JP2014028338A - 環境汚染物質除去用フィルタ - Google Patents

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明秀 石澤
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Abstract

【課題】目詰まりすることなく、環境汚染物質を含む液体から環境汚染物質を除去できる環境汚染物質除去用フィルタの提供。
【解決手段】吸着材12と、ポリビニルアルコールと、非水溶性の有機繊維とを有する吸収層13と、該吸収層13の片面に設けられた非水溶性の透水性基材層14とを具備する、環境汚染物質除去用フィルタ10。
【選択図】図1

Description

本発明は、環境汚染物質除去用フィルタに関する。
環境汚染物質を除去する方法として、ゼオライトなどの吸着材に環境汚染物質を吸着させる方法が広く行われている。
例えば特許文献1には、環境汚染物質を含む液体中で環境汚染物質を吸着材に吸着させたり、環境汚染物質を含む液体を吸着材を含む濾過材(フィルタ)に通して環境汚染物質をトラップさせたりすることにより、環境汚染物質を含む液体から環境汚染物質を除去する技術が開示されている。
しかし、吸着材を含むフィルタを用いて環境汚染物質を吸着させる場合、環境汚染物質を含む液体中のごみで目詰まりし、フィルタの処理能力が低下することがあった。
特開2002−267795号公報
本発明の目的は、目詰まりすることなく、環境汚染物質を含む液体から環境汚染物質を除去できる環境汚染物質除去用フィルタを提供することである。
本発明の環境汚染物質除去用フィルタは、吸着材と、ポリビニルアルコールと、非水溶性の有機繊維とを有する吸収層と、該吸収層の片面に設けられた非水溶性の透水性基材層とを具備することを特徴とする。
なお、本発明において「非水溶性」とは、100℃の水100gに対して溶解可能な量が1g以下であることを意味する。
本発明の環境汚染物質除去用フィルタによれば、目詰まりすることなく、環境汚染物質を含む液体から環境汚染物質を除去できる。
環境汚染物質除去用フィルタの一例を示す断面図である。
<環境汚染物質除去用フィルタ>
本発明の環境汚染物質除去用フィルタは、吸着材と、ポリビニルアルコールと、非水溶性の有機繊維とを有する吸収層と、該吸収層の片面に設けられた非水溶性の透水性基材層とを具備する。
以下、本発明の環境汚染物質除去用フィルタについて、図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態例である環境汚染物質除去用フィルタの構成を示す断面図である。
この例の環境汚染物質除去用フィルタ(以下、単に「除去用フィルタ」という場合がある。)10は、吸収層13と、該吸収層13の片面に設けられた非水溶性の透水性基材層14とを具備する2層構造の積層シート状物である。
吸収層13は、シート状のマトリックス11と、該マトリックス11中に分散状態で保持されている吸着材12とを少なくとも有する。
マトリックス11は、繊維状のポリビニルアルコールと非水溶性の有機繊維とを少なくとも含む。
除去用フィルタ10は、環境汚染物質を含む液体から環境汚染物質(例えば、放射性セシウム、放射性ストロンチウムなどの放射性物質、重金属類など。)を除去するフィルタとして使用されるものである。除去用フィルタ10に環境汚染物質を含む液体(以下、「汚染液体」という場合がある。)を通過させることで、吸収層13中の吸着材12が環境汚染物質を吸着し汚染液体から除去する。
加えて、ポリビニルアルコールは水溶性に優れる。よって、吸収層13がポリビニルアルコールを含んでいると、除去用フィルタ10に汚染液体が通過する際に、吸収層13中のポリビニルアルコールが徐々に溶解し、空間が生じる。この空間に汚染液体中のごみが入りむので、目詰まりすることなく、汚染液体から環境汚染物質を除去できる。
また、除去用フィルタ10は、ポリビニルアルコールと非水溶性の有機繊維とを少なくとも含むマトリックス11を有する吸収層13を備えているため、該吸収層13により汚染液体を適度に吸収、保持できる。よって、除去用フィルタ10に汚染液体を通過させることにより、吸収層13が汚染液体を適度に吸収、保持している間に、吸着材12が汚染液体中の環境汚染物質を効果的に吸着する。
また、除去用フィルタ10は、透水性基材層14が吸収層13の片面に設けられることで、除去用フィルタ10に強度を付与できるとともに、環境汚染物質を吸着した後の吸着材12が除去用フィルタ10から脱落することを防止できる。
以下、図1に示す除去用フィルタ10を構成する各成分について詳しく説明する。
[吸収層]
(吸着材)
除去用フィルタ10に使用される吸着材12としては、有機吸着材、無機吸着材など、環境中に存在する有害な環境汚染物質を吸着する作用を有するものであるが、無機吸着材が好適に使用される。
無機吸着材としては、吸着対象の汚染物質に応じて適宜選択できるが、例えば、ゼオライト、活性白土、大谷石、シリカ、アルミナ、モレキュラーシーブ、多孔性鉱物、非晶質水酸化鉄、プルシアンブルーなどが挙げられ、これらのうちの1種以上を使用できる。
吸着材12の形状は、粉状、顆粒状、ペレット状などである。
これらの中でも、吸着材12としては、ゼオライト、活性白土、大谷石、シリカ、アルミナ、モレキュラーシーブ、多孔性鉱物などのケイ素を含有する無機吸着材が好ましい。吸着材12としてケイ素を含有する無機吸着材を用いれば、詳しくは後述するが、使用後の除去用フィルタ10を焼却などの加熱処理し、さらに冷却することで、ケイ素を含有する無機吸着材がアモルファス状態(ガラス状態)で固化する。これにより、ケイ素を含有する無機吸着材に吸着した環境汚染物質はアモルファス状態の固化物に取り込まれ、環境中に再度放出されることがない。
ケイ素を含有する無機吸着材の中でも、特にゼオライトは、天然ゼオライトおよび合成ゼオライトとして、結晶構造の違いにより約200種類程度存在することが知られている。合成ゼオライトは、三次元のカゴ状構造を有するアルミノケイ酸塩であって、強いイオン交換性を有する。また、天然ゼオライトは、筒状の構造を持ち、その構造と孔の大きさに特徴がある。吸着の対象となる環境汚染物質がセシウムイオンである場合などには、筒状の構造を持つ天然ゼオライトが吸着材12として好ましい。天然ゼオライトの孔の大きさは、0.22〜1nmであり、0.55〜0.8nmが好ましい。
除去用フィルタ10中の吸着材12の量は、除去用フィルタ10の単位面積当たり、100〜2000g/mの範囲で調整されることが好ましい。このような量であると、環境汚染物質を充分に吸着でき、かつ、除去用フィルタ10の取扱性も優れる。
(マトリックス)
マトリックス11は、繊維状のポリビニルアルコールと非水溶性の有機繊維とを少なくとも含み、吸着材12を保持するものである。
また、マトリックス11は、必要に応じて熱融着性接着剤を含んでいてもよい。
以下、マトリックス11を構成する繊維状のポリビニルアルコールおよび非水溶性の有機繊維を総称して「原料繊維」という。なお、詳しくは後述するが、ポリビニルアルコールが紛体状である場合、「原料繊維」は非水溶性の有機繊維のみを指す。
マトリックス11の形態としては、不織布、織布、編布など、繊維間に空隙が形成されているシート状の形態が挙げられる。これらの形態の中でも、不織布が好ましい。
以下、マトリックス11を構成するポリビニルアルコール、非水溶性の有機繊維、熱融着性接着剤について説明する。
ポリビニルアルコール:
図1に示す除去用フィルタ10に使用されるポリビニルアルコールは繊維状である。
ポリビニルアルコールは、重合度により水への溶解性を調節できる。水への溶解性が低すぎると、詳しくは後述するが、ポリビニルアルコールの溶解により生じる空間が小さすぎたり、溶解速度が遅くなったりして、汚染液体中のごみが充分に入り込めず、目詰まりする場合がある。一方、水への溶解性が高すぎると、ポリビニルアルコールの溶解により生じる空間が大きくなりすぎて透水性基材層14に連通し、汚染液体中の環境汚染物質が吸着材12に充分に吸着される前に、吸収層13を通過してしまう場合がある。
従って、汚染液体を除去用フィルタ10に通過させる通過速度に合わせて重合度を変更するのが好ましい。
ポリビニルアルコールは、吸着材100質量部に対して、1〜100質量部程度を用いることが好ましい。
ポリビニルアルコールの量が上記範囲内であれば、ポリビニルアルコールの溶解により生じる空間に、汚染液体中のごみを充分に入り込ませることができ、目詰まりを効果的に抑制できる。
非水溶性の有機繊維:
非水溶性の有機繊維としては、不織布等の製造に一般に用いられる有機繊維を使用できる。このような有機繊維としては、親水性有機繊維、疎水性有機繊維が挙げられ、これらのうちの1種以上を使用できる。
親水性有機繊維としては、製紙用木材パルプ(針葉樹および/または広葉樹木材より調製される化学パルプや機械パルプなど。)、古紙パルプ、リンター、麻、綿、ケナフなどより調製される非木材植物繊維などの天然セルロース繊維や、レーヨンなどの合成繊維が挙げられる。これらのなかでは、工業的に利用しやすい点から、天然セルロース繊維が好ましい。天然セルロース繊維としては、乾燥されたパルプシートの状態で供給され、乾燥状態で機械的に粉砕、解繊されたものが好ましい。
また、疎水性有機繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリエステル繊維などが挙げられる。
これらの親水性有機繊維および疎水性有機繊維は、環境汚染物質除去用フィルタ10の使用環境、環境汚染物質が存在している状態などに応じて、1種以上を適宜採用することができる。
例えば、環境汚染物質が水などの親水性の液体に含まれている場合や、散水、降雨などにより水に溶出あるいは分散するなどし、水中に存在している場合には、マトリックス11を構成する有機繊維として親水性有機繊維を主に採用して、マトリックス11がその液体を充分に吸収、保持しやすいようにすることができる。一方、例えば、環境汚染物質が疎水性の液体に含まれている場合などには、マトリックス11を構成する有機繊維として疎水性有機繊維を主に採用して、マトリックス11がその液体を充分に吸収、保持しやすいようにすることができる。
有機繊維は、吸着材100質量部に対して、0.1〜50質量部程度を用いることが好ましい。有機繊維の繊維長は、不織布等の製造方法などに応じて、適宜設定できる。
熱融着性接着剤:
マトリックス11は、その製造方法によっては原料繊維とともに、加熱によりその少なくとも一部が溶融して接着性を発揮する、熱融着性接着剤を含んでいてもよい。熱融着性接着剤を原料繊維とともに用いてウェブを形成した場合、該ウェブを熱処理(サーマルボンド法)することにより、熱融着性接着剤の少なくとも一部が溶融して接着作用を奏し、原料繊維同士が結合した安定なシート形態のマトリックス11を製造できる。
熱融着性接着剤としては、少なくとも一部が溶融して接着剤として作用するものであればよく、繊維状の熱融着性接着剤(以下、熱融着性繊維という。)の他、粉体状の熱融着性接着剤などが挙げられ、これらの1種以上を使用できる。
熱融着性繊維には、繊維全体が溶融して接着剤として作用するものと、繊維の一部のみが溶融して接着剤として作用するものとがあり、これらの1種以上を使用できる。熱融着性繊維の材質としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリアミドおよびポリエステルよりなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。繊維全体が溶融して接着剤として作用する熱融着性繊維は、好ましくはこれらのうちの1種または2種以上の混合物を用いて繊維全体が形成され、繊維の一部のみが溶融して接着剤として作用する熱融着性繊維は、好ましくはこれらのうちの1種または2種以上の混合物を用いて、溶融する部分と溶融しない部分とがそれぞれ形成される。
一部のみが溶融して接着剤として作用する繊維としては、例えば、ポリプロピレン繊維(融点160℃)からなる芯部の外周をポリエチレン層(融点130℃)で被覆した芯鞘構造の複合繊維などが挙げられる。熱融着性繊維として、このように高融点の繊維の外周に低融点の熱融着性樹脂からなる被覆層を設けた芯鞘構造の複合繊維を使用する場合には、被覆層(鞘)が溶融し芯部は溶融しない温度(例えば140℃。)で熱風処理して、被覆層のみを溶融させる。このような複合繊維を用いると、熱風処理を行っても芯部は溶融せずに安定した繊維として残存する。そのため、繊維全体が溶融する熱融着性繊維を用いた場合のように、溶融した熱融着性繊維によりマトリックス11の空隙が埋まることがなく、汚染液体を空隙に充分に保持できる。
熱融着性繊維の繊維長は、不織布等の製造方法などにより、適宜設定できる。
粉体状の熱融着性接着剤の材質としては、熱融着性繊維の説明において例示した材質などが挙げられる。粉体状の熱融着性接着剤を用いる場合、50〜500μm程度の粒度の粒子からなる粉体が好ましく使用できる。
マトリックスの製造:
以下、マトリックス11が不織布である場合を例にとり、その製造方法の一例について説明する。
不織布の一般的な製造工程としては、原料繊維からウェブを形成するウェブ形成工程と、ウェブ中の原料繊維を結合させる繊維結合工程とを有する方法がある。そして、不織布の形態としては、例えばウェブ形成工程の違いに基いて、乾式不織布、湿式不織布、スパンボンド不織布などがある。これらの不織布のうち、有機多孔質材料としては、乾式不織布が好ましい。
乾式不織布には、ウェブ形成工程としてエアレイド法が採用された不織布(エアレイド不織布)や、ウェブ形成工程としてカーディング法が採用された不織布があるが、なかでもエアレイド不織布が好ましい。エアレイド法は、空気流を利用して原料繊維を三次元的にランダムに積層させて、ウェブを形成する方法である。そのため、ウェブ形成工程としてエアレイド法を採用することにより、かさ密度が低く、繊維間の空隙が大きな不織布を製造できる。
エアレイド不織布のなかでは、ウェブ形成工程後の繊維結合工程として、熱風処理が採用された不織布が好ましい。熱風処理による繊維結合工程は、エアスルー法またはスルーエア法などとも呼ばれるサーマルボンド法の一種である。熱風処理を採用する場合には、ウェブ形成の際に、上述した熱融着性接着剤を原料繊維とともに使用する。
繊維結合工程として熱風処理を採用することにより、エアレイド法により形成された低いかさ密度、繊維間の大きな空隙を維持しつつ、原料繊維を結合させることができる。このようなエアレイド不織布は、汚染液体を充分に吸収、保持できる。
エアレイド不織布を製造する場合、原料繊維の繊維長としては、1〜30mmが好ましく、2〜10mmがより好ましい。また、熱融着性接着剤として熱融着性繊維を使用する場合、熱融着性繊維の繊維長も、原料繊維について示した上記範囲内の繊維長が好ましい。
本明細書において、原料繊維の繊維長は、任意に選択した50本以上の繊維をサンプルとし、これらについて電子顕微鏡観察により測定した長さの平均値である。
マトリックス11としてエアレイド不織布を採用し、これに吸着材12を保持させる場合には、例えばエアレイド法によるウェブ形成工程において、原料繊維(ポリビニルアルコールおよび非水溶性の有機繊維)と熱融着性接着剤と吸着材12とを混合した混合物を空気流によりランダムに積層させてエアレイドウェブを形成し、該エアレイドウェブに対して熱風処理による繊維結合工程を行えばよい。あるいは、原料繊維と吸着材12とを混合した混合物を空気流によりランダムに積層させて、エアレイドウェブを形成し、該エアレイドウェブ上に熱融着性接着剤を付与してから、これに対して熱風処理による繊維結合工程を行えばよい。
このような方法によれば、原料繊維からなるエアレイド不織布中に、吸着材12を分散性よく固定できる。しかも、吸着材12の表面が熱融着性接着剤によって過度には被覆されないため、吸着材12の吸着性能が良好に維持される。
また、この場合、熱融着性接着剤は、エアレイド不織布中に保持される吸着材100質量部に対して、5〜50質量部程度が用いられることが好ましい。このような範囲であると、エアレイド不織布中の原料繊維と吸着材12とを充分に固定でき、シート形状を安定に維持できるとともに、吸着材12の脱落も防止できる。また、熱融着性接着剤によって吸着材12の表面が過度に被覆されず、吸着材12の吸着性能も良好に維持される。
(他の成分)
吸収層13は、マトリックス11および吸着材12のみで構成されていてもよいし、マトリックス11および吸着材12以外の成分(他の成分)を有していてもよい。
他の成分としては、例えば、濡れ性付与や起泡防止などの目的で使用される界面活性剤等の各種助剤などが挙げられる。
[透水性基材層]
透水性基材層14は、吸収層13の片面(汚染液体が吸収層13を通過して吸収層13から出てくる側)に設けられた、ポリビニルアルコールを含まない層である。
透水性基材層14としては、非水溶性であり、汚染液体が浸み通ることが可能であって、かつ、強度に優れる薄手のシートが好適に用いられる。このようなシートとしては、例えばスパンボンド不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布などの不織布や、織布など、長繊維から形成されたものが好ましい。
その他に透水性基材層14としては、紙類や開孔を設けたフイルムなども使用できる。また、環境汚染物質が水などの親水性液体に含まれる場合には、透水性基材層の材質を親水性とし、環境汚染物質が疎水性液体に含まれる場合には、透水性基材層の材質を疎水性とするなどしてもよい。透水性基材層14は、熱融着性接着剤などにより吸収層13に接着される。
<環境汚染物質除去用フィルタの製造方法>
次に、吸収層13を構成するマトリックス11としてエアレイド不織布を採用した場合を例に挙げて、図1の構成の除去用フィルタ10の製造方法を具体的に説明する。
まず、透水性基材層14として使用されるシートを用意し、これをコンベアに装着されて走行するメッシュ状無端ベルト上に繰り出し、その上にPE(ポリエチレン)粉体などからなる熱融着性接着剤を散布する。そして、エアレイド法のウェブフォーミング機を用いて、機械的に解繊された原料繊維(ポリビニルアルコールおよび非水溶性の有機繊維)と吸着材12と熱融着性接着剤との混合物をメッシュ状無端ベルト側に吸気流の作用により下降させ、透水性基材層14上に落下堆積させる。これにより、透水性基材層14上に、原料繊維と吸着材12と熱融着性接着剤の混合物からなるエアレイドウェブが形成された2層構造の積層ウェブを得る。
ついで、この積層ウェブをエアスルー方式により熱風処理することによって、エアレイドウェブを構成している原料繊維、吸着材12、熱融着性接着剤の混合物を嵩高状態で接着して吸収層13を形成するとともに、その片面に透水性基材層14を接着して、図1の除去用フィルタ10を製造する。
なお、除去用フィルタ10の端面(周端面)は、熱処理(ヒートシール加工)により封緘されていると、吸着材12の脱落をより防止でき、取扱性に優れる点で好ましい。
<環境汚染物質除去用フィルタの使用方法>
環境汚染物質除去用フィルタ10を用いて環境汚染物質を除去する方法としては、透水性基材層14を下にして、上から(すなわち、吸収層13側から)汚染液体を除去用フィルタ10に通過させればよい。これにより、吸収層13中の吸着材12が環境汚染物質を吸着し汚染液体から除去する。加えて、除去用フィルタ10に汚染液体が通過する際に、吸収層13中のポリビニルアルコールが徐々に溶解し、空間が生じる。この空間に汚染液体中のごみが入りむので、目詰まりすることなく、汚染液体から環境汚染物質を除去できる。
除去用フィルタ10の使用方法については、上述した方法に限定されない。例えば、建造物が破壊されて生じたがれきなどの廃棄物を屋外に仮置きする際などに、廃棄物と土壌との間に除去用フィルタ10を設置してもよい。廃棄物と土壌との間に除去用フィルタ10を設置しておくと、雨などの水が廃棄物に染み込み、廃棄物に含まれたり付着したりしていた環境汚染物質がこの水に取り込まれ、その後、汚染水(汚染液体)として廃棄物から流出した際には、該汚染液体は除去用フィルタ10を通過することになる。このとき、吸収層13の吸着材12により汚染液体中の環境汚染物質が吸着されるので、環境汚染物質が除去された水が土壌に移行するので、環境汚染物質による土壌の汚染を抑制できる。
<環境汚染物質除去用フィルタの処理方法>
環境汚染物質を吸着した吸着材12を含む環境汚染物質除去用フィルタ10、すなわち使用済みの除去用フィルタ10は、回収され、焼却などの加熱処理を経て、最終的に地中に埋没されるなどして処分される。
特に、吸着材12としてケイ素を含有する無機吸着材を用いれば、加熱処理により溶融する。その後、冷却することでケイ素を含有する無機吸着材がアモルファス状態(ガラス状態)で固化する。これにより、ケイ素を含有する無機吸着材に吸着した環境汚染物質はアモルファス状態の固化物に取り込まれ、環境中に再度放出されることがない。一方、加熱処理により、マトリックス11(すなわち、ポリビニルアルコールおよび非水溶性の有機繊維など)や透水性基材層14は焼失する。
なお、本発明の環境汚染物質除去用フィルタ10は図1に示すものに限定されない。
例えば、図1に示す環境汚染物質除去用フィルタ10は、非水溶性の有機繊維とともに繊維状のポリビニルアルコールを用いて得られるマトリックス11に吸着材12が保持された吸収層13を備えているが、ポリビニルアルコールは紛体状の形態で用いられてもよいし、繊維状のポリビニルアルコールと紛体状のポリビニルアルコールとを併用してもよい。
紛体状のポリビニルアルコールの粒度としては1〜1000μmが好ましく、10〜200μmがより好ましい。
また、紛体状のポリビニルアルコールを用いる場合、吸着材100質量部に対して、1〜100質量部程度用いることが好ましい。紛体状のポリビニルアルコールの量が上記範囲内であれば、ポリビニルアルコールの溶解により生じる空間に、汚染液体中のごみを充分に入り込ませることができ、目詰まりを効果的に抑制できる。
なお、本明細書において、紛体状のポリビニルアルコールの粒度は、体積平均粒子径を元にした粒子径分布において、全体固体粒子量に対する積算固体粒子量が50%となる粒子径(いわゆるメディアン径)を意味するものであり、粒度分布計により測定される値である。
繊維状あるいは粉体状のポリビニルアルコールの溶解性は、粒度や繊維の大きさ(繊維長、繊維径)のほか、ポリビニルアルコールの重合度および鹸化度を調節することにより、目的の溶解性を有するものを得ることができる。
紛体状のポリビニルアルコールを用いる場合、環境汚染物質除去用フィルタは例えば以下のようにして製造できる。なお、以下に示す方法は、吸収層を構成するマトリックスとしてエアレイド不織布を採用した場合である。
まず、透水性基材層として使用されるシートを用意し、これをコンベアに装着されて走行するメッシュ状無端ベルト上に繰り出し、その上にPE(ポリエチレン)粉体などからなる熱融着性接着剤を散布する。そして、エアレイド法のウェブフォーミング機を用いて、機械的に解繊された非水溶性の有機繊維(原料繊維)と吸着材と紛体状のポリビニルアルコールと熱融着性接着剤との混合物をメッシュ状無端ベルト側に吸気流の作用により下降させ、透水性基材層上に落下堆積させる。これにより、透水性基材層上に、非水溶性の有機繊維と吸着材とポリビニルアルコールと熱融着性接着剤の混合物からなるエアレイドウェブが形成された2層構造の積層ウェブを得る。
ついで、この積層ウェブをエアスルー方式により熱風処理することによって、エアレイドウェブを構成している非水溶性の有機繊維、吸着材、ポリビニルアルコール、熱融着性接着剤の混合物を嵩高状態で接着して、非水溶性の有機繊維を含むマトリックスに吸着材およびポリビニルアルコールが保持された吸収層を形成するとともに、その片面に透水性基材層を接着して、除去用フィルタを製造する。
また、図1に示す環境汚染物質除去用フィルタ10は、吸収層13の片面のみに非水溶性の透水性基材層14が設けられているが、吸収層13の他方の面(吸収層13の上側)にも非水溶性の透水性基材層が設けられた3層構造の積層シート状物であってもよい。
ただし、吸収層13の他方の面にも非水溶性の透水性基材層を設ける場合は、吸収層13の他方の面に設けられた透水性基材層側から、汚染液体が通過することになる。そのため、汚染液体中にごみが混ざっていると、このごみが吸収層13の他方の面に設けられた透水性基材層中に留まり、目詰まりしやすくなる。よって、吸収層13の他方の面にも非水溶性の透水性基材層を設ける場合には、この透水性基材層にポリビニルアルコールを含ませておく。こうすることで、除去用フィルタ10に汚染液体が通過する際に、吸収層13の他方の面に設けられた透水性基材層中のポリビニルアルコールが徐々に溶解し、空間が生じる。この空間に汚染液体中のごみが入りむので、目詰まりすることなく、汚染液体から環境汚染物質を除去できる。
吸収層13の他方の面にも非水溶性の透水性基材層を設ける場合は、例えば上述した環境汚染物質除去用フィルタの製造方法において、エアレイドウェブを形成した後に、該エアレイドウェブ上にPE粉体などからなる熱融着性接着剤を散布してから、透水性基材層として使用される、ポリビニルアルコールを含有したシートを積層すればよい。この方法により、エアレイドウェブの両面に、透水性基材層が設けられた3層構成の積層ウェブを得ることができる。
以上説明したように、本発明の環境汚染物質除去用フィルタは、吸収層にポリビニルアルコールが含まれている。よって、汚染液体中にごみが混ざっていても、ポリビニルアルコールの溶解により生じた空間にごみが入り込めるので、目詰まりすることなく、汚染液体から環境汚染物質を除去できる。
また、除去用フィルタはシート形態であるため、粉状、顆粒状、ペレット状などの吸着材をそのまま使用する場合に比べて、取扱性に優れる。さらに、吸収層を有するので、汚染液体を適度に吸収、保持でき、吸着材による環境汚染物質の除去効率にも優れる。
10 環境汚染物質除去用フィルタ
11 マトリックス
12 吸着材
13 吸収層
14 透水性基材層

Claims (1)

  1. 吸着材と、ポリビニルアルコールと、非水溶性の有機繊維とを有する吸収層と、該吸収層の片面に設けられた非水溶性の透水性基材層とを具備する、環境汚染物質除去用フィルタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016045113A (ja) * 2014-08-25 2016-04-04 株式会社 エー・イー・エル 放射能汚染土壌の洗浄方法

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