JP5913026B2 - 放射性セシウムを含んだ焼却灰の無害化処理方法及び装置 - Google Patents

放射性セシウムを含んだ焼却灰の無害化処理方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、放射性セシウムを含んだ大量の焼却灰を効率良く無害化処理できる方法及び装置に関する。
都市ごみや下水汚泥などの廃棄物を焼却処理する焼却施設から排出される焼却灰をセメント原料として再資源化する技術が開発されている。しかし、近年、福島で起こった原子力発電所の事故の影響で、東京都内及び東日本で放射性セシウムが下水汚泥等から検出されるようになった。これを除染しなければ、従来のように、焼却灰をセメントに混ぜて処理する再資源化方法を採用できない。また、住民の健康に対する影響も懸念され、焼却施設には汚染された焼却灰が処理されずに大量に一次保管されており、その対策がきわめて急務である。
特許文献1には、放射性成分を含むスラッジ又はドレンに対し、酸性水溶液を用いて放射性成分を抽出し除去する技術が開示されている。特許文献2には、放射性セシウムを含む廃液を粉体とし、SiOを主成分とする助剤を混ぜて溶融させ、固化体とする処理方法が開示されている。特許文献3には、放射性セシウムを液体中で捕捉する磁性複合粒子と、この磁性複合粒子を集積する磁力集積手段とを備え、液体中の放射性セシウムを除去する除染技術が開示されている。
特開平3−26999号公報 特開2002−257984号公報 特許第4932054号公報
特許文献1に開示された処理方法は、放射性成分を抽出し分離した後の酸性水溶液をアルカリ剤で中和させ、水酸化物と水を生成させる。そして、生成した水を外部に放出する開放系の処理系統を有しているので、大量の酸性水溶液を必要とすると共に、放出される水の放射能濃度を基準値以下とするため、中和処理を何回も行う必要があり、大量のスラッジ又はドレンを効率良く処理できない。特許文献2に開示された処理方法は、この方法で大量の焼却灰を処理した場合、大量の固化体ができ、この保管場所を確保することは困難である。また、特許文献3に開示された処理方法は、液中の放射性セシウムの除染を目的としており、焼却灰の除染とは目的が異なる。
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、焼却施設で発生する放射性セシウムを含む焼却灰を効率良くかつ短時間で、しかも焼却施設を大規模化することなく除染可能にすることを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明の無害化処理方法は、PHが5以下の酸性水溶液が貯留された複数の洗浄槽を用意し、放射性セシウムを含んだ焼却灰を最上流側洗浄槽から下流側洗浄槽に順次に浸漬し、放射性セシウムを酸性水溶液に溶出させるセシウム抽出工程と、最上流側洗浄槽から排出した酸性水溶液に含まれる重金属成分を凝集沈殿させ、酸性水溶液から除去する重金属成分除去工程と、重金属成分を除去した後の酸性水溶液に含まれる放射性セシウムを吸着剤に吸着させ、放射性セシウムを酸性水溶液から分離するセシウム分離工程と、放射性セシウムが分離された酸性水溶液のPHを調整した後、最下流側洗浄槽に戻し、かつ最流側洗浄槽から上流側洗浄槽に順々に循環させる酸性水溶液循環工程とからなる。
下水汚泥や都市ごみを主とした廃棄物の焼却灰では、放射性セシウムは、アルミノシリケート化合物、例えばCsAlSiO,CsAlSi、CsAlSi12等の固溶体として存在する。そのため、水に解けにくく、水洗処理では放射性セシウムを抽出できない。本発明方法では、最上流側洗浄槽から排出される酸性水溶液を調整して全量再循環する閉鎖系経路を構成しているので、放射性セシウムの外部への漏洩を防止できると共に、酸性水溶液の消費量を低減できる。また、酸性水溶液を貯留した複数の洗浄槽で複数回に亘りアルミノシリケート化合物を溶解させ、放射性セシウムを酸性水溶液に溶出させることで、放射性セシウムの抽出効果を向上できる。
さらに、焼却灰を上流側洗浄槽から下流側洗浄槽へ順々に投入し、一方、酸性水溶液を下流側洗浄槽から上流側洗浄槽へ順々に投入するため、放射性セシウムの溶出が進行した下流側洗浄槽で、酸性水溶液の酸性度を上流側洗浄槽より高くできるので、放射性セシウムの溶出効果を向上できる。また、複数の洗浄槽に対して、酸性水溶液の補給経路を夫々1系統とすることができるので、設備費を節減できる。
また、セシウム分離工程では、放射性セシウムのみを吸着剤に吸着させ、酸性水溶液と分離しているので、放射性セシウムを減容化でき、保管場所のスペースを低減できる。吸着剤として、例えば、ゼオライトや無機イオン交換体等を用いることができる。
本発明方法において、セシウム抽出工程の前に、焼却灰を水洗いし、焼却灰中のアルカリ成分の一部を予め除去する水洗工程を付加するとよい。水洗工程で焼却灰中のアルカリ成分の一部を予め除去できるので、後工程のセシウム抽出工程で、酸性水溶液の消費量を低減できる。
本発明方法において、複数の洗浄槽のうち少なくとも最上流側洗浄槽に貯留された酸性水溶液を室温〜100℃、好ましくは、95±5℃の温度に制御するとよい。これによって、放射性セシウムの溶出速度を増加させ、焼却灰の処理効率を高めることができると共に、洗浄槽の容積低減の作用効果を得ることができる。
本発明方法の実施に直接使用可能な本発明の無害化処理装置は、PHが5以下の酸性水溶液が貯留された複数の洗浄槽と、放射性セシウムを含んだ焼却灰を複数の洗浄槽のうち上流側の洗浄槽から順に浸漬させる搬送装置と、最上流側洗浄槽から排出された酸性水溶液を調整して最下流側洗浄槽に戻し、かつ最下流側洗浄槽から上流側洗浄槽へ順々に循環する閉鎖系再循環路とを備え、閉鎖系再循環路に、最上流側洗浄槽から排出された酸性水溶液に含まれる重金属成分を凝集沈殿させ、酸性水溶液から分離させる凝集沈殿槽と、放射性セシウムを吸着する吸着剤が充填され、前記凝集沈殿槽で重金属成分が分離された酸性水溶液から放射性セシウムを吸着分離するセシウム吸着塔と、前記セシウム吸着塔で放射性セシウムが分離された酸性水溶液のPHを調整する調整槽とを介設してなる。
本発明装置を用いることで、本発明方法の実施が可能となり、前述の本発明方法と同様の作用効果を得ることができる。
本発明装置において、酸液貯留槽と、酸液貯留槽から酸性水溶液調整槽に酸液を供給する第1のポンプ付き配管と、最上流側洗浄槽に貯留された酸性水溶液のPHを検出するPHセンサと、PHセンサの検出信号が入力され、該検出信号に基づいて第1のポンプの酸液供給量を制御するPH制御装置とをさらに備えているとよい。このように、最上流側洗浄槽の酸性水溶液の酸性度をPH5以下に調整することで、下流側洗浄槽の酸性水溶液のPHを確実に5以下に保持できる。そのため、最上流側洗浄槽のみのPH制御で、すべての洗浄槽の放射性セシウムの溶出効果を維持でき、酸性水溶液のPH制御が容易になる。
本発明装置において、放射性セシウムを含んだ焼却灰を水洗いし、焼却灰中のアルカリ成分の一部を予め除去する水洗槽をさらに備え、水洗槽で水洗いした後の焼却灰を最上流側洗浄槽に浸漬するようにするとよい。これによって、水洗工程で焼却灰中のアルカリ成分の一部を予め除去できるので、後工程のセシウム抽出工程で、酸性水溶液の消費量を低減できる。
本発明装置において、複数の洗浄槽のうち少なくとも最上流側洗浄槽が、酸性水溶液貯留域を囲うジャケットと、貯留された酸性水溶液の温度を検出する温度センサとを有し、ジャケットに熱媒体を供給する第2のポンプ付き配管と、温度センサの検出信号が入力され、該検出信号に基づいて第2のポンプの熱媒体供給量を制御する温度制御装置とをさらに備えているとよい。これによって、洗浄槽に貯留された酸性水溶液を加熱できるので、放射性セシウムの溶出作用を促進できる。そのため、セシウム抽出工程に要する時間を短縮でき、大量の焼却灰を効率良く無害化処理できる。
本発明によれば、酸性水溶液を再循環する閉鎖系経路を構成しているので、放射性セシウムの外部への漏洩を防止できると共に、酸性水溶液の消費量を低減できる。また、焼却施設で発生する放射性セシウムを含む焼却灰を効率良くかつ短時間で大量に無害化でき、しかも焼却施設の規模を大きくする必要がないので、設備費の増大を招かない。
本発明の第1実施形態に係る無害化処理装置の系統図である。 第1実施形態において、酸性水溶液に溶出した放射性セシウムの濃度を示す線図である。 本発明の第2実施形態に係る無害化処理装置の系統図である。 本発明の第3実施形態に係る無害化処理装置の系統図である。 本発明の第4実施形態に係る無害化処理装置の系統図である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
(実施形態1)
本発明の第1実施形態を図1に基づいて説明する。下水汚泥や都市ごみは焼却施設の焼却炉で焼却される。図1に示す本実施形態の無害化処理装置10Aは焼却施設に設けられている。図1において、焼却炉で焼却され、放射性セシウムを含み、下水汚泥や都市ごみの焼却灰を主とする焼却灰aは、一旦投入ホッパ12に投入された後、投入ホッパ12から磁力選別装置14に投入される。磁力選別装置14で、焼却灰aに混じった比較的大型の金属類Mが焼却灰aから分離される。磁力選別装置14の下流側には、第1洗浄槽16a及び第2洗浄槽16bが設けられている。
第1洗浄槽16a及び第2洗浄槽16bには、PH<5に調整された希硫酸sが貯留されている。磁力選別装置14で金属類Mが除去された焼却灰aは、まず第1洗浄槽16aに投入される。焼却灰aに含まれる放射性セシウムは、アルミノシリケート化合物などの固溶体として存在するため、水洗処理では除去できない。そこで、本実施形態では、焼却灰aを希硫酸sに浸漬することで、固溶体を溶解させ、放射性セシウムを希硫酸中に溶出させる。
第1洗浄槽16a及び第2洗浄槽16bの底部には、バケットコンベア18a及び18bが設けられている。第1洗浄槽16aに投入された焼却灰aは、バケットコンベア18a上に沈殿し、バケットコンベア18aによって出口20aまで搬送される。焼却灰aは出口20aから第2洗浄槽16bに投入される。第2洗浄槽16bでも同様に希硫酸sで焼却灰aに含まれる固溶体が希硫酸sで溶解され、固溶体中に未だ残っている放射性セシウムは希硫酸中に溶出する。放射性セシウムが溶出した後の焼却灰は、バケットコンベア18bで出口20bまで運ばれ、出口20bから脱水機22に投入される。
脱水機22は、例えばフィルタープレスやベルトプレス、スクリュープレス、遠心脱水機等で構成されている。脱水機22で脱水処理された焼却灰は、灰ピット24に運ばれ、除染灰としてセメント原料等に利用される。焼却灰から分離された希硫酸sは、管路26を介して一旦排酸槽28に貯留された後、管路30を介して再び第2洗浄槽16bに送られ再利用される。なお、本実施形態では、洗浄槽を2槽としているが、3槽以上設けてもよい。
一方、第1洗浄槽16aで、放射性セシウムが溶出した希硫酸sの一部は、管路32を介して凝集沈殿槽34に送られる。凝集沈殿槽34では、凝集剤が投入され、この凝集作用によって希硫酸sに含まれる重金属成分、例えば、Pd、Cr、Cd、Hg、As等及び浮遊懸濁物が凝集し、凝集沈殿槽34の底部に沈殿する。重金属成分等の沈殿物はスラッジピット36に集められる。重金属成分等が分離された希硫酸sは、管路38を介して一旦処理液槽40に貯留される。処理液槽40に貯留された希硫酸sは、管路42を介してセシウム吸着塔44に送られる。
セシウム吸着塔44には、吸着剤44aが充填され、希硫酸sに溶出した放射性セシウムは吸着剤44aに吸着される。吸着剤として、例えば、天然ゼオライト(モルデナイト、クリノプチロライト、チャバサイト等)、合成ゼオライト(結晶性ケイチタン酸塩など)、フェロシアン化物(フェロシアン化コバルト、フェロシアン化鉄等)、層状ケイ酸塩(モンモリロナイト、ベントナイト、バーミキュライト等)、活性炭、イオン交換樹脂等を用いることができる。
セシウム吸着塔44で放射性セシウムが除去された後の希硫酸sは、管路46を介して一旦調整槽48に貯留される。調整槽48では希硫酸sの液質調整が行われる。即ち、夾雑物が混じった希硫酸sは排水路50から排出され、代わりに補給水wが管路52から補給される。また、硫酸タンク54から管路56を介して硫酸が補給される。こうして調整槽48で液質調整された希硫酸sは、管路58を介して第2洗浄槽16bに送られる。第2洗浄槽16bの希硫酸sの一部は、管路59を介して徐々に第1洗浄槽16aに送られる。こうして、第1洗浄槽16aから排出された希硫酸sが再調整されて第2洗浄槽16bに戻る閉鎖系再循環路60が形成されている。
管路56にはポンプ62が設けられている。また、第1洗浄槽16aには、貯留された希硫酸sのPHを計測するPHセンサ64が設けられている。そして、PH制御装置66にPHセンサ64の検出信号が入力される。PH制御装置66は、PHセンサ64の検出信号に基づいてポンプ62の硫酸供給量を制御し、第1洗浄槽16aの希硫酸sのPHが5以下となるように制御する。
本実施形態によれば、第1洗浄槽16aから排出される希硫酸sを調整して第2洗浄槽16bに全量再循環する閉鎖系経路60を構成しているので、放射性セシウムの外部への漏洩を防止できると共に、希硫酸sの消費量を低減できる。また、希硫酸sを貯留した2槽の洗浄槽16a、16bで2回に亘りアルミノシリケート化合物を溶解させるようにしているので、放射性セシウムの溶出効果を向上できる。また、焼却灰aと希硫酸sの洗浄槽への投入順序を逆にしているので、希硫酸sのPHが高い第2洗浄槽16bで、第1洗浄槽16aで溶解が進んだアルミノシリケート化合物を効率良く溶解できる。そのため、放射性セシウムを効率良く希硫酸sに抽出できる。
また、PH制御装置48で第1洗浄槽16aの希硫酸sの酸性度をPH5以下に調整しているので、第2洗浄槽16bの希硫酸sのPHを確実に5以下に保持できる。これによって、第1洗浄槽16aのみのPH制御で、すべての洗浄槽で放射性セシウムの溶出効果を維持でき、PH制御が容易になる。また。2基の洗浄槽に対して、焼却灰aの投入経路及び希硫酸sの補給経路を夫々1系統とすることができるので、設備を最小限にでき、設備費を節減できる。さらに、セシウム吸着塔44で、放射性セシウムのみを吸着剤44aに吸着させるようにしているので、汚染物を減容化でき、保管場所のスペースを低減できる。
図2は、希硫酸sの酸性度PHと希硫酸sに溶出した放射性セシウムの濃度との関係を示す線図であり、実験で得られた結果である。図から、PH<5で放射性セシウムがアルミノシリケート化合物からほぼすべて溶解することがわかる。本実施形態では、PH制御装置66によって、第1洗浄槽16aの希硫酸sのPHを5以下に制御しているので、水には溶解しにくいCsAlSiO,CsAlSi、CsAlSi12等のアルミノシリケート化合物も溶解することができる。
(実施形態2)
次に、本発明の第2実施形態を図3に基づいて説明する。本実施形態の無害化処理装置10Bは、磁力選別装置14と第1洗浄槽16aとの間に、水洗槽70が介設されている。その他の構成は第1実施形態と同一である。水洗槽70には、洗浄水wが貯留され、水洗槽50に投入された焼却灰aは、洗浄水wで水洗処理される。これによって、焼却灰a中のアルカリ成分、例えば、Na、K、Mg、Ca等の化合物の一部をここで除去できる。
水洗槽70の内部に、第1洗浄槽16a及び第2洗浄槽16bと同様のバケットコンベア72が設けられている。これによって、水洗槽70に投入され、水洗処理された焼却灰aは、バケットコンベア72で出口70aまで運ばれ、出口70aから第1洗浄槽16aに投入される。また、補給水wを供給するための管路74と、アルカリ成分を洗浄水wと共に排出する排水路76が設けられている。
本実施形態によれば、第1実施形態で得られる作用効果に加えて、水洗槽70で焼却灰中のアルカリ成分の一部を除去できるので、後工程の希硫酸sによる溶解工程で、希硫酸sの消費量を節減できるという長所がある。
(実施形態3)
次に、本発明の第3実施形態を図4に基づいて説明する。本実施形態の無害化処理装置10Cは、第1洗浄槽16a及び第2洗浄槽16bの側壁及び底壁に、ジャケット80a及び80bを設けている。ジャケット80a及び80bには熱媒供給管82が接続されている。熱媒供給管82にはポンプ84が設けられ、ポンプ84によって、分岐路82a及び82bを介してジャケット80a及び80bに、スチームや加熱油等の熱媒体hが供給される。これによって、第1洗浄槽16a及び第2洗浄槽16bに貯留された希硫酸sを加熱できる。
第1洗浄槽16a及び第2洗浄槽16bには、貯留された希硫酸sの温度を検出する温度センサ88a及び88bが設けられている。これら温度センサの検出信号は温度制御装置90に入力される。温度制御装置90は、温度センサ88a及び88bの検出値に基づいて、ポンプ84の熱媒体供給量を制御し、第1洗浄槽16a及び第2洗浄槽16bに貯留された希硫酸sの温度を制御する。希硫酸sの加熱に供された後の熱媒体は、排出管86から排出される。その他の構成は第1実施形態と同一である。
本実施形態によれば、第1洗浄槽16a及び第2洗浄槽16bに貯留された希硫酸sを加熱できるので、放射性セシウムの溶出作用を促進できる。そのため、セシウム溶出工程に要する時間を短縮でき、大量の焼却灰aの除染処理を短時間で行うことができる。これによって、放射性セシウムの除染効率を向上できるので、洗浄槽の容積を縮小できると共に、希硫酸sの温度を制御することで、気温の変動の影響を受けずに、安定した無害化処理が可能になる。
本発明者等の実験によれば、熱媒体としてスチームを用いた場合、希硫酸sを95℃に加熱できれば、6時間でアルミノシリケート化合物から放射性セシウムを溶出できることがわかった。また、希硫酸sを90℃〜沸点までの範囲に加熱できれば、放射性セシウムの溶出時間を90℃に加熱した場合と同等に短縮でき、処理効率を向上できることがわかった。特に、焼却灰aが最初に投入される第1洗浄槽16aで希硫酸sを90〜100℃に加熱すれば、ほぼ支障なく放射性セシウムを溶出できることがわかった。
(実施形態4)
次に、本発明の第4施形態を図5に基づいて説明する。本実施形態の無害化処理装置10Dは、図4に示す第3実施形態の無害化処理装置10Cに、図3に示す第2実施形態の
無害化処理装置10Bに設けられた水洗槽70を付設したものである。これによって、水洗槽50でアルカリ成分を除去することによる希硫酸sの消費量節減効果と、第1洗浄槽16a及び第2洗浄槽16bの貯留される希硫酸sの温度を制御することで得られる処理効率の向上とを同時に達成できる。
本発明によれば、焼却施設で発生する放射性セシウムを含む焼却灰を効率良くかつ短時間で、しかも焼却施設を大規模化することなく無害化できる。
10A、10B、10C、10D 無害化処理装置
12 投入ホッパ
14 磁力選別装置
16a 第1洗浄槽
16b 第2洗浄槽
18a、18b、72 バケットコンベア
20a、20b、70a 出口
22 脱水機
24 灰ピッド
26、30、32、38、42、46、52、56,58、59、74 管路
28 排酸槽
34 凝集沈殿槽
36 スラッジピッド
40 処理液槽
44 セシウム吸着塔
44a 吸着剤
48 調整槽
50,76 排水路
54 硫酸タンク
60 閉鎖系再循環路
62 ポンプ(第1のポンプ)
84 ポンプ(第2のポンプ)
64 PHセンサ
66 PH制御装置
70 水洗槽
80a、80b ジャケット
82 熱媒供給管
82a、82b 分岐路
86 排出路
88a、88b 温度センサ
90 温度制御装置
a 焼却灰
s 希硫酸
w 補給水

Claims (7)

  1. PHが5以下の酸性水溶液が貯留された複数の洗浄槽を用意し、放射性セシウムを含んだ焼却灰を最上流側洗浄槽から下流側洗浄槽に順次に浸漬し、放射性セシウムを酸性水溶液に溶出させるセシウム抽出工程と、
    最上流側洗浄槽から排出した酸性水溶液に含まれる重金属成分を凝集沈殿させ、酸性水溶液から除去する重金属成分除去工程と、
    重金属成分を除去した後の酸性水溶液に含まれる放射性セシウムを吸着剤に吸着させ、放射性セシウムを酸性水溶液から分離するセシウム分離工程と、
    放射性セシウムが分離された酸性水溶液のPHを調整した後、最下流側洗浄槽に戻し、かつ最流側洗浄槽から上流側洗浄槽に順々に循環させる酸性水溶液循環工程とからなることを特徴とする放射性セシウムを含んだ焼却灰の無害化処理方法。
  2. 前記セシウム抽出工程の前に、焼却灰を水洗いし、焼却灰中のアルカリ成分の一部を予め除去する水洗工程を付加したことを特徴とする請求項1に記載の放射性セシウムを含んだ焼却灰の無害化処理方法。
  3. 前記複数の洗浄槽のうち少なくとも最上流側洗浄槽に貯留された酸性水溶液を室温〜100℃の温度範囲に制御することを特徴とする請求項1に記載の放射性セシウムを含んだ焼却灰の無害化処理方法。
  4. PHが5以下の酸性水溶液が貯留された複数の洗浄槽と、
    放射性セシウムを含んだ焼却灰を前記複数の洗浄槽のうち上流側の洗浄槽から順に浸漬させる搬送装置と、
    最上流側洗浄槽から排出された酸性水溶液を調整して最下流側洗浄槽に戻し、かつ最下流側洗浄槽から上流側洗浄槽へ順々に循環する閉鎖系再循環路とを備え、
    該閉鎖系再循環路に、最上流側洗浄槽から排出された酸性水溶液に含まれる重金属成分を凝集沈殿させ、酸性水溶液から分離させる凝集沈殿槽と、放射性セシウムを吸着する吸着剤が充填され、前記凝集沈殿槽で重金属成分が分離された酸性水溶液から放射性セシウムを吸着分離するセシウム吸着塔と、前記セシウム吸着塔で放射性セシウムが分離された酸性水溶液のPHを調整する調整槽とが介設されていることを特徴とする放射性セシウムを含んだ焼却灰の無害化処理装置。
  5. 酸液貯留槽と、
    該酸液貯留槽から前記調整槽に酸液を供給する第1のポンプ付き配管と、
    前記最上流側洗浄槽に貯留された酸性水溶液のPHを検出するPHセンサと、
    該PHセンサの検出信号が入力され、該検出信号に基づいて前記第1のポンプの酸液供給量を制御するPH制御装置とをさらに備えていることを特徴とする請求項4に記載の放射性セシウムを含んだ焼却灰の無害化処理装置。
  6. 放射性セシウムを含んだ焼却灰を水洗いし、焼却灰中のアルカリ成分の一部を予め除去する水洗槽をさらに備え、該水洗槽で水洗いした後の焼却灰を前記最上流側洗浄槽に浸漬するようにしたことを特徴とする請求項4に記載の放射性セシウムを含んだ焼却灰の無害化処理装置。
  7. 前記複数の洗浄槽のうち少なくとも最上流側洗浄槽が、酸性水溶液貯留域を囲うジャケットと、貯留された酸性水溶液の温度を検出する温度センサとを有し、
    該ジャケットに熱媒体を供給する第2のポンプ付き配管と、該温度センサの検出信号が入力され、該検出信号に基づいて前記第2のポンプの熱媒体供給量を制御する温度制御装置とをさらに備えていることを特徴とする請求項4〜6のいずれかの項に記載の放射性セシウムを含んだ焼却灰の無害化処理装置。
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