JP2014163843A - 洗浄用酸の再生利用方法および再生処理設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】放射性物質などを含む洗浄用酸の再生利用方法および再生処理設備を提供する。
【解決手段】本発明の実施形態は、放射性物質と金属成分を含む処理対象物に酸溶液を添加して該放射性物質を酸溶液に溶出させた後、固液分離し、固液分離後の溶離液を吸着剤に通過させて前記溶離液中に含まれる放射性物質を吸着除去して処理済み酸溶液とする第1工程と、吸着除去後の処理済み酸溶液をイオン交換樹脂またはキレート樹脂に通過させて前記処理済み酸溶液中の金属成分を除去し、該金属成分を除去した後の再生酸溶液のpHを調整するpH調整工程、あるいは、吸着除去後の処理済み酸溶液を電気透析して酸と金属成分を分離する分離工程、のうち、いずれか一方または両方を行う第2工程と、を有してなる。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、放射性物質などを含む洗浄用酸の再生利用方法および再生処理設備に関する。
各種産業プロセスなどにおける洗浄工程、または、都市ごみや産業廃棄物、下水汚泥などの焼却灰や焼却飛灰もしくは土壌などから金属成分の溶出工程などに用いる酸の再生利用技術が研究されている。
例えば、各種産業プロセスにおける洗浄工程では、塩酸、硫酸、フッ酸などの無機酸や、クエン酸、シュウ酸などの有機酸が洗浄液として用いられている。これら洗浄液において洗浄後に生じる廃酸は、中和処理して廃棄処分することが一般的であるが、環境への負荷が大きいことから、再生利用が望まれている。
その一例として、高濃度放射性汚染の下水汚泥焼却灰から放射性セシウムを酸により除去するプロセスが知られており、そのプロセスにおける酸の再生利用も環境負荷の観点から重要な技術と認識できる。
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋地震により、東京電力の福島第一原子力発電所では、地震と津波が原因となって炉心溶融および水素爆発が発生し、人的要因も重なって国際原子力事象評価レベル7に相当する事故に至った。この事故により、多量の放射性物質が外部環境に放出され、この放出された放射性物質により周辺地域の土壌が汚染される結果となった。
また、雨水とともに放射性物質が下水道管に流れ込み、下水処理の過程で濃縮され、福島から離れた地域においても下水処理汚泥に放射性物質が濃縮される事態が生じている。
2011年6月16日に国土交通省が示した指針により、1kgあたり8000ベクレル以上、10万ベクレル以下の放射性物質を含む下水汚泥、焼却スラグは、放射性物質専用の処理施設が必要になったことから、このような処理施設を持たない自治体は高濃度放射性汚染の下水汚泥、焼却スラグの処理が出来なくなっている。
そこで、放射性物質汚染対処特措法(2011年8月交付)により、国土交通省が主体となり、下水汚泥等に含まれる放射性物質対策の取り組みがなされている。
高濃度放射性汚染の下水汚泥焼却灰から放射性物質、特に放射性セシウムを除去するプロセスのうち、上述のように酸を用いて放射性セシウムを除去するプロセスが知られている。このプロセスにおいては、放射性セシウムを含む処理対象物を酸溶液に浸漬し、酸溶液の中に放射性セシウムを溶出させ、固液分離後、ゼオライトなどの吸着剤を用いて放射性セシウムを吸着する方法がなされている。
従って吸着剤を用いて放射性セシウムを吸着した後の酸溶液を再利用することが望まれる。
従来から、使用後の洗浄水や酸溶液を再利用するか回収する技術として、以下の特許文献1、2に記載の技術が知られている。
特許文献1には、焼却灰や焼却飛灰を水で洗浄し、使用後の洗浄水から固形物を除去した後、洗浄水として再利用する技術が開示されている。
特許文献2には、有機酸を含む物質を圧力1MPa以上で二酸化炭素に接触させて有機酸を前記物質から二酸化炭素に移行させる技術が開示されている。
特開2006−272168号公報 特開2004−089904号公報
岩井ら;廃棄物資源循環学会論文誌,Vol.20,No.3,pp.203−216,2009
前記酸溶液を用いて放射性セシウムを除去するプロセスにおいては、放射性セシウム以外に除去対象物質(主に下水汚泥焼却灰)に含まれるその他の金属成分も酸の中に溶け込む(以下、溶出と表す。)ことが知られている。
放射性セシウムの除去プロセスにおいて、酸溶液に溶出した放射性セシウムは、ゼオライトにより吸着処理するが、その他の金属成分はゼオライトに吸着されないので、酸の中に溶出したままとなる。
従ってこの酸をそのまま再利用して除去対象物質から放射性セシウムを溶出すると、特に、除去対象物質が下水汚泥焼却灰の場合、灰中に含有している金属成分が多いことから酸溶液への金属成分の溶出量も多くなり、放射性セシウムの溶出量が減少する問題があった。
また、前述の特許文献1、2に記載されている技術は酸溶液へ溶出した金属成分の除去について適用できる技術ではなかった。
本発明の実施形態は、上記事情に鑑みなされたものであって、酸溶液に溶出した金属成分を除去して酸溶液を再利用できる技術を提供することを課題とする。
本発明の実施形態の洗浄用酸の再生利用方法は、放射性物質と金属成分を含む処理対象物に酸溶液を添加して該放射性物質を酸溶液に溶出させた後、固液分離し、固液分離後の溶離液を吸着剤に通過させて前記溶離液中に含まれる放射性物質を吸着除去して処理済み酸溶液とする第1の工程と、吸着除去後の処理済み酸溶液をイオン交換樹脂またはキレート樹脂に通過させて前記処理済み酸溶液中の金属成分を除去し、該金属成分を除去した後の再生酸溶液のpHを調整するpH調整工程、あるいは、吸着除去後の処理済み酸溶液を電気透析して酸と金属成分を分離する分離工程、のうち、いずれか一方または両方を行う第2の工程と、を有してなる。
図1は第一実施形態の再生処理方法を示すフロー図。 図2は第一実施形態の再生処理方法を実施する場合に用いる再生処理設備の一例を示す構成図。 図3は第二実施形態の再生処理方法を示すフロー図。 図4は第二実施形態の再生処理方法を実施する場合に用いる電気透析槽の一例を示す構成図。 図5は同電気透析槽を含む電気透析装置の一例を示す構成図。 図6は第三実施形態の再生処理方法を示すフロー図。 図7は第三実施形態の再生処理方法を実施する場合に用いる再生処理設備の一例を示す構成図。
以下、実施形態について詳細に説明する。なお、本実施形態の技術範囲は下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
「第一実施形態」
図1は、第一実施形態の再生処理方法を示すフロー図であり、本実施形態の再生処理方法では図1に示すフローに従って溶離工程S1、固液分離工程S2、第一の吸着工程S3、第二の吸着工程S4、酸の添加工程S5を行い、酸溶液の再利用を行いつつ処理対象物から放射性物質の除去を行う。本実施形態では、溶離工程S1、固液分離工程S2、第一の吸着工程S3をまとめて第1工程と称し、第二の吸着工程S4、酸の添加工程S5をまとめて第2工程と称する。
図1のフローに示す各工程を実施するための再生処理設備の一例を図2に示す。図2に示す再生処理設備10は、溶離工程S1を実施するための溶離装置1と、固液分離工程S2を実施するための固液分離装置2と、第一の吸着工程S3を実施するための第一の吸着装置3と、第二の吸着工程S4を実施するための第二の吸着装置4と、酸の添加工程S5を行うための酸の添加装置5を主体として構成されている。なお、本実施形態のフローは放射性物質と金属成分を含む処理対象物から放射性物質を除去する場合に用いる酸溶液の再生処理方法に本発明の技術を適用した例について説明するが、本発明はその他一般に酸溶液を利用した薬液処理後に酸溶液を再生利用する技術に適用できるのは勿論である。
本実施形態の溶離工程S1においては、放射性セシウムなどの放射性物質を含む処理対象物をシュウ酸などの酸溶液に混ぜて放射性物質を酸溶液に溶出させて溶離する処理を行う。
本実施形態の処理対象物としては、放射性物質を含んでいる下水汚泥などの焼却灰や焼却飛灰、あるいは、土壌、ごみや産業廃棄物の焼却灰や焼却飛灰などである。これらの中でも下水汚泥焼却灰に対し酸溶液により放射性物質を除去した場合、酸溶液を再生利用すると次回の放射性物質の溶出量が減少することが分かっているため、本実施形態では除去対象物として下水汚泥焼却灰を主体として説明する。
本実施形態において放射性物質の除去される下水汚泥焼却灰は、放射性物質を含む下水を、下水処理および汚泥処理した後に生成されたものであり、セシウムやストロンチウムなどの放射性物質を含むものである。下水汚泥焼却灰は、リン、ケイ素、アルミニウム、カルシウム、鉄、マンガン、カリウムを主成分とし、カドミウム、鉛、砒素、マグネシウム等の金属成分を高濃度に含むものである(例えば、非特許文献1参照)。
酸溶液の再生利用時に放射性物質の溶出量が減少してしまう原因は、下水汚泥焼却灰中の放射性物質以外の金属成分が酸溶液中に溶出し、その量が数百ppm程度と多いことが原因であると本発明者は考えている。従って、酸溶液の再生利用時において、酸溶液中に溶出した放射性物質以外の上述の金属成分を除去した上で再利用する必要がある。
図1に示すフローに従う本実施形態では、溶離工程S1においてシュウ酸水溶液(以下、シュウ酸と記載する。)を用いる。用いるシュウ酸の濃度は、0.1〜10mol/L、好ましくは0.5〜10mol/Lとすることができ、処理するべき下水汚泥焼却灰の重量に対し、5〜100倍、好ましくは10〜50倍とすることができる。
また、溶離工程S1では放射性セシウムの溶出量を多くするため、酸溶液を昇温することが好ましい。昇温する場合の温度は80〜95℃が望ましいが、その範囲に限るものではない。溶出時間は10〜30分が望ましい。また、シュウ酸などの酸溶液を用いる場合のpHは2.0以下、望ましくはpH1.3以下、最も好ましくはpH1.2以下である。
なお、本実施形態において用いられる酸溶液は、シュウ酸に限定されるものではなく、下水汚泥焼却灰から放射性物質を溶離させることができるものであれば如何なるものであってもよく、例えば、塩酸、硫酸、硝酸から選ばれる1種または2種以上などを用いることができる。
溶離工程S1においてシュウ酸を用いて下水汚泥焼却灰から放射性セシウムをシュウ酸中に溶出させることができる。また、下水汚泥焼却灰に重金属などの金属成分が含まれている場合、それら金属成分は数百ppmのオーダーでシュウ酸中に溶出するので、溶離工程S1を経たシュウ酸中にはセシウム以外に重金属などの上述の金属成分も溶出し、所定濃度含まれる。なお、シュウ酸についてはセシウムの溶離能(溶かし出す能力)が高いので好ましい。
固液分離工程S2においては凝集沈殿や遠心分離などの手法により放射性物質溶出後の固形分(処理対象物が下水汚泥焼却灰の場合は灰)を分離除去し、溶離液を得る。
第一の吸着工程S3においては、吸着剤を備えた第一の吸着塔に固液分離後の溶離液を送り、放射性セシウムを吸着剤に吸着させてシュウ酸中から除去する処理を行う。第一の吸着塔では、放射性セシウム除去のための吸着剤として、モルデナイト型ゼオライト、フェロシアン化ニッケルなど、放射性セシウムを吸着可能として知られる公知の吸着剤を備えている。
第一の吸着工程S3において放射性セシウムの除去を行った後の処理済み酸溶液であるシュウ酸中には、セシウム以外の他の金属成分が含まれている。この理由は前述の吸着剤がセシウム以外の金属成分の吸着には有効ではないことによる。本発明者の研究によれば、処理済み酸溶液であるシュウ酸中に含まれるセシウム以外の金属成分として、鉛、六価クロム、ヒ素、銅、亜鉛、マンガン、クロム、リンなどを例示することができる。これらの金属成分は、シュウ酸中にイオンの状態あるいはシュウ酸イオンと錯体を形成し溶出していると推定できる。これらの金属成分を除去するために以下の第二の吸着工程S4を行う。
第二の吸着工程S4では、キレート樹脂を備えた第二の吸着塔に前記処理済み酸溶液であるシュウ酸を送り金属成分を除去する。シュウ酸中に溶出している金属成分のうち、重金属の成分量が少ない場合は、キレート樹脂の代わりに陽イオン交換樹脂を備えた第二の吸着塔を用いても良い。
処理済み酸溶液であるシュウ酸が第二の吸着塔を通過することによりシュウ酸中に溶出していた金属成分は除去される。なお、第二の吸着塔においてシュウ酸から除去された金属成分が、シュウ酸イオンと錯体を形成したものが多い場合、第二の吸着塔を通過した後のシュウ酸の濃度は低下し、pH値が低下することとなる。そこで、第二の吸着塔を通過したシュウ酸のpH値を計測し、所望のpHとなるように試薬から調整した濃いシュウ酸を添加する酸の添加工程S5を行う。pH調節の目安は、溶離工程S1において最初に用いたシュウ酸のpH値、例えば、2.0以下、望ましくは1.3以下、最も好ましくは1.2以下である。
以上の工程により、放射性物質除去後のシュウ酸中に含まれていた金属成分を除去するとともに、次回の溶離工程S1において放射性セシウムの溶出率を低下させないシュウ酸を再生することができる。よって、高濃度放射性汚染の下水汚泥などの焼却灰や焼却飛灰あるいは土壌などから放射性セシウムを酸溶液により除去するプロセスにおける酸溶液の再生利用を容易かつ低コストで実現できる効果を奏する。
以上説明した溶離工程S1、固液分離工程S2、第一の吸着工程S3、第二の吸着工程S4、酸の添加工程S5を実施する場合に用いて好適な再生処理設備10の一例を図2に示す。
溶離工程S1を実施するための溶離装置1は、下水汚泥焼却灰が流入される溶出槽21と、溶出槽21内に収容された加熱機構22と、溶出槽21に接続された酸タンク23と、溶出槽21内の酸のpHを測定するpH測定器27および制御部29と、溶出槽21内の酸溶液としてのシュウ酸の温度を測定する温度計28および温度制御部30を主体として構成されている。
酸タンク23はポンプ24を介装した配管25を介し溶出槽21に接続され、必要量のシュウ酸を溶出槽21に供給できる。制御部29には前記ポンプ24、pH測定器27が電気的に接続されている。温度制御部30には温度計28と加熱機構22が電気的に接続されている。
酸タンク23とポンプ24とpH測定器27と制御部29によりpH制御装置18が構成され、酸タンク23から必要量のシュウ酸を溶出槽21に供給して溶出槽21内のシュウ酸21AのpH制御ができるように構成されている。また、温度計28と加熱機構22と温度制御部30により温度制御装置19が構成され、溶出槽21内のシュウ酸21Aの温度制御ができるように構成されている。
前記溶出槽21には該溶出槽21からの排水が流入する固液分離槽31からなる固液分離装置2が接続されている。固液分離槽31内には、整流壁32が固液分離槽31の上部から底部近くまで延出するように設けられている。前記固液分離槽31では、流入する除染灰が沈殿分離され、溶離液のみが後段の第一の吸着装置3に排水される。
第一の吸着装置3は上述のゼオライトなどの第一の吸着剤34を備えた第一の吸着塔33を有し、この第一の吸着剤34により排水中のセシウムを除去し、除染排水として後段の第二の吸着装置4に排水する。
第二の吸着装置4は上述のキレート樹脂あるいは陽イオン交換樹脂などの第二の吸着剤36を備えた第二の吸着塔35を有し、この第二の吸着剤36により排水中の金属成分を除去して金属成分除去排水として後段の酸の添加装置5に排水される。
酸の添加装置5は、調整槽37と、該調整槽37内のシュウ酸のpHを測定するpH測定器38と調整用酸タンク39とpH制御部40が備えられている。調整用酸タンク39はポンプ41を介装した配管42を介して調整槽37に接続されている。pH制御部40にはpH測定器38とポンプ41が電気的に接続されている。調整用酸タンク39には試薬により調整されたシュウ酸が収容され、pH測定器38のpH計測結果により調整槽37内のシュウ酸のpH値が、溶離工程S1において最初に用いるべきシュウ酸のpH値と異なる場合、調整用酸タンク39からシュウ酸を追加して調整槽37内のシュウ酸を目的のpH値に調整し、再生酸溶液として使用できる。
調整槽37は配管45によって前述の溶出槽21に接続されていて、pH調整済みのシュウ酸(再生酸溶液)を溶出槽21において再利用することができる。
図2に示す再生処理設備10は、溶離装置1を用いて前述の溶離工程S1を実施し、固液分離装置2を用いて固液分離工程Sを実施し、第一の吸着装置3を用いて第一の吸着工程S3を実施し、第二の吸着装置4を用いて第二の吸着工程S4を実施し、酸の添加装置5を用いて酸の添加工程S5を実施することができる。この再生処理設備10により、前述の図1に基づくフローにおいて説明したように放射性セシウムを除去した後の金属成分を含むシュウ酸から金属成分を取り除き、pH調節後に溶出槽21に送ることでシュウ酸の再利用ができる。また、再生処理設備10として使用するシュウ酸を節約することができるため、設備運転コストの削減に寄与する。
「第二実施形態」
図3は、第二実施形態の再生処理方法を示すフロー図であり、本実施形態の再生処理方法では図3に示すフローに従って溶離工程S1、固液分離工程S2、第一の吸着工程S3、電気透析工程S6を行い、酸溶液の再正利用を行いつつ処理対象物から放射性物質の除去を行うことができる。本実施形態では、溶離工程S1、固液分離工程S2、第一の吸着工程S3をまとめて第1工程と称し、電気透析工程S6を第2工程と称する。
第二実施形態の再生処理方法において、溶離工程S1、固液分離工程S2、第一の吸着工程S3については先に説明した第一実施形態の各工程と同等であるため説明を略する。
第二実施形態において特徴的な工程は、電気透析工程S6であり、この電気透析工程S6においては、図4に示す構成の電気透析槽50を備えた、図5に示す構成の電気透析装置51を用いて金属成分の除去とシュウ酸のpH調整を行う。
図4に示す電気透析槽50は、陽イオン交換膜53と陰イオン交換膜54を交互に配置した交換膜装置55を陰極56と陽極57との間に配置した構造とされ、陰極56と陽極57との間に充填されている電解液59の中に交換膜装置55が配置されている。また、陰極56と陽極57には直流電源58が接続され、両極間に所望の直流電圧を印加できるように構成されている。
陽イオン交換膜53は水素イオン(H)を透過し、シュウ酸イオン(B)と金属イオン(A:陽イオン)は透過させない膜であり、陰イオン交換膜54はシュウ酸イオン(B)を透過させるが金属イオン(A:陽イオン)は透過させない膜である。例えば図4において、A(陽イオン(金属イオン))が、陽イオン交換膜、陰イオン交換膜を通過できないことを×印で表している。
図4に示す電気透析槽50において、陽イオン交換膜53と陰イオン交換膜54の間の領域において陰極56あるいは陽極57に近い側に濃縮室60が形成され、濃縮室60、60の間に脱塩室61が形成されている。
なお、図4に示す例では2つの陽イオン交換膜53と2つの陰イオン交換膜54を交互に配置した例を示しているが、陽イオン交換膜53と陰イオン交換膜54を設ける数は2つ以上の任意の数を選択することができるので、電気透析槽50内に更に多くの濃縮室60と脱塩室61を設けた構造としても良い。また、濃縮室60と脱塩室61は交換膜53、54により囲まれて形成されているが、交換膜53、54の上下端部側では図示略の隔壁により仕切られていて、これら隔壁に接続される後述の往管または戻管によって濃縮室60に水(電解液)を脱塩室61にシュウ酸を供給できるように構成される。
図5に示すように電気透析槽50の外部には脱塩水槽63と濃縮水槽64とが設置され、脱塩水槽63はポンプ65を介装した往管63aにより電気透析槽50内の脱塩室61に上述の隔壁を介し接続され、濃縮水槽64はポンプ66を介装した往管64aにより電気透析槽50内の濃縮室60に上述の隔壁を介し接続されている。脱塩室61において往管63aが接続された側と反対側は戻管63bにより脱塩水槽63に接続され、濃縮室60において往管64aが接続された側と反対側は戻管64bにより濃縮水槽64に接続されている。往管63aが複数の脱塩室61に接続される場合、往管63aの接続部分は分岐管とされて各脱塩室61に接続され、戻管63bも同様に分岐管を介し各脱塩室61に接続される。往管64aが複数の濃縮室60に接続される場合、往管64aの接続部分は分岐管とされて各濃縮室60に接続され、戻管64bも同様に分岐管を介し各濃縮室60に接続される。
電気透析槽50の内部に形成されている濃縮室60には往管64aと戻管64bを介して水が循環され、脱塩室61には往管63aと戻管63bを介し第一の吸着工程S3で放射性物質が除去された後のシュウ酸が循環されるようになっている。
本実施形態の電気透析工程S6においては、先の第一の吸着工程S3において放射性セシウムを除去した後の処理済み酸溶液であるシュウ酸を脱塩水槽63と脱塩室61との間で循環させるとともに、濃縮水槽64と濃縮室60との間で水を循環させている間に、陰極56と陽極57に1〜10V程度の直流電圧を電源装置58から印加して電気透析を行う。ここで両電極に印加する直流電圧は1〜3V程度であることがより好ましい。これらの各室を介するシュウ酸の循環と水の循環は、連続的な循環であっても、間欠的な循環であっても良い。
陽イオン交換膜53と陰イオン交換膜54は図4に示すように符号Aで示される金属イオンと符号Bで示されるシュウ酸イオンとHで示される水素イオンを選択的に透過させるか透過させないかという作用を奏する。濃縮室60には水素イオンとシュウ酸イオンが集まり、シュウ酸が濃縮される。脱塩室61では水素イオンとシュウ酸イオンが隣の室に移動し、シュウ酸濃度が低下する。
この作用により、脱塩室61に供給されたシュウ酸に含まれている金属イオンが濃縮室60側に移動される。
ここで、脱塩室61にpH測定器67を接続して脱塩室61のpH値を測定できるように構成すると、脱塩室61内のシュウ酸のpH値を目的のpH値、例えば、溶離工程S1において最初に用いるべきシュウ酸のpH値に達したならば、電解を終了し、透析後のシュウ酸を溶離工程S1に戻すことにより先の第一実施形態の場合と同様に溶出槽21において再利用できる。
「第三実施形態」
図6は、第三実施形態の再生処理方法を示すフロー図であり、本実施形態の再生処理方法では図6に示すフローに従って溶離工程S1、固液分離工程S2、第一の吸着工程S3、第二の吸着工程S4、電気透析工程S6、酸の添加工程S5を行い、酸溶液の再利用を行いつつ処理対象物から放射性物質の除去を行うことができる。本実施形態では、溶離工程S1、固液分離工程S2、第一の吸着工程S3をまとめて第1工程と称し、第二の吸着工程S4、電気透析工程S6、酸の添加工程S5をまとめて第2工程と称する。
この第三実施形態は、第一実施形態の各工程に第二実施形態の電気透析工程S6を付加した工程に相当する。即ち、第二の吸着工程S4で金属成分を除去した後、更に電気透析装置50を用いて電気透析を行い、金属成分の除去とシュウ酸の濃縮を行い、酸の添加工程S5によりpH調節を行い、溶離工程S1でシュウ酸を再利用することができる。
図6のフローに示す各工程を実施する再生処理設備の一例を図7に示す。図7に示す再生処理設備100は、溶離工程S1を実施するための溶離装置1と、固液分離工程S2を実施するための固液分離装置2と、第一の吸着工程S3を実施するための第一の吸着装置3と、第二の吸着工程S4を実施するための第二の吸着装置4と、電気透析工程S6を実施するための電気透析装置51と、酸の添加工程S5を行うための酸の添加装置5を主体として構成されている。各装置については先の第一実施形態と第二実施形態において適用された装置と同等であり、第一第二実施形態において既に説明したので詳細な説明は省略する。
本実施形態では第二の吸着装置4の後段に電気透析槽50を備えた電気透析装置51が設けられ、電気透析装置51の後段に酸の添加装置5が設けられ、酸の添加装置5においてpH調整がなされたシュウ酸が配管70によって前述の溶出槽21に接続されていて、pH調整済みのシュウ酸(再生酸溶液)を溶出槽21において再利用できるようになっている。
第二の吸着装置4の後段に電気透析装置50と酸の添加装置5の両方を設けた場合、電気透析装置50では濃縮率が高くなると効率が低下してくるので、両者を組み合わせることにより、早く低コストで処理が可能となる効果がある。
S1…溶離工程、S2…固液分離工程、S3…第一の吸着工程、S4…第二の吸着工程、S5…酸の添加工程、S6…電気透析工程、1…溶離装置、2…固液分離装置、3…第一の吸着装置、4…第二の吸着装置、5…酸の添加装置、10…再生処理設備、18…pH制御装置、19…温度制御装置、21…溶出槽、22…加熱機構、23…酸タンク、27…pH測定器、28…温度計、29…pH制御部、30…温度制御部、31…固液分離槽、33…第一の吸着槽、34…吸着剤、35…第二の吸着槽、36…吸着剤、37…調整槽、38…pH測定器、39…調整用酸タンク、40…pH制御部、50…電気透析槽、51…電気透析装置、53…陽イオン交換膜、54…陰イオン交換膜、56…陰極、57…陽極、59…電解液、60…濃縮室、61…脱塩室、63…脱塩水槽、64…濃縮水槽、100…再生処理設備。

Claims (7)

  1. 放射性物質と金属成分を含む処理対象物に酸溶液を添加して該放射性物質を酸溶液に溶出させた後、固液分離し、固液分離後の溶離液を吸着剤に通過させて前記溶離液中に含まれる放射性物質を吸着除去して処理済み酸溶液とする第1工程と、
    吸着除去後の処理済み酸溶液をイオン交換樹脂またはキレート樹脂に通過させて前記処理済み酸溶液中の金属成分を除去し、該金属成分を除去した後の再生酸溶液のpHを調整するpH調整工程、
    あるいは、吸着除去後の処理済み酸溶液を電気透析して酸と金属成分を分離する分離工程、のうち、いずれか一方または両方を行う第2工程と、
    を有してなる洗浄用酸の再生利用方法。
  2. 前記放射性物質を吸着除去する吸着剤としてゼオライトを使用することを特徴とする請求項1に記載の洗浄用酸の再生利用方法。
  3. 前記酸溶液としてシュウ酸を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の洗浄用酸の再生利用方法。
  4. 前記電気透析として、陰極と陽極間に陽イオン交換膜と陰イオン交換膜を交互配置してこれらの膜の間に濃縮室と脱塩室を設けた電気透析装置を用い、前記処理済み酸溶液を前記脱塩室に通し、前記脱塩室に電解液を通し、前記陰極と陽極間に電圧を印加してイオン交換することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の洗浄用酸の再生利用方法。
  5. 放射性物質と金属成分を含む処理対象物に酸溶液を添加して該放射性物質を酸溶液に溶出させる溶出槽と、該溶出槽からの酸溶液を固液分離する固液分離装置と、固液分離後の溶離液を吸着剤に通過させて溶離液中に含まれる放射性物質を吸着除去して処理済み酸溶液とする第一の吸着装置を備え、
    吸着除去後の処理済み酸溶液をイオン交換樹脂またはキレート樹脂に通過させて処理済み酸溶液中の金属成分を除去する第二の吸着装置および金属成分を除去した後の再生酸溶液のpHを調整する酸の添加装置と、
    吸着除去後の処理済み酸溶液を電気透析して酸と金属成分を分離する電気透析装置のうち、何れか一方または両方を備えた洗浄用酸の再生処理設備。
  6. 前記電気透析装置が、陰極と陽極間に陽イオン交換膜と陰イオン交換膜を交互配置してこれらの膜の間に濃縮室と脱塩室を設けた電気透析槽を備え、前記処理済み酸溶液を前記脱塩室に通し、前記脱塩室に電解液を通してイオン交換する構成であることを特徴とする請求項5に記載の洗浄用酸の再生処理設備。
  7. 前記電気透析槽の脱塩室に対し往管と戻管により脱塩水槽が接続されて前記処理済み酸溶液を循環させる機構が構成され、前記電気透析槽の濃縮室に対し往管と戻管により濃縮水槽が接続されて電解液を循環させる機構が構成されたことを特徴とする請求項6に記載の洗浄用酸の再生処理設備。
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