JP5903644B2 - 透明導電層付き基材及び有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

透明導電層付き基材及び有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Description

本発明は、透明導電層付き基材と、これを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子とに関する。
有機エレクトロルミネッセンス(以下、「有機EL」と記載する。)は、面発光体として、主照明及び液晶のバックライトへの適用が期待されている。一般的な有機EL素子は、透明基材/透明電極/発光層/反射電極の積層構造を有する。発光源(発光層)からの光は、透明電極及び透明基材を通して、透明基材の大気側表面から出射されることにより大気(有機EL素子の外部)に取り出される。具体的には、透明基材と透明電極との屈折率が互いに異なるために、約45%の光が、透明基材と透明電極との界面(基材/透明電極界面)における全反射によって、透明電極内を導波される光又は基材/透明電極界面を横方向に導波される光として失われる。この現象は、発光の外部への取り出し効率を低く留めている大きな原因の1つである。従来、そのような現象を回避して透明基材の露出表面(大気側表面)からの光の取り出し効率を高めるための工夫が種々為されている。
また、有機EL素子に用いられる透明電極としては、一般的にITO(Indium Tin Oxide)が用いられている。しかし、近年、透明電極としては、レアメタルであり資源の枯渇が危惧されるITOの代替として、金属ナノファイバー及び金属ナノワイヤのような金属極細繊維が多用されるようになってきている。このような金属極細繊維を用いた透明電極のパターニング手法としては、様々な方法が提案されている。一例としては、金属極細繊維を含有する透明電極を透明基材の表面に形成し、フォトエッチング法又はレーザ加工により不要な部分を除去して非導電性領域を形成するパターニング方法が知られている(特許文献1〜3)。
特開2010−44968号公報 特開2011−258578号公報 特開2012−28025号公報
Adv.Mater.2002,14,P833〜837 Chem.Mater.2002,14,P4736〜4745 Materials Chemistry and Physics 2009,vol.114,p333−338
本発明は、例えば透明電極として用いることが可能な、金属極細繊維を用いた透明導電層において、透明導電層内を横方向(層方向)に導波される光を外部に取り出すことにより光の取り出し効率を向上させることが可能な、透明導電層付き基材を提供することを目的とする。
本発明の透明導電層付き基材は、
基材と、
前記基材上に配置された透明導電層と、
を備え、
前記透明導電層は、導電性領域と非導電性領域とを有し、
前記導電性領域及び前記非導電性領域は、導電性微粒子と樹脂マトリクスとを含み、
前記非導電性領域におけるヘイズ値は、前記導電性領域におけるヘイズ値よりも大きい。
本発明の透明導電層付き基材には、透明導電層に大きいヘイズ値を有する非導電性領域が含まれているので、透明導電層内を横方向に導波される光が非導電性領域で散乱して外部に取り出される。したがって、本発明の透明導電層付き基材によれば、光の取り出し効率を向上させることができる。
本発明の実施の形態における透明導電層付き基材の断面図である。 本発明の実施の形態における有機EL素子の断面である。 図3A及び図3Bは、従来例における透明導電層付き基材の断面図である。
本発明者らは、「背景技術」の欄において記載した、金属極細繊維を含有する透明電極をパターニングすることによって形成された、有機EL素子に用いられる従来の透明電極に関し、鋭意研究により、光の取り出し効率をさらに改善できることを見出した。
金属極細繊維を用いた透明導電層における従来のパターニング方法を、図3A及び3Bに示す。特許文献1〜3に記載された従来のパターニング方法では、例えば図3Aに示すように、基材101上に配置された透明導電層102に含まれる金属極細繊維1021を断裂又は除去することによって、非導電性領域104を形成している。非導電性領域104には、金属極細繊維1021が存在しないか、または存在しても断線しているため絶縁されている。また、従来のパターニング方法の他の例では、図3Bに示すように、金属極細繊維1021及びマトリクス樹脂1022を除去することによって、非導電性領域104が形成されている。このようなパターニング方法により形成された透明導電層102では、透明導電層102の横方向において、導電性領域103から非導電性領域104へと光が導波されることにより、外部に取り出されずに透明導電層102に吸収されてしまう光が多く存在する。
そこで、本発明者らは、透明導電層内を横方向に導波される光に着目して種々の検討を行うことにより、透明導電層内を横方向に導波される光を非導電性領域で散乱させることにより光の取り出し効率を向上させた、本発明の透明導電層付き基材を提供するに至った。さらに、本発明者らは、本発明の透明導電層付き基材を用いることによって、光の取り出し効率が向上した有機EL素子を提供するにも至った。
本発明の第1の態様は、基材と、前記基材上に配置された透明導電層と、を備え、前記透明導電層は、導電性領域と非導電性領域とを有し、前記導電性領域及び前記非導電性領域は、導電性微粒子と樹脂マトリクスとを含み、前記非導電性領域におけるヘイズ値は、前記導電性領域におけるヘイズ値よりも大きい、透明導電層付き基材を提供する。
第1の態様に係る透明導電層付き基材では、透明導電層内を横方向に導波される光において、導電性領域から当該導電性領域よりも高いヘイズ値を有する非導電性領域へと導波される光を、非導電性領域で散乱させて進む方向を変えることにより、外部に取り出すことができる。したがって、第1の態様に係る透明導電層付き基材によれば、光の取り出し効率を向上させることができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記導電性領域における前記導電性微粒子と、前記非導電性領域における前記導電性微粒子とは、同じ材料からなり、前記非導電性領域における前記導電性微粒子は、前記導電性領域における前記導電性微粒子よりも小さいアスペクト比を有する、透明導電層付き基材を提供する。
第2の態様に係る透明導電層付き基材は、導電性領域における導電性微粒子と非導電性領域における導電性微粒子とが同じ材料からなる。したがって、第2の態様によれば、例えば、導電性微粒子及び樹脂マトリクスを含む膜を作製し、その膜において非導電性領域を形成する部分の導電性微粒子にレーザなどの光や熱を加えるといった簡易なプロセスにより、導電性微粒子をより小さいアスペクト比を有する導電性微粒子へと変化させて非導電性領域を作製することができる。
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様において、前記導電性領域において前記導電性微粒子が占める体積に対する、前記非導電性領域において前記導電性微粒子が占める体積の百分率が、1%以上50%以下である、透明導電層付き基材を提供する。
第3の態様に係る透明導電層付き基材によれば、非導電性領域へと導波される光がより散乱しやすくなるのでより多くの光を外部に取り出すことができ、その結果光の取り出し効率をさらに向上させることができる。
本発明の第4の態様は、第1〜第3の態様の何れか1つの態様において、前記導電性領域における前記導電性微粒子が銀ナノワイヤである、透明導電層付き基材を提供する。
第4の態様に係る透明導電層付き基材によれば、他の金属ナノワイヤを用いる場合に比べて、高い透明性及び高い導電性を有する透明導電層を得ることができる。
本発明の第5の態様は、第1〜第4の態様の何れかの態様に係る透明導電層付き基材と、前記透明導電層付き基材の透明導電層と対向して配置された電極と、前記透明導電層と前記電極との間に配置された発光層と、を備えた有機EL素子を提供する。
第5の態様に係る有機EL素子では、発光層から発せられて透明導電層内を横方向に導波される光において、導電性領域から当該導電性領域よりも高いヘイズ値を有する非導電性領域へと導波される光を、非導電性領域で散乱させて進む方向を変えることにより、外部に取り出すことができる。したがって、第5の態様によれば、光の取り出し効率が向上した有機EL素子を実現できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
[透明導電層付き基材]
[全体構成]
図1は、本発明の実施の形態1における透明導電層付き基材の一例を示す断面図である。図1に示すように、本実施の形態の透明導電層付き基材1は、基材11上に透明導電層12が配置されることによって形成されている。透明導電層12は、導電性を有する導電性領域13と、絶縁されている非導電性領域14とを有している。導電性領域12は、第1の導電性微粒子121及び樹脂マトリクス122を含んでいる。非導電性領域14は、第2の導電性微粒子123及び樹脂マトリクス122を含んでいる。なお、本発明の透明導電層付き基材において、導電性領域とはシート抵抗で500Ω/□以下の電気抵抗を有する領域のことであり、非導電性領域とはシート抵抗で10000Ω/□以上の電気抵抗を有する領域のことである。
[基材11]
基材11は、その形状、構造及び大きさ等については特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができる。基材11の形状としては、例えば平板状、シート状、フィルム状などが挙げられる。基材11の構造としては、例えば単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、適宜選択することができる。基材11の材料についても特に制限はなく、無機材料及び有機材料のいずれであっても好適に用いることができる。基材11を形成する無機材料としては、例えば、ガラス、石英、シリコーンなどが挙げられる。基材11を形成する有機材料としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)等のアセテート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリノルボルネン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂及びポリアクリル系樹脂などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
[透明導電層12]
透明導電層12は、透明性を有しており、上記のとおり導電性領域13と非導電性領域14とを有している。導電性領域12は、第1の導電性微粒子121及び樹脂マトリクス122を含有する材料を用いて形成することができる。非導電性領域14は、第2の導電性微粒子123及び樹脂マトリクス122を含有する材料を用いて形成することができる。
[第1の導電性微粒子121]
第1の導電性微粒子121としては、アスペクト比が大きい(例えばアスペクト比10以上、10000以下)繊維状の導電性微粒子が用いられる。例えば、金属ナノワイヤ等の金属極細繊維を用いることができる。金属極細繊維としては、任意のものを用いることが可能である。金属極細繊維の製造手段には特に制限は無く、例えば液相法及び気相法などの公知の手段を用いることができる。具体的な製造方法にも特に制限は無く、公知の製造方法を用いることができる。例えば、Agナノワイヤ(銀ナノワイヤ)の製造方法として、非特許文献1の「Adv.Mater.2002,14,P833〜837」、非特許文献2の「Chem.Mater.2002,14,P4736〜4745」、非特許文献3の「Materials Chemistry and Physics 2009,vol.114,p333−338“Preparation of Ag nanorods with high yield by polyol process”」、及び、特表2009−505358号公報等に記載されている製造方法を挙げることができる。Auナノワイヤ(金ナノワイヤ)の製造方法として、特開2006−233252号公報等に記載されている製造方法を挙げることができる。Cuナノワイヤ(銅ナノワイヤ)の製造方法として、特開2002−266007号公報等に記載されている製造方法を挙げることができる。Coナノワイヤ(コバルトナノワイヤ)の製造方法として、特開2004−149871号公報等に記載されている製造方法を挙げることができる。特に、上記のAdv.Mater.及びChem.Mater.で報告されたAgナノワイヤの製造方法は、水系で簡便にかつ大量にAgナノワイヤを製造することができ、また銀の体積抵抗率は金属中で最大であることから、本実施の形態で用いる金属ナノワイヤの製造方法として望ましく適用することができる。このように、金属ナノワイヤは、Agナノワイヤであることが望ましい。これにより、他の金属ナノワイヤを用いる場合に比べて、高い透明性及び高い導電性を有する透明導電層12を得ることができる。
金属ナノワイヤの平均直径は、透明性の観点から200nm以下であることが望ましく、導電性の観点から10nm以上であることが望ましい。平均直径が200nm以下であれば光透過率の低下を抑えることができるため望ましい。平均直径が10nm以上であれば導電体としての機能を有意に発現でき、また平均直径がより大きい方が、導電性が向上するため望ましい。よって、平均直径は、より望ましくは20〜150nmであり、40〜150nmであることが最も望ましい。また金属ナノワイヤの平均長さは、導電性の観点から1μm以上であることが望ましく、凝集による透明性への影響から100μm以下であることが望ましい。より望ましくは1〜50μmであり、3〜50μmであることが最も望ましい。金属ナノワイヤの平均直径及び平均長さは、SEMやTEMを用いて十分な数の金属ナノワイヤについて電子顕微鏡写真を撮影し、個々の金属ナノワイヤの像の計測値の算術平均から求めることができる。金属ナノワイヤの長さは、本来直線状に伸ばした状態で求めるべきであるが、現実には屈曲している場合が多いため、電子顕微鏡写真から画像解析装置を用いて金属ナノワイヤの投影径及び投影面積を算出し、円柱体を仮定して算出する(長さ=投影面積/投影径)ものとする。計測対象の金属ナノワイヤの数は、少なくとも100個以上が望ましく、300個以上の金属ナノワイヤを計測するのがより望ましい。
[第2の導電性微粒子123]
第2の導電性微粒子123には、第1の導電性微粒子121よりもアスペクト比が小さい微粒子を用いることができる。第2の導電性微粒子123の材質は、第1の導電性微粒子121と同じ材質であることが望ましい。その場合、第1の導電性微粒子121及び第2の導電性微粒子123となる導電性微粒子を含む膜を形成した後、絶縁化する部分、すなわち非導電性領域14となる部分に光を照射したり熱を加えたりすることによって、導電性微粒子を第2の導電性微粒子123の形状へと変形させて、非導電性領域14を形成することができる。なお、導電性領域13となる部分には光を照射する等の処理を施さずに、導電性微粒子をそのまま第1の導電性微粒子121として用いることができる。このような方法で非導電性領域14を形成する場合には、赤外線レーザを用いることが望ましい。赤外線レーザは、樹脂成分に対しては透過性が高く、導電性微粒子に対しては相対的に吸収性が高い波長の光を照射する。このため、樹脂成分を昇華させることなく、選択的に導電性微粒子にエネルギーを与えることができる。また、樹脂成分は、導電性微粒子が昇華して消失する現象を抑えるように作用する。すなわち、導電性微粒子は、樹脂成分が存在することにより、昇華して大気中に消失しにくくなる。したがって、照射部の導電性微粒子はより微小な粒子となって非照射部に残存すると考えられる。また、赤外線レーザを用いることにより、高い位置精度で任意の位置に、図1に示すような導電性領域13及び非導電性領域14の構造を簡便に作製できる。
また、第2の導電性微粒子123の体積は、光学特性の観点から0.75nm以上であることが望ましく、絶縁性の観点から200,000nm以下であることが望ましい。第2の導電性微粒子123の体積が0.75nm以上であると、短波長側の光吸収を抑えて導波光の反射率及び散乱率の低下を抑えることができるため望ましい。絶縁性の観点からは、第2の導電性微粒子123の体積が200,000nm以下であると、絶縁性を十分確保できるため望ましい。
導電性領域13において第1の導電性微粒子121が占める体積に対する、非導電性領域14において第2の導電性微粒子123が占める体積の百分率が、1%以上50%以下であることが望ましい。このような構成によれば、非導電性領域14へと導波される光がより散乱しやすくなるので、より多くの光を外部に取り出すことができ、その結果光の取り出し効率をさらに向上させることができる。
[樹脂マトリクス122]
樹脂マトリクス122としては、例えば、セルロース樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリルニトリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ジアクリルフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、その他の熱可塑性樹脂や、これらの樹脂を構成する単量体の2種以上の共重合体等を用いることができる。
[透明導電層付き基材の製造方法]
第1の導電性微粒子121と第2の導電性微粒子123とが同じ材質で形成されている場合の、透明導電層付き基材の製造方法の一例について説明する。
基材11と、透明導電層形成用の材料とを準備する。基材11として用いることができるものは、上述のとおりである。透明導電層形成用の材料は、第1の導電性微粒子121及び第2の導電性微粒子123となる導電性微粒子と、樹脂マトリクス122となる樹脂材料とを含む。使用可能な導電性微粒子及び樹脂材料の例は、上述のとおりである。
基材11の一方の表面に、透明導電層形成用の材料を塗布する。この塗膜を、例えば40〜100℃、1〜30分間の条件で乾燥させた後に、例えば100〜300℃、1〜60分間の条件で加熱することによって、導電性微粒子及び樹脂マトリクスを含む膜を形成する。透明導電層形成用の材料の塗布方法は、特に限定されるものではないが、例えば、刷毛塗り、スプレーコート、浸漬(ディップコート)、ロールコート、グラビアコート、マイクログラビアコート、フローコート、カーテンコート、ナイフコート、スピンコート、テーブルコート、シートコート、枚葉コート、ダイコート、バーコート、リバースコート、キャップコート等の通常の各種塗布方法、インクジェットコーターを用いるパターン状に塗布する方法等を選択することができる。このようにして形成された導電性微粒子及び樹脂マトリクスを含む膜の厚さは、20〜1000nmであることが望ましい。
次に、導電性微粒子及び樹脂マトリクスを含む膜を、導電性領域13と非導電性領域14とにパターニングして、透明導電層12を形成する。パターニングの方法は、上記[第2の導電性微粒子123]の欄に記載した方法が好適に用いられる。レーザ光を用いる場合は、赤外線レーザを用いることが望ましく、照射エネルギーは0.3〜5J/cm程度が望ましい。
第1の導電性微粒子121と第2の導電性微粒子123とが互いに異なる材質で形成される場合は、導電性領域13と非導電性領域14とを別々に形成することになる。例えば、第1の導電性微粒子121及び樹脂マトリクス122となる樹脂材料を含む導電性領域形成用の材料と、第2の導電性微粒子123及び樹脂マトリクス122となる樹脂材料とを含む非導電性領域形成用の材料と、を準備する。基材11の表面上に導電性領域形成用の材料を塗布して、これを乾燥及び加熱することによって膜を形成する。次に、得られた膜のうち非導電性領域14となる部分の膜を除去して、除去された部分に非導電性領域形成用の材料を用いて膜を形成する。これにより、導電性領域13と非導電性領域14とで構成された透明導電層12を製造できる。なお、この方法の場合に先に作製する領域は、非導電性領域14であってもよい。
(実施の形態2)
[有機EL素子]
[全体構成]
図2は、本発明の実施の形態2における有機EL素子の一例を示す断面図である。図2に示す本実施の形態の有機EL素子2には、実施の形態1で説明した透明導電層付き基材が用いられている。有機EL素子2は、基材21と、基材21上に配置された透明電極22と、透明電極22上に配置された発光層23と、発光層23上に配置された電極24とを含む積層体を備えている。基材21及び透明電極22には、実施の形態1で説明した透明導電層付き基材1(図1参照)を用いることができる。基材21は基材11に、透明電極22は透明導電層12に、それぞれ対応する。
透明電極22が陽極である場合には、透明電極22と発光層23との間にホール輸送層(正孔輸送層)(図示省略)が設けられていてもよい。発光層23の表面上に電極24が設けられている。この場合、電極24は陰極となるが、発光層23と電極24との間に、発光層23側から電子輸送層及び電子注入層(いずれも図示省略)がこの順に設けられていてもよい。
逆に、透明電極22が陰極である場合には、透明電極22と発光層23との間に、発光層23側から電子輸送層及び電子注入層(いずれも図示省略)がこの順に設けられていてもよい。発光層23の表面に電極24が配置されている。この場合、電極24は陽極となるが、発光層23と電極24との間に、発光層23の側からホール輸送層及びホール注入層(いずれも図示省略)を積層して形成してもよい。
[発光層23]
発光層23の材料としては、例えば、アルミキノリノール錯体(トリス(8−ヒドロキノリン)アルミニウム)、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体など、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、色素体、金属錯体系発光材料を高分子化したものなどや、アントラセン、ナフタレン、ピレン、テトラセン、コロネン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、トリス(5−フェニル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、トリ−(p−ターフェニル−4−イル)アミン、ピラン、キナクリドン、ルブレン、及びこれらの誘導体、あるいは、1−アリール−2,5−ジ(2−チエニル)ピロール誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、スチリルアリーレン誘導体、スチリルアミン誘導体、及びこれらの発光性化合物からなる基を分子の一部分に有する化合物などが挙げられる。また、上記化合物に代表される蛍光色素由来の化合物のみならず、いわゆる燐光発光材料、例えばイリジウム錯体、オスミウム錯体、白金錯体、ユーロピウム錯体などの発光材料、又はそれらを分子内に有する化合物若しくは高分子も好適に用いることができる。これらの材料は、必要に応じて、適宜選択して用いることができる。発光層23は、塗布法(例えば、スピンコート法、スプレーコート法、ダイコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法など)のような湿式プロセスによって成膜することが望ましい。ただし、発光層23の成膜方法は、塗布法に限らず、例えば、真空蒸着法、転写法などの乾式プロセスによって発光層23を成膜してもよい。
[電子注入層]
電子注入層の材料は、例えば、フッ化リチウムやフッ化マグネシウムなどの金属フッ化物、塩化ナトリウム、塩化マグネシウムなどに代表される金属塩化物などの金属ハロゲン化物や、チタン、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウムなどの酸化物などを用いることができる。これらの材料の場合、電子注入層は、真空蒸着法により形成することができる。また、電子注入層の材料は、例えば、電子注入を促進させるドーパント(アルカリ金属など)を混合した有機半導体材料を用いることができる。このような材料の場合、電子注入層は、塗布法により形成することができる。
[電子輸送層]
電子輸送層の材料は、電子輸送性を有する化合物の群から選定することができる。この種の化合物としては、Alq3等の電子輸送性材料として知られる金属錯体や、フェナントロリン誘導体、ピリジン誘導体、テトラジン誘導体、オキサジアゾール誘導体などのヘテロ環を有する化合物などが挙げられるが、この限りではなく、一般に知られる任意の電子輸送材料を用いることが可能である。
[ホール輸送層]
ホール輸送層の材料としては、LUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)準位が小さい低分子材料や高分子材料を用いることができる。例えば、ポリビニルカルバゾール(PVCz)や、ポリピリジン、ポリアニリンなどの側鎖や主鎖に芳香族アミンを有するポリアリーレン誘導体などの芳香族アミンを含むポリマーなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、ホール輸送層の材料としては、例えば、N,N−ジフェニル−N,N−ビス−3−メチル−フェニル−1,1−ジフェニル−4,4−ジアミン、4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)、2−TNATA、4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)、4,4’−N,N’−ジカルバゾールビフェニル(CBP)、スピロ−NPD、スピロ−TPD、スピロ−TAD、TNBなどを用いることが可能である。
[ホール注入層]
ホール注入層の材料としては、例えば、チオフェン、トリフェニルメタン、ヒドラゾリン、アミールアミン、アニリン、ヒドラゾン、スチルベン、トリフェニルアミンなどを含む有機材料が挙げられる。例えば、ポリビニルカルバゾール、ポリエチレンジオキシチオフェン:ポリスチレンスルホネート(PEDOT:PSS)、TPDなどの芳香族アミン誘導体などで、これらの材料を単独で用いてもよいし、2種類以上の材料を組み合わせて用いてもよい。このようなホール注入層は、塗布法(スピンコート法、スプレーコート法、ダイコート法、グラビア印刷法など)のような湿式プロセスによって成膜することができる。
[電極24]
電極24は、光反射性又は透明性のいずれであってもよい。電極24の材料としては、仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物からなる材料を用いることが望ましく、LUMO準位との差が大きくなりすぎないように仕事関数が1.9eV以上5eV以下のものを用いることが望ましい。具体的には、例えば、アルミニウム、銀、マグネシウム、金、銅、クロム、モリブデン、パラジウム、錫など、及びこれらと他の金属との合金、例えばマグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金を挙げることができる。また、金属、金属酸化物など、及びこれらと他の金属との混合物、例えば、酸化アルミニウムからなる薄膜とアルミニウムからなる薄膜との積層膜なども使用可能である。また、発光層23から放射される光に対する反射率が高く、かつ抵抗率の低い金属が望ましく、アルミニウムや銀が望ましい。
なお、ホール注入層の膜厚は20〜100nm、ホール輸送層の膜厚は20〜60nm、発光層23の膜厚は20〜80nm、電子輸送層の膜厚は20〜60nm、電子注入層の膜厚は0.5〜10nm、透明電極22と電極24との間の膜厚は80〜260nmと設定することができるが、これに限定されるものではない。
[有機EL素子2の製法]
基材21及び透明電極22には、実施の形態1の透明導電層付き基材1(図1参照)が用いられる。この透明導電層付き基材1の透明導電層12上に、発光層23と、必要に応じて設けられる電子注入層、電子輸送層、ホール輸送層及び/又はホール注入層とを形成する。これらの層は、一般的な有機EL素子を製造する際に用いられている公知の方法を用いて作製できる。
次に、外気を遮断した雰囲気下において、透明電極22、発光層23及び電極24を含む積層体の全体を覆うように、封止キャップ25をシール剤26で基材21に貼り付けて封止することによって、図2に示す有機EL素子2を製造することができる。図示省略しているが、透明電極22及び電極24の一部は、封止キャップ25の内部から外部に引き出されている。ここで、封止キャップ25としては、ガラス製のように透明性を有するもののほか、内面が光反射性を有するもの等を用いることができる。また、封止キャップ25の内面には吸水剤を貼り付けておいてもよい。また、シール剤26としては、紫外線硬化樹脂製のもの等を用いることができる。
上記のようにして形成された有機EL素子2は、光を取り出す側の構成(基材21及び透明電極22)に、実施の形態1の透明導電層付き基材1を用いている。したがって、透明電極22内の導波光を非導電性領域で散乱させて光の導波方向を変えることができるので、従来よりも基材側へ取り出す光量を増加させ、光の取り出し効率の向上が期待できる。
(実施例1)
非特許文献3の「Materials Chemistry and Physics 2009,vol.114,p333−338“Preparation of Ag nanorods with high yield by polyol process”」に基づいて、導電性微粒子である銀ナノワイヤ(平均直径50nm、平均長さ5μm)を用意した。
また、上記の銀ナノワイヤ(3質量部)と、セルロース樹脂(信越化学工業(株)製「SM」)(1質量部)と、水とを配合することによって、固形分4.0質量%の透明導電層形成用の材料Aを調製した。
基材として、40mm角の無アルカリガラス板(コーニング社製「No.1737」、波長500nmにおける屈折率1.50〜1.53)を用いた。この基材の表面に材料Aをスピンコート法により塗布し、100℃、5分間の条件で加熱して乾燥硬化させることによって、膜厚100nmの透明導電層を形成した。次に、波長1050nmのファイバーレーザを用いて、透明導電層の導電性領域が幅2mmの帯状であり、その両側に非導電性領域が形成されるように、パルスエネルギー強度が0.6J/cmの光をパルス照射により走査させることによって、導電性領域及び非導電性領域のパターンを形成した。このようにして、透明導電層の中央部に幅2mmの帯状の導電性領域と、その両側に非導電性領域とが設けられた、透明導電層付き基材を製造した。
次に、得られた透明導電層付き基材を用いて、有機EL素子を製造した。透明導電層付き基材の透明導電層を、有機EL素子の透明電極(陽極)とした。この陽極の表面に、N,N−ジフェニル−N,N−ビス−3−メチル−フェニル−1,1−ジフェニル−4,4−ジアミン((株)同仁化学研究所製)を真空蒸着して、膜厚50nmのホール輸送層を形成した。このホール輸送層の表面に、アルミキノリノール錯体(トリス(8−ヒドロキノリン)アルミニウム:(株)同仁化学研究所製)を真空蒸着して、膜厚50nmの発光層を形成した。
次に、発光層の表面にフッ化リチウムを真空蒸着して、膜厚5nmの電子注入層を形成した。この電子注入層の表面に電極(陰極)を形成した。この陰極は、膜厚が150nmとなるようにアルミニウム((株)高純度化学研究所製、純度99.999%)を真空蒸着することによって形成された。
その後、透明基材、陽極、ホール輸送層、発光層、電子注入層及び陰極で構成された積層体を、露点−80℃以下のドライ窒素雰囲気のグローブボックスに、大気に暴露することなく搬送した。一方、ガラス製の封止キャップを準備し、その内面に吸水剤(ダイニック(株)製)を貼り付けると共に、この封止キャップの開口縁に紫外線硬化樹脂製のシール剤を塗布しておいた。そして、グローブボックス内において、陽極、ホール輸送層、発光層、電子注入層及び陰極の全体を覆うように、封止キャップをシール剤で透明基材に貼り付けた。その後、紫外線照射によりシール剤を硬化させて封止することによって、図2に示した有機EL素子2に対して、透明電極22と発光層23との間にホール輸送層が、電極24と発光層23との間に電子注入層が、それぞれさらに設けられた構造を有する有機EL素子を製造した。
(実施例2)
ファイバーレーザのパルスエネルギー強度が1.0J/cmの光をパルス照射により走査することによって非導電性領域を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、透明導電層付き基材及び有機EL素子を製造した。
(比較例1)
非導電性領域をパターニングする際にファイバーレーザの代わりに波長750nmのフェムト秒レーザを用いたことと、パルスエネルギー強度が1.0J/cmの光をパルス照射により走査することによって非導電性領域を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、透明導電層付き基材及び有機EL素子を製造した。
(比較例2)
非導電性領域をパターニングする際にファイバーレーザの代わりに波長750nmのフェムト秒レーザを用いたことと、パルスエネルギー強度が3.0J/cmの光をパルス照射により走査することによって非導電性領域を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、透明導電層付き基材及び有機EL素子を製造した。
(評価方法及び評価結果)
実施例1、2及び比較例1、2の透明導電層付き基材について、非導電性領域の光学特性(全光線透過率及びヘイズ値)と導電性領域の光学特性(全光線透過率及びヘイズ値)とを、ヘイズメーター(日本電色工業社製)で測定した。なお、導電性領域の光学特定は、非導電性領域を形成するためのレーザ照射前の透明導電層に対して実施した。全光線透過率及びヘイズ値を表1に示す。
実施例1、2及び比較例1、2の透明導電層付き基材を用いて製造された有機EL素子の特性を、DC電源(ケースレイ社製)を用い、発光面積2mm×2mmで、素子内部に流れる電流を2mA/cmに固定し、輝度計(トプコン社製)を用いて評価した。このとき、正面輝度を、電流効率(cd/A)とともに、10°ごとの角度方位で−80°〜+80°の範囲で測定し、全光束(電力効率(lm/W))を算出した。電流効率と電力効率の測定結果を表2に示す。
Figure 0005903644
Figure 0005903644
表1に示されているとおり、実施例1、2の透明導電層付き基材では、非導電性領域のヘイズ値が導電性領域のヘイズ値よりも大きかった。すなわち、実施例1、2のレーザ照射によって、導電性領域(レーザ未照射部)よりもヘイズ値が高い非導電性領域を形成することができ、これにより散乱効果の高い非導電性領域が得られた。これは、非導電性領域において、銀ナノワイヤは完全に消失することなく、散乱効果の高い状態の微小な粒子となって残存しているためと考えられる。
一方、比較例1、2の透明導電層付き基材では、非導電性領域のヘイズ値が導電性領域のヘイズ値よりも小さかった。すなわち、比較例1、2のレーザ照射により、レーザ照射部である非導電性領域の銀ナノワイヤがほぼ消失して、レーザ未照射部である導電性領域よりもヘイズ値が低下したと考えられる。したがって、実施例1、2の透明導電層付き基材の方が、比較例1、2の透明導電層付き基材よりも、透明導電層内を横方向に導波されるより多くの光を非導電性領域で散乱させることが可能である。このことは、表2に示された結果からも明らかであり、実施例1、2の有機EL素子の電流効率及び電力効率は、比較例1、2の有機EL素子と比較して大きく向上していた。
本発明の透明導電層付き基材は、発光素子用の電極基材として有用である。例えば、有機EL素子用の電極基材として有用である。

Claims (5)

  1. 基材と、
    前記基材上に配置された透明導電層と、
    を備え、
    前記透明導電層は、導電性領域と非導電性領域とを有し、
    前記導電性領域及び前記非導電性領域は、導電性微粒子と樹脂マトリクスとを含み、
    前記非導電性領域におけるヘイズ値は、前記導電性領域におけるヘイズ値よりも大きい、
    透明導電層付き基材。
  2. 前記導電性領域における前記導電性微粒子と、前記非導電性領域における前記導電性微粒子とは、同じ材料からなり、
    前記非導電性領域における前記導電性微粒子は、前記導電性領域における前記導電性微粒子よりも小さいアスペクト比を有する、
    請求項1に記載の透明導電層付き基材。
  3. 前記導電性領域において前記導電性微粒子が占める体積に対する、前記非導電性領域において前記導電性微粒子が占める体積の百分率が、1%以上50%以下である、
    請求項1に記載の透明導電層付き基材。
  4. 前記導電性領域における前記導電性微粒子が、銀ナノワイヤである、
    請求項1に記載の透明導電層付き基材。
  5. 請求項1に記載の透明導電層付き基材と、
    前記透明導電層付き基材の透明導電層と対向して配置された電極と、
    前記透明導電層と前記電極との間に配置された発光層と、
    を備えた、有機エレクトロルミネッセンス素子。
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