JP5914431B2 - 防水スリーブ構造体、及び当該防水スリーブ構造体の取り付け方法 - Google Patents
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Description
この貫通孔には、一般的に、貫通孔を覆うスリーブ部材が設けられ、このスリーブ部材によって貫通孔が保護されている。このとき、外壁の貫通孔とスリーブ部材との間は、防水性が保たれている必要があり、貫通孔とスリーブ部材の間はコーキングによって防水処理を行うことが一般的である。
例えば、特許文献1には、外周に螺旋溝が形成された螺旋管を構造物の壁に挿通し、前記螺旋溝に螺合する固定リングによって、壁面に弾性シール部材を狭圧し水密にシールする構造が開示されている。
また、特許文献2には、壁本体の表面に外装材が取り付けられた壁において、前記壁本体と外装材の間に鍔が介装されるように鍔付きスリーブ部材を取り付け、前記鍔と壁本体の間に、水密材(シール部材)を挟み圧縮させることで水密にシールする構造が開示されている。
穿孔した貫通孔の内周面は、塗装などが施されていないため、貫通孔の内周面に水が浸入しないように防水を行う必要がある。したがって、特許文献1に記載の技術を適用するにあたって、外壁の外側面から防水を行う必要がある。しかしながら、外壁は意匠面となっているためその表面は一般的に平滑ではなく、この技術を外壁に適用することは困難であった。
また、特許文献2に記載の技術は、壁本体の表面にさらに外装材を設ける場合においては、適用可能であるが、壁本体と外装材が一体化した構造に対して水密材(シール部材)を介装することができず、当該技術を適用することができなかった。
(1) 構造物の外壁に設けられた貫通孔に、鍔付きスリーブ部材が水密に取り付けられた防水スリーブ構造体であって、
前記外壁の貫通孔に、前記鍔付きスリーブ部材が挿入され、当該鍔付きスリーブ部材と前記貫通孔の内周面の間に介装された止水部材が、前記鍔付きスリーブ部材に取り付けられた押圧円筒部材により圧縮された構成を有し、
前記鍔付きスリーブ部材は、挿通スリーブとその縁に形成された外装鍔部を備え、前記貫通孔に前記挿通スリーブが挿通され前記外装鍔部が前記外壁の外側面に当接され、
前記押圧円筒部材は、前記鍔付きスリーブ部材の挿通スリーブに挿通される円筒部と、当該円筒部の縁に形成され前記鍔付きスリーブ部材の外装鍔部に当接し放射状に広がるヒンジ部と、を備え、
前記止水部材は、前記ヒンジ部の外周に配置された弾性体であり、
前記ヒンジ部と前記外装鍔部、並びに前記ヒンジ部と前記貫通孔の内周面の間に前記止水部材が狭まれていることを特徴とする防水スリーブ構造体。
(2) 前記押圧円筒部材が、前記ヒンジ部と反対側の前記円筒部の縁に鍔部を備え、当該鍔部が前記外壁の内側面に当接されたことを特徴とする(1)に記載の防水スリーブ構造体。
(3) 前記押圧円筒部材の前記鍔部が、前記円筒部の周方向において部分的に突出して形成され、前記押圧円筒部材が前記外壁の貫通孔を通り抜けることができることを特徴とする(2)に記載の防水スリーブ構造体。
(4) 前記鍔付きスリーブ部材と前記押圧円筒部材には、前記ヒンジ部が前記外装鍔部に当接し放射状に広がった状態で係止する係止機構が設けられていることを特徴とする(1)〜(3)の何れか一項に記載の防水スリーブ構造体。
(5) 前記係止機構が、前記鍔付きスリーブ部材の挿通スリーブの外周面と前記押圧円筒部材の円筒部の内周面とにそれぞれ設けられた螺旋溝及び螺旋突起であり、
前記鍔付きスリーブ部材の挿通スリーブを前記押圧円筒部材の円筒部に回転させながら挿入することで前記螺旋溝及び螺旋突起を螺合し係止可能とされたことを特徴とする(4)に記載の防水スリーブ構造体。
(6) 前記係止機構が、前記鍔付きスリーブ部材の挿通スリーブの外周面と前記押圧円筒部材の円筒部の内周面とのうち何れか一方に形成された凸部と、他方に形成された前記凸部を係止する段差部であり、
前記鍔付きスリーブ部材の挿通スリーブを前記押圧円筒部材の円筒部に挿入し回転させることで、前記段差部に前記凸部を係止可能とされたことを特徴とする(4)に記載の防水スリーブ構造体。
(7) 前記押圧円筒部材が、前記円筒部に円周配置され放射状に延出する複数のフィンを備え、
前記フィンの先端に湾曲部が形成され、当該湾曲部の湾曲方向が、前記係止機構を係止させるための、前記押圧円筒部材に対する前記鍔付きスリーブ部材の回転方向と同方向であることを特徴とする(4)〜(6)の何れか一項に記載の防水スリーブ構造体。
(8) (1)に記載の防水スリーブ構造体の取り付け方法であって、
前記止水部材を、前記押圧円筒部材のヒンジ部の外周に配置し、
前記押圧円筒部材の円筒部を前記外壁の貫通孔に挿入し、
前記円筒部に前記鍔付きスリーブ部材の挿通スリーブを挿入し、前記外装鍔部を前記外壁の外側面に当接させ、前記ヒンジ部を前記外装鍔部に当接させ放射状に広げることを特徴とする防水スリーブ構造体の取り付け方法。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴部分を強調する目的で、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、同様の目的で、特徴とならない部分を省略して図示している場合がある。
図1(a)に、本発明の一例であり、構造物の外壁4に設けられた貫通孔4Aに取り付けられる第1実施形態の防水スリーブ構造体5の断面図を示す。また、図1(b)に、図1(a)において、防水スリーブ構造体5と外壁4の貫通孔4Aの間に形成される防水部40の拡大図を示す。
鍔付きスリーブ部材2は、外壁4の貫通孔4Aに挿通される挿通スリーブ20と、当該挿通スリーブ20の縁に形成され外壁4の外側面4bに当接する外装鍔部21を有している。また、貫通孔4Aの内部であって、鍔付きスリーブ部材2の外装鍔部21近傍には、止水部材3が、押圧円筒部材1によって圧縮された状態で設けられている。押圧円筒部材1と鍔付きスリーブ部材2とは、それぞれ螺旋突起14、及び螺旋溝24を有し、これらが螺合し係止機構17を構成することによって互いの位置が保持されている。
内壁47は、例えば石膏ボード等からなり、建築物の室内空間を形成する壁である。構造用合板45は、建築物の剛性・強度を確保するために設けられている。断熱材46は、建築物の外部と内部とを断熱するためのものであり、一般的には、グラスファイバーが採用される。
鍔付きスリーブ部材2の挿通スリーブ20は、これら構造用合板45、断熱材46及び内壁47を貫通し、内壁47の内側(即ち室内空間)まで延びて、室外と室内を連通している。
図2(a)に示す鍔付きスリーブ部材2は、挿通スリーブ20と、当該挿通スリーブ20の縁に形成された円形の外装鍔部21とから概略構成されている。
鍔付きスリーブ部材2は、図1(a)、(b)に示すように、外装鍔部21を構造物の外壁4の外側面4bに当接させ、挿通スリーブ20を、外壁4の貫通孔4Aに挿通させて取り付けられる。したがって、円形の外装鍔部21の外径は、貫通孔4Aの内径に対して十分大きく形成されている。また、挿通スリーブ20の長さは、壁全体(外壁4、構造用合板45、断熱材46、内壁47)の厚さと同じか若干長く形成され、壁全体を貫通している。
また、後段において説明する押圧円筒部材1の内装鍔部11(鍔部)と、鍔付きスリーブ部材2の外装鍔部21とで、外壁4の内側面4aと外側面4bを挟み込むようにして挟持されている。
図2(b)に螺旋溝24の外装鍔部21側終端部近傍を拡大して示す。螺旋溝24の終端部近傍には、溝底がせりあがって溝が一部途切れる様に形成されたストッパ24Aが設けられている。このストッパ24Aは、後段において説明する螺旋突起14の終端部近傍に設けられた凹部14A(図3(b)参照)に嵌め合わされる。
図3(a)に示す押圧円筒部材1は、円筒部10と、当該円筒部10の一方の縁に形成される円形の内装鍔部11(鍔部)と、他方の縁に形成されるヒンジ部13と、円筒部10の外周であって内装鍔部11との間にリブ状に複数形成されたフィン12と、から概略構成される。
なお、本実施形態の螺旋突起14及び螺旋溝24は、二重螺旋として形成された二条螺子であり、それぞれの螺旋軌道の終端に凹部14A又はストッパ24Aが設けられている。
また、本実施形態においては、鍔付きスリーブ部材2の挿通スリーブ20外周面20aに螺旋溝24が形成され、押圧円筒部材1の円筒部10内周面10aに螺旋突起14が形成されている。しかしながら、これらのうち一方に螺旋状の溝が形成され他方に螺旋状の突起が形成されこれらが螺子山、螺子溝の関係となっていれば、何れに溝及び突起が形成されていても良い。
第1溝15は、円筒部10とヒンジ部13の第1屈曲片13aを区画するように円周方向に沿って形成されている。この第1溝15の溝断面における壁面15a、15aは、それぞれ傾斜して形成されている。これら壁面15a、15aのなす角度を90°以上とすることにより、第1屈曲片13aが、円筒部10に対し外側に90°程度折れ曲がることができる。
ヒンジ部13の第2溝16は、ヒンジ部13の第1屈曲片13aと第2屈曲片13bを区画するように円周方向に沿って形成されている。この第2溝16の溝断面における壁面16a、16aが互いに平行に形成されている。
図6に示す止水部材3は、所定の厚みを有する円筒形に形成された弾性体であり、その軸方向の長さは、前記押圧円筒部材1のヒンジ部13の長さよりと同じか若干長く形成されている。
止水部材3は、円筒形に成形されたものを用いる事が望ましいが、帯状の弾性体の端部同士を接着することで接続し円筒状に形成したものを用いても良い。
止水部材3は、パッキンとして機能するものであれば、その材料を限定されるものではなく、例えばゴム材料、エラストマ―樹脂等を使用することができる。特に、水分を吸収して膨張する性質を有する吸水性ウレタンフォームを用いる事が好ましい。
図7(a)〜(d)を基に、上記の押圧円筒部材1、鍔付きスリーブ部材2、止水部材3を組み合わせて、構造物の外壁4に防水スリーブ構造体5を形成する手順を説明する。
まず、図7(a)に示すように、押圧円筒部材1のヒンジ部13に、当該ヒンジ部13の外周を覆うように円環状の止水部材3を装着する。
これによって、鍔付きスリーブ部材2の外装鍔部21と、貫通孔4Aの間を水密に塞ぐことができる。
以上の手順を経ることにより、本実施形態の防水スリーブ構造体5を取り付け、外壁4の貫通孔4Aと鍔付きスリーブ部材2の間に水分が浸入しないように防水処理することができる。
この防水スリーブ構造体5は、パネル工法に適用するにあたって、上記手順に従い予め外壁4に防水スリーブ構造体5を取り付けた状態とし、建築現場において構造用合板45及び断熱材46が取り付けられた壁面に防水スリーブ構造体5を備えた外壁4を取り付け、さらに、内壁47を取り付けることにより、壁構造を構成し、外壁4から内壁47まで貫通する防水スリーブ構造体5を形成することができる。
なお、この組み立て手順において、外壁4を取り付ける前の工程として、構造用合板45及び断熱材46を穿孔し、貫通孔4Aと同位置に孔48を形成しておく。また、内壁47には、予め貫通孔4Aと同位置に内壁孔47Aを形成しておく。
即ち、この防水スリーブ構造体5は、外壁4の種類(例えば、窯業系サイディング材、塗り壁(モルタル)、タイル、ALCパネル等が挙げられる)を問わず採用可能である。
また、作業者の技量に性能を依存しやすいコーキング処理を行う必要がなく、だれが施工を行っても安定した防水性を確保することができる。
図8(a)、(b)に、上段に説明した第1実施形態の防水スリーブ構造体5に採用可能な変形例の押圧円筒部材1Aの斜視図及び正面図を示す。なお、上述の第1実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
変形例の押圧円筒部材1Aは、第1実施形態の押圧円筒部材1と比較して、その内装鍔部11Aの形状が異なる。
即ち、押圧円筒部材1Aの内装鍔部11Aは欠落部11a、11aにより、貫通孔4Aの直径より幅狭となっている。
図8(c)に示すように、貫通孔4Aの中心軸に対して、押圧円筒部材1Aの円筒部10の中心軸が直行するように、押圧円筒部材1Aを配置した場合、押圧円筒部材1Aの投影面積は、貫通孔4Aに内包される。したがって、押圧円筒部材1Aは、貫通孔4Aを通り抜けることができる。なお、押圧円筒部材1Aは、屈曲可能なヒンジ部13を有しており、当該ヒンジ部13を円筒部10の内方に折り曲げた状態において、押圧円筒部材1Aの投影面積が、貫通孔4Aに内包されていれば、押圧円筒部材1Aは、貫通孔4Aを通り抜けることができる。
これに対して、本変形例の押圧円筒部材1Aは、内装鍔部11Aが円筒部10の周方向において部分的に突出して形成され、貫通孔4Aを通り抜けることができるため、外壁4を壁面として設置した後であっても、図1(a)に示す防水スリーブ構造体5を構成することができる。
図9(a)に第2実施形態の防水スリーブ構造体9の断面図を示す。また、図11(b)に、図9(a)において、防水スリーブ構造体9と外壁8の貫通孔8Cの間に形成される防水部41の拡大図を示す。なお、上述の第1実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
第2実施形態の防水スリーブ構造体9は、第1実施形態と比較して、押圧円筒部材6と鍔付きスリーブ部材7を保持する係止機構67の構成と、押圧円筒部材6の壁構造への取り付け構造が異なる。
本実施形態においては、押圧円筒部材6と鍔付きスリーブ部材7とは、それぞれ凹部64と凸部74を有し、これらが係合し係止機構67を構成することによって互いの位置が保持されている。
図10(a)に、第2実施形態の防水スリーブ構造体9の押圧円筒部材6と鍔付きスリーブ部材7を示す。また、押圧円筒部材6のヒンジ部63の外周には、第1実施形態と同様に、止水部材3(二点鎖線で表示)が装着される。
図10(a)に示す鍔付きスリーブ部材7は、挿通スリーブ70と、当該挿通スリーブ70の縁に形成された円形の外装鍔部71とから概略構成されている。
鍔付きスリーブ部材7は、図9(a)、(b)に示すように、外装鍔部71を構造物の外壁8の外側面8bに当接させ、挿通スリーブ70を、外壁8の貫通孔8Cに挿通させて取り付けられる。また、押圧円筒部材6の内装鍔部61(鍔部)と、鍔付きスリーブ部材7の外装鍔部71とで、外壁8の内側面8aと外側面8bを挟み込むようにして挟持されている。
図10(b)に、この凸部74の拡大図を示す。凸部74は、挿通スリーブ70の外周面70aからその半径方向に突出して形成されている。また、この凸部74は矩形状を有しており、凸部74は、後段において説明する押圧円筒部材6の凹部64と係合させることができる。
図10(a)に示す押圧円筒部材6は、円筒部60と、当該円筒部60の一方の縁に形成される矩形の内装鍔部61(鍔部)と、他方の縁に形成されるヒンジ部63とから概略構成される。
第1実施形態と同様に、円筒部60の内径は、鍔付きスリーブ部材7の挿通スリーブ70の外径に対し若干大きく形成されており、前記挿通スリーブ70を円筒部60に挿入することができる。
また、本実施形態においては、円筒部60の内周面60aには、前記挿通スリーブ70の外周面70aに設けられた4つの凸部74と係合可能な4つの凹部64が設けられており、これらを係合させることで係止機構67を構成し、鍔付きスリーブ部材7と押圧円筒部材6を固定することができる。
押圧円筒部材6に対し鍔付きスリーブ部材7を直線的に挿入することで、凸部74が凹部64の直線溝部64aの内部を移動し当該直線溝部64aの終端部に達する。ここで押圧円筒部材6に対し鍔付きスリーブ部材7を回転させることで、凸部74が収容溝部64bに導入され、押圧円筒部材6と鍔付きスリーブ部材7とを固定させることができる。
係止機構67において、凸部74は、凹部64の収容溝部64bにおいて、ヒンジ部63側に位置する段差部64cと当接し係止されている。これにより、ヒンジ部63によって圧縮された止水部材3の緊迫力に対抗して、押圧円筒部材6と鍔付きスリーブ部材7の互いの位置を保持している。
押圧円筒部材6の円筒部60に鍔付きスリーブ部材7の挿通スリーブ70を挿入し、円筒部60の内周面60aに形成された凹部64と、挿通スリーブ70の外周面70aに形成された凸部74を係合させ係止機構67を構成させることで、押圧円筒部材6の円筒部60先端に形成されたヒンジ部63が、鍔付きスリーブ部材7の外装鍔部71に当接し、ヒンジ部63が屈曲する。
図9(b)に示すように、この取付孔61aは、押圧円筒部材6を、構造用合板45(下地合板)に固定するためのビス61Aが挿通される。内装鍔部61の取付孔61aを挿通するビス61Aは、構造用合板45(下地合板)に挿入され押圧円筒部材6を固定している。
押圧円筒部材6の固定方法としては、本実施形態に示すようにビス61Aを用いる他に、押圧円筒部材6の内装鍔部61を当該内装鍔部61の当接面である外壁8の内側面8aに接着剤等を用いて貼付しても良い。
本実施形態の防水スリーブ構造体9は、建築現場において、以下の手順で取り付けられる。
まず構造用合板45及び断熱材46を施工した状態で、これらに孔48を穿孔し、止水部材3を装着した押圧円筒部材6をビス61Aにより構造用合板45に取り付ける。
次いで、当該孔48と同位置に貫通孔8Cを形成した外壁8を取り付け、外壁8の外側面8b側から押圧円筒部材6の円筒部60に、鍔付きスリーブ部材7の挿通スリーブ70を挿入し、さらに係止機構67を作用させる。
最後に、内壁47を取り付けることにより、壁構造を構成し、外壁8から内壁47まで貫通する防水スリーブ構造体9を形成することができる。
なお、第2実施形態として示した防水スリーブ構造体9の係止機構67は、第1実施形態の防水スリーブ構造体5においても採用可能であり、その逆も可能である。即ち、第1実施形態において係止機構17を第2実施形態の係止機構67に代えても良く、第2実施形態において係止機構67を第1実施形態の係止機構17に代えても良い。また、係止機構は、鍔付きスリーブ部材2と押圧円筒部材1の互いの位置を保持することができれば、これらの構造は限定されるものではない。加えて、格別な係止機構を備えておらずとも、鍔付きスリーブ部材2と押圧円筒部材1との互いの摩擦力によって、保持させるように構成することもできる。
Claims (8)
- 構造物の外壁に設けられた貫通孔に、鍔付きスリーブ部材が水密に取り付けられた防水スリーブ構造体であって、
前記外壁の貫通孔に、前記鍔付きスリーブ部材が挿入され、当該鍔付きスリーブ部材と前記貫通孔の内周面の間に介装された止水部材が、前記鍔付きスリーブ部材に取り付けられた押圧円筒部材により圧縮された構成を有し、
前記鍔付きスリーブ部材は、挿通スリーブとその縁に形成された外装鍔部を備え、前記貫通孔に前記挿通スリーブが挿通され前記外装鍔部が前記外壁の外側面に当接され、
前記押圧円筒部材は、前記鍔付きスリーブ部材の挿通スリーブに挿通される円筒部と、当該円筒部の縁に形成され前記鍔付きスリーブ部材の外装鍔部に当接し放射状に広がるヒンジ部と、を備え、
前記止水部材は、前記ヒンジ部の外周に配置された弾性体であり、
前記ヒンジ部と前記外装鍔部、並びに前記ヒンジ部と前記貫通孔の内周面の間に前記止水部材が狭まれていることを特徴とする防水スリーブ構造体。 - 前記押圧円筒部材が、前記ヒンジ部と反対側の前記円筒部の縁に鍔部を備え、当該鍔部が前記外壁の内側面に当接されたことを特徴とする請求項1に記載の防水スリーブ構造体。
- 前記押圧円筒部材の前記鍔部が、前記円筒部の周方向において部分的に突出して形成され、前記押圧円筒部材が前記外壁の貫通孔を通り抜けることができることを特徴とする請求項2に記載の防水スリーブ構造体。
- 前記鍔付きスリーブ部材と前記押圧円筒部材には、前記ヒンジ部が前記外装鍔部に当接し放射状に広がった状態で係止する係止機構が設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の防水スリーブ構造体。
- 前記係止機構が、前記鍔付きスリーブ部材の挿通スリーブの外周面と前記押圧円筒部材の円筒部の内周面とにそれぞれ設けられた螺旋溝及び螺旋突起であり、
前記鍔付きスリーブ部材の挿通スリーブを前記押圧円筒部材の円筒部に回転させながら挿入することで前記螺旋溝及び螺旋突起を螺合し係止可能とされたことを特徴とする請求項4に記載の防水スリーブ構造体。 - 前記係止機構が、前記鍔付きスリーブ部材の挿通スリーブの外周面と前記押圧円筒部材の円筒部の内周面とのうち何れか一方に形成された凸部と、他方に形成された前記凸部を係止する段差部であり、
前記鍔付きスリーブ部材の挿通スリーブを前記押圧円筒部材の円筒部に挿入し回転させることで、前記段差部に前記凸部を係止可能とされたことを特徴とする請求項4に記載の防水スリーブ構造体。 - 前記押圧円筒部材が、前記円筒部に円周配置され放射状に延出する複数のフィンを備え、
前記フィンの先端に湾曲部が形成され、当該湾曲部の湾曲方向が、前記係止機構を係止させるための、前記押圧円筒部材に対する前記鍔付きスリーブ部材の回転方向と同方向であることを特徴とする請求項4〜6の何れか一項に記載の防水スリーブ構造体。 - 請求項1に記載の防水スリーブ構造体の取り付け方法であって、
前記止水部材を、前記押圧円筒部材のヒンジ部の外周に配置し、
前記押圧円筒部材の円筒部を前記外壁の貫通孔に挿入し、
前記円筒部に前記鍔付きスリーブ部材の挿通スリーブを挿入し、前記外装鍔部を前記外壁の外側面に当接させ、前記ヒンジ部を前記外装鍔部に当接させ放射状に広げることを特徴とする防水スリーブ構造体の取り付け方法。
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