基づいて目標SOC値C1を算出する処理を行う(ステップS400)。
図5は、目標SOC算出用テーブルTBを示す説明図である。図示するように、目標SOC算出用テーブルTBは、横軸にSOC配分要求レベルP3をとり、縦軸に目標SOC値C1をとり、直線LでSOC配分要求レベルP3と目標SOC値C1の関係を示している。このSOC配分要求レベルP3と目標SOC値C1の関係を、予め実験的にあるいはシミュレーションにより求めることで、目標SOC算出用テーブルTBは作成されており、ROMに記憶している。ステップS400は、ROMから目標SOC算出用テーブルTBを呼び出し、そのテーブルTBを参照して、ステップS300で算出したSOC配分要求レベルP3に対応する目標SOC値C1を取得する。
図示するように、直線Lで示される目標SOC値C1は、バッテリ40の使用可能SOC範囲W内に設定される値であり、その使用可能SOC範囲Wを充電制御用容量とアイドリングストップ用容量とに配分したときの配分率を示す。換言すれば、バッテリ40の使用可能SOC範囲Wに対して、アイドリングストップ用容量の領域が下側に、充電制御用容量の領域が上側にそれぞれ設定されており、両領域の境が目標SOC値C1となっている。また、使用可能SOC範囲Wの下限値にアイドリングストップ用容量を加えた水準が目標SOC値C1として設定されているとも言える。
充電制御用容量は、前述した充電制御による燃料発電の抑制によって必要となる電池容量である。アイドリングストップ用容量は、今後のストップアンドスタート期間において使用されると予想される容量である。本実施例では、アイドリングストップ用容量は、予想される最大の大きさに定められている。SOC配分要求レベルP3が高い値になるほど、アイドリングストップ用容量は大きくなっている。直線Lよりも上側にSOCを制御したとき、そのSOCに対応する使用可能SOC範囲内の残存容量がアイドリングストップ用容量を上回ることからアイドリングストップ制御を完全に実施できるといえるが、その上回る分だけ余剰である。このため、直線Lで示される目標SOC値C1は、今後アイドリングストップ制御を完全に実施でき、かつSOC貯蔵のための発電量を最小にできるSOCを示しているといえる。
目標SOC値C1は、直線Lに示すように、SOC配分要求レベルP3の上昇に従ってリニアに増大するものであったが、本発明ではこれに限られない。例えば、SOC配分要求レベルP3が所定値以下のときにはSOC配分要求レベルP3の上昇に従ってリニアに増大し、SOC配分要求レベルP3が所定値を上回るときには一定値を維持するように、目標SOC値C1を定めた構成としてもよい。この構成は、使用可能SOC範囲が比較的小さいバッテリの場合に有効である。さらに、目標SOC値C1の変化を直線で示す構成に換えて、曲線で示す構成とすることもできる。
図3に戻って、ステップS400の実行後、CPUは、ステップS400で算出した目標SOC値C1をフィードバック制御部130に出力し(ステップS500)、その後、目標SOC推定ルーチンを一旦終了する。フィードバック制御部130(図2)では、現在SOC値C2が前記算出された目標SOC値C1に制御される。現在SOC値C2は、バッテリ40の使用可能SOC範囲における残存容量を指し示すが、上記制御の結果、車両走行中に、残存容量はアイドリングストップ用容量を下回ることを回避することができる。すなわち、図5において、現在SOC値が充電制御用容量の領域に位置するとき、すなわち、前記残存容量がアイドリングストップ用容量を上回るときに、充電制御がなされて燃料発電によるバッテリ40への充電が抑えられている。そして、SOCが低下してアイドリングストップ用容量を下回ろうとするとき、燃料発電によって、直線Lで示される目標SOC値C1にSOCは制御されることで、前記アイドリングストップ用容量を下回ろうとすることが回避される。
図6は、自動車200の運転中における車速とバッテリ40のSOC(現在SOC値C2)についてのタイムチャートを示す説明図である。タイムチャートは、縦軸に車速とSOCをとり、横軸に時間をとったものである。自動車200の運転が開始され、時刻t0において自動車200が発進すると、車速は次第に増し、通常走行に至る。その後、時刻t1において、車両が減速状態に移行する。この時刻t0から時刻t1までのt0−t1期間においては、実線に示すように、SOCは徐々に低下する。この実線は従来例についてのもので、本実施例では2点鎖線のように変化する。これについては後述する。
時刻t1の後、時刻t2において車両は停止する。t1−t2の期間では、減速による回生発電がなされ、実線に示すようにSOCは徐々に上昇する。時刻t2(厳密に言えばエンジン停止条件が成立したとき)から車速が立ち上がる時刻t3までの期間がストップアンドスタート期間SSTであり、エンジン10は停止されている。ストップアンドスタート期間SSTでは、補機類による電力消費によってSOCは徐々に下降する。従来例では、実線に示すように、この停止の最中にSOCが下限値SLに達すると(時刻tb)、バッテリ制御によってエンジン10は再始動することになる。再始動後、実線に示すように、エンジン10の動力により発電されSOCは増大する。
本実施例では、通常走行時にSOCが低下して、バッテリ40の使用可能SOC範囲における残存容量がアイドリングストップ用容量を下回ったときに(時刻ta)、燃料発電によってSOCが増大される。図中2点鎖線に示すようにta−t2期間においてSOCは増大する。この増大は、今後のストップアンドスタート期間に使用すると予想される最大の電池容量を考慮したものであることから、ストップアンドスタート期間t2−t3においてSOCが低下しても、SOCは下限値SLに至ることがない。なお、「今後のストップアンドスタート期間」とは、図示の一つのストップアンドスタート期間SSTに限るものではなく、所定の期間において複数のストップアンドスタート期間があれば、それらストップアンドスタート期間の全部である。
したがって、本実施例では、従来例のように、ストップアンドスタート期間t2−t3において、SOCが下限値に達してエンジン10が再始動されることがない。自車両状態予測部114について、次に詳述する。
D.自車両状態予測部の構成:
図7は、自車両状態予測部114の機能を示すブロック図である。図示するように、自車両状態予測部114は、走行時電流値取得部114a、初期電流値取得部114b、差分算出部114c、および補機電流値予測部114dを備える。走行時電流値取得部114aは、オルタネータ電流センサ89によって検出されたオルタネータ電流値Aaと、バッテリ電流センサ88によって検出されたバッテリ電流値Abとの入力を受けている。初期電流値取得部114bは、オルタネータ電流値Aaとバッテリ電流値Abに加えて初期搭載補機作動情報Faの入力を受けている。初期搭載補機作動情報Faについては、後述する。
各部114a〜114dは、図1のECU50に備えられたCPUが、ROMに記憶されたコンピュータプログラムを実行することで実現する。以下、このコンピュータプログラムに従う自車両状態予測処理ルーチンについて詳述する。なお、各部114a〜114dは、図1に示したECU50以外の他の具体的な装置やハードウェア回路によっても実現可能である。
図8は、自車両状態予測処理ルーチンを示すフローチャートである。この処理ルーチンは、前述したようにECU50に備えられたCPUにより実行されるもので、一定の時間(例えば、100msec)毎に繰り返し実行される。処理が開始されると、ECU50に備えられたCPUは、まず、運転者によるイグニッションキー91の操作を受けてエンジン10が始動してから所定時間を経過したか否かを判定する(ステップS210)。所定時間は、エンジン10が安定的に運転を開始し、かつ、補機類70のうちの初期搭載補機が動作を開始する前である時間を想定したもので、例えば、10secである。ステップS210で、所定時間を経過したと判定されると、ステップS220以降の処理に移行する。一方、ステップS210で所定時間を経過していないと判定された場合には、「リターン」に抜けて、この処理ルーチンを一旦終了する。
ステップS220では、CPUは、オルタネータ電流センサ89によって検出されたオルタネータ電流値Aaを取り込む。続くステップS230では、バッテリ電流センサ88によって検出されたバッテリ電流値Abを取り込む。その後、CPUは、オルタネータ電流値Aaとバッテリ電流値Abに基づいて、結線LN(図1参照)側に流れる電流値Acを算出する(ステップS240)。電流値Acは、詳しくは、次式(1)に基づいて求められる。
Ac=Aa−Ab …(1)
結線LN側に流れる電流値Acは、補機類70、ECU50、エンジンコントロールコンピュータ60等に流れる電流のトータルの値である。すなわち、バッテリ40のSOCを用いて動作する電子機器全般に流れる値である。電流値Acを、以下、「補機類等電流値」と呼ぶ。
ステップS240の実行後、CPUは、差分kが取得済みか否かを判定する処理を行う(ステップS250)。差分kは後述するステップS270により算出されるもので、ステップS250では、ステップS270の処理が実行されて差分kが取得されたか否かを判定する。
ステップS250で、差分kが取得済みでないと判定されると、CPUは、初期搭載補機作動情報Faに基づいて、初期搭載補機が全てオフ状態であるか否かを判定する(ステップS260)。ECU50では、ヘッドライト作動スイッチ92(図1)がオン状態となったときにヘッドライト72を点灯し、A/C作動スイッチ93がオン状態となったときにA/C74を運転するが、その際に、これら初期搭載補機の作動状態に応じた値を初期搭載補機作動情報FaとしてRAMに記憶している。初期搭載補機作動情報Faは、初期搭載補機の全てが作動していないときに"0"となり、初期搭載補機の一つでも作動しているときに"1"となる。ステップS260では、初期搭載補機作動情報FaをRAMから読み出して、初期搭載補機作動情報Faが"0"であるときに初期搭載補機が全てオフ状態であると判定し、初期搭載補機作動情報Faが"1"であるときに初期搭載補機が全てオフ状態であることはないと判定する。ステップS260で、初期搭載補機が全てオフ状態であることはないと判定されると、CPUは、「リターン」に処理を進めて、この処理ルーチンを一旦終了する。
一方、ステップS260で、初期搭載補機が全てオフ状態であると判定されると、CPUは、ステップS240によって求められた補機類等電流値Acと設計電流値Aintとの差分kを求める(ステップS270)。すなわち、補機類等電流値Acから設計電流値Aintを差し引くことで、差分kを求める。設計電流値Aintとは、エンジン10を運転するために最低限必要な、ECU50、エンジンコントロールコンピュータ60、アクチュエータ等の電子機器を動作させるための電流値である。これら電子機器は、前述した結線LNから電力の供給を受けている。これら電子機器のトータルを、以下、「ベース機器」と呼ぶ。設計電流値Aintは、自動車200の車種毎に予め規定されており、自動車200の設計または製造の段階で、設計によって、あるいは実験的に求められている。
ステップS270で求められた差分kは、補機類等電流値Acからベース機器に流れる電流分を除いたものとなる。すなわち、差分kは、補機類70に流れる電流値を示す。一方、ステップS270の実行時は、初期搭載補機がオフ状態である。このため、差分kは、補機類70のうちの後付け補機に流れる電流値を示す。
ステップS270の実行後、CPUは、ステップS240によって求められた補機類等電流値Acから、ステップS270によって求められた差分kを差し引くことによって、自車両状態P2算出用の消費電流Ac*を求める(ステップS280)。差分kは前述したように後付け補機に流れる電流値であることから、自車両状態P2算出用の消費電流Ac*は、補機類70のうちの初期搭載補機と、ベース機器に流れる電流値となる。なお、ステップS260で初期搭載補機がオン状態であると判定された直後においては、初期搭載補機に流れる電流値はゼロであることから、自車両状態P2算出用の消費電流Ac*は、ベース機器に流れる電流値だけとなる。
ステップS280の実行後、CPUは、自車両状態P2算出用の消費電流Ac*に所定電圧を掛けることで消費電力量を算出し、その消費電力量を自車両状態P2とする(ステップS290)。ステップS290の実行後、CPUは、自車両状態予測処理ルーチンを一旦終了する。
自車両状態予測処理ルーチンは前述したように所定時間毎に繰り返し実行されることから、次の実行時においては、ステップS250に処理が進むと、ステップS250で差分kは取得済みであるとして、ステップS260およびS270の処理を飛ばして、ステップS280に処理を進める。ステップS280では、前回の処理時にステップS270によって求められた差分kを用いて演算処理が行われる。上記次の実行時においては、初期搭載補機がオン状態となり得るが、このときにステップS280で求められる自車両状態P2算出用の消費電流Ac*は、補機類70のうちの初期搭載補機と、ベース機器に流れる電流値となる。
以上のように構成された自車両状態予測処理ルーチンにおいて、ステップS260の判定処理は省略することができる。ステップS210において、初期搭載補機が動作を開始する前である時間を所定時間としている関係から、ステップS260の第1回目の処理時には、初期搭載補機はオフ状態となるのが通常であるためである。本実施例では、イレギュラーな処理によってエンジン始動時から初期搭載補機がオン状態に仮になった場合にも対応可能なように、ステップS260の判定処理を加えている。
図9は、自動車200が後付け補機を付けていない状態における各種電流値についてのタイムチャートである。図9(a)はベース機器に流れる電流値(=設計電流値)Aintを示し、図9(b)は初期搭載補機に流れる電流値Asを示す。図9(c)は、補機類等電流値Acを示し、自車両状態予測処理ルーチンのステップS240で算出されたものである。図9(d)は、自車両状態算出用消費電流Ac*を示し、ステップS280で算出されるものである。
図示するように、ベース機器電流値Aintは始動直後から立ち上がる(時刻t11)。このとき、初期搭載補機電流値Asはゼロであり、後付け補機がない状態であることから、補機類等電流値Acはベース機器電流値Aintと一致する。自車両状態算出用消費電流Ac*もベース機器電流値Aintと一致する。
図10は、自動車200が後付け補機を付けている状態における各種電流値についてのタイムチャートである。図10(a)はベース機器に流れる電流値(=設計電流値)Aintを示し、図10(b)は初期搭載補機に流れる電流値Asを示す。図10(c)は、補機類等電流値Acを示し、ステップS240で算出されたものである。図10(d)は、自車両状態算出用消費電流Ac*を示し、ステップS280で算出されたものである。
図示するように、ベース機器電流値Aintは始動直後から立ち上がる(時刻t11)。このとき、初期搭載補機電流値Asはゼロであり、後付け補機がある状態であることから、補機類等電流値Acは、ベース機器電流値Aintに対して後付け補機分(図中ハッチ部分)だけ電流値が加算されたものとなる。自車両状態算出用消費電流Ac*は、補機類等電流値Acから後付け補機分だけ電流値がオフセットされた(差し引かれた)ものとなる。
なお、図10の(c)、(d)における破線で示される電流変化BAは、時刻t12以後、初期搭載補機がオン状態となったときのものである。図10の(c)、(d)から判るように、初期搭載補機がオン状態となったときにも、自車両状態算出用消費電流Ac*は、補機類等電流値Acから後付け補機分だけ電流値がオフセットされたものとなる。
前述したステップS290によって、自車両状態算出用消費電流Ac*から算出される消費電力量が、前述した「自車両で費やす電力量」に相当する。すなわち、「自車両で費やす電力量」とは、車両において後付け補機が取り付けられていない状態での消費電力量となる。この消費電力量が自車両状態P2として求められる。
図8に示した自車両状態予測処理ルーチンにおいて、ステップS210からステップS280まで第1回目に実行されたときのステップS210ないしS240の処理が、図7に示した初期電流値取得部114bに相当する。ステップS270の処理が差分算出部114cに相当する。初期搭載補機がオン状態で差分kが取得済みであるときのステップS220ないしS240の処理が走行時電流値取得部114baに相当する。ステップS280の処理が補機電流値予測部114dに相当する。
E.作用、効果:
本実施例の自動車200では、図6を用いて既述したように、ストップアンドスタート期間t2−t3において、SOCが下限値に達してエンジン10が再始動されることがない。ストップアンドスタート期間の途中でSOC不足からエンジンを再始動する場合は、エンジンの運転時に動力増大してSOCを増加する場合に比べて、3倍から5倍近くの燃料量が必要である。すなわち、エンジンの運転時における単位SOC(例えばSOC1%)当たりの燃費効果は、ストップアンドスタート期間の途中でSOC不足からエンジンを再始動する場合に比べて、3倍から5倍優れている。したがって、本実施例の自動車200は、従来例に比べて燃費を向上させることができる。さらに、本実施例によれば、自動車200に後付けで補機が取り付けられている場合に、前述した差分kは後付け補機に流れる電流値として求められることから、この後付け補機分だけ補正した電流値に基づいてアイドリングストップ用容量を決定することができる。これに対して、アイドリングストップ用容量を規定するSOC配分要求レベル算出用マップMPは、前述したように、自動車200に後付け補機が取り付けられていない状態に対応するものである。このため、後付け補機が取り付けられた自動車200において、アイドリングストップ用容量を高精度に定めることができ、この結果、車両の燃費を十分に向上させることができる。
F.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
・変形例1:
上記実施例では、走行環境指数P1と自車両状態P2に基づいてSOC配分要求レベルP3を一旦求め、SOC配分要求レベルP3に基づいて目標SOCを算出する構成であったが、これに換えて、走行環境指数P1と自車両状態P2に基づいて、目標SOCを直接、算出する構成としてもよい。すなわち、走行環境指数P1と自車両状態P2に基づいて、バッテリの使用可能SOC範囲を充電制御用とアイドリングストップ用とを配分する配分率を直接算出する構成としてもよい。
・変形例2:
上記実施例では、SOC配分要求レベルは、走行環境指数P1と自車両状態P2の両方に基づいて算出していたが、これに換えて、自車両状態P2だけに基づいて算出する構成としてもよい。
・変形例3:
上記実施例では、初期電流値取得部114bは、エンジン10が始動してから所定時間を経過したときに補機類等電流値Acを求める構成であったが、本発明ではこれに限られない。エンジン10の始動直後でなくても、初期搭載補機類が全てオフ状態であれば、他のタイミングで補機類等電流値Acを求める構成とすることもできる。
・変形例4:
上記実施例では、結線LN(図1参照)側に流れる電流値Ac、すなわち補機類を含めた電子機器全般に流れる電流の電流値を、オルタネータ電流値Aaとバッテリ電流値Abに基づいて算出する構成としたが、本発明ではこれに限られない。例えば、結線LNの上流側に電流センサを設けて、この電流センサから電流値を得る構成としてもよい。要は、バッテリのSOCを用いて動作する、補機類を含めた電子機器全般に流れる電流の電流値を取得することができれば、いずれの構成とすることもできる。
・変形例5:
上記実施例では、バッテリは鉛蓄電池としたが、本発明ではこれに限られない。例えば、リチウムイオン蓄電池、ロッキングチェア型蓄電体等の他の種類のバッテリに替えることもできる。また、上記実施例では、車両は自動車であったが、これに換えて、電車等の自動車以外の車両としてもよい。
・変形例6:
上記実施例においてソフトウェアで実現されている機能の一部をハードウェア(例えば集積回路)で実現してもよく、あるいは、ハードウェアで実現されている機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
・変形例7:
なお、前述した実施例および各変形例における構成要素の中の、独立請求項で記載された要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。例えば、通常走行中はバッテリへの充電を抑えることで燃料消費量を節約し、減速走行中に回生発電によりバッテリへの充電を行なう充電制御についても省略することができる。
10…エンジン
15…自動変速機
20…ディファレンシャルギア
25…駆動輪
30…スタータ
34…駆動機構
35…オルタネータ
40…バッテリ
50…ECU
60…エンジンコントロールコンピュータ
70…補機類
72…ヘッドライト
74…空調装置
82…車輪速センサ
84…ブレーキペダルセンサ
86…アクセル開度センサ
88…バッテリ電流センサ
89…オルタネータ電流センサ
90…アイドリングストップ制御部
100…SOC制御部
110…目標SOC推定部
112…走行環境予測部
114…自車両状態予測部
114a…走行時電流値取得部
114b…初期電流値取得部
114c…差分算出部
114d…補機電流値予測部
116…SOC配分要求レベル算出部
118…目標SOC算出部
120…バッテリSOC算出部
130…フィードバック制御部
200…自動車
Aa…オルタネータ電流値
Ab…バッテリ電流値
Fa…初期搭載補機作動情報

Claims (7)

  1. エンジンと、前記エンジンの動力によって駆動される発電機の発電量によって充電可能なバッテリと、前記バッテリのSOCを用いて動作する補機類であって予め規定された種類の補機類と、を有する車両に搭載される車両制御装置であって、
    アイドリングストップ制御を行うアイドリングストップ制御部と、
    前記バッテリの蓄電状態(SOC)を検出するSOC検出部と、
    前記車両の走行時に、前記バッテリの使用可能なSOC範囲に対して、前記アイドリングストップ制御によるエンジン停止から再始動までのストップアンドスタート期間において使用すると予想されるアイドリングストップ用容量を設定するアイドリングストップ用容量設定部と、
    前記車両の走行時に、前記SOC検出部によって検出されたSOCに対応する、前記使用可能なSOC範囲における残存容量が、前記アイドリングストップ用容量を下回ることを回避するように、前記発電機の発電量を制御する残存容量制御部と
    を備え、
    前記アイドリングストップ用容量設定部は、
    前記補機類が全てオフ状態である所定のタイミングで、前記バッテリのSOCを用いて動作する、前記補機類を含めた電子機器全般に流れる電流の電流値を取得する初期電流値取得部と、
    前記車両の走行時に、前記電子機器全般に流れる電流の電流値を取得する走行時電流値取得部と、
    前記初期電流値取得部によって取得された電流値と、前記車両に規定された設計電流値との間の差分を算出し、前記走行時電流値取得部によって取得された電流値を前記差分に基づいて補正する補機電流値予測部と、
    前記補機電流値予測部によって補正された前記電流値に基づいて前記アイドリングストップ用容量を決定する容量決定部と
    を備える車両制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両制御装置であって、
    前記補機電流値予測部は、
    前記走行時電流値取得部によって取得された電流値から前記差分を差し引くことによって、前記補正を行う、車両制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の車両制御装置であって、
    前記初期電流値取得部は、
    前記エンジンが始動してから所定時間を経過したか否かを判定することにより、前記所定のタイミングを検知する、車両制御装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の車両制御装置であって、
    前記車両の走行時に、前記発電機の発電を抑制し、前記車両の減速走行中の回生発電による前記バッテリへの充電を許可する充電制御部を備え、
    前記アイドリングストップ用容量設定部は、
    前記バッテリの使用可能なSOC範囲を、前記充電制御部による前記発電機の発電の抑制によって必要となる充電制御用容量と、前記アイドリングストップ用容量とに配分したときの配分率を規定するパラメータを、前記アイドリングストップ用容量として設定する、車両制御装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の車両制御装置であって、
    前記アイドリングストップ用容量設定部は、停車を引き起こす車両の走行環境を予測する走行環境予測部をさらに備え、
    前記容量決定部は、前記補機電流値予測部によって補正された前記電流値に加えて前記走行環境に基づいて前記アイドリングストップ用容量の決定を行う、車両制御装置。
  6. 車両であって、
    エンジンと、
    前記エンジンの動力によって駆動される発電機の発電量によって充電可能なバッテリと、
    前記バッテリのSOCを用いて動作する補機類であって予め規定された種類の補機類と、
    アイドリングストップ制御を行うアイドリングストップ制御部と、
    前記バッテリの蓄電状態(SOC)を検出するSOC検出部と、
    前記車両の走行時に、前記バッテリの使用可能なSOC範囲に対して、前記アイドリングストップ制御によるエンジン停止から再始動までのストップアンドスタート期間において使用すると予想されるアイドリングストップ用容量を設定するアイドリングストップ用容量設定部と、
    前記車両の走行時に、前記SOC検出部によって検出されたSOCに対応する、前記使用可能なSOC範囲における残存容量が、前記アイドリングストップ用容量を下回ることを回避するように、前記発電機の発電量を制御する残存容量制御部と
    を備え、
    前記アイドリングストップ用容量設定部は、
    前記補機類が全てオフ状態である所定のタイミングで、前記バッテリのSOCを用いて動作する、前記補機類を含めた電子機器全般に流れる電流の電流値を取得する初期電流値取得部と、
    前記車両の走行時に、前記電子機器全般に流れる電流の電流値を取得する走行時電流値取得部と、
    前記初期電流値取得部によって取得された電流値と、前記車両に規定された設計電流値との間の差分を算出し、前記走行時電流値取得部によって取得された電流値を前記差分に基づいて補正する補機電流値予測部と、
    前記補機電流値予測部によって補正された前記電流値に基づいて前記アイドリングストップ用容量を決定する容量決定部と
    を備える、車両。
  7. エンジンと、前記エンジンの動力によって駆動される発電機の発電量によって充電可能なバッテリと、前記バッテリのSOCを用いて動作する補機類であって予め規定された種類の補機類とを有する車両を制御する車両制御方法であって、
    アイドリングストップ制御を行うアイドリングストップ制御工程と、
    前記バッテリの蓄電状態(SOC)を検出するSOC検出工程と、
    前記車両の走行時に、前記バッテリの使用可能なSOC範囲に対して、前記アイドリングストップ制御によるエンジン停止から再始動までのストップアンドスタート期間において使用すると予想されるアイドリングストップ用容量を設定するアイドリングストップ用容量設定工程と、
    前記車両の走行時に、前記SOC検出工程によって検出されたSOCに対応する、前記使用可能なSOC範囲における残存容量が、前記アイドリングストップ用容量を下回ることを回避するように、前記発電機の発電量を制御する残存容量制御工程と
    を備え、
    前記アイドリングストップ用容量設定工程は、
    前記補機類が全てオフ状態である所定のタイミングで、前記バッテリのSOCを用いて動作する、前記補機類を含めた電子機器全般に流れる電流の電流値を取得する初期電流値取得工程と、
    前記車両の走行時に、前記電子機器全般に流れる電流の電流値を取得する走行時電流値取得工程と、
    前記初期電流値取得工程によって取得された電流値と、前記車両に規定された設計電流値との間の差分を算出し、前記走行時電流値取得工程によって取得された電流値を前記差分に基づいて補正する補機電流値予測工程と、
    前記補機電流値予測工程によって補正された前記電流値に基づいて前記アイドリングストップ用容量を決定する容量決定工程と
    を備える車両制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016043794A (ja) * 2014-08-22 2016-04-04 マツダ株式会社 車両のバッテリ制御装置
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