JP5812117B2 - 車両を制御する方法、車両制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ラジエータ用電動ファンの消費電力を推定する方法に関する。
自動車等の車両において、燃料消費量を低減する技術として、通常走行中はバッテリへの充電を行わないことで燃料消費量を低減し、減速時に回生発電によりバッテリへの充電を行なう制御(以降、「充電制御」とも呼ぶ。)が知られている。また、燃料消費量を低減する別の技術として、車両の停止時にはエンジンを停止させるアイドリングストップ(「アイドル・リダクション」とも呼ぶ。)制御が知られている。
車両が充電制御中またはアイドリングストップ制御中である場合、エンジンを動力とする発電、および、バッテリへの充電は行われないため、バッテリの残量は、車両が備える補機による消費電力量に応じて低下していく。バッテリは、その残量が所定の使用可能な範囲を下回ると劣化を生じる性質があるため、バッテリ寿命確保のためには、バッテリの残量が所定の使用可能な範囲を下回らないように、充電制御とアイドリングストップとを制御することが好ましい。
このように充電制御とアイドリングストップ制御とを制御する際に、補機による消費電力量の推定値は重要な情報となる。例えば、引用文献1には、冷却ファンと電動ウォータポンプとで消費される合計の消費電力を極力抑制するために、ラジエータで放熱させようとする目標放熱量から、冷却ファンと電動ウォータポンプとで消費される合計の消費電力を予測する技術が開示されている。しかし、引用文献1の技術では、冷却ファンにおいて今後消費される消費電力の増減を推定することはできず、改善の余地があった。
特開2010−096042号公報 特開2011−126535号公報
本発明は、エンジンとバッテリとラジエータとラジエータ用の送風器とが搭載された車両において、送風器による今後の消費電力の増減を推定することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するために、例えば、以下の形態として実現可能である。エンジンと、前記エンジンによって駆動される発電機によって充電可能なバッテリと、ラジエータと、前記バッテリに蓄電された電力を消費して前記ラジエータに送風する送風器と、を有する車両を制御する方法であって、(a)前記エンジンのスロットル開度を用いて前記エンジンの発熱状態を推定する工程と、(b)推定された前記発熱状態を用いて、前記送風器において今後消費される将来消費電力の増減を推定する工程と、(d)前記車両の停止時における前記エンジンの運転を停止させるアイドリングストップ制御を行う工程と、(f)前記バッテリの蓄電状態(SOC)を検出する工程と、(g)前記バッテリの使用可能な範囲に対して、前記エンジンの運転による前記発電機の動力を使用した発電を実施させる燃料発電を実施すべき第1の範囲と、前記エンジンの運転による前記発電機の動力を使用した発電を実施させず、かつ、前記車両の減速時に回生発電を実施させる充電制御を実施すべき第2の範囲と、を設定する工程であって、前記車両が停止する原因となる前記車両の走行環境と、前記工程(b)により推定された前記送風器の前記将来消費電力の増減に応じて補正された前記バッテリにおける今後の推定消費電力量と、を用いて前記第1の範囲と前記第2の範囲とを設定する工程と、(h)前記車両の走行中に、前記工程(f)によって検出された蓄電状態に基づく前記バッテリの残存容量が前記第1の範囲内にある場合は前記燃料発電を実施し、前記工程(f)によって検出された蓄電状態に基づく前記バッテリの残存容量が前記第2の範囲内にある場合は前記充電制御を実施する工程と、を備える方法。本発明は、そのほか、以下の形態または適用例を取ることが可能である。
[適用例1]
エンジンと、前記エンジンによって駆動される発電機によって充電可能なバッテリと、ラジエータと、前記バッテリに蓄電された電力を消費して前記ラジエータに送風する送風器と、を有する車両において、前記送風器の消費電力を推定する方法であって、
(a)前記エンジンの発熱状態を推定する工程と、
(b)推定された前記発熱状態を用いて、前記送風器において今後消費される将来消費電力の増減を推定する工程と、
を備える方法。
このような構成とすれば、本方法では、エンジンの発熱状態を推定し、推定された発熱状態を用いて、送風器において今後消費される将来消費電力の増減を推定する。ラジエータに送風する送風器において、エンジンの発熱状態は、送風器によってこれから消費される将来消費電力に関連する重要な要因であるため、このようにすれば、送風器の将来消費電力の増減を精度よく推定することができる。
[適用例2]
適用例1記載の前記送風器の消費電力を推定する方法であって、さらに、
(c)前記車両の移動速度を推定する工程を備え、
前記工程(b)は、推定された前記発熱状態と、推定された前記移動速度と、を用いて、前記送風器において今後消費される将来消費電力の増減を推定する、方法。
このような構成とすれば、本方法では、エンジンの発熱状態に加えて、さらに車両の移動速度を推定し、推定されたエンジンの発熱状態と、推定された移動速度とを用いて、送風器において今後消費される将来消費電力の増減を推定する。ラジエータに送風する送風器において、走行風の強弱に密接に関連する車両の移動速度は、送風器によってこれから消費される将来消費電力に関連する重要な要因であるため、このようにすれば、送風器の将来消費電力の増減を、より精度よく推定することができる。
[適用例3]
適用例1または2記載の方法を利用した車両制御方法であって、
(d)前記車両の停止時における前記エンジンの運転を抑制するアイドリングストップ制御を行う工程と、
(e)前記エンジンの運転時における前記発電機による発電を、前記車両の減速時に限って実施する充電制御を行う工程と、
(f)前記バッテリの蓄電状態(SOC)を検出する工程と、
(g)前記工程(b)により推定された前記送風器の前記将来消費電力の増減に応じて、前記バッテリの使用可能な範囲を、前記アイドリングストップ制御が実行可能なアイドリングストップ用範囲と、前記充電制御が実行可能な充電制御用範囲と、に分ける工程と、
(h)前記車両の走行中に、前記工程(f)によって検出された蓄電状態に基づく前記バッテリの残存容量が、前記アイドリングストップ用範囲内となる状態が継続することを回避するように、前記発電機の発電量を制御する工程と、
を備える、車両制御方法。
このような構成とすれば、車両制御方法では、推定された送風器の将来消費電力の増減に応じて、バッテリの使用可能な範囲を、アイドリングストップ制御が実行可能なアイドリングストップ用範囲と、充電制御が実行可能な充電制御用範囲とに分け、さらに、車両の走行中において、バッテリの残存容量がアイドリングストップ用範囲内となる状態が継続することを回避するように、発電機の発電量を制御する。このため、アイドリングストップ制御によるエンジン停止から再始動までの間にバッテリの残存容量不足の状態からエンジンが再始動されることを抑制するための発電量の制御において、送風器の将来消費電力の増減を考慮することができる。この結果、発電量の制御を最適化することができる。
[適用例4]
適用例1または2記載の前記送風器の消費電力を推定する方法であって、
前記工程(a)において、前記エンジンのスロットル開度と、前記エンジンの回転数と、の少なくともいずれかに基づいて、もしくはこれらの組合せを用いて、前記エンジンの発熱状態を推定する、方法。
このような構成とすれば、エンジンのスロットル開度と、エンジンの回転数と、の少なくともいずれかを用いたエンジン発熱状態の推定と、これらの組合せを用いたエンジン発熱状態の推定とを任意に選択することができる。
[適用例5]
適用例2または4記載の前記送風器の消費電力を推定する方法であって、
前記工程(b)において、
前記工程(a)により推定された前記エンジンの発熱状態が所定値よりも高く、かつ、前記工程(c)により推定された前記車両の移動速度が所定値よりも大きい場合は、前記送風器の前記将来消費電力は現状維持傾向であると推定し、
前記工程(a)により推定された前記エンジンの発熱状態が所定値よりも高く、かつ、前記工程(c)により推定された前記車両の移動速度が所定値よりも小さい場合は、前記送風器の前記将来消費電力は増大傾向であると推定する、方法。
このような構成とすれば、エンジンの発熱状態が所定値よりも高い場合であっても、車両の移動速度が所定値よりも大きい場合は、送風器の将来消費電力は現状維持傾向であると推定する。また、エンジンの発熱状態が所定値よりも高く、かつ、車両の移動速度が所定値よりも小さい場合は、送風器の将来消費電力は増大傾向であると推定する。このため、実際の車両の移動速度と、移動速度に伴う走行風の強弱を考慮した、実態に即した推定を行うことが可能となる。
[適用例6]
適用例5記載の方法を利用した適用例3記載の車両制御方法であって、
前記工程(g)は、
前記工程(b)により推定された前記送風器の前記将来消費電力の増減が現状維持傾向である場合には、
(g−1)前記車両が停車する原因となる前記車両の走行環境を推定する工程と、
(g−2)前記車両に搭載された補機であって、前記バッテリに蓄電された電力を消費して動作する補機の消費電力量を推定する工程と、
(g−3)前記車両の前記走行環境と、前記補機の前記消費電力量とに応じて、前記バッテリの使用可能な範囲を、前記アイドリングストップ用範囲と、前記充電制御用範囲とに分ける工程と、
を工程を含み、
前記工程(b)により推定された前記送風器の前記将来消費電力の増減が増大傾向である場合には、
前記工程(g−1)と、前記工程(g−2)と、
(g−4)前記補機の前記消費電力量を前記送風器の前記将来消費電力の増減に応じて補正する工程と、
(g−5)前記車両の前記走行環境と、補正後の前記補機の前記消費電力量とに応じて、前記バッテリの使用可能な範囲を、前記アイドリングストップ用範囲と、前記充電制御用範囲とに分ける工程と、
を工程を含む、車両制御方法。
このような構成とすれば、車両制御方法では、送風器の将来消費電力の増減が現状維持傾向である場合には、車両の走行環境と補機の消費電力量とに応じて、バッテリの使用可能な範囲をアイドリングストップ用範囲と充電制御用範囲とに分け、送風器の将来消費電力の増減が増大傾向である場合には、車両の走行環境と補正後の補機の消費電力量とに応じて、バッテリの使用可能な範囲をアイドリングストップ用範囲と充電制御用範囲とに分ける。この結果、送風器の将来消費電力の増減が増大傾向である場合は、補機の消費電力量を増加させるように補正した上で、バッテリの使用可能な範囲をアイドリングストップ用範囲と充電制御用範囲とに分けることができるため、発電量の制御を最適化することができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、送風器の消費電力を推定する方法、送風器の消費電力を推定する方法を利用した車両制御方法、これらの方法を用いた車両、これらの方法を用いた車両制御システム、これらの方法を実現する機能を有するコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の形態で実現することができる。
本発明の一実施例としての自動車の構成を示す説明図である。 アイドリングストップECUの構成を機能的に示す説明図である。 目標SOC値C1と現在SOC値C2との経時的な変化に伴って電圧指示値Svが変化する様子の一例を示すグラフである。 ラジエータ用電動ファンの将来消費電力の増減の推定手順を示すフローチャートである。 目標SOC推定ルーチンを示すフローチャートである。 SOC配分要求レベル算出用マップMPの一例を示す説明図である。 目標SOC算出用テーブルTBの一例を示す説明図である。 第2実施例におけるラジエータ用電動ファンの将来消費電力の増減の推定手順を示すフローチャートである。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
A.第1実施例:
A−1.全体構成:
図1は、本発明の一実施例としての自動車200の構成を示す説明図である。自動車200は、自動車200の停止時には、一定条件のもとエンジンを停止させるアイドリングストップ機能を搭載している車両である。自動車200は、エンジン10と、変速機15と、ディファレンシャルギア20と、駆動輪25と、スタータ30と、オルタネータ35と、バッテリ40と、電子制御ユニット(ECU:Electrical Control Unit)50と、補機70とを備えている。
エンジン10は、ガソリンや軽油などの燃料を燃焼させることによって動力を発生させる内燃機関である。エンジン10の動力は、変速機15に伝達されるとともに、駆動機構34を介してオルタネータ35に伝達される。エンジン10の出力は、運転者により操作される図示しないアクセルペダルの踏み込み量に応じて、ECU50により制御される。
変速機15は、変速比の変更(いわゆるシフトチェンジ)を実行する。エンジン10の動力(回転数)は、変速機15によって変速され、所望の回転数・トルクとして、ディファレンシャルギア20を介して、左右の駆動輪25に伝達される。こうして、エンジン10の動力は、アクセルペダルの踏み込み量に応じて変更されつつ、変速機15を介して駆動輪25に伝達されて、自動車200の加速・減速が行なわれる。
オルタネータ35にエンジン10の動力を伝達する駆動機構34は、本実施例では、ベルトドライブの構成を採用している。オルタネータ35は、エンジン10の動力の一部を用いて発電を行なう。発電された電力は、図示しないインバータを介してバッテリ40の充電に用いられる。本実施例では、オルタネータ35を用いたエンジン10の動力による発電を「燃料発電」と呼ぶ。オルタネータ35は、[請求の範囲]の欄に記載した「発電機」に相当する。
バッテリ40は、電圧14Vの直流電源としての鉛蓄電池であり、エンジン本体以外に設けられた補機70に電力を供給する。
スタータ30は、バッテリ40から供給される電力によってエンジン10を始動させるセルモータである。通常は、停止している自動車の運転を開始する際に、運転者が図示しないイグニッションスイッチを操作すると、スタータ30によってエンジン10が始動される。このスタータ30は、以下で説明するように、アイドリングストップ状態からエンジン10を再始動させる場合にも利用される。本実施例では、「アイドリングストップ状態」とは、アイドリングストップ制御による停止状態をいう。
ECU50は、エンジンECU52と、アイドリングストップECU54と、トランスミッションECU56とを含んでいる。各ECUは、それぞれ、コンピュータプログラムを実行するCPU、コンピュータプログラム等を記憶するROM、一時的にデータを記憶するRAM、各種センサやアクチュエータ等に接続される入出力ポート等を備えている。ECU50に接続されるアクチュエータとしては、スタータ30やオルタネータ35等がある。なお、ECU50には、上記以外のECU、例えば、補機70を駆動させるための補機駆動用モータECUなどを含んでもよい。ECU50内の各ECU52、54、56は、バッテリ40からの電力供給を受けて動作する。
エンジンECU52には、車輪速センサ82と、ブレーキペダルセンサ84と、アクセル開度センサ86とが、それぞれ信号線を介して接続されている。車輪速センサ82は、駆動輪25の回転速度を検出する。ブレーキペダルセンサ84は、図示しないブレーキペダルの踏み込みの有無を検出する。アクセル開度センサ86は、図示しないアクセルペダルの踏み込み量をアクセル開度として検出する。エンジンECU52は、これらのセンサによって検出された情報に基づいて、燃料噴射量、スロットル開度等を調整してエンジン10の運転状態を制御する。また、エンジンECU52は、車両の停止時にはアイドリングストップECU54からの要求に従って、エンジン10に対する燃料噴射を停止してエンジン10の運転を停止させる。さらに、エンジンECU52は、車両発進時にはアイドリングストップECU54からの要求に従って、スタータ30またはオルタネータ35を制御して、エンジン10を始動させる。
アイドリングストップECU54には、エンジン水温センサ81と、車輪速センサ82と、車速センサ83と、ブレーキペダルセンサ84と、アクセル開度センサ86と、バッテリ電流センサ88と、オルタネータ電流センサ89とが、それぞれ信号線を介して接続されている。エンジン水温センサ81は、エンジン10の冷媒(冷却水)の温度を検出する。車速センサ83は、自動車200の車速を検出する。バッテリ電流センサ88は、バッテリ40の充放電電流を検出する。オルタネータ電流センサ89は、オルタネータ35の出力電流を検出する。また、アイドリングストップECU54は、エンジンECU52と、トランスミッションECU56と、信号線を介して双方向通信可能に接続されている。アイドリングストップECU54は、これらのセンサによって検出された情報に基づいて、自動車200の停止時におけるエンジン10の運転を抑制するアイドリングストップ制御を実行する。さらに、アイドリングストップECU54は、エンジン10の運転時における発電を、自動車200の減速時の回生発電に限って実施する充電制御を行う。アイドリングストップ制御と充電制御の詳細は後述する。
なお、以降では、バッテリ40の「蓄電状態」を示す言葉として「SOC(State of Charge )」を用いる。SOCは、バッテリ40にどの程度の電力が残存しているかを示す指標であり、バッテリ40に残存している電気量を、バッテリ40を満充電したときに蓄えられる電気量で除した割合として定義される。換言すれば、SOC=バッテリ40の残存電気量/バッテリ40を満充電した際の電気量、である。
トランスミッションECU56は、車輪速センサ82と、アクセル開度センサ86と、図示しないシフトポジションセンサとが、それぞれ信号線を介して接続されている。トランスミッションECU56は、これらのセンサによって検出された情報に基づいて、図示しない油圧アクチュエータを制御し、変速機15の変則比を変更する。
補機70は、エンジン本体以外に設けられた周辺機器であって、バッテリ40の電力を用いて動作する機器の総称である。自動車200は補機70として、ヘッドランプやテールランプを含む灯火系72と、ワイパ73と、空調装置(A/C)74と、ラジエータ用電動ファン76と、ラジエータ78と、を備えている。ラジエータ用電動ファン76は、バッテリ40からの電力供給による回転に伴い発生する風と、自動車200の走行に伴い発生する走行風とを、ラジエータ78内部へ導風する。ラジエータ78は、図示しない冷却水循環ポンプを含み、図示しない配管を通してエンジン10との間で冷媒を循環させる。ラジエータ78は、冷媒と、ラジエータ用電動ファン76からの送風との熱交換器として機能することで、エンジン10の発熱を吸収してエンジン10を冷却する。なお、ラジエータ用電動ファン76は、[請求の範囲]の欄に記載した「送風器」に相当する。
A−2.アイドリングストップECUの構成:
図2は、アイドリングストップECU54の構成を機能的に示す説明図である。アイドリングストップECU54は、アイドリングストップ制御部90と、SOC制御部100とを備えている。アイドリングストップ制御部90およびSOC制御部100は、実際は、アイドリングストップECU54に備えられたCPUが、ROMに記憶されたコンピュータプログラムを実行することで実現する機能を示す。
アイドリングストップ制御部90は、主として車輪速センサ82で検出された車輪速Vhと、アクセル開度センサ86で検出されたアクセル開度Tpとを取得し、車輪速Vhとアクセル開度Tpとに基づいて、エンジン10を停止/始動させる指示SsをエンジンECU52に出力する。具体的には、アイドリングストップ制御部90は、車輪速Vhが低下して所定速度(例えば10km/h)未満となったときに、エンジン停止条件が成立したとしてエンジン停止の指示SsをエンジンECU52に出力する。また、アイドリングストップ制御部90は、アクセル開度Tpからアクセルペダルが踏み込まれたことが検出されたときに、エンジン再始動条件が成立したとしてエンジン再始動の指示SsをエンジンECU52に出力する。なお、アイドリングストップ制御部90は、車輪速Vhとアクセル開度Tpの他に、自動車200の外気温、エンジン10の冷媒の温度、バッテリ40の現在のSOC等を考慮してエンジン停止の指示Ssを出力することとしても良い。
すなわち、アイドリングストップ制御部90は、エンジン停止条件が成立したときにエンジン10を停止させ、前記停止後においてエンジン再始動条件が成立したときにエンジン10を再始動させる。なお、前記エンジン停止条件およびエンジン再始動条件はあくまで一例であり、前述したものに限らない。例えば、車輪速Vhが完全に0km/hとなることをエンジン停止条件とすることもできるし、ブレーキペダルから足が離れたことをエンジン再始動条件とすることもできる。
SOC制御部100は、バッテリ40の蓄電状態(SOC)を制御する。SOC制御部100は、目標SOC推定部110と、バッテリSOC算出部120と、指示値算出部130と、バッテリ制御部140とを備えている。
目標SOC推定部110は、バッテリ40の使用可能な範囲を、アイドリングストップ制御が実行可能なアイドリングストップ用範囲と、充電制御が実行可能な充電制御用範囲とに分ける。具体的には、目標SOC推定部110は、自動車200がアイドリングストップ状態である期間、具体的には、自動車200の走行時(例えば、車輪速Vh>0km/hの時)に、アイドリングストップ制御によるエンジン停止から再始動までの期間(以下、「ストップアンドスタート期間」とも呼ぶ。)において使用すると予想されるSOCを、目標SOC(以下、「目標SOC値」とも呼ぶ)C1として推定する。目標SOC値C1は、アイドリングストップ用範囲の境界を示す。さらに、目標SOC推定部110は、バッテリ40の使用可能な範囲から、目標SOC値C1を除いた他の範囲を、充電制御用範囲として推定する。詳細は後述する。なお、この目標SOC推定部110において実行される処理が[請求の範囲]の欄に記載した「工程(g)」に相当する。
なお、「バッテリ40の使用可能な範囲」とは、バッテリ40を運用するSOC範囲を意味する。バッテリ40の使用可能な範囲には、下限値と上限値とがあり、原則としてバッテリ40は、この使用可能な範囲内に限って使用される。例えば、バッテリ40の使用可能な範囲の下限値が60%、上限値が90%であった場合、当該バッテリ40は、SOCが60%〜90%の範囲内で使用される。
バッテリSOC算出部120は、バッテリ40の蓄電状態(SOC)を検出する。具体的には、バッテリSOC算出部120は、バッテリ電流センサ88によって検出されたバッテリ40の充放電電流(「バッテリ電流」とも呼ぶ。)Abに基づいて、バッテリ40の現在のSOC(以下、「現在SOC値」とも呼ぶ。)C2を算出する。具体的には、バッテリSOC算出部120は、バッテリ40の充電電流をプラス値とし、バッテリ40の放電電流をマイナス値として充放電電流Abを積算することで、現在SOC値C2を算出する。バッテリ電流センサ88およびバッテリSOC算出部120において実行される処理が[請求の範囲]の欄に記載した「工程(f)」に相当する。なお、SOC検出部は、バッテリ電流センサ88によって検出されたバッテリ電流に基づいて算出するものに限る必要はなく、バッテリ電解液比重センサ、セル電圧センサ、バッテリ端子電圧センサ等に基づいて求める構成としてもよい。さらに、SOC検出部は、バッテリに残存している電気量を検出する構成に限る必要もなく、例えば充電可能量等の他のパラメータで蓄電状態を検出するものとすることもできる。
指示値算出部130は、自動車200の走行中に、バッテリ40の残存容量がアイドリングストップ用範囲内となる状態を回避するように、換言すれば、バッテリ40の残存容量を示す現在SOC値C2がアイドリングストップ用範囲の境界を示す目標SOC値C1を下回る状態が継続することを回避するように、オルタネータ35の発電量を制御する。具体的には、指示値算出部130は、以下のような処理を行う。まず、指示値算出部130は、自動車200の走行時に、目標SOC値C1から現在SOC値C2を差し引いた差分値を求める。指示値算出部130は、差分値>0である場合、換言すれば、目標SOC値C1が現在SOC値C2を上回る場合に、現在SOC値C2(現在のバッテリ40の残存容量)がアイドリングストップ用範囲内となるため、オルタネータ35による発電の必要があると判定する。この場合、指示値算出部130は、差分値を電圧指示値Svとしてオルタネータ35へ送信し、オルタネータ35に発電させる。
一方で、指示値算出部130は、差分値≦0である場合、換言すれば、目標SOC値C1が現在SOC値C2以下である場合に、現在SOC値C2(現在のバッテリ40の残存容量)がアイドリングストップ用範囲内ではなく、オルタネータ35による発電の必要はない、すなわち、充電制御をしてよいと判定する。この場合、指示値算出部130は、電圧指示値Sv=0をオルタネータ35へ送信する。電圧指示値Sv=0であるため、オルタネータ35による発電は行われず、充電制御が実行される。なお、目標SOC値C1が現在SOC値C2以下の場合であっても、目標SOC値C1が現在SOC値C2を上回る場合と同様に、差分値(目標SOC値C1−現在SOC値C2)を電圧指示値Svとしてオルタネータ35へ送信してもよい。この場合であっても、差分値はマイナス値であるため、オルタネータ35による発電は行われず、充電制御が実行される。
図3は、目標SOC値C1と現在SOC値C2との経時的な変化に伴って、電圧指示値Svが変化する様子の一例を示すグラフである。指示値算出部130が定期的に上記の処理を繰り返すことによって、オルタネータ35には、目標SOC値C1と現在SOC値C2との差分に応じた電圧指示値Svが順次送信される。このように、指示値算出部130は、自動車200の走行中において燃料発電と充電制御とを使い分けることで、バッテリ40の残存容量がアイドリングストップ用範囲内となる状態を回避するように、換言すれば、バッテリ40の残存容量を示す現在SOC値C2がアイドリングストップ用範囲の境界を示す目標SOC値C1を下回る状態が継続することを回避するように、オルタネータ35の発電量を制御することができる。なお、指示値算出部130において実行される処理が[請求の範囲]の欄に記載した「工程(h)」に相当する。
バッテリ制御部140は、バッテリ40が、その使用可能な範囲を超えて使用されることを抑制する。バッテリ、特に本実施例のバッテリ40のような鉛バッテリは、長寿命化の要請から、使用可能な範囲(運用するSOC範囲)が予め定められている。このため、バッテリ制御部140は、バッテリ40の使用可能な範囲の下限値(例えば60%)をバッテリ40の残存容量(現在SOC値C2)が下回る場合、エンジン10の動力を増大させて現在SOC値C2を使用可能な範囲内とする。また、バッテリ制御部140は、バッテリ40の使用可能な範囲の上限値(例えば90%)を現在SOC値C2が上回る場合、SOCを消費させて現在SOC値C2を使用可能な範囲内とする。バッテリ制御部140は、例えば、アイドリングストップ制御によるエンジンの停止時においても現在SOC値C2がバッテリ40の使用可能な範囲の下限値を下回ると、エンジンを始動させて燃料発電を実施させ、SOCを使用可能な範囲内とする。
A−3.目標SOC推定部の構成:
目標SOC推定部110は、走行環境予測部112と、自車両状態予測部114と、自車両状態補正部115と、SOC配分要求レベル算出部116と、目標SOC算出部118とを備える。走行環境予測部112と、自車両状態予測部114と、自車両状態補正部115とは、自動車200の運転開始後、常に以下の推定処理を実行する。
走行環境予測部112は、自動車200の走行環境(郊外、市街地、渋滞有無等の道路の混雑状況等)を推定する。本実施例において「走行環境」は、今後(現在以後)どれくらいの頻度でアイドリングストップ状態が発生するかを示すパラメータ、換言すれば、所定期間におけるストップアンドスタート期間の割合に関わるパラメータとして推定される。走行環境予測部112は、車輪速センサ82によって検出された車輪速Vhに基づいて、走行環境を示す指数である走行環境指数を算出する。具体的には、現在から遡る所定期間(例えば10分間)における停車時間の比率Rを車輪速Vhに基づいて算出し、その比率から走行環境指数P1を算出する。すなわち、所定期間において車輪速Vhが値0となる停車時間の合計を求め、その合計を所定期間の全時間で割り算することで比率Rを算出し、その比率Rから走行環境指数P1を求めて、SOC配分要求レベル算出部116へ出力する。
比率Rが高いということは、自動車200の停止頻度が高く停止期間が長いことを意味し、今後の自動車200の停止頻度も高く停止期間も長くなると推定することができる。このため、本実施例では、下記に従って走行環境指数P1を決定する。
・10分間停止時間比率R<38%のとき、走行環境指数P1を値1とする。
・38%≦10分間停止時間比率R<42%のとき、走行環境指数P1を値2とする。
・42%≦10分間停止時間比率R<46%のとき、走行環境指数P1を値3とする。
・10分間停止時間比率R≧46%のとき、走行環境指数P1を値4とする。
なお、上記の閾値(38%、42%、46%)はあくまで例示であり、別の数値とすることができる。また、求める走行環境指数P1は1〜4までの4つに限らず、3つ、5つ、6つ等の他の数とすることもできる。なお、走行環境指数P1が低い場合は郊外であり、走行環境指数P1が高い場合は市街地であると言えることから、走行環境指数P1の値が高いほど、市街化度が高いといえる。
なお、本実施例では、走行環境指数P1を車輪速センサ82によって検出された車輪速Vhに基づいて求めていたが、本発明ではこれに限られない。例えば、車速センサ83によって検出された車速の平均値や、車輪速センサ82によって検出された車輪速Vhの変化率(すなわち加速度)や、MT(Manual Transmission)車の場合変速機のシフトポジションや、またはAT(Automatic Transmission)車の場合の変速機のギヤ比等に基づいて求める構成としてもよい。すなわち、車速の平均値が低いほど市街化度が高くなることから、車速の平均値が低いほど走行環境指数P1を高い値とすればよい。車輪速Vhの変化率が高いほど市街化度が高くなることから、車輪速Vhの変化率が高いほど走行環境指数P1を高い値とすればよい。MT車の場合、変速機のシフトポジションが頻繁に行われるほど市街化度が高くなることから、変速機のシフトポジションが頻繁に行われるほど走行環境指数P1を高い値とすればよい。AT車の場合、変速機のギヤ比等が頻繁に切り換わるほど市街化度が高くなることから、変速機のギヤ比等が頻繁に切り換わるほど走行環境指数P1を高い値とすればよい。
なお、車輪速Vhと車輪速Vhに替わる各パラメータは、それらの中から選択した1つに基づいて走行環境指数P1を求める構成に限る必要もなく、2つ以上のパラメータに基づいて走行環境指数P1を求める構成としてもよい。2つ以上のパラメータを採用する場合、各パラメータに個別の重み付け指数を掛けて走行環境指数P1を求める構成とすることが好ましい。なお、前述した車輪速Vhと車輪速Vhに替わる各パラメータを採用することで、自動車200という自律系のみで走行環境を推定することができる。これに対して、自律系の外側から取得する情報に基づいて、走行環境指数P1を求める構成としてもよい。自律系の外側から取得する情報としては、ナビゲーションシステムの道路地図情報等がある。ナビゲーションシステムの道路地図情報に基づいて今後の走行地位置が市街地か郊外かを見極めて、走行環境指数P1を求めることができる。
自車両状態予測部114は、自動車200の状態を推定する。本実施例において「自車両状態」は、自動車200が今後どの程度SOCを消費するかを表すパラメータとして推定される。自車両状態予測部114は、オルタネータ電流センサ89によって検出されたオルタネータ電流Aaからバッテリ電流センサ88によって検出されたバッテリ電流Abを除算することにより、補機70で消費される電力量を算出し、その電力量を自車両状態P2として自車両状態補正部115へ出力する。なお、補機70で消費される電力量が大きいときにはSOCを消費する速度が早くなることから、本実施例では、自動車200が今後消費するSOCを表わすパラメータとして補機70で費やす電力量を求めている。
なお、自車両状態P2を、補機70で消費される電力量に基づいて求めていたが、本発明ではこれに限られない。例えば、空調装置(A/C)の消費電力と対応関係がある空調情報(例えば、設定温度と車内温度との差)や、エンジン水温と周囲温度との差などのエンジンの暖機状況を示す情報や、乗員人数や重量に関する情報等に基づいて求める構成とすることができる。なお、補機70で費やす電力量や空調情報や暖機状況情報等の中から選択した1つのパラメータに基づいて自車両状態P2を求める構成に限る必要もなく、2つ以上のパラメータに基づいて自車両状態P2を求める構成としてもよい。2つ以上のパラメータを採用する場合、各パラメータに個別の重み付け指数を掛けて自車両状態P2を求める構成とすることが好ましい。
さらに、前述した各例は、現在検出されるセンサ信号によって補機の現在の動作状況を求め、その現在の動作状況を今後の自車両状態と見なすものであったが、これに替えて、上記のように求めた現在の動作状況から動作状況が変化する兆候を捕らえることで、今後の自車両状態を推定する構成としてもよい。
自車両状態補正部115は、ラジエータ用電動ファン76において今後消費される消費電力(「将来消費電力」とも呼ぶ。)の増減を推定し、将来消費電力の増減を用いて、自車両状態P2を補正する。なお、本実施例において「増減」とは、増加、現状維持、減少、を含む。
図4は、ラジエータ用電動ファン76の将来消費電力の増減の推定手順を示すフローチャートである。まず、自車両状態補正部115は、エンジン10の発熱状態を推定する(ステップS10)。具体的には、自車両状態補正部115は、エンジン水温センサ81によって検出されたエンジン10の冷媒の温度(エンジン水温Wt)が所定の閾値WTH1よりも大きいか否かを判定する。なお、本実施例において「エンジン10の発熱状態」とは、エンジン10の温度上昇、現状維持、下降を予測するための指標として用いられる。
エンジン水温Wtが所定の閾値WTH1以下である場合(ステップS110:NO)、自車両状態補正部115は、エンジン10の発熱状態が低く、ラジエータ用電動ファン76の将来消費電力は現状維持傾向であると推定する(ステップS12)。これは、エンジン10の発熱状態が低いために、ラジエータ用電動ファン76の電流値は今後も維持されることが予測できるからである。従って、自車両状態補正部115は、自車両状態予測部114から受信した自車両状態P2を補正せずに、そのまま自車両状態P2aとしてSOC配分要求レベル算出部116へ出力し、処理を終了する。
一方、エンジン水温Wtが所定の閾値WTH1より大きい場合(ステップS10:YES)、自車両状態補正部115は、エンジン10の発熱状態が高いと推定する。そこで、自車両状態補正部115は、自動車200の移動速度を推定する(ステップS14)。具体的には、自車両状態補正部115は、現在から遡る所定期間(例えば30秒間)に車速センサ83によって検出された車速Vsの平均値(移動平均車速)を求める。そして、自車両状態補正部115は、求めた移動平均車速が所定の閾値VTH1以上であるか否かを判定する。
移動平均車速が所定の閾値VHT1以上である場合(ステップS14:YES)、自車両状態補正部115は、ラジエータ用電動ファン76の将来消費電力は現状維持傾向であると推定する(ステップS16)。これは、エンジン10の発熱状態は高いものの、自動車200の移動平均車速が大きく、自動車200の走行に伴い発生する走行風がラジエータ78へ導風されるために、ラジエータ用電動ファン76の電流値は今後も維持されることが予測できるからである。従って、自車両状態補正部115は、自車両状態予測部114から受信した自車両状態P2を補正せずに、そのまま自車両状態P2aとしてSOC配分要求レベル算出部116へ出力し、処理を終了する。
一方、移動平均車速が所定の閾値VHT1よりも小さい場合(ステップS14:NO)、自車両状態補正部115は、ラジエータ用電動ファン76の将来消費電力は増大傾向であると推定する(ステップS18)。これは、エンジン10の発熱状態が高く、かつ、自動車200の移動平均車速が小さいため、自動車200の走行に伴い発生する走行風が弱く、ラジエータ78への風量が少ないことが予測できるからである。すなわち、この場合は、ラジエータ78への送風のためにラジエータ用電動ファン76を強く働かせる必要があると予測できる。従って、自車両状態補正部115は、自車両状態予測部114から受信した自車両状態P2をより大きな値へ補正し、自車両状態P2aとしてSOC配分要求レベル算出部116へ出力し、処理を終了する。この際の補正量は、任意に定めることができる。例えば、補正量は、エンジン水温Wtと、移動平均車速と、補正量との対応関係を定めたマップを予めROM内に記憶させておき、当該マップに基づいて決定することができる。
なお、なお、自車両状態補正部115が実行するラジエータ用電動ファン76の将来消費電力の増減の推定手順において、移動平均車速を推定するステップ、および、推定された移動平均車速を考慮するステップは省略可能である。また、上記では、自動車200の移動速度として「移動平均車速」を用いるものとした。しかし、移動速度はこれにかぎられず、種々の方法で決定することができる。例えば、現在から遡る所定期間に車速センサ83によって検出された車速Vsの中央値や、最頻値や、標準偏差等により決定してもよい。また、所定の閾値WTH1およびVTH1には、任意の値を採用することができる。例えば、これら所定の閾値は、外気温や自動車200の車種等に応じて適宜変更することができる。自車両状態補正部115おいて実行される上記処理のうち、ステップS10が[請求の範囲]の欄に記載した「工程(a)」に、ステップS14が[請求の範囲]の欄に記載した「工程(c)」に、ステップS12、S16、S18が[請求の範囲]の欄に記載した「工程(b)」に、それぞれ相当する。
SOC配分要求レベル算出部116は、走行環境予測部112から受信した走行環境指数P1と、自車両状態補正部115から受信した自車両状態P2aとに基づいてSOC配分要求レベルP3を算出する。目標SOC算出部118は、SOC配分要求レベル算出部116から受信したSOC配分要求レベルP3に基づいて目標SOC値C1を算出する。以下に詳述する。
図5は、目標SOC推定ルーチンを示すフローチャートである。この目標SOC推定ルーチンは、SOC配分要求レベル算出部116と目標SOC算出部118とによって、車両の走行時に所定時間(例えば、60秒)毎に繰り返し実行される。すなわち、目標SOC推定ルーチンは、アイドリングストップ制御によるエンジン10の停止時には実行されない。
処理が開始されると、SOC配分要求レベル算出部116は、走行環境予測部112から受信した走行環境指数P1を取得する(ステップS100)。また、SOC配分要求レベル算出部116は、自車両状態補正部115から受信した自車両状態P2aを取得する(ステップS200)。
ステップS200実行後、SOC配分要求レベル算出部116は、SOC配分要求レベル算出用マップMPを用いて、走行環境指数P1と自車両状態P2aとに基づいて、SOC配分要求レベルを算出する処理を行う(ステップS300)。「SOC配分要求レベル」とは、バッテリ40の使用可能な範囲を、アイドリングストップ制御が実行可能なアイドリングストップ用範囲と、充電制御が実行可能な充電制御用範囲とに分けたときの、配分のレベルを指定するパラメータである。
図6は、SOC配分要求レベル算出用マップMPの一例を示す説明図である。図示のように、SOC配分要求レベル算出用マップMPは、横軸に走行環境指数P1をとり、縦軸に自車両状態P2aをとり、横軸の値と縦軸の値とに対応するSOC配分要求レベルP3をマッピングしたマップデータである。SOC配分要求レベル算出用マップMPは、走行環境指数P1と、自車両状態P2aと、SOC配分要求レベルP3との関係を、実験的にあるいはシミュレーションにより求めることによって作成されている。SOC配分要求レベル算出用マップMPは、予め作成され、ROMに記憶されている。
図5のステップS300において、SOC配分要求レベル算出部116は、ROM内のSOC配分要求レベル算出用マップMPを参照し、ステップS100で取得した走行環境指数P1と、ステップS200で取得した自車両状態P2aとに対応するSOC配分要求レベルP3を取得する。図6の例では、SOC配分要求レベルP3としてA、B、C、Dの4つの値が用意され、A、B、C、Dはこの順で高い値となっている。走行環境指数P1が高いほど、また、自車両状態P2aが高いほど、SOC配分要求レベルP3は高い値となる。
ステップS300実行後、目標SOC算出部118は、目標SOC算出用テーブルTBを用いて、SOC配分要求レベルP3に基づく目標SOC値C1の算出処理を行う(ステップS400)。なお、「目標SOC値C1」は、上述の通り、アイドリングストップ用範囲の境界を示す。
図7は、目標SOC算出用テーブルTBの一例を示す説明図である。図示のように、目標SOC算出用テーブルTBは、横軸にSOC配分要求レベルP3をとり、縦軸に目標SOC値C1をとり、直線LでSOC配分要求レベルP3と目標SOC値C1の関係を示している。目標SOC算出用テーブルTBは、SOC配分要求レベルP3と、目標SOC値C1との関係を、実験的にあるいはシミュレーションにより求めることによって作成されている。目標SOC算出用テーブルTBは、予め作成され、ROMに記憶されている。
目標SOC算出用テーブルTBにおいて、直線Lで示されている目標SOC値C1は、バッテリ40の使用可能な範囲(図ではWとして標記)の中に限って設定されている。すなわち、バッテリ40の使用可能な範囲Wは、目標SOC値C1で表わされるアイドリングストップ用範囲と、Wから目標SOC値C1を除いた他の範囲で表わされる充電制御用範囲と、に分けられているといえる。なお、目標SOC値C1を示す直線Lの態様はあくまで一例であり、これに限られない。例えば、SOC配分要求レベルP3が所定値以下のときには直線LはSOC配分要求レベルP3の上昇に従ってリニアに増大し、SOC配分要求レベルP3が所定値を上回るときには直線Lは一定値を維持するような態様としてもよい。この構成は、使用可能な範囲Wが比較的小さいバッテリの場合に特に有効である。さらに、目標SOC値C1は、直線Lに換えて曲線で示してもよい。
図5のステップS400において、目標SOC算出部118は、ROM内の目標SOC算出用テーブルTBを参照し、ステップS300で算出されたSOC配分要求レベルP3に対応する目標SOC値C1を取得する。ステップS400実行後、目標SOC算出部118は、ステップS400で取得した目標SOC値C1を指示値算出部130に出力し(ステップS500)、その後、処理を終了する。
目標SOC値C1を取得した指示値算出部130では、上述のように、自動車200の走行中に、現在のバッテリ40の残存容量がアイドリングストップ用範囲内となる状態を回避するように、換言すれば、バッテリ40の残存容量を示す現在SOC値C2がアイドリングストップ用範囲の境界を示す目標SOC値C1を下回る状態が継続することを回避するように、オルタネータ35の発電量が制御される。また、指示値算出部130では、現在のバッテリ40の残存容量がアイドリングストップ用範囲を超える場合、充電制御が実行される。
すなわち、図7において、現在SOC値Cがアイドリングストップ用範囲に割り当てられた領域(図中の格子領域)内に位置するときには、燃料発電が実行されてバッテリ40への充電が行われる。一方、現在SOC値Cが充電制御用範囲に割り当てられた領域(図中の斜線領域)内に位置するときには、充電制御が実行されて燃料発電によるバッテリ40への充電が抑えられる。
以上のように、第1実施例によれば、自車両状態補正部115は、エンジン10の発熱状態を推定し、推定された発熱状態を用いて、ラジエータ用電動ファン76(送風器)において今後消費される将来消費電力の増減を推定する。ラジエータ78による冷却対象であるエンジン10の発熱状態は、ラジエータ78に送風するラジエータ用電動ファン76が今後どの程度駆動されるか、すなわち、ラジエータ用電動ファン76によってこれから消費される将来消費電力に関連する重要な要因である。従って、上記第1実施例のような構成とすれば、ファンの将来消費電力の増減を精度よく推定することができる。
また、上記第1実施例では、自車両状態補正部115は、エンジン10の発熱状態に加えて、さらに、自動車200の移動速度を推定し、推定された発熱状態と移動速度とを用いて、ラジエータ用電動ファン76において今後消費される将来消費電力の増減を推定する。ラジエータ78へ導風される走行風の強弱に密接に関連する自動車200の移動速度は、ラジエータ78に送風するラジエータ用電動ファン76が今後どの程度駆動されるか、すなわち、ラジエータ用電動ファン76によってこれから消費される将来消費電力に関連する重要な要因である。従って、上記第1実施例のような構成とすれば、ファンの将来消費電力の増減を、より精度よく推定することができる。
自車両状態補正部115は、エンジン10の発熱状態が所定値よりも高い場合であっても、自動車200の移動速度が所定値よりも大きい場合は、自動車200の走行に伴い発生する走行風がラジエータ78へ導風されるために、ラジエータ用電動ファン76の将来消費電力は現状維持傾向であると推定する。また、自車両状態補正部115は、エンジン10の発熱状態が所定値よりも高く、かつ、自動車200の移動速度が所定値よりも小さい場合は、自動車200の走行に伴い発生する走行風が弱く、ラジエータ78への風量が少ない、すなわち、ラジエータ78への送風のためにラジエータ用電動ファン76を強く働かせる必要があるために、ラジエータ用電動ファン76の将来消費電力は増大傾向であると推定する。このようにすれば、自車両状態補正部115は、実際の車両の移動速度と、移動速度に伴う走行風の強弱を考慮して、実態に即した推定を行うことができる。
さらに、SOC制御部100は、自車両状態補正部115により推定されたラジエータ用電動ファン76の将来消費電力の増減に応じて、バッテリ40の使用可能な範囲を、アイドリングストップ制御が実行可能なアイドリングストップ用範囲と、充電制御が実行可能な充電制御用範囲とに分ける。さらに、指示値算出部130は、自動車200の走行中において、バッテリ40の残存容量がアイドリングストップ用範囲内となる状態を回避するように、換言すれば、バッテリ40の残存容量を示す現在SOC値C2がアイドリングストップ用範囲の境界を示す目標SOC値C1を下回る状態が継続することを回避するように、発電機の発電量を制御する。このため、アイドリングストップ制御によるエンジン停止から再始動までの間にバッテリ40の残存容量不足の状態からエンジンが再始動されることを抑制するための発電量の制御(指示値算出部130の実行する制御)において、ラジエータ用電動ファン76の将来消費電力の増減を考慮することができる。この結果、発電量の制御を最適化することができる。
指示値算出部130による発電量の制御が最適化されれば、従来の問題、すなわち、自動車200がアイドリングストップ状態にあるときにバッテリ40の残存容量がバッテリ40の使用可能な範囲の下限値を下回り、バッテリ制御部140によるエンジン10の再始動・燃料発電が行われる、という問題が発生することを抑制することができる。アイドリングストップ状態にあるエンジン10を再始動させて燃料発電をする場合は、エンジン10が運転中にその動力を増大させて燃料発電する場合と比較して、約3倍〜5倍程度の燃料が必要となる。換言すれば、エンジン10の運転中における単位SOC(例えばSOC1%)当たりの燃費効果は、アイドリングストップ状態にあるエンジン10を再始動させる場合に比べて3倍から5倍優れている。従って、本実施例の自動車200は、発電量の制御が最適化されることによって、自動車200がアイドリングストップ状態にあるときにおけるエンジン10の再始動と燃料発電を抑制することができるため、従来に比べて自動車200の燃費を向上させることができる。
B.第2実施例:
本発明の第2実施例では、ラジエータ用電動ファン76の将来消費電力の増減の推定手順が異なる構成について説明する。なお、図中において第1実施例と同様の構成部分については先に説明した第1実施例と同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
B−1.全体構成:
第2実施例における自動車200の全体構成は、図1に示した第1実施例と同様である。
B−2.アイドリングストップECUの構成:
第2実施例におけるアイドリングストップECU54の構成は、図2に示した第1実施例と同様である。
B−3.目標SOC推定部の構成:
第2実施例における目標SOC推定部110の構成は、自車両状態補正部115において実行される処理を除いて、図2に示した第1実施例と同様である。
図8は、第2実施例におけるラジエータ用電動ファン76の将来消費電力の増減の推定手順を示すフローチャートである。図4に示した第1実施例との違いは、ステップS10、S12に代えてステップS20、S22を備える点と、さらに、ステップS24、S30を備える点のみであり、他の動作は第1実施例と同様である。
まず、自車両状態補正部115は、エンジン10の発熱状態を推定する(ステップS20)。具体的には、自車両状態補正部115は、現在から遡る所定期間(例えば1分間)のうち、エンジンECU52から取得したスロットル開度が所定の閾値を越えて大きくなった時間の割合を求め、「スロットル開度大となった頻度」を得る。自車両状態補正部115は、スロットル開度大となった頻度が所定の閾値STH1よりも大きいか否かを判定する。
スロットル開度大となった頻度が所定の閾値STH1以下である場合(ステップS20:NO)、自車両状態補正部115は、エンジン10の発熱状態が低く、ラジエータ用電動ファン76の将来消費電力は現状維持傾向であると推定する(ステップS22)。これは、エンジン10の発熱状態が低いために、ラジエータ用電動ファン76の電流値は今後も維持されることが予測できるからである。従って、自車両状態補正部115は、自車両状態予測部114から受信した自車両状態P2を補正せずに、そのまま自車両状態P2aとしてSOC配分要求レベル算出部116へ出力し、処理を終了する。
一方、スロットル開度大となった頻度が所定の閾値STH1よりも大きい場合(ステップS20:YES)、自車両状態補正部115は、エンジン10の発熱状態が高いと推定する。そこで、自車両状態補正部115は、自動車200の走行環境を推定する(ステップS24)。具体的には、自車両状態補正部115は、現在から遡る所定期間(例えば30秒間)におけるエンジンECU52から取得したスロットル開度の平均値(平均スロットル開度)を求める。そして、自車両状態補正部115は、求めた平均スロットル開度が所定の閾値STH2よりも大きいか否かを判定する。
平均スロットル開度が所定の閾値STH2よりも大きい場合(ステップS24:YES)、自車両状態補正部115は、ラジエータ用電動ファン76の将来消費電力は増大傾向であると推定する(ステップS30)。これは、エンジン10の発熱状態が高く、また、平均スロットル開度が大きい(高い)ことから、自動車200の走行環境が、例えば登坂路等のエンジン負荷が高く車速の低い環境であることが予測されるからである。このように、エンジン回転数とエンジントルクが大きく、かつ、車速が小さい場合、自動車200の走行に伴い発生する走行風が弱く、ラジエータ78への風量が少ないことが予測でき、ラジエータ78への送風のためにラジエータ用電動ファン76を強く働かせる必要があると予測できる。従って、自車両状態補正部115は、自車両状態予測部114から受信した自車両状態P2をより大きな値へ補正し、自車両状態P2aとしてSOC配分要求レベル算出部116へ出力し、処理を終了する。この際の補正量は、任意に定めることができる。例えば、補正量は、平均スロットル開度と、補正量との対応関係を定めたマップを予めROM内に記憶させておき、当該マップに基づいて決定することができる。
一方、平均スロットル開度が所定の閾値STH2以下である場合(ステップS24:NO)、自車両状態補正部115は、ステップS14を実行する。ステップS14以降の詳細は、図4に示した第1実施例と同様である。ただし、第2実施例のステップS18では、自車両状態P2の補正量を決定する際に、例えば、平均スロットル開度と、移動平均車速と、補正量との対応関係を定めたマップを予めROM内に記憶させておき、当該マップに基づいて決定する。
なお、なお、第1実施例と同様に、自車両状態補正部115が実行するラジエータ用電動ファン76の将来消費電力の増減の推定手順において、移動平均車速を推定するステップ、および、推定された移動平均車速を考慮するステップは省略可能である。また、上記では、エンジン10の発熱状態を推定するために「スロットル開度大となった頻度」を、自動車200の走行環境を推定するために「平均スロットル開度」を、それぞれ用いるものとした。しかし、これらはあくまで一例であり、エンジン10の発熱状態や自動車200の速度を推定するためには、種々の方法を用いることができる。例えば、スロットル開度に代えて、アクセル開度センサ86の検出値を用いて推定してもよい。また、上記では、自動車200の移動速度として「移動平均車速」を用いるものとした。しかし、移動速度はこれにかぎられず、種々の方法で決定することができる。詳細は第1実施例で説明した通りである。さらに、「スロットル開度大となった頻度」を得るための所定の閾値、および、上記所定の閾値STH1、STH2、VTH1には、任意の値を採用することができる。
以上のように、第2実施例によれば、自車両状態補正部115は、エンジン10の発熱状態と自動車200(車両)の走行環境と、自動車200の移動速度とを推定し、推定された発熱状態と、走行環境と、移動速度と、を用いて、ラジエータ用電動ファン76(ファン)において今後消費される将来消費電力の増減を推定する。すなわち、第2実施例では、第1実施例の構成に加えて、さらに、自動車200の走行環境(平均スロットル開度から求められる走行環境)をも考慮した上で、ラジエータ用電動ファン76(ファン)において今後消費される将来消費電力の増減を推定するため、将来消費電力の増減を、より高精度に推定することができる。
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採ることができる。例えば、ソフトウェアによって実現した機能は、ハードウェアによって実現するものとしてもよい。そのほか、以下のような変形が可能である。
C1.変形例1:
上記実施例では、車両として自動車を例示した。しかし、車両としては自動車に限られず、種々の実施態様を採用してよい。例えば、二輪車、気動車等の態様で実施できる。
上記実施例では、車両としての自動車の構成の一例を示した。しかし、これらの構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に定めることができ、図1に示した構成部の追加・削除・変換等が可能である。
例えば、上記実施例では、バッテリは鉛蓄電池としたが、本発明ではこれに限られない。例えば、リチウムイオン蓄電池、ロッキングチェア型蓄電体等の他の種類のバッテリに替えることもできる。
C2.変形例2:
上記実施例では、自車両状態補正部が、自車両状態予測部から受信した自車両状態P2を補正する際の方法の一例(予め記憶されたマップを用いて補正する方法)を示した。しかし、上述した方法はあくまで一例であり、自車両状態補正部は、自車両状態P2を任意の方法で補正することができる。
例えば、自車両状態補正部は、予め定められた任意の数値を一律に上乗せする態様で自車両状態P2を補正してもよい。また、例えば、移動平均車速と、補正量との対応関係を定めたマップに基づいて補正してもよい。
C3.変形例3:
上記実施例では、ラジエータ用電動ファンの将来消費電力の増減の推定手順の一例を示した。しかし、上述した手順はあくまで一例であり、任意の方法を採用することができる。
例えば、自車両状態補正部は、第1実施例ではエンジンの水温を用いて、第2実施例ではエンジンのスロットル開度を用いて、エンジンの発熱状態を推定するものとした。しかし、自車両状態補正部は、例えば、エンジン回転数を用いてエンジンの発熱状態を推定してもよい。また、自車両状態補正部は、エンジン水温と、エンジンのスロットル開度と、エンジンの回転数と、のうちの少なくとも2つ以上の組み合わせでエンジンの発熱状態を推定してもよい。そうすれば、エンジン発熱状態の推定方法を任意に選択することができる。また、複数の条件の組み合わせによりエンジン発熱状態を推定することとすれば、エンジン発熱状態の推定の精度を向上させることができる。
C4.変形例4:
上記実施例では、SOC配分要求レベルP3を走行環境指数P1および自車両状態P2aに基づいて求めていたが、これに換えて、自動車200のインストルメントパネル(図示せず)に運転者により操作されるダイヤルを設け、そのダイヤルの操作量に応じてSOC配分要求レベルP3を求める構成としてもよい。運転者は、例えば郊外から市街地に入るような場合に、ダイヤルを「高」側に切り換えてSOC配分要求レベルP3が大きくなるように設定することで、アイドリングストップ用範囲への配分率を大きくすることができる。この構成によれば、運転者が、これから進む地域を判っていてSOC配分要求レベルを設定することが可能な場合に、ストップアンドスタート期間において使用する最大SOCを走行環境から高精度に設定することができる。なお、ダイヤルは「高」と「低」の2段階を指示できるものであってもよいし、3以上の多段で指示できるものであってもよい。また、ダイヤルはスイッチ等の他の入力手段に替えることもできる。さらに、ダイヤルの操作量だけでSOC配分要求レベルP3を求めるのではなく、前記実施例で走行環境指数P1と自車両状態P2aから求めたSOC配分要求レベルP3を、前記ダイヤルの操作量に基づいて補正する構成とすることもできる。
C5.変形例5:
上記実施例では、走行環境指数P1と自車両状態P2aに基づいてSOC配分要求レベルP3を一旦求め、SOC配分要求レベルP3に基づいて目標SOCを算出する構成であったが、これに換えて、走行環境指数P1と自車両状態P2aに基づいて、目標SOCを直接、算出する構成としてもよい。すなわち、走行環境指数P1と自車両状態P2aに基づいて、バッテリの使用可能SOC範囲を充電制御用とアイドリングストップ用とを配分する配分率を直接算出する構成としてもよい。同様に上記変形例1においても、ダイヤルの操作量に基づいて目標SOCを直接、算出する構成としてもよい。
C6.変形例6:
上記実施例では、SOC配分要求レベルは、走行環境指数P1と自車両状態P2aの両方に基づいて算出していたが、これに換えて、走行環境指数P1と自車両状態P2aのいずれか一方に基づいて算出する構成としてもよい。
C7.変形例7:
なお、前述した実施例および各変形例における構成要素の中の、独立請求項で記載された要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。例えば、通常走行中はバッテリへの充電を行わないことで燃料消費量を低減し、減速時に回生発電によりバッテリへの充電を行なう充電制御についても省略することができる。
10…エンジン
15…変速機
20…ディファレンシャルギア
25…駆動輪
30…スタータ
34…駆動機構
35…オルタネータ
40…バッテリ
50…ECU
52…エンジンECU
54…アイドリングストップECU
56…トランスミッションECU
70…補機
72…灯火系
73…ワイパ
76…ラジエータ用電動ファン
78…ラジエータ
81…エンジン水温センサ
82…車輪速センサ
83…車速センサ
84…ブレーキペダルセンサ
86…アクセル開度センサ
88…バッテリ電流センサ
89…オルタネータ電流センサ
90…アイドリングストップ制御部
112…走行環境予測部
114…自車両状態予測部
115…自車両状態補正部
130…指示値算出部
140…バッテリ制御部
200…自動車

Claims (7)

  1. エンジンと、前記エンジンによって駆動される発電機によって充電可能なバッテリと、ラジエータと、前記バッテリに蓄電された電力を消費して前記ラジエータに送風する送風器と、を有する車両を制御する方法であって、
    (a)前記エンジンのスロットル開度を用いて前記エンジンの発熱状態を推定する工程と、
    (b)推定された前記発熱状態を用いて、前記送風器において今後消費される将来消費電力の増減を推定する工程と、
    (d)前記車両の停止時における前記エンジンの運転を停止させるアイドリングストップ制御を行う工程と、
    (f)前記バッテリの蓄電状態(SOC)を検出する工程と、
    (g)前記バッテリの使用可能な範囲に対して、前記エンジンの運転による前記発電機の動力を使用した発電を実施させる燃料発電を実施すべき第1の範囲と、前記エンジンの運転による前記発電機の動力を使用した発電を実施させず、かつ、前記車両の減速時に回生発電を実施させる充電制御を実施すべき第2の範囲と、を設定する工程であって、
    前記車両が停止する原因となる前記車両の走行環境と、前記工程(b)により推定された前記送風器の前記将来消費電力の増減に応じて補正された前記バッテリにおける今後の推定消費電力量と、を用いて前記第1の範囲と前記第2の範囲とを設定する工程と、
    (h)前記車両の走行中に、前記工程(f)によって検出された蓄電状態に基づく前記バッテリの残存容量が前記第1の範囲内にある場合は前記燃料発電を実施し、前記工程(f)によって検出された蓄電状態に基づく前記バッテリの残存容量が前記第2の範囲内にある場合は前記充電制御を実施する工程と、
    を備える方法。
  2. 請求項1記載の方法であって、さらに、
    (c)前記車両の移動速度を推定する工程を備え、
    前記工程(b)は、推定された前記発熱状態と、推定された前記移動速度と、を用いて、前記送風器において今後消費される将来消費電力の増減を推定する、方法。
  3. 請求項1または2記載の方法であって、
    前記工程(a)において、前記エンジンのスロットル開度と、前記エンジンの回転数と、の組合せを用いて前記エンジンの発熱状態を推定する、方法。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の方法であって、
    前記工程(b)において、
    前記工程(a)により推定された前記エンジンの発熱状態が所定値よりも高く、かつ、前記工程(c)により推定された前記車両の移動速度が所定値よりも大きい場合は、前記送風器の前記将来消費電力は現状維持傾向であると推定し、
    前記工程(a)により推定された前記エンジンの発熱状態が所定値よりも高く、かつ、前記工程(c)により推定された前記車両の移動速度が所定値よりも小さい場合は、前記送風器の前記将来消費電力は増大傾向であると推定する、方法。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の方法であって、
    前記工程(g)は、
    前記工程(b)により推定された前記送風器の前記将来消費電力の増減が現状維持傾向である場合には、前記補正により前記今後の推定消費電力量を増減させず、
    前記工程(b)により推定された前記送風器の前記将来消費電力の増減が増大傾向である場合には、前記補正により前記今後の推定消費電力量を増加させる、方法。
  6. エンジンと、前記エンジンによって駆動される発電機によって充電可能なバッテリと、ラジエータと、前記バッテリに蓄電された電力を消費して前記ラジエータに送風する送風器と、を有する車両に搭載される車両制御装置であって、
    前記エンジンのスロットル開度を用いて前記エンジンの発熱状態を推定し、推定された前記発熱状態を用いて、前記送風器において今後消費される将来消費電力の増減を推定する自車両状態補正部と、
    前記車両の停止時における前記エンジンの運転を停止させるアイドリングストップ制御を行うアイドリングストップ制御部と、
    前記バッテリの蓄電状態(SOC)を検出するバッテリSOC算出部と、
    前記バッテリの使用可能な範囲に対して、前記エンジンの運転による前記発電機の動力を使用した発電を実施させる燃料発電を実施すべき第1の範囲と、前記エンジンの運転による前記発電機の動力を使用した発電を実施させず、かつ、前記車両の減速時に回生発電を実施させる充電制御を実施すべき第2の範囲と、を設定する目標SOC推定部であって、
    前記車両が停止する原因となる前記車両の走行環境と、前記自車両状態補正部により推定された前記送風器の前記将来消費電力の増減に応じて補正された前記バッテリにおける今後の推定消費電力量と、を用いて前記第1の範囲と前記第2の範囲とを設定する目標SOC推定部と、
    前記車両の走行中に、前記バッテリSOC算出部によって検出された蓄電状態に基づく前記バッテリの残存容量が前記第1の範囲内にある場合は前記燃料発電を実施させ、前記バッテリSOC算出部によって検出された蓄電状態に基づく前記バッテリの残存容量が前記第2の範囲内にある場合は前記充電制御を実施させる指示値算出部と、
    を備える、車両制御装置。
  7. 請求項記載の車両制御装置であって、
    前記自車両状態補正部は、さらに、前記車両の移動速度を推定し、推定された前記発熱状態と、推定された前記移動速度と、を用いて、前記送風器において今後消費される将来消費電力の増減を推定する、車両制御装置。
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