JP6635412B1 - 認知機能判定システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 毎日確実に認知機能を判定すると共に、認知機能の異常を従来よりも精度良く判定することが可能な認知機能判定システムを提供することを目的とする。【解決手段】 トイレ室に設置された便器と、トイレ室に設けられた機器を操作するための操作部と、使用者によるトイレ室への入退室を検知する入退室検知センサと、入退室検知センサによって使用者によるトイレ室への入室が検知されてから退室が検知されるまでの間において、使用者が操作部に対して行った複数の異なる操作情報を解析する解析部と、解析部による解析結果に基づいて、使用者の認知機能を判定する判定部とを有することを特徴とする認知機能判定システム。【選択図】 図1

Description

本発明は、認知機能判定システムに関する。
認知機能が低下することによって発症する認知症の事象として、物忘れが頻繁に起こることが知られている。しかし、頻繁に起こる物忘れによって生活に影響が生じていたとしても、周囲の人との会話に対しては上手に合わせて応答し、自らの認知機能が正常であるかの如く取りつくろってしまうことがある。そのため、認知機能に異常が生じ始めていたとしても、周囲の人が認知機能の低下を早期に発見することは難しく、周囲の人が認知機能の低下に気付く頃には既に認知症を発症してしまっている可能性が高い。
これに対して、認知症を発症している可能性の有無を判定し、認知機能の低下を早期に発見することで、認知機能の改善あるいは認知機能の低下が進行することを抑制しようとする認知症判定装置が知られている。(例えば、特許文献1参照)。
特開2017−104289号公報
しかしながら、特許文献1に記載された認知症判定装置は、家電機器の操作履歴から認知症の発症の有無を判定するものであり、全ての人が毎日確実に使うものではなかった。そのため、認知症を発症している可能性を判定する機会を逸してしまうという課題があった。
また、家電機器は様々な場面で様々な用途で使われることが想定されるため、使用状況を特定することが困難であり、所定の操作から使用者の認知機能を判定することは、判定精度の面で非常に難しいという課題があった。例えば、特許文献1では、認知機能が低下した人による異常な操作として、「風呂を深夜に沸かしたこと」や「洗濯機を日中に連続して3回以上脱水を行ったこと」が例として開示されているが、これらの操作は、「帰宅時間が遅くなった時」や「布団などの脱水されにくいものを洗濯した時」などに、正常な認知機能を有する人であっても取り得る操作であるため、使用者の認知機能の異常を精度良く判定することができない。
開示の実施形態は、このような課題を解決するものであり、毎日確実に認知機能を判定すると共に、認知機能の異常を従来よりも精度良く判定することが可能な認知機能判定システムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、実施形態の一態様に係る認知機能判定システムは、トイレ室に設置された便器と、トイレ室に設けられた機器を操作するための操作部と、使用者によるトイレ室への入退室を検知する入退室検知センサと、入退室検知センサによって使用者によるトイレ室への入室が検知されてから退室が検知されるまでの間において、使用者が操作部に対して行った複数の異なる操作情報を解析する解析部と、解析部による解析結果に基づいて、使用者の認知機能を判定する判定部とを有することを特徴とする。
実施形態の一態様に係る認知機能判定システムによれば、日常生活の中で誰しもが毎日少なくとも一回は使用する空間であるトイレ室において、使用者がトイレ室に入室してから退室するまでの間に、使用者がトイレ室に設けられた機器を操作するための操作部に対して行った複数の異なる操作情報を解析すると共に、その解析結果に基づいて、毎日確実に使用者の認知機能を判定することが可能となる。また、トイレ室は、排泄行為を目的とする空間であり、この目的を補助するためにトイレ室に設けられる機器に対する使用者による操作は、家電機器と異なり使用状況をおおよそ想定することが可能であるため、使用者の認知機能の異常を従来よりも精度良く判定することが可能となる。
ここで、「複数の異なる操作情報」とは、単一の操作部に対する複数の異なる操作情報や、複数の異なる操作部に対する単一の操作情報を合わせた情報であり、単一の操作部に対して行われた複数回に亘る同一操作に関する操作情報は含まない。
実施形態の一態様に係る認知機能判定システムにおいて、認知機能が低下した使用者がトイレ室に入室してから退室するまでに取りえる異常操作情報を含む参照情報が予め備えられた第1の記憶部を有し、判定部は、解析結果と、参照情報とを比較することで使用者の認知機能を判定する。
実施形態の一態様に係る認知機能判定システムによれば、判定部は、解析部により解析された使用者の行動と、認知機能が低下した使用者がトイレ室に入室してから退室するまでの間に取りえる異常操作情報を含む参照情報とを比較しながら使用者の認知機能の変化をより精度良く判定することが可能となる。
ここで、「認知機能が低下した使用者が取りえる異常操作情報」とは、例えば、認知症患者がトイレ室に設けられた機器を操作した際に検出された操作情報や、医学的に認知症患者が取りえることが想定される操作情報からなる。
実施形態の一態様に係る認知機能判定システムにおいて、使用者が操作部に対して操作を行った時間を時間情報として取得する時間取得部を有し、判定部は、時間情報に基づいて使用者の認知機能を判定する。
認知症を発症すると物忘れが進行する場合が多いため、トイレ室での必要な操作を思い出すために時間がかかることがあり、あるいはトイレ室での必要な操作を実行したことを忘れて繰り返すことがある。
また、認知機能の低下が進んだ人は、不安感が増すことによって夜間の睡眠が妨げられ、結果、昼夜逆転につながることで、夜間にトイレ室を利用する頻度が正常な人よりも高くなることが知られている。
実施形態の一態様に係る認知機能判定システムによれば、判定部は、使用者が操作部に対して操作を行った時間情報も合わせて、使用者の認知機能をより精度良く判定することが可能となる。
実施形態の一態様に係る認知機能判定システムにおいて、使用者による便器への着座を検知する着座検知センサを有し、判定部は、着座検知センサにより検知された使用者の着座情報に基づいて、使用者の認知機能を判定する。
認知機能が低下すると、トイレ室に入室後、着座することなくトイレ室内の機器である衛生洗浄装置用のリモコンを操作し、局部に水を噴射するボタンを押す等、正常な認知機能を有する健常者であれば取りえない異常な操作を行ってしまう場合がある。
実施形態の一態様に係る認知機能判定システムによれば、判定部は、使用者による便器への着座情報を合わせて、使用者の認知機能をより精度良く判定することが可能となる。
実施形態の一態様に係る認知機能判定システムにおいて、第1の記憶部は、トイレ室外に設けられたサーバ内に設けられ、参照情報は更新可能である。
少なくとも認知症患者の症例を含む参照情報は、システム導入の時点で得られるデータ量から増加発展することが考えられる。参照情報のデータ量が増大すれば、その分判定部による判定精度が向上する。
実施形態の一態様に係る認知機能判定システムによれば、第1の記憶部に格納された参照情報を、システム導入時にサーバ内に準備された情報だけでなく、システム導入後に得られた情報を追加し、更新することができるため、使用者の認知機能をより精度良く判定することが可能となる。
実施形態の一態様に係る認知機能判定システムにおいて、使用者を特定するための個人認証部と、判定部による判定結果を格納する第2の記憶部と、を有し、第2の記憶部には、判定部による判定結果が個人認証部により特定された使用者情報と関連付けられて格納され、判定部は、第2の記憶部に格納された過去の判定結果に基づいて、特定された使用者の認知機能の変化を判定する。
認知症予備軍と言われる軽度認知障害の人々の認知機能は、普段の生活における意識を少し変えるだけで正常範囲に戻る確率が飛躍的に高まる。しかしながら、認知機能は一度低下したら低下し続ける一方であると誤解している方が多く、また、認知機能の回復を定量的に意識できる機会が少ないため、一度軽度認知障害と診断されたことによって塞ぎがちになり、認知症の発症へと進行を速めてしまう人も少なくない。
実施形態の一態様に係る認知機能判定システムによれば、認知機能の判定結果が、個人認証部により特定された個人毎に第2の記憶部に格納されているため、使用者毎に認知機能の低下あるいは回復を判定することが可能となる。
実施形態の一態様に係る認知機能判定システムにおいて、判定部による判定結果を出力する出力部を有し、出力部は、トイレ室外に設けられる。
認知機能に異常が発生していると判定されたとしても、使用者自身がその結果を恥じて、自らの認知機能が正常であるかの如く取りつくってしまうと、従来と同様に周囲の人が認知機能の低下に気付くことができず、認知機能の低下が進行してしまうおそれがある。
実施形態の一態様に係る認知機能判定システムによれば、判定部による判定結果を出力する出力部がトイレ室外に設けられているため、周囲の人が使用者の認知機能の状態を認識しやすい認知機能判定システムを提供することができる。
実施形態の一態様によれば、日常生活の中で誰しもが毎日少なくとも一回は使用する空間であるトイレ室で、毎日確実に認知機能を判定すると共に、認知機能の異常を従来よりも精度良く判定することが可能となる。
本発明の実施形態に係る認知機能判定システムをブロック図で模式的に示した図である。 本発明の実施形態に係る認知機能判定システムの概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態にかかる認知機能判定システムにおいて、使用者の行動を解析する解析方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態にかかる認知機能判定システムにおいて、使用者の認知機能を判定する判定方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態にかかる認知機能判定システムにおいて、使用者の認知機能を判定する判定方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態にかかる認知機能判定システムにおいて、認知機能の判定結果を出力する出力方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の第1実施例にかかる認知機能判定システムの概略構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施例にかかる認知機能判定システムの概略構成を示すブロック図である。 本発明の第1及び第2実施例にかかる認知機能判定システムにおいて、検出部が検出するデータのタイムチャートである。 本発明の第1及び第2実施例にかかる認知機能判定システムにおいて、使用者の行動を解析する解析方法の概念図である 本発明の第1及び第2実施例にかかる認知機能判定システムにおいて、使用者の認知機能を判定する判定方法の概念図である
以下で説明する実施形態は、いずれも本開示の一実施形態を示すものである。以下の実施形態で示される構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などはあくまで一例であり、本発明を限定するものではない。また、以下の実施形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、図面において同じ符号が付いたものは、説明を省略する場合がある。
図1は、本発明の実施形態に係る認知機能判定システムをブロック図で模式的に示した図である。
図1に示すように、認知機能判定システム100は、検出部110と、解析部130と、判定部150とを有する。さらに、時間取得部120と、第1の記憶部140と、個人認証部160と、第2の記憶部170と、出力部180とを有することが好ましい。
検出部110は、少なくともその一部がトイレ室内に設けられたものであり、使用者による便器への着座等のトイレ室内における使用者の動作に係る情報である動作情報112や、局部洗浄装置のリモコンや洗浄レバー等のトイレ室内に設けられた各種機器を操作するための使用者の操作に係る情報である操作情報114を検出する。このために、検出部110は、例えば人体検知センサ17や、着座検知センサ19、入退室検知センサ25、あるいは操作部30などを備える。
時間取得部120は、人体検知センサ17によってトイレ室内で使用者が検知された時刻に関する時間情報や、着座検知センサ19によって使用者による便器への着座が検出されている経過時間に関する時間情報、入退室検知センサ25によって使用者によるトイレ室内への入退室が検知された日時に関する時間情報、使用者によって操作部30が操作された時間など、使用者の動作情報112や操作情報114に対応した時間情報122を取得する。
解析部130は、上述した各種検出部110によって取得された動作情報112や操作情報114に基づいて、トイレ室内で使用者がとった行動を解析し、使用者の行動情報を生成する。解析部130は、例えばトイレ室内の電子機器に設けられたマイクロプロセッサやCPUにより実現される。また、この解析部130による解析は、上述した時間取得部120によって取得された時間情報122を共に用いることで、精度を向上させることが可能となる。解析部130によるトイレ室内で使用者が取った行動を解析する方法については後に詳述する。
第1の記憶部140は、正常な認知機能を有する人(以下、健常者という)がトイレ室内で通常行う複数の行動情報を集積した通常行動情報142や、認知機能が低下した人がトイレ室内で過去に取った行動あるいは取るであろうと推測される複数の行動情報を集積した異常行動情報144を備える。この通常行動情報142及び異常行動情報144は、認知機能判定システム100の設置後であっても、追加や更新することができるように構成されていることが好ましい。以下、説明の便宜上、通常行動情報142と異常行動情報144を合わせた情報を「参照情報146」と称する。この第1の記憶部140は、不揮発性の半導体メモリや磁気ディスク等の電磁的記録手段により実現することができる。
判定部150は、解析部130によって解析されたトイレ室内で使用者が取った行動に基づいて使用者の認知機能を判定する。判定部150は、例えばトイレ室内の電子機器に設けられたマイクロプロセッサやCPUにより実現される。なお、解析部130と判定部150とは一致のプロセッサ内に設けられても良く、異なるプロセッサとして実現されてもよい。また、判定部150による判定は、上述した第1の記憶部140に記憶された参照情報146に基づいて認知機能を判定することで、精度を向上させることが可能となる。
個人認証部160は、トイレ室に入退室する使用者を認証する。個人認証部160としては、特定のボタンを押すことで使用者を認証しても良いし、使用者の生体情報を検出することで認証してもよい。生体情報で使用者を認証する手段としては、例えば声紋、指紋、掌紋、網膜、虹彩、静脈、顔等の生体情報から予め入力した個人情報と比較することで認証する生体認証装置などが挙げられる。なお、個人認証部160は必ずしもトイレ室内に設ける必要はなく、トイレ室の外部に設置されるものであってもよい。例えば光学カメラによる個人認証を行う場合には、プライバシーの保護の観点でも室外の設置が好ましい。
第2の記憶部170は、本システムを用いて過去に認知機能の判定を行っていた場合、個人認証部160の認証結果と関連づけて格納される記憶領域であり、不揮発性の半導体メモリや磁気ディスク等の電磁的記録手段が用いられる。
また、判定部150は、個人認証部160によって認証された使用者の認知機能に対する判定結果が第2の記憶部170に記憶されていた場合、今回の認知機能の判定結果と第2の記憶部170に記憶されていた過去の判定結果とを比較し、認知機能の低下あるいは回復を判定するように構成してもよい。判定部150による使用者の認知機能に対する判定方法については後に詳述する。
出力部180は、個人認証部160により認証された個人に関する情報、判定部150によって判定された今回の認知機能の判定結果や、過去の認知機能の判定結果との比較に基づく認知機能の低下や回復の傾向、当該判定結果に関する助言や宣伝など、本システムの機能に関連する情報を出力可能とするものである。この出力部180は、トイレ室にいる使用者に対して出力するものであってもよく、当該システムに接続された遠隔の関係者、管理者等に対して出力するものであってもよい。そのため、例えば、視覚情報を出力する液晶モニタや有機ELモニタ等の表示装置、聴覚情報を出力するスピーカ等の音声出力装置等で構成される。出力部180による本システムの機能に関連する情報の出力方法については後に詳述する。
[装置構成]
図2は、認知機能判定システムの概略構成を示すブロック図である。
図2に示すように、認知機能判定システム100は、トイレ室に設けられた便器5と、便器5に着脱可能に又は一体的に設置された便座装置10と、を備える。また、便座装置10は、本体部12と、便座14と、便蓋16とを備える。
またトイレ室には、トイレ室内の使用者の人体を検知する人体検知センサ17を設けることができる。人体検知センサ17としては、例えば赤外線や超音波、可視光、マイクロ波センサ、音波センサ、静電タッチセンサ、温度センサ等の検出手段を用いることができる。
また便座14には、使用者による便器5への着座または離座を検知する着座検知センサ19を設けることができる。着座検知センサ19としては、例えば歪みセンサや圧力センサ、赤外線センサ等の検出手段を用いることができる。
また使用者によるトイレ室への入退室を検知する入退室検知センサ25を設けることができる。入退室検知センサ25としては、例えばトイレ室のドア20にマグネットセンサや変位センサ、振動センサ等の検出手段を用いることができる。なお、使用者によるトイレ室への入退室は、前述した人体検知センサ17に用いられる検出手段によって検知されてもよい。
またトイレ室には、トイレ室内に設けられる機器である便座装置10を操作するための操作部30が設置される。操作部30には、例えば、汚物流しボタン26や、局部洗浄ボタン28等の複数のボタンが設けられ、有線又は無線を介して、使用者による便座装置10に対する操作情報を検出する。なお、操作部30は、便座装置10を操作する態様のみに限られず、洗浄レバーなど、使用者が操作するトイレ室内のあらゆる機器に対して設けることが可能である。なお、使用者の操作情報を検出するための操作部30は、ボタンやレバーなどの使用者による物理的な接触を検出する態様だけでなく、カメラ32で検出可能な動きによるジェスチャー操作や、マイク34で検出可能な音による音声操作を検出する態様であっても構わない。
認知機能判定システム100は、人体検知センサ17や着座検知センサ19、入退室検知センサ25等によって検出された動作情報112や、カメラ32やマイク34を含む操作部30によって検出された操作情報114からトイレ室内で使用者がとった行動を解析し、使用者の行動情報を生成し、これに基づいて使用者の認知機能を判定する。
認知機能判定システム100は、認知機能の判定結果を、画像の表示や音の出力等により、トイレ室を現在使用している使用者に報知する。また、判定結果を報知する対象は、使用者自身に限らず、その使用者を保護監督する親族や、介護施設・医療施設の管理者等、本発明にかかるシステムの関係者であってもよい。
[解析方法]
図3は、本発明の実施形態にかかる認知機能判定システムにおいて、使用者の行動を解析する解析方法の一例を示すフローチャートである。以下、図3を参照しつつ、本発明の実施形態にかかる認知機能判定システムにおける使用者の行動を解析する解析方法を説明する。
ステップS101において、使用者によるトイレ室への入室が行われたか否かを解析する。入室の有無は、人体検知センサ17や入退室検知センサ25等によって解析することができる。但し、認知機能が低下している場合や、閉所恐怖症などの場合は、入室したもののトイレ室のドア20が常に開状態の場合もあることから、人体検知センサ17と入退室検知センサ25との複合により解析することが好ましい。
ステップS102において、使用者による便器5への着座が行われるまでに生成された行動情報を解析する。解析部130によって、使用者による便器5への着座が解析されるまでの間における、認知機能の低下が疑われる行動の有無を判定するため、判定部150は入室が解析されてから着座が解析されるまでの期間において認知機能判定フローを実行する。例えば、便器5への着座が解析される前に、操作部30に設けられた局部洗浄ボタン28に対する使用者による操作情報114が検出された場合や、ドア20を閉状態にすることなく脱衣が行われた動作情報112が検出された場合は、判定部150により認知機能が低下している判定される可能性が高まる。
ステップS103において、使用者による便器5への着座が行われたか否かを解析する。着座の有無は、着座検知センサ19やカメラ32等によって解析することができる。例えば、着座検知センサ19によって、便座14に圧力がかかっていない状態から圧力がかかっている状態に遷移したことが検出された後、時間取得部120によって、便座14に圧力がかかっている状態が所定時間経過したことが取得されたとき、解析部130は、使用者によって便器5への着座が行われたと解析することができる。
ステップS104において、使用者による便器5からの離座が行われるまでに生成された行動情報を解析する。解析部130によって、使用者が便器5からの離座が解析されるまでの間における、認知機能の低下が疑われる行動の有無を判定するため、判定部150は着座が解析されてから離座が解析されるまでの期間において認知機能判定フローを実行する。例えば、便器5からの離座が解析される前に、ドア20を開状態にしたまま排泄が行われた動作情報112が検出された場合や、便座14に圧力がかかっている状態とかかっていない状態とが短時間に繰り返される動作情報112が検出された場合、操作部30に設けられた局部洗浄ボタン28に対する使用者による操作情報114が所定時間以上検出された場合などは、判定部150により認知機能が低下していると判定される可能性が高まる。なお、使用者が男性で且つ排泄が小便の場合など必ずしも着座と離座を伴わない場合があるため、個人認証部160による個人認証や排泄物の特定などにより通常行動又は異常行動の判断根拠を取得することが好ましい。
ステップS105において、使用者による便器5からの離座が行われたか否かを解析する。離座の有無は、着座検知センサ19やカメラ32等によって解析することができる。例えば、着座検知センサ19によって、便座14に圧力がかかっている状態から圧力がかかっていない状態に遷移したことが検出された後、時間取得部120によって、便座14に圧力がかかっていない状態が所定時間経過したことが取得されたとき、解析部130は、使用者によって便器5からの離座が行われたと解析することができる。
ステップS106において、使用者によるトイレ室からの退室が解析されるまでに生成された行動情報を解析する。解析部130によって、使用者によるトイレ室からの退室が解析されるまでの間における、認知機能の低下が疑われる行動の有無を判定するため、判定部150は離座から退室までの期間において認知機能判定フローを実行する。例えば、排泄した動作情報112が検出されたにも関わらず、退室が解析されるまでに、操作部30に設けられた汚物流しボタン26に対する使用者による操作情報114が検出されなかった場合は、判定部150により認知機能が異常であると判定される可能性が高まる。また、便器5内の水で手を洗う動作情報112が検出された場合や、使用者が排泄した排泄物をもてあそぶ動作情報112が検出された場合のように、明らかな異常な行動情報が解析されたときは、その他の行動情報については問題無かったとしても、判定部150により認知機能が低下している判定される。
ステップS107において、使用者によるトイレ室からの退室が行われたか否かを解析する。退室の有無は、人体検知センサ17や入退室検知センサ25によって解析することができる。但し、認知機能が低下している場合や閉所恐怖症などの場合は、入室時からトイレ室のドア20が常に開状態の場合もあることから、人体検知センサ17、あるいは人体検知センサ17と入退室検知センサ25との複合により退室の解析することが好ましい。
なお、解析部130が使用者によるトイレ室内での行動を正確に解析するためには、単一の動作情報112や単一の操作情報114に基づいて解析を実行するのではなく、複数の異なる動作情報112や複数の異なる操作情報114に基づいて解析を実行することが好ましい。また、ある時点において検出された動作情報112や操作情報114に基づいて一度解析された行動に対して、その行動の前後の時間帯において解析された異なる行動と合わせて解析し直すことで、使用者による行動の意図を推測することが可能となるため、より正確に使用者によるトイレ室内での行動を解析することが可能となる。
[判定方法]
図4及び図5は、本発明の実施形態にかかる認知機能判定システムにおいて、使用者の認知機能を判定する判定方法の一例を示すフローチャートである。以下、図4及び図5を参照しつつ、本発明の実施形態にかかる認知機能判定システムにおける認知機能の判定方法を説明する。
使用者の認知機能の判定は、上述のとおり、トイレ室内で検出された動作情報112や操作情報114に基づいて解析部130が解析することで生成された行動情報に基づいて行われる。そして、生成された行動情報と、健常者がトイレ室内で通常とりえる通常行動情報142や、認知機能の低下した人がトイレ室内でとりえる異常行動情報144を含む参照情報146とを比較して判定することで、使用者の認知機能に対する判定精度を高めることが可能となる。
本判定のフローにかかる設計思想として、(A)使用者によるトイレ室内での行動に対し、随時判定を実行する場合と、(B)使用者によるトイレ室内での一連の行動に対し、総合的に判定を実行する場合とに大別される。
まず、使用者によるトイレ室内での行動に対し、随時判定を実行する場合(A)について図4を用いて説明する。
ステップS401において、第1の記憶部(ROM等)に格納された参照情報146をRAM等に読み出し、即時演算可能な状態とするように、判定の準備を行う。特に個人認証部160により個人が認証される場合には比較に必要な情報が限られる場合があり、演算速度を速めることができる。例えば、トイレ室のドア20を開状態で排泄することが、過去の解析部130による解析結果から習慣になっていることが確認されている使用者が認証された場合、トイレ室のドア20の開閉状態を含む参照情報146を読みだす必要がなくなる。なお、参照情報146の情報量や通信速度等の物理的制約によっては、あえて事前に参照情報146を読み出す必要はない。
ステップS402において、使用者の動作情報112や操作情報114に基づいて解析部130が解析した行動情報と、参照情報146との比較を行う。
解析部130により解析された使用者の行動情報と、参照情報146との比較は、様々な方法で実行することができる。例えば、リスト化された異常行動情報144ごとにスコアを付与すると共に、解析部130により解析された使用者の行動情報が異常行動情報144と合致する度に、そのスコアを積算するようにすることで、積算されたスコアの合計値に応じて使用者の認知機能の低下の程度を算出することができるようになる。なお、異常行動情報144ごとに付与するスコアは均一にする必要はなく、認知症と強く判定すべき異常行動情報144に対しては、他の異常行動情報144よりも高いスコアを付与してもよい。
また、使用者によるトイレ室内での行動に対し、随時判定を実行する場合には、判定結果に対し随時更新、上書きを行うとよい。すなわち、トイレ室への入室の直後に異常行動情報144に合致する使用者の行動情報が解析された場合であっても、その後に解析された一連の行動情報が、通常行動情報142と合致する場合には、最初の判定結果を更新して使用者の認知機能の低下は少ない又はないと判定することができる。
ステップS403では、上記のようにして判定された結果を、第2の記憶部170に格納する。随時判定が実行されるため、判定結果は時系列に格納していくことが好ましい。また、個人認証部160により使用者を認証して判定を実行している場合には、使用者に関する情報と、判定結果とを関連付けて第2の記憶部170に格納することができる。
次に、使用者によるトイレ室内での一連の行動に対し、総合的に判定を実行する場合(B)について図5を用いて説明する。
ステップS501において、解析部130により解析された行動情報を第2の記憶部170に随時格納する。具体的には、使用者によるトイレ室への入室が解析された後、解析部130により解析される使用者の行動情報に関する複数の情報を第2の記憶部170に随時格納する。このとき、時間取得部120により取得される時間情報122と関連付けて第2の記憶部170に格納することで、後の工程において、精度良く参照情報146と比較することができる。
ステップS502において、第2の記憶部170に格納された複数の情報を用いて、使用者の認知機能の低下について総合的に判定を実行する。具体的には、第2の記憶部170に格納された複数の情報と、第1の記憶部140に格納された参照情報146とを比較する。
ステップS503において、参照情報146の中で、今回第2の記憶部170に格納された複数の行動情報に最も近い参照情報146を一つ又は複数抽出する。
ステップS504において、抽出された参照情報146と、第2の記憶部170に格納された複数の行動情報との類似性(一致性)を定量化する。このようにして、第2の記憶部170に格納された使用者によるトイレ室内での一連の行動に対する解析結果に対して総合的に判定を実行することができる。
ステップS505において、上記のようにして判定された使用者の認知機能の判定結果を、第2の記憶部170に格納する。使用者によるトイレ室内での一連の行動の終了後に判定結果を第2の記憶部170に格納することで、(A)の場合よりも第2の記憶部170に格納する情報を少なくすることができる。
ただし(B)の場合であっても、時系列における所定の特徴的期間ごとに分離して参照情報146との比較を部分的に実施することもできる。このような判定処理は、参照情報146の情報量の多寡、判定の処理速度、求める判定精度等によって適宜選択することができる。
[出力方法]
図6は、本発明の実施形態にかかる認知機能判定システムにおいて、認知機能の判定結果を出力する出力方法の一例を示すフローチャートである。以下、図6を参照しつつ、本発明の実施形態にかかる認知機能判定システムの出力方法を説明する。
本出力のフローにかかる設計思想として、(C)今回の認知機能の判定結果を出力する場合と、(D)過去の認知機能の判定結果からの変化(低下もしくは回復)を出力する場合とに大別される。
ステップS601において、個人認証部160によって使用者が認証されなかった場合(ステップS601、No)、ステップS602において、出力部180は今回の認知機能の判定結果を出力する。
一方、ステップS601において、個人認証部160によって使用者が認証された場合(ステップS601、Yes)、ステップS603において、認証された使用者の過去の判定結果が第2の記憶部170(ROM等)に格納されているかを確認する。
ステップS603において、認証された使用者の過去の判定結果が第2の記憶部170に格納されていなかった場合(ステップS603、No)、つまり初めての使用者だった場合、ステップS602において、出力部180は今回の認知機能の判定結果を出力する。
ステップS603において、認証された使用者の過去の判定結果が第2の記憶部170に格納されていた場合(ステップS603、Yes)、ステップS604において、認知機能の変化を出力する必要がある使用者か否かを確認する。
ステップS604において、認知機能の変化を出力する必要がない場合(ステップS604、No)、例えば、個人認証部160によって認証された使用者が認知症を発症するおそれが低い年齢である場合や、使用者によって認知機能の変化を出力しないという設定にされている場合などは、認知機能の変化を出力しない。
一方、S604において、認知機能の変化を出力する必要が有る場合(ステップS604、Yes)、ステップS605において、第2の記憶部170に格納された認証された使用者の過去の判定結果と、今回の認知機能の判定結果とに基づいて、認知機能の変化を出力する。なお、たとえ使用者によって認知機能の変化を出力しないという設定にされている場合であっても、過去の認知機能の判定結果が正常であったのに対して、今回の認知機能の判定結果が異常であった場合は、認知機能の変化を出力することが好ましい。これによって、自覚しないまま回復できない程度に認知機能の低下が進んでしまうことを防止することができる。
[第1実施例]
図7は、第1実施例にかかる認知機能判定システムの概略構成を示すブロック図である。第1実施例に示す認知機能判定システムは、全ての構成がトイレ室内に設置されるものである。以下、図7を参照して本実施例の認知機能判定システムについて説明する。
図7に表したように、トイレ室内に、便座装置10と、便座装置10を操作するための操作部30であるリモコン50とを設けた。
便座装置10は、動作情報112を検出する検出部110と、時間取得部120を検出するタイマー52と、解析部130及び判定部150を兼ねるCPU54、及び第1の記憶部140及び第2の記憶部170を兼ねるメモリ56を備えた制御装置58と、リモコン50と通信するための通信機60とを備えている。
リモコン50は、操作情報114を検出する検出部110としての複数の操作ボタン62と、その操作ボタン62の内、使用者を特定する個人認証部160としての機能を有する個人認証ボタン64と、出力部180であるモニタ36と、便座装置10と通信するための通信機60とを備えている。
第1実施例において、検出部110は、便座装置10に設けられたマイクロ波センサ46及び圧力センサ48と、リモコン50に設けられた操作ボタン62によって構成した。具体的には、マイクロ波センサ46が、使用者によるトイレ室への入退室を検出し、圧力センサ48が、使用者による便座14への着座を検出し、操作ボタン62が、使用者による便座装置10への操作を検出することで、使用者の動作情報112や操作情報114を取得する。
検出部110によって検出された、使用者の動作情報112や操作情報114は、便座装置10、リモコン50に設けられた通信機60によって、タイマー52によって検出された時間情報122と共に、制御装置58に送信され、制御装置58が備えるCPU54によって解析されると共にメモリ56に記憶される。
制御装置58に備えられたCPU54は、メモリ56に記憶された情報に基づいて使用者の認知機能を判定する。このとき、リモコン50に設けられた個人認証ボタン64によって特定された使用者の情報が、リモコン50に設けられた通信機60から送信され、認知機能の判定結果は送信された使用者の情報と共にメモリ56に記憶される。
また、CPU54によって判定された、今回の認知機能の判定結果は、通信機60によってリモコン50に送信され、リモコン50に設けられたモニタ26に表示される。このとき、メモリ56に既に認知機能の判定結果が記憶されていた使用者に対して結果を表示する場合には、過去の認知機能の判定結果からの変化(低下あるいは回復)が表示される。
[第2実施例]
図8は、第2実施例にかかる認知機能判定システムの概略構成を示すブロック図である。
本実施例は、第1実施例に対して、解析部130や判定部150、第1の記憶部140、第2の記憶部170に当たる構成をトイレ室外に設置している点で相違する。すなわち、本発明にかかる認知機能判定システム100の一部を、インターネットを介した外部のクラウドサーバ66により構成した。以下、図8を参照して本実施例の認知機能判定システムについて説明する。
図8に表したように、トイレ室内には、便座装置10と、便座装置10を操作するための操作部30であるリモコン50と、それらの装置及びトイレ室外との通信を行う通信機60が設けられる。そして、トイレ室外にクラウドサーバ66が設けられる。
第2実施例において、クラウドサーバ66は、第1実施例において便座装置10に設けられたメモリ56よりも大規模な保存領域を有するストレージ68と、解析部130と判定部150の機能を備えるサーバ70とが設けられる。
本実施例においては、参照情報146が記憶されるクラウドサーバ66上のストレージ68がインターネットと接続しており、第1実施例のように本システムがトイレ室内で完結していない。このため、参照情報146を常に外部から追加・更新することができるため、参照情報146についてのデータ量の増加やデータ内容の精緻化をすすめることにより、本システムの判定精度を高めることができる。
また、本実施例の認知機能判定システムは、トイレ室内で構成されるシステムとは異なり、外部のネットワークに接続する。このため様々な外部データと情報のやり取りが可能であり、取り扱うデータ量は膨大ともなる。そこで、クラウドサーバ66上のサーバ70にAI(人工知能)技術やビッグデータ分析技術を用いることで、膨大な検出パターンから認知機能の低下を示すパターンを算出し、今回の使用者のトイレ室内での行動情報との類似性(一致性)を即座に判断することができる。
さらに、本システムがインターネットに接続されることにより、使用者の認知機能に対する判定結果を外部からアクセスすることが容易となる。このため、例えば医療機関や介護施設に設けられたモニタ36等に使用者の認知機能に対する判定結果を出力することができる。
以上に述べた点を除き、認知機能判定システム100が備えた各構成については、第1実施例で述べたものと同様の構成とすることができるので、詳細な説明を省略する。
[第3実施例]
本実施例では、実施例1及び実施例2で述べた認知機能判定システムにおける認知機能の判定方法の具体例について、図9乃至図11を用いて説明する。
図9は、第1及び第2実施例にかかる認知機能判定システムの検出部が検出するデータのタイムチャートの一例を示す図である。
図10は、第1及び第2実施例にかかる認知機能判定システムの解析部が行う解析方法の概念図である。
図11は、第1及び第2実施例にかかる認知機能判定システムの判定部が行う判定方法の概念図である。
図9に示すように、ドアセンサやマイクロ波センサ等の各センサや、トイレ室内の機器であるリモコン50や紙巻き器に設けられた局部洗浄ボタン、汚物流しボタン及び紙巻き器センサからの信号に基づいて、使用者の動作情報112や操作情報114を検出する。これらの信号は時間情報122とともにデジタルデータとして、メモリ56又はクラウドサーバ66のストレージ68に格納される。これらのデータは、制御装置58のCPU54や、クラウドサーバ66のサーバ70によって解析される。
図10に示したように、解析部130であるCPU54やサーバ70によって実行されるトイレ室内で使用者が取った行動の解析は、使用者の動作情報112または操作情報114が検出された順に時系列で解析処理される。
本実施例において、ドアセンサによりOFFからONになった検出データが得られたとき、使用者がドアを開けるという行動を取ったと解析をする(t1 )。次に、ドアセンサがONになった状態のまま、マイクロ波センサによりOFFからONになった検出データが得られたとき、使用者がトイレ室に近づく行動を取ったと解析をする(t2 )。そして、ドアセンサによりONからOFFになった検出データが得られたとき、使用者がトイレ室に入室してドアを閉めるという行動を取ったと解析をする(t3 )。以下、同様に図10に示したように、解析部130が使用者の行動を解析するため、説明を省略する。
図11に示したように、判定部150であるCPU54やサーバ70によって実行される使用者の認知機能の判定は、メモリ56やストレージ68に記憶された参照情報146と、動作情報112又は操作情報114から解析された使用者の行動情報との類似性(一致性)に基づいて実行する。
本実施例において、メモリ56やストレージ68に記憶された参照情報146は、ドアを閉めてから着座までに要した時間が1分以内であるという通常行動情報142、着座前にリモコン50に設けられた局部洗浄ボタンを操作するという異常行動情報144、及び、排泄が検知された後、退室前にリモコン50に設けられた排泄物を流すための汚物流しボタンを操作するという通常行動情報142である。
本実施例において、解析部130によってドアを閉めるという行動が解析された時間(t3 )と、解析部130によって使用者が便座14に着座するという行動が解析された時間(t5 )との時間差(t5 ―t3 )は、一分以内である。そのため、参照情報146に記憶された通常行動情報142と一致している。このとき、判定部150は、認知機能低下スコアを−0と判定する。
本実施例において、解析部130によって使用者が便座14に着座するという行動が解析された時間(t5 )の前の時間である(t4 )にて、解析部130によって使用者がリモコン50に設けられた局部洗浄ボタンを操作したことが解析されている。そのため、参照情報146に記憶された異常行動情報144と一致している。このとき、判定部150は、認知機能低下スコアを−10と判定する。
本実施例において、解析部によって使用者の排泄が行った行動が解析されている(t6 )。しかしながら、使用者がトイレ室から退室したという行動が解析された時間(t10 )までの間に、リモコン50に設けられた汚物流しボタンを操作したことが解析されていない。そのため、参照情報146に記憶された通常行動情報142と一致していない。このとき、判定部150は、認知機能低下スコアをー30と判定する。
本実施例において、使用者がトイレ室に入室してから退室するまでの間に検出された複数の異なる動作情報112又は操作情報114に基づいて解析された使用者の行動情報から、使用者の認知機能低下スコアが−40であると判定する。その後、モニタ36によって認知機能に異常があるおそれがあることを表示する。これによって、毎日確実に使用者の認知機能を従来よりも精度良く判定することができる認知機能判定システムを提供することが可能となる。
1・・・トイレ室
5・・・便器
10・・・便座装置
12・・・本体部
14・・・便座
16・・・便蓋
17・・・人体検知センサ
19・・・着座検知センサ
20・・・ドア
25・・・入退室検知センサ
26・・・汚物流しボタン
28・・・局部洗浄ボタン
30・・・操作部
32・・・カメラ
34・・・マイク
36・・・モニタ
46・・・マイクロ波センサ
48・・・圧力センサ
50・・・リモコン
52・・・タイマー
54・・・CPU
56・・・メモリ
58・・・制御装置
60・・・通信機
62・・・操作ボタン
64・・・個人認証ボタン
66・・・クラウドサーバ
68・・・ストレージ
70・・・サーバ
100・・・認知機能判定システム
110・・・検出部
112・・・動作情報
114・・・操作情報
120・・・時間取得部
122・・・時間情報
130・・・解析部
140・・・第1の記憶部
142・・・通常行動情報
144・・・異常行動情報
146・・・参照情報
150・・・判定部
160・・・個人認証部
170・・・第2の記憶部
180・・・出力部

Claims (7)

  1. トイレ室に設置された便器と、
    前記トイレ室に設けられた機器を操作するための操作部と、
    使用者による前記トイレ室への入退室を検知する入退室検知センサと、
    前記入退室検知センサによって使用者による前記トイレ室への入室が検知されてから退室が検知されるまでの間において、使用者が前記操作部に対して行った複数の異なる操作情報を解析する解析部と、
    前記解析部による解析結果に基づいて、使用者の認知機能を判定する判定部と、
    を有することを特徴とする認知機能判定システム。
  2. 認知機能が低下した使用者が前記トイレ室に入室してから退室するまでの間に取りえる異常操作情報を含む参照情報が予め備えられた第1の記憶部を有し、
    前記判定部は、前記解析結果と、前記参照情報とを比較することで使用者の認知機能を判定することを特徴とする請求項1に記載の認知機能判定システム。
  3. 使用者が前記操作部に対して操作を行った時間を時間情報として取得する時間取得部を有し、
    前記判定部は、前記時間情報に基づいて使用者の認知機能を判定することを特徴とする請求項2に記載の認知機能判定システム。
  4. 使用者による前記便器への着座を検知する着座検知センサを有し、
    前記判定部は、前記着座検知センサにより検知された使用者の着座情報に基づいて、使用者の認知機能を判定することを特徴とする請求項2または3に記載の認知機能判定システム。
  5. 前記第1の記憶部は、前記トイレ室外に設けられたサーバ内に設けられ、前記参照情報は更新可能であることを特徴とする請求項2乃至4の何れか一項に記載の認知機能判定システム。
  6. 使用者を特定するための個人認証部と、
    前記判定部による判定結果を格納する第2の記憶部と、を有し、
    前記第2の記憶部には、前記判定部による判定結果が前記個人認証部により特定された使用者情報と関連付けられて格納され、
    前記判定部は、前記第2の記憶部に格納された過去の判定結果に基づいて、特定された使用者の認知機能の変化を判定することを特徴とする請求項2乃至5の何れか一項に記載の認知機能判定システム。
  7. 前記判定部による判定結果を出力する出力部を有し、
    前記出力部は、前記トイレ室外に設けられることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の認知機能判定システム。

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