JP5912952B2 - 認知症初期段階見極めシステム - Google Patents
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そして、このシステムでは、患者に応じた患者個人のスケジュールや属性、日々変わる天気やニュース等の質問を患者に対して行い、その回答を判定することにより、患者の認知症のレベルを簡易診断するというものである。
逆に、認知症でも質問に正しい回答をすれば、認知症と診断されない問題もある。例えば、質問されたときにだけ認知症で無くなり、偶然、上手く答えられる「まだら認知症」の場合である。
本願発明の認知症初期見極めシステムは、図1に示すように、居宅に配置される端末1とネットワーク2を介して接続される監視手段3とからなり、監視手段3はここでは、コールセンターに設けられている。
見守りセンサユニット4は、スイッチ操作部4aと人感センサ部4bとで構成されている。
スイッチ操作部4aは、ケースに押しボタンスイッチ6を備えたもので、USBインターフェースによって見守り装置親機ユニット5と接続するようになっている。
押しボタンスイッチ6は、押している間だけオンとなるプッシュスイッチで、この形態では、第1ボタン6aと第2ボタン6bの2つのスイッチを使用している。
これは、被観察者の操作を簡便にするために2つに限定したもので、2つ以上のスイッチを使用して認知症を見極める精度を上げることもできる。
この第1ボタン6aと第2ボタン6bは、被観察者が日常的に行う行動を割り当て関連付ける。例えば、前記ボタンに、「起床」、「食事」、「散歩」、「入浴」、「就寝」、・・・など、周期的に反復する日常行動の中から被観察者の好みに合わせて適当なものを選択する。
人感センサ部4bは、この形態では、マイクロ波を使ったドップラーセンサを使用している。前記センサ4bは、見守り装置親機ユニット5とUSBケーブルで接続するようになっており、前記センサ4bを居室に配置して被観察者の所在を検出する。
なお、ドップラーセンサ以外にも、人感センサ部4bとして遠赤外線などを使用したパッシブセンサを使用することもできる。
すなわち、前記親機ユニット5は、在宅/不在判定部7、生活リズム記憶部8、通知メール生成部9、通信部10で構成されている。
具体的には、外出/帰宅ボタン5aは、押すたびにオンとオフが反転する照光式のオルタネートスイッチで、押す前の状態が「在宅」なら押した後は、「不在」に変化し、押す前の状態が「不在」なら、押した後は、「在宅」に変化する。そのため、在宅/不在判定部7は、この変化を記憶してスイッチ5aの内蔵ランプを点灯する。例えば、不在ならランプを点灯し、在宅の場合はランプを消灯する。このように表示することで、押し忘れを防止する。
そして、外出/帰宅ボタン5aの「在宅」と「不在」の反転情報とその反転時刻のデータは、1日1回、予め設定された時刻に通知メール生成部9へ送出される。
具体的には、押しボタン6の押下信号を検出した時刻(押された時刻)と、人感センサ部4bの検出時刻を時系列で1日分記憶する。
このとき、人感センサ部4bの記録は、1時間を15分ごとに4分割し、受信した人感センサ部4bの検知時間から4分割のうちのどの時間帯で検出したかを記憶する。
例えば、1時間を次のとおり15分ごとに4分割する。
1.第1時間帯 毎時 0分0秒〜14分59秒
2.第2時間帯 毎時 15分0秒〜29分59秒
3.第3時間帯 毎時 30分0秒〜44分59秒
4.第4時間帯 毎時 45分0秒〜59分59秒
である。このとき、同じ時間帯で人感センサ部4bが複数回検出した場合は、併せてその回数を記憶する。
そして、この押しボタン6の押下信号を検出した時刻と、人感センサ部4bの検出時刻からなる生活リズム情報は、1日1回、予め設定された時刻に通知メール生成部9へ送出される。すなわち、生活リズム記憶部に蓄積されている前回の送信時刻から現在までの情報が送出されるのである。
電文は、例えば、
1.「第1ボタン6a」の押下時刻を時系列に記載。
2.「第2ボタン6b」の押下時刻を時系列に記載。
3.「人感センサ部4b」の検知時刻を時間帯ごとに記載
4.「人感センサ部4b」の検知回数を時間帯ごとに記載。
5.「外出/帰宅ボタン5a」の押下時刻と前記ボタン5aの反転データを記載。
といった内容のものである。
作成されたメールは、端末(被観察者)1の識別用のメールアドレスなどを付与し、例えば、コールセンターのアドレスを入力して通信部10を介して送信する。
このように、1日1回の送信とすることで、通信量を減少させて監視手段3の負荷を減少させて、多数の被観察者の見極めができるようにしてある。
メールサーバは、端末1からのメールを受信する受信手段として設けたもので、受信したメールは、見守り監視機能へ送信すると同時に、モニタ用コンピュータ11へメールを振り分ける。このようにメールをモニタ用コンピュータ11に振り分けることにより、人の目によるチェックも受けられるようにしてある。
見守り監視機能は、メールの送信アドレスから被観察者(送信端末)を特定するための処理機能(プログラム)と、メールの記載内容を取得する処理機能(プログラム)を有している。ここで、記載内容は、先に示したような定型句のテキストデータ形式なのでデータとしての取得は容易である。
そして、取得したデータからボタンの日常の操作状況の傾向に基づいて認知症を見つけ出す診断手段(プログラム)を備えている。
また、図2の緊急通報ボタン5bは、緊急事態が起きたことをコールセンターへダイレクトに通報するために設けたものである。使用するためには、見守り装置親機ユニット5に電話回線を接続しておく。こうすることで、緊急通報ボタン5bを押下すると、モデム10aがコールセンターへダイヤルして緊急事態を知らせる所定のメッセージを通報する。因みに、通報を受けたコールセンターは確認の電話を行って、その結果、緊急を要すると判断すれば、119番への通報を行う。
具体的には、「起床」、「食事」、「掃除」、「散歩」、「買い物」、「入浴」、「就寝」・・・など周期的に反復する日常行動の中から被観察者が押しボタン6の操作を動機付けしやすい行動を選ぶ。こうすることで、動機付けにより押しボタン6の操作を忘れないようにする。
ここでは、「起床」と「就寝」を選択することにする。すなわち、朝起きたときに、「第1ボタン6a」を押下する。また、夜就寝するときに「第2ボタン6b」を押下することにする。
端末1は、例えば、認知症の診断と同時に、見守りもできるように、日中長時間過ごすリビングなどの居室に配置する。そして、操作がしやすいように、端末1の見守り装置親機ユニット5と見守りセンサユニット4を分離し、分離した見守りセンサユニット4の人感センサ部4bをリビングに配置し、スイッチ操作部4aをリビングのテーブルなどに置いて、両者をUSBケーブルで見守り装置親機ユニット5と接続する。また、その見守り装置親機ユニット5には、インターネット回線を接続する。
これで準備が整ったので、被観察者は、朝起きたときに「第1ボタン6a」を押下し、夜寝るときに「第2ボタン6b」を押下する。
すると、以下のような内容の電文のメールが、1日1回所定の時刻にコントロールセンターへ送られる。
1.「第1ボタン6a」の押下時刻、
2.「第2ボタン6b」の押下時刻、
3.「人感センサ部4b」が検知した時間帯
4.「人感センサ部4b」の時間帯ごとの検知回数
5.「外出/帰宅ボタン5a」の押下時刻と前記ボタン5aの反転データ
被観察者が特定できると、メールのデータを項目ごとに仕分けして蓄積する。蓄積したデータは、生活のリズムを反映するものなので、この情報をもとに、サーバコンピュータ3の診断機能の処理プログラムが、押しボタン6の押下状況、人感センサ部4bの検出状況の統計を作成する。また、その統計から統計表、集計票を作製する。
このように統計を作成すると、例えば、図4に示すように、時刻を横軸とし、押しボタン6の押下された回数を縦軸として表示すると、分散状態は個人によって異なるが、起床時刻と就寝時刻の押下回数は、図4のような被観察者の生活リズムの傾向を反映した正規分布を呈する筈である。
すなわち、この形態では、人感センサ部4bはスイッチ操作部4aを操作する部屋に設置している。そのため、人感センサ部4bが被観察者を検出する時間帯も図4の分布に重なる筈である。したがって、人感センサ部4bが被観察者を検出しているのに、押しボタン6が押下されていない場合は、押しボタン6の単なる押忘れではなく、押しボタン6の押下を認識していない公算が高いと考えられる。
依って、この人感センサ部4bと押しボタン6の押下を蓄積したデータの統計結果を算出して先の判定結果と同時にモニタ画面に表示させることで、見極め精度を向上できる。
すなわち、先に述べたように、コールセンターでは、例えば、「平均起床時刻からa時間以内に第1ボタン6aの操作が無いことを、b日以内にc回検出」したのち、認知症を見極めている。そのため、実施形態の認知症を見極める場合は、異常が複数回生じてから報知する。これを毎回異常が生じた場合に見守り情報としてモニタ用コンピュータ11に表示し、コールセンターから電話などで安否確認することで、見守りを行うというものである。
また、起床時刻に人感センサ部4bが人の動きを検知しない場合は、倒れている場合も考えられるので、コールセンターから電話などで安否を確認する。さらに、「外出/帰宅ボタン5a」で外出がメールで知らされていないのに、長時間人感センサ部4bが人の動きを検知しない場合は、倒れている場合も考えられるので、コールセンターから電話などで安否を確認する。
このように、異常が生じた場合に見守り情報としてモニタ用コンピュータ11に表示させて、コールセンターから電話などで安否確認することで、常時見守りができるのである。
2 ネットワーク
3 監視手段
4 見守りセンサユニット
4a スイッチ操作部
4b 人感センサ部
5 見守り装置親機ユニット
5a 外出/帰宅ボタン
5b 緊急ボタン
6 押しボタン
6a 第1ボタン
6b 第2ボタン
7 在宅/不在判定部
8 生活リズム記憶部
9 通知メール生成部
10 通信部
Claims (6)
- 居宅に配置される端末とネットワークを介して接続される監視手段とで構成され、
前記端末は、日常の決められた行動に対応して操作するスイッチ手段と、前記スイッチ手段が操作されたことを監視手段へ知らせる通信手段を備え、
監視手段は、端末の通信手段からの知らせを受ける受信手段と、前記受信手段が受けた端末のスイッチ手段の日常の操作状況の傾向に基づいて認知症を見極める診断手段を備えたことを特徴とする認知症初期段階見極めシステム。 - 上記診断手段が、日常の操作状況の傾向を、スイッチ手段に基づく周期的に反復する日常の行動のデータを蓄積した生活リズムから統計に基づいて算出することを特徴とする請求項1に記載の認知症初期段階見極めシステム。
- 上記端末が、スイッチ手段を備えた操作部と、被観察者の所在を検出する人感センサ部とからなるセンサユニットと、端末本体ユニットとで構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の認知症初期段階見極めシステム。
- 上記端末本体が、センサユニットのスイッチ手段の操作と人感センサ部の検出信号を時刻データと共に記憶する生活リズム記憶部と、前記生活リズム記憶部が記憶したデータをメールでもって送信する通知メール生成部を備えたことを特徴とする請求項3に記載の認知症初期段階見極めシステム。
- 上記スイッチ手段が、「起床」、「就寝」の日常行動に関連付けられることを特徴とする請求項3または4に記載の認知症初期段階見極めシステム。
- 上記端末のスイッチ手段の日常の操作状況の傾向から、異常の発生を見守ることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の認知症初期段階見極めシステム。
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