JP2014028477A - 防水シート - Google Patents

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Abstract

【課題】防水性に加えて、汚染水から環境汚染物質を除去する機能をも備え、汚染水による土壌汚染を効果的に防止できる防水シートの提供。
【解決手段】吸着材12を含む透水性層13と、該透水性層13の一方の面に積層した非透水性層14とを少なくとも有する防水シート10。非透水性層14は、繊維を含んで構成されることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばがれき(瓦礫)などの廃棄物を仮置きする際などに使用される防水シートに関する。
例えば、建造物が破壊されて生じるがれきなどの廃棄物は、一旦、屋外の所定の土地に仮置きされた後、処分される。この際、廃棄物に、放射性物質、重金属類などの環境汚染物質が含まれたり付着したりしている場合には、降雨などにより廃棄物に水が染み込むと、その水は環境汚染物質を取り込んだ後、汚染水となって廃棄物から染み出し、土壌を汚染する。
そこで、このような土壌汚染を防止するために、廃棄物を仮置きする場合には、その下に防水シートを敷くことが一般に行われている。防水シートとしては、加硫ゴムを主成分とする組成物や、熱可塑性エラストマー組成物から形成されたものがある(例えば特許文献1参照。)。
特開平5−9307号公報
しかしながら、このように従来の防水シートを敷いても、廃棄物から染み出た汚染水は防水シート上を広がってしまい、防水シートの周端部から土壌へと移行してしまう場合があった。
本発明の目的は、防水性に加えて、汚染水から環境汚染物質を除去する機能をも備え、汚染水による土壌汚染を効果的に防止できる防水シートを提供することである。
本発明は以下の構成を有する。
[1]吸着材を含む透水性層と、該透水性層の一方の面に積層した非透水性層とを少なくとも有する防水シート。
[2]前記非透水性層は、繊維を含んで構成されている[1]に記載の防水シート。
本発明によれば、防水性に加えて、汚染水から環境汚染物質を除去する機能をも備え、汚染水による土壌汚染を効果的に防止する防水シートを提供できる。
本発明の防水シートの一例を示す断面図である。 図1の防水シートの使用方法の一例を示す断面図である。 図1の防水シートの使用方法の他の一例を示す断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
<防水シート>
図1は、本発明の一実施形態例である防水シートの構成を示す断面図であり、この防水シート10は、吸着材12を含む透水性層13と、該透水性層13の一方の面に積層した非透水性層14との2層構造の積層シートである。
この防水シート10は、建造物が破壊されて生じたがれきなどの廃棄物を屋外に仮置きする際などに、廃棄物と土壌との間に敷かれ、廃棄物仮置き用防水シートとして好適に使用されるものである。防水シート10は、図2に示すように、非透水性層14が下側となるように配置され、土壌Sの上に敷かれる。そして、敷かれた防水シート10の上に、がれきなどの廃棄物Gが仮置きされる。なお、図2において、吸着材の図示は略している。
このように廃棄物Gと土壌Sとの間に防水シート10を敷くと、雨などの水が廃棄物Gに染み込み、廃棄物Gに含まれたり付着したりしていた環境汚染物質がこの水に取り込まれ、その後、汚染水として廃棄物Gから流出した際には、該汚染水は透水性層13に吸収される。ついで、透水性層13に含まれる吸着材12が、汚染水中の環境汚染物質を吸着して汚染水から除去する。そして、このように吸着材12により少なくとも一部の環境汚染物質が除去された水(以下、処理水という場合がある。)は、透水性層13と土壌Sとの間に位置する非透水性層14の作用により留まり、土壌Sには移行しない。また、仮に、処理水が防水シート10の周端部から土壌Sへと移行したとしても、その処理水は透水性層13において、既に環境汚染物質が低減されたものであるため、土壌Sの汚染は抑制される。
環境汚染物質としては、例えば、放射性セシウム、放射性ストロンチウムなどの放射性物質、重金属類などが挙げられる。
[透水性層]
透水性層13としては、吸着材12を含み、水を透す透水性を備えた層であればよいが、図示例のように、シート状の有機多孔質材料11をマトリックスとし、該有機多孔質材料11中に吸着材12が分散状態で保持されている層が好ましい。
このような透水性層13は、有機多孔質材料11をマトリックスとするため、廃棄物Gから染み出る汚染水を良好に吸収、保持できる。そして、透水性層13に含まれる吸着材12は、このように吸収、保持された汚染水に作用して、汚染水中の環境汚染物質を効果的に吸着する。例えば、環境汚染物質が放射性セシウムである場合、放射性セシウムは水が存在すると水に溶解してセシウムイオンとなり、吸着材12に良好に吸着される。なお、透水性層は多層構造であってもよい。
透水性層13に含まれる吸着材12としては、有機吸着材、無機吸着材など、環境中に存在する有害な環境汚染物質を吸着する作用を有するものであるが、無機吸着材が好適に使用される。
無機吸着材としては、吸着対象の汚染物質に応じて適宜選択できるが、例えば、ゼオライト、活性白土、大谷石、シリカ、アルミナ、モレキュラーシーブ、多孔性鉱物、非晶質水酸化鉄、プルシアンブルーなどが挙げられ、これらのうちの1種以上を使用できる。吸着材12の形状は、粉状、顆粒状、ペレット状などである。
これらのうちゼオライトは、天然ゼオライトおよび合成ゼオライトとして、結晶構造の違いにより約200種類程度存在することが知られている。合成ゼオライトは、三次元のカゴ状構造を有するアルミノケイ酸塩であって、強いイオン交換性を有する。また、天然ゼオライトは、筒状の構造を持ち、その構造と孔の大きさに特徴がある。吸着の対象となる環境汚染物質がセシウムイオンである場合などには、筒状の構造を持つ天然ゼオライトが吸着材12として好ましい。天然ゼオライトの孔の大きさは、0.22〜1nmであり、0.55〜0.8nmが好ましい。
透水性層13に含まれる吸着材12の量は、防水シート10の単位面積当たり、100〜2000g/mの範囲で調整されることが好ましい。このような量であると、環境汚染物質を充分に吸着でき、かつ、吸着材12の透水性層13からの脱落もしにくく、防水シート10の取扱性に優れる。
透水性層13において、吸着材12を保持する有機多孔質材料11としては、不織布、織布、編布など、有機繊維からなり、各繊維間に空隙が形成されているシート材料や、ポリウレタン系樹脂などの樹脂を発泡成形して得られた多数の孔を有する発泡シートなどのシート状物が挙げられる。有機多孔質材料11は、有機物であり焼却可能な点で好ましい。また、これら有機多孔質材料11の中では不織布が好ましい。不織布の坪量(含まれる吸着材12は除く。)は、50〜500g/mが好ましい。
不織布を構成する原料繊維としては、不織布の製造に一般に用いられる有機繊維を使用できる。このような有機繊維としては、親水性有機繊維、疎水性有機繊維が挙げられ、これらのうちの1種以上を使用できる。
親水性有機繊維としては、製紙用木材パルプ(針葉樹および/または広葉樹木材より調製される化学パルプや機械パルプなど。)、古紙パルプ、リンター、麻、綿、ケナフなどより調製される非木材植物繊維などの天然セルロース繊維や、レーヨンなどの合成繊維が挙げられる。これらのなかでは、工業的に利用しやすい点から、天然セルロース繊維が好ましい。天然セルロース繊維としては、乾燥されたパルプシートの状態で供給され、乾燥状態で機械的に粉砕、解繊されたものが好ましい。
また、疎水性有機繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリエステル繊維などが挙げられる。
これらのなかでも、汚染水を充分に吸収、保持しやすいことから、不織布を構成する原料繊維としては、親水性有機繊維を主に採用することが好ましい。その場合、疎水性有機繊維を併用してもよい。
原料繊維は、吸着材12の100質量部に対して、0.1〜50質量部程度を用いることが好ましい。原料繊維の繊維長は、不織布の製造方法などに応じて、適宜設定できる。
また、不織布には、その製造方法によっては、原料繊維とともに、加熱によりその少なくとも一部が溶融して接着性を発揮する、熱融着性接着剤を使用してもよい。熱融着性接着剤を原料繊維とともに用いてウェブを形成した場合、該ウェブを熱処理(サーマルボンド法)することにより、熱融着性接着剤の少なくとも一部が溶融して接着作用を奏し、原料繊維同士が結合した安定なシート形態の不織布を製造できる。
熱融着性接着剤としては、少なくとも一部が溶融して接着剤として作用するものであればよく、繊維状の熱融着性接着剤(以下、熱融着性繊維という。)の他、粉体状の熱融着性接着剤などが挙げられ、これらの1種以上を使用できる。
熱融着性繊維には、繊維全体が溶融して接着剤として作用するものと、繊維の一部のみが溶融して接着剤として作用するものとがあり、これらの1種以上を使用できる。熱融着性繊維の材質としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリアミドおよびポリエステルよりなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。繊維全体が溶融して接着剤として作用する熱融着性繊維は、好ましくはこれらのうちの1種または2種以上の混合物を用いて繊維全体が形成される。繊維の一部のみが溶融して接着剤として作用する熱融着性繊維は、好ましくはこれらのうちの1種または2種以上の混合物を用いて、溶融する部分と溶融しない部分とがそれぞれ形成される。
一部のみが溶融して接着剤として作用する繊維としては、例えば、ポリプロピレン繊維(融点160℃)からなる芯部の外周をポリエチレン層(融点130℃)で被覆した芯鞘構造の複合繊維などが挙げられる。熱融着性繊維として、このように高融点の繊維の外周に低融点の熱融着性樹脂からなる被覆層を設けた芯鞘構造の複合繊維を使用する場合には、被覆層(鞘)が溶融し芯部は溶融しない温度(例えば140℃。)で熱風処理して、被覆層のみを溶融させる。このような複合繊維を用いると、熱風処理を行っても芯部は溶融せずに安定した繊維として残存する。そのため、繊維全体が溶融する熱融着性繊維を用いた場合のように、溶融した熱融着性繊維により不織布の空隙が埋まることがなく、環境汚染物質を含む液体を空隙に充分に保持できる。
熱融着性繊維の繊維長は、不織布の製造方法などにより、適宜設定できる。
粉体状の熱融着性接着剤の材質としては、熱融着性繊維の説明において例示した材質などが挙げられる。粉体状の熱融着性接着剤を用いる場合、50〜500μm程度の粒度の粒子からなる粉体が好ましく使用できる。
不織布の一般的な製造工程としては、原料繊維からウェブを形成するウェブ形成工程と、ウェブ中の原料繊維を結合させる繊維結合工程とを有する方法がある。そして、不織布の形態としては、例えばウェブ形成工程の違いに基いて、乾式不織布、湿式不織布、スパンボンド不織布などがある。これらの不織布のうち、有機多孔質材料11としては、乾式不織布が好ましい。
乾式不織布には、ウェブ形成工程としてエアレイド法が採用された不織布(エアレイド不織布)や、ウェブ形成工程としてカーディング法が採用された不織布があるが、なかでもエアレイド不織布が好ましい。エアレイド法は、空気流を利用して原料繊維を三次元的にランダムに積層させて、ウェブを形成する方法である。そのため、ウェブ形成工程としてエアレイド法を採用することにより、かさ密度が低く、繊維間の空隙が大きな不織布を製造できる。
エアレイド不織布のなかでは、ウェブ形成工程後の繊維結合工程として、熱風処理が採用された不織布が好ましい。熱風処理による繊維結合工程は、エアスルー法またはスルーエア法などとも呼ばれるサーマルボンド法の一種である。熱風処理を採用する場合には、ウェブ形成の際に、上述した熱融着性接着剤を原料繊維とともに使用する。
繊維結合工程として熱風処理を採用することにより、エアレイド法により形成された低いかさ密度、繊維間の大きな空隙を維持しつつ、原料繊維を結合させることができる。このようなエアレイド不織布は、環境汚染物質を含む汚染水を充分に吸収、保持できる。
エアレイド不織布を製造する場合、原料繊維の繊維長としては、1〜30mmが好ましく、2〜10mmがより好ましい。また、熱融着性接着剤として熱融着性繊維を使用する場合、熱融着性繊維の繊維長も、原料繊維について示した上記範囲内の繊維長が好ましい。
本明細書において繊維長は、任意に選択した50本以上の繊維をサンプルとし、これらについて電子顕微鏡観察により測定した長さの平均値である。
有機多孔質材料11としてエアレイド不織布を採用し、これに吸着材12を保持させる場合には、エアレイド法によるウェブ形成工程において、原料繊維と熱融着性接着剤と吸着材12とを混合した混合物を空気流によりランダムに積層させてエアレイドウェブを形成し、該エアレイドウェブに対して熱風処理による繊維結合工程を行えばよい。あるいは、原料繊維と吸着材12とを混合した混合物を空気流によりランダムに積層させて、エアレイドウェブを形成し、該エアレイドウェブ上に熱融着性接着剤を付与してから、これに対して熱風処理による繊維結合工程を行えばよい。
このような方法によれば、吸着材12をエアレイド不織布中に分散性よく固定でき、しかも、吸着材12の表面が熱融着性接着剤によって過度には被覆されないため、吸着材12の吸着性能が良好に維持される。
この場合、熱融着性接着剤は、エアレイド不織布中に保持される吸着材12の100質量部に対して、5〜50質量部程度が用いられることが好ましい。このような範囲であると、エアレイド不織布中の原料繊維と吸着材12とを充分に固定でき、シート形状を安定に維持できるとともに、吸着材12の脱落も防止できる。また、熱融着性接着剤によって吸着材12の表面が過度に被覆されず、吸着材12の吸着性能も良好に維持される。
[非透水性層]
非透水性層14は、透水性層13中の吸着材12により環境汚染物質が除去された処理水が、土壌Sに移行しないようにするための防水層である。
非透水性層14は、防水性を有していればよく、例えば、加硫ゴムを主成分とするようなゴムシート、熱可塑性エラストマーを主成分とするシート、織布や不織布などの繊維シートにゴムを含浸した複合シート、これらのうちの2種以上の積層物などを用いて、単層または多層で形成されるが、突刺強度に優れる点から、樹脂繊維などの繊維を含んで形成された層であることが好ましい。このような層としては、例えば、樹脂繊維が網状に分布してなるフィルムを積層して熱融着した樹脂多層フィルムを用いた層が好ましい。
このような樹脂多層フィルムは、突刺強度に優れるため、該樹脂多層フィルムからなる非透水性層14を備えた防水シート10上に、不規則な形状の破片などを含むがれきなどを仮置きした場合でも、防水シート10に穴が開いたり、破れたりしにくい。そのため、防水シートの穴や破れた箇所から、処理水が土壌へと移行することを抑制できる。また、このような強度を備え、穴、破れなどの生じにくい防水シート10であれば、防水シート10上の廃棄物Gを防水シート10ごと持ち上げて、処分場などの他の場所へ移すこともできる。また、上述の樹脂多層フィルムに対して、他の樹脂をコーティングしたり、ラミネートしたりして組み合わせた複合樹脂フィルムも非透水性層14の形成に好適である。
樹脂繊維が網状に分布してなるフィルムとしては、割繊維フィルムがある。割繊維フィルムとは、例えば特開2011−225247号公報に記載されているように、互いに平行に延びる幹繊維と、幹繊維に対して交差して延び、隣接する幹繊維同士を繋ぐ枝繊維とによって構成され、幹繊維と枝繊維の間が開口部となっているフィルムである。
このようなフィルムは、例えば、相対的に融点の高い高融点層(例えば高密度ポリエチレン層。)と、その両面に積層された相対的に融点の低い低融点層(例えば低密度ポリエチレン層。)とからなる3層構造の原反フィルムから製造できる。
具体的には、まず、多層インフレーション法あるいは多層Tダイ法などの押出成形により、上述の3層構造の原反フィルムを製造し、ついで、この原反フィルムに対して、千鳥状に多数の平行なスリットを縦方向(フィルム流れ方向)に沿って形成する。スリットは、スプリッター、熱刃などで形成できる。その後、スリットの形成された原反フィルムを縦方向に延伸し、さらにこれと直交する方向に拡幅することにより、幹繊維がほぼ縦方向に配列された割繊維フィルムが得られる。延伸倍率(配向倍率)は、1.1〜15倍が好ましく、3〜10倍であることがより好ましい。
このような割繊維フィルムを複数枚用意し、延伸方向が互いに直交するように、例えば1枚ずつ互い違いに重ね合わせて加熱し、熱融着した樹脂多層フィルムは、延伸処理された繊維が縦方向と横方向の両方向に配向しているため、突刺強度が非常に優れ、非透水性層14の形成に適している。樹脂多層フィルムにおける割繊維フィルムの積層数には特に制限はなく、防水性が得られる層数とすればよいが、防水性および突刺強度と、取扱性との兼ね合いなどから、4〜10層の範囲で積層することが好ましい。
上述のような割繊維フィルムを2枚積層したフィルムとしては、例えば、JX日鉱日石ANCI株式会社から販売されている「ワリフ(登録商標)」が挙げられる。
また、非透水性層14の厚みは、適宜設定できるが、例えば50〜1000μmが好ましい。
[透水性カバー層]
防水シートは、透水性層における非透水性層が積層していない側の面に、透水性カバー層(図示略)が積層されたものでもよい。透水性カバー層を有していると、透水性層中の吸着材が防水シート外へと脱落しにくい。
透水性カバー層としては、汚染水が浸み通ることが可能であって、強度も良好な薄手のシートが好適に用いられる。このようなシートとしては、例えばスパンボンド不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布などの不織布や、織布など、長繊維から形成されたものや、紙類や開孔を設けたフィルムなどの1種以上を使用できる。
<防水シートの製造方法>
次に、透水性層13を構成する有機多孔質材料11として、エアレイド不織布を採用した場合を例に挙げて、図1の構成の防水シート10の製造方法を具体的に説明する。
まず、通気性のあるキャリアシートを用意し、これをコンベアに装着されて走行するメッシュ状無端ベルト上に繰り出す。そして、エアレイド法のウェブフォーミング機を用いて、機械的に解繊された原料繊維と吸着材12と熱融着性接着剤との混合物をメッシュ状無端ベルト側に吸気流の作用により下降させ、キャリアシート上に落下堆積させる。これにより、キャリアシート上に、原料繊維と吸着材12と熱融着性接着剤の混合物からなるエアレイドウェブが形成される。
ついで、このエアレイドウェブをエアスルー方式により熱風処理することによって、エアレイドウェブを構成している原料繊維、吸着材12、熱融着性接着剤の混合物を嵩高状態で接着して、キャリアシートの上に透水性層13を形成する。
ついで、透水性層13において、キャリアシートが接していない側の面(上面)に、非透水性層14を形成する。
具体的には、ホットメルト接着剤などにより、非透水性層14を形成するための部材、例えば樹脂多層フィルムなどを透水性層13に積層、接着すればよい。その後、キャリアシートを取り去ることにより、図1の防水シート10が得られる。
透水性カバー層を有する防水シートを製造する場合には、キャリアシートの代わりに、透水性カバー層を形成するためのシート、例えばスパンボンド不織布などをメッシュ状無端ベルト上に繰り出す。ついで、その上にPE(ポリエチレン)粉体などからなる熱融着性接着剤を散布してから、上述のようにエアレイド法のウェブフォーミング機を用いて、エアレイドウェブを形成する。その後、上述のようにエアスルー方式で熱風処理することにより、透水性カバー層を形成するためのシート上に、透水性層を形成するとともに、その片面に透水性カバー層を接着する。そして、透水性カバー層が設けられていない側の面(上面)に、ホットメルト接着剤などを用いて、上述のとおり非透水性層を形成する。
これにより、吸着材を含む透水性層の片面に透水性カバー層が設けられ、反対側の面に非透水性層が積層した防水シートを得ることができる。
なお、防水シート10における透水性層13の端面(周端面)は、熱処理(ヒートシール加工)により封緘されていると、吸着材12の脱落をより防止でき、取扱性に優れる点で好ましい。
<防水シートの使用方法>
防水シート10は、建造物が破壊されて生じたがれきなどの廃棄物Gを屋外に仮置きする際などに、廃棄物Gと土壌Sとの間に敷かれ、廃棄物仮置き用防水シートとして好適に使用される。防水シート10は、図2に示すように、非透水性層14が下方となるように、土壌Sの上に敷かれる。そして、敷かれた防水シート10の上に、がれきなどの廃棄物Gを仮置きする。これにより、雨などの水が廃棄物Gに染み込み、廃棄物Gに由来する環境汚染物質がこの水に取り込まれた後、汚染水として廃棄物Gから流出した際には、防水シート10の透水性層13に含まれる吸着材12が、汚染水中の環境汚染物質を吸着して汚染水から除去する。そして、環境汚染物質が除去された処理水は、非透水性層14の存在により、土壌Sへは移行せずに防水シート10内に留まる。また、仮に、処理水が防水シート10の周端部から土壌Sへと移行したとしても、その処理水は、既に環境汚染物質が低減されたものであるため、土壌Sの汚染は抑制される。
なお、防水シート10は、図2に示すように、廃棄物仮置き用シートとして単独で使用されてもよいし、他の防水シートと併用されてもよい。他の防水シートと併用する場合には、図3に示すように、他の防水シートWを防水シート10の上に配置することが好ましい。これにより、防水シートWに穴が開いたり、破れたりした場合でも、その下の防水シート10の透水性層13が汚染水を吸収し、汚染水に含まれる環境汚染物質を吸着材12で吸着することができる。
また、その際、防水シート10が防水シートWの全周端部から外方に延出するように、防水シート10および防水シートWの面積、形状を設定することが好ましい。このようにすると、汚染水が防水シートW上を広がってその周端部から流れ出たとしても、防水シートWの周端部から延出している防水シート10の透水性層13が汚染水を吸収し、汚染水に含まれる環境汚染物質を吸着材12で吸着することができる。
なお、図3において、吸着材の図示は略している。
以上説明したように、本発明の防水シートは、吸着材を含む透水性層と、該透水性層の一方の面に積層した非透水性層とを少なくとも有するため、非透水性層に基く防水性を備えているうえ、透水性層により汚染水から環境汚染物質を除去できる。そのため、汚染水による土壌汚染を効果的に防止でき、例えば建造物が破壊されて生じるがれきなどの廃棄物が、処分前に屋外で仮置きされる際に廃棄物の下に敷かれる、廃棄物仮置き用防水シートなどとして好適に使用される。
10 防水シート
11 有機多孔質材料
12 吸着材
13 透水性層
14 非透水性層

Claims (2)

  1. 吸着材を含む透水性層と、該透水性層の一方の面に積層した非透水性層とを少なくとも有する防水シート。
  2. 前記非透水性層は、繊維を含んで構成されている請求項1に記載の防水シート。
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