JP5911612B2 - シート処理装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
図1(a)は実施の形態の画像形成システムとしての画像形成装置及びシート処理装置の概略断面図である。なお、図1(a)は、画像形成装置1の正面(前面)が手前になる場合の図である。画像形成装置1は、画像読取部2と画像形成部3、シート処理装置50から構成されている。操作部40から、又はパーソナルコンピュータ(以下、PCとする)等の外部機器からネットワークを介して、ユーザによる画像形成装置1へのジョブの設定が行われる。設定されたジョブがコピー動作であれば画像読取部2からの画像データ、プリント動作であればPCからネットワーク経由で送信された画像データに基づき、画像形成処理及びシート後処理を行う。
次にシート処理装置50について説明する。図1(a)に示すように、シート処理装置50は、画像形成装置1の排紙部に設けられ、図示しない信号線を介して画像形成装置1と通信を行うことにより、画像形成装置1と協働して動作する。ここで、図1(b)は画像読取部2を外してシート処理装置50を上から見た図であり、図1(a)に記載されている部材の一部を省略して描画している。また、図1(b)における下側が図1(a)で示した画像形成装置1の前面側(手前側)となる。また、図1(b)の黒太矢印は、破線で示すシート束Sの綴じ処理後の搬送方向を示している。
図2を用いて、針無し綴じ装置52の詳細な構成について説明する。図2(a)は針無し綴じ装置52が綴じ動作を行っていない待機状態を示しており、図2(b)は綴じ動作状態を示している。針無し綴じ装置52において、針無し綴じモータ75(以下、単にモータという)(図中、Mと記す)の出力軸は、ギアからなる減速機構91を介してカム回転軸94へ接続されている。本実施の形態では、モータ75はDCブラシ付きモータを使用している。モータ75の出力軸には、単位時間当たりの回転数である回転速度を計測するための速度検出手段であるエンコーダセンサ90が設けられている。エンコーダセンサ90は光学式センサであり、モータ75の出力軸上の円盤に設けられたスリットを検出して、モータ75の回転速度に応じて周期が変動するパルス信号を出力する。即ち、後述するCPU162(図3参照)は、エンコーダセンサ90から入力されたパルス信号に基づいて、モータ75の回転速度を検出することができる。なお、本実施の形態では、モータ75の出力軸上に設けられた円盤は、スリット数が18スリット/周で構成される。
次に図1(a)で示したシート処理装置50を有する画像形成装置1の制御ブロックを、図3を用いて説明する。画像形成装置1は、画像形成装置1を制御するCPU161、ROM165、RAM166及び操作部40を有する。ROM165は、画像形成装置1を制御するためのプログラムやデータ等が格納されている。RAM166は、CPU161が画像形成装置1を制御する際に、処理データの読み書きを行うために使用される。操作部40はユーザからの画像形成装置1及びシート処理装置50による後処理方法の設定を受け付ける。本実施の形態では、後処理方法として、針無し綴じ処理の実施を選択することが可能となっている。CPU161は、操作部40と通信を行うことによって、ユーザが操作部40を操作することにより設定した情報(設定情報ともいう)を認識することが可能である。一方、シート処理装置50は、シート処理装置50を制御する制御手段であるCPU162、ROM167、RAM168を有している。CPU162は、画像形成装置1のCPU161と通信を行うことにより、互いの状態を検知することができる。ROM167は、シート処理装置50を制御するためのプログラムやデータ等が格納されている。RAM168は、CPU162がシート処理装置50を制御する際に、処理データの読み書きを行うために使用される。
画像形成装置1からのジョブの情報(以下、ジョブ情報とする)に応じたシート処理装置50の針無し綴じ装置52を使用した針無し綴じ制御シーケンスについて説明する。図4(a)は画像形成装置1のCPU161が実行する制御のフローチャート、図4(b)はシート処理装置50のCPU162が実行する制御のフローチャートである。
次に図4(b)を用いてシート処理装置50のCPU162の制御フローチャートを説明する。画像形成装置1へ電源が投入されると、シート処理装置50へも画像形成装置1から電力が供給される(電源オン)。電力が供給されるとCPU162が起動され、CPU162はS601以降の処理を開始する。S601でCPU162は、シート処理装置50の初期化動作を実施した後にスタンバイ状態で待機する。S602でCPU162は、画像形成装置1のCPU161からジョブ情報が通知された(ジョブ情報を受け付けた)か否かを判断する。S602でCPU162は、ジョブ情報を受け付けていないと判断した場合はS601の処理に戻る。S602でCPU162は、ジョブ情報を受け付けたと判断した場合、S603の処理に進む。S603でCPU162は、CPU161から受け付けたジョブ情報に応じて、シート処理装置50が画像形成装置1からシートPを受け取り可能となるまでの所定の受付待機時間を、画像形成装置1のCPU161へ通知する。なお、画像形成装置1のCPU161側の処理は、上述した図4(a)のS503の処理に対応している。
次に、シート処理装置50のCPU162による針無し綴じ処理を、図5のフローチャートを用いて説明する。また、図6は針無し綴じ処理時におけるシート処理装置50の各部の信号を示すタイムチャートである。ここで、図6の(a)は、「下死点」、「綴じ動作点(上死点)」等、図2で説明したカム92の位置を示している。図6の信号(b)は、モータ75のモータ駆動信号を示している。信号(b)において、CW(clock wise;時計回り方向)は正回転を、BRAKEは回転の停止を、CCW(counter clock wise;反時計回り)は逆回転を、STOPは駆動の停止を、それぞれ示している。このように、本実施の形態では、CWを正回転、CCWを逆回転として説明する。図6の波形(c)は、モータ75の駆動電流I[A]の波形を示しており、RAM168に記憶されている所定値Iaに応じた電流値をA1、また、リミット電流値をILとして破線で示している。図6の波形(d)は、モータ75を駆動するための駆動電圧V[V]の波形を示している。図6の波形(e)は、エンコーダセンサ90により検出したモータ75の単位時間(秒)当たりの回転数[rps]を示している。なお、図6の波形(e)には、後述する所定回転数X、Yを一点鎖線で示している。図6の波形(f)は、CPU162が電流制限回路100に出力するリミット電流信号[V]を示す図、図6の波形(g)は、基準センサ76からCPU162に出力される検出信号[V]を示している。図6の横軸はいずれも時間である。
以下に、CPU162によるモータ75の回転速度Nmとトルク定数Ktの決定を、詳細に説明する。CPU162は、複数回計測した駆動電圧Vに応じた電圧Vmの平均値を求める。CPU162は、予めROM167に記憶された、電圧Vmとモータ駆動電圧Vとの関係を示すデータ(表1)を用いて、電圧Vmの平均値からモータ75の駆動電圧Vに変換する。表1は、左列に電圧Vm[V]の平均値を、右列に電圧Vmの平均値から変換したモータ75の駆動電圧V[V]を、それぞれ記載している。例えば、電圧Vmの平均値が1.35Vであった場合、CPU162は、モータ75の駆動電圧Vを、22.89Vに変換する。
ωm=2×π×(1÷Te[sec])÷18・・・(1)
Nm=(1÷Te)÷18・・・(2)
各単位系は、ωm[rad/sec]、Te[sec]、Nm[rps]である。また、式中の数値18は、モータ75の出力軸上の円盤に設けられたスリット数である。
Trq=Kt×I
という関係が成り立つ。トルク定数Ktは、図7(a)に示す直線の傾きに相当し、モータ75の出力トルク特性を表す。また、モータ75のトルク定数Ktは、一般的に逆起電力定数Keと等しい値となることが知られている。よって、
Kt=Ke・・・(3)
Ke=V÷ωm・・・(4)
よって、CPU162は、式(3)、式(4)から求められる式(5)を用いて、モータ75のトルク定数Ktを決定することができる。
Kt=Ke=V÷ωm・・・(5)
IL=Tm÷Kt・・・(6)
各単位系は、IL[A]、Kt[Nm/A]、Tm[Nm]である。
CPU162は、決定したリミット電流値ILをRAM168に記憶し、リミット電流値ILに応じたリミット電流信号(電圧信号)を電流制限回路100へ出力する。
Nn=(1÷Tn)÷18・・・(7)
各単位系は、Nn[rps]、Tn[sec]である。また、式(7)の数値18はモータ75の出力軸上の円盤に設けられたスリット数である。
また、上述した実施の形態は、シート束Sの針無し綴じ処理を実施するたびに、モータ75の出力トルク特性であるトルク定数Ktを毎回決定する構成である。しかし、以下のいずれかのタイミングで、回転速度、駆動電圧及び駆動電流の測定、並びにトルク定数Ktの決定を実施しても、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。例えば、次のような各構成が考えられる。
・所定部数の綴じ処理毎にトルク定数Ktを決定する構成。
・シート処理装置50又は画像形成装置1への電源投入直後で、シート処理装置50内にシート束Sがない状態で、モータ75を駆動させ、トルク定数Ktを決定する構成。
・電源投入直後の所定部数目の綴じ処理時、例えば1部目のシート束Sへの針無し綴じ処理時のみ、トルク定数Ktを決定する構成。
・画像形成装置1及びシート処理装置50の針無し綴じ処理以外の動作中に、シート束Sがない状態で、モータ75を駆動させ、トルク定数Ktを決定する構成。
75 針無し綴じモータ
90 エンコーダセンサ
162 CPU
Claims (13)
- シート束を押圧することにより綴じ処理を行う綴じ手段と、
シート束を押圧するために前記綴じ手段を駆動するモータと、
前記モータの回転速度を検出する速度検出手段と、
前記綴じ手段が前記シート束を押圧している期間で前記速度検出手段により検出される回転速度が所定速度以下になると前記モータにブレーキをかける制御手段と、
を有することを特徴とするシート処理装置。 - 前記制御手段は、前記綴じ手段が前記シート束を押圧している期間で前記速度検出手段により検出される回転速度が前記綴じ処理に要する時間を経過しても前記所定速度以下にならない場合、前記モータの駆動を停止することを特徴とする請求項1記載のシート処理装置。
- 前記制御手段は、前記モータの駆動中で且つ前記綴じ手段がシート束を押圧していない期間で前記速度検出手段により検出される回転速度が前記所定速度よりも速い第2の所定速度以下である場合は前記モータの駆動を停止することを特徴とする請求項1又は2に記載のシート処理装置。
- 前記制御手段は、前記モータにブレーキをかけた後、前記モータが逆回転するように前記モータを駆動することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート処理装置。
- 更に、前記モータの駆動電圧を検出する電圧検出手段を有し、
前記制御手段は、前記速度検出手段の検出結果と前記電圧検出手段の検出結果とに基づいて、前記綴じ手段により前記シート束を押圧する際の前記モータの駆動電流の電流値を決定し、決定した電流値に基づいて、前記モータの駆動を制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート処理装置。 - 前記制御手段は、前記速度検出手段の検出結果と前記電圧検出手段の検出結果とに基づいて、前記モータのトルク定数を決定し、決定した前記トルク定数に基づいて、前記モータの駆動電流の電流値を決定することを特徴とする請求項5に記載のシート処理装置。
- 前記制御手段は、前記モータが無負荷のときの前記速度検出手段による検出結果と、前記電圧検出手段による検出結果とを用いて、前記トルク定数を決定することを特徴とする請求項6に記載のシート処理装置。
- 前記制御手段は、前記綴じ処理を行うたびに前記電流値を決定することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載のシート処理装置。
- 前記制御手段は、前記シート処理装置の電源が投入されると、前記電流値を決定することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載のシート処理装置。
- 前記制御手段は、複数のシート束のうち所定部数目のシート束に対して前記綴じ処理を行う際に前記電流値を決定することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載のシート処理装置。
- 前記綴じ手段は、前記シート束の一方の面を押圧する第一の押圧部と、前記第一の押圧部に対向して設けられ、前記シート束の他方の面を押圧する第二の押圧部とを有し、前記第一の押圧部と前記第二の押圧部により前記シート束を挟んで押圧することにより前記綴じ処理を行うことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のシート処理装置。
- 前記綴じ手段は、前記シート束のシート同士の繊維を絡み合わせることにより前記シート束を綴じることを特徴とする請求項6記載のシート処理装置。
- シートに像形成する像形成手段と、
前記像形成手段により像形成されたシートが積載される積載手段と、
請求項1乃至12のいずれか1項に記載のシート処理装置と、
を有し、前記シート処理装置は、前記積載手段に積載された複数のシートからなるシート束を押圧することにより綴じ処理を行うことを特徴とする画像形成装置。
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