JP6070887B1 - 除染用シートおよびそれを備えた除染用品 - Google Patents

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Abstract

【課題】汚染された平面あるいは凹凸表面を有する除染対象から液状の化合物を除去できるとともに、除去した有害化合物が飛散しない、二次汚染リスクの低い除染用シートを提供する。【解決手段】本発明の除染用シートは、液状の有害化合物を吸収する液吸収層とガス状の有害化合物を吸着する繊維状活性炭層とがそれぞれ1層以上積層され、剛軟度が20mN・cm以上500mN・cm以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば有機リン系化合物のような皮膚から吸収されて人体に悪影響を及ぼす液状の有害化合物に汚染された表面が平面の除染対象はもとより凹凸等の表面を有する除染対象から、液状の化合物を除去できるとともに、除去した有害化合物が飛散しない、二次汚染リスクの低い除染用シートに関する。本発明の除染用シートは、例えば、機器、器具、部品、タイル、壁面等、また、衣服、手袋、靴、カバー、シェルター等の除染に使用されるものである。
一般に、作業着等に付着した有害化合物を除染する際、活性白土などの粉体の除染剤やさらし粉溶液といった液状の除染剤を吹き付けるあるいは洗い流す除染作業が知られている。
しかし、有害化合物を粉体あるいは液体を用いて除染した場合、除染後に使用し汚染された粉体、液体状の除染剤を周囲にまき散らすことも想定され、二次汚染リスクが懸念されたり、多量の除染剤を持ち運びする必要があったりする。
このような除染に関し、例えば特許文献1には、水及び粉体を通さない生地と粉体は通すが水は通さない非透水性生地の間に活性白土などの粉体状の除染材を封入した除染用具が例示されている。この除染用具は、汚染された作業着等をはたくことで、内部から排出された除染材により除染対象の有害毒物資を吸着したり、中和や抑制したりすることで除染するものである。しかし、粉体状の除染材を使用するため、除染後に有害化合物で汚染された粉体が飛散する、あるいは、粉体に付着または吸着した有害化合物がガス化して再飛散するといった二次汚染のリスクが想定される。
また、例えば特許文献2には、汚染水を吸収する脱脂綿を含む不織布と汚染水中の油を吸収する羊毛を含む不織布で活性炭を挟み込んだハイブリット吸着体が例示されており、油及び汚染水中のヨウ素およびセシウムを吸着できるものである。このハイブリッド吸着体に使用される不織布は、汚染水の効率的な吸収のために脱脂綿が使用され、さらに、油の吸収性に富む羊毛を使用される。そのため、大気中あるいは水中に浮遊している油や液をある一定時間を経ての処理は可能と推測されるが、作業着等に付着した有害化合物を瞬時に取り除くことは困難であり、除染処理する場合には不向きである。また、吸着層に粒状活性炭を使用しており、剛性が高く、凹凸等のある表面を有する除染対象の拭き取りには適さないものである。
特許第3436886号 特許第5759265号
本発明は、かかる従来技術の課題を背景になされたものである。すなわち、本発明の目的は、有機リン系化合物のような皮膚から吸収されて人体に悪影響を及ぼす液状の有害化合物に汚染された除染対象、特に凹凸等のある表面を有する除染対象から液状の化合物を迅速かつ高効率で除去できるとともに、除去した有害化合物がガス化した場合にも吸着可能であり、二次汚染リスクの低い除染用シートを提供することにある。
除染用シートの除染対象としては、例えば、作業着、手袋、靴、カバー、シェルター、機器、器具、部品、タイル、壁面などが挙げられるが、例えば、身体などであっても構わない。もちろん、除染対象はこれらに限定はされない。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
1.液状の有害化合物を吸収する液吸収層とガス状の有害化合物を吸着する繊維状活性炭層とがそれぞれ1層以上積層された除染用シートであって、剛軟度が20mN・cm以上500mN・cm以下であるとことを特徴とする除染用シート。
2.内布、前記ガス吸着層、前記液吸収層が記載順に積層されていることを特徴とする上記1に記載の除染用シート。
3.前記ガス吸着層の両面にそれぞれ前記液吸収層が積層されていることを特徴とする上記1に記載の除染用シート。
4.上記1から3のいずれか1つに記載の除染用シートを備えたことを特徴とする除染用品。
また、本発明の除染用シートを、ロール状に形成し、切り取り可能にミシン目を入れたり、複数の除染用シートを1枚ずつ取り出し可能に箱に収容したりしてもよい。また、除染用シートに、切断、縫い合わせ、他の材料への張り付け、などの加工を施してもよい。そのような加工をした除染用品も本発明の範囲に含まれる。また、本発明の除染用シートを備えた除染用品として、例えば、除染用の、手袋(クローブ、ミットなどを含み、指に沿った形状であってもなくてもよい)、タオル、マット、ロールなどが挙げられるが、これらには限定されない。
本発明は、上記構成により、剛軟度が20mN・cm以上500mN・cm以下であるため、有機リン系化合物のような皮膚から吸収されて人体に悪影響を及ぼす液状の有害化合物に汚染された、表面が平面の除染対象はもとより凹凸等の表面を有する除染対象から有害化合物を迅速に高効率で除去できるとともに、ガス化した有害化合物を飛散させず、二次汚染リスクの少ない、除染用シートを提供できる。また本発明の除染用シートは、持ち運びにも便利である。これらから分かるように、本発明の除染用シートは、液状およびガス状の有害化合物の除染に使用するのに極めて好適である。
本発明の除染用シートの構成の一例を示す図である。 比較例の除染用シートを示す図である。 除染対象の一例である凹凸表面を有する塩化ビニールマットの写真である。 ガス飛散抑制性の試験に用いる容器を示す図である。
以下、本発明の実施形態について詳述する。図1に示すように、本発明の除染用シート3は、液状の有害化合物を吸収する液吸収層1と、ガス状の有害化合物を吸着するガス吸着層2とを、それぞれ1層以上備えて構成される。さらに、図1に示すように除染用シート3には、内布4が積層されていてもよい。
液吸収層1は、織物、編物、不織布等の材料から適宜選定可能であるが、その中でも、液の拭き取り性及び柔軟性等の操用性の観点から不織布が好ましい。
液吸収層1に使用する材料としては、特に限定されるものではなく、綿、麻、毛、絹等の天然繊維;レーヨン、ポリノジック、キュプラ、レヨセル等の再生繊維;アセテート繊維、トリアセテート繊維等の半合成繊維;ナイロン6、ナイロン66、アラミド繊維等のポリアミド繊維;ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリ乳酸繊維、ポリアリレート等のポリエステル繊維;ポリアクリロニトリル繊維、ポリアクリロニトリル−塩化ビニル共重合体繊維、モダクリル繊維等のアクリル繊維;ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等のポリオレフィン繊維;ビニロン繊維、ポリビニルアルコール繊維等のポリビニルアルコール系繊維;ポリ塩化ビニル繊維、ビニリデン繊維、ポリクラール繊維等のポリ塩化ビニル系繊維;ポリウレタン繊維等の合成繊維;ポリフェニレンスルフィド繊維;ポリベンザゾール繊維(PBZ)、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)繊維、ポリイミド繊維等の複素環高分子繊維;ポリカーボネート繊維;ポリスルホン繊維;ポリエチレンオキサイド繊維、ポリプロピレンオキサイド繊維等のポリエーテル系繊維;等が例示できる。これらの繊維は、併用してもよい。
液吸収層1の繊維径は、0.05μm以上5.0μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.15μm以上4.5μm以下である。繊維直径が0.05μm未満であると、機械的強度に劣る。また、液吸収層1の繊維径が5.0μmを上回ると有害化合物の液滴が除染対象に残留することになる。
液吸収層1の質量は、30g/m以上600g/m以下が好ましく、より好ましくは50g/m以上400g/m以下である。液吸収層1の質量が、30g/m未満であると液の吸収性が下がり、満足な有害化合物の除染性能が得られない。また、液吸収層1の質量が、600g/mを上回ると、柔軟性や使用時の操作性が低下するため好ましくない。
液吸収層1の厚さは、0.1mm以上5.0mm以下であることが好ましい。より好ましくは0.2mm以上2.0mm以下である。液吸収層1の厚さが0.1mm未満では機械的強度に劣る。また、液吸収層1の厚さが5.0mmを上回ると使用時の操作性が低下するため好ましくない。
液吸収層1に使用する繊維は、その形状が丸断面の繊維だけでなく、液との接触面積を上げるために、三角形や多角形その他複雑な形状の異形断面繊維を適用することや、繊維の一部あるいは全体がフィブリル化した分割繊維等を適用することも有効である。
除染用シート3は、液吸収層1にガス吸着層2を積層することで、ガス化した有害化合物の飛散を抑制できるものとなる。なお、使用の際には、液吸収層1側を除染対象に向ける。
ガス吸着層2に使用するガス吸着材として、粒状あるいは繊維状活性炭、ゼオライトといった吸着材が知られているが、本発明の除染用シート3では、ガス吸着層2として、織物、編物、不織布状の繊維状活性炭(繊維状活性炭層)を用いる。粒子状のガス吸着材を使用すると、バインダー(接着剤)等により吸着材を固定化する必要がある。しかし、このバインダーによって、ガス吸着層2の柔軟性が低下し、凹凸表面等に付着した有害化合物を十分に拭き取れない場合があるので、それを防ぐためである。
ガス吸着層2が吸着対象とする被吸着物質であるガスは、炭素元素を1つ以上持つガス状化合物であってもよい。そのようなガス状化合物には、例えば、50以上の比較的大きな分子量を持ち、ガス吸着層2が吸着可能なガス状化学物質が含まれる。具体的には、農薬、殺虫剤、除草剤に使用される有機リン系化合物や、塗装作業などに使用されるトルエン、塩化メチレン、クロロホルムなどの一般的な有機溶剤が挙げられる。
ここで、本発明の除染用シート3のガス吸着層2に用いる繊維状活性炭層は、そのBET比表面積は、700m/g以上3000m/g以下が好ましく、1000m/g以上2500m/g以下がより好ましい。BET比表面積が上記範囲未満であると、ガス状化合物に対しての十分な吸着量を得るために多くの活性炭が必要となり材料が重くなり、柔軟性が劣ることが懸念される。一方、上記範囲より大きくなると、繊維状活性炭層が脆くなるといった問題が起こりうる。
ガス吸着層2に含有される繊維状活性炭の質量(絶乾質量)としては、50g/m以上300g/m以下が好ましく、70g/m以上250g/m以下がより好ましい。質量が上記範囲未満であると、吸着できる容量が小さくなりガス状化合物の飛散抑制性能が低くなることが懸念される。一方、上記範囲より大きくなると、繊維状活性炭層の柔軟性が劣ることが懸念される。
ガス吸収層2に含有される繊維状活性炭の厚さは、例えば、0.1mm以上3.0mm以下が好ましく、より好適には0.5mm以上2.0mm以下であり、さらに好適には0.7mm以上1.5mm以下である。繊維状活性炭の厚さが0.1mmを下回ると、ガス状有害化合物の吸着量が低下することが懸念される。一方、繊維状活性炭の厚さが3.0mmを上回ると、使用時の操作性が低下するおそれがある。
繊維状活性炭の原料としては、綿、麻といった天然セルロース繊維の他、レーヨン、ポリノジック、溶剤紡糸法によるといった再生セルロース繊維、さらにはポリビニルアルコール繊維、アクリル系繊維、芳香族ポリアミド繊維、リグニン繊維、フェノール系繊維、石油ピッチ繊維等の合成繊維が挙げられる。得られる繊維状活性炭の物性(強度等)や吸着性能から再生セルロース繊維、フェノール系繊維、アクリル系繊維が好ましい。
繊維状活性炭は、従来公知の方法によって製造することができる。例えば、上記の原料繊維の短繊維あるいは長繊維を用いて製織、製編、不織布化した布帛に必要に応じて適当な耐炎化剤を含有させた後、450℃以下の温度で耐炎化処理を施し、次いで500℃以上1000℃以下の温度で炭化賦活することによって製造することができる。
ガス吸着層2の作製方法としては、従来公知の方法を採用することができる。例えば、シート基材に繊維状活性炭をバインダーにより接着する方法、ガス吸着材を適当なパルプおよびバインダーを含めスラリー状とし、湿式抄紙機により抄造する方法、またはガス吸着材の原料繊維をあらかじめ製織、製編、不織布化し、必要に応じて耐炎化処理したのち炭化・賦活する方法を採用することができる。
ガス吸着層2は、織物、編物、不織布、またはフェルトのいずれかの形態を有することが好ましい。これらのうち織物または編物の形態が通気性、積層の容易性、柔軟性などの面からより好ましい。
液吸収層1とガス吸着層2との積層方法としては、例えば、公知の加工処方であるキルティング、ボンディング、熱融着不織布等を使用した積層方法などが挙げられる。
液吸収層1とガス吸着層2との積層体の質量としては、900g/m以下が好ましく、650g/m以下がより好ましい。積層体の質量が上記範囲を越えると、重量が重く柔軟性に乏しい材料にとなり、種々の使用において装用性等が満足できないといった問題となる。質量の下限は、現実的には80g/mである。
除染用シート3の厚みとしては、8.0mm以下が好ましく、5.0mm以下がより好ましい。厚みが上記範囲を越えると、除染用シート3のごわつきが大きくなり、加工性等が悪くなる。厚みの下限は、現実的には0.2mmである。
除染用シート3に、機械的強度の大幅な向上を目的としたり、対象ガスが複数にわたる場合などは、液吸収層1およびガス吸着層2をそれぞれ必要枚数重ね合わせて使用することは有効である。さらに、除染用シート3の両面での使用を考慮すると、ガス吸着層2の両面に液吸収層1を設けることも有効な手段となる。
除染用シート3の最表面に内布4を、少なくとも1層以上必要に応じて積層してもよい。内布4の目的としては、外部から与えられる機械的な力から液吸収層1およびガス吸着層2を保護する役割、除染用シートを加工しミット等にした場合の汗によるべたつき感を抑制する役割等である。
内布4としては、各種材料から構成される織物、編物、不織布、または開孔・無孔フィルム等の材料が挙げられる。中出も、通気性、柔軟性等の観点から粗い密度で製織または製編された織物もしくは編物及び不織布が好ましい。液吸収層1およびガス吸着層2の積層体からなる材料と内布4とは、あらかじめ接着剤により接着されている形態でもよいし、柔軟性を考慮し、接着せずに重ね合わせた状態で縫製加工し、または、あらかじめ内布4とガス吸着層2とを積層加工した後、ガス吸着層2側に液吸収層1と積層してもよい。
内布4の厚さは、例えば、0.05mm以上0.5mm以下が好ましく、より好ましくは0.1mm以上0.4mm以下である。内布4の厚さが0.05mmを下回ると、カバー層の厚さが十分でないため、内布4が破れやすくなるといった不具合が生じるおそれがある。また、内布4の厚さが0.5mmを上回ると、使用時の操作性が低下するため、好ましくない。
内布4の質量は、例えば、15g/m以上100g/m以下が好ましく、より好ましくは20g/m以上80g/m以下である。内布4の質量が15g/m未満では、内布が破れやすくなるといった不具合が生じるおそれがある。また、内布4の重量が100g/mを上回ると、使用時の操作性が低下するため、好ましくない。
液吸収層1、ガス吸着層2および内布4を積層した除染用シート3の質量としては、1000g/m以下が好ましく、730g/m以下がより好ましい。質量が1000g/mを超えると除染用シート3の重量が大きくなり装着性や操作性の悪化の原因となる。質量の下限は、現実的には110g/mである。
液吸収層1、ガス吸着層2および内布4を積層した除染用シート3の剛軟度としては、20mN・cm以上500mN・cm以下が好ましく、より好ましくは30mN・cm以上450mN・cm以下である。剛軟度が500mN・cmを上回ると除染用シート3の形状が変化しにくくなり、凹凸表面等の拭き取り性が悪化する。また、剛軟度が、20mN・cmを下回ると操作性が低下する。
次に実施例および比較例を用いて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。
初めに、後述の実施例および比較例に記載の物性の評価方法について説明する。評価方法は次の通りである。
(1)質量
JIS L 1096.8.3により測定した。
(2)厚さ
JIS L 1096.8.4により測定した。ただし、すべての材料について0.7kPaの圧力で測定した。
(3)剛軟度
JIS L1096.8.21.2 B法(スライド法)により測定した。
(4)繊維径
液吸収層の表面を電子顕微鏡により観察し、20点の繊維径の平均を算出した。
(5)液拭き取り性
図3に示す凹凸表面をもつ塩化ビニールマット(底辺5.0mm高さ0.6mmの四角錐が連なる表面形状)に、顔料で着色したジプロピルフタレートの液滴を10μL滴下した。この塩化ビニールマットの液滴を除染用シートの液吸収層側を当てて拭き取った。その後、塩化ビニールマットに残留した液滴を目視により確認して判定を行った。目視確認により、液滴の残留がないものを良好(○)と判定し、液滴の残留があるものを不良(×)と判定した。
(6)ガス飛散抑制性
ガス飛散抑制性の試験容器Gの断面図を図4に示す。内容積300ccの2つのガラスセル(上方セル8および下方セル10)で除染用シート3(または30)を挟み込み、周囲をパラフィン9により密閉する。なお、除染用シート3(または30)は液吸収層1を上にして試験容器Gに設置する。試験容器Gの上方セル8から試験液7(2−クロロエチルエチルスルフィド)を30μL、除染用シート3(または30)の液吸収層1に滴下する。そして試験容器Gを25±2℃に設定した恒温ボックスに入れ、30分後に上方セル8のガス濃度と下方セル10のガス濃度とをサンプリング口6a,6bからサンプリングし測定した。なお、上方セル8のガス濃度は、試験液7を拭き取った後、除染用シート3(または30)の液吸収層1から飛散するガスの濃度であり、下方セル10のガス濃度とは、試験液7を拭き取った後、除染用シート3(または30)のガス吸着層2を浸透(貫通)してくるガスの濃度である。後段に示す表1では、ガス飛散抑制性の欄には、ガス濃度を記載する。ガス濃度(ガス飛散性)の数値が低いほうが、ガス抑制性が高いということになる。
(実施例1)
<液吸収層>
質量30g/m、厚さ0.42mm、繊維径2.8μmのポリプロピレン製不織布(タピルス株式会社製 P030SB−00X)1枚を実施例1の液吸収層とした。
<ガス吸着層>
実施例1のガス吸着層として、編物の形態の繊維状活性炭を以下の方法で作製した。単糸繊度2.2dtex、20番手のノボラック系フェノール樹脂繊維紡績糸からなる目付220g/mの丸編物を、410℃の不活性雰囲気中で30分間加熱し、次に水蒸気を12容量%含有する雰囲気中で890℃の温度で2時間賦活した。得られた繊維状活性炭層の、絶乾質量は103g/m、BET比表面積は1421m/g、厚さは0.98mmであった。
<内布>
質量30g/m、厚さ0.17mmのポリエステル製不織布(東洋紡株式会社製、3301A)1枚を実施例1の内布として使用した。
<除染用シート>
上記の実施例1の内布、ガス吸着層、および液吸収層を、図1に示すように順に積層して周囲を縫製して除染用シートを作製した。このようにして得られた除染用シートの液拭き取り性、剛軟度、ガス飛散抑制性の結果を後段の表1に示す。
(実施例2)
<ガス吸着層>
絶乾目付203g/m、BET比表面積1523m/g、厚さ2.86mmの不織布形態の繊維状活性炭を、実施例2のガス吸着層とした。
<除染用シート>
実施例1の内布、実施例2のガス吸着層、および実施例1の液吸収層を用いて、実施例1と同様の方法で除染用シートを作製した。このようにして得られたられた除染用シートの液拭き取り性、剛軟度、ガス飛散抑制性の結果を表1に示す。
(実施例3)
<ガス吸着層>
絶乾目付48g/m、BET比表面積1380m/g、厚さ0.50mm、の織物形態の繊維状活性炭を、実施例3のガス吸着層とした。
<除染用シート>
実施例1の内布、実施例3のガス吸着層、および実施例1の液吸収層を用いて、実施例1と同様の方法で除染用シートを作製した。このようにして得られたられた除染用シートの液拭き取り性、剛軟度、ガス飛散抑制性の結果を表1に示す。
(比較例1)
<接着層>
比較例1の接着層として、ポリエステル系不織布状熱可塑性接着剤(呉羽テック株式会社製ダイナックLNS0010)を質量15g/m用いた。
<ガス吸着層>
BET比表面積1252m/gの粒状活性炭(太平化学産業株式会社製活性炭J200)と、この粒状活性炭に対して10wt%の粒状ポリエチレン樹脂(株式会社セイシン企業製 SK−PE−20L)との混合物204g/mを厚さ1.03mmにして、比較例1のガス吸着層とした。
<除染用シート>
実施例1の内布、比較例1の接着層、比較例1のガス吸着層、比較例1の接着層、および実施例1の液吸収層を、図2に示すように順に積層し、120℃で1分間プレスして除染用シートを作製した。このようにして得られた除染用シートの液拭き取り性、剛軟度、ガス飛散抑制性の結果を後段の表1に示す。
(比較例2)
<ガス吸着層>
絶乾目付203g/m、BET比表面積1523m/g、厚さ2.86mmの不織布形態の繊維状活性炭を、比較例2のガス吸着層として作製した。
<除染用シート>
実施例1の内布、比較例1の接着層、比較例2のガス吸着層、比較例1の接着層、および実施例1の液吸収層を、図2に示すように順に積層し、120℃で1分間プレスして除染用シートを作製した。このようにして得られた除染用シートの液拭き取り性、剛軟度、ガス飛散抑制性の結果を後段の表1に示す。
(比較例3)
<除染用シート>
実施例1の内布、比較例1の接着層、および実施例1の液吸収層を重ねて、実施例1と同様の方法で除染用シートを作製した。この比較例3ではガス吸着層は無い。このようにして得られた除染用シートの液拭き取り性、剛軟度、ガス飛散抑制性の結果を表1に示す。
表1から分かるように、実施例1〜3の除染用シートは、液拭き取り性、ガス飛散抑制性に優れているのに対して、比較例1〜3の除染用シートは、いずれかの評価項目でも実施例に劣るものであった。
本発明に係る除染用シートは、有機リン系化合物のような皮膚から吸収されて人体に悪影響を及ぼす液状の有害化合物に汚染された、平面状だけでなく凹凸の表面を有する除染対象から、有害化合物を迅速に高効率で除去できるとともに、ガス化した有害化合物を飛散させず二次汚染リスクが少ないため、除染用シートとして好適に利用可能である。また、本発明に係る除染用シートは、除染用品として、例えば、除染用の、手袋(クローブ)、タオル、マット、ロールなどの除染用品の利用に好適である。このように、本発明は、産業の発展に大きく貢献することができる。
1:液吸収層
2:ガス吸着層(活性炭素繊維層)
3,30:除染用シート
4:内布
5:接着層
6a,6b:サンプリング口
7::試験液
8:上方セル(150cc)
9:パラフィン
10:下方セル(150cc)
20:粒状活性炭層
G:試験容器

Claims (5)

  1. 液状の有害化合物を吸収する液吸収層とガス状の有害化合物を吸着する繊維状活性炭層とがそれぞれ1層以上積層された除染用シートであって、
    剛軟度が20mN・cm以上500mN・cm以下であり、
    前記液吸収層は、平均繊維径が0.05μm以上5μm以下の繊維状材料から成ることを特徴とする除染用シート。
  2. 液状の有害化合物を吸収する液吸収層とガス状の有害化合物を吸着する繊維状活性炭層とがそれぞれ1層以上積層された除染用シートであって、
    剛軟度が20mN・cm以上500mN・cm以下であり、
    底辺5.0mm高さ0.6mmの四角錐が連なる凹凸表面上の10μLの液状の有害化合物を、前記液吸収層側で拭き取った場合、当該凹凸表面上に液滴の残留がないことを特徴とする除染シート。
  3. 内布、前記ガス吸着層、前記液吸収層が記載順に積層されていることを特徴とする請求項1または2に記載の除染用シート。
  4. 前記ガス吸着層の両面にそれぞれ前記液吸収層が積層されていることを特徴とする請求項1または2に記載の除染用シート。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の除染用シートを備えたことを特徴とする除染用品。
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