JP5914431B2 - 防水スリーブ構造体、及び当該防水スリーブ構造体の取り付け方法 - Google Patents

防水スリーブ構造体、及び当該防水スリーブ構造体の取り付け方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5914431B2
JP5914431B2 JP2013170661A JP2013170661A JP5914431B2 JP 5914431 B2 JP5914431 B2 JP 5914431B2 JP 2013170661 A JP2013170661 A JP 2013170661A JP 2013170661 A JP2013170661 A JP 2013170661A JP 5914431 B2 JP5914431 B2 JP 5914431B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sleeve
wall
hole
pressing
cylindrical member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013170661A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015040389A (ja
Inventor
一浩 中江
一浩 中江
廣部 賀崇
賀崇 廣部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fukuvi Chemical Industry Co Ltd
Yagikuma Co Ltd
Original Assignee
Fukuvi Chemical Industry Co Ltd
Yagikuma Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fukuvi Chemical Industry Co Ltd, Yagikuma Co Ltd filed Critical Fukuvi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2013170661A priority Critical patent/JP5914431B2/ja
Publication of JP2015040389A publication Critical patent/JP2015040389A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5914431B2 publication Critical patent/JP5914431B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Duct Arrangements (AREA)
  • Building Environments (AREA)
  • Ventilation (AREA)

Description

本発明は、コーキングを行うことなく防水可能な防水スリーブ構造体に関するものである。
住宅構築の壁には、室内の換気用や、エアコンやクーラーなどを設置する際の室内機と室外機とをつなぐ配管用の貫通孔が設けられている。
この貫通孔には、一般的に、貫通孔を覆うスリーブ部材が設けられ、このスリーブ部材によって貫通孔が保護されている。このとき、外壁の貫通孔とスリーブ部材との間は、防水性が保たれている必要があり、貫通孔とスリーブ部材の間はコーキングによって防水処理を行うことが一般的である。
しかしながら、コーキングによる防水処理は、下地材を塗布した上にコーキングを行う必要があり、手間のかかる面倒な作業であった。また、コーキングによる防水処理は、防水性能及びその耐久性が作業者の技量に依存する不安定な工法であった。加えて、コーキング材を乾燥させるための時間が必要であり作業時間短縮の妨げとなっていた。
そこで、作業工数が少なく安定した施工が可能な、スリーブ材の取り付け構造が様々検討されている。
例えば、特許文献1には、外周に螺旋溝が形成された螺旋管を構造物の壁に挿通し、前記螺旋溝に螺合する固定リングによって、壁面に弾性シール部材を狭圧し水密にシールする構造が開示されている。
また、特許文献2には、壁本体の表面に外装材が取り付けられた壁において、前記壁本体と外装材の間に鍔が介装されるように鍔付きスリーブ部材を取り付け、前記鍔と壁本体の間に、水密材(シール部材)を挟み圧縮させることで水密にシールする構造が開示されている。
特開2000−179750号公報 特許第4810019号公報
特許文献1に記載の技術は、壁面に弾性シール部材を挟圧するため、防水性を確保するためには壁面が平滑である必要がある。
穿孔した貫通孔の内周面は、塗装などが施されていないため、貫通孔の内周面に水が浸入しないように防水を行う必要がある。したがって、特許文献1に記載の技術を適用するにあたって、外壁の外側面から防水を行う必要がある。しかしながら、外壁は意匠面となっているためその表面は一般的に平滑ではなく、この技術を外壁に適用することは困難であった。
また、特許文献2に記載の技術は、壁本体の表面にさらに外装材を設ける場合においては、適用可能であるが、壁本体と外装材が一体化した構造に対して水密材(シール部材)を介装することができず、当該技術を適用することができなかった。
本発明は、以上のような従来の実情に鑑みなされたものであり、外壁の貫通孔に設けられるスリーブ部材を防水して取り付けることが可能な防水スリーブ構造体の提供を目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
(1) 構造物の外壁に設けられた貫通孔に、鍔付きスリーブ部材が水密に取り付けられた防水スリーブ構造体であって、
前記外壁の貫通孔に、前記鍔付きスリーブ部材が挿入され、当該鍔付きスリーブ部材と前記貫通孔の内周面の間に介装された止水部材が、前記鍔付きスリーブ部材に取り付けられた押圧円筒部材により圧縮された構成を有し、
前記鍔付きスリーブ部材は、挿通スリーブとその縁に形成された外装鍔部を備え、前記貫通孔に前記挿通スリーブが挿通され前記外装鍔部が前記外壁の外側面に当接され、
前記押圧円筒部材は、前記鍔付きスリーブ部材の挿通スリーブに挿通される円筒部と、当該円筒部の縁に形成され前記鍔付きスリーブ部材の外装鍔部に当接し放射状に広がるヒンジ部と、を備え、
前記止水部材は、前記ヒンジ部の外周に配置された弾性体であり、
前記ヒンジ部と前記外装鍔部、並びに前記ヒンジ部と前記貫通孔の内周面の間に前記止水部材が狭まれていることを特徴とする防水スリーブ構造体。
(2) 前記押圧円筒部材が、前記ヒンジ部と反対側の前記円筒部の縁に鍔部を備え、当該鍔部が前記外壁の内側面に当接されたことを特徴とする(1)に記載の防水スリーブ構造体。
(3) 前記押圧円筒部材の前記鍔部が、前記円筒部の周方向において部分的に突出して形成され、前記押圧円筒部材が前記外壁の貫通孔を通り抜けることができることを特徴とする(2)に記載の防水スリーブ構造体。
(4) 前記鍔付きスリーブ部材と前記押圧円筒部材には、前記ヒンジ部が前記外装鍔部に当接し放射状に広がった状態で係止する係止機構が設けられていることを特徴とする(1)〜(3)の何れか一項に記載の防水スリーブ構造体。
(5) 前記係止機構が、前記鍔付きスリーブ部材の挿通スリーブの外周面と前記押圧円筒部材の円筒部の内周面とにそれぞれ設けられた螺旋溝及び螺旋突起であり、
前記鍔付きスリーブ部材の挿通スリーブを前記押圧円筒部材の円筒部に回転させながら挿入することで前記螺旋溝及び螺旋突起を螺合し係止可能とされたことを特徴とする(4)に記載の防水スリーブ構造体。
(6) 前記係止機構が、前記鍔付きスリーブ部材の挿通スリーブの外周面と前記押圧円筒部材の円筒部の内周面とのうち何れか一方に形成された凸部と、他方に形成された前記凸部を係止する段差部であり、
前記鍔付きスリーブ部材の挿通スリーブを前記押圧円筒部材の円筒部に挿入し回転させることで、前記段差部に前記凸部を係止可能とされたことを特徴とする(4)に記載の防水スリーブ構造体。
(7) 前記押圧円筒部材が、前記円筒部に円周配置され放射状に延出する複数のフィンを備え、
前記フィンの先端に湾曲部が形成され、当該湾曲部の湾曲方向が、前記係止機構を係止させるための、前記押圧円筒部材に対する前記鍔付きスリーブ部材の回転方向と同方向であることを特徴とする(4)〜(6)の何れか一項に記載の防水スリーブ構造体。
(8) (1)に記載の防水スリーブ構造体の取り付け方法であって、
前記止水部材を、前記押圧円筒部材のヒンジ部の外周に配置し、
前記押圧円筒部材の円筒部を前記外壁の貫通孔に挿入し、
前記円筒部に前記鍔付きスリーブ部材の挿通スリーブを挿入し、前記外装鍔部を前記外壁の外側面に当接させ、前記ヒンジ部を前記外装鍔部に当接させ放射状に広げることを特徴とする防水スリーブ構造体の取り付け方法。
本発明の防水スリーブ構造体は、鍔付きスリーブ部材の外装鍔部が外壁の外側面に当接され、外壁の貫通孔の内部において、押圧円筒部材のヒンジ部と鍔付きスリーブ部材の外装鍔部、並びに前記ヒンジ部と貫通孔の内周面の間に止水部材が介装されている。また、前記鍔付きスリーブ部材と前記押圧円筒部材には係止機構が設けられており、当該係止機構により、前記ヒンジ部は、前記外装鍔部に当接し放射状に広がった状態で保持されている。したがって、止水部材が、ヒンジ部により鍔付きスリーブ部材の外装鍔部、並びに貫通孔の内周面に押し当てられ圧縮され、鍔付きスリーブ部材の外装鍔部と、貫通孔の間を水密に塞ぐことができる。
本発明に係る第1実施形態の防水スリーブ構造体を示し、図1(a)は、断面図であり、図1(b)は、図1(a)の断面図における防水部の拡大図である。 本発明に係る第1実施形態の防水スリーブ構造体に備わる鍔付きスリーブ部材を示し、図2(a)は、斜視図であり、図2(b)は、図2(a)の斜視図における螺旋溝の終端部近傍の拡大図である。 本発明に係る第1実施形態の防水スリーブ構造体に備わる押圧円筒部材を示し、図3(a)は、斜視図であり、図3(b)は、図3(a)の斜視図における螺旋突起の終端部近傍の拡大図である。 本発明に係る第1実施形態の防水スリーブ構造体に備わる押圧円筒部材のヒンジ部を示し、図4(a)は、ヒンジ部の断面図であり、図4(b)は、図4(a)に示すヒンジ部の屈曲状態における断面図である。 本発明に係る第1実施形態の防水スリーブ構造体に備わる押圧円筒部材のフィンの正面図である。 本発明に係る第1実施形態の防水スリーブ構造体に備わる止水部材の斜視図である。 押圧円筒部材、鍔付きスリーブ部材、止水部材を組み合わせて、本発明に係る第1実施形態の防水スリーブ構造体を形成する手順を説明する斜視図であり、図7(a)は、押圧円筒部材のヒンジ部に止水部材3を装着した状態を示し、図7(b)は、押圧円筒部材を、外壁の貫通孔に挿入した状態を示し、図7(c)は、押圧円筒部材の円筒部に鍔付きスリーブ部材の挿通スリーブを挿入する様子を示し、図7(d)は、係止機構により押圧円筒部材と鍔付きスリーブ部材とを固定させた状態を示す。 本発明に係る第1実施形態の防水スリーブ構造体に採用可能な変形例の鍔付きスリーブ部材で示し、図8(a)は、斜視図であり、図8(b)は、正面図であり、図8(c)は、押圧円筒部材を傾けて外壁の貫通孔を通り抜ける様子を示す図である。 本発明に係る第2実施形態の防水スリーブ構造体を示し、図9(a)は、断面図であり、図9(b)は、図9(a)の断面図における防水部の拡大図である。 本発明に係る第2実施形態の防水スリーブ構造体に備わる押圧円筒部材と鍔付きスリーブ部材を示し、図10(a)は、押圧円筒部材と鍔付きスリーブ部材の斜視図であり、図10(b)は、鍔付きスリーブ部材の挿通スリーブ外周面に形成された凸部の拡大図であり、図10(c)は、押圧円筒部材の円筒部内周面に形成された凹部の拡大図である。 本発明に係る第2実施形態の防水スリーブ構造体に備わる押圧円筒部材と鍔付きスリーブ部材において、これらが係止機構により互いに保持された状態であり、図11(a)は、斜視図を示し、図11(b)は、図11(a)の係止機構の拡大図を示す。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴部分を強調する目的で、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、同様の目的で、特徴とならない部分を省略して図示している場合がある。
<第1実施形態>
図1(a)に、本発明の一例であり、構造物の外壁4に設けられた貫通孔4Aに取り付けられる第1実施形態の防水スリーブ構造体5の断面図を示す。また、図1(b)に、図1(a)において、防水スリーブ構造体5と外壁4の貫通孔4Aの間に形成される防水部40の拡大図を示す。
この防水スリーブ構造体5は、押圧円筒部材1(図3(a)参照)と、鍔付きスリーブ部材2(図2(a)参照)と、止水部材3(図6参照)とから構成されている。
鍔付きスリーブ部材2は、外壁4の貫通孔4Aに挿通される挿通スリーブ20と、当該挿通スリーブ20の縁に形成され外壁4の外側面4bに当接する外装鍔部21を有している。また、貫通孔4Aの内部であって、鍔付きスリーブ部材2の外装鍔部21近傍には、止水部材3が、押圧円筒部材1によって圧縮された状態で設けられている。押圧円筒部材1と鍔付きスリーブ部材2とは、それぞれ螺旋突起14、及び螺旋溝24を有し、これらが螺合し係止機構17を構成することによって互いの位置が保持されている。
この防水スリーブ構造体5において、鍔付きスリーブ部材2の挿通スリーブ20が、建築物の室内外を換気するための換気口や、エアコンやクーラーなどを設置する際の室内機と室外機とをつなぐ配管を挿通する挿通口として使用される。なお、換気口として使用される場合においては、外壁4の外側面4b側に位置する外装鍔部21に、挿通スリーブ20に雨水が浸入することを防ぐフード(図示略)が取り付けられる。
外壁4の内側面4a側には、さらに、構造用合板45(下地合板)、断熱材46を介して内壁47が設けられている。
内壁47は、例えば石膏ボード等からなり、建築物の室内空間を形成する壁である。構造用合板45は、建築物の剛性・強度を確保するために設けられている。断熱材46は、建築物の外部と内部とを断熱するためのものであり、一般的には、グラスファイバーが採用される。
鍔付きスリーブ部材2の挿通スリーブ20は、これら構造用合板45、断熱材46及び内壁47を貫通し、内壁47の内側(即ち室内空間)まで延びて、室外と室内を連通している。
外壁4の外側面4bは、塗装が施され内部に水分が浸入しにくくなっている。これに対して、外壁4に穿たれた貫通孔4Aの内周面4Aa(小口面)は塗装が施されておらず、水分が浸入すると異臭やカビ発生の原因となる。また、外壁4の種類によっては、外壁4自体が劣化してしまうことがある。特に外壁4がセメント系の素材からなる場合には、水分を吸収し素材が膨張し強度が劣化する虞がある。加えて、断熱材46に用いられるグラスファイバーは、水を吸収すると断熱性能が損なわれる。本実施形態の防水スリーブ構造体5を使用することで、外壁4の貫通孔4Aと前記鍔付きスリーブ部材2との間から水が浸入することを防ぐことができる。
以下に、第1実施形態の防水スリーブ構造体5を構成する各部材について図面を基に説明する。
(第1実施形態の鍔付きスリーブ部材)
図2(a)に示す鍔付きスリーブ部材2は、挿通スリーブ20と、当該挿通スリーブ20の縁に形成された円形の外装鍔部21とから概略構成されている。
鍔付きスリーブ部材2は、図1(a)、(b)に示すように、外装鍔部21を構造物の外壁4の外側面4bに当接させ、挿通スリーブ20を、外壁4の貫通孔4Aに挿通させて取り付けられる。したがって、円形の外装鍔部21の外径は、貫通孔4Aの内径に対して十分大きく形成されている。また、挿通スリーブ20の長さは、壁全体(外壁4、構造用合板45、断熱材46、内壁47)の厚さと同じか若干長く形成され、壁全体を貫通している。
また、後段において説明する押圧円筒部材1の内装鍔部11(鍔部)と、鍔付きスリーブ部材2の外装鍔部21とで、外壁4の内側面4aと外側面4bを挟み込むようにして挟持されている。
図2(a)に示すように、鍔付きスリーブ部材2の挿通スリーブ20の外周面20aにおいて前記外装鍔部21の近傍には、螺旋溝24が形成されている。この螺旋溝24は、後段において説明する押圧円筒部材1の螺旋突起14と組み合わされ螺子嵌合させることができる。
図2(b)に螺旋溝24の外装鍔部21側終端部近傍を拡大して示す。螺旋溝24の終端部近傍には、溝底がせりあがって溝が一部途切れる様に形成されたストッパ24Aが設けられている。このストッパ24Aは、後段において説明する螺旋突起14の終端部近傍に設けられた凹部14A(図3(b)参照)に嵌め合わされる。
(第1実施形態の押圧円筒部材)
図3(a)に示す押圧円筒部材1は、円筒部10と、当該円筒部10の一方の縁に形成される円形の内装鍔部11(鍔部)と、他方の縁に形成されるヒンジ部13と、円筒部10の外周であって内装鍔部11との間にリブ状に複数形成されたフィン12と、から概略構成される。
円筒部10の内径は、鍔付きスリーブ部材2の挿通スリーブ20の外径に対し若干大きく形成されており、挿通スリーブ20を円筒部10に挿入することができる。また、円筒部10の内周面10aには、前記挿通スリーブ20の外周面20aに設けられた螺旋溝24と螺合可能な螺旋突起14が設けられており、これらを螺子嵌合させることで、鍔付きスリーブ部材2と押圧円筒部材1を固定することができる。
図3(b)に螺旋突起14の内装鍔部11側終端部近傍を拡大して示す。螺旋突起14の終端部近傍には、螺旋筋状の突起が一部途切れて形成された凹部14Aが設けられている。この凹部14Aは、上述した螺旋溝24の終端部近傍に設けられたストッパ24A(図2(b)参照)と嵌め合わせることができる。螺旋突起14と螺旋溝24の螺合により鍔付きスリーブ部材2を押圧円筒部材1に取り付ける際に、ストッパ24Aと凹部14Aとが嵌め合わされる位置まで回転させることで、容易に鍔付きスリーブ部材2と押圧円筒部材1の相対的な位置関係を決定することができる。このようにストッパ24Aにより、一意的に鍔付きスリーブ部材2と押圧円筒部材1の相対的な位置関係を制限することにより、作業者による取り付け工程のばらつきを防ぐことが可能となる。即ち、だれが行っても同様の防水性能を有する防水スリーブ構造体5を提供することができる。
なお、本実施形態の螺旋突起14及び螺旋溝24は、二重螺旋として形成された二条螺子であり、それぞれの螺旋軌道の終端に凹部14A又はストッパ24Aが設けられている。
また、本実施形態においては、鍔付きスリーブ部材2の挿通スリーブ20外周面20aに螺旋溝24が形成され、押圧円筒部材1の円筒部10内周面10aに螺旋突起14が形成されている。しかしながら、これらのうち一方に螺旋状の溝が形成され他方に螺旋状の突起が形成されこれらが螺子山、螺子溝の関係となっていれば、何れに溝及び突起が形成されていても良い。
ヒンジ部13は、円筒部10の先端が短冊状に複数分割されて形成されている。この各短冊状のヒンジ部13外側面には、円筒部10側からヒンジ部13の先端部13eにかけて順に第1溝15と第2溝16とが形成されている。また、ヒンジ部13は、第1溝15、第2溝16に沿って折れ曲がる第1屈曲片13a、第2屈曲片13bに区画されている。
図4(a)に、円周短冊状に並列するヒンジ部13の縦断面図を示す。また、図4(b)に、ヒンジ部13が屈曲し、円筒部10の半径方向に広がった際の縦断面図を示す。
第1溝15は、円筒部10とヒンジ部13の第1屈曲片13aを区画するように円周方向に沿って形成されている。この第1溝15の溝断面における壁面15a、15aは、それぞれ傾斜して形成されている。これら壁面15a、15aのなす角度を90°以上とすることにより、第1屈曲片13aが、円筒部10に対し外側に90°程度折れ曲がることができる。
ヒンジ部13の第2溝16は、ヒンジ部13の第1屈曲片13aと第2屈曲片13bを区画するように円周方向に沿って形成されている。この第2溝16の溝断面における壁面16a、16aが互いに平行に形成されている。
このように形成されたヒンジ部13の先端部13eに、円筒部10の中心軸と平行な方向に応力を作用させると、図4(b)に示すように、第1屈曲片13aと第2屈曲片13bがそれぞれ第1溝15、第2溝16に沿って折れ曲がる。この時、第1屈曲片13aは、外側に屈曲し、第2屈曲片13bが第1屈曲片13aの裏面に寄り添うように内側に屈曲する。これにより、第1溝15が閉じ、第2溝16が開き、第2溝16が頂点となるようにヒンジ部13が、円筒部10の半径方向に広がる。
押圧円筒部材1の円筒部10に鍔付きスリーブ部材2の挿通スリーブ20を挿入し、円筒部10の内周面10aに形成された螺旋突起14と、挿通スリーブ20の外周面20aに形成された螺旋溝24を螺合していくと、ヒンジ部13が鍔付きスリーブ部材2の外装鍔部21に当接し徐々に屈曲する。螺旋突起14の始点が、螺旋溝24のストッパ24A、24A(図2(b)参照)に到達すると、図1(a)、(b)並びに、図4(b)に示すように、ヒンジ部13が完全に屈曲した状態となる。
このように、押圧円筒部材1の円筒部10の内周面10aと鍔付きスリーブ部材2の挿通スリーブ20の外周面20aとにそれぞれ設けられた、螺旋突起14と螺旋溝24は、押圧円筒部材1のヒンジ部13が、鍔付きスリーブ部材2の外装鍔部21に当接し放射状に広がった状態で保持する係止機構17として機能する。
押圧円筒部材1の内装鍔部11と円筒部10の間には円周状等間隔に複数のフィン12がリブ状に形成されている。図5にこのフィン12の正面図を示す。フィン12は、円筒部10の外周面から放射状に延びて形成されている。フィン12は、半径方向に直線的に延びる直線部12aと当該直線部12aの先端に形成され、湾曲した形状を有する湾曲部12bからなる。
このフィン12の先端部12cを繋いで構成される先端ピッチ円の直径は、外壁4に形成される貫通孔4A(図1(a)、(b)参照)の内径と同じか若干大きくなっている。押圧円筒部材1を外壁4の貫通孔4Aに挿入すると、貫通孔4Aの内周面4Aaに対しフィン12が突っ張り、押圧円筒部材1を外壁4の貫通孔4Aに対して中心軸を合わせて保持させることができる。
フィン12の湾曲部12bは、押圧円筒部材1の円筒部10の内周面10aに設けられた螺旋突起14と、鍔付きスリーブ部材2の挿通スリーブ20の外周面20aに設けられた螺旋溝24とを螺合させるために、前記押圧円筒部材1に対する前記鍔付きスリーブ部材2を回転させる際の、鍔付きスリーブ部材2の回転方向と同方向に湾曲している。これにより、螺旋突起14と螺旋溝24を螺合させ、押圧円筒部材1と鍔付きスリーブ部材2を固定する際に、フィン12の先端部12cが貫通孔4Aの内周面4Aaに引っ掛かり、鍔付きスリーブ部材2に対して押圧円筒部材1が共回りすることを抑制できる。
鍔付きスリーブ部材2及び押圧円筒部材1の材質は、特に限定されるものではないが、樹脂製の物を用いる事が、製造コストの観点から好ましい。特の押圧円筒部材1においては、ヒンジ部13を有しており、ヒンジ部13を構成するのに適した樹脂、例えばポリプロピレン(PP)を用いる事が望ましい。
(止水部材)
図6に示す止水部材3は、所定の厚みを有する円筒形に形成された弾性体であり、その軸方向の長さは、前記押圧円筒部材1のヒンジ部13の長さよりと同じか若干長く形成されている。
止水部材3は、円筒形に成形されたものを用いる事が望ましいが、帯状の弾性体の端部同士を接着することで接続し円筒状に形成したものを用いても良い。
止水部材3は、パッキンとして機能するものであれば、その材料を限定されるものではなく、例えばゴム材料、エラストマ―樹脂等を使用することができる。特に、水分を吸収して膨張する性質を有する吸水性ウレタンフォームを用いる事が好ましい。
図1(a)、(b)に示すように、止水部材3は、外壁4の貫通孔4Aの内部において、押圧円筒部材1のヒンジ部13と鍔付きスリーブ部材2の外装鍔部21、並びにヒンジ部13と貫通孔4Aの内周面4Aaの間に介装され、屈曲した状態のヒンジ部13により、鍔付きスリーブ部材2の外装鍔部21、並びに貫通孔4Aの内周面4Aaに押し当てられ圧縮されている。これにより、鍔付きスリーブ部材2の外装鍔部21と、貫通孔4Aの間を水密に塞ぎ、貫通孔4Aに水分が浸入することを防いでいる。
(取り付け手順)
図7(a)〜(d)を基に、上記の押圧円筒部材1、鍔付きスリーブ部材2、止水部材3を組み合わせて、構造物の外壁4に防水スリーブ構造体5を形成する手順を説明する。
まず、図7(a)に示すように、押圧円筒部材1のヒンジ部13に、当該ヒンジ部13の外周を覆うように円環状の止水部材3を装着する。
次に、図7(a)から図7(b)の状態となるように、押圧円筒部材1を、外壁4の貫通孔4Aに、外壁4の内側面4aの方向から挿入する。この時、押圧円筒部材1のフィン12の湾曲部12b(図5参照)が、湾曲する方向に対して逆方向に回転させながら(図7(a)に示す矢印A方向に回転させながら)、押圧円筒部材1を嵌め込むことで、スムーズにこの作業を行うことができる。挿入された押圧円筒部材1は、貫通孔4Aの内周面4Aaに対しフィン12の半径方向に向かった突っ張りによって、貫通孔4Aの内部に保持される。
次に、図7(c)に示すように、外壁4の外側面4bの方向から、鍔付きスリーブ部材2を挿入する。より具体的には、貫通孔4Aの内部に保持された押圧円筒部材1の円筒部10に、鍔付きスリーブ部材2の挿通スリーブ20を挿入する。
さらに、図7(c)から図7(d)の状態となるように、鍔付きスリーブ部材2の挿通スリーブ20に設けられた螺旋溝24を、押圧円筒部材1の円筒部10に設けられた螺旋突起14に螺合していく。螺旋突起14と螺旋溝24から構成される係止機構17としての螺子機構は、右螺子として構成されているため、押圧円筒部材1に対して、鍔付きスリーブ部材2を右回転させることで(図7(c)に示す矢印B方向に回転させることで)、これらを固定することができる。図5を基に説明したように、押圧円筒部材1の円筒部10に設けられたフィン12は、その先端近傍に湾曲部12bが形成され、当該湾曲部12bの湾曲方向が、螺旋突起14と螺旋溝24とを螺合させるために、押圧円筒部材1に対する鍔付きスリーブ部材2を回転させる際の、鍔付きスリーブ部材2の回転方向と同方向となっている。したがって、鍔付きスリーブ部材2を回転させると、フィン12の先端部12cが貫通孔4Aの内周面4Aaに引っ掛かり、鍔付きスリーブ部材2に対して押圧円筒部材1が共回りすることを抑制できる。
押圧円筒部材1の円筒部10に、鍔付きスリーブ部材2の挿通スリーブ20を挿入することによって、押圧円筒部材1のヒンジ部13が、鍔付きスリーブ部材2の外装鍔部21に当接する。さらに挿入を進行させるにしたがい、このヒンジ部13が、徐々に屈折し放射状に広がっていく。これにより、図1(a)、(b)に示すように、ヒンジ部13の外周に装着された止水部材3も外側に広がり、止水部材3が貫通孔4Aの内周面4Aaに押し付けられ圧縮される。また、ヒンジ部13の先端において、止水部材3が、鍔付きスリーブ部材2の外装鍔部21とヒンジ部13の第2屈曲片13bの間に押し付けられ圧縮される。
これによって、鍔付きスリーブ部材2の外装鍔部21と、貫通孔4Aの間を水密に塞ぐことができる。
以上の手順を経ることにより、本実施形態の防水スリーブ構造体5を取り付け、外壁4の貫通孔4Aと鍔付きスリーブ部材2の間に水分が浸入しないように防水処理することができる。
ところで、近年住宅の構築において、壁や床、屋根といった構成要素を予め工場にてパネル化しておき、施工現場でこれらのパネルを組み立てることにより住宅を構築するといったパネル工法の採用が進んでいる。
この防水スリーブ構造体5は、パネル工法に適用するにあたって、上記手順に従い予め外壁4に防水スリーブ構造体5を取り付けた状態とし、建築現場において構造用合板45及び断熱材46が取り付けられた壁面に防水スリーブ構造体5を備えた外壁4を取り付け、さらに、内壁47を取り付けることにより、壁構造を構成し、外壁4から内壁47まで貫通する防水スリーブ構造体5を形成することができる。
なお、この組み立て手順において、外壁4を取り付ける前の工程として、構造用合板45及び断熱材46を穿孔し、貫通孔4Aと同位置に孔48を形成しておく。また、内壁47には、予め貫通孔4Aと同位置に内壁孔47Aを形成しておく。
一般的に外壁4の外側面4bは、意匠面となっているため表面が粗く、当該外側面4bにパッキン等の止水部材3を押し付けて防水をすることは難しい。本実施形態の防水スリーブ構造体5は、外壁4の外側面4bではなく、外壁4を穿孔して形成された貫通孔4Aの内周面4Aaに止水部材3を押し付けて防水を行っている。この貫通孔4Aの内周面4Aaは、その表面が比較的平滑に形成されているため、確実な防水を行うことができる。
即ち、この防水スリーブ構造体5は、外壁4の種類(例えば、窯業系サイディング材、塗り壁(モルタル)、タイル、ALCパネル等が挙げられる)を問わず採用可能である。
また、作業者の技量に性能を依存しやすいコーキング処理を行う必要がなく、だれが施工を行っても安定した防水性を確保することができる。
<第1実施形態の変形例>
図8(a)、(b)に、上段に説明した第1実施形態の防水スリーブ構造体5に採用可能な変形例の押圧円筒部材1Aの斜視図及び正面図を示す。なお、上述の第1実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
変形例の押圧円筒部材1Aは、第1実施形態の押圧円筒部材1と比較して、その内装鍔部11Aの形状が異なる。
この押圧円筒部材1Aの内装鍔部11Aは、円形状の両サイドを切り落とした欠落部11a、11aによって、2つの分割鍔部11Aa、11Abに分割されている。即ち、押圧円筒部材1Aの内装鍔部11Aは、2つの分割鍔部11Aa、11Abが部分的に突出することにより形成されている。
図8(b)に示すように、押圧円筒部材1Aの分割鍔部11Aa、11Abは、それぞれ円筒部10の半径方向に貫通孔4A(二点鎖線で表示)より大きく突出している。また、欠落部11a、11aにおいては、内装鍔部11Aは、貫通孔4Aを覆っていない。
即ち、押圧円筒部材1Aの内装鍔部11Aは欠落部11a、11aにより、貫通孔4Aの直径より幅狭となっている。
本変形例の押圧円筒部材1Aは、図8(c)に示すように傾けながら外壁4の貫通孔4Aに対し、外壁4の外側面4b側から通り抜けることができる。
図8(c)に示すように、貫通孔4Aの中心軸に対して、押圧円筒部材1Aの円筒部10の中心軸が直行するように、押圧円筒部材1Aを配置した場合、押圧円筒部材1Aの投影面積は、貫通孔4Aに内包される。したがって、押圧円筒部材1Aは、貫通孔4Aを通り抜けることができる。なお、押圧円筒部材1Aは、屈曲可能なヒンジ部13を有しており、当該ヒンジ部13を円筒部10の内方に折り曲げた状態において、押圧円筒部材1Aの投影面積が、貫通孔4Aに内包されていれば、押圧円筒部材1Aは、貫通孔4Aを通り抜けることができる。
ところで、図7(a)、(b)に示すように、第1実施形態の押圧円筒部材1は、外壁4の内側面4a側から挿入し貫通孔4Aに取り付ける必要がある。図1(a)に示すように、構造用合板45及び断熱材46に設けられた孔48、並びに内壁47に設けられた内壁孔47Aは、挿通スリーブ20の外径と略同じ大きさに形成されている。したがって、押圧円筒部材1は、内壁47側(即ち、室内側)から外壁4の内側面4aに取り付けることはできない。また、第1実施形態の押圧円筒部材1の内装鍔部11Aは、貫通孔4Aより大径に形成されているため、外壁4の外側面4b側から貫通孔4Aの中を通して押圧円筒部材1を貫通孔4Aに取り付けることはできない。即ち、第1実施形態の押圧円筒部材1を外壁4に取り付ける工程は、外壁4を壁面として設置する前に行う必要がある。
これに対して、本変形例の押圧円筒部材1Aは、内装鍔部11Aが円筒部10の周方向において部分的に突出して形成され、貫通孔4Aを通り抜けることができるため、外壁4を壁面として設置した後であっても、図1(a)に示す防水スリーブ構造体5を構成することができる。
具体的には、外壁4の外側面4bから、押圧円筒部材1A傾けた状態で貫通孔4Aの内部を通し、外壁4と構造用合板45の間に導入した後に押圧円筒部材1Aの円筒部10の中心軸を貫通孔4Aの中心軸と一致するように向きを変え、外壁4の内側面4a側から押圧円筒部材1Aを貫通孔4Aに挿入する。次いで、図7(a)〜(d)を基に説明した手順にしたがって、防水スリーブ構造体5を取り付けることで、外壁4から内壁47まで貫通する防水スリーブ構造体5を形成することができる。
本変形例の押圧円筒部材1Aは、外壁4、構造用合板45、断熱材46、内壁47からなる壁構造が形成された後であっても防水スリーブ構造体5を設置することが可能である。即ち、既築の住宅に対して、防水処理がなされた換気口やエアコンやクーラーなどを設置する際の室内機と室外機とをつなぐ配管を挿通する挿通口を形成することができる。
<第2実施形態>
図9(a)に第2実施形態の防水スリーブ構造体9の断面図を示す。また、図11(b)に、図9(a)において、防水スリーブ構造体9と外壁8の貫通孔8Cの間に形成される防水部41の拡大図を示す。なお、上述の第1実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
第2実施形態の防水スリーブ構造体9は、第1実施形態と比較して、押圧円筒部材6と鍔付きスリーブ部材7を保持する係止機構67の構成と、押圧円筒部材6の壁構造への取り付け構造が異なる。
第1実施形態と同様に本実施形態において、鍔付きスリーブ部材7は、外壁8の貫通孔8Cに挿通される挿通スリーブ70と、当該挿通スリーブ70の縁に形成され外壁8の外側面8bに当接する外装鍔部71を有している。また、貫通孔8Cの内部であって、鍔付きスリーブ部材7の外装鍔部71近傍には、止水部材3が、押圧円筒部材6によって圧縮された状態で設けられている。
本実施形態においては、押圧円筒部材6と鍔付きスリーブ部材7とは、それぞれ凹部64と凸部74を有し、これらが係合し係止機構67を構成することによって互いの位置が保持されている。
(第2実施形態の鍔付きスリーブ部材)
図10(a)に、第2実施形態の防水スリーブ構造体9の押圧円筒部材6と鍔付きスリーブ部材7を示す。また、押圧円筒部材6のヒンジ部63の外周には、第1実施形態と同様に、止水部材3(二点鎖線で表示)が装着される。
図10(a)に示す鍔付きスリーブ部材7は、挿通スリーブ70と、当該挿通スリーブ70の縁に形成された円形の外装鍔部71とから概略構成されている。
鍔付きスリーブ部材7は、図9(a)、(b)に示すように、外装鍔部71を構造物の外壁8の外側面8bに当接させ、挿通スリーブ70を、外壁8の貫通孔8Cに挿通させて取り付けられる。また、押圧円筒部材6の内装鍔部61(鍔部)と、鍔付きスリーブ部材7の外装鍔部71とで、外壁8の内側面8aと外側面8bを挟み込むようにして挟持されている。
鍔付きスリーブ部材7の挿通スリーブ70の外周面70aには、周方向に均等に配置された4つの凸部74が形成されている。
図10(b)に、この凸部74の拡大図を示す。凸部74は、挿通スリーブ70の外周面70aからその半径方向に突出して形成されている。また、この凸部74は矩形状を有しており、凸部74は、後段において説明する押圧円筒部材6の凹部64と係合させることができる。
(第2実施形態の鍔付きスリーブ部材)
図10(a)に示す押圧円筒部材6は、円筒部60と、当該円筒部60の一方の縁に形成される矩形の内装鍔部61(鍔部)と、他方の縁に形成されるヒンジ部63とから概略構成される。
第1実施形態と同様に、円筒部60の内径は、鍔付きスリーブ部材7の挿通スリーブ70の外径に対し若干大きく形成されており、前記挿通スリーブ70を円筒部60に挿入することができる。
また、本実施形態においては、円筒部60の内周面60aには、前記挿通スリーブ70の外周面70aに設けられた4つの凸部74と係合可能な4つの凹部64が設けられており、これらを係合させることで係止機構67を構成し、鍔付きスリーブ部材7と押圧円筒部材6を固定することができる。
図10(c)に、この凹部64の拡大図を示す。凹部64は、円筒部60の内周面60aに周方向に均等に4つ配置されており、その位置は、前記4つの凸部74と対応している。凹部64は、凸部74を直線的に導入するための直線溝部64aと、当該直線溝部64aの終端部において円周方向に直角に曲がって形成される収容溝部64bとから構成される。
押圧円筒部材6に対し鍔付きスリーブ部材7を直線的に挿入することで、凸部74が凹部64の直線溝部64aの内部を移動し当該直線溝部64aの終端部に達する。ここで押圧円筒部材6に対し鍔付きスリーブ部材7を回転させることで、凸部74が収容溝部64bに導入され、押圧円筒部材6と鍔付きスリーブ部材7とを固定させることができる。
図11(a)に、係止機構67により、互いに保持された押圧円筒部材6と鍔付きスリーブ部材7の斜視図を示し、図11(b)に、図11(a)に示す係止機構67の拡大図を示す。なお、図11(a)、(b)において、押圧円筒部材6のヒンジ部63の外周に配置される止水部材3、並びに押圧円筒部材6の内装鍔部61と鍔付きスリーブ部材7の外装鍔部71の間に挟まれる外壁8は、省略した。
係止機構67において、凸部74は、凹部64の収容溝部64bにおいて、ヒンジ部63側に位置する段差部64cと当接し係止されている。これにより、ヒンジ部63によって圧縮された止水部材3の緊迫力に対抗して、押圧円筒部材6と鍔付きスリーブ部材7の互いの位置を保持している。
なお、本実施形態において、鍔付きスリーブ部材7の挿通スリーブ70外周面70aに凸部74が形成され、押圧円筒部材6の円筒部60内周面60aに凹部64が形成されている。しかしながら、これらのうち一方に凸部74が形成され他方に凹部64が形成されこれらが係止するように構成されていれば、何れに凸部74及び凹部64が形成されていても良い。
第1実施形態と同様に、ヒンジ部63は、円筒部60の先端が短冊状に複数分割されて形成されており、ヒンジ部63の先端が鍔付きスリーブ部材7の外装鍔部71に当接することで放射状に広がる。
押圧円筒部材6の円筒部60に鍔付きスリーブ部材7の挿通スリーブ70を挿入し、円筒部60の内周面60aに形成された凹部64と、挿通スリーブ70の外周面70aに形成された凸部74を係合させ係止機構67を構成させることで、押圧円筒部材6の円筒部60先端に形成されたヒンジ部63が、鍔付きスリーブ部材7の外装鍔部71に当接し、ヒンジ部63が屈曲する。
図10(a)に示すように、押圧円筒部材6の内装鍔部61は矩形状に形成されている。この内装鍔部61の四隅近傍には、それぞれ取付孔61aが設けられている。
図9(b)に示すように、この取付孔61aは、押圧円筒部材6を、構造用合板45(下地合板)に固定するためのビス61Aが挿通される。内装鍔部61の取付孔61aを挿通するビス61Aは、構造用合板45(下地合板)に挿入され押圧円筒部材6を固定している。
押圧円筒部材6の固定方法としては、本実施形態に示すようにビス61Aを用いる他に、押圧円筒部材6の内装鍔部61を当該内装鍔部61の当接面である外壁8の内側面8aに接着剤等を用いて貼付しても良い。
(第2実施形態の取り付け手順)
本実施形態の防水スリーブ構造体9は、建築現場において、以下の手順で取り付けられる。
まず構造用合板45及び断熱材46を施工した状態で、これらに孔48を穿孔し、止水部材3を装着した押圧円筒部材6をビス61Aにより構造用合板45に取り付ける。
次いで、当該孔48と同位置に貫通孔8Cを形成した外壁8を取り付け、外壁8の外側面8b側から押圧円筒部材6の円筒部60に、鍔付きスリーブ部材7の挿通スリーブ70を挿入し、さらに係止機構67を作用させる。
最後に、内壁47を取り付けることにより、壁構造を構成し、外壁8から内壁47まで貫通する防水スリーブ構造体9を形成することができる。
以上のように構成される第2実施形態の防水スリーブ構造体9は、上述した第1実施形態の防水スリーブ構造体5と同様の防水効果を奏することができる。
なお、第2実施形態として示した防水スリーブ構造体9の係止機構67は、第1実施形態の防水スリーブ構造体5においても採用可能であり、その逆も可能である。即ち、第1実施形態において係止機構17を第2実施形態の係止機構67に代えても良く、第2実施形態において係止機構67を第1実施形態の係止機構17に代えても良い。また、係止機構は、鍔付きスリーブ部材2と押圧円筒部材1の互いの位置を保持することができれば、これらの構造は限定されるものではない。加えて、格別な係止機構を備えておらずとも、鍔付きスリーブ部材2と押圧円筒部材1との互いの摩擦力によって、保持させるように構成することもできる。
以上に、本発明の様々な実施形態を説明したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
1、1A、6…押圧円筒部材、2、7…鍔付きスリーブ部材、3…止水部材、4、8…外壁、4A、8C…貫通孔、4Aa…内周面、4a、8a…内側面、4b、8b…外側面、5、9…防水スリーブ構造体、10、60…円筒部、10a、60a…内周面、11、11A、61…内装鍔部(鍔部)、11Aa、11Ab…分割鍔部、11a…欠落部、12…フィン、12a…直線部、12b…湾曲部、13、63…ヒンジ部、13a…第1屈曲片、13b…第2屈曲片、14…螺旋突起、14A…凹部、15…第1溝、16…第2溝、17、67…係止機構、20、70…挿通スリーブ、20a、70a…外周面、21、71…外装鍔部、24…螺旋溝、24A…ストッパ、40、41…防水部、45…構造用合板、46…断熱材、47…内壁、47A…内壁孔、48…孔、61A…ビス、61a…取付孔、64…凹部、64a…直線溝部、64b…収容溝部、64c…段差部、74…凸部

Claims (8)

  1. 構造物の外壁に設けられた貫通孔に、鍔付きスリーブ部材が水密に取り付けられた防水スリーブ構造体であって、
    前記外壁の貫通孔に、前記鍔付きスリーブ部材が挿入され、当該鍔付きスリーブ部材と前記貫通孔の内周面の間に介装された止水部材が、前記鍔付きスリーブ部材に取り付けられた押圧円筒部材により圧縮された構成を有し、
    前記鍔付きスリーブ部材は、挿通スリーブとその縁に形成された外装鍔部を備え、前記貫通孔に前記挿通スリーブが挿通され前記外装鍔部が前記外壁の外側面に当接され、
    前記押圧円筒部材は、前記鍔付きスリーブ部材の挿通スリーブに挿通される円筒部と、当該円筒部の縁に形成され前記鍔付きスリーブ部材の外装鍔部に当接し放射状に広がるヒンジ部と、を備え、
    前記止水部材は、前記ヒンジ部の外周に配置された弾性体であり、
    前記ヒンジ部と前記外装鍔部、並びに前記ヒンジ部と前記貫通孔の内周面の間に前記止水部材が狭まれていることを特徴とする防水スリーブ構造体。
  2. 前記押圧円筒部材が、前記ヒンジ部と反対側の前記円筒部の縁に鍔部を備え、当該鍔部が前記外壁の内側面に当接されたことを特徴とする請求項1に記載の防水スリーブ構造体。
  3. 前記押圧円筒部材の前記鍔部が、前記円筒部の周方向において部分的に突出して形成され、前記押圧円筒部材が前記外壁の貫通孔を通り抜けることができることを特徴とする請求項2に記載の防水スリーブ構造体。
  4. 前記鍔付きスリーブ部材と前記押圧円筒部材には、前記ヒンジ部が前記外装鍔部に当接し放射状に広がった状態で係止する係止機構が設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の防水スリーブ構造体。
  5. 前記係止機構が、前記鍔付きスリーブ部材の挿通スリーブの外周面と前記押圧円筒部材の円筒部の内周面とにそれぞれ設けられた螺旋溝及び螺旋突起であり、
    前記鍔付きスリーブ部材の挿通スリーブを前記押圧円筒部材の円筒部に回転させながら挿入することで前記螺旋溝及び螺旋突起を螺合し係止可能とされたことを特徴とする請求項4に記載の防水スリーブ構造体。
  6. 前記係止機構が、前記鍔付きスリーブ部材の挿通スリーブの外周面と前記押圧円筒部材の円筒部の内周面とのうち何れか一方に形成された凸部と、他方に形成された前記凸部を係止する段差部であり、
    前記鍔付きスリーブ部材の挿通スリーブを前記押圧円筒部材の円筒部に挿入し回転させることで、前記段差部に前記凸部を係止可能とされたことを特徴とする請求項4に記載の防水スリーブ構造体。
  7. 前記押圧円筒部材が、前記円筒部に円周配置され放射状に延出する複数のフィンを備え、
    前記フィンの先端に湾曲部が形成され、当該湾曲部の湾曲方向が、前記係止機構を係止させるための、前記押圧円筒部材に対する前記鍔付きスリーブ部材の回転方向と同方向であることを特徴とする請求項4〜6の何れか一項に記載の防水スリーブ構造体。
  8. 請求項1に記載の防水スリーブ構造体の取り付け方法であって、
    前記止水部材を、前記押圧円筒部材のヒンジ部の外周に配置し、
    前記押圧円筒部材の円筒部を前記外壁の貫通孔に挿入し、
    前記円筒部に前記鍔付きスリーブ部材の挿通スリーブを挿入し、前記外装鍔部を前記外壁の外側面に当接させ、前記ヒンジ部を前記外装鍔部に当接させ放射状に広げることを特徴とする防水スリーブ構造体の取り付け方法。
JP2013170661A 2013-08-20 2013-08-20 防水スリーブ構造体、及び当該防水スリーブ構造体の取り付け方法 Active JP5914431B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013170661A JP5914431B2 (ja) 2013-08-20 2013-08-20 防水スリーブ構造体、及び当該防水スリーブ構造体の取り付け方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013170661A JP5914431B2 (ja) 2013-08-20 2013-08-20 防水スリーブ構造体、及び当該防水スリーブ構造体の取り付け方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015040389A JP2015040389A (ja) 2015-03-02
JP5914431B2 true JP5914431B2 (ja) 2016-05-11

Family

ID=52694711

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013170661A Active JP5914431B2 (ja) 2013-08-20 2013-08-20 防水スリーブ構造体、及び当該防水スリーブ構造体の取り付け方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5914431B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6567474B2 (ja) * 2016-07-27 2019-08-28 古河電気工業株式会社 外壁貫通部の止水構造およびその形成方法
JP6269775B1 (ja) * 2016-10-06 2018-01-31 積水ハウス株式会社 屋外側スリーブ材及び屋外側スリーブ材の固定方法
JP7339050B2 (ja) * 2019-07-29 2023-09-05 株式会社ブリヂストン 壁貫通継手、及び貫通継手の取付方法
JP6950987B2 (ja) * 2020-02-27 2021-10-20 児玉株式会社 換気口用スリーブ管

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4291905A (en) * 1978-12-22 1981-09-29 The Boeing Company Duct seal
JP4233630B2 (ja) * 1998-04-07 2009-03-04 株式会社アルデエンジニアリング 給排気用グリル
JP2000179750A (ja) * 1998-12-14 2000-06-27 Sekisui Chem Co Ltd 螺旋管の取付構造
JP4810019B2 (ja) * 2001-08-14 2011-11-09 ミサワホーム株式会社 鍔付きスリーブの取付構造、鍔付きスリーブ艤装壁パネルおよび鍔付きスリーブ艤装壁パネルの製造方法
JP5132423B2 (ja) * 2008-05-22 2013-01-30 昭男 荒井 貫通ダクト部材とその部材を用いた中空壁のダクト構造
JP2012002434A (ja) * 2010-06-17 2012-01-05 Panasonic Corp 換気用スリーブ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015040389A (ja) 2015-03-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5914431B2 (ja) 防水スリーブ構造体、及び当該防水スリーブ構造体の取り付け方法
JP6265635B2 (ja) 開口部建材
JP4791428B2 (ja) ダクトの接続構造
JP2009281057A (ja) 貫通ダクト部材とその部材を用いた中空壁のダクト構造
JP6590669B2 (ja) 改装窓構造及び改装窓の施工方法
JP6492983B2 (ja) 電子機器の筐体
JP4863986B2 (ja) 貫通ダクトとその貫通ダクトを用いた中空壁のダクト構造
JP5187914B2 (ja) 外壁目地の2重防水構造及び外壁目地の2重防水構造施工方法。
JP2011158158A (ja) フレキシブルダクト用分岐管
JP6482210B2 (ja) 建物のスリーブ貫通部施工構造及び施工方法並びにキャップ材
JP5224406B2 (ja) 配管の壁部貫通構造、配管の壁部貫通部材、および壁部への貫通配管固定方法
JP4478661B2 (ja) 建具
JP2001280659A (ja) パイプファン
JP4601346B2 (ja) ダクト分岐構造
JP2023032098A (ja) 長尺体用カバー
JP5281496B2 (ja) 外壁面へのフードの取付け構造
JP6269775B1 (ja) 屋外側スリーブ材及び屋外側スリーブ材の固定方法
JP2006097392A (ja) プレート等の貫通材が貫通する外壁縦目地の乾式止水構造
JP6135961B1 (ja) スリーブ孔防水構造
JP2007218549A (ja) 換気器具
JP2003235131A (ja) グロメット
JP2008116054A (ja) 配管カバー装置
JP2019100485A (ja) 壁部貫通部材、壁部貫通部材の固定構造およびその固定方法
JP4887215B2 (ja) 板材の締結クリップ、接合構造及び段ボールダクト
KR200399687Y1 (ko) 배관용 이음장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150401

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160223

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160308

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160404

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5914431

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150