JP5903711B2 - リードフレーム及びその製造方法 - Google Patents
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Description
まず、長尺状の金属体102を長手方向(図中の右方向)に所定量送り出して搬送する(図5(a))。金属体102の送り出し量は、形成されるリードフレーム100の隣接する開口部103の間隔に相当する量である1ピッチとなっている。次に、金型120による打ち抜き加工を行うことで、1つ目の開口部103aとして、幅方向に配列する3つのリードフレームユニット104を金属体102に形成する(図5(b))。次に、1ピッチ送り出された金属体102に対して、さらに打ち抜き加工をすることで、1つ目の開口部103aに隣接するように、2つ目の開口部103bを形成する。このとき隣接する開口部103a,103bの間には桟部105が形成される(図5(c))。そして、金属体102を1ピッチずつ送り出すとともに開口部103c〜103eを1列ずつ形成する操作を繰り返す(図5(d)〜(f))。このようにして、長手方向に配列する複数の開口部103を形成して、複数の開口部103及び隣接する開口部103の間に位置する桟部105を備えるリードフレーム100を製造する。
つまり、パターンレイアウトを高密度化するため開口部103の間隔を狭ピッチ化する場合、図5(a)〜(f)に示すように、隣接する開口部103の間に位置する桟部105の幅を細くする必要性がある。桟部105の幅が細くなるように打ち抜き加工を行う場合、幅の細い桟部105は、強度が低く変形しやすいため、図5(c)に示すように、打ち抜き加工の圧力によってリードフレーム100の主面に対して傾斜する(ねじれる)ことになる。同様に、打ち抜き加工のたびに形成される桟部105のそれぞれは、図5(d)〜図5(f)に示すように、リードフレーム100の主面に対して傾斜する。しかも、桟部105のそれぞれは傾斜する方向が同一となっている。桟部105の傾斜によって、リードフレーム100には残留応力や歪みが生じ、同一方向に傾斜する桟部105が増えることによって、リードフレーム100には残留応力や歪みが累積する。この結果、リードフレーム100には反りを主とした変形が生じる。変形の生じたリードフレーム100では、半導体チップを実装するなどの加工が困難となり、生産効率が低下することになる。
の金属体を固定するストリッパプレートと、を有し、前記ダイ、前記ストリッパプレート、又は両方に突起部を備える金型が提供される。
本実施形態のリードフレーム1は、長尺状の金属体2の長手方向に配列し、打ち抜き加工により形成される複数の開口部3と、隣り合う開口部3の間に位置する桟部5と、を備え、桟部5の表面は、長手方向に隣り合う開口部3の間のそれぞれにおいて、金属体2の桟部5以外の部分の表面に対して傾斜しており、傾斜する方向が長手方向に沿って交互に逆方向となっている。
位置しており、複数の開口部3は桟部5によって区画されている。
そして、リードフレームユニット4を介して配列する第一の桟部5aのそれぞれは、傾斜する方向が金属体2の長手方向に沿って交互に逆方向となる。具体的には、図1(b)に示すように、第一の桟部5aのそれぞれの傾斜方向は、長手方向に沿って、長手方向の一方側(図中の右方向)、長手方向の他方側(図中の左方向)と交互に逆方向となっており、互い違いとなっている。
この構成によれば、第一の桟部5aの傾斜によるリードフレーム1の残留応力や歪みが局所的に緩和され弱められる。このため、リードフレーム1全体において残留応力などの累積が減少し、反りなどの変形が生じにくい。
いては、リードフレームユニット4a,4b,4cが同時に一括して形成されるため、第一の桟部5aと比較して傾斜やねじれが生じにくい。
本実施形態に係るリードフレーム1の製造方法は、長尺状の金属体2の長手方向に配列し、打ち抜き加工により形成される複数の開口部と、隣り合う開口部の間に位置する桟部と、を備えるリードフレームの製造方法であって、長尺状の金属体2を、長手方向に開口部3の1つ分離間させて打ち抜くことで、離間する開口部3を形成する第一の打ち抜き工程と、離間する開口部3の間を打ち抜き、複数の開口部3及び桟部5を形成する第二の打ち抜き工程と、を有する。
うに、金属体2を2ピッチ送り出し、開口部3bとして1列のリードフレームユニット4を形成する。同様に、図2(d)に示すように、金属体2を2ピッチ送り出して、開口部3cとして1列のリードフレームユニット4を形成する。すなわち、第一の打ち抜き工程で形成される開口部3a,3b,3cのそれぞれが、開口部3の1列分を離間するように打ち抜き加工を行う。図2(d)に示すように、離間する開口部3a,3b,3cは、所定の領域を介して配列している。所定の領域は、後述する第二の打ち抜き工程で打ち抜かれる予定の打ち抜き予定領域T(図中の破線で示す領域)となっている。このように、第一の打ち抜き工程では、打ち抜き予定領域Tを介して配列する開口部3a,3b,3cとして、複数のリードフレームユニット4を形成する。
なお、幅方向に隣り合う開口部3としてのリードフレームユニット4a,4b,4cの間に位置する第二の桟部5bは、リードフレームユニット4a,4b,4cが一括して同時に形成されるため、幅方向の桟部5aと比較して傾斜やねじれが生じにくい。
このように、第一の打ち抜き工程がされた金属体2に対して第二の打ち抜き工程を行うことによって、打ち抜き加工によって形成される第一の桟部5aのそれぞれの傾斜を、長手方向に沿って交互に逆方向とすることができる。このため、第一の桟部5aの傾斜にともなう残留応力や歪みは局所的に緩和されて弱められており、リードフレーム1全体での残留応力などの累積を抑制することができる。
続いて、上述したリードフレームの製造に用いるプレス機及びプレス機に設置される打ち抜き用順送金型の1例について説明する。プレス機には、金属体を打ち抜き加工する打ち抜き用順送金型と、打ち抜き用順送金型に金属体を供給する材料搬送装置と、が設置されている。図3は打ち抜き用順送金型の構造を示しており、(a)は打ち抜き用順送金型の構成概略図であり、(b)は(a)の打ち抜き加工部における部分拡大図である。
びダイ33に挟まれ固定された後に、パンチ42により打ち抜き加工されるが、打ち抜きの際のパンチ42の圧力によって金属体2はダイ33の孔側へと引き込まれるため、金属体2の開口部3の縁(桟部)には変形が生じることになる。この点、ストリッパプレート46に形成される突起部60によれば、金属体2がダイ33の孔側へ引き込まれる方向とは逆の方向に摩擦力を発生させるため、金属体2を強固に固定し、引き込みを抑制することが可能となる。そして、リードフレーム1の桟部5の変形を抑制することができる。なお、図3(b)ではストリッパプレート46に突起部60を備える場合を例示したが、突起部60はダイ33、ストリッパプレート46又は両方に備えてもよい。
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
金属体2として、厚さ0.2mm程度に圧延された銅合金条が巻かれた直径1m程度のコイル(以下、材料という)をロータリー式材料送り出し装置に設置した。次に材料を送り出し矯正装置であるレベラーにて、巻きグセを除去するように矯正した。矯正された材料を、プレス機の手前に設けられた材料待機装置を経由させて、最大出力が約150t程度を有するプレス機へと送り出した。プレス機にはプレス機固有の材料搬送装置であるフィーダーが設置されており、プレス機に設置された金型へと材料を送り出した。この際、自動供給式の加工油供給装置によって材料に加工油を供給し、材料の潤滑性を向上させた。材料を金型内の打ち抜き加工部に搬送し、プレス機により金型をプレス動作させて材料に打ち抜き加工を行った。
部3の1列分を離間させて、1列おきに開口部3が形成されるように、およそ300rpm程度の速度でプレスを行ない、打ち抜き加工を施した。打ち抜き加工が完了した順に材料はプレス機外へと送り出され、一度コイル状に巻き取った。
実施例2では、材料の固定力強化を目的として、突起部60を備えた金型20が設置されたプレス機を用いて打ち抜き加工を行った以外は、実施例1と同様にしてリードフレーム1を製造した。金型20としては、ストリッパプレート46の打ち抜き加工部のエッジ部分に突起部60(厚さ10μm、幅100μm程度)が設けられた金型20を用いた。
比較例では、従来の製造方法によりリードフレーム100を製造した。金属体102の送り出し量を1ピッチとして、形成された開口部103に隣り合うように開口部103を打ち抜き、1列ずつ開口部103を形成し、リードフレーム100を製造した。
断面を観察したところ、図6及び図7に示すような断面であることが確認された。図6は、リードフレームの断面写真であって、(a)は全体図であり、(b)は(a)の部分拡大図である。図7は、図6(b)の拡大図であって、(a)はA部分の拡大図であり(b)はB部分の拡大図であり、(c)はC部分の拡大図である。
実施例1の参考例として、比較例と同様に1ピッチずつ金属体を送り出し、1列ずつ開口部を形成するとともに、金型として、実施例2で用いた金型を備えるプレス機により打ち抜き加工を行い、リードフレームを製造した。
参考例のリードフレームの反り変形量を、実施例1と同様に測定したところ、10mm以下であった。
2 金属体
3 開口部
4 リードフレームユニット
5 桟部
Claims (4)
- 長尺状の金属体の長手方向に配列する複数の開口部と、隣り合う開口部の間に位置する桟部と、を備えるリードフレームであって、
前記開口部には、半導体チップが搭載されるダイパッド及び前記半導体チップに電気的に接続されるリードが形成されており、
前記桟部の表面は、前記長手方向に隣り合う前記開口部の間のそれぞれにおいて、前記金属体の前記桟部以外の部分の表面に対して傾斜しており、傾斜する方向が前記長手方向に沿って交互に逆方向である
ことを特徴とするリードフレーム。 - 前記開口部は、前記開口部を前記長手方向に区画する桟部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のリードフレーム。
- 前記桟部の幅が0.3mm以上3.0mm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のリードフレーム。
- 長尺状の金属体の長手方向に配列し、打ち抜き加工により形成される複数の開口部と、隣り合う開口部の間に位置する桟部と、を備えるリードフレームの製造方法であって、
前記長尺状の金属体を、前記長手方向に開口部1つ分離間させて打ち抜くことで、離間する開口部を形成する第一の打ち抜き工程と、
前記離間する開口部の間を打ち抜き、前記複数の開口部及び前記桟部を形成する第二の打ち抜き工程と、を有し、
前記開口部に、半導体チップが搭載されるダイパッド及び前記半導体チップに電気的に接続されるリードを形成し、
前記桟部の表面を、前記長手方向に隣り合う前記開口部の間のそれぞれにおいて、前記金属体の前記桟部以外の部分の表面に対して傾斜させ、傾斜する方向を前記長手方向に沿って交互に逆方向とする
ことを特徴とするリードフレームの製造方法。
以上
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