JP5910397B2 - 防水シート - Google Patents
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Description
そこで、このような土壌汚染を防止するために、廃棄物を仮置きする場合には、その下に防水シートを敷くことが一般に行われている。防水シートとしては、加硫ゴムを主成分とする組成物や、熱可塑性エラストマー組成物から形成されたものがある(例えば特許文献1参照。)。
[1]吸着材を含む透水性層と、該透水性層の一方の面に積層した非透水性層とを少なくとも有する防水シート。
[2]前記非透水性層は、繊維を含んで構成されている[1]に記載の防水シート。
[3]前記透水性層は、シート状の有機多孔質材料を含む、[1]又は[2]に記載の防水シート。
[4]前記シート状の有機多孔質材料は、親水性有機繊維を含む不織布である、[3]に記載の防水シート。
[5]前記シート状の有機多孔質材料は、原料繊維が結合されているエアレイド不織布である、[3]に記載の防水シート。
<防水シート>
図1は、本発明の一実施形態例である防水シートの構成を示す断面図であり、この防水シート10は、吸着材12を含む透水性層13と、該透水性層13の一方の面に積層した非透水性層14との2層構造の積層シートである。
環境汚染物質としては、例えば、放射性セシウム、放射性ストロンチウムなどの放射性物質、重金属類などが挙げられる。
透水性層13としては、吸着材12を含み、水を透す透水性を備えた層であればよいが、図示例のように、シート状の有機多孔質材料11をマトリックスとし、該有機多孔質材料11中に吸着材12が分散状態で保持されている層が好ましい。
このような透水性層13は、有機多孔質材料11をマトリックスとするため、廃棄物Gから染み出る汚染水を良好に吸収、保持できる。そして、透水性層13に含まれる吸着材12は、このように吸収、保持された汚染水に作用して、汚染水中の環境汚染物質を効果的に吸着する。例えば、環境汚染物質が放射性セシウムである場合、放射性セシウムは水が存在すると水に溶解してセシウムイオンとなり、吸着材12に良好に吸着される。なお、透水性層は多層構造であってもよい。
無機吸着材としては、吸着対象の汚染物質に応じて適宜選択できるが、例えば、ゼオライト、活性白土、大谷石、シリカ、アルミナ、モレキュラーシーブ、多孔性鉱物、非晶質水酸化鉄、プルシアンブルーなどが挙げられ、これらのうちの1種以上を使用できる。吸着材12の形状は、粉状、顆粒状、ペレット状などである。
親水性有機繊維としては、製紙用木材パルプ(針葉樹および/または広葉樹木材より調製される化学パルプや機械パルプなど。)、古紙パルプ、リンター、麻、綿、ケナフなどより調製される非木材植物繊維などの天然セルロース繊維や、レーヨンなどの合成繊維が挙げられる。これらのなかでは、工業的に利用しやすい点から、天然セルロース繊維が好ましい。天然セルロース繊維としては、乾燥されたパルプシートの状態で供給され、乾燥状態で機械的に粉砕、解繊されたものが好ましい。
また、疎水性有機繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリエステル繊維などが挙げられる。
原料繊維は、吸着材12の100質量部に対して、0.1〜50質量部程度を用いることが好ましい。原料繊維の繊維長は、不織布の製造方法などに応じて、適宜設定できる。
熱融着性繊維には、繊維全体が溶融して接着剤として作用するものと、繊維の一部のみが溶融して接着剤として作用するものとがあり、これらの1種以上を使用できる。熱融着性繊維の材質としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリアミドおよびポリエステルよりなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。繊維全体が溶融して接着剤として作用する熱融着性繊維は、好ましくはこれらのうちの1種または2種以上の混合物を用いて繊維全体が形成される。繊維の一部のみが溶融して接着剤として作用する熱融着性繊維は、好ましくはこれらのうちの1種または2種以上の混合物を用いて、溶融する部分と溶融しない部分とがそれぞれ形成される。
熱融着性繊維の繊維長は、不織布の製造方法などにより、適宜設定できる。
繊維結合工程として熱風処理を採用することにより、エアレイド法により形成された低いかさ密度、繊維間の大きな空隙を維持しつつ、原料繊維を結合させることができる。このようなエアレイド不織布は、環境汚染物質を含む汚染水を充分に吸収、保持できる。
本明細書において繊維長は、任意に選択した50本以上の繊維をサンプルとし、これらについて電子顕微鏡観察により測定した長さの平均値である。
このような方法によれば、吸着材12をエアレイド不織布中に分散性よく固定でき、しかも、吸着材12の表面が熱融着性接着剤によって過度には被覆されないため、吸着材12の吸着性能が良好に維持される。
非透水性層14は、透水性層13中の吸着材12により環境汚染物質が除去された処理水が、土壌Sに移行しないようにするための防水層である。
非透水性層14は、防水性を有していればよく、例えば、加硫ゴムを主成分とするようなゴムシート、熱可塑性エラストマーを主成分とするシート、織布や不織布などの繊維シートにゴムを含浸した複合シート、これらのうちの2種以上の積層物などを用いて、単層または多層で形成されるが、突刺強度に優れる点から、樹脂繊維などの繊維を含んで形成された層であることが好ましい。このような層としては、例えば、樹脂繊維が網状に分布してなるフィルムを積層して熱融着した樹脂多層フィルムを用いた層が好ましい。
このようなフィルムは、例えば、相対的に融点の高い高融点層(例えば高密度ポリエチレン層。)と、その両面に積層された相対的に融点の低い低融点層(例えば低密度ポリエチレン層。)とからなる3層構造の原反フィルムから製造できる。
具体的には、まず、多層インフレーション法あるいは多層Tダイ法などの押出成形により、上述の3層構造の原反フィルムを製造し、ついで、この原反フィルムに対して、千鳥状に多数の平行なスリットを縦方向(フィルム流れ方向)に沿って形成する。スリットは、スプリッター、熱刃などで形成できる。その後、スリットの形成された原反フィルムを縦方向に延伸し、さらにこれと直交する方向に拡幅することにより、幹繊維がほぼ縦方向に配列された割繊維フィルムが得られる。延伸倍率(配向倍率)は、1.1〜15倍が好ましく、3〜10倍であることがより好ましい。
また、非透水性層14の厚みは、適宜設定できるが、例えば50〜1000μmが好ましい。
防水シートは、透水性層における非透水性層が積層していない側の面に、透水性カバー層(図示略)が積層されたものでもよい。透水性カバー層を有していると、透水性層中の吸着材が防水シート外へと脱落しにくい。
透水性カバー層としては、汚染水が浸み通ることが可能であって、強度も良好な薄手のシートが好適に用いられる。このようなシートとしては、例えばスパンボンド不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布などの不織布や、織布など、長繊維から形成されたものや、紙類や開孔を設けたフィルムなどの1種以上を使用できる。
次に、透水性層13を構成する有機多孔質材料11として、エアレイド不織布を採用した場合を例に挙げて、図1の構成の防水シート10の製造方法を具体的に説明する。
まず、通気性のあるキャリアシートを用意し、これをコンベアに装着されて走行するメッシュ状無端ベルト上に繰り出す。そして、エアレイド法のウェブフォーミング機を用いて、機械的に解繊された原料繊維と吸着材12と熱融着性接着剤との混合物をメッシュ状無端ベルト側に吸気流の作用により下降させ、キャリアシート上に落下堆積させる。これにより、キャリアシート上に、原料繊維と吸着材12と熱融着性接着剤の混合物からなるエアレイドウェブが形成される。
具体的には、ホットメルト接着剤などにより、非透水性層14を形成するための部材、例えば樹脂多層フィルムなどを透水性層13に積層、接着すればよい。その後、キャリアシートを取り去ることにより、図1の防水シート10が得られる。
これにより、吸着材を含む透水性層の片面に透水性カバー層が設けられ、反対側の面に非透水性層が積層した防水シートを得ることができる。
防水シート10は、建造物が破壊されて生じたがれきなどの廃棄物Gを屋外に仮置きする際などに、廃棄物Gと土壌Sとの間に敷かれ、廃棄物仮置き用防水シートとして好適に使用される。防水シート10は、図2に示すように、非透水性層14が下方となるように、土壌Sの上に敷かれる。そして、敷かれた防水シート10の上に、がれきなどの廃棄物Gを仮置きする。これにより、雨などの水が廃棄物Gに染み込み、廃棄物Gに由来する環境汚染物質がこの水に取り込まれた後、汚染水として廃棄物Gから流出した際には、防水シート10の透水性層13に含まれる吸着材12が、汚染水中の環境汚染物質を吸着して汚染水から除去する。そして、環境汚染物質が除去された処理水は、非透水性層14の存在により、土壌Sへは移行せずに防水シート10内に留まる。また、仮に、処理水が防水シート10の周端部から土壌Sへと移行したとしても、その処理水は、既に環境汚染物質が低減されたものであるため、土壌Sの汚染は抑制される。
また、その際、防水シート10が防水シートWの全周端部から外方に延出するように、防水シート10および防水シートWの面積、形状を設定することが好ましい。このようにすると、汚染水が防水シートW上を広がってその周端部から流れ出たとしても、防水シートWの周端部から延出している防水シート10の透水性層13が汚染水を吸収し、汚染水に含まれる環境汚染物質を吸着材12で吸着することができる。
なお、図3において、吸着材の図示は略している。
11 有機多孔質材料
12 吸着材
13 透水性層
14 非透水性層
Claims (5)
- 吸着材を含む透水性層と、該透水性層の一方の面に積層した非透水性層とを少なくとも有する防水シート。
- 前記非透水性層は、繊維を含んで構成されている請求項1に記載の防水シート。
- 前記透水性層は、シート状の有機多孔質材料を含む、請求項1又は請求項2に記載の防水シート。
- 前記シート状の有機多孔質材料は、親水性有機繊維を含む不織布である、請求項3に記載の防水シート。
- 前記シート状の有機多孔質材料は、原料繊維が結合されているエアレイド不織布である、請求項3に記載の防水シート。
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