JP6092076B2 - 汚染飛灰の処理方法及び処理システム - Google Patents

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Description

本発明は、汚染飛灰の処理方法及び処理システムに関する。
原子力発電所において放射性物質が建屋外に飛散するようなシビアアクシデントが発生すると、広域に渡り放射能汚染が生じる。こうした放射能汚染の影響は、土壌や下水処理場で発生する汚泥、この汚泥を焼却処理した汚泥焼却灰、及び各地の一般廃棄物焼却場で発生する焼却灰や飛灰等にまで及ぶ。
原子力発電所から飛散する可能性のある放射性核種の大部分は、セシウム134やセシウム137であり、汚染された物質はこれらの核種を含むことになる。セシウム137の半減期は30.2年であり、比較的高強度の放射線を長期間にわたり放出することが懸念される。そのため、セシウム137を含有する廃棄物は長期間管理する必要があり、その管理には多大な労力とコストがかかる。
放射性物質を含む放射性廃棄物の処理方法として、放射性廃棄物のうち焼却可能な廃棄物を焼却して減容する方法がある。この焼却処理の際に発生する二次廃棄物は酸化物を主体とする主灰と、排気系で回収される飛灰とに分類される。このうち、飛灰は、焼却条件によっては、主灰よりも多くの放射性セシウムが含有されることが懸念されている。さらに、飛灰中の放射性セシウムは水に容易に溶解するため、長期間安定な状態での保管が困難となる可能性がある。そのため、飛灰に含まれる放射性物質を極力小さな容量に濃縮して安定化する方法が求められている。
一般的に、焼却処理においては、廃ガス中に含まれる塩化水素による焼却施設の材料腐食を避ける目的で消石灰を噴霧する。そのため、飛灰はカルシウムが主要構成元素となる。また、燃焼時に揮発しやすいナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属類、鉛などの重金属類が塩化物の形態で多く含有されている。
ここで、焼却炉等から発生する塩素およびナトリウムを主とする塩類と亜鉛、銅、鉛を主とする重金属とを含む飛灰の処理方法として、飛灰を水と鉱酸でスラリー化する第一工程と、中和しpH調整の上固液分離する第二工程と、その澱物をリパルプし鉱酸で浸出して鉛産物を得る第三工程と、得られた濾液を中和して銅、亜鉛等を水酸化物として回収する第四工程と、前記第二工程からの濾液に第二鉄塩またさらにアルミニウム塩を添加し、pH調整して濾液中に微量含まれる銅、亜鉛を鉄・アルミ塩澱物中に回収するとともに清浄濾過水を得る方法が知られている。また、清浄濾過水を、必要に応じて活性炭またはキレート剤カラムに通水して水銀等を除去する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、廃棄物の焼却工程で発生する飛灰を含む排ガスから、煤塵、ハロゲン化物および水銀を除去するとともに、それらを回収する方法として、廃棄物の焼却炉から排出される排ガス中の飛灰を100℃以上の温度域において塩基性薬剤を用いて乾式で捕集した後、水洗浄によりハロゲン化物を固液分離して回収する第1の工程、及び前記乾式捕集で未捕集の排ガス中の飛灰を100℃未満の温度域において塩基性薬液に接触させて該薬液を含む溶液中に移行させた後、該溶液から水銀化物を固液分離して回収する第2の工程を有する飛灰からの有価物回収方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、上記したような従来の技術では、飛灰中の重金属、煤塵、ハロゲン化物及び水銀を分離回収し処理液を排水規制に適合するようにするものであるが、放射性飛灰の処理は考慮されておらず、処理後に残る固形物、液体について物量を極力低減することも考慮されていない。そのため、放射性物質を含む焼却飛灰の洗浄処理に適用することはできない。
特開2000−140792号公報 特開2005−246129号公報
本発明は上記した課題を解決するためになされたものであって、汚染飛灰に含まれる放射性物質を極力小さな容量に濃縮して安定化することのできる汚染飛灰の処理方法及び処理システムを提供することを目的とする。
本発明の汚染飛灰の処理方法の一態様は、放射性セシウムを含む汚染飛灰の処理方法であって、焼却炉から発生する汚染飛灰を含む処理対象物及び水を溶離槽に収容し、前記処理対象物中の放射性セシウムを前記水中に溶離して溶離液を生成する溶離工程と、前記溶離液を、固形物を除去した第1の処理液と放射性セシウムの除かれた除染物に分離する第1の固液分離工程と、前記第1の処理液を、吸着剤を充填したセシウム吸着塔に通流して前記第1の処理液中の放射性セシウムを前記吸着材に吸着させるセシウム除去工程と、前記除染物中の放射能濃度があらかじめ設定した所定の値を超えたときに前記除染物を溶融炉に供給して溶融し、発生した飛灰を前記溶離槽に送る溶融工程と、前記セシウム除去工程で放射性セシウムを吸着した廃吸着材を固化安定化する固化工程とを具備することを特徴とする。
本発明の汚染飛灰の処理システムの一態様は、放射性セシウムを含む汚染飛灰の処理システムであって、焼却炉から発生する汚染飛灰を含む処理対象物及び水を収容し、前記処理対象物中の放射性セシウムを前記水中に溶離して溶離液を生成する溶離槽と、前記溶離液を、固形物を除去した処理液と放射性セシウムの除かれた除染物に分離する固液分離装置と、内部に吸着材が充填され、前記処理液を通流して前記処理液中の放射性セシウムを前記吸着材に吸着させるセシウム吸着塔と、前記除染物中の放射能濃度があらかじめ設定した所定の値を超えたときに前記除染物を溶融炉に供給して溶融し、発生した飛灰を前記溶離槽に送る溶融システムと、前記セシウム吸着塔で放射性セシウムを吸着した廃吸着材を固化安定化する固化装置とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、汚染飛灰に含まれる放射性物質を極力小さな容量に濃縮して安定化することのできる汚染飛灰の処理方法及び処理システムを提供することができる。
第1の実施形態の汚染飛灰の処理システムを概略的に示すブロック図。 第1の実施形態の除染システムを概略的に示すブロック図。 第1の実施形態の汚染飛灰の処理方法を示すフロー図。 焼却飛灰と溶融飛灰について、水によるセシウム溶離特性を示すグラフ。 第1の実施形態において、吸着塔供給水中のセシウム濃度に対する処理水中のセシウム濃度の経時変化を解析したグラフ。 第1の実施形態において、吸着材利用率の経時変化を解析したグラフ。 第2の実施形態の除染システムを概略的に示すブロック図。 第2の実施形態の汚染飛灰の処理方法を示すフロー図。 第3の実施形態の除染システムを概略的に示すブロック図。 第3の実施形態の汚染飛灰の処理方法を示すフロー図。
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。各図において、共通する機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(処理対象物)
図1に示すように、本実施形態における処理対象物は、少なくとも放射性セシウムを含有する汚染飛灰2を含む処理対象物であり、例えば、焼却炉4で発生した汚染飛灰2、汚染飛灰2に主灰が混ざった汚染混合灰2a、溶融炉22で発生した溶融飛灰6等である。放射性セシウムを含んだ放射性廃棄物は、焼却され、また、放射性廃棄物が土壌等である場合には、焼却温度以上の温度で溶融される。放射性廃棄物を焼却すると、放射性廃棄物中の成分が蒸発し、蒸気や塩素、二酸化炭素等を含有する焼却ガスが発生する。この焼却ガスが冷却されると、焼却ガス中に含有されていた蒸発物が固化し、汚染飛灰2となる。このとき、放射性廃棄物中に含有されていた放射性セシウムが、塩化セシウムなどのセシウム化合物となって蒸発するため、汚染飛灰2中に放射性セシウムが含有されることになる。また主灰中にも、放射性廃棄物中に含有されていた放射性セシウムが残留する。
一般的に、焼却設備では、焼却ガス中に含まれる塩素によって設備が腐食されることを防ぐために、焼却ガスに消石灰(水酸化カルシウム)等、アルカリ化剤を噴霧することがある。放射性廃棄物の焼却設備においても同様であり、この場合、汚染飛灰2にはアルカリが付着する。そのため汚染飛灰2を純水に混合すると、液性はアルカリ性になる。
図1は、第1の実施形態の汚染飛灰の処理システム1を概略的に示すブロック図である。図1に示す汚染飛灰の処理システム1は、汚染飛灰2(及び/又は汚染混合灰2a、溶融飛灰6。以下同じ。)を除染する除染システム10と、除染飛灰3の放射能濃度(放射性セシウム濃度)があらかじめ設定した所定の値を超えたときに除染飛灰3を処理する溶融システム20と、放射性セシウムの除去された廃液L3を処理する濃縮・乾燥システム30を備えている。また、汚染飛灰の処理システム1は、後述するセシウム吸着塔13で放射性セシウムを吸着した廃吸着材8を固化して固化体9を形成する固化装置40を備えている。
図2は、第1の実施形態の汚染飛灰の処理システム1における除染システム10を概略的に示すブロック図である。図2に示す除染システム10は、汚染飛灰2と水とを収容する溶離槽11と、溶離槽11で生成した溶離液L1を液相である第1の処理液L2及び固相である除染飛灰3に分離する第1の固液分離装置12と、放射性セシウムを吸着する吸着材が内部に充填されたセシウム吸着塔13とを備えている。
図3は、本実施形態の汚染飛灰の処理システム1を用いた汚染飛灰の処理方法を示すフロー図である。本実施形態の汚染飛灰の処理方法は、除染工程S100と、溶融工程S200と、濃縮・乾燥工程S300とを備えている。また、除染工程S100は、溶離工程S101と、中和工程S102と、第1の固液分離工程S103と、セシウム除去工程S104と、固化工程S105とを備えている。
図2に示す溶離槽11は、汚染飛灰2と水とを収容し、汚染飛灰2に含まれる放射性セシウムを水中に溶離する(図3に示す溶離工程S101。)。水としては、主に蒸留水Wが用いられるが、水を主成分としてほぼ中性の水溶液を使用することもできる。水は、濃縮・乾燥システム30で生成した蒸留水Wを使用してもよい。放射性セシウムは、主に塩化セシウム等、易水溶性のセシウム化合物として汚染飛灰2に含有されている。したがって、溶離槽11において汚染飛灰2中の放射性セシウムが高溶離率で水中に溶離させることができる。溶離槽11で生成する溶離液L1は例えば、pHが10.5〜12.5程度のアルカリ性になる。なお、溶離槽11は、収容物を撹拌するための撹拌機を備えていることが好ましい。
溶離槽11及び焼却炉4は、配管aにより接続され、配管aを介して焼却炉4で発生する排ガスを溶離槽11に供給するように構成されている。例えば、溶離槽11に汚染飛灰2及び水を収容し、これらを撹拌しながら、又はこれらを撹拌・混合した後に、溶離槽11に排ガスを供給する。これにより、供給された排ガス中の酸性ガスが溶離液L1を中和する(図3に示す中和工程S102。)。一般的に、焼却飛灰は酸と接触すると激しく発泡して溶解するが、排ガスを用いることで、中和に二酸化炭素ガス等の酸性ガスを用いるため、激しく発泡することなく安全に静かに中和反応を進めることができる。さらに、排ガス中の酸性ガスを中和に利用することで、中和薬剤が不要となり、薬剤費が不要となる。
第1の固液分離装置12は、溶離槽11において汚染飛灰2中の放射性セシウムが溶離した溶離液L1を、固相である除染飛灰3と液相である第1の処理液L2とに分離する(図3に示す第1の固液分離工程S103。)。溶離液L1が固形分濃度の高いスラリー状であるため、第1の固液分離装置12としては、除染飛灰3を分離し易い遠心分離脱水機やフィルタプレスなどを好適に用いることができる。
第1の固液分離装置12には、セシウム吸着塔13が接続されている。セシウム吸着塔13内に充填された吸着材が第1の処理液L2中の放射性セシウムを除去し、セシウム吸着塔13からは、放射性セシウムが除去された廃液L3が流出する(図3に示すセシウム除去工程S104。)。吸着材としては、放射性セシウムに対して高い吸着性能を有するものであれば特に限定されず、例えば、フェロシアン化物、ケイチタン酸及びゼオライトを使用することができる。
フェロシアン化物としては、フェロシアン化カリウム、フェロシアン化ナトリウム、フェロシアン化カルシウム、フェロシアン化鉄、フェロシアン化ニッケル、フェロシアン化銅などを挙げることができる。また、ゼオライトは、モルデナイト型ゼオライト、チャバサイト型ゼオライト、クリノプチロライト型ゼオライト、A型ゼオライト、Y型ゼオライト、X型ゼオライトなどを挙げることができる。さらに、ケイチタン酸は、ケイチタン酸バリウム、ケイチタン酸ストロンチウムなどの塩であってもよい。
また、充填する吸着材の量は、吸着材の種類、汚染飛灰2中の放射性セシウム濃度に応じて適宜決定する。
濃縮・乾燥システム30は、廃液L3を濃縮した後に乾燥して、濃縮物7と蒸留水Wに分離する(図3に示す濃縮・乾燥工程S300。)。濃縮物7は、廃液L3中の塩類(汚染飛灰2に含まれていて溶離液L1中に溶離された塩類)であり、ナトリウム、カリウム、塩素、カルシウムなどの元素を含んでいる。また、濃縮物7の放射能濃度(放射性セシウム濃度)は、セシウム吸着塔13での処理条件を調節することで、100Bq/kg以下とすることができる。したがって、濃縮物7を安全に廃棄又はリサイクルすることができる。蒸留水Wは、溶離槽11に送られて、汚染飛灰2中の放射性セシウムを溶離するために用いられる。
固化装置40は、放射性セシウムを吸着した後の廃吸着材8を、ペレット固化やセメント固化、溶融固化等によって固化して固化体9を形成し、安定化する(図3に示す固化工程S105。)。
第1の固液分離装置12において分離された除染飛灰3は、溶融システム20に送られる構成となっている(図1参照。)。溶融システム20は、除染飛灰3の放射能濃度(放射性セシウム濃度)を測定する放射能測定器21と、放射能測定器21の測定値があらかじめ設定した所定の値を超えたときに除染飛灰3を溶融する溶融炉22を備えている。溶融システム20は、除染飛灰3中の放射能濃度(放射性セシウム濃度)があらかじめ設定した所定の値、例えば1000Bq/kgを超えたときには除染飛灰3を溶融炉22で溶融し、設定値以下の場合は、リサイクルするか、廃棄する(図3に示す溶融工程S200。)。
溶融システム20では、溶融炉22で溶融した除染飛灰3を溶融スラグ5と溶融飛灰6に分別する。除染飛灰3中の放射性セシウム化合物は主に溶融飛灰6中に移行するので、溶融スラグ5の放射能濃度(放射性セシウム濃度)は例えば1000Bq/kg以下程度に低減され、安全にリサイクル又は廃棄することができる。溶融飛灰6はさらに除染システム10及び濃縮・乾燥システム30で順に処理される。なお、溶融炉22の温度は、焼却炉4における焼却温度より高く、例えば1200〜1800℃程度である。
ここで、放射性セシウムを含む焼却飛灰又は溶融飛灰を水で溶離した際の放射性セシウムの水への移行率を試験した。結果を、水への放射性セシウム移行率を縦軸として図4に示す。水への移行率は焼却飛灰で85%、溶融飛灰で95%であった。このように、焼却飛灰に比べて溶融飛灰の方が放射性セシウムの水への移行率が高い。したがって、除染システム10で放射能濃度(放射性セシウム濃度)が所定の値、例えば1000Bq/kg以下にならなかった場合、溶融炉22で処理して溶融飛灰6にすることで1000Bq/kg以下の溶融スラグ5を得ることができることが分かる。
また、濃縮物7に含まれる放射能の濃度(放射性セシウム濃度)は、100Bq/kg以下に低減されることが好ましい。ここで、廃液L3中の濃縮物7の濃度をx%とすると、下記の放射性セシウム物質収支が成り立つ。このことから、廃液L3に含まれる放射性セシウム濃度(CCs)がxBq/kg以下であれば、濃縮物7の放射能濃度(放射性セシウム濃度)が100Bq/kg以下に低減されることが分かる。
Cs×V=V×(x/100)×100、 V:液量(L)
Cs=x
セシウム吸着塔13の処理水中の放射性セシウム濃度は、吸着材が放射性セシウムを吸着していくにつれて、時間とともに増加する。そのため、吸着材の放射性セシウム吸着量を増やすために、セシウム吸着塔13は2塔以上を直列に接続して用いることが好ましい。また、廃液L3中の放射能濃度(放射性セシウム濃度)を所定の値以下、例えば、上記したxBq/kg以下とするためには、セシウム吸着塔13の処理水中の放射性セシウム濃度を所定の値以下とする。この所定の値は、セシウム吸着塔13の供給水中の放射性セシウム濃度に依存し、セシウム吸着塔13の供給水中の放射性セシウム濃度に対する廃液L3中の放射性セシウム濃度の比を所定の比とすることで制御することができる。セシウム吸着塔13の供給水中の放射性セシウム濃度に対する廃液L3中の放射性セシウム濃度の比は、セシウム吸着塔13の設置数で制御することができる。
また、吸着材は放射性セシウムを吸着することで吸着性能が低下していくため、セシウム吸着塔13の供給水(第1の処理液L2)中の放射性セシウム濃度に対する廃液L3中の放射性セシウム濃度の比が所定の値を超えたときに、セシウム吸着塔13を、新しい吸着材を充填したセシウム吸着塔13に交換することが好ましい。
ここで、セシウム吸着塔13での放射性セシウム除去性能を解析モデルで解析した。まず、解析モデルが実際の放射性セシウム除去性能を表現できることを試験データにより検証した。分配係数(吸着平衡状態にある吸着材と液相の放射性セシウム濃度(吸着材:モル/g、液相:モル/mL)の比)が5000mL/gの吸着材を160L充填したセシウム吸着塔13を5塔直列に接続し、第1塔目のセシウム吸着塔13に放射性セシウムを含む供給水を流量3.3m/hで通液した場合について解析した。各塔の出口における放射性セシウム濃度の、第1塔目のセシウム吸着塔13の供給水中の放射性セシウム濃度に対する比の経時変化を図5に示す。なお、図5中の符号1から5は、第1塔から第5塔それぞれの解析値を示している。
図5より、セシウム吸着塔13処理水中の放射性セシウム濃度を第1塔目のセシウム吸着塔13の供給水中の放射性セシウム濃度の1/10000以下にするにはセシウム吸着塔13を3塔以上直列にする必要があり、1/1000以下にするにはセシウム吸着塔13を2塔以上直列にして通液する必要があることが分かる。
また、各塔での吸着材利用率について解析した。結果を、吸着材利用率を縦軸、各塔での吸着材充填量に対する積算処理量を横軸として図6に示す。なお、図6中の符号1から5は、第1塔から第5塔それぞれの解析値を示している。
各塔での吸着材利用率(平衡吸着量に対する実際の吸着量)は、処理水中の放射性セシウム濃度が第1塔目のセシウム吸着塔の供給水中の放射性セシウム濃度の1/10000以上になったらセシウム吸着塔を交換するとした場合、セシウム吸着塔3塔直列使用では、1塔目50%、2塔目4%、3塔目0.1%となり、セシウム吸着塔4塔直列使用では、1塔目93%、2塔目36%、3塔目3%、4塔目0.1%となり、セシウム吸着塔5塔直列使用では、1塔目100%、2塔目80%、3塔目29%、4塔目3%、5塔目0.1%となる。
また、セシウム吸着塔の処理水中の放射性セシウム濃度が第1塔目のセシウム吸着塔の供給液水中の放射性セシウム濃度の1/1000以上になったらセシウム吸着塔を交換するとした場合、セシウム吸着塔交換時の吸着材利用率は、セシウム吸着塔2塔直列使用では、1塔目20%、2塔目1%となり、セシウム吸着塔3塔直列使用では、1塔目80%、2塔目18%、3塔目1%となり、セシウム吸着塔4塔直列使用では、1塔目99%、2塔目66%、3塔目14%、4塔目1%となり、セシウム吸着塔5塔直列使用では、1塔目100%、2塔目89%、3塔目57%、4塔目13%、5塔目1%となる。
図6より、最終段のセシウム吸着塔の処理水中の放射性セシウム濃度が第1塔目のセシウム吸着塔の供給水中の放射性セシウム濃度の1/10000以上の所定の値に達したときに、直列に配置した複数塔のセシウム吸着塔のうち先頭の1塔を交換するとした場合、廃棄される吸着材の利用率はセシウム吸着塔4塔直列使用では93%、セシウム吸着塔5塔直列使用では100%となり、吸着材の有効活用が可能となることが分かる。
このように、セシウム吸着塔13の2塔以上を直列に接続した場合、第1段目のセシウム吸着塔13の供給水中の放射性セシウム濃度に対する廃液L3中の放射性セシウム濃度の比が所定の値を超えたときに、直列に配置した複数のセシウム吸着塔13をすべて交換、廃棄すると、下流に配置されていたセシウム吸着塔13内の吸着材は利用率が低いままで廃棄することになり、廃棄物の発生量が多くなる。したがって、第1段目のセシウム吸着塔13の吸着材利用率が所定の割合を超えたときに、直列に配置した複数塔のセシウム吸着塔13のうち、先頭の1塔だけを交換、廃棄し、新しい吸着材を充填したセシウム吸着塔13を最下流に設置して処理を続けることが好ましい。これにより、廃棄する吸着材の利用率が高くなり、廃棄物発生量を極めて低減することが可能である。
また、セシウム吸着塔13の通液流量を変えると廃液L3の放射性セシウム濃度の上昇速度が変わる。通液流量を大きくすると、吸着材に吸着される放射性セシウム量に対して、セシウム吸着塔13を通過する放射性セシウムの量が多くなり、廃液L3中の放射性セシウム濃度上昇が速くなる。一方、セシウム吸着塔13の通液流量を小さくすると、吸着材に吸着される放射性セシウム量に対して、セシウム吸着塔13を通過する放射性セシウムの量が少なくなり、廃液L3中の放射性セシウム濃度上昇が遅くなる。このように、セシウム吸着塔13の通液流量を制御することによってセシウム吸着塔13の供給水中の放射性セシウム濃度に対する廃液L3中の放射性セシウム濃度の比を制御することもできる。
次に、実施例1について説明する。
(実施例1)
本実施例では、第1の実施形態の汚染飛灰の処理システムでの処理性能を試験で確認した。まず、溶離槽に焼却炉で発生した焼却飛灰2kgと、放射性セシウムを模擬する試薬の塩化セシウム10mgと水8Lとを収容した。汚染飛灰に含有される放射性セシウムの量は本実施例で添加したセシウム量と比べてはるかに少ないが、試験では、非放射性セシウムの含有濃度を検出するため、上記した量の塩化セシウムを添加した。次いで、溶離槽内の焼却飛灰と塩化セシウムと水とを撹拌しながら、焼却炉の排ガスを模擬した二酸化炭素10%、窒素90%のガスを毎分5Lの速度で吹き込んで中和した。溶離槽内の液のpHは初期の12.5から中和によってpH6.5まで低下した。なお、二酸化炭素を含むガスを用いることで安全に静かに中和反応が進むことが確認された。
次いで、溶離槽内の固液スラリーをろ過面積0.46mのフィルタプレスにより固液分離した。これにより、乾燥重量1.49kgのケーキと平均固形分濃度30ppmの処理液に分離された。次いで、処理液を、モルデナイトを1.7kg充填したセシウム吸着塔に空間速度13h-1で通液した。
セシウム吸着塔出口の液中のセシウム濃度はICP質量分析装置での検出下限値以下であった。この液を濃縮、乾燥により濃縮物(固体)と蒸留水に分離した。濃縮物はナトリウム、カリウム、塩素、カルシウムなどの元素を含有しており、セシウムは検出下限値以下であった。これにより、はじめに溶離槽で添加されたセシウムがモルデナイトに吸着されたことを確認した。次に、得られた蒸留水を用いて、上記と同じ操作を繰返し、水を使った試験と同じ処理結果になることを確認した。
また、セシウム除去工程の後、発生する廃吸着材をペレット化して安定化する試験を行った。吸着材として、フェロシアン化物を担持した吸着材又はゼオライトを使用し、結合材として、ポルトランドセメント、アルミナセメント、リン酸系セメントを用いた。吸着材と結合材を4:1の割合で混合したものを14MPa、1分の条件でペレット化した。試験の結果、ペレット化後の一軸圧縮強度はいずれも0.98MPa以上であることを確認した。これにより、十分な機械的強度を得られ、優れた安定化が可能であり、長期間安定に保存し得ることを確認した。
また、フェロシアン化物を担持した吸着材を結合材とともにペレット化したものを2mm以下の大きさに粉砕して、粉砕物を液固比10(mg/mL)で水に浸漬し、撹拌した。6時間後、水中に溶出するシアン化合物濃度を調べたところ1ppm未満であることを確認した。これにより、環境への放射能放出を極めて低減した優れた安定化が可能であり、長期間安定に保存し得ることを確認した。
以上、第1の実施形態によれば、汚染飛灰2に含まれる放射性セシウムを極力小さな容量に濃縮して、1000/1の高い減容比(汚染飛灰2/廃吸着材8)で安定化することができる。また、吸着材の利用効率を90%以上にでき、廃棄物の発生量を極めて低減することができる。また、廃吸着材8について、十分な機械的強度を有し、環境への放射能放出は規制値未満の固化体9を形成させることができるので、優れた安定化が可能である。さらに、汚染飛灰2は、それぞれ、放射能濃度(放射性セシウム濃度)1000Bq/kg以下の除染飛灰3及び溶融スラグ5と、100Bq/kg以下の濃縮物7に分離されるので、それぞれ安全に廃棄又はリサイクルすることが可能である。水はリサイクル使用するため、排水発生量をゼロとすることができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態の汚染飛灰の処理システム及び汚染飛灰の処理方法について図7及び図8を参照して説明する。図7は本実施形態の除染システム50を示す概略構成図である。図7に示す除染システム50は、第1の固液分離装置12とセシウム吸着塔13の間に、中和槽14及び第2の固液分離装置15を備える点で第1の実施形態と異なる。図8は本実施形態の除染工程を示すフロー図である。図8に示す除染工程は、第1の固液分離工程S103及びセシウム除去工程S104の間で、中和工程S102、第2の固液分離工程S106を行う。
除染飛灰3は、硫酸、塩酸、硝酸等の酸と接触すると激しく発泡して溶解する。したがって、本実施形態の除染システム50では、溶離槽11で生成した溶離液L1を、第1の固液分離装置12で固相である除染飛灰3と溶離された放射性セシウムを含む第1の処理液L2とに分離し(図8に示す第1の固液分離工程S103。)、次の中和槽14でこの第1の処理液L2を中和する(図8に示す中和工程S102。)。第1の固液分離装置12としてはフィルタプレスや遠心脱水機などが好適である。
中和槽14には、例えばpH調整剤を供給するpH調整剤供給装置16が接続されており、pH調整剤として、塩酸、硫酸、硝酸及び炭酸等、pHを下げる化合物を中和槽14に供給する。焼却炉4及び溶離槽11が離れた場所に配置されている場合等、排ガスを溶離槽11に導入することが困難な場合があるが、本実施形態の除染システム50によれば、pH調整剤を用いることで、中和槽14での中和を簡便な装置で行うことができる。
pH調整剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。pH調整剤として、例えば、塩酸を用いることで中和後の固形物の発生を少なくすることができる。そのため、第2の固液分離装置15での負荷を軽減することが可能である。pH調整剤として使用する酸の選定にあたっては、中和槽14で生成する固形物の量のほかに、中和槽14や第2の固液分離装置15を構成する材料の耐食性の観点から選定すればよい。
また、中和槽14及び焼却炉4を配管により接続し、焼却炉4で発生する排ガスを中和槽14に導入してもよい。この場合、排ガスを溶離液L1に供給することで排ガス中の二酸化炭素ガス等、酸性ガスが溶離液L1を中和する。
第2の固液分離装置15は、中和槽14で中和により生じた塩類等の固形物を液相から分離する(図8に示す第2の固液分離工程S106。)。第2の固液分離装置15としては、中和された第1の処理液L2中の固形分濃度がそれほど高くなく、主として粒径が小さい固形分が含まれているため、中空糸膜フィルタやプリーツ型フィルタ、プリコートフィルタなどを用いることが好ましい。この後、第2の固液分離装置15で処理された第2の処理液L4は第1の実施形態と同様に、セシウム除去工程S104、濃縮・乾燥工程S300が行われる。また、廃吸着材8は固化工程S105で処理され、除染飛灰3は溶融工程S200へ送られる。
次に、実施例2について説明する。
(実施例2)
本実施例では、第2の実施形態の汚染飛灰の処理システムでの処理性能を試験で確認した。まず、溶離槽に焼却炉で発生した焼却飛灰2kgと放射性セシウムを模擬する試薬の塩化セシウム10mgと水8Lを入れた。次いで、溶離槽内の焼却飛灰と塩化セシウムと水を撹拌し、10分経過後、溶離槽内の固液スラリーをろ過面積0.46mのフィルタプレスにより固液分離した。これにより、乾燥重量1.49kgのケーキと平均固形分濃度20ppmの処理水に分離された。次いで、処理水に硫酸水溶液を添加して中和した。中和後の処理液に含まれる固形物を平均粒径40μmの珪藻土をプリコートしたプリコートフィルタで除去した。
プリコートフィルタの処理液中の固形分濃度は1ppm以下であった。プリコートフィルタの処理液を吸着材であるモルデナイト型ゼオライトを1.7kg充填した吸着塔に空間速度SV=13h-1で通液した。セシウム吸着塔出口の液中のセシウム濃度はICP発光分析装置での検出下限値以下であった。
このセシウム吸着塔の処理液を濃縮、乾燥により濃縮物(固体)と蒸留水に分離した。濃縮物はナトリウム、カリウム、塩素、カルシウムなどの元素で構成されており、セシウムは検出下限値以下であった。これにより、はじめに溶離槽で添加されたセシウムがモルデナイトに吸着されたことを確認した。
次に、得られた蒸留水を用いて、上記と同じ操作を繰返し、水を使った試験と同じ処理結果になることを確認した。
以上、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、焼却炉4及び溶離槽11が離れた場所に配置されている場合であっても、pH調整剤を用いることで、中和を簡便な装置で行うことができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態の汚染飛灰の処理方法及び処理システムについて図9及び図10を参照して説明する。図9は、本実施形態の除染システム60を概略的に示すブロック図である。図10は、第3の実施形態の汚染飛灰の処理方法を示すフロー図である。
図10に示す本実施形態の除染工程S500では、焼却炉4において、焼却ガスに消石灰(水酸化カルシウム)等、アルカリ剤を噴霧せずに生じた汚染飛灰2を処理する。除染工程S500は、中和工程S102を行わない以外は第1の実施形態と同様であり、溶離工程S101、第1の固液分離工程S103、セシウム除去工程S104、固化工程S105とを備えている。また、本実施形態の放射性飛灰の処理方法は、第1の実施形態と同様、除染飛灰3を処理する溶融工程S200と、廃液L3を処理する濃縮・乾燥工程S300を備えている。
次に、実施例3について説明する。
(実施例3)
本実施例では、焼却処理において排ガス中に消石灰を噴霧せずに得た焼却飛灰2を用いて、第3の実施形態の汚染飛灰の処理システムでの処理性能を試験で確認した。まず、溶離槽に焼却炉で発生した飛灰2kgと放射性セシウムを模擬する試薬の塩化セシウム10mgと水8Lを入れた。次いで、溶離槽内の焼却飛灰と塩化セシウムと水を撹拌し、10分経過後、溶離槽内の固液スラリーをろ過面積0.46mのフィルタプレスにより固液分離した。これにより、乾燥重量1.49kgのケーキと平均固形分濃度20ppmの処理液に分離された。処理液を吸着材であるモルデナイトを1.7kg充填したセシウム吸着塔に空間速度13h-1で通液した。
セシウム吸着塔出口の液中のセシウム濃度はICP発光分析装置での検出下限値以下であった。この液を濃縮、乾燥により濃縮物(固体)と蒸留水に分離した。濃縮物はナトリウム、カリウム、塩素、カルシウムなどの元素を含有しており、セシウムは検出下限値以下であった。これにより、はじめに溶離槽で添加したセシウムがモルデナイトに吸着されたことを確認した。次に、得られた蒸留水を用いて、上記と同じ操作を繰返し、水を使った試験と同じ処理結果になることを確認した。
以上、第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第3の実施形態によれば排ガス中に消石灰を噴霧せずに得た焼却飛灰2を用いるため、溶離液L1を中和するための装置や薬剤が不要である。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として掲示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…汚染飛灰の処理システム、2…汚染飛灰、3…除染飛灰、4…焼却炉、5…溶融スラグ、6…溶融飛灰、7…濃縮物、8…廃吸着材、9…固化体、10,50,60…除染システム、11…溶離槽、12…第1の固液分離装置、13…セシウム吸着塔、14…中和槽、15…第2の固液分離装置、16…pH調整剤供給装置、20…溶融システム、21…放射能測定器、22…溶融炉、30…濃縮・乾燥システム、40…固化装置、S100,S400,S500…除染工程、S101…溶離工程、S102…中和工程、S103…第1の固液分離工程、S104…セシウム除去工程、S105…固化工程、S106…第2の固液分離工程、S200…溶融工程、S300…濃縮・乾燥工程、a…配管、L1…溶離液、L2…第1の処理液、L3…廃液、L4…第2の処理液、W…蒸留水。

Claims (9)

  1. 放射性セシウムを含む汚染飛灰の処理方法であって、
    焼却炉から発生する汚染飛灰を含む処理対象物及び水を溶離槽に収容し、前記処理対象物中の放射性セシウムを前記水中に溶離して溶離液を生成する溶離工程と、
    前記溶離液を、固形物を除去した第1の処理液と放射性セシウムの除かれた除染物に分離する第1の固液分離工程と、
    前記第1の処理液を、吸着材の充填されたセシウム吸着塔に通流して前記第1の処理液中の放射性セシウムを前記吸着材に吸着させるセシウム除去工程と、
    前記除染物中の放射能濃度があらかじめ設定した所定の値を超えたときに前記除染物を溶融炉に供給して溶融し、発生した飛灰を前記溶離槽に送る溶融工程と、
    前記セシウム除去工程で放射性セシウムを吸着した廃吸着材を固化安定化する固化工程と
    を具備することを特徴とする汚染飛灰の処理方法。
  2. 前記セシウム吸着塔を通流した後の廃液を濃縮物及び蒸留水に分離し、前記蒸留水を前記溶離槽に供給する濃縮・乾燥工程を具備することを特徴とする請求項1記載の汚染飛灰の処理方法。
  3. 前記セシウム吸着塔は2塔以上が直列に配置され、
    前記セシウム除去工程において、
    第1塔目の前記セシウム吸着塔内の吸着材の利用率が所定の割合を超えたときに前記第1塔目の前記セシウム吸着塔を取り外して第2塔目の前記セシウム吸着塔を第1塔目とするとともに、最下流に新しい吸着材の充填されたセシウム吸着塔を設置することを特徴とする請求項1又は2記載の汚染飛灰の処理方法。
  4. 前記溶融工程は、前記除染物中の放射能濃度が1000Bq/kgを超えるときに前記除染物を前記溶融炉に送ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の汚染飛灰の処理方法。
  5. 前記焼却炉で発生した排ガスを前記溶離槽に供給し、
    前記排ガス中の酸性ガスにより前記溶離液を中和することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の汚染飛灰の処理方法。
  6. 前記第1の処理液を中和する中和工程と、
    中和した前記第1の処理液を中和により生じた塩類の固形物と第2の処理液に分離する第2の固液分離工程を具備し、前記第2の処理液を前記セシウム除去工程に送ることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の汚染飛灰の処理方法。
  7. 放射性セシウムを含む汚染飛灰の処理システムであって、
    焼却炉から発生する汚染飛灰を含む処理対象物及び水を収容し、前記処理対象物中の放射性セシウムを前記水中に溶離して溶離液を生成する溶離槽と、
    前記溶離液を、固形物を除去した処理液と放射性セシウムの除かれた除染物に分離する固液分離装置と、
    内部に吸着材が充填され、前記処理液を通流して前記処理液中の放射性セシウムを前記吸着材に吸着させるセシウム吸着塔と、
    前記除染物中の放射能濃度があらかじめ設定した所定の値を超えたときに前記除染物を溶融炉に供給して溶融し、発生した飛灰を前記溶離槽に送る溶融システムと、
    前記セシウム吸着塔で放射性セシウムを吸着した廃吸着材を固化安定化する固化装置と
    を具備することを特徴とする汚染飛灰の処理システム。
  8. 前記セシウム吸着塔を通流した後の廃液を濃縮物及び蒸留水に分離し、前記蒸留水を前記溶離槽に供給する濃縮・乾燥システムを具備することを特徴とする請求項7記載の汚染飛灰の処理システム。
  9. 前記セシウム吸着塔は、
    2塔以上が直列に配置され、
    第1塔目の前記セシウム吸着塔内の吸着材の利用率が所定の割合を超えたときに前記第1塔目の前記セシウム吸着塔を取り外して第2塔目の前記セシウム吸着塔を第1塔目とするとともに、最下流に新しい吸着材の充填されたセシウム吸着塔を設置して構成されることを特徴とする請求項7又は8記載の汚染飛灰の処理システム。
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