JP2014028339A - 環境汚染物質除去用ドレーン材 - Google Patents

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Abstract

【課題】地表付近だけでなく、地中に存在する環境汚染物質についても効果的に除去できる環境汚染物質除去用ドレーン材の提供。
【解決手段】地中Sに埋設され、地中Sから環境汚染物質を含む汚染水を吸い上げる吸い上げ部2aと、大気中に露出し、吸い上げられた汚染水中の水分を大気中に蒸発させる蒸発部3aとを有し、吸い上げ部2aおよび蒸発部3aのうちの少なくとも一部に、吸着材を含有する環境汚染物質吸着部が形成された環境汚染物質除去用ドレーン材1A。
【選択図】図1

Description

本発明は、地中に含まれる環境汚染物質を除去する際に好適に使用される環境汚染物質除去用ドレーン材に関する。
環境中から環境汚染物質を除去する方法として、ゼオライトなどの吸着材に環境汚染物質を吸着させる方法が広く行われている。例えば、特許文献1には、ゼオライトなどの吸着材を含有するシートや、該シートを複数枚積層して加熱・圧着させたボードが開示され、該ボードを環境中に保持することによって、該環境中のホルムアルデヒドを吸着、除去できることが記載されている。
特開平11−033342号公報
しかしながら、地中に含まれる環境汚染物質を効率的に除去する方法については、従来知られていない。
また、特許文献1に記載のシートを地表に敷くことにより、地表付近に存在する環境汚染物質については、ある程度除去できる可能性はあるが、地表付近よりも深い地中に存在する環境汚染物質については、除去することは困難である。
本発明の目的は、地表付近だけでなく、地中に存在する環境汚染物質についても効果的に除去できる環境汚染物質除去用ドレーン材の提供を課題とする。
本発明は以下の構成を有する。
[1]地中に埋設され、前記地中から環境汚染物質を含む汚染水を吸い上げる吸い上げ部と、大気中に露出し、吸い上げられた前記汚染水中の水分を前記大気中に蒸発させる蒸発部とを有し、前記吸い上げ部および前記蒸発部のうちの少なくとも一部に、吸着材を含有する環境汚染物質吸着部が形成されたことを特徴とする環境汚染物質除去用ドレーン材。
[2]前記環境汚染物質吸着部は、前記吸着材と該吸着材を担持する不織布とからなる吸収層を有するシート材料から形成されたことを特徴とする[1]に記載の環境汚染物質除去用ドレーン材。
本発明の環境汚染物質除去用ドレーン材によれば、地表付近だけでなく、地中に存在する環境汚染物質についても効果的に除去できる。
本発明の第1実施形態例の環境汚染物質除去用ドレーン材を施工した状態を示す断面図である。 図1の環境汚染物質除去用ドレーン材を構成するシート材料の一例を示す断面図である。 第1の実施形態例の環境汚染物質除去用ドレーン材の蒸発部を変形させた一例を示す断面図である。 本発明の第2実施形態例の環境汚染物質除去用ドレーン材を施工した状態を示す部分断面斜視図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の環境汚染物質除去用ドレーン材(以下、単にドレーン材という場合がある。)は、地表付近だけでなく、地中に存在する有害な環境汚染物質(例えば、放射性セシウム、放射性ストロンチウムなどの放射性物質、重金属類など。)についても取り込み、除去するためのものであって、地中に埋設され、地中から環境汚染物質を含む汚染水を吸い上げる吸い上げ部と、地中から大気中に露出し、吸い上げられた汚染水中の水分を大気中に蒸発させる蒸発部とを有する。そして、吸い上げ部および蒸発部のうちの少なくとも一部に、吸着材を含有する環境汚染物質吸着部が形成されている。
(1)第1実施形態例
図1は、本発明の第1実施形態例であるドレーン材1Aを施工した状態を示す断面図である。
各ドレーン材1Aは、吸着材を担持して含有するシート材料が筒状または巻物状に形成された棒状体からなり、その長手方向の一部が吸い上げ部2a、残りの一部が蒸発部3aとされ、1つの吸い上げ部2aと1つの蒸発部3aとから構成されている。
吸い上げ部2aは、棒状体の長手方向が鉛直方向となるように地中Sに埋設され、地中Sから環境汚染物質を含む汚染水を吸い上げる機能を有する。一方、蒸発部3aは、地中Sから大気中に露出し、吸い上げ部2aにより吸い上げられた汚染水中の水分を大気中に蒸発させる機能を有する。
ドレーン材1Aは、図示例のように、環境汚染物質の除去対象となる土地において、所定の間隔で複数本が施工される。この際の間隔、施工本数は、その土地の環境汚染物質の濃度などに応じて適宜設定される。
吸い上げ部2aの長さは、環境汚染物質を除去する必要のある地中深さに応じた長さに設定でき、例えば0.1〜10mである。蒸発部3aの長さも、地中Sから吸い上げられる汚染水の量などに応じて設定でき、例えば0.5〜10mである。
このように吸着材を含有するシート材料によりドレーン材1Aを形成し、その長手方向の一部を吸い上げ部2aとして地中Sに埋設し、残りの一部を大気中に露出させて蒸発部3aとすると、地中Sの環境汚染物質が水に溶解または分散して生じた汚染水が吸い上げ部2aに吸い上げられ、大気中に露出する蒸発部3aへと送液されていく。そして、汚染水中の環境汚染物質は、ドレーン材1A中をこのように送液されるうちに、ドレーン材1A中の吸着材に吸着される。その結果、大気中に露出した蒸発部3aからは、環境汚染物質が吸着材により除去された後の水分のみが大気中に蒸発する。これにより地中Sの環境汚染物質をドレーン材1Aにより除去できる。
図示例のドレーン材1Aは、その全体が吸着材を含有するシート材料から形成されており、その全長にわたって吸着材が分散して存在している。よって、このドレーン材1Aは、その全体が、環境汚染物質を吸着する環境汚染物質吸着部となる。
(i)シート材料
ドレーン材1Aの材料である、吸着材を担持して含有するシート材料としては、吸着材を含みシート状に形成されたものであればよいが、好適な例としては、例えば図2に示すように、シート状の有機多孔質材料11をマトリックスとし、該有機多孔質材料11中に吸着材12が分散状態で担持されている吸収層13と、該吸収層13の両面に積層した透水性基材層14,14とからなる3層構成の積層シートが挙げられる。
このようなシート材料10は、有機多孔質材料11をマトリックスとする吸収層13を備えているため、該吸収層13により汚染水を良好に吸収、保持できる。そして、吸収層13中の吸着材12は、このように吸収、保持された汚染水に作用して、環境汚染物質を効果的に吸着する。例えば、環境汚染物質が放射性セシウムである場合、放射性セシウムは水が存在すると水に溶解してセシウムイオンとなり、吸着材12に良好に吸着されやすくなる。
また、図2の例のシート材料10は、吸収層13の両面に透水性基材層14,14を備えているため、シート材料10に強度を付与できるとともに、環境汚染物質を吸着した後の吸着材12がシート材料10から脱落し、地中に残存することを防止できる。
(吸収層)
吸収層13に含まれる吸着材12は、有機吸着材、無機吸着材など、地中に存在する有害な環境汚染物質を吸着する作用を有するものであるが、無機吸着材が好適に使用される。
無機吸着材としては、吸着対象の汚染物質に応じて適宜選択できるが、例えば、ゼオライト、活性白土、大谷石、シリカ、アルミナ、モレキュラーシーブ、多孔性鉱物、非晶質水酸化鉄、プルシアンブルーなどが挙げられ、これらのうちの1種以上を使用できる。吸着材12の形状は、粉状、顆粒状、ペレット状などである。
これらのうちゼオライトは、天然ゼオライトおよび合成ゼオライトとして、結晶構造の違いにより約200種類程度存在することが知られている。合成ゼオライトは、三次元のカゴ状構造を有するアルミノケイ酸塩であって、強いイオン交換性を有する。また、天然ゼオライトは、筒状の構造を持ち、その構造と孔の大きさに特徴がある。吸着の対象となる環境汚染物質がセシウムイオンである場合などには、筒状の構造を持つ天然ゼオライトが吸着材12として好ましい。天然ゼオライトの孔の大きさは、0.22〜1nmであり、0.55〜0.8nmが好ましい。
シート材料10中の吸着材12の量は、シート材料10の単位面積当たり、100〜2000g/mの範囲で調整されることが好ましい。このような量であると、環境汚染物質を充分に吸着でき、かつ、シート材料10の取扱性も優れる。
吸着材12を担持する有機多孔質材料11としては、不織布、織布、編布など、有機繊維からなり、各繊維間に空隙が形成されているシート材料や、ポリウレタン系樹脂などの樹脂を発泡成形して得られた多数の孔を有する発泡シートなどのシート状物が挙げられる。また、紙も使用できる。紙の場合には、紙の抄紙工程において、吸着材を抄き込むことで、吸着材を紙に保持させることができる。有機多孔質材料11は、有機物であり焼却可能な点で好ましい。
これら有機多孔質材料11の中では不織布が好ましい。不織布の坪量(含まれる吸着材12は除く。)は、50〜500g/mが好ましい。
不織布を構成する原料繊維としては、不織布の製造に一般に用いられる有機繊維を使用できる。このような有機繊維としては、親水性有機繊維、疎水性有機繊維が挙げられ、これらのうちの1種以上を使用できる。
親水性有機繊維としては、製紙用木材パルプ(針葉樹および/または広葉樹木材より調製される化学パルプや機械パルプなど。)、古紙パルプ、リンター、麻、綿、ケナフなどより調製される非木材植物繊維などの天然セルロース繊維や、レーヨンなどの合成繊維が挙げられる。これらのなかでは、工業的に利用しやすい点から、天然セルロース繊維が好ましい。天然セルロース繊維としては、乾燥されたパルプシートの状態で供給され、乾燥状態で機械的に粉砕、解繊されたものが好ましい。
また、疎水性有機繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリエステル繊維などが挙げられる。
これらのなかでも、地中Sの環境汚染物質が水に溶解または分散して生じた汚染水を充分に吸収、保持しやすいことから、不織布を構成する原料繊維としては、親水性有機繊維を主に採用することが好ましい。その場合、疎水性有機繊維を併用してもよい。
原料繊維は、吸着材12の100質量部に対して、0.1〜50質量部程度を用いることが好ましい。原料繊維の繊維長は、不織布の製造方法などに応じて、適宜設定できる。
原料繊維は、吸着材100質量部に対して、0.1〜50質量部程度を用いることが好ましい。原料繊維の繊維長は、不織布の製造方法などに応じて、適宜設定できる。
また、不織布には、その製造方法によっては、原料繊維とともに、加熱によりその少なくとも一部が溶融して接着性を発揮する、熱融着性接着剤を使用してもよい。熱融着性接着剤を原料繊維とともに用いてウェブを形成した場合、該ウェブを熱処理(サーマルボンド法)することにより、熱融着性接着剤の少なくとも一部が溶融して接着作用を奏し、原料繊維同士が結合した安定なシート形態の不織布を製造できる。
熱融着性接着剤としては、少なくとも一部が溶融して接着剤として作用するものであればよく、繊維状の熱融着性接着剤(以下、熱融着性繊維という。)の他、粉体状の熱融着性接着剤などが挙げられ、これらの1種以上を使用できる。
熱融着性繊維には、繊維全体が溶融して接着剤として作用するものと、繊維の一部のみが溶融して接着剤として作用するものとがあり、これらの1種以上を使用できる。熱融着性繊維の材質としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリアミドおよびポリエステルよりなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。繊維全体が溶融して接着剤として作用する熱融着性繊維は、好ましくはこれらのうちの1種または2種以上の混合物を用いて繊維全体が形成される。繊維の一部のみが溶融して接着剤として作用する熱融着性繊維は、好ましくはこれらのうちの1種または2種以上の混合物を用いて、溶融する部分と溶融しない部分とがそれぞれ形成される。
一部のみが溶融して接着剤として作用する繊維としては、例えば、ポリプロピレン繊維(融点160℃)からなる芯部の外周をポリエチレン層(融点130℃)で被覆した芯鞘構造の複合繊維などが挙げられる。熱融着性繊維として、このように高融点の繊維の外周に低融点の熱融着性樹脂からなる被覆層を設けた芯鞘構造の複合繊維を使用する場合には、被覆層(鞘)が溶融し芯部は溶融しない温度(例えば140℃。)で熱処理して、被覆層のみを溶融させる。このような複合繊維を用いると、熱処理を行っても芯部は溶融せずに安定した繊維として残存する。そのため、繊維全体が溶融する熱融着性繊維を用いた場合のように、溶融した熱融着性繊維により不織布の空隙が埋まることがなく、環境汚染物質を含む汚染水を空隙に充分に保持できる。
熱融着性繊維の繊維長は、不織布の製造方法などにより、適宜設定できる。
粉体状の熱融着性接着剤の材質としては、熱融着性繊維の説明において例示した材質などが挙げられる。粉体状の熱融着性接着剤を用いる場合、50〜500μm程度の粒度の粒子からなる粉体が好ましく使用できる。
熱融着性接着剤の使用量は、原料繊維100質量部に対して20〜80質量部が好ましい。このような範囲であると、コシのある不織布を製造できる。コシのある不織布を有機多孔質材料11として備えたシート材料10は、筒状、巻物状などの棒状体に形成しやすく、また、得られた棒状体をドレーン材1Aとして後述の方法で施工する際の施工性、取扱性にも優れる。
また、熱融着性接着剤の使用量は、不織布中に保持される吸着材12の100質量部に対して、5〜50質量部程度が好ましい。このような範囲であると、不織布中に吸着材12を充分に固定でき、シート形状を安定に維持できるとともに、吸着材12の脱落も防止できる。また、熱融着性接着剤によって吸着材12の表面が過度に被覆されず、吸着材12の吸着性能も良好に維持される。
不織布の一般的な製造工程としては、原料繊維からウェブを形成するウェブ形成工程と、ウェブ中の原料繊維を結合させる繊維結合工程とを有する方法がある。そして、不織布の形態としては、例えばウェブ形成工程の違いに基いて、乾式不織布、湿式不織布、スパンボンド不織布などがある。これらの不織布のうち、有機多孔質材料11としては、乾式不織布が好ましい。
乾式不織布には、ウェブ形成工程としてエアレイド法が採用された不織布(エアレイド不織布)や、ウェブ形成工程としてカーディング法が採用された不織布があるが、なかでもエアレイド不織布が好ましい。エアレイド法は、空気流を利用して原料繊維を三次元的にランダムに積層させて、ウェブを形成する方法である。そのため、ウェブ形成工程としてエアレイド法を採用することにより、かさ密度が低く、繊維間の空隙が大きな不織布を製造できる。
エアレイド不織布としては、ウェブ形成工程後の繊維結合工程として、熱処理が採用された不織布があり、その中には、熱風処理が採用された不織布、熱プレス処理が採用された不織布、熱風処理と熱プレス処理とが併用された不織布などがあるが、少なくとも熱プレス処理が採用されたエアレイド不織布が好ましい。熱プレス処理を経たエアレイド不織布はコシがあるため、これを有機多孔質材料11として具備するシート材料10は筒状、巻物状などの棒状体に形成しやすい。また、得られた棒状体をドレーン材1Aとして後述の方法で施工する際の施工性、取扱性にも優れる。
熱風処理や熱プレス処理を採用する場合には、ウェブ形成の際に、上述した熱融着性接着剤を原料繊維とともに使用する。なお、熱風処理や熱プレス処理による繊維結合工程は、サーマルボンド法に該当する。
エアレイド不織布を製造する場合、原料繊維の繊維長としては、1〜30mmが好ましく、2〜10mmがより好ましい。また、熱融着性接着剤として熱融着性繊維を使用する場合、熱融着性繊維の繊維長も、原料繊維について示した上記範囲内の繊維長が好ましい。
本明細書において繊維長は、任意に選択した50本以上の繊維をサンプルとし、これらについて電子顕微鏡観察により測定した長さの平均値である。
有機多孔質材料11としてエアレイド不織布を採用し、これに吸着材12を担持させる場合には、エアレイド法によるウェブ形成工程において、原料繊維と熱融着性接着剤と吸着材12とを混合した混合物を空気流によりランダムに積層させてエアレイドウェブを形成し、該エアレイドウェブに対して熱処理、好ましくは少なくとも熱プレス処理を備えた繊維結合工程を行えばよい。あるいは、原料繊維と吸着材12とを混合した混合物を空気流によりランダムに積層させて、エアレイドウェブを形成し、該エアレイドウェブ上に熱融着性接着剤を付与してから、これに対して熱処理による繊維結合工程を行えばよい。
このような方法によれば、吸着材12をエアレイド不織布中に分散性よく固定でき、しかも、吸着材12の表面が熱融着性接着剤によって過度には被覆されないため、吸着材12の吸着性能が良好に維持される。
その他には、原料繊維と熱融着性接着剤とを混合した混合物を空気流によりランダムに積層させて、エアレイドウェブを形成し、該エアレイドウェブ上に吸着材を振りかけるなどして付与してから、好ましくは、これに対して少なくとも熱プレス処理による繊維結合工程を行ってもよい。
(透水性基材層)
透水性基材層14,14としては、環境汚染物質を含む液体が浸み通ることが可能であって、かつ、強度に優れる薄手のシートが好適に用いられる。このようなシートとしては、例えばスパンボンド不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布などの不織布や、織布など、長繊維から形成されたものや、紙類や開孔を設けたフイルムなどの1種以上を使用できる。透水性基材層14,14は、熱融着性接着剤などにより吸収層13に接着される。
(ii)第1実施形態例のドレーン材の製造方法および施工方法
次に、吸収層13を構成する有機多孔質材料11として、エアレイド不織布を採用した場合の一例を挙げて、まず、図2に示すシート材料10の製造方法を説明し、ついで、ドレーン材1Aの製造方法および施工方法を説明する。
まず、透水性基材層14として使用されるシートを用意し、これをコンベアに装着されて走行するメッシュ状無端ベルト上に繰り出し、その上にPE(ポリエチレン)粉体などからなる熱融着性接着剤を散布する。そして、エアレイド法のウェブフォーミング機を用いて、機械的に解繊された原料繊維と吸着材12と熱融着性接着剤との混合物をメッシュ状無端ベルト側に吸気流の作用により下降させ、透水性基材層14上に落下堆積させる。これにより、透水性基材層14上に、原料繊維と吸着材12と熱融着性接着剤の混合物からなるエアレイドウェブが形成される。
その後、エアレイドウェブ上にPE粉体などからなる熱融着性接着剤を散布してから、透水性基材層14として使用されるシートを積層し、エアレイドウェブの両面に、透水性基材層14,14が設けられた3層構成の積層ウェブを得る。
ついで、この積層ウェブに対して、繊維結合工程として、好ましくは少なくとも熱プレス処理を含む熱処理を行うことによって、エアレイドウェブを構成している原料繊維、吸着材12、熱融着性接着剤の混合物を接着して吸収層13を形成するとともに、その両面に透水性基材層14,14を接着して、図2のシート材料10を製造する。
なお、シート材料10の端面(周端面)は、熱処理(ヒートシール加工)により封緘されていると、吸着材12の脱落をより防止でき、取扱性に優れる点で好ましい。
ついで、このシート材料10を丸めて筒状にするか、あるいは巻物状とすることにより、棒状体とし、ドレーン材1Aを得る。そして、ドレーン材1Aの吸い上げ部2aに相当する長さの筒状のケーシングを、土木用の施工機械により地中Sに貫入し、貫入されたケーシング中央の中空部にドレーン材1Aを挿入する。ついで、ケーシングの下端からドレーン材1Aを徐々に排出させながら、ケーシングだけを上方の大気中に引き抜く。
これによりドレーン材1Aの吸い上げ部2aを地中Sに設置し、蒸発部3aを大気中に露出させることができ、図1のようにドレーン材1Aが施工される。
ドレーン材1Aは、通常、環境汚染物質の除去対象となる土地において、環境汚染物質の濃度などに応じた所定の間隔で複数本が施工される。
このようにドレーン材1Aを対象となる土地に施工することにより、地表付近だけでなく、地中Sに含まれる環境汚染物質も除去できる。
すなわち、地表および地中Sの環境汚染物質は、水に溶解または分散して汚染水となり、該汚染水は吸い上げ部2aに吸い上げられて蒸発部3aへと送液されていく。ここで該ドレーン材1Aは、その全体が、吸着材12を含有するシート材料10から形成された環境汚染物質吸着部となっている。よって、吸い上げられた汚染水中の環境汚染物質は、その送液の過程において、効率的にドレーン材1A中の吸着材12に吸着される。その結果、環境汚染物質は吸着材12に吸着して除去され、環境汚染物質が除去された後の水分のみが、蒸発部3aから大気中に蒸発する。
このようにして所定期間使用された後のドレーン材1Aは、地中Sから引き抜かれ、処分される。その後、必要に応じて、新たなドレーン材1Aが再度施工される。
このようなドレーン材1Aは、地表付近だけでなく、地中Sに存在する環境汚染物質についても除去できることに加え、吸着材12を担持して含有するシート材料10から形成されているため、軽量であり、施工性、取扱性に優れる。
また、この例では、ドレーン材1Aを構成しているシート材料10は、吸着材12を含有する吸収層13の両面に透水性基材層14,14を備えているため、シート材料10に強度を付与できるとともに、環境汚染物質を吸着した後の吸着材12がドレーン材1Aから脱落したり、地中Sに残存したりすることを防止できる。
なお、この例では、シート材料10を筒状、巻物状などの棒状体に形成してドレーン材1Aとすることで、施工時におけるケーシング内への挿入や排出を実施しやすい形態としているが、施工が可能である限り、シート材料10を事前に棒状体などに成形しておかなくてもよいし、成形する場合でも棒状体に限定されない。
また、棒状体とする場合でも、厳密な形状の棒状体とする必要はなく、例えば、図3に示すように、蒸発部3aについては、シート材料10の筒状、巻物状の形状を解き広げ、蒸発を促す形態とすることなども可能である。
また、1つのドレーン材1Aは、1枚のシート材料10から形成されていなくてもよく、複数枚のシート材料を重ねてから丸め、棒状体としたものであってもよいし、吸い上げ部2aと蒸発部3aとをそれぞれ別のシート材料10から形成し、これらを互いに連結させたものであってもよい。このような場合、連結部におけるシート材料同士は、汚染水または環境汚染物質が除去された後の水が、連結部を経て送液可能な程度に、互いに少なくとも接触することで連通していればよく、必ずしも接続具などで互いに連結されていなくてもよい。
さらに、この例では、ドレーン材1Aは、その全体が、吸着材12を含有するシート材料10から形成された環境汚染物質吸着部とされているため、非常に効率的に環境汚染物質を吸着、除去できる。しかしながら、ドレーン材の少なくとも一部が吸着材を含む環境汚染物質吸着部とされていればよく、例えば、ドレーン材の一部のみを吸着材12を含有するシート材料10で形成して環境汚染物質吸着部とし、残りの一部を吸着材を含有しない不織布などのシート材料で形成してもよい。その一例としては、蒸発部3aのみを吸着材12を含有するシート材料10で形成して環境汚染物質吸着部とし、吸い上げ部2aは、吸着材を含有しない不織布などで形成する形態が挙げられる。
このような形態では、環境汚染物質は蒸発部3aを構成しているシート材料10にのみ蓄積されるため、吸い上げ部2aを構成している不織布などの材料は埋設させたままにして、蒸発部3aを構成するシート材料10のみを適宜交換することもできる。
(2)第2実施形態例
図4は、本発明の第2実施形態例であるドレーン材1Bを施工した状態を示す部分断面斜視図である。
すでに説明した第1実施形態例のドレーン材1Aは、1つの吸い上げ部2aと1つの蒸発部3aとから構成されているが、第2実施形態例のドレーン材1Bは、複数の吸い上げ部2bと、これら複数の吸い上げ部2bを接続する蒸発部3bとを有して構成されている。この例では、ドレーン材1Bの蒸発部3bは1つであり、この蒸発部3bに、複数の吸い上げ部2bの全てが接続されている。
各吸い上げ部2bは、図2のシート材料10が筒状または巻物状に形成された棒状体からなり、棒状体の長手方向が鉛直方向となるように地中Sに埋設されている。一方、蒸発部3bは、図2のシート材料10を帯状に裁断した複数本のテープ状物からなり、これらのテープ状物が地表上に敷設されて大気中に露出している。この例では、互いに平行に敷設された複数のテープ状物4と、これらのテープ状物4に直交するように敷設された複数のテープ状物5とが、交差することで互いに接して連通し、1つの蒸発部3bを構成している。そして、テープ状物同士が交差している各交差箇所には、地中Sに埋設された各吸い上げ部2bの上端部も接しており、これにより複数の吸い上げ部2bと蒸発部3bとが接続、連通した1つのドレーン材1Bが構築されている。
吸い上げ部2bの長さは、第1実施形態例の場合と同様にして設定される。
ドレーン材1Bの各吸い上げ部2bは、地中Sにおける環境汚染物質の濃度などに応じて、所定の間隔で施工される。吸い上げ部2bの施工は、第1実施形態例で説明したようなケーシングを用いた方法により行える。蒸発部3bの施工は、吸い上げ部2bの施工後に、テープ状物4,5を所定の位置に敷設することで行える。この際、テープ状物4,5の交差箇所を接続具などであらかじめ接続しておいてもよいし、施工時に接続してもよい。また、テープ状物同士は互いに少なくとも接触することで連通していればよく、必ずしも接続具などで互いに連結されていなくてもよい。
テープ状物4,5と吸い上げ部2bとについても、互いに少なくとも接触することで連通していればよく、必ずしも接続具などで互いに連結されていなくてもよい。
このように吸着材12を担持して含有するシート材料10によりドレーン材1Bの吸い上げ部2bと蒸発部3bとを形成すると、地中Sの環境汚染物質が水に溶解または分散して生じた汚染水が吸い上げ部2bに吸い上げられ、大気中に露出する蒸発部3bへと送液されていく。そして、汚染水中の環境汚染物質は、ドレーン材1B中をこのように送液されるうちに、ドレーン材1B中の吸着材12に吸着される。その結果、大気中に露出した蒸発部3bからは、環境汚染物質が吸着材12により除去された後の水分のみが大気中に蒸発する。これにより地中Sの環境汚染物質をドレーン材1Bにより除去できる。
特にこの例のドレーン材1Bは、その全体が、吸着材12を含有するシート材料10から形成された環境汚染物質吸着部となっている。そのため、効率的に環境汚染物質を除去できる。
また、この例のドレーン材1Bは、蒸発部3bが複数本のテープ状物4,5からなり、その表面積が大きいため、蒸発部3bからの蒸発が効率よく行える。
なお、この例においては、吸い上げ部2bはシート材料10の棒状体により形成され、蒸発部3bはシート材料10のテープ状物4,5が交差して形成されているが、これらの形態に限定されない。例えば、蒸発部3bは、複数本のテープ状物をランダムに配置することで形成してもよく、複数本のテープ状物が直交する形態に限定されないし、シート材料10の棒状体を用いて形成するなどしてもよい。
また、この例のドレーン材1Bは、その全体が、吸着材12を含有するシート材料10から形成された環境汚染物質吸着部とされているため、非常に効率的に環境汚染物質を吸着、除去できる。しかしながら、第1実施形態例においても既に説明したとおり、ドレーン材の少なくとも一部が吸着材を含む環境汚染物質吸着部とされていればよく、例えば、ドレーン材の一部のみを吸着材12を含有するシート材料10で形成して環境汚染物質吸着部とし、残りの一部を吸着材を含有しない不織布などのシート材料で形成してもよい。その一例としては、蒸発部3bのみを吸着材12を含有するシート材料10で形成して環境汚染物質吸着部とし、吸い上げ部2bは、吸着材を含有しない不織布などで形成する形態が挙げられる。このような形態であると、環境汚染物質は蒸発部3bを構成しているシート材料10にのみ蓄積されるため、吸い上げ部2bを構成している不織布などの材料は埋設させたままにして、蒸発部3bを構成するシート材料10のテープ状物のみを適宜交換することもできる。
また、この例のドレーン材1Bは、複数の吸い上げ部2bと、これら複数の吸い上げ部2bの全てを接続する1つの蒸発部3bとを有して構成されているが、例えば蒸発部を2つ有し、吸い上げ部のうちの半数は1つの蒸発部に接続され、残りの半数の吸い上げ部はもう1つの蒸発部に接続される形態などでもよく、蒸発部の数は1つ以上であってよく1つに限定されない。
1A,1B 環境汚染物質除去用ドレーン材
2a,2b 吸い上げ部
3a,3b 蒸発部
10 シート材料
11 有機多孔質材料
12 吸着材
13 吸収層
14 透水性基材層

Claims (2)

  1. 地中に埋設され、前記地中から環境汚染物質を含む汚染水を吸い上げる吸い上げ部と、
    大気中に露出し、吸い上げられた前記汚染水中の水分を前記大気中に蒸発させる蒸発部とを有し、
    前記吸い上げ部および前記蒸発部のうちの少なくとも一部に、吸着材を含有する環境汚染物質吸着部が形成されたことを特徴とする環境汚染物質除去用ドレーン材。
  2. 前記環境汚染物質吸着部は、前記吸着材と該吸着材を担持する不織布とからなる吸収層を有するシート材料から形成されたことを特徴とする請求項1に記載の環境汚染物質除去用ドレーン材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101789255B1 (ko) * 2016-08-29 2017-10-25 (주)대한건설이엔지 오염물의 선택적 추출이 가능한 연직배수재 및 이를 이용한 오염토양 개량 및 정화 시스템

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