JP5905625B1 - シート挟持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】防水シートの左右側縁部における上下端部をバランス良く、かつ強固に挟み込むことができるシート挟持装置を提供することを目的とする。【解決手段】防水シート21の周縁部を前後に挟み込むシート挟持装置30が、開口部2の少なくとも下から横にかけて開口部2の縁に沿って設けられたシート受け材40と、シート受け材40の前に突き合わせられるシート押え材50と、シート受け材40とシート押え材50の上端部とに跨って、これらを連結するとともにワンタッチで解除可能な連結金具65と、を備える。シート押え材50がその下端部を軸として前後に傾動可能に設けられ、シート押え材50が前に傾動することによってシート押え材50がシート受け材40から離れ、シート押え材50が後ろに傾動することによってシート押え材50がシート受け材40の前に突き合わせられる。【選択図】図1

Description

本発明は、防水シートの周縁部を前後に挟み込むシート挟持装置に関する。
従来、出入口等の開口部において雨水等を防水シートによって堰き止めて、雨水等の侵入を防止する技術が知られている。特許文献1においては、防水シートの左右両側部を、開口部の左右両側部を構成している縦枠と、これら縦枠に対向する押さえ柱とによって挟み込んで、防水シートによる雨水等の堰き止めを行っている。
特開2014−231720号公報
ところで、押さえ柱には、縦枠側に突出する突条が形成され、縦枠には、突条に対応する位置に凹溝が形成されるとともにシール材が埋設されている。さらに、押さえ柱は、下端部が、床下収納箱に形成された押さえ柱嵌入孔に嵌入組込され、上端部が、その左右外側面に設けられた引き寄せ金具を介して縦枠側に引き寄せ固定されている。これによって、縦枠と押さえ柱との間に防水シートの左右両端縁部を水密に挟み込むことができる。
ところが、押さえ柱の下端部は、押さえ柱嵌入孔に嵌入される構成であるため、上端部が引き寄せ金具で引き寄せられたとしても、これと同時に引き寄せられるものではない。そのため、押さえ柱の上端部側と下端部側とで防水シートの挟み込み強度がアンバランスになってしまう場合があった。
本発明の課題は、防水シートの左右側縁部における上下端部をバランス良く、かつ強固に挟み込むことができるシート挟持装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図12に示すように、防水シート21の周縁部を前後に挟み込むシート挟持装置30において、
建造物1の開口部2の少なくとも下縁部の一部から側縁部の一部にかけて前記開口部2の縁に沿って設けられたシート受け材40と、
前記開口部2の少なくとも下縁部の一部から側縁部の一部にかけて前記開口部2の縁に沿って設けられ、前記シート受け材40の前に突き合わせられるシート押え材50と、
前記シート受け材40と前記シート押え材50の上端部とに跨って、これらを連結するとともにワンタッチで解除可能な連結金具65と、を備え、
前記シート押え材50がその下端部を軸として前後に傾動可能に設けられ、
前記シート押え材50が前に傾動することによって前記シート押え材50が前記シート受け材40から離れ、前記シート押え材50が後ろに傾動することによって前記シート押え材50が前記シート受け材40の前に突き合わせられることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、シート受け材40およびシート押え材50が開口部2の下縁部の一部から側縁部の一部にかけてその開口部2の縁に沿って設けられているので、防水シート21を張って防水シート21の周縁部をシート受け材40の前に配置した状態で、シート押え材50をシート受け材40の前に突き合わせてシート押え材50をシート受け材40に押し当てることによって、防水シート21の下縁部および側縁部をいっぺんにシート押え材50とシート受け材40の間に挟み込むことができる。面状の防水シート21の下縁部と側縁部をその面に垂直な方向に押さえるので、防水シート21によって早く確実に止水面を形成することができる。
また、シート押え材50は、その下端部を軸として前後に傾動するものであり、そのシート押え材50の上端部を連結金具65によってシート受け材40と連結できるので、下端部を支点とした梃子の原理により、防水シート21を、シート押え材50とシート受け材40の間に強固に挟み込むことができる。また、シート押え材50の上下端部のそれぞれがシート受け材40に連結された状態となるので、防水シート21の左右側縁部における上下端部をバランス良く挟み込むことができる。
請求項2に記載の発明は、例えば図1〜図8に示すように、請求項1に記載のシート挟持装置30において、
前記防水シート21は、左右両端部が前記シート受け材40と前記シート押え材50とによって挟み込まれて保持される支持竿22に対して吊り下げられていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、防水シート21は、左右両端部がシート受け材40とシート押え材50とによって挟み込まれて保持される支持竿22に対して吊り下げられているので、支持竿22をシート受け材40とシート押え材50とによって挟み込んで保持することで、防水シート21を、シート受け材40とシート押え材50によって保持できる。
また、このように支持竿22の左右両端部をシート受け材40とシート押え材50とによって挟み込んで保持すれば、当該支持竿22の左右両側部が、シート受け材40およびシート押え材50の上端面に露出しない状態となる。したがって、連結金具65を、例えばシート受け材40の上端面とシート押え材50の上端面とに跨って設けたい場合に好適である。
請求項3に記載の発明は、例えば図3,図5,図7〜図9に示すように、請求項2に記載のシート挟持装置30において、
前記シート受け材40と前記シート押え材50のうちいずれか一方には、他方に向かって突出する引掛部81,82が設けられており、
前記支持竿22は、前記引掛部81,82に引っ掛けられる留め具23,24を備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、支持竿22を留め具23,24によって引掛部81,82に引っ掛けることができる。これによって、防水シート21の装着時に防水シート21を、シート受け材40またはシート押え材50のいずれか一方に保持させておくことができるので、装着させやすい。
請求項4に記載の発明は、例えば図1〜図9,図12に示すように、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシート挟持装置30において、
前記連結金具65は、前記シート受け材40の上端面と前記シート押え材50の上端面とに跨っていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、シート押え材50の上端部側面に連結金具65を設けられない場合に好適である。また、シート受け材50の上端面およびシート押え材50の上端面が連結金具65の操作位置となるので、上側から操作しやすい。
請求項5に記載の発明は、例えば図10,図11に示すように、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシート挟持装置30において、
前記連結金具65は、前記シート受け材40の外側面と前記シート押え材50の外側面とに跨っていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、シート受け材40およびシート押え材50の上端面に連結金具65を設けられない場合に好適である。
請求項6に記載の発明は、例えば図10,図11に示すように、請求項5に記載のシート挟持装置30において、
前記シート受け材40は、前記シート押え材50よりも高く設定され、
前記シート受け材40の前側には、当該シート受け材40の前面よりも後面側に凹んで前記シート押え材50を収容する収容凹部47が形成され、
前記シート押え材50が前記収容凹部47の前に突き合わせられた状態において、前記シート押え材50の前面と、前記シート受け材40の前面とが面一となっていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、シート押え材50が収容凹部47の前に突き合わせられた状態において、シート押え材50の前面と、シート受け材40の前面とが面一となっているので、シート押え材50とシート受け材40とを一体的に見せることができ、見映えが良い。
本発明によれば、防水シートの左右側縁部における上下端部をバランス良く、かつ強固に挟み込むことができる。
組み立てられた防水装置の斜視図である。 同防水装置に備わるシート挟持装置の斜視図である。 同防水装置に備わる防水面材の正面図である。 同防水装置の水平断面図である。 同防水装置の鉛直断面図である。 同防水装置の組立の一工程を示した斜視図である。 同防水装置の組立の一工程を示した斜視図である。 同防水装置の組立の一工程を示した斜視図である。 連結金具による連結の状態を示す斜視図である。 変形例1に係るシート挟持装置の斜視図である。 連結金具による連結の状態を示す斜視図である。 変形例4に係るシート挟持装置の設置状態を示す斜視図である。
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されている。そのため、本発明の技術的範囲を以下の実施形態および図示例に限定するものではない。
図1は、建造物1の開口部2に設けられた防水装置10を示した斜視図である。図2は、この防水装置10のシート挟持装置30の斜視図である。図3は、この防水装置10の防水面材20の正面図である。図4は、防水装置10の水平断面図である。図5は、防水装置10の中心線に沿った鉛直面の断面図である。図6〜図8は、防水装置10の組立工程図である。
建造物1は、例えば建物(例えば、住宅、集合住宅、ビルディング、駅舎その他の建築物)の躯体(特に外壁であり、より具体的には一階または地階の外壁)、塀、門柱、通路の側壁、地下出入口構造物等である。ここで、地下出入口構造物とは、地下施設(例えば、地下鉄の駅構内、地下通路、地下街、地下室、地下駐車場等)から地上への階段または通路における地上の出入口を囲う構造物をいう。
開口部2の縁に沿った面が鉛直となっており、開口部2が底面5およびその左右の側部3,4によって囲われている。開口部2の上側が開放されているか、開口部2の上側が上部によって囲われている。開口部2の側部3,4は例えば外壁または垂直材(例えば、支柱、門柱、柱、縦枠)である。
この開口部2には、開口部2を開閉する開閉体(例えば扉、門扉、開き戸、引違い戸、引き戸、折り戸、はね上げ門扉、鎧戸(シャッター)、自動ドア、引違い窓、掃き出し窓、地窓)が設けられていてもよいし、そのような開閉体が設けられていなくてもよい。
なお、開閉体が開き戸である場合、開閉材が防水シート21よりも室内側に位置するので、浸水時でも開閉材を開閉できるように、開閉材が内開き戸であることが好ましい。
防水装置10は、防水面材20と、防水面材20を張った状態で、かつ、その防水面材20を立てた状態に固定するシート挟持装置30と、防水面材20の中央部を吊った状態で支持する間柱90と、を備える。
なお、開口部2の左右長が短い場合には、間柱90が省略されてもよい。開口部2の左右長が長い場合、間柱90の数が複数であり、これら間柱90が間隔をおいて左右に配列されてもよい。
図1に示すように、豪雨等の非常時において、防水面材20および間柱90がシート挟持装置30に組み付けられて、その防水面材20がシート挟持装置30によって固定され、開口部2の下部が防水面材20によって塞がれる。
なお、防水面材20、シート挟持装置30および間柱90の上下長を開口部2の側部3,4の上下長以上として、開口部2の全体が防水面材20によって塞がれてもよい。
図2に示すように、浸水の虞のない通常時において、防水面材20および間柱90がシート挟持装置30から取り外される。そして、その防水面材20および間柱90は所定の場所(例えば、開口部2の近くの保管庫)に保管される。
図3に示すように、防水面材20は、防水シート21、支持竿22、留め具23,24,28、膨出部29、目印26および複数の摘み部27,27…を備える。
支持竿22はステンレス製の丸棒である。
防水シート21は長方形状または正方形状に形作られている。防水シート21が遮水性を有し、水が防水シート21を通過しない。防水シート21が可撓性を有し、防水シート21を丸めたり、曲げたり、折り畳んだりすることができる。
防水シート21の上の縁部が折り返されて接合(例えば、折り返し縫い)されることによって、その縁部が筒状に設けられている。そして、支持竿22がその筒状部分に挿入され、支持竿22の両端部がその筒状部分の両端から突き出ており、留め具23,24が支持竿22の両端部の周面に設けられている。また、その筒状部分の中央部が切り欠かれており、支持竿22の中央部がその切り欠かれた部位で露出し、留め具28がその支持竿22の中央部に設けられている。
留め具23,24はそれぞれ支持竿22の左端および右端の周面から径方向に延出した板状の片であり、留め具23,24には通し孔23a,24aがそれぞれ形成されている。留め具23,24は支持竿22に固定されている。
留め具28が板状の片であり、留め具28の端部に筒状部28bが設けられ、支持竿22がその筒状部28bに挿入されている。そのため、留め具28のラジアル荷重が支持竿22に支持され、支持竿22に対する留め具28の周方向の動きおよび軸方向の動きは自由となっている。留め具28には、引掛穴28aが形成されている。なお、留め具28の数は間柱90の数に等しく、間柱90を省略した場合には留め具28が設けられていない。
防水シート21の左縁、下縁および右縁には、防水シート21の厚み方向に膨出した膨出部29が形成されている。この膨出部29は、防水シート21の左上の角部から左縁、下縁および右縁を経由して防水シート21の右上の角部までこれら左縁、下縁および右縁に沿って一繋がりに延びているとともに、防水シート21に対して正対して見るとU字型(コ字型)に形作られている。膨出部29が防水シート21の厚み方向に膨出するので、膨出部29が防水シート21の他の部位よりも厚く設けられている。
ここで、膨出部29のうち防水シート21の左の縁部に沿った部位29aを左膨出部29aといい、右の縁部に沿った部位29bを右膨出部29bといい、下の縁部に沿った部位29cを下膨出部29cという。
膨出部29には、芯材(例えば、可撓性の樹脂製芯材または可撓性の金属ワイヤー)が埋め込まれていることが好ましい。
膨出部29は例えば次のようにして作成される。
すなわち、防水シート21の左縁部、下縁部および右縁部によって芯材(例えば、直径3〜4mm)を巻くようにして防水シート21の左縁部、下縁部および右縁部を折り返し、その折り返し部の重なり合った部分を接合する。
摘み部27,27…は防水シート21の左右の縁に設けられている。摘み部27,27…は例えば可撓性の樹脂片、ワイヤー、紐、ゴム片またはタグ等である。
目印26は防水シート21の表面に印刷されたものである。この目印26は、防水シート21の左右および下の縁よりも内側において防水シート21の周縁と平行になった線である。目印26と防水シート21の周縁との間の間隔は後述の突条71と突条72の間隔よりもやや広い。
図2,図4,図5および図7等に示すように、シート挟持装置30はシート受け材40、シート押え材50、ヒンジ60、連結金具65、突条71,72,73および引掛部81,82を備える。
シート受け材40は、U字型に一繋がりに設けられたステンレス製角パイプである。
具体的には、シート受け材40が左右の縦受け部41,42および横受け部43を有し、縦受け部41,42が互いに平行となって上下に延び、横受け部43が左右に延び、縦受け部41,42の下端が横受け部43の左端と右端にそれぞれ連結されている。
したがって、縦受け部41と横受け部43がこれらの間に直角な角部45を形成し、縦受け部42と横受け部43がこれらの間に直角な角部46を形成する。
シート受け材40が開口部2の縁に沿って設けられている。
縦受け部41が開口部2の左縁に沿って設けられ、縦受け部42が開口部2の右縁に沿って設けられ、横受け部43が開口部2の下縁に沿って設けられている。
具体的には、縦受け部41,42が側部3,4の屋外側の面にそれぞれ取り付けられ、その縦受け部41,42が開口部2の左右の縁にそれぞれ沿っている。
横受け部43については、開口部2の底面5の屋外側の箇所に凹部6が形成され、その底面5と凹部6の底7とを結ぶ立壁面8が側部3,4の屋外側の面と面一になっており、横受け部43が凹部6に納まった状態でその立壁面8に取り付けられ、その横受け部43が開口部2の下縁に沿っている。
なお、凹部6の底7には、一または複数の水抜き穴が設けられている。
シート押え材50は、U字型に一繋がりに設けられたステンレス製角パイプである。
シート押え材50が左右の縦押え部51,52および横押え部53を有し、縦押え部51,52が互いに平行となって上下に延び、横押え部53が左右に延び、縦押え部51,52の下端が横押え部53の左端と右端にそれぞれ連結されている。
したがって、縦押え部51と横押え部53がこれらの間に直角な角部55を形成し、縦押え部52と横押え部53がこれらの間に直角な角部56を形成する。
シート押え材50の後面がシート受け材40の前面に突き合わせられ、連結金具65によってシート押え材50がシート受け材40に連結されて固定されている。
具体的には、縦押え部51,52の後面が縦受け部41,42の前面にそれぞれ突き合わせられ、横押え部53の後面が横受け部43の前面に突き合わせられ、縦押え部51,52の上端面と縦受け部41,42の上端面とに跨って設けられた連結金具65によって連結されている。
ここで、連結金具65は、いわゆるトグルラッチやパッチン錠等と呼称される引き寄せ金具が用いられている。すなわち、図9等に示すように、シート受け材40とシート押え材50のうち何れか一方に操作部66が固定され、他方にフック部67が固定され、操作部66に取り付けられた係合部68をフック部67に引っ掛けた状態で操作部66を矢印方向に操作することで連結できる。また、操作部66を、矢印とは反対の方向に立て起こし操作することで連結を仮に解除できる。さらに、係合部68をフック部67から外すことによって、連結状態を完全に解除でき、防水シート21を取り外すことができる。
より詳細に説明すると、連結金具65は、図9に示すように、操作部66と、フック部67と、係合部68と、引き寄せ強度を調整する強度調整機構と、を備える。
操作部66は、シート受け材40またはシート押え材50に固定される固定部66aと、この固定部66aに対して回転軸66cを介して取り付けられる操作用摘み66bと、係合部68が回転自在となるように取り付けられる雌ネジである受け部66dと、を有する。操作用摘み66bは、回転軸66cの軸回りに回転する。
フック部67は、端部が係合部68の係合に対応してフック状に形成されており、シート押え材50またはシート受け材40に固定されている。
係合部68は、フック部67に引っ掛けられるリング部68aと、操作部66に対して回転自在に取り付けられる雄ネジである軸部68bと、を有する。
強度調整機構は、雄ネジである軸部68bと、雌ネジである受け部66dと、によって構成されており、軸部68bを受け部66dに対して深く捩じ込めば引き寄せ強度が高くなり、浅く捩じ込めば引き寄せ強度が低くなる。
なお、連結金具65としては、以上のような引き寄せ金具を用いたが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、ワンタッチで取り外し・取り付け可能な連結具( 例えば、クリップ、爪、フック、鋲、ゴム、バネ)でもよい。
連結金具65による連結は解除可能である。連結金具65の連結が解除されると、シート押え材50がシート受け材40に対して接離可能となる。具体的には、シート押え材50がその下端を回転軸として前後に傾動可能に設けられ、シート押え材50が傾動動作によってシート受け材40に対して前後に接離する。つまり、シート押え材50が前に(屋外側へ)倒伏すると、シート押え材50がシート受け材40から離れ、シート押え材50が後ろに(室内側へ)起立すると、シート押え材50がシート受け材40に突き合わせられる。ここで、シート押え材50の横押え部53がヒンジ60によって凹部6の底7に連結され、そのヒンジ60の軸が左右に延在する。
シート押え材50の可動範囲が0°を超え、90°以下に制限されることが好ましい。例えば、シート押え材50がシート受け材40に突き当てられた状態から最も前に倒れた状態までの回転角が所定角度(例えば、45°)に制限される。その所定角度が小さいほど、シート押え材50を倒伏・起立させる際のシート押え材50の移動距離を短くすることができる。ただし、その所定角度は、シート押え材50が最も前に倒れた状態において、防水シート21の下縁部を横受け部43と横押え部53との間に挿入できる程度の角度とする。
シート押え材50の可動範囲は例えば次の(a)〜(c)のようにして制限される。
(a) 立壁面8の反対側の立壁面9(図5参照)がストッパとして機能する。つまり、シート押え材50が最も前に倒れた状態では、シート押え材50が立壁面9の上端に当接して、シート押え材50の荷重が立壁面9の上端に受けられる。
(b) ヒンジ60によってシート押え材50の可動範囲が制限される。つまり、ヒンジ60の開閉角が定まっており、シート押え材50が最も前に倒れた状態ではヒンジ60がそれ以上動かず、シート押え材50の荷重がヒンジ60に受けられて、ヒンジ60がストッパとして機能する。
(c) 可撓性線材(例えば、紐、ワイヤー、チェーン)がシート押え材50とシート受け材40(または側部3,4)との間に連結され、シート押え材50が最も前に倒れた状態では可撓性線材が張ることによって、シート押え材50がそれ以上前に倒れない。
シート押え材50の一対の縦押え部51,52のそれぞれには、防水面材20の支持竿22および留め具23,24の高さ位置に、当該支持竿22および留め具23,24が挿入される切欠部61が形成されている。
なお、本実施の形態においては、これら切欠部61はシート押え材50に形成されるものとしたが、これに限られるものではなく、シート受け材40に形成されてもよいし、シート受け材40とシート押え材50の双方に形成されてもよい。
シート受け材40の前面には、突条71,72が突出した状態に設けられている。突条71がシート受け材40の前面の内縁に沿ってU字型に形作られている。突条72が、突条71からシート受け材40の前面の外縁側へ離れて、突条72と平行となるようにU字型に形作られている。
突条71,72は、U字型に曲げられたステンレス製の硬質な丸棒をシート受け材40の前面に溶接することによって得られたものである。そのため、突条71,72の頂面がシリンドリカル凸面状に形成されている。
ここで、突条71,72のうち縦受け部41の前面において縦方向に延びた部位71a,72aを縦突条71a,72aといい、縦受け部42の前面において縦方向に延びた部位71b,72bを縦突条71b,72bといい、横受け部43の前面において横方向に延びた部位71c,72cを横突条71c,72cという。
シート押え材50の後面には、突条73が突出した状態に設けられている。突条73がシート押え材50のU字型に沿って設けられている。
突条73は、U字型に曲げられたステンレス製の硬質な丸棒をシート押え材50の後面に溶接することによって得られたものである。突条73の頂面がシリンドリカル凸面状に形成されている。
ここで、突条73のうち縦押え部51の後面において縦方向に延びた部位73aを縦突条73aといい、縦押え部52の後面において縦方向に延びた部位73bを縦突条73bといい、横押え部53の後面において横方向に延びた部位73cを横突条73cという。
突条73の幅が突条71から突条72までの間隔に等しい。そして、シート押え材50の後面がシート受け材40の前面に突き合わせられた場合に、前から向かって投影視して、突条73が突条71と突条72の間の隙間に重なっている。突条73が突条71と突条72の間の隙間に嵌まって、突条73が突条71,72に櫛歯状に噛み合う。したがって、突条73が突条71の外縁側に隣接し、突条72が突条73の外縁側に隣接する。
突条71〜73がステンレス鋼のように硬質な材料からなるので、突条71〜73の経年劣化を抑えることができる。
なお、2本の突条71,72がシート受け材40の後面に設けられているが、シート受け材40の前面に設けられる突条の数は3本以上でもよいし、1本でもよい。シート押え材50の後面に設けられる突条の数は2本以上でもよい。また、突条71〜73がゴム弾性体からなるものでもよい。
引掛部81が縦受け部41の前面の上部に突出した状態に設けられ、引掛部82が縦受け部42の前面の上部に突出した状態に設けられている。縦押え部51,52の後面の上部には穴が形成されており、シート押え材50の後面がシート受け材40の前面に突き合わせられた場合、引掛部81,82がその穴に挿入される。
なお、引掛部81,82は、縦受け部41,42に設けられるものとしたが、これに限られるものではなく、縦押え部51,52に設けられるものとしてもよい。
シート受け材40の横受け部43の上面には、間柱90の下端を支持するとともに間柱90を立てた状態に保持する支持部(例えば、挿入穴)43zが設けられている(図6参照)。間柱90の下端がこの支持部43zに対して着脱可能である。
必要に応じて、横桟材を取り付け可能なように、横桟材支持用の支持部が横受け部41,42および間柱90に設けられてもよい。
図5に示すように、間柱90の上端面には、係合凸部91が設けられている。係合凸部91の周面の上端には、径方向外方に突出したフランジ92が設けられている。間柱90の後面の上端には、前へ突出して上へ湾曲した板状のフック93が設けられている。
続いて、防水装置10の使用方法について説明する。
(A)通常時における防水装置10の状態
図2に示すように、間柱90がシート受け材40の横受け部43から外されているとともに、防水面材20がシート挟持装置30から外されている。防水面材20の防水シート21が支持竿22に巻かれており、その状態で防水面材20が開口部2の近くの保管庫等に保管されている。
シート押え材50が起立した状態にある。そして、シート押え材50の後面がシート受け材40の前面に突き合わせられ、連結金具65によってシート押え材50がシート受け材40に連結されている。突条73が突条71と突条72の間の隙間に嵌まっている。
凹部6の上に板状の蓋99が被せられ、凹部6が蓋99によって閉塞されている。
(B)非常時における防水面材20の設置方法
防水面材20および間柱90を準備する。
次に、図6に示すように、蓋99を外して、凹部6を露出させる。
次に、連結金具65を外して、連結金具65によるシート受け材40とシート押え材50の連結を解除する。
次に、図7に示すように、シート押え材50を前に傾動させて、シート押え材50を倒伏させる。こうすることによって、シート押え材50の後面をシート受け材40の前面から離すとともに、突条71と突条72の間の隙間から突条73を外す。また、間柱90の下端を支持部43zに装着して、支持部43zによって間柱90を立てた状態に保持する。必要に応じて、一または複数の横桟材を縦受け部41と縦受け部42との間に架け渡したり、一または複数の横桟材を縦受け部41と間柱90との間に架け渡したり、一または複数の横桟材を縦受け部42と間柱90との間に架け渡したりする。
次に、図8に示すように、留め具23,24の通し孔23a,24aに引掛部81,82をそれぞれ挿入して、留め具23,24を引掛部81,82にそれぞれ引っ掛ける。これにより、支持竿22を縦受け部41の上部と縦受け部42の上部との間に架け渡すことができ、例えば間柱90が無くても、防水面材20をシート受け材40に仮取り付けした状態とすることができる。
また、留め具28の引掛穴28aにフランジ92および係合凸部91に通して、留め具28を間柱90の上端面に載置するとともに、留め具28の筒状部28bをフック93の上に引っ掛ける。こうすると、支持竿22の中央部が間柱90に支持され、支持竿22の自重による撓みを抑えることができる。
また、防水シート21をシート受け材40の前に垂らして、防水シート21を支持竿22から吊り下げた状態にする。
そして、防水シート21の下縁部を下に引っ張り、更に摘み部27,27…を摘んで防水シート21を左右に引っ張り、突条71,72の縦突条71a,72aの前に防水シート21の左縁部を被せ、縦突条71b,72bを前に防水シート21の右縁部を被せ、横突条71c,72cの前に防水シート21の下縁部を被せる。
防水シート21を張って目印26を突条71に近づかせることによって、膨出部29の位置が突条72よりも外側になる。こうして、膨出部29を突条72から外側へはみ出た状態にして、左膨出部29aを縦突条72aの左側に配置し、右膨出部29bを縦突条72bの右側に配置し、下膨出部29cを横突条72cの下側に配置する。
防水シート21を張った状態で摘み部27,27…を縦受け部41,42または側部3,4に固定することによって、防水シート21を張った状態に保てるため、摘み部27,27…固定用の部材を縦受け部41,42または側部3,4に設けることが好ましい。
次に、シート押え材50を後ろに傾動させて、シート押え材50を立てる。こうすることによって、シート押え材50の後面とシート受け材40の前面との間に防水シート21の周縁部を挟み込んで、シート押え材50の後面をシート受け材40の前面に突き合わせる。この時、支持竿22の左右両端部は、シート押え材50の縦押え部51,52に形成された切欠部61に嵌まった状態となっており、支持竿22は、シート受け材40とシート押え材50とによって挟み込まれて保持された状態となる。防水シート21は、このような支持竿22に吊り下げられた状態である。
また、シート押え材50の後面とシート受け材40の前面の突き合わせによって突条71と突条72の間の隙間に突条73を嵌めて、防水シート21の周縁部がこれら突条71〜73の隙間を縫うようにして突条71〜73の噛み合いに巻き込まれる。
また、留め具23が縦受け部41の上端部と縦押え部51の上端部との間に挟まれ、留め具24が縦受け部42の上端部と縦押え部52の上端部との間に挟まれる。
次に、図1に示すように、連結金具65によってシート押え材50をシート受け材40に連結して、防水装置10の組立が完了する。
このような連結によって、防水シート21の周縁部を挟み込む荷重が増大し、防水シート21の周縁部がシート押え材50の後面とシート受け材40の前面との間から抜け難くなる。また、シート押え材50は、その下端部を軸(ヒンジ60)として前後に傾動するものであり、そのシート押え材50の上端部を連結金具65によってシート受け材40と連結できるので、連結金具60とヒンジ60のある箇所(シート押え材50の下端部)とが上下方向において対極の位置関係にあり、下端部を支点とした梃子の原理により、防水シート21を、シート押え材50とシート受け材40の間に強固に挟み込むことができる。
(C)非常時から通常時に復帰したときにおける防水装置10の解体方法
連結金具65を外して、連結金具65によるシート受け材40とシート押え材50の連結を解除する。
次に、シート押え材50を前に傾動させて、シート押え材50を倒伏させる。
次に、留め具23,24を引掛部81,82から外し、留め具28を係合凸部91から外し、支持竿22を間柱90および縦受け部41,42から離す。そして、防水シート21を支持竿22に巻回することで棒状にする。また、横桟材を縦受け部41,42および間柱90から外すとともに、間柱90を横受け部43から外す。
次に、シート押え材50を後ろに傾動させて、シート押え材50の後面をシート受け材40の前面に突き合わせる。そして、連結金具65によってシート押え材50をシート受け材40に連結する。
次に、凹部6の上に蓋99を被せて、凹部6を蓋99によって塞ぐ。
以上の防水装置10は次のような効果をもたらす。
(1) 防水面材20の防水シート21をシート挟持装置30に対して取り付け・取り外し可能であるので、非常時には防水シート21によって開口部2の下部を塞いで、防水することができる。通常時には防水シート21の取り外しによって開口部2を開いて、開口部2の通行、通気または採光等を行うことができる。
(2) 防水装置10の組立が完了した状態で開口部2の屋外側が浸水すると、その水が防水シート21によって堰き止められ、その水が開口部2を通じて侵入することが防止される。浸水量が増えると、その水圧も増加し、防水シート21の張力も増加する。
間柱90若しくは横桟材またはこれらの両方によって水圧が受けられ、防水シート21が開口部2の屋内側へ膨張することを抑えることができる。防水シート21の上縁部が支持竿22によって支えられているため、防水シート21の上縁部が水圧によって下に引かれる引張りに対して抗し得る。
(3) 防水シート21の周縁部がこれら突条71〜73の隙間を縫うようにして突条71〜73の噛み合いに巻き込まれているので、防水シート21の周縁部の滑りを防止することができる。よって、防水シート21に作用する水圧が大きくなっても、防水シート21の周縁部がシート受け材40とシート押え材50との間から抜け難い。特に、防水シート21の左右および下の縁部に形成された膨出部29が突条72に引っ掛かって、防水シート21の周縁部がシート受け材40とシート押え材50との間から抜け難い。
(4) 縦受け部41,42が横受け部43の端から上へ続いており、縦押え部51,52が横押え部53の端から上へ続いているため、防水シート21の左下および右下の角部を挟み込むことによって、防水シート21の左下および右下の角部の止水を簡単に実現することができる。特に、突条71,72,73も角部において途切れていないので、防水シート21の左下および右下の角部の止水を簡単に実現することができる。
(5) 防水面材20をシート挟持装置30から取り外すことによって、防水面材20の保管場所の制約がなくなる。仮に防水面材20を凹部6内にしか保管できないものとしたら、土砂や雨水等が凹部6内に侵入して、防水面材20が汚れてしまう。しかし、この防水面材20の保管場所の制約がないので、防水面材20の汚れを抑えることができる。
(6) 防水装置10の組立作業が簡単である。特に、防水シート21の周縁部の止水する作業が簡単である。
つまり、シート押え材50の後面をシート受け材40の前面に突き合わせることによって防水シート21の左縁部、下縁部および右縁部をこれら部材40,50の間に挟み込み、シート押え材50をシート受け材40に連結するという簡単な作業で、防水シート21の左縁部、下縁部および右縁部を一度に止水することができる。
その上、シート押え材50がその下端を軸として前後に傾動可能に設けられているため、シート押え材50を起こし上げるという簡単な作業で、シート押え材50の後面をシート受け材40の前面に簡単に突き合わせることができる。また、シート押え材50をシート受け材40に突き合わせる時に、これら部材40,50の位置ずれも起きず、突条73を突条71と突条72の間の隙間に簡単に嵌め込むことができる。
換言すれば、シート受け材40およびシート押え材50が開口部2の下縁部の一部から側縁部の一部にかけてその開口部2の縁に沿って設けられているので、防水シート21を張って防水シート21の周縁部をシート受け材40の前に配置した状態で、シート押え材50をシート受け材40の前に突き合わせてシート押え材50をシート受け材40に押し当てることによって、防水シート21の下縁部および側縁部をいっぺんにシート押え材50とシート受け材40の間に挟み込むことができる。面状の防水シート21の下縁部と側縁部をその面に垂直な方向に押さえるので、防水シート21によって早く確実に止水面を形成することができる。
(7) 突条71〜73の頂面がシリンドリカル凸面状に形成されているので、防水シート21の周縁部がこれら突条71〜73の隙間を縫うようにして突条71〜73の噛み合いに巻き込まれても、防水シート21の周縁部の損傷を抑えることができる。
(8) シート押え材50は、その下端部を軸として前後に傾動するものであり、そのシート押え材50の上端部を連結金具65によってシート受け材40と連結できるので、下端部を支点とした梃子の原理により、防水シート21を、シート押え材50とシート受け材40の間に強固に挟み込むことができる。また、シート押え材50の上下端部のそれぞれがシート受け材40に連結された状態となるので、防水シート21の左右側縁部における上下端部をバランス良く挟み込むことができる。
(9) 連結金具65が、シート受け材40の上端面とシート押え材50の上端面とに跨っているため、シート押え材50の上端部側面に連結金具65を設けられない場合に好適である。また、シート受け材40の上端面およびシート押え材50の上端面が連結金具65の操作位置となるので、上側から操作しやすい。
(10) 縦受け部41,42、引掛部81,82、支持竿22および留め具23,24を利用して、防水シート21を支持竿22から吊り下げて、防水シート21を広げることができる(図8参照)。防水シート21が吊り下げられているため、防水シート21を広げた状態を保つことができ、防水シート21の左縁部、下縁部および右縁部をシート押え材50とシート受け材40の間に挟み込む作業を簡単に行える。
支持竿22を留め具23,24によって引掛部81,82に引っ掛けることができる。これによって、防水シート21の装着時に防水シート21を、シート受け材40またはシート押え材50のいずれか一方に保持させておくことができるので、装着させやすい。
さらに、防水シート21は、左右両端部がシート受け材40とシート押え材50とによって挟み込まれて保持される支持竿22に対して吊り下げられているので、支持竿22をシート受け材40とシート押え材50とによって挟み込んで保持することで、防水シート21を、シート受け材40とシート押え材50によって保持できる。
また、このように支持竿22の左右両端部をシート受け材40とシート押え材50とによって挟み込んで保持すれば、当該支持竿22の左右両側部が、シート受け材40およびシート押え材50の上端面に露出しない状態となる。したがって、連結金具65を、例えばシート受け材40の上端面とシート押え材50の上端面とに跨って設けたい場合に好適である。
(11) 防水シート21が支持竿22に予め取り付けられているため、防水装置10の組立作業が簡単である。
(12) 防水シート21の保管および運搬の際には、支持竿22を利用することができる。つまり、防水シート21を支持竿22の回りに巻くことによって、防水シート21をコンパクトな棒状にする作業も簡単に行えるとともに、支持竿22を持って防水シート21を持ち運ぶことができる。また、防水シート21が重かったり、大きなサイズであったりする場合には、防水シート21を複数人で持ち運ぶ際にも支持竿22を利用することができ、都合が良い。
(13) シート押え材50がヒンジ60によって凹部6の底7に連結されているため、シート押え材50の盗難等を防止することができる。
〔変形例〕
上記実施形態の変形例について説明する。変形例については、上述のように構成された防水装置10から変更した点の説明をする。変更点以外は上述の防水装置10の構成と同様であるので、変更点以外の説明を省略する。また、次の各変形例に挙げる変更箇所を可能な限り組み合わせて適用してもよい。
〔変形例1〕
図10に示すように、シート受け材40が、シート押え材50よりも高く設定されている。すなわち、シート押え材50の高さが、シート受け材40の高さよりも高い。
そして、シート受け材40の前側には、シート受け材40の前面よりも後面側に凹んでシート押え材50を収容する収容凹部47が形成されている。より具体的には、シート受け材40の縦受け部41,42のそれぞれに収容凹部47が形成されている。収容凹部47が形成されていない箇所における縦受け部41,42の前後方向の厚みは、上述の実施形態で説明した縦受け部41,42よりも厚く設定されている。収容凹部47自体の高さが、シート押え材50の高さよりも若干高く設定されている。
また、シート押え材50が収容凹部47の前に突き合わせられた状態において、シート押え材50の前面と、シート受け材40の前面とが面一となっている。これによって、シート押え材50とシート受け材40とを一体的に、あたかも柱のように見せることができるので、見映えが良い。
連結金具65は、図11に示すように、シート受け材40の外側面とシート押え材50の外側面とに跨っている。より具体的には、連結金具65が縦受け部41の外側面と縦押え部51の上端部における外側面に跨って設けられ、連結金具65が縦受け部42の外側面と縦押え部52の上端部における外側面とに跨って設けられている。
連結金具65が、シート受け材40の外側面とシート押え材50の外側面とに跨って設けられていれば、本変形例1のように、シート受け材40およびシート押え材50の上端面に連結金具65を設けられない場合に好適である。
〔変形例2〕
本変形例2では、図示はしないが、複数の連結金具65が、縦受け部41(42)と縦押え部51(52)の上端部に跨って設けられている。
この場合、複数の連結金具65は、縦受け部41(42)の上端面と縦押え部51(52)の上端面とに跨って設けられてもよいし、縦受け部41(42)の外側面と縦押え部51(52)の外側面とに跨って設けられてもよい。さらに、縦受け部41(42)の上端面と縦押え部51(52)の上端面、および縦受け部41(42)の外側面と縦押え部51(52)の外側面のそれぞれの箇所に跨って設けられてもよい。
このように複数の連結金具65によってシート受け材40とシート押え材50とを連結すれば、防水シート21をより確実かつ強固に挟み込むことができる。
〔変形例3〕
本変形例3では、図示はしないが、連結金具65が、縦受け部41(42)と縦押え部51(52)の上端部に跨って設けられるとともに、当該連結金具65よりも下方において別の連結金具65が、縦受け部41(42)と縦押え部51(52)に跨って設けられている。
換言すれば、縦受け部41(42)と縦押え部51(52)に跨って設けられる連結金具65が、縦受け部41(42)と縦押え部51(52)の上端部を含む高さ方向の複数箇所に配置されている。
このように複数の連結金具65によってシート受け材40とシート押え材50とを連結すれば、防水シート21をより確実かつ強固に挟み込むことができる。
〔変形例4〕
本変形例4では、上述の実施形態で説明した構成のシート挟持装置30が、図12に示すように、側部3,4に形成された入隅部3a,4aに対応して設置されている。
より具体的には、縦受け部41および縦押え部51が、側部3の入隅部3aに寄せて配置され、縦受け部42および縦押え部52が、側部4の入隅部4aに寄せて配置されている。逆に、入隅部3a,4aが、縦受け部41および縦押え部51と、縦受け部42および縦押え部52の位置に合わせて形成されていてもよい。
そして、連結金具65が、縦受け部41の上端面と縦押え部51の上端面とに跨って設けられ、連結金具65が、縦受け部42の上端面と縦押え部52の上端面とシート押え材50の上端面とに跨って設けられている。
本変形例4のようなシート挟持装置30の設置状態の場合は、連結金具65を、縦受け部41(42)の外側面と縦押え部51(52)の外側面とに跨って設けることができない。したがって、図12に示す例のように、連結金具65を、縦受け部41(42)の上端面と縦押え部51(52)の上端面とに跨って設けることが特に好適である。
〔変形例5〕
突条71〜73を省略する。
防水面材20がシート挟持装置30に取り付けられていない場合は、シート押え材50の後面がシート受け材40の前面に直接接触する。
また、防水面材20がシート挟持装置30に取り付けられている場合は、防水シート21の周縁部がシート押え材50の後面とシート受け材40の前面との間に直接挟み込まれる。なお、膨出部29が、シート受け材40とシート押え材50の外側に出た状態であることが好ましい。
〔変形例6〕
本変形例では、シート押え材50が、左右または上下に分割されている。つまり、横押え部53がその中央部において二つに分割されているか、縦押え部51,52がその中央部において二つに分割されている。
シート押え材50が左右に分割される場合は、その左右の分割体は、シート押え材50がU字型の場合にはL型であり、シート押え材50が矩形枠状である場合にはコ字型とされる。
シート押え材50が上下に分割される場合は、シート押え材50が矩形枠状であり、その上下の分割体は、コ字型である。
なお、シート受け材40は、シート押え材50の形状に対応してU字型や枠状に適宜形成されている。
1 建造物
2 開口部
10 防水装置
20 防水面材
21 防水シート
22 支持竿
23 左の留め具
24 右の留め具
30 シート挟持装置
40 シート受け材
41 左の縦受け部
42 右の縦受け部
43 横受け部
44 第二横受け部
50 シート押え材
51 左の縦押え部
52 右の縦押え部
53 横押え部
60 ヒンジ
61 切欠部
65 連結金具
66 操作部
67 フック部
68 係合部
81 左の引掛部
82 右の引掛部

Claims (6)

  1. 防水シートの周縁部を前後に挟み込むシート挟持装置において、
    建造物の開口部の少なくとも下縁部の一部から側縁部の一部にかけて前記開口部の縁に沿って設けられたシート受け材と、
    前記開口部の少なくとも下縁部の一部から側縁部の一部にかけて前記開口部の縁に沿って設けられ、前記シート受け材の前に突き合わせられるシート押え材と、
    前記シート受け材と前記シート押え材の上端部とに跨って、これらを連結するとともにワンタッチで解除可能な連結金具と、を備え、
    前記シート押え材がその下端部を軸として前後に傾動可能に設けられ、
    前記シート押え材が前に傾動することによって前記シート押え材が前記シート受け材から離れ、前記シート押え材が後ろに傾動することによって前記シート押え材が前記シート受け材の前に突き合わせられることを特徴とするシート挟持装置。
  2. 請求項1に記載のシート挟持装置において、
    前記防水シートは、左右両端部が前記シート受け材と前記シート押え材とによって挟み込まれて保持される支持竿に対して吊り下げられていることを特徴とするシート挟持装置。
  3. 請求項2に記載のシート挟持装置において、
    前記シート受け材と前記シート押え材のうちいずれか一方には、他方に向かって突出する引掛部が設けられており、
    前記支持竿は、前記引掛部に引っ掛けられる留め具を備えることを特徴とするシート挟持装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のシート挟持装置において、
    前記連結金具は、前記シート受け材の上端面と前記シート押え材の上端面とに跨っていることを特徴とするシート挟持装置。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のシート挟持装置において、
    前記連結金具は、前記シート受け材の外側面と前記シート押え材の外側面とに跨っていることを特徴とするシート挟持装置。
  6. 請求項5に記載のシート挟持装置において、
    前記シート受け材は、前記シート押え材よりも高く設定され、
    前記シート受け材の前側には、当該シート受け材の前面よりも後面側に凹んで前記シート押え材を収容する収容凹部が形成され、
    前記シート押え材が前記収容凹部の前に突き合わせられた状態において、前記シート押え材の前面と、前記シート受け材の前面とが面一となっていることを特徴とするシート挟持装置。
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