JP5907555B2 - トランスミッションのパーキングブレーキ装置 - Google Patents

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本発明は、駆動源からの駆動力が伝達される動力伝達軸に固定されたパーキングギヤと、パーキングポールシャフトによって回動可能に支持されて前記パーキングギヤに係合可能なパーキングポールと、シフトレンジの切り替えに応じて回動するコントロールシャフトに回動可能に支持されて前記パーキングポールを前記パーキングギヤに係合する方向に押圧可能なパーキングレバーと、前記パーキングレバーを前記コントロールシャフトに対して前記パーキングポールを押圧する方向に付勢するとともに、前記パーキングレバーが前記パーキングポールから離反するにつれて弾発力が増加する弾発手段とを備えるトランスミッションのパーキングブレーキ装置に関する。
かかるトランスミッションのパーキングブレーキ装置は、下記特許文献1により公知である。
この種のパーキングブレーキ装置では、パーキングポールが回動してパーキングギヤに係合する際に、パーキングポールがパーキングギヤの歯溝にスムーズに係合せずに歯先に衝突して反係合方向に撥ねられると、パーキングポールを押圧するパーキングレバーも反係合方向に撥ねられてしまう場合がある。コントロールシャフトに回動可能に枢支されたパーキングレバーは、係合時のショックを緩衝するための弾発手段でパーキングポールに向けて付勢されているため、パーキングレバーが反係合方向に撥ねられると前記弾発手段が過度に圧縮されて損傷する可能性があるため、その回動の限界位置を規制するストッパ機構を設ける必要がある。
そこで従来のパーキングブレーキ装置は、ミッションケースの内面に突設したストッパにパーキングレバーを当接させることで、パーキングレバーの回動の限界位置を規制して弾発手段の損傷を防止する構造になっていた。
特開2008−223813号公報
しかしながら、ミッションケースの内面に突設したストッパにパーキングレバーを当接させる構造では、ミッションケースとパーキングレバーとの位置関係に制約が生じるため、パーキングブレーキ装置の設計自由度が低下する問題がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、ミッションケースにストッパを設けることなく、パーキングポールがパーキングギヤに撥ねられた際に、パーキングレバーの回動限界を規制して弾発手段の損傷を防止することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、駆動源からの駆動力が伝達される動力伝達軸に固定されたパーキングギヤと、パーキングポールシャフトによって回動可能に支持されて前記パーキングギヤに係合可能なパーキングポールと、シフトレンジの切り替えに応じて回動するコントロールシャフトに回動可能に支持されて前記パーキングポールを前記パーキングギヤに係合する方向に押圧可能なパーキングレバーと、前記パーキングレバーを前記コントロールシャフトに対して前記パーキングポールを押圧する方向に付勢するとともに、前記パーキングレバーが前記パーキングポールから離反するにつれて弾発力が増加する弾発手段とを備えるトランスミッションのパーキングブレーキ装置において、前記パーキングレバーが前記パーキングポールから離反する方向に回動するときの限界位置を、前記パーキングレバーに設けた第1ストッパと、前記コントロールシャフトに設けた第2ストッパとの当接により規制することを特徴とするトランスミッションのパーキングブレーキ装置が提案される。
尚、実施の形態のカウンタシャフト12は本発明の動力伝達軸に対応し、実施の形態の第2捩じりバネ23は本発明の弾発手段に対応する。
請求項1の構成によれば、シフトレンジをパーキングレンジに切り替えるとコントロールシャフトが回動し、コントロールシャフトに回動可能に支持されて弾発手段により付勢されたパーキングレバーがパーキングポールを押圧して動力伝達軸に固定したパーキングギヤに係合させることで、動力伝達軸を回動不能に拘束してパーキングブレーキが作動する。パーキングポールをパーキングギヤに係合させるときに、パーキングポールがパーキングギヤに弾かれて反係合方向に回動すると、パーキングポールに押圧されたパーキングレバーが弾発手段を圧縮しながら回動するが、このときパーキングレバーに設けた第1ストッパとコントロールシャフトに設けた第2ストッパとの当接により、パーキングレバーの前記回動の限界位置を規制するので、弾発手段が過度に圧縮されて損傷するのを防止することができる。仮に第2ストッパをミッションケースに設けると、ミッションケースとパーキングレバーとの位置関係に制約が生じて設計自由度が低下するが、コントロールシャフトに第2ストッパを設けたことで前記位置関係の制約が解消されて設計自由度が向上する。
自動車用トランスミッションの部分断面図。 図1の2部拡大図。 図1の3−3線断面図。 パーキングギヤ、パーキングポールおよびパーキングレバーの斜視図。 第1、第2ストッパの作用説明図。
以下、図1〜図5に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1〜図4に示すように、自動車のトランスミッションのミッションケース11の内部に回転可能に支持された動力伝達軸であるカウンタシャフト12には、外周に複数の歯溝13a…が形成されたパーキングギヤ13が固定される。ミッションケース11に固定したパーキングポールシャフト14には、パーキングポール15の基端が回動可能に枢支されており、パーキングポールシャフト14の外周に巻き付けた第1捩じりバネ16の一端をミッションケース11に係止して他端をパーキングポール15に係止することで、パーキングポール15は図2の矢印A方向、つまりパーキングギヤ13から離反する方向に付勢される。パーキングポール15の先端には、パーキングギヤ13の歯溝13a…に係合可能な係止爪15aが設けられる。
ミッションケース11に回動可能に支持されたコントロールシャフト17には、パーキングレバーホルダ18が嵌合してボルト19で固定される。一対の側板20a,20aを連結板20bで接続したパーキングレバー20は、その一対の側板20a,20aの一端がパーキングレバーホルダ18を挟むようにコントロールシャフト17の外周に嵌合することで、コントロールシャフト17に対して相対回動可能かつ軸方向移動不能に支持される。一対の側板20a,20aの他端間を接続する支軸21に押圧ローラ22が回転可能に支持されており、この押圧ローラ22はパーキングポール15の背面に形成したカム面15bに当接する。
コントロールシャフト17の外周に第2捩じりバネ23が巻き付けられており、その一端がコントロールシャフト17に圧入したピン24に係止され、その他端がパーキングレバー20の連結板20bに係止される。第2捩じりバネ23の弾発力で、パーキングレバー20は図2の矢印B方向、つまり押圧ローラ22がパーキングポール15の背面に形成したカム面15bに当接する方向に付勢される。
コントロールシャフト17には、外周面に複数の凹部25a…が形成された扇状のディテントプレート25が固定される。一方、ミッションケース11に固定したディテントアームシャフト26にディテントアーム27の一端が回動可能に支持されており、ディテントアーム27の二股状の他端に一対のベアリング28,28を介してディテントローラ29が回転可能に支持される。ディテントアーム27は、コントロールシャフト17との間に配置したコイルスプリング30でディテントアームシャフト26まわりに付勢されており、ディテントローラ29がディテントプレート25の複数の凹部25a…の何れかに係合することでコントロールシャフト17の回動位置が規制される。
パーキングレバー20の一対の側板20a,20a間を架橋するピンによって第1ストッパ31が構成される。またパーキングレバーホルダ18に前記第1ストッパ31が当接可能な第2ストッパ18aが一体に形成される。
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
運転者がセレクトレバーを操作して「P」ポジションを選択すると、図示せぬアクチュエータが作動してコントロールシャフト17が回動し、ディテントプレート25の所定の凹部25aにディテントアーム27のディテントローラ29が係合することで、コントロールシャフト17が「P」ポジションに対応する回動位置で停止する。
その結果、図5(A)に示すように、コントロールシャフト17まわりに矢印B方向に回動するパーキングレバー20の押圧ローラ22にカム面15bを押圧されたパーキングポール15が、パーキングポールシャフト14まわりに矢印A′方向に回動し、その係止爪15aがパーキングギヤ13の何れかの歯溝13aに係合することで、パーキングギヤ13が回動不能に拘束されてパーキングブレーキが作動する。
このとき、パーキングギヤ13の歯溝13aの位相がパーキングポール15の係止爪15aの位置に一致しないときは、パーキングレバー20が第2捩じりバネ23を圧縮しながらコントロールシャフト17に対して矢印B′方向に相対回転し、コントロールシャフト17の回動を許容する。そしてパーキングギヤ13の歯溝13aの位相がパーキングポール15の係止爪15aの位置に一致した瞬間に、圧縮された第2捩じりバネ23の弾発力でパーキングレバー20が矢印B方向に回動してパーキングポール15を矢印A′方向に押圧することで、パーキングポール15の係止爪15aがパーキングギヤ13の歯溝13aに係合する。
ところで、パーキングブレーキ装置を作動させるときに車両が微速で移動しているような場合に、パーキングポール15の係止爪15aが回転するパーキングギヤ13に弾かれてしまい、図5の(B)の矢印A方向に跳ね上がる可能性がある。このようにしてパーキングポール15が矢印A方向に撥ねられると、パーキングポール15のカム面15bに押圧ローラ22を押圧されたパーキングレバー20が第2捩じりバネ23を圧縮しながら矢印B′方向に撥ねられてしまい、第2捩じりバネ23が過度に圧縮されて損傷する虞がある。
しかしながら、本実施の形態によれば、パーキングレバー20が第2捩じりバネ23を圧縮しながら矢印B′方向に撥ねられると、パーキングレバー20に設けた第1ストッパ31が、コントロールシャフト17に固定したパーキングレバーホルダ18の第2ストッパ18aに当接することで(図5(B)のa点参照)、パーキングレバー20の矢印B′方向の回動の限界位置が規制される。これにより、第2捩じりバネ23が過度に圧縮されるのが防止され、第2捩じりバネ23の損傷を確実に回避することができる。
従来は、パーキングレバー20の矢印B′方向の回動の限界位置を規制するために、ミッションケース11の内面に突設したストッパにパーキングレバー20を当接させていたが、このようにするとミッションケース11とパーキングレバー20との位置関係に制約が生じて設計自由度が低下する問題があるが、本実施の形態によれば、コントロールシャフト17に固定したパーキングレバーホルダ18に第2ストッパ18aに設けたことで、上記位置関係の制約が解消されて設計自由度が向上する。しかも第1ストッパ31および第2ストッパ18aが共にパーキングレバー20の内部に収納されるので、パーキングブレーキ装置の寸法を小型化することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、本発明において「第2ストッパ(18a)をコントロールシャフト(17)に設ける」ということは、コントロールシャフト(17)と一体に回動する部材(実施の形態ではパーキングレバーホルダ18)に第2ストッパ(18a)を設けることを含むものとする。
また本発明の動力伝達軸は実施の形態のカウンタシャフト12に限定されず、駆動源からの駆動力が伝達される任意の動力伝達軸を含むものとする。
また本発明の弾発手段は実施の形態の捩じりバネ(第2捩じりバネ23)に限定されず、任意の形状のバネ等を含むものとする。
12 カウンタシャフト(動力伝達軸)
13 パーキングギヤ
14 パーキングポールシャフト
15 パーキングポール
17 コントロールシャフト
18a 第2ストッパ
20 パーキングレバー
23 第2捩じりバネ(弾発手段)
31 第1ストッパ

Claims (1)

  1. 駆動源からの駆動力が伝達される動力伝達軸(12)に固定されたパーキングギヤ(13)と、パーキングポールシャフト(14)によって回動可能に支持されて前記パーキングギヤ(13)に係合可能なパーキングポール(15)と、シフトレンジの切り替えに応じて回動するコントロールシャフト(17)に回動可能に支持されて前記パーキングポール(15)を前記パーキングギヤ(13)に係合する方向に押圧可能なパーキングレバー(20)と、前記パーキングレバー(20)を前記コントロールシャフト(17)に対して前記パーキングポール(15)を押圧する方向に付勢するとともに、前記パーキングレバー(20)が前記パーキングポール(15)から離反するにつれて弾発力が増加する弾発手段(23)とを備えるトランスミッションのパーキングブレーキ装置において、
    前記パーキングレバー(20)が前記パーキングポール(15)から離反する方向に回動するときの限界位置を、前記パーキングレバー(20)に設けた第1ストッパ(31)と、前記コントロールシャフト(17)に設けた第2ストッパ(18a)との当接により規制することを特徴とするトランスミッションのパーキングブレーキ装置。
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