JP2013230450A - 環境汚染物質除去用シート - Google Patents
環境汚染物質除去用シート Download PDFInfo
- Publication number
- JP2013230450A JP2013230450A JP2012105122A JP2012105122A JP2013230450A JP 2013230450 A JP2013230450 A JP 2013230450A JP 2012105122 A JP2012105122 A JP 2012105122A JP 2012105122 A JP2012105122 A JP 2012105122A JP 2013230450 A JP2013230450 A JP 2013230450A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sheet
- heat
- nonwoven fabric
- inorganic particles
- layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
Abstract
【課題】
土壌、建築物および樹木などの表面に付着した環境汚染物質を効率よく吸着させ、確実に環境汚染物質除去に用いることができ、かつ優れた取り扱い性をも併せ持った環境汚染物質除去用シートを提供する。
【解決手段】
熱融着性接着剤および吸着性無機粒子が担持された乾式不織布を含む吸収層と、透水性基材層を含む積層体であることを特徴とする環境汚染物質除去用シートである。
【選択図】 なし
土壌、建築物および樹木などの表面に付着した環境汚染物質を効率よく吸着させ、確実に環境汚染物質除去に用いることができ、かつ優れた取り扱い性をも併せ持った環境汚染物質除去用シートを提供する。
【解決手段】
熱融着性接着剤および吸着性無機粒子が担持された乾式不織布を含む吸収層と、透水性基材層を含む積層体であることを特徴とする環境汚染物質除去用シートである。
【選択図】 なし
Description
汚染物質をシート中に吸収させることによって、環境中からの汚染物質の除去に用いる環境汚染物質除去用シートに関する。
環境中の有害な汚染物質を除去する方法として、吸着性材料に汚染物質を吸着させて取り除く方法は広く行われている。 有害な汚染物質の効率的な除去や、吸着された汚染物質が何らかの条件下で浸出して再度汚染を引き起こす問題のない除去などについても検討され、種々の吸着性材料、方法が提案されている。
例えば、特許文献1のゼオライトによる放射性廃液の処理方法は、放射性セシウムや放射性ストロンチウムなどの放射性汚染物質を含有する放射性廃液を処理し、浸出性の小さい固体化が可能な技術として提案されている。 しかしながら、放射性廃液からの吸着除去に対して、環境中の土壌や、建築物、樹木などの固体表面に付着した汚染核種を効率的に除去することは容易ではなく、必ずしも満足できるものではなかった。
特許文献2には、汚染土壌の下に設ける吸着層に、吸着剤である人工ゼオライトとロックウールを混合した層を用いることにより、吸着量が向上した汚染土壌の浄化装置と方法が提案されている。 しかしながら、この方法は建築物、樹木などの固体表面に付着した汚染物質の除去には適用することは出来ず、また、放射性汚染物質の除去に適用すると、吸着剤とロックウールの混合された大量の放射性廃棄物が発生するという問題がある。
特許文献3の環境汚染物質除去シートは、金属酸化物粒子、吸着材粒子及び短繊維が熱可塑性樹脂粒子を介して繊維状基材に結合されたシートであり、室内空気汚染物質の除去には一定の効果が期待される。 しかしながら、土壌や固体表面の除染に適用する場合、シート表面の吸着剤粒子の脱落を完全に防止することが出来ず、吸着した汚染物質を確実に除去する目的には不充分であった。
特許文献4には、空隙部に吸着性粒子が充填された熱接着性複合繊維を主体とするエアレイド不織布層の両面に、熱接着性複合繊維を主体とするエアレイド不織布層を積層した吸着用エアレイド不織布が提案されている。 このエアレイド不織布はエアフィルタとして使用する場合には良好であったものの、土壌や固体表面の除染に適用する場合、洗浄水によって溶出する汚染物質を吸着性材料に効率よく吸着させることは出来なかった。
そこで、本発明は、土壌、建築物および樹木などの表面に付着した環境汚染物質を効率よく吸着させ、確実に環境汚染物質除去に用いることができ、かつ優れた取り扱い性をも併せ持った環境汚染物質除去用シートを提供する。
本発明者らは、鋭意検討した結果、環境中にある環境汚染物質を吸着性無機粒子の近傍でイオン化された状態を保持しながら吸着性無機粒子に吸着させることができる新規な構成を見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題を達成するために、本発明は以下の各発明を包含する。
(1) 熱融着性接着剤および吸着性無機粒子が担持された乾式不織布を含む吸収層と、透水性基材層を含む積層体であることを特徴とする環境汚染物質除去用シート。
(2) 吸着性無機粒子が、天然ゼオライトである上記(1)に記載の環境汚染物質除去用シート。
(1) 熱融着性接着剤および吸着性無機粒子が担持された乾式不織布を含む吸収層と、透水性基材層を含む積層体であることを特徴とする環境汚染物質除去用シート。
(2) 吸着性無機粒子が、天然ゼオライトである上記(1)に記載の環境汚染物質除去用シート。
(3) 熱融着性接着剤が、熱融着性複合繊維である上記(1)乃至(2)のいずれかに記載の環境汚染物質除去用シート。
(4) 吸収層が、吸着性無機粒子と熱融着性接着剤とを空気中で混合解繊してウェブ形成されたエアレイド不織布である上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の環境汚染物質除去用シート。
(5) 透水性基材層が、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布、織布よりなる群から選ばれる1種以上である上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の環境汚染物質除去用シート。
(6) 積層体の端部が、ヒートシール加工されている上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の環境汚染物質除去用シート。
(5) 透水性基材層が、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布、織布よりなる群から選ばれる1種以上である上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の環境汚染物質除去用シート。
(6) 積層体の端部が、ヒートシール加工されている上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の環境汚染物質除去用シート。
本発明の環境汚染物質除去用シートは、汚染土壌の表面や、汚染物質が付着した建築物や樹木などの表面を覆うことにより、透水性基材層を介して吸収層を配置させる事が出来る。
そのことにより、環境汚染物質を効率よく吸着させ、確実に環境汚染物質を除去することができる。
また、シートにすることにより、優れた取り扱い性をも併せ持たせることができる。
そのことにより、環境汚染物質を効率よく吸着させ、確実に環境汚染物質を除去することができる。
また、シートにすることにより、優れた取り扱い性をも併せ持たせることができる。
本発明の環境汚染物質除去シートの実施形態について説明する。尚、本実施形態に限定されるものではない。本発明の環境汚染物質除去シートは、熱融着性接着剤および吸着性無機粒子が担持された乾式不織布を含む吸収層と、透水性基材層を含む積層体である。
〔吸収層〕
本発明の環境汚染物質除去用シートの吸収層は、熱融着性接着剤および吸着性無機粒子が担持された乾式不織布を含む層である。また、吸収層には、シート形状の保持および吸水後の形状つぶれがない点で、熱融着性接着剤を含ませる。さらに、水分の保持力を向上させる目的で、高吸水性樹脂を含有させることが好ましい。
本発明の環境汚染物質除去用シートの吸収層は、熱融着性接着剤および吸着性無機粒子が担持された乾式不織布を含む層である。また、吸収層には、シート形状の保持および吸水後の形状つぶれがない点で、熱融着性接着剤を含ませる。さらに、水分の保持力を向上させる目的で、高吸水性樹脂を含有させることが好ましい。
吸収層には、汚染物質の溶出した水分を吸収層中に保持するために、表面が親水性の繊維を用いている。また、汚染物質を吸着したシートを燃焼して処理することが出来るように有機繊維を適宜添加してもよい。
上記の要求を満たすものであれば、親水性有機繊維としては特に限定するものではないが、例えば、針葉樹および/または広葉樹木材より調製される化学パルプや機械パルプなどの製紙用木材パルプ、古紙パルプ、リンター、麻、綿、ケナフなどより調製される非木材植物繊維などの天然セルロース繊維、または合成繊維としてはレーヨンを代表的なものとしてあげることが出来る。
吸収層に使用される親水性有機繊維の量としては、特に限定するものではないが、吸着性無機粒子に対し、0.1質量%乃至50質量%程度が用いられる。
吸収層に使用される親水性有機繊維の量としては、特に限定するものではないが、吸着性無機粒子に対し、0.1質量%乃至50質量%程度が用いられる。
中でも、性能および工業的な利用のし易さの点から、天然セルロース繊維が好ましく用いられる。さらに、天然セルロース繊維は、乾燥されたパルプシートの状態で供給され、乾燥状態で機械的に粉砕、解繊したものが乾式不織布として好ましく用いること出来る。
また、上記の要求を損なわない範囲で、他の合成繊維と混合して併用することも出来る。混合して使用することの出来る合成繊維としては、必ずしも限定するものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリエステル繊維などを挙げることができる。
〔吸着性無機粒子〕
本発明の吸着性無機粒子は、吸収層中に保持された汚染物質の溶出した水分と接触し、汚染物質を吸着する公知物質であれば、特に限定されない。 吸着性無機粒子の種類は、吸着される汚染物質によって異なるが、例えば、ゼオライト、活性白土、大谷石、シリカ、アルミナ、モレキュラーシーブ、多孔性鉱物、非晶質水酸化鉄、プルシアンブルーなどが挙げられる。 また、ゼオライトは、天然ゼオライトおよび合成ゼオライトが結晶構造の違いにより約200種類程度存在することが知られている。合成ゼオライトは、三次元のカゴ状構造を有するアルミノケイ酸塩で強いイオン交換性を有し、放射性廃液中の核種を交換させて固定し、熱処理によって極めて浸出性の小さい固化体を形成する事が知られている。 天然ゼオライトは、筒状の構造を持ち、その構造と孔の大きさに特徴がある。
中でも、セシウムイオンの吸着には、筒状の構造を持つ天然ゼオライトが好ましく、孔の大きさは4オングストローム〜10オングストロームであり、5.5オングストローム〜8オングストロームが好ましい。
特に限定するものではないが、環境汚染物質除去用シートによって処理される土壌あるいは固体表面の単位面積当たりの吸着性無機粒子の量としては、100乃至2000g/m2程度が好ましい。 少ない場合には汚染物質を充分に吸着しきれないことがあり、2000g/m2より多すぎるとシートの取り扱い性が劣る。
本発明の吸着性無機粒子は、吸収層中に保持された汚染物質の溶出した水分と接触し、汚染物質を吸着する公知物質であれば、特に限定されない。 吸着性無機粒子の種類は、吸着される汚染物質によって異なるが、例えば、ゼオライト、活性白土、大谷石、シリカ、アルミナ、モレキュラーシーブ、多孔性鉱物、非晶質水酸化鉄、プルシアンブルーなどが挙げられる。 また、ゼオライトは、天然ゼオライトおよび合成ゼオライトが結晶構造の違いにより約200種類程度存在することが知られている。合成ゼオライトは、三次元のカゴ状構造を有するアルミノケイ酸塩で強いイオン交換性を有し、放射性廃液中の核種を交換させて固定し、熱処理によって極めて浸出性の小さい固化体を形成する事が知られている。 天然ゼオライトは、筒状の構造を持ち、その構造と孔の大きさに特徴がある。
中でも、セシウムイオンの吸着には、筒状の構造を持つ天然ゼオライトが好ましく、孔の大きさは4オングストローム〜10オングストロームであり、5.5オングストローム〜8オングストロームが好ましい。
特に限定するものではないが、環境汚染物質除去用シートによって処理される土壌あるいは固体表面の単位面積当たりの吸着性無機粒子の量としては、100乃至2000g/m2程度が好ましい。 少ない場合には汚染物質を充分に吸着しきれないことがあり、2000g/m2より多すぎるとシートの取り扱い性が劣る。
〔熱融着性接着剤〕
本発明の熱融着性接着剤は、吸着性無機粒子を接着し、安定したシートを形成するために、環境汚染物質除去用シートの吸収層には熱融着性接着剤を使用することが好ましい。
熱融着性接着剤は、吸着性無機粒子とともに混合されて繊維ウェブ形成し、このウェブを熱融着性接着剤の融点以上に加熱して加熱融着させシートを形成する事が出来る。
また、親水性有機繊維及び吸着性無機粒子を混合し、繊維ウェブ形成した上に熱融着性接着剤を付与し、これをその融点以上に加熱して加熱融着させシートを形成することも出来る。
吸収層に使用される熱融着性接着剤の量は、特に限定するものではないが、吸着性無機粒子の5質量%乃至300質量%程度が好ましい。 5質量%未満では吸着性無機粒子の脱落を防止できないことがあり、300質量%より多すぎると吸着性無機粒子の表面を覆って吸着性能が低下する虞がある。
本発明の熱融着性接着剤は、吸着性無機粒子を接着し、安定したシートを形成するために、環境汚染物質除去用シートの吸収層には熱融着性接着剤を使用することが好ましい。
熱融着性接着剤は、吸着性無機粒子とともに混合されて繊維ウェブ形成し、このウェブを熱融着性接着剤の融点以上に加熱して加熱融着させシートを形成する事が出来る。
また、親水性有機繊維及び吸着性無機粒子を混合し、繊維ウェブ形成した上に熱融着性接着剤を付与し、これをその融点以上に加熱して加熱融着させシートを形成することも出来る。
吸収層に使用される熱融着性接着剤の量は、特に限定するものではないが、吸着性無機粒子の5質量%乃至300質量%程度が好ましい。 5質量%未満では吸着性無機粒子の脱落を防止できないことがあり、300質量%より多すぎると吸着性無機粒子の表面を覆って吸着性能が低下する虞がある。
また、熱融着性接着剤としては、熱融着性粉体や熱融着性繊維の形態があり、夫々、単独あるいは、二種以上を併用し、熱融着性粉体と熱融着性繊維を組み合わせて使用することも任意である。これらの熱融着性接着剤は、加熱融着によってシートを構成する成分を接着、固定できるものであればよく、必ずしも限定するものではないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、およびポリエステルよりなる群より選ばれる一種以上を用いることが出来る。また、熱融着性繊維は、高融点の繊維と低融点の熱融着性樹脂を複合させた複合繊維であってもよく、熱融着性繊維としては、芯部であるポリプロピレン繊維(融点160℃)を被覆層であるポリエチレン層(融点130℃)で被覆した複合繊維が例示される。複合繊維を使用する場合には、外側の被覆層が溶融し芯部は溶融しない温度、例えば140℃の熱風を加えて被覆層のみを溶融する。この場合、芯部は溶融しないため安定した繊維として残存しているので、溶融接着の際に吸収層内で水分を保持するための空隙が損なわれることがないため好ましい。 また、複数の上記、熱融着繊維を併用することも出来る。 特に限定するものではないが、熱融着性粉体を用いる場合には粒度としては50乃至500μm程度の粒子が好ましく使用される。一方、熱融着繊維としては、繊維長1乃至10mmのものが好ましく使用することが出来る。
また、熱融着性接着剤は、適宜非熱融着性合成繊維と併用してもよい。
また、熱融着性接着剤は、適宜非熱融着性合成繊維と併用してもよい。
〔透水性基材層〕
本発明の透水性基材層は、土壌、建築物および樹木などの固体表面に環境汚染物質除去用シートを設置した後、付与された水分が土壌や固体表面に到達して汚染物質を溶出させ、その汚染物質を含んだ水分が吸収層に誘導されるための層である。
また、透水性基材層は、吸収層と被処理面の間に介在して、汚染物質を吸着した吸着性無機粒子が脱落して、汚染物質が除去された被処理面に残留するのを防止するとともに、シートとして取り扱いし易い強度を付与する効果も有する。
本発明の透水性基材層は、土壌、建築物および樹木などの固体表面に環境汚染物質除去用シートを設置した後、付与された水分が土壌や固体表面に到達して汚染物質を溶出させ、その汚染物質を含んだ水分が吸収層に誘導されるための層である。
また、透水性基材層は、吸収層と被処理面の間に介在して、汚染物質を吸着した吸着性無機粒子が脱落して、汚染物質が除去された被処理面に残留するのを防止するとともに、シートとして取り扱いし易い強度を付与する効果も有する。
透水性基材層としては、汚染物質が含まれた水分が浸みとおる層であればよく、例えばスパンボンド不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布、織布のように長繊維で強度に優れた薄手のシートが好適に用いられる。 また、透水性の点から、親水性の層であることが好ましいが、例えば、紙類や開孔を設けたフイルムなどであってもよく、上記の要求が損なわれないものであれば特に限定されるものではない。
〔乾式不織布の製造方法〕
本発明の吸収層は、吸着性無機粒子と熱融着性接着剤とを空気中で混合解繊してウェブ中に吸着性無機粒子が担持されて形成されたエアレイド法からなる乾式不織布が好ましく、すなわち、熱融着性接着剤によって吸着性無機粒子の表面が覆われて、吸着性能が損なわれることを避けるため、水を使わずに、熱融着性接着剤と吸着性無機粒子からウェブを形成し、場合によって熱融着性接着剤を用いて接着する、乾式法により不織布が形成される。
乾式不織布の製造方法としては、エアレイド法の他にカーディング法を挙げることができる。 中でも、水分保持性の点から、空隙の多いウェブの形成に適したエアレイド法による乾式不織布が好ましく用いることが出来る。
本発明の吸収層は、吸着性無機粒子と熱融着性接着剤とを空気中で混合解繊してウェブ中に吸着性無機粒子が担持されて形成されたエアレイド法からなる乾式不織布が好ましく、すなわち、熱融着性接着剤によって吸着性無機粒子の表面が覆われて、吸着性能が損なわれることを避けるため、水を使わずに、熱融着性接着剤と吸着性無機粒子からウェブを形成し、場合によって熱融着性接着剤を用いて接着する、乾式法により不織布が形成される。
乾式不織布の製造方法としては、エアレイド法の他にカーディング法を挙げることができる。 中でも、水分保持性の点から、空隙の多いウェブの形成に適したエアレイド法による乾式不織布が好ましく用いることが出来る。
〔エアレイド法による乾式不織布の製造方法〕
さらにエアレイド法による乾式不織布の製造方法の具体例の一例を示す。
吸着性無機粒子や熱融着性接着剤は、機械的に解繊され、空気中で均一に混合される。 透水性基材層に用いるシートを、コンベアに装着されて走行するメッシュ状無端ベルト上に繰り出し、その上にPE粉体などからなる熱溶融性接着剤を散布し、エアレイド法のウェブフォーミング機を用いて、吸着性無機粒子及び熱融着性接着剤の混合物を、メッシュ状無端ベルト側に吹気流とともに下降させ、透水性基材層上に落下堆積させる。 これによって透水性基材層上に、吸着性無機粒子及び熱融着性接着剤の混合物からなるエアレイドウェブが形成される。
この積層ウェブを、好ましくは、サーマルボンド法の一種であるエアスルー方式により熱処理して吸収層のエアレイドウェブを構成している吸着性無機粒子及び熱融着性接着剤の混合物を嵩高状態で接着するとともに、吸収層のエアレイド法による乾式不織布と透水性基材層とを接着することが出来る。
さらにエアレイド法による乾式不織布の製造方法の具体例の一例を示す。
吸着性無機粒子や熱融着性接着剤は、機械的に解繊され、空気中で均一に混合される。 透水性基材層に用いるシートを、コンベアに装着されて走行するメッシュ状無端ベルト上に繰り出し、その上にPE粉体などからなる熱溶融性接着剤を散布し、エアレイド法のウェブフォーミング機を用いて、吸着性無機粒子及び熱融着性接着剤の混合物を、メッシュ状無端ベルト側に吹気流とともに下降させ、透水性基材層上に落下堆積させる。 これによって透水性基材層上に、吸着性無機粒子及び熱融着性接着剤の混合物からなるエアレイドウェブが形成される。
この積層ウェブを、好ましくは、サーマルボンド法の一種であるエアスルー方式により熱処理して吸収層のエアレイドウェブを構成している吸着性無機粒子及び熱融着性接着剤の混合物を嵩高状態で接着するとともに、吸収層のエアレイド法による乾式不織布と透水性基材層とを接着することが出来る。
上記以外の好ましい構成は、透水性基材/吸収層/表面材が挙げられる。表面材としては、強度が必要な場合に用いられ、特に限定されるものではなく、例えばポリエチレンテレフタレートスパンボンド等が用いられる。
また、各層の間には、適宜接着剤を用いてもよく、中でもサーマルボンド法に用いられる材料が好ましく、例えば熱融着粉体(ポリエチレン等)が挙げられる。
さらに、積層体の端部は、熱処理により封緘された(所謂ヒートシール加工ともいう。)環境汚染物質除去用シートが取扱い性の点で好ましい。
また、各層の間には、適宜接着剤を用いてもよく、中でもサーマルボンド法に用いられる材料が好ましく、例えば熱融着粉体(ポリエチレン等)が挙げられる。
さらに、積層体の端部は、熱処理により封緘された(所謂ヒートシール加工ともいう。)環境汚染物質除去用シートが取扱い性の点で好ましい。
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、実施例中に、部数および%により示した量は特に断らない場合は夫々質量部および質量%である。
〔実施例1〕
透水性基材層として坪量30g/m2のレーヨン製スパンレース不織布をコンベアに装着されて走行するメッシュ状無端ベルト上に繰り出す。 次いで、熱融着性接着剤であるPE粉体を15g/m2を散布し、平均繊維長5mmの熱融着性複合繊維(チッソ株式会社製、商品名ETC、繊度1.7dtex PE/PET複合繊維)200g/m2、および粒度0.4〜1.0mmの土質改良用天然ゼオライト(新東北化学工業株式会社製、商品名ゼオフィル2460#)400g/m2を空気中で均一に混合、解繊(繊維を分離状態で解きほぐすこと)して、ウェブフォーマーを用いて、メッシュ状無端ベルト側に吹気流とともに下降させ、吸収層としてエアレイドウェブをレーヨン製スパンレース不織布の透水性基材層上に落下堆積させて形成した。
その後、表面材としてエアレイドウェブ上に先に用いたものと同じPE粉体を15g/m2を散布し、先に用いたものと同じ坪量30g/m2のレーヨン製スパンレース不織布を積層し、吸収層のエアレイドウェブの両面にレーヨン製スパンレース不織布からなる透水性基材層が設けられた積層ウェブを得た。
次いで、この積層ウェブを、周囲が通気性を有する回転ドラムを備えたスルーエアドライヤを通過させて熱処理(所謂ヒートシール加工ともいう。)した。
これにより、ゼオライト粒子が担持されたエアレイド乾式不織布よりなる吸収層の両面に、接着剤として熱融着粉体(ポリエチレン)を介して、レーヨン製スパンレース不織布の透水性基材層が積層された積層体よりなる実施例1の環境汚染物質除去用シートを得た。
透水性基材層として坪量30g/m2のレーヨン製スパンレース不織布をコンベアに装着されて走行するメッシュ状無端ベルト上に繰り出す。 次いで、熱融着性接着剤であるPE粉体を15g/m2を散布し、平均繊維長5mmの熱融着性複合繊維(チッソ株式会社製、商品名ETC、繊度1.7dtex PE/PET複合繊維)200g/m2、および粒度0.4〜1.0mmの土質改良用天然ゼオライト(新東北化学工業株式会社製、商品名ゼオフィル2460#)400g/m2を空気中で均一に混合、解繊(繊維を分離状態で解きほぐすこと)して、ウェブフォーマーを用いて、メッシュ状無端ベルト側に吹気流とともに下降させ、吸収層としてエアレイドウェブをレーヨン製スパンレース不織布の透水性基材層上に落下堆積させて形成した。
その後、表面材としてエアレイドウェブ上に先に用いたものと同じPE粉体を15g/m2を散布し、先に用いたものと同じ坪量30g/m2のレーヨン製スパンレース不織布を積層し、吸収層のエアレイドウェブの両面にレーヨン製スパンレース不織布からなる透水性基材層が設けられた積層ウェブを得た。
次いで、この積層ウェブを、周囲が通気性を有する回転ドラムを備えたスルーエアドライヤを通過させて熱処理(所謂ヒートシール加工ともいう。)した。
これにより、ゼオライト粒子が担持されたエアレイド乾式不織布よりなる吸収層の両面に、接着剤として熱融着粉体(ポリエチレン)を介して、レーヨン製スパンレース不織布の透水性基材層が積層された積層体よりなる実施例1の環境汚染物質除去用シートを得た。
〔実施例2〕
粒度0.4〜1.0mmの土質改良用天然ゼオライト(新東北化学工業株式会社製、商品名ゼオフィル2460#)の添加量を800g/m2、平均繊維長5mmの熱融着性複合繊維の添加量を100g/m2としたほかは、実施例1と同様にして実施例2の環境汚染物質除去用シートを得た。
粒度0.4〜1.0mmの土質改良用天然ゼオライト(新東北化学工業株式会社製、商品名ゼオフィル2460#)の添加量を800g/m2、平均繊維長5mmの熱融着性複合繊維の添加量を100g/m2としたほかは、実施例1と同様にして実施例2の環境汚染物質除去用シートを得た。
〔実施例3〕
エアレイドウェブ上に積層した坪量30g/m2のレーヨン製スパンレース不織布に代えて、坪量15g/m2のPET製スパンボンド不織布にしたほかは、実施例1と同様にして実施例3の環境汚染物質除去用シートを得た。
エアレイドウェブ上に積層した坪量30g/m2のレーヨン製スパンレース不織布に代えて、坪量15g/m2のPET製スパンボンド不織布にしたほかは、実施例1と同様にして実施例3の環境汚染物質除去用シートを得た。
〔実施例4〕
実施例1において、吸収層の平均繊維長5mmの熱融着性複合繊維(チッソ株式会社製、商品名ETC、繊度1.7dtex PE/PET複合繊維)200g/m2に代えて、熱融着性複合繊維(チッソ株式会社製、商品名ETC、繊度1.7dtex PE/PET複合繊維)240g/m2としたほかは、実施例1と同様にして実施例4の環境汚染物質除去用シートを得た。
実施例1において、吸収層の平均繊維長5mmの熱融着性複合繊維(チッソ株式会社製、商品名ETC、繊度1.7dtex PE/PET複合繊維)200g/m2に代えて、熱融着性複合繊維(チッソ株式会社製、商品名ETC、繊度1.7dtex PE/PET複合繊維)240g/m2としたほかは、実施例1と同様にして実施例4の環境汚染物質除去用シートを得た。
〔比較例1〕
実施例1において、坪量30g/m2のレーヨン製スパンレース不織布を全く使用しなかったほかは、実施例1と同様にして比較例1の環境汚染物質除去用シートを得た。
実施例1において、坪量30g/m2のレーヨン製スパンレース不織布を全く使用しなかったほかは、実施例1と同様にして比較例1の環境汚染物質除去用シートを得た。
<評価方法>
得られた6点の環境汚染物質除去用シートについて、セシウムに対する吸着率、固体から剥がしたときの固体表面への吸着性無機粒子の残留の有無、水を浸み込ませた環境汚染物質除去用シートの強さを評価した。
得られた6点の環境汚染物質除去用シートについて、セシウムに対する吸着率、固体から剥がしたときの固体表面への吸着性無機粒子の残留の有無、水を浸み込ませた環境汚染物質除去用シートの強さを評価した。
〔セシウム吸着量の評価〕
環境汚染物質除去用シートを5cm角に切り出し、切断面をヒートシールで封止し、環境汚染物質除去用シート試料とする。 25℃下で、試料に水を浸み込ませ、0.5Mに調整したセシウム標準液30mlを加えて振盪し、30分後のセシウム濃度の変化率を吸着率とした。
環境汚染物質除去用シートを5cm角に切り出し、切断面をヒートシールで封止し、環境汚染物質除去用シート試料とする。 25℃下で、試料に水を浸み込ませ、0.5Mに調整したセシウム標準液30mlを加えて振盪し、30分後のセシウム濃度の変化率を吸着率とした。
〔吸着性粒子残留〕
水を浸み込ませた環境汚染物質除去用シートを、ガラス板に貼り付け、室温で30分間放置した後、ガラス板から剥がした。 ガラス板への吸着性粒子の付着の有無を目視で評価した。
水を浸み込ませた環境汚染物質除去用シートを、ガラス板に貼り付け、室温で30分間放置した後、ガラス板から剥がした。 ガラス板への吸着性粒子の付着の有無を目視で評価した。
〔シートの強さ〕
水を浸み込ませた環境汚染物質除去用シートを引張り、変形または破れの状況を官能評価した。
○:変形または破れがなかった。
×:変形または破れがあり、実用上問題があった。
水を浸み込ませた環境汚染物質除去用シートを引張り、変形または破れの状況を官能評価した。
○:変形または破れがなかった。
×:変形または破れがあり、実用上問題があった。
本発明の環境汚染物質除去用シートは、透水性基材を介して溶出した汚染物質が水分とともに吸収層中に保持され、効率よく吸着性無機粒子と接触させることが出来、結果的に溶出した汚染物質を効率的に85%以上捕捉し吸着できていることが実施例から分かる。
また、実施例から汚染物質を吸着した吸着性無機粒子を含有する吸収層が透水性基材層を介して土壌あるいは建築物や樹木などの固体表面に接することにより、環境汚染物質除去用シートを取り除く際の、吸着性無機粒子の脱落による土壌あるいは固体表面への残留が防止されている。
また、実施例から汚染物質を吸着した吸着性無機粒子を含有する吸収層が透水性基材層を介して土壌あるいは建築物や樹木などの固体表面に接することにより、環境汚染物質除去用シートを取り除く際の、吸着性無機粒子の脱落による土壌あるいは固体表面への残留が防止されている。
Claims (5)
- 熱融着性接着剤および吸着性無機粒子が担持された乾式不織布を含む吸収層と、透水性基材層を含む積層体であることを特徴とする環境汚染物質除去用シート。
- 吸着性無機粒子が、天然ゼオライトである請求項1に記載の環境汚染物質除去用シート。
- 熱融着性接着剤が、熱融着性複合繊維である請求項1乃至2のいずれかに記載の環境汚染物質除去用シート。
- 吸収層が、吸着性無機粒子と熱融着性接着剤とを空気中で混合解繊してウェブ形成されたエアレイド不織布である請求項1乃至3のいずれかに記載の環境汚染物質除去用シート。
- 透水性基材層が、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布、織布よりなる群から選ばれる1種以上である請求項1乃至4のいずれかに記載の環境汚染物質除去用シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012105122A JP2013230450A (ja) | 2012-05-02 | 2012-05-02 | 環境汚染物質除去用シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012105122A JP2013230450A (ja) | 2012-05-02 | 2012-05-02 | 環境汚染物質除去用シート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013230450A true JP2013230450A (ja) | 2013-11-14 |
Family
ID=49677424
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012105122A Pending JP2013230450A (ja) | 2012-05-02 | 2012-05-02 | 環境汚染物質除去用シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013230450A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013242235A (ja) * | 2012-05-21 | 2013-12-05 | Shimizu Corp | 汚染水処理ユニット |
JP2014032038A (ja) * | 2012-08-01 | 2014-02-20 | Oji Holdings Corp | 環境汚染物質の除去方法 |
JP2014228376A (ja) * | 2013-05-22 | 2014-12-08 | 凸版印刷株式会社 | 放射性物質吸着体及びこれを用いた放射性物質吸着袋 |
JP2015099140A (ja) * | 2013-11-20 | 2015-05-28 | 株式会社クラレ | 放射性物質回収シート及び海水浄化材 |
JP2016215182A (ja) * | 2015-05-22 | 2016-12-22 | 槌屋ティスコ株式会社 | 浄化シート及び廃棄物の保管方法 |
JP2016221976A (ja) * | 2012-04-16 | 2016-12-28 | 特種東海製紙株式会社 | 放射性物質を含む水の浄化用の吸着シート |
JP2019132650A (ja) * | 2018-01-30 | 2019-08-08 | 日本製紙株式会社 | セシウム吸着材 |
-
2012
- 2012-05-02 JP JP2012105122A patent/JP2013230450A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016221976A (ja) * | 2012-04-16 | 2016-12-28 | 特種東海製紙株式会社 | 放射性物質を含む水の浄化用の吸着シート |
JP2013242235A (ja) * | 2012-05-21 | 2013-12-05 | Shimizu Corp | 汚染水処理ユニット |
JP2014032038A (ja) * | 2012-08-01 | 2014-02-20 | Oji Holdings Corp | 環境汚染物質の除去方法 |
JP2014228376A (ja) * | 2013-05-22 | 2014-12-08 | 凸版印刷株式会社 | 放射性物質吸着体及びこれを用いた放射性物質吸着袋 |
JP2015099140A (ja) * | 2013-11-20 | 2015-05-28 | 株式会社クラレ | 放射性物質回収シート及び海水浄化材 |
JP2016215182A (ja) * | 2015-05-22 | 2016-12-22 | 槌屋ティスコ株式会社 | 浄化シート及び廃棄物の保管方法 |
JP2019132650A (ja) * | 2018-01-30 | 2019-08-08 | 日本製紙株式会社 | セシウム吸着材 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2013230450A (ja) | 環境汚染物質除去用シート | |
US9802187B2 (en) | Non-woven electret fibrous webs and methods of making same | |
JP2818693B2 (ja) | 固定された粒子物質を含有する繊維状構造物およびその製造方法 | |
US9475034B2 (en) | Nonwoven fibrous webs containing chemically active particulates and methods of making and using same | |
EP2561127B1 (en) | Nonwoven nanofiber webs containing chemically active particulates and methods of making and using same | |
JP2013230449A (ja) | 環境汚染物質除去用シート | |
JP6202584B2 (ja) | 放射性物質を含む水の浄化用の吸着シート | |
JP2014166621A (ja) | 環境汚染物質除去シート | |
JP5910397B2 (ja) | 防水シート | |
JP4959985B2 (ja) | ガス吸着材 | |
JP2001507984A (ja) | フィルター媒体 | |
JP5910399B2 (ja) | 環境汚染物質の除去方法 | |
JP6044391B2 (ja) | 袋体 | |
JP4603898B2 (ja) | 繊維構造物及びその製造方法、並びにフィラー固着繊維の製造方法 | |
TW200403096A (en) | Air filter | |
JP2014032066A (ja) | 放射性物質吸着材 | |
JP2014000546A (ja) | 環境汚染物質除去用シートの処理方法 | |
JP2014028338A (ja) | 環境汚染物質除去用フィルタ | |
JP2014028032A (ja) | 環境汚染物質拭き取り用シート | |
JP2014028336A (ja) | 環境汚染物質除去用シート | |
JP2012245427A (ja) | ハイブリッド吸着体 | |
JP4601442B2 (ja) | フィラー固着繊維の製造方法及び繊維構造物の製造方法 | |
JP2020146627A (ja) | 砒素吸着用繊維シート、それを含む砒素吸着材および水処理材 | |
JP2014176777A (ja) | 放射性セシウム吸着材およびそれを用いた放射性汚染水の浄化方法 | |
JP2006214051A (ja) | 繊維構造物及びその製造方法 |