JP5035236B2 - プラズマディスプレイ用前面フィルタ、及びプラズマディスプレイ - Google Patents

プラズマディスプレイ用前面フィルタ、及びプラズマディスプレイ Download PDF

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Description

本発明は、生産効率が高いと共に、従来両立し難かった防眩性能及び明室コントラストと黒色画像の非白濁性とが両立する防眩性積層体と光学フィルタとを含んでなるプラズマディスプレイ用前面フィルタ、及びそれを用いたプラズマディスプレイに関するものである。
陰極線管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、または液晶表示装置(LCD)のような画像表示装置において、太陽や照明器具から画面に入射する外光の反射または像の映り込みによるコントラストの低下、視認性の低下を防止することが要求される。このため、光の散乱原理または光学干渉の原理を用いて像の映り込みまたは反射率を低減する目的で画像表示装置の最表面に、鏡面反射防止積層体が設けられることが一般的である。
従来、光学特性を調整し、優れた画像表示を実現するために、画像表示装置の表面に鏡面反射防止積層体の一形態として、外光の拡散反射によって鏡面反射成分を減少させる方式の、所謂、防眩性積層体を設ける方法が知られており、主にパソコン用の液晶表示装置等に用いられてきた。防眩性積層体は、画像表示装置内における外光の鏡面反射または像の映り込みによる視認性の低下を防止することを目的として利用されるものである。防眩性積層体には、表面に様々な粒子を添加した防眩層、又は、エンボス賦型処理を施すことにより凹凸形状を有した防眩層が設けられる(特許文献1)。
一方、テレビジョンとしても用いる大画面の液晶表示装置や他のPDPなどのテレビジョン用表示装置、特に大画面のテレビジョン用表示装置は、外光の反射や像の映り込みによる悪影響を排除して視認性を改善することが必要であり、同時に、動画再生やフルカラー画像といった娯楽性(エンターテイメント性)の高い画像を表示する際の視認性、例えば高いコントラストや、黒色再現性、特に濡れたような艶のある黒色(艶黒感)が求められている。更に、明室における黒色の階調表現、特に低階調において、黒色のグラデーションの差が認識しやすく、感度が高いことが要求される。テレビジョン用ディスプレイはパソコン用ディスプレイと比べて大型のものが多く、設置場所を固定して使用することが多いため、設置場所に関係なくこれらの特性を満たすことが要求される。
従来のパソコン用防眩性積層体は、OA作業に適した視認性を追求しており、外光の反射や像の映り込みを軽減する効果に優れているが、これをそのままテレビジョン用ディスプレイに適用すると、画面表示における艶黒感を含む黒色再現性や、コントラスト等において不十分な場合があった。具体的には、黒と灰色の色認識に於いて、色ぼけ、および同一の色調の黒との認識しかできないことがあった。
また、他方、パネル解像度の高精細化が要求されるようになってきている。パネル解像度の高精細化の要求には、防眩層の凹凸形状を微細化することで対応できる。しかし、防眩層の凹凸形状を微細化するとディスプレイ表面への外光の反射光に対し、画像表示面が白くみえたり(白化)、コントラストが低下する等の指摘がしばしばなされていた。画像表示面の白化は、色の再現性、特に黒色再現性や、コントラストを低下させるため、美しい静止画や動画を表示することが要求されるテレビ用ディスプレイにとって問題となる。
また、防眩性積層体が、ノートパソコン等の液晶ディスプレイの表面に使用された場合、ディスプレイ内部におけるバックライト背面からの透過光が、パネル最表面に形成された防眩性積層体の凹凸形状面を透過するとき、その凹凸形状が微細なレンズの役割をして、表示される画素等を乱してしまう状態「ギラツキ」が生じ易く、防眩性積層体自体の効果を発揮し難い場合があった。特に、パネル解像度の高精細化に伴い、この「ギラツキ」は生じやすく、これを有効に防止することが必要とされている。
この「ギラツキ」を解消する方法として、防眩層の表面凹凸を微細かつ緻密にしたり、または、防眩層を形成する樹脂と屈折率差のある散乱粒子を添加することにより防眩性積層体に内部散乱効果を付与する等の手法が用いられていた。しかし、このような手段によれば、「ギラツキ」を有効に解消することができたものの、上述のような凹凸が微細化したことによる表面の白化、又は内部散乱効果による白濁等により、黒色再現性及びコントラストが低下し、画像視認性が低下する場合があった。
反対に、鏡面反射防止積層体から防眩層を無くして平滑な表面にすると、艶黒感は達成することができるものの、映り込みを防止することができない。
従って、現在、外光の反射や像の映り込みを有効に防止するだけでなく、黒色再現性、とりわけ艶黒感を達成し、特に、娯楽性が高い画像表示が求められ、かつ、設置場所が固定されることが多いので選択する自由度が狭いという制約があるテレビジョン用途に適した鏡面反射防止積層体の開発が切望されている。
また、プラズマディスプレイ前面より放射される波長800〜1,100nmの近赤外線(以下、NIRとも呼称する)は他のVTRなどの機器を誤作動させるので、前面フィルタに近赤外線吸収機能を付与して、遮蔽する必要がある。また、プラズマディスプレイ前面より放射される波長550〜640nmネオン光や、各種画像表示装置から発生する特定波長の不要な光を遮蔽する機能が前面フィルタに求められる場合がある。
これらの機能の他、プラズマディスプレイパネル(以下PDPとも言う)においては、プラズマ放電を利用しており、周波数帯域が30MHz〜1GHzの不要な電磁波が発生するので、他の機器(例えば情報処理装置等)へ弊害を与えないようにするため、ディスプレイの前面には、通常、前面板として導電性メッシュシート等の透明導電体シートを設けて、この不要な電磁波が極力外部に漏れないようにしている。
上記複数の機能をできるだけ少ない層構成で実現するために、電磁波遮蔽用シートと、近赤外線吸収層、鏡面反射防止層、防眩層等の複数の光学機能層とを積層して、画像表示装置から発生する不要な電磁波及び特定波長の光を遮蔽し、且つ画像表示装置に必要とされる各種機能を付与することができる板状の複合フィルタをプラズマディスプレイパネルの前面板として用いることが検討されている(特許文献2)。
特開2004−341070号公報 特開2002−311843号公報
従来、LCDから成るパソコン用ディスプレイに用いられてきた凹凸形状を有する防眩層をそのままプラズマディスプレイ用前面フィルタに適用すると、入射する外光が防眩層表面の微細な凹凸形状によりあらゆる方向に反射(拡散反射)して観察者の目に届くため、本来の黒画像が白化して、再現されにくいという問題、及び明所での画像コントラストが不十分であるという問題があった。これは、LCDの場合、防眩層は画像からの透過光の光拡散性を付与する設計となっていて、外光の反射光の光拡散性のことは考慮されていないからである。すなわち、LCDでは、入射する外光の何割かは偏光板で吸収されると共に、画素による反射も少なく、元来黒画像の白化が比較的生じ難いため、むしろ液晶画像特有の画像のギラツキを緩和する為には画像からの透過光の光拡散性を付与する必要がある。一方、プラズマディスプレイでは、偏光板による外光吸収効果はなく、加えて蛍光体表面による外光反射性が有る為、液晶ディスプレイに比べてディスプレイ自体、明所でのコントラストが低く、又黒画像が白化し易い傾向にある。しかも従来の防眩層では、透過光と反射光を共に拡散することになる為、このようなLCD用の防眩層をPDP用途に転用すると防眩性は良好でも、黒画像の白化、明室コントラストの低下が生じる。しかし、光拡散性を少なくすると、黒画像の白化及び明所コントラスト低下は向上するが、外光の鏡面反射は強くなり、今度は、防眩性が低下する。
本発明は、プラズマディスプレイ用前面フィルタであって、黒色再現性、とりわけ白化の無い艶黒感を達成し、且つ明所での画像コントラストも向上しながら、同時に映り込みを有効に防止することが可能な防眩機能と、プラズマディスプレイに必要とされる光吸収機能、電磁波遮蔽機能、及び/又は接着(粘着)機能を付与するための機能とを併せ持つ、プラズマディスプレイ用前面フィルタを提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、防眩層が特定の凹凸形状を有する場合に、従来両立が困難であった、艶黒感及び明所での高い画像コントラストを達成しながら、映り込みを有効に防止して十分な防眩性を発現することが可能であるという知見を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係るプラズマディスプレイ用前面フィルタは、最表面に凹凸形状を有する防眩層、ポリエステルフィルム、及び機能層を含んでなり、当該防眩層を観察者側の表面に配置してなるプラズマディスプレイ用前面フィルタであって、
前記防眩層の凹凸の平均間隔をSmとし、凹凸部の平均傾斜角をθaとし、凹凸の十点平均粗さをRzとした場合に、
Smが72μm以上250μm以下であり、
θaが0.3度以上0.98度以下であり、
Rzが0.3μm以上1.0μm以下であり、
前記防眩層が、透光性微粒子を添加した樹脂からなる凹凸層と、当該凹凸層の観察者側に配置された表面形状調整層を含む2層以上からなる積層構造を有し、当該表面形状調整層が、当該凹凸層の表面の凹凸のSmは変えずにθa及び/又はRzを低減していることを特徴とする。
防眩層の最表面の形状が上記条件を満たしている場合、従来用いられてきた防眩層にくらべて、表面の凹凸形状が、滑らか、かつ緩やかであり、かかる凹凸形状の前面フィルタに入射した外光の鏡面反射成分は、正反射角近傍に適度に拡散反射するため、必要な防眩性を有しつつ、該防眩層を、ほぼその法線方向に透過する画像光についての拡散性は極小化できる為、従来の前面フィルタでは実現することが困難であった黒色再現性、特に艶黒感を顕著に改善し、且つ明所での画像コントラスト及び防眩性を向上することができる。
また、基材としてポリエステルフィルムを用いているため、LCD用途として一般に使用されているセルローストリアセテート(TAC)フィルムに比べて耐熱性が高く、また、機械的強度が高く加工性の点において優れる。このため、本発明における前面フィルタはPDP用途の前面フィルタとして好ましく用いることができる。また、ポリエステルフィルムは、TACフィルムに比べて剛性及び平滑性が高い為、同じ防眩層を形成した場合でも鉛筆硬度を高くすることができ、表面の耐擦傷性の高いプラズマディスプレイ用前面フィルタを得ることが容易である。さらに、PDPはLCDと違い、基材に光学等方性は必要なく、2軸延伸したポリエステルフィルムを使用することができる。
本発明のプラズマディスプレイ用前面フィルタにおいては、前記防眩層が、透光性微粒子を添加した樹脂からなる凹凸層を含有するため、凹凸の上記Sm、θa、及びRzを制御し易く、本発明で特定した防眩層の凹凸の形状を達成しやすい
本発明のプラズマディスプレイ用前面フィルタは、前記防眩層が凹凸層と、当該凹凸層の観察者側に配置された表面形状調整層を含む、2層以上からなる積層構造を有する。
表面形状調整層が観察者側に存在するため、前記凹凸層が本発明の防眩層の凹凸形状と異なる、例えば微細化された凹凸形状である場合や、大きな凹凸差を有する場合も、防眩層の観察者側の表面を、なめらかで緩やかな所望の凹凸形状にし、かつ、様々な機能を前面フィルタに付与することが可能となる。
本発明のプラズマディスプレイ用前面フィルタにおいては、前記防眩層が、透光性微粒子を添加した樹脂からなる凹凸層と、当該凹凸層の観察者側に配置された表面形状調整層を含む2層以上からなる積層構造を有し、当該表面形状調整層が、当該凹凸層の表面の凹凸のSmは変えずにθa及び/又はRzを低減している。
透光性微粒子を添加した樹脂からなる凹凸層と、当該凹凸層の観察者側に配置された表面形状調整層を組み合わせ、当該表面形状調整層が当該凹凸層の表面の凹凸のSmは変えずにθa及び/又はRzを低減しているため、Smと同時に最適化が困難なθa、及びRzを本発明の特定の範囲内になるように制御し易く、特に本発明で特定した防眩層の凹凸の形状を達成しやすい。
本発明のプラズマディスプレイ用前面フィルタにおいては、前記防眩層が凹凸層と、当該凹凸層の観察者側の最表面に配置された低屈折率層を含む、2層以上からなる積層構造を有していても良い。
表面形状調整層が低屈折率層を兼ねることにより、防眩層に反射防止性能を付与してもよい。或いは、前記表面形状調整層の上に、低屈折率層を含む2層以上からなる積層構造を有していてもよい。このような積層構造により、上記防眩性に加えて、更に多層膜での光の干渉効果によって、あらゆる反射角度にわたって光の反射率の低減効果を付与できる。尚、この低屈折率層は、当該層の下地となる凹凸層又は表面形状調整層の表面の凹凸形状に追随した形状を有しており、表面の凹凸形状は下地となる前記したどちらかの層の表面と同等の凹凸形状となり、本発明で規定した表面の凹凸形状をもつ。
また、前記表面形状調整層は、帯電防止剤、屈折率調整剤、防汚染剤、硬度調整剤からなる群から選択される一種または二種以上の機能付加成分を含有していてもよい。
前記防眩層の層厚が、5μm以上25μm以下であることが、硬度、耐擦傷性などの物性面が良好であり、生産性も良好である点から好ましい。
前記ポリエステルフィルムの厚みは、20〜250μmであることが、巻き取り性、加工性の点から好ましい。
本発明のプラズマディスプレイ用前面フィルタにおいては、前記機能層として、少なくとも透明導電体層を有することが、プラズマディスプレイの前面からの電磁波漏洩などを有効に阻止することができる点から好ましい。
本発明のプラズマディスプレイ用前面フィルタにおいては、前記透明導電体層が、金属メッシュ状導電体層と、その観察者側に形成された黒化層とからなるか、或いは前記透明導電体層が、樹脂バインダー中に導電体粒子と黒色顔料とを分散した黒色の導電性インキから形成されたメッシュ状導電体層からなることが、前記防眩層との組み合わせで、更に明所での画像コントラストを向上させる相乗効果がある点で好ましい。
本発明に係るプラズマディスプレイは、プラズマディスプレイパネルの表示面に、上記プラズマディスプレイ用前面フィルタを備えてなることを特徴とする。
本発明に係るプラズマディスプレイは、艶黒感と明所コントラスト向上とを達成しながら、同時に映り込みを有効に防止し、また、上記本発明に係る前面フィルタが有する機能によりプラズマディスプレイの前面からの電磁波漏洩などを有効に阻止することができる。
本発明によれば、プラズマディスプレイ用前面フィルタの、防眩層の最表面を、特定条件を満たす形状とすることにより、艶黒感及び明所での画像コントラスト向上を達成しながら、同時に映り込みを有効に防止し、更に、プラズマディスプレイに必要とされる各種機能を付与する機能層を併せ持つプラズマディスプレイ用前面フィルタを提供することが可能となる。
本発明のプラズマディスプレイ用前面フィルタは、娯楽性の高い画像表示を表示する際に、視認性に優れ、且つ、明るい外光の下でも白化の無い深い艶黒感及び高い画像コントラストを達成でき、画像表示装置の設置場所を制約しないので、特に動画再生やフルカラー画像といった娯楽性の高い画像の表示に用いる、設置場所が固定されるテレビジョン用途やテレビジョンとOA用途を兼ねたプラズマディスプレイ用前面フィルタとして適している。
本発明に係るプラズマディスプレイ用前面フィルタ(以下、単に前面フィルタと称呼する場合がある。)は、最表面に凹凸形状を有する防眩層、ポリエステルフィルム、及び機能層を含んでなり、当該防眩層を観察者側の表面に配置してなるプラズマディスプレイ用前面フィルタであって、
前記防眩層の凹凸の平均間隔をSmとし、凹凸部の平均傾斜角をθaとし、凹凸の十点平均粗さをRzとした場合に、
Smが60μm以上250μm以下であり、
θaが0.3度以上1.0度以下であり、
Rzが0.3μm以上1.0μm以下であることを特徴とする。
本発明の防眩層の凹凸形状においては、前記Sm、θa、及びRzは、上記範囲内で、要求される艶黒感、明所での画像コントラスト、映り込み防止の点から、適宜組み合わせて設定されれば良い。これらのバランスの点から、好ましくは、Smが110μm以上200μm以下であり、θaが0.5度以上0.8度以下であり、Rzが0.5μm以上0.8μm以下である。
従来、PC(パーソナルコンピュータ)用途の画像表示装置の前面に設けられてきた、防眩層を有する前面フィルタは、当該防眩層表面の微細な凹凸形状が、当該前面フィルタに入射する外光の鏡面反射(正反射ともいう。以下適宜両呼称を使い分ける)による強い光の映り込みを防ぎ、あらゆる方向に弱く反射(拡散反射)させるため、防眩性は十分であるが、一方で、観測者の目に入射する当該拡散反射光が、画像表示装置から発生する表示光の再現性を損なわせ、特に本来の濡れたような黒色(艶黒感)が再現されにくいという欠点があった。
防眩層の最表面の形状が上記条件を満たしている場合、従来用いられてきた防眩層にくらべて、表面はなめらかで緩やかな凹凸形状であり、かかる凹凸形状が前面フィルタに入射した外光は正反射角近傍に適度に拡散反射し、且つ該防眩層の法線方向に透過する画像光の拡散は極小化するため、必要な防眩性を有しつつ、従来の前面フィルタでは実現することが困難であった黒色再現性、特に艶黒感を顕著に改善することができる。
また、基材としてポリエステルフィルムを用いているため、LCD用途として一般に使用されているセルローストリアセテート(TAC)フィルムに比べて耐熱性が高く、また、機械的い強度が高いため加工性の点において優れるため、PDP用途の前面フィルタとして好ましく用いることができる。また、TACフィルムに比べて剛性と平滑性が高い為、同じ防眩層を形成した場合でも鉛筆硬度を高くすることができ、表面の耐擦傷性の高いプラズマディスプレイ用前面フィルタを得ることが容易である。さらに、PDPはLCDと違い、基材に光学等方性は必要なく、2軸延伸したポリエステルフィルムを使用することができる。
なお、本発明において、本来の濡れたような黒色とは、明室(明所の中でも特に室内をいう)環境下において、外光の正反射光及び拡散反射光が観測者の目に届かない状態で、画像表示装置に黒色表示させたときに、濡れたような艶のある黒色を示すことを意味し、このような黒色を艶黒感と称している。
艶黒感は明室環境下で黒色表示したパネルを想定した黒のアクリル板表面に、本発明品を貼り合わせ、目視観測することにより評価する。具体的には、黒色アクリル板102に、例えば、日立化成工業(株)製、商品名「DA−1000」などの光学フィルム用のアクリル系粘着剤などの透明粘着剤で本発明の前面フィルタ101を貼りあわせた測定サンプル100を水平面に置き、測定サンプル100、評価者103、及び三波長線管(30W)104を図17に示すような位置関係で配置し、三波長線管104を点灯させた状態で目視官能評価を行い、艶のある黒色を再現することができるか否かにより良否を判定する。
また、本発明において映り込み防止性能(防眩性)は、以下のような方法で評価する。図18は、本発明に係るプラズマディスプレイ用前面フィルタの、映り込み防止性能の測定法を模式的に示したものである。前面フィルタ101の表示装置側に、黒色アクリル板102を、光学フィルム用アクリル系粘着剤(日立化成工業(株)社製、商品名「DA−1000」)を介して貼り合わせた評価用サンプル100を、冶具105に備え付ける。また、幅20mmの白黒ストライプ板106を用意する。評価用サンプル100、評価者103、及び白黒ストライプ板106を図18に示すような位置関係で配置し、更に、室内の天井の任意の位置に、任意の数だけ設けられた三波長線管104との位置関係を調整して、サンプル面の照度が250lxで、ストライプの輝度(白)が65cd/mとなるようにする。この状態で観察者がサンプルを見たときに、映り込んだストライプが認識できるか否かにより、良否を判定する。
尚、本明細書、実施例において使用するRz、Sm、θa、Yは下記の通り定義される。
≪凹凸の平均間隔Sm(μm)、平均傾斜角θa、10点平均粗さ(Rz)≫
本発明による光学積層体を構成する防眩層は凹凸形状を有する。Sm(μm)とは、この防眩層の凹凸の平均間隔を表し、θa(度)は凹凸部の平均傾斜角を表し、(Rz)は、10点平均粗さを表し、これはほぼ凹凸の頂上と谷底との間の高低差の平均値に相当する。これらの用語の定義は、JIS B0601 1994に準拠し、表面粗さ測定器(型番:SE−3400/小坂研究所製)の取り扱い説明書(1995,07,20改訂)にも記載されている。θa(度)は角度単位であり、傾斜を縦横比率で表したものがΔaである場合、Δa=tanθa=(各凹凸の極小部と極大部の差(各凸部の高さに相当)の総和/基準長さ)で求められる。ここで、「基準長さ」とは、下記の測定条件:と同じで、SE-3400で実際に触針測定する測定長さ(カットオフ値λc)であり、本発明では0.8mmを使用している。
本発明では、SE−3400/小坂研究所製にて、以下の条件で測定を実施した。
1)表面粗さ検出部の触針:
型番/SE2555N(2μm標準)(株)小坂研究所製
(先端曲率半径2μm/頂角:90度/材質:ダイヤモンド)
2)表面粗さ測定器の測定条件:
基準長さ(粗さ曲線のカットオフ値λc):0.8mm
評価長さ(基準長さ(カットオフ値λc)×5):4.0mm
触針の送り速さ:0.1mm/s
≪反射Y値≫
本発明において、反射Y値はJIS Z8722で定義されるものであり、島津製作所製 MPC3100分光光度計にて、5°正反射率を380〜780nmまでの波長範囲で測定し、その後、人間が目で感じる明度として換算するソフト(MPC3100内蔵)で算出される、視感反射率を示す値である。なお、5°正反射率を測定する場合には、光学積層体であるフィルムの裏面反射を防止するため、測定膜面とは逆側に、黒テープ(寺岡製)を貼って測定する。
(層構成)
以下、本発明に係るプラズマディスプレイ用前面フィルタの層構成について説明する。
図1は本発明に係るプラズマディスプレイ用前面フィルタの基本的な層構成の一例の断面図である。防眩層1は、ポリエステルフィルム2の観察者側の表面に配置され、機能層3は、ポリエステルフィルム2の表示装置側に配置されている。
尚、本発明において観察者側とは、本発明に係る前面フィルタをプラズマディスプレイに配置する際に、観察者に向ける面を意味する。また、本発明において、表示装置側とは、本発明に係る前面フィルタをプラズマディスプレイに配置する際に、プラズマディスプレイ本体に向ける面を意味する。
図2及び図3は本発明に係るプラズマディスプレイ用前面フィルタの層構成の他の一例の断面図である。ポリエステルフィルム2のいずれかの面に防眩層1及び機能層として透明導電体層4が設けられている。防眩層1は、必ず観察者側の表面に配置されるが、透明導電体層4は、図2のようにポリエステルフィルム2のプラズマディスプレイ側の表面に配置されても、図3のように防眩層1とポリエステルフィルム2の間であると同時に観察者側に配置されてもよい。
尚、図2、及び図3における透明導電体層4の構成の具体例としては、例えば、ポリエステルフィルム上に接着した金属箔をメッシュ状にエッチング(腐食)したもの、ポリエステルフィルム上に導電性インキをメッシュ状のパターンに印刷したもの等が挙げられ、各種材料、製造方法による透明導電体層を適用することができる。
防眩層1は、少なくとも凹凸層を有する。本発明において、凹凸層とは、防眩層の最表面に特定の凹凸形状を形成することを目的とする、凹凸形状を有する層である。防眩層が1層からなる場合、防眩層は凹凸層そのものであり、最表面に上記特定の凹凸形状を有する。一方、防眩層が2層以上からなる場合、防眩層の最表面の凹凸形状が上記特定の凹凸形状の範囲内であれば、凹凸層は必ずしも上記特定の凹凸の形状を有していなくてもよい。
本発明のプラズマディスプレイ用前面フィルタは、画像表示装置に必要とされる各種機能を付与することができる点から、図4に示すように前記防眩層が、2層以上からなり、当該防眩層が凹凸層11の観察者側に表面形状調整層12を有する積層構造としてもよい。凹凸層の上に表面形状調整層を形成することにより、前記凹凸層が本発明の防眩層の凹凸形状と異なる、例えば微細化された凹凸形状である場合や、大きすぎる凹凸差を有する場合も、なめらかで緩やかな所望の凹凸形状にし、かつ、様々な機能を前面フィルタに付与することが可能となる。
表面形状調整層は、帯電防止剤、屈折率調整剤、防汚染剤、撥水剤、撥油剤、指紋付着防止剤、高硬化剤、及び硬度調整剤からなる群から選択される1種または2種以上を含有していてもよい。
また、映り込み抑制、艶黒感、及び明室コントラスト向上効果をより高めるためには、防眩層中に後述する調色色素を含有させ、前面フィルタの最前面において、画像光を観察するのに邪魔になる外光を吸収することが好ましい。その場合はより表面に近い層、例えば表面形状調整層に調色色素を含有させることが好ましい。
表面形状調整層が低屈折率層を兼ねることにより、防眩層に反射防止性能を付与してもよい。また、図5に示すように、前記防眩層1が3層以上からなり、表面形状調整層12とは別に観察者側に更に低屈折率層13を有していてもよい。この低屈折率層は、当該層の下地となる表面形状調整層の表面の凹凸形状に追随した形状を有しており、表面の凹凸形状は下地となる層の表面と同等の凹凸形状となる。また、低屈折率層の他、任意の層が観察者側に存在してもよいが、防眩層のうち最表面の層は、上記本発明で特定した凹凸形状を有しているものとする。尚、低屈折率層は、当該低屈折率層を積層する表示装置側の層の屈折率よりも低い屈折率を有している。
機能層は、近赤外線吸収機能、ネオン光吸収機能、調色機能、及び紫外線吸収機能等の光学的機能、特に光学フィルタ機能、並びに電磁波遮蔽機能、接着(粘着)機能、及び耐衝撃機能等の其の他機能のいずれか1種又は2種以上の機能を有する層である。機能層は、1層又は2層以上からなり、1層の機能層が2種以上の機能を兼ね備えていても良い。
本発明の前面フィルタにおいて、必須成分であるポリエステルフィルム2は、少なくとも前記防眩層1の支持基材として機能している。本発明の前面フィルタは、機能層が2層以上配置される場合や、電磁波遮蔽シートを積層する場合には、上記ポリエステルフィルムのほかに、当該ポリエステルフィルムの観察者側に、支持基材として任意の光透過性基材を含んでいてもよい。
光透過性基材は、平滑性、耐熱性を備え、機械的強度に優れたものが好ましく、樹脂基材のほか、無機基材であっても良い。樹脂基材の具体例としては、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルホン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、またはポリウレタン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。その他に、脂環構造を有した非晶質オレフィンポリマー(Cyclo-Olefin-Polymer:COP)フィルムもあり、これは、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体、環状共役ジエン系重合体、ビニル脂環式炭化水素系重合体樹脂などが用いられる基材である。
無機基材としては、ソーダ硝子、カリ硝子、硼珪酸硝子、石英硝子等のガラス基材、PLZT等のセラミックス等が用いられる基材である。
これら基材の厚みは、例えば、樹脂基材の場合は20μm〜5000μm程度、無機基材の場合は500μm〜5000μm程度であり、所謂フィルム、シート、及び板の領域のものが適宜選択できる。
尚、これらの中でも、プラズマディスプレイ用前面フィルタの基材としては、透明性、機械的強度、耐熱性、寸法安定性、塗工、積層、切断等の加工適性、薄膜とした場合の可撓性、及び価格等の点から、ポリエステル樹脂、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。長尺帯状の薄膜(フィルム乃至はシート)として加工する場合は、2軸延伸フィルムとして用いることが好ましい。
また、本発明の前面フィルタは、上記各層間及び/又は表示装置側の面(最裏面)の任意の位置に接着剤層(粘着剤層)を配置してもよい。また、当該接着剤層に、上記近赤外線吸収機能、ネオン光吸収機能、調色機能、紫外線吸収機能、のうちいずれか1種又は2種以上の機能を付与してもよい。
本発明に係る前面フィルタは、必要に応じて表示装置側の面(最裏面)に、画像表示装置を物理的衝撃から保護するための耐衝撃層を配置することができる。耐衝撃層が必要になるのは、画像表示装置に直接貼り合わせて当該前面フィルタを配置する態様の場合である。耐衝撃層に粘着性を有する材料を用いる場合、当該耐衝撃層は、画像表示装置の前面に貼り合わせるための粘着剤層としても機能する。更に、耐衝撃層に、上記近赤外線吸収機能、ネオン光吸収機能、調色機能、紫外線吸収機能のうちいずれか1種又は2種以上の機能を付与してもよい。
一方、画像表示装置の前面に空隙を設けた状態で当該前面フィルタを固定することにより配置する場合、耐衝撃層は不要である。
図6〜図15は、本発明の前面フィルタの典型的な実施形態の断面を模式的に示したものである。これら図に於いて、説明の便宜上、縮尺比は実物に対して適宜可変、誇張してある。又、色素分子は元来目視不能であるが、象徴的記号で可視化した。図6〜図9に示す前面フィルタは画像表示装置に対し直接貼り合わせて用いるか、又は電磁波遮蔽機能等、別の機能を有する別の光学積層体に対して貼り合わせて積層一体化させたものを画像表示装置の前面に配置して用いるものである。図6に示す前面フィルタは、観察者側から、防眩層1、ポリエチレンテレフタレート(PETとも略称))フィルム2、UV吸収剤24入り耐衝撃層(粘着剤層)16の順に配置されてなる。図7に示す前面フィルタは、観察者側から、防眩層1、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム2、近赤外線吸収剤21入り粘着剤層(耐衝撃層)16の順に配置されてなる。図8に示す前面フィルタは、観察者側から防眩層1、PETフィルム2a、UV吸収剤24入り粘着剤層15a、近赤外線吸収色素21入り近赤外線吸収層20、PETフィルム2b、接着剤層15b、透明導電体層4(黒化層18、銅メッシュ層19)、プライマー層14、PETフィルム2c、ネオン光吸収色素22・調色色素23入り耐衝撃層(粘着剤層)16の順に配置されてなる。
また、図9に示す前面フィルタは、観察者側から防眩層1、ポリエステル系プライマー層14、UV吸収剤24入りPETフィルム2、接着剤層15、透明導電体層4(黒化層18、銅メッシュ層19)、近赤外線吸収色素21・ネオン光吸収色素22・調色色素23入り耐衝撃層(粘着剤層)16の順に配置されてなる。
図6〜図9に示す前面フィルタは、粘着剤層に複数の機能を付与することにより前面フィルタの層数が減少し、製造工程数及び材料が少なくなるため、安価に製造することができる点から好ましい。
また、図10、図11に示す前面フィルタは、別の光学積層体に対して貼り合わせて積層一体化させたものを画像表示装置の前面に配置して用いるか、又は画像表示装置の前面に空隙を設けた状態で当該前面フィルタを固定することにより配置して用いるものである。
図10に示す前面フィルタは、観察者側から防眩層1、UV吸収剤24入りPETフィルム2、近赤外線吸収色素21・ネオン光吸収色素22入りフィルタ層32の順に配置されてなる。
図11に示す前面フィルタは、観察者側から、防眩層1、PETフィルム2a、粘着剤層15a、ガラス板30、接着剤層15b、UV吸収剤24入りPETフィルム2b、接着剤層14、透明導電体層4(黒化層18、銅メッシュ層19)、近赤外線吸収色素21・ネオン光吸収色素22・調色色素23入りフィルタ層31の順に配置されてなる。
上記層構成を有する前面フィルタは、1層に複数の機能を付与することにより前面フィルタの層数が減少し、製造工程数及び材料が少なくなるため、安価に製造することができる点から好ましい。
また、図12〜図15に示す前面フィルタは、画像表示装置の前面に空隙を設けた状態で当該前面フィルタを固定することにより配置して用いるフィルタか、又は、画像表示装置の前面ガラス基板に前面フィルタを直接貼り合わせた態様を示している。すなわち、図12〜図15において、ガラス板30は、前面フィルタ自身の基板であっても良いし、画像表示装置の前面ガラス基板であってもよい。
図12に示す前面フィルタは、観察者側から、防眩層1、PETフィルム2a、ネオン光吸収色素22・調色色素23入り粘着剤層15a、PETフィルム2b、透明導電体層4(黒化層18、銅メッシュ層19)、近赤外線吸収色素21入り粘着剤層15b、ガラス板30の順に配置されてなる。
図13に示す前面フィルタは、観察者側から、防眩層1、PETフィルム2、透明導電体層4(黒化層18、銅メッシュ層19)、近赤外線吸収色素21・ネオン光吸収色素22・調色色素23入り粘着剤層16、ガラス板30の順に配置されてなる。
図14に示す前面フィルタは、観察者側から、防眩層1、PETフィルム2、透明導電体層4(黒化層18、銅メッシュ層19)、近赤外線吸収色素21・ネオン光吸収色素22・調色色素23・UV吸収剤24入り粘着剤層16、ガラス板30の順に配置されてなる。
図15に示す前面フィルタは、観察者側から、防眩層1、PETフィルム2a、ネオン光吸収色素22入りフィルタ層33、粘着剤層16a、透明導電体層4(黒化層18、銅メッシュ層19)、接着剤層15(尚、この接着剤層は省略も可)、PETフィルム2b、近赤外線吸収色素21入り粘着剤層16b、ガラス板30の順に配置されてなる。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、上記各層について詳細に説明する。
<ポリエステルフィルム>
本発明の前面フィルタに必須の層であるポリエステルフィルムは、支持基材として用いられる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムの他、エチレグリコール−テレフタル酸−イソフタル酸共重合体、テレフタル酸−エチレングリコール−1,4シクロヘキサンジメタノール共重合体、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアリレート等のポリエステルからなるフィルム等が挙げられる。
ポリエステルフィルムは、光透過性、平滑性を備え、液晶ディスプレイの基材として通常用いられるセルローストリアセテートに比べて耐熱性が高く、また、機械的強度、寸法安定性が高いため加工性に優れている。さらに、PDPはLCDと違い、基材に光学等方性は必要なく、2軸延伸したポリエステルフィルムを使用することができる。
ポリエステルフィルムの厚さは、巻取り性、加工性の点から20μm以上1000μm以下、好ましくは、20μm以上250μm以下、特に好ましくは30μm以上200μm以下である。
ポリエステルフィルムは通常、上記のような柔軟性に富んだ薄膜として使用することが好ましい。しかしながら、剛性が要求される使用態様、例えば、本発明の前面フィルタをPDPの前面に空隙を設けて配置する態様において、剛性を有する板状体として使用することも可能である。このような板状体の場合には、上記厚さの範囲を越える厚さであってもよく、1〜5mm程度のものが用いられても良い。
また、ポリエステルフィルムを長尺帯状の薄膜(フィルム乃至はシート)として加工する場合は、2軸延伸フィルムとして用いることが好ましい。
ポリエステルフィルムは、その上に防眩層を形成するのに際して、接着性向上のために、コロナ放電処理、酸化処理等の物理的な処理のほか、アンカー剤もしくはプライマーと呼ばれる塗料の塗布を予め行なってもよい。
また、本発明の前面フィルタが表示装置側に近赤外線吸収層を含む場合や、本発明の前面フィルタを近赤外線吸収層を含む積層体に貼り合わせて、前面板として用いる場合には、近赤外線吸収層に含まれる近赤外線吸収色素を保護するため、ポリエステルフィルムに、紫外線吸収剤を含有させることができる。紫外線吸収剤は、後述の紫外線吸収層の説明において挙げられているものを用いることができる。
<防眩層>
防眩層は本発明の前面フィルタに必須の層であり、観察者側の表面に設けられる。防眩層は1層又は2層以上からなり、少なくとも凹凸層を有する。その最表面は上記特定の凹凸形状を有する。
〔凹凸層〕
凹凸層は、ポリエステルフィルムや当該基材に積層した任意の層上に形成する。凹凸層を形成する方法の例としては、上記基材等の表面に、1)樹脂に透光性微粒子を添加した凹凸層用組成物を用いて凹凸層を形成する方法、2)透光性微粒子を添加しないで、樹脂等のみを含んだ凹凸層用組成物を用いて凹凸層を形成する方法、3)塗膜に凹凸形状を賦型して凹凸層を形成する方法等が挙げられる。
また、本発明にあっては、上記基材等の表面に、予め調製しておいた凹凸層を積層してもよい。この場合、上記1)〜3)の方法によって別途調製された凹凸層であってよい。
凹凸層用組成物を付与して凹凸層を形成する場合には、凹凸層用組成物をゲル分率で30%以上80%以下となる照射条件で硬化させることが、凹凸層と表面形状調整層との密着性と、耐擦傷性がよい点から好ましい。上記ゲル分率は、好ましくは下限が35%以上であり、より好ましくは40%以上であり、好ましくは上限が70%以下であり、より好ましくは60%以下である。
尚、ゲル分率は、例えば、該組成物が紫外線硬化性樹脂の場合には、以下の方法により求めることができる。まず、サンプルとして、凹凸層用組成物の成分のうち、モノマー、オリゴマー、ポリマー、その他添加剤など、透光性微粒子以外の成分を含むインキを作製し、厚さ50μmPET基材上に、5μmの膜厚に塗工し、10〜100mJの範囲で10mJ間隔でUV照射条件を変えて照射したサンプルを各々作製する。次に、当該サンプルを10cm角に切り、n数を三点取り、重さAを測定する。次に、モノマーが溶解すると考えられる溶剤(アセトン、メチルエチルケトン、酢酸メチル、トルエン、及びその混合溶媒など。アクリレート系組成物の場合、代表的にはアセトン、メチルエチルケトン。)に12時間以上浸漬し、溶剤から各サンプルを取り出して、オーブンで十分乾燥(60℃×2分)し、乾燥したサンプルの重さBを測定する。次に、溶剤に浸漬前の重さAと、乾燥したサンプルBとの差をとり、この値をCとする。最後に、下記式を用いて各照射量毎のゲル分率(%)を算出する。
「ゲル分率(%)」=100−C/A
1)樹脂に透光性微粒子を添加した凹凸層用組成物を用いて形成される凹凸層
本発明の前面フィルタの一実施形態として、凹凸層が、前記光透過性基材又は透明導電体層の観察者側の表面に、樹脂に透光性微粒子を添加した凹凸層用組成物を塗工して凹凸層を形成する方法によって形成されたものである前面フィルタを挙げることができる。防眩層が、透光性微粒子を添加した樹脂からなる凹凸層を含有することは、凹凸の上記Sm、θa、及びRzを制御し易く、本発明で特定した防眩層の凹凸の形状を達成しやすい点から好ましい。
(透光性微粒子)
透光性微粒子は、目的に応じ、1種類だけでなく、成分が異なるもの、形状が異なるもの、粒度分布が異なるものなどを2種類以上混合して用いることができる。好ましくは、1〜3種類用いるのがよい。但し、凹凸を形成する以外の目的のために、更に多種の粒子を用いることもできる。
本発明に用いられる1種又は2種以上の透光性微粒子は、球状、例えば真球状、回転楕円体状等のものであってよく、真球状であることがより好ましい。1種又は2種以上の透光性微粒子の各平均粒子径(μm)は、0.5μm以上20μm以下であることが好ましく、0.5μm以上10.0μm以下がより好ましい。0.5μm未満の場合、防眩層に添加すべき前記透光性微粒子の添加量を非常に多くしないと、十分な防眩性や光拡散効果が得にくくなる。また、粒径が20μmを超えるときは、防眩層の表面形状が粗くなり、面質を悪化させたり、表面へイズの上昇により白味が増してしまう恐れがある。なお、透光性微粒子の平均粒子径とは、含有される各々の粒子が、単分散型の粒子(形状が単一な粒子)であれば、その平均粒子径を表し、ブロードな粒度分布を持つ不定形型の粒子であれば、粒度分布測定により、最も多く存在する粒子の粒径を平均粒子径として表している。上記微粒子の粒径は、主に、コールターカウンター法により計測できる。また、この方法以外に、レーザー回折法、SEM写真撮影による測定によっても計測できる。また、上記透光性微粒子は、凝集粒子であってもよく、凝集粒子である場合は、二次粒子径が上記範囲内であることが好ましい。
上記各透光性微粒子は、透光性微粒子全体の80%以上(好ましくは90%以上)が、各平均粒子径±1.0(好ましくは0.3)μmの範囲内にあることが好ましい。これによって、防眩層の凹凸形状の均一性を良好なものとすることができる。但し、平均粒子径が3.5μm未満の微粒子を使用する場合には、上記の粒径分布範囲外になる微粒子、例えば2.5μmや1.5μmの不定形微粒子を使用してもよい。
上記各透光性微粒子は、特に限定されず、無機系、有機系のものが使用することができる。有機系材料により形成されてなる微粒子の具体例としては、プラスチックビーズを挙げることができる。プラスチックビーズを構成する材料としては、ポリスチレン、メラミン樹脂、アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン、シリコン樹脂等が挙げられる。上記プラスチックビーズは、その表面に疎水性基を有することが好ましく、例えば、スチレンビーズを挙げることができる。無機系微粒子を構成する材料としては、シリカ(不定形シリカ等)、アルミナ、炭酸カルシウム、硝子等を挙げることができる。 中でも代表的な材料としては、適当な屈折率を有する、ポリスチレン(屈折率1.60)、メラミン樹脂(屈折率1.57)、アクリル樹脂(屈折率1.50〜1.53)、アクリル−スチレン樹脂(屈折率1.54〜1.58)が挙げられる。
上記不定形シリカは、分散性が良好な粒径0 .5〜5μmのシリカビーズを使用することが好ましい。以下で詳述する防眩層形成用塗工液の粘度上昇を生じることなく上記不定形シリカの分散性を良好なものとするために、粒子表面に有機物処理を施して疎水化した不定形シリカを使用することが好ましい。上記有機物処理には、ビーズ表面に化合物を化学的に結合させる方法や、ビーズ表面とは化学的に結合させることなく、ビーズを形成する組成物に存在するボイドなどに浸透させるような物理的な方法があり、どちらを使用してもよい。一般的には、水酸基またはシラノール基等のシリカ表面の活性基を利用する化学的処理法が、処理効率の観点で好ましく用いられる。処理に使用する化合物としては、上述活性基と反応性の高いシラン系、シロキサン系、シラザン系材料などが用いられる。例えば、メチルトリクロロシラン等の、直鎖アルキル単置換シリコーン材料、分岐アルキル単置換シリコーン材料、或いはジ-n-ブチルジクロロシラン、エチルジメチルクロロシラン等の直鎖アルキル多置換シリコーン化合物や、分岐鎖アルキル多置換シリコーン化合物が挙げられる。同様に、直鎖アルキル基若しくは分岐アルキル基の単置換、多置換シロキサン材料、シラザン材料も有効に使用することができる。
必要機能に応じ、アルキル鎖の末端、乃至中間部位に、ヘテロ原子、不飽和結合基、環状結合基、芳香族官能基等を有するものを使用しても構わない。
これらの化合物は、含まれるアルキル基が疎水性を示すため、被処理材料表面を、親水性から疎水性に容易に変換することが可能となり、未処理では親和性の乏しい高分子材料とも、高い親和性を得ることができる。
本発明において2種類以上の透光性微粒子を混合して用いる場合には、第1の微粒子の平均粒子径をR1(μm)とし、第2の微粒子の平均粒子径をR2(μm)とした場合に、下記式(I):
0.25R1(好ましくは0.50R1)≦R2≦1.0R1(好ましくは0.75R1)(I)
を満たすものが好ましい。
2が0.25R1以上であることにより、塗布液の分散が容易となり、粒子が凝集することがない。また、塗布後の乾燥工程においてフローティング時の風の影響を受けることなく、均一な凹凸形状を形成することができる。この関係は、第2の微粒子に対する第3の微粒子にも成り立つ。第3の微粒子をR3とすると、
0.25R2≦R3≦1.0R2
を満たすものが好ましい。
互いに異なる成分からなる2種類以上の微粒子を混合して用いる場合には、当該2種類以上の微粒子は、上記のように平均粒子径が異なることも好ましいが、同じ平均粒子径であるものも好適に用いられる。
また、本発明の別の態様によれば、バインダと、第1の微粒子と、第2の微粒子との単位面積当りの総質量比が、第1の微粒子の単位面積当りの総質量をM、第2の微粒子の単位面積当りの総質量をM、バインダの単位面積当りの総質量をMとした場合に、下記の式(II)及び(III):
0.08≦(M+M)/M≦0.36 (II)
0≦M≦4.0M (III)
を満たすものが好ましい。
中でも、上記第2の微粒子の含有量は、上記第1の微粒子の含有量に対して、3〜100質量%であることが好ましい。また、3種類以上の微粒子を含む場合、第3の微粒子の含有量は、第2の微粒子の3〜100質量%であることが好ましい。第4の微粒子以降の粒子含有量も、この関係に従うのが好ましい。
前記透光性微粒子において、2種類以上の異なる屈折率を有する透光性微粒子を用い、それら透光性微粒子の混合を行なう場合には、透光性微粒子の屈折率は、各々の透光性微粒子の屈折率と使用比率とに応じた平均値として見なすことができ、透光性微粒子の混合比率調整により細かい屈折率設定が可能となり、1種類の場合よりも制御が容易となり、様々な設計が可能となる。
従って、本発明においては、前記透光性微粒子として2種類以上の異なる屈折率を有する透光性微粒子を用いても良い。この場合には、第1の透光性微粒子と第2の透光性微粒子との屈折率の差を0.03以上、0.10以下とすることが好ましい。前記透光性微粒子のうち、第1の透光性微粒子と第2の透光性微粒子との屈折率の差を0.03以上、0.10以下が好ましいとしたのは、屈折率差が0.03未満の場合は、両者の屈折率の差が小さすぎて、両者を混合しても屈折率の制御の自由度が小さく、又、屈折率差が0.10よりも大きい場合は、マトリクスとの屈折率差の大きい透光性微粒子により光拡散性が決定してしまうからである。なお、前記屈折率差は、0.04以上、0.09以下がより好ましく、0.05以上、0.08以下が特に好ましい。
前記防眩層に含有させる第1の透光性微粒子としては、特に透明度が高く、バインダとの屈折率差が前述のような数値になるものが好ましい。第1の透光性微粒子に用いられる有機微粒子としては、具体的には、アクリルビーズ(屈折率1.49〜1.53)、アクリル−スチレン共重合体ビーズ(屈折率1.55)、メラミンビーズ(屈折率1.57)、ポリカーボネートビーズ(屈折率1.57)等が挙げられる。無機微粒子としては、不定形シリカビーズ(屈折率1.45〜1.50)が挙げられる。
第2の透光性微粒子としては、有機微粒子が好適であり、特に透明度が高く、透光性樹脂との屈折率差が前述のような数値になるものを組み合わせて用いることが好ましい。
第2の透光性微粒子に用いられる有機微粒子としては、具体的にはスチレンビーズ(屈折率1.60)、ポリ塩化ビニルビーズ(屈折率1.60)、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合ビーズ(1.66)等が挙げられる。
また、前記透光性微粒子として2種類の異なる屈折率を有する透光性微粒子を用いる場合には、前述のように、第1の透光性微粒子の粒径>第2の透光性微粒子の粒径とすることも好ましいが、あえて2種類の微粒子の粒径を揃えることにより、第1の透光性微粒子と第2の透光性微粒子の比率を自由に選択し用いることもでき、このようにすることで、光拡散性の設計が容易になる。第1の透光性微粒子と第2の透光性微粒子との粒径を揃えるためには、単分散粒子が得やすい有機微粒子が、この点で好ましい。粒径にばらつきがないほど、防眩性や内部散乱特性にばらつきが少なくなり、防眩層の光学性能設計が容易になるので好ましい。単分散性を更に上げる手段として、風力分級、ろ過フィルタによる湿式ろ過分級が挙げられる。
凹凸層において、前記透光性微粒子の合計の含有量は、凹凸層の固形分全質量に対して、5質量%以上40質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、10質量%以上30質量%以下である。5質量%未満であると、十分な防眩性や内部散乱性が付与できず、40質量%を超えると、膜強度が落ち、防眩層にハードコート性を付与させることができないので好ましくない。
上記のような透光性微粒子を多く添加した場合には、樹脂組成物中で透光性微粒子が沈降し易いので、沈降防止のためにシリカ等の無機フィラーを添加してもよい。なお、無機フィラーは添加量が増す程、透光性微粒子の沈降防止に有効であるが、粒径や使用量によっては、塗膜の透明性に悪影響を与える。従って、好ましくは、粒径0.5μm以下の無機フィラーを、バインダに対して塗膜の透明性を損なわない程度に含有させるとよい。
また、凹凸層には、屈折率の調整を目的として、無機フィラーを含有させても良い。すなわち、バインダと前記透光性微粒子の屈折率差を適切に大きくできない場合に、透光性微粒子が拡散している、透光性微粒子を除外した部分の防眩層のマトリクスの屈折率を調節するために、バインダ中に適宜無機フィラーを加えても良い。この場合に用いられる無機フィラーは、粒径が光の波長よりも十分小さいために散乱が生じず、バインダに該無機フィラーが分散した分散体は光学的に均一な物質として振舞うようなものが好ましい。
本発明の凹凸層のバインダ、透光性微粒子および無機フィラーの混合物のバルクの屈折率、すなわち、凹凸層の屈折率は、1.48〜2.00であることが好ましく、より好ましくは1.51〜1.80、更に好ましくは1.54〜1.70である。なお、透光性微粒子を除外した部分の防眩層のマトリクスの屈折率は、1.50〜2.00であることが好ましい。屈折率を上記範囲とするには、バインダ、透光性微粒子及び/又は無機フィラーの種類及び量割合を適宜選択すればよい。どのように選択するかは、予め実験的に容易に知ることができる。
以上のようにすると、前記透光性微粒子と凹凸層マトリクスとの適切な屈折率差の選択により、フィルム全体が白化したりすること化することができ、ギラツキを抑えることができる。
(樹脂)
凹凸層は上記透光性微粒子と、硬化型樹脂により形成することができる。本発明において、「樹脂」は、所謂狭義の樹脂である重合体高分子(ポリマー)の他、モノマー(単量体)、オリゴマー、プレポリマー等の樹脂成分を包含する概念である。硬化型樹脂としては、透明性のものが好ましく、その具体例としては、紫外線または電子線で代表される電離放射線により硬化する樹脂である電離放射線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂と溶剤乾燥型樹脂(熱可塑性樹脂など、塗工時に固形分を調整するための溶剤を乾燥させるだけで、被膜となるような樹脂)との混合物、または熱硬化型樹脂の三種類が挙げられ、好ましくは電離放射線硬化型樹脂が挙げられる。
電離放射線硬化型樹脂の具体例としては、(メタ)アクリレート基等のラジカル重合性官能基を有する化合物、例えば、(メタ)アクリレート系のオリゴマー、プレポリマー、或いは単量体(モノマー)が挙げられる。具体的には、(メタ)アクリレート系オリゴマー又はプレポリマーとしては、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジェン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アルリル酸エステルから成るオリゴマー又はプレポリマーが挙げられる。又、(メタ)アクリレート系単量体としては、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。尚、(メタ)アクリレートとはアクリレート又はメタクリレートを意味する。
(メタ)アクリレート系化合物以外の例としては、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能又は多官能単量体、或いはビスフェノール型エポキシ化合物、ノボラック型エポキシ化合物、芳香族ビニルエーテル、脂肪族ビニルエーテル等のオリゴマー又はプレポリマー等のカチオン重合性官能基を有する化合物が挙げられる。
電離放射線硬化型樹脂を紫外線硬化型樹脂として使用する場合には、光重合開始剤または光重合促進剤として増感剤を添加することができる。
光重合開始剤の具体例としては、ラジカル重合性官能基を有する樹脂系の場合は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチュウラムモノサルファイド、ベンゾイン類、ベンゾインメチルエーテル、チオキサントン類、プロピオフェノン類、ベンジル類、アシルホスフィンオキシド類、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、等が挙げられ、これらを単独で、又は混合して用いる。1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンは、例えば商品名イルガキュア184(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)として入手可能である。また、α-アミノアルキルフェノン類としては、例えば商品名イルガキュア907、369として入手可能である。
カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタセロン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単独又は混合物として用いる。
また、光増感剤を混合して用いることが好ましく、その具体例としては、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
光重合開始剤の添加量は、電離放射線硬化性組成物100重量部に対し、0.1〜10重量部である。
電離放射線硬化型樹脂に混合して使用される溶剤乾燥型樹脂としては、主として熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂は一般的に例示されるものが利用される。溶剤乾燥型樹脂の添加により、塗布面の塗膜欠陥を有効に防止することができる。好ましい熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、有機酸ビニルエステル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、オレフィン系樹脂(脂環式オレフィン系樹脂を含む)、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリスルホン系樹脂(例えば、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン)、ポリフェニレンエーテル系樹脂(例えば、2,6−キシレノールの重合体)、セルロース誘導体(例えば、セルロースエステル類、セルロースカーバメート類、セルロースエーテル類)、シリコーン樹脂(例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン)、ゴム又はエラストマー(例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン等のジエン系ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム)等が好ましい。
熱硬化性樹脂の具体例としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂を用いる場合、必要に応じて、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等をさらに添加して使用することができる。
(凹凸層の形成)
凹凸層は、透光性微粒子と樹脂とを適切な溶剤、例えば、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール、ブタノール、イソブチルアルコール等のアルコール類;メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;クロロホルム、塩化メチレン、テトラクロルエタン等のハロゲン化炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素またはこれらの混合物に、混合して得た塗工用組成物を基材に塗布することにより形成することができる。前記透光性微粒子は、好ましくは、第1の微粒子と第2の微粒子からなるか、第1の微粒子と第2の微粒子と第3の微粒子からなるのがよい。
本発明の好ましい態様によれば、上記の塗工用組成物に、フッ素系またはシリコーン系などのレベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤を添加した塗工用組成物は、塗布または乾燥時に塗膜表面に対して塗工安定性、滑り性や防汚性を付与でき、かつ、耐擦傷性の効果を付与することを可能とする。
塗工用組成物を基材に塗布する方法としては、ロールコート法、メイヤーズバーコート法、グラビアコート法等の塗布方法が挙げられる。塗工用組成物の塗布後に、乾燥と紫外線硬化を行う。紫外線源の具体例としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハライドランプ灯の光源が挙げられる。紫外線の波長としては、190〜380nmの波長域を使用することができる。電子線源の具体例としては、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、または直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が挙げられる。樹脂が硬化し、樹脂中の透光性微粒子が固定されて、防眩層の最表面に所望の凹凸形状が形成される。
2)透光性微粒子を含まず、樹脂等を含んだ凹凸層用組成物で形成される凹凸層
本発明の前面フィルタの別の実施形態として、凹凸層が、前記微粒子を含まず、少なくとも1つのポリマー、少なくとも1つの硬化性樹脂前駆体、及び溶剤を含む凹凸層用組成物を、基材上に塗工し、液相からのスピノーダル分解により、相分離構造を形成し、硬化性樹脂前駆体を硬化させたものである前面フィルタが挙げられる。
(ポリマー)
ポリマーは、スピノーダル分解により相分離可能な複数のポリマー、例えば、セルロース誘導体と、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂等、またはこれらの組合せが挙げられる。硬化性樹脂前駆体は、複数のポリマーのうち、少なくとも一種のポリマーと相溶性を有していてもよい。複数のポリマーのうち、少なくとも1つのポリマーが、硬化性樹脂前駆体の硬化反応に関与する官能基、例えば、(メタ)アクリロイル基等の重合性基を有していてもよい。ポリマー成分としては、通常、熱可塑性樹脂が使用される。
熱可塑性樹脂の具体例としては、1)樹脂に透光性微粒子を添加した凹凸層用組成物を用いて形成される凹凸層について説明した熱可塑性樹脂と同様の樹脂の中から、単独で又は二種以上を組み合わせて使用できる。
好ましい熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂、及びゴム又はエラストマー等が挙げられる。樹脂としては、通常、非結晶性であり、かつ有機溶剤(特に複数のポリマーや硬化性化合物を溶解可能な共通溶剤)に可溶な樹脂が使用される。特に、成形性又は製膜性、透明性や耐候性の高い樹脂、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(セルロースエステル類等)等が好ましい。
ポリマー成分としては、硬化反応に関与する官能基(又は硬化性化合物と反応可能な官能基)を有するポリマーを用いることもできる。このポリマーは、官能基を主鎖に有していてもよく、側鎖に有していてもよい。前記官能基は、共重合や共縮合等により主鎖に導入されてもよいが、通常、側鎖に導入される。このような官能基の具体例としては、縮合性基や反応性基(例えば、ヒドロキシル基、酸無水物基、カルボキシル基、アミノ基又はイミノ基、エポキシ基、グリシジル基、イソシアネート基)、重合性基(例えば、ビニル、プロペニル、イソプロペニル基、ブテニル、アリル等のC2−6アルケニル基、エチニル、プロピニル、ブチニル等のC2−6アルキニル基、ビニリデン等のC2−6アルケニリデン基、又はこれらの重合性基を有する基(例えば、(メタ)アクリロイル基)等が挙げられる。これらの官能基のうち、重合性基が好ましい。
重合性基を側鎖に導入する方法としては、例えば、反応性基や縮合性基等の官能基を有する熱可塑性樹脂と、前記官能基との反応性基を有する重合性化合物とを反応させる方法を用いることができる。
官能基を有する熱可塑性樹脂としては、カルボキシル基又はその酸無水物基を有する熱可塑性樹脂(例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂)、ヒドロキシル基を有する熱可塑性樹脂(例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース誘導体、ポリアミド系樹脂)、アミノ基を有する熱可塑性樹脂(例えば、ポリアミド系樹脂)、エポキシ基を有する熱可塑性樹脂(例えば、エポキシ基を有する(メタ)アクリル系樹脂やポリエステル系樹脂)等が例示できる。また、スチレン系樹脂やオレフィン系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂に、前記官能基を共重合やグラフト重合で導入した樹脂であってもよい。
重合性化合物としては、カルボキシル基又はその酸無水物基を有する熱可塑性樹脂の場合は、エポキシ基やヒドロキシル基、アミノ基、イソシアネート基等を有する重合性化合物等を用いることができる。ヒドロキシル基を有する熱可塑性樹脂の場合は、カルボキシル基又はその酸無水物基やイソシアネート基等を有する重合性化合物等が挙げられる。アミノ基を有する熱可塑性樹脂の場合は、カルボキシル又はその酸無水物基やエポキシ基、イソシアネート基等を有する重合性化合物等が挙げられる。エポキシ基を有する熱可塑性樹脂の場合は、カルボキシル基又はその酸無水物基やアミノ基等を有する重合性化合物等が挙げられる。
前記重合性化合物のうち、エポキシ基を有する重合性化合物としては、例えば、エポキシシクロヘキセニル(メタ)アクリレート等のエポキシシクロC5−8アルケニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等が例示できる。ヒドロキシル基を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシC1−4アルキル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のC2−6アルキレングリコール(メタ)アクリレート等が例示できる。アミノ基を有する重合性化合物としては、例えば、アミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノC1−4アルキル(メタ)アクリレート、アリルアミン等のC3−6アルケニルアミン、4−アミノスチレン、ジアミノスチレン等のアミノスチレン類等が例示できる。イソシアネート基を有する重合性化合物としては、例えば、(ポリ)ウレタン(メタ)アクリレートやビニルイソシアネート等が例示できる。カルボキシル基又はその酸無水物基を有する重合性化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸や無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸又はその無水物等が例示できる。
代表的な例としては、カルボキシル基又はその酸無水物基を有する熱可塑性樹脂とエポキシ基含有化合物、特に(メタ)アクリル系樹脂((メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等)とエポキシ基含有(メタ)アクリレート(エポキシシクロアルケニル(メタ)アクリレートやグリシジル(メタ)アクリレート等)の組み合わせが挙げられる。具体的には、(メタ)アクリル系樹脂のカルボキシル基の一部に重合性不飽和基を導入したポリマー、例えば、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体のカルボキシル基の一部に、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチルアクリレートのエポキシ基を反応させて、側鎖に光重合性不飽和基を導入した(メタ)アクリル系ポリマー(サイクロマーP、ダイセル化学工業(株)製)等が使用できる。
熱可塑性樹脂に対する硬化反応に関与する官能基(特に重合性基)の導入量は、熱可塑性樹脂1kgに対して、0.001〜10モル、好ましくは0.01〜5モル、さらに好ましくは0.02〜3モル程度である。
これらのポリマーは適当に組み合わせて使用できる。すなわち、ポリマーは複数のポリマーで構成されていてもよい。複数のポリマーは、液相スピノーダル分解により、相分離可能であってもよい。また、複数のポリマーは、互いに非相溶であってもよい。複数のポリマーを組み合わせる場合、第1の樹脂と第2の樹脂との組み合わせは特に制限されないが、加工温度付近で互いに非相溶な複数のポリマー、例えば、互いに非相溶な2つのポリマーとして適当に組み合わせて使用できる。例えば、第1の樹脂がスチレン系樹脂(ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体等)である場合、第2の樹脂は、セルロース誘導体(例えば、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロースエステル類)、(メタ)アクリル系樹脂(ポリメタクリル酸メチル等)、脂環式オレフィン系樹脂(ノルボルネンを単量体とする重合体等)、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂(前記ポリC2−4アルキレンアリレート系コポリエステル等)等であってもよい。また、例えば、第1のポリマーがセルロース誘導体(例えば、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロースエステル類)である場合、第2のポリマーは、スチレン系樹脂(ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体等)、(メタ)アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂(ノルボルネンを単量体とする重合体等)、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂(前記ポリC2−4アルキレンアリレート系コポリエステル等)等であってもよい。複数の樹脂の組合せにおいて、少なくともセルロースエステル類(例えば、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等のセルロースC2−4アルキルカルボン酸エステル類)を用いてもよい。
スピノーダル分解により生成された相分離構造は、活性光線(紫外線、電子線等)や熱等により最終的に硬化し、硬化樹脂を形成する。そのため、防眩層に耐擦傷性を付与でき、耐久性を向上できる。
硬化後の耐擦傷性の観点から、複数のポリマーのうち、少なくとも一つのポリマー、例えば、互いに非相溶なポリマーのうち一方のポリマー(第1の樹脂と第2の樹脂とを組み合わせる場合、特に両方のポリマー)が硬化性樹脂前駆体と反応可能な官能基を側鎖に有するポリマーであるのが好ましい。
第1のポリマーと第2のポリマーとの割合(重量比)は、例えば、第1のポリマー/第2のポリマーが、1/99〜99/1、好ましくは5/95〜95/5、さらに好ましくは10/90〜90/10程度の範囲から選択でき、通常、20/80〜80/20程度、特に30/70〜70/30程度である。
相分離構造を形成するためのポリマーとしては、前記非相溶な2つのポリマー以外にも、前記熱可塑性樹脂や他のポリマーが含まれていてもよい。
ポリマーのガラス転移温度は、例えば、−100℃〜250℃、好ましくは−50℃〜230℃、さらに好ましくは0〜200℃程度(例えば、50〜180℃程度)の範囲から選択できる。なお、表面硬度の観点から、ガラス転移温度は、50℃以上(例えば、70〜200℃程度)、好ましくは100℃以上(例えば、100〜170℃程度)であるのが有利である。ポリマーの重量平均分子量は、例えば、1,000,000以下、好ましくは1,000〜500,000程度の範囲から選択できる。
(硬化性樹脂前駆体)
硬化性樹脂前駆体としては、熱や活性エネルギー線(紫外線や電子線等)等により反応する官能基を有する化合物であり、熱や活性エネルギー線等により硬化又は架橋して樹脂(特に硬化又は架橋樹脂)を形成可能な種々の硬化性化合物が使用できる。前記樹脂前駆体としては、例えば、熱硬化性化合物又は樹脂[エポキシ基、重合性基、イソシアネート基、アルコキシシリル基、シラノール基等を有する低分子量化合物(例えば、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂)]、活性光線(紫外線等)により硬化可能な光硬化性化合物(例えば、光硬化性モノマー、オリゴマーの紫外線硬化性化合物)等が例示でき、光硬化性化合物は、EB(電子線)硬化性化合物等であってもよい。なお、光硬化性モノマー、オリゴマーや低分子量であってもよい光硬化性樹脂等の光硬化性化合物を、単に「光硬化性樹脂」という場合がある。
光硬化性化合物には、例えば、単量体、オリゴマー(又は樹脂、特に低分子量樹脂)が含まれ、単量体としては、例えば、単官能性単量体[(メタ)アクリル酸エステル等の(メタ)アクリル系単量体、ビニルピロリドン等のビニル系単量体、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等の橋架環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレート等]、少なくとも2つの重合性不飽和結合を有する多官能性単量体[エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリオキシテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(ポリ)オキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、アダマンタンジ(メタ)アクリレート等の橋架環式炭化水素基を有するジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の3〜6程度の重合性不飽和結合を有する多官能性単量体]が例示できる。
オリゴマー又は樹脂としては、ビスフェノールA−アルキレンオキサイド付加体の(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート(ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート等)、ポリエステル(メタ)アクリレート(例えば、脂肪族ポリエステル型(メタ)アクリレート、芳香族ポリエステル型(メタ)アクリレート等)、(ポリ)ウレタン(メタ)アクリレート(例えば、ポリエステル型ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル型ウレタン(メタ)アクリレート)、シリコーン(メタ)アクリレート等が例示できる。これらの光硬化性化合物は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
好ましい硬化性樹脂前駆体は、短時間で硬化できる光硬化性化合物、例えば、紫外線硬化性化合物(モノマー、オリゴマーや低分子量であってもよい樹脂等)、EB硬化性化合物である。特に、実用的に有利な樹脂前駆体は、紫外線硬化性樹脂である。さらに、耐擦傷性等の耐性を向上させるため、光硬化性樹脂は、分子中に2以上(好ましくは2〜6、さらに好ましくは2〜4程度)の重合性不飽和結合を有する化合物であるのが好ましい。硬化性樹脂前駆体の分子量としては、ポリマーとの相溶性を考慮して5000以下、好ましくは2000以下、さらに好ましくは1000以下程度である。
硬化性樹脂前駆体は、その種類に応じて、硬化剤を含んでいてもよい。例えば、熱硬化性樹脂では、アミン類、多価カルボン酸類等の硬化剤を含んでいてもよく、光硬化性樹脂では光重合開始剤を含んでいてもよい。光重合開始剤としては、慣用の成分、例えば、アセトフェノン類又はプロピオフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、アシルホスフィンオキシド類等が例示できる。光硬化剤等の硬化剤の含有量は、硬化性樹脂前駆体100重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部、さらに好ましくは1〜8重量部(特に1〜5重量部)程度であり、3〜8重量部程度であってもよい。
硬化性樹脂前駆体は硬化促進剤を含んでいてもよい。例えば、光硬化性樹脂は、光硬化促進剤、例えば、第三級アミン類(例えば、ジアルキルアミノ安息香酸エステル)、ホスフィン系光重合促進剤等を含んでいてもよい。
(ポリマーと硬化性樹脂前駆体との具体的な組合せ)
上記少なくとも1つのポリマー及び上記少なくとも1つの硬化性樹脂前駆体のうち、少なくとも2つの成分が、加工温度付近で互いに相分離する組み合わせで使用されることが、好ましい。ここで加工温度付近とは、組成物を塗工した後に溶剤を乾燥させるときの50℃〜120℃程度の加工温度を意味する。相分離する組み合わせとしては、例えば、(a)複数のポリマー同士が互いに非相溶で相分離する組み合わせ、(b)ポリマーと硬化性樹脂前駆体とが非相溶で相分離する組み合わせや、(c)複数の硬化性樹脂前駆体同士が互いに非相溶で相分離する組み合わせ等が挙げられる。これらの組み合わせのうち、通常は、(a)複数のポリマー同士の組み合わせや、(b)ポリマーと硬化性樹脂前駆体との組み合わせであり、特に(a)複数のポリマー同士の組み合わせが好ましい。相分離させる両者の相溶性が低い場合、溶剤を蒸発させるための乾燥過程で両者が有効に相分離し、防眩層としての機能が向上する。
熱可塑性樹脂と硬化性樹脂前駆体(又は硬化樹脂)とは、通常、互いに非相溶である。ポリマーと硬化性樹脂前駆体とが非相溶で相分離する場合に、ポリマーとして複数のポリマーを用いてもよい。複数のポリマーを用いる場合、少なくとも1つのポリマーが樹脂前駆体(又は硬化樹脂)に対して非相溶であればよく、他のポリマーは前記樹脂前駆体と相溶してもよい。
互いに非相溶な2つの熱可塑性樹脂と、硬化性化合物(特に複数の硬化性官能基を有するモノマー又はオリゴマー)との組み合わせであってもよい。さらに、硬化後の耐擦傷性の観点から、前記非相溶な熱可塑性樹脂のうち少なくとも一方のポリマー(特に両方のポリマー)が硬化反応に関与する官能基(前記硬化性樹脂前駆体の硬化に関与する官能基)を有する熱可塑性樹脂であってもよい。
ポリマーを互いに非相溶な複数のポリマーで構成して相分離する場合、硬化性樹脂前駆体は、非相溶な複数のポリマーのうち、少なくとも1つのポリマーと加工温度付近で互いに相溶する組合せで使用される。すなわち、互いに非相溶な複数のポリマーを、例えば、第1の樹脂と第2の樹脂とで構成する場合、硬化性樹脂前駆体は少なくとも第1の樹脂又は第2の樹脂のどちらかと相溶すればよく、好ましくは両方のポリマー成分と相溶してもよい。両方のポリマー成分に相溶する場合、第1の樹脂及び硬化性樹脂前駆体を主成分とした混合物と、第2の樹脂及び硬化性樹脂前駆体を主成分とした混合物との少なくとも二相に相分離する。
選択した複数のポリマーの相溶性が低い場合、溶剤を蒸発させるための乾燥過程でポリマー同士が有効に相分離し、防眩層としての機能が向上する。複数のポリマー相分離性は、双方の成分に対する良溶剤を用いて均一溶液を調製し、溶剤を徐々に蒸発させる過程で、残存固形分が白濁するか否かを目視にて確認することにより簡便に判定できる。
通常、ポリマーと、樹脂前駆体の硬化により生成した硬化又は架橋樹脂とは互いに屈折率が異なる。また、複数のポリマー(第1の樹脂と第2の樹脂)の屈折率も互いに異なる。ポリマーと硬化又は架橋樹脂との屈折率の差、複数のポリマー(第1の樹脂と第2の樹脂)との屈折率の差は、例えば、0.001〜0.2、好ましくは0.05〜0.15程度であってもよい。
ポリマーと硬化性樹脂前駆体との割合(重量比)は、特に制限されず、例えば、ポリマー/硬化性樹脂前駆体が、5/95〜95/5程度の範囲から選択でき、表面硬度の観点から、好ましくは5/95〜60/40程度であり、さらに好ましくは10/90〜50/50、特に10/90〜40/60程度である。
(溶剤)
溶剤は、前記ポリマー及び硬化性樹脂前駆体の種類及び溶解性に応じて選択し使用することができ、少なくとも固形分(複数のポリマー及び硬化性樹脂前駆体、反応開始剤、その他添加剤)を均一に溶解できる溶剤であればよく、湿式スピノーダル分解において使用することができる。そのような溶剤としては、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン等)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタン等)、エステル類(蟻酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、水、アルコール類(エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)等が例示でき、これらの混合溶剤であってもよい。
凹凸層用組成物中の溶質(ポリマー及び硬化性樹脂前駆体、反応開始剤、その他添加剤)の濃度は、相分離が生じる範囲及び流延性やコーティング性等を損なわない範囲で選択でき、例えば、1〜80重量%、好ましくは5〜60重量%、さらに好ましくは15〜40重量%(特に20〜40重量%)程度である。
(凹凸層の形成法)
凹凸層は、少なくとも一つのポリマーと少なくとも一つの硬化性樹脂前駆体とを、適切な溶剤を用いて混合した凹凸層用組成物を基材上に付与し、その後、溶剤の蒸発に伴うスピノーダル分解により、相分離構造を形成する工程と、硬化性樹脂前駆体を硬化させ、少なくとも凹凸層を形成する工程とを経ることにより得ることができる。相分離工程は、通常、ポリマーと硬化性樹脂前駆体と溶剤とを含む混合液(特に均一溶液等の液状組成物)を光透過性基材の表面に塗布又は流延する工程と、塗布層又は流延層から溶剤を蒸発させて規則的又は周期的な平均相間距離を有する相分離構造を形成する工程とで構成されており、硬化性樹脂前駆体を硬化させることにより凹凸層を得ることができる。
本発明の好ましい態様によれば、混合液として、熱可塑性樹脂と、光硬化性化合物と、光重合開始剤と、熱可塑性樹脂および光硬化性化合物を可溶な溶剤とを含む凹凸層用組成物が使用でき、スピノーダル分解により形成された相分離構造の光硬化成分を光照射により硬化することにより凹凸層が形成される。また、他の好ましい態様では、混合液として、互いに非相溶な複数のポリマーと、光硬化性化合物と、光重合開始剤と、溶剤とを含む凹凸層用組成物が使用でき、スピノーダル分解により形成された相分離構造の光硬化成分を光照射により硬化することにより凹凸層が形成される。また、好ましい態様としては、熱可塑性樹脂と、この熱可塑性樹脂に非相溶で且つ光硬化性基を有する樹脂と、光硬化性化合物と、光重合開始剤と、樹脂および光硬化性化合物を可溶な溶剤とを含む組成物からのスピノーダル分解により相分離構造を形成し、光照射することにより凹凸層を形成してもよい。
このような溶剤の蒸発を伴うスピノーダル分解により、相分離構造のドメイン間の平均距離に規則性又は周期性を付与できる。そして、スピノーダル分解により形成された相分離構造は、硬化性樹脂前駆体を硬化させることにより直ちに固定化できる。硬化性樹脂前駆体の硬化は、硬化性樹脂前駆体の種類に応じて、加熱、光照射等、あるいはこれらの方法の組合せにより行うことができる。加熱温度は、相分離構造を有する限り、適当な範囲、例えば、50〜150℃程度から選択でき、層分離工程と同様の温度範囲から選択してもよい。
防眩層の一部又は全部を構成する凹凸層は、液相からのスピノーダル分解(湿式スピノーダル分解)により相分離構造を形成し、凹凸形状になっている。すなわち、ポリマーと硬化性樹脂前駆体と溶剤とで構成された凹凸層用組成物を用い、この凹凸層用組成物の液相(又は均一溶液やその塗布層)から、溶剤を乾燥等により蒸発又は除去する過程で、濃度の濃縮に伴って、スピノーダル分解による相分離が生じ、相間距離が比較的規則的な相分離構造を形成できる。より具体的には、前記湿式スピノーダル分解は、通常、少なくとも1つのポリマーと少なくとも1つの硬化性樹脂前駆体と溶剤とを含んでなる凹凸層用組成物(好ましくは均一溶液)を基材等の支持体に塗布し、塗布層から溶剤を蒸発させることにより行うことができる。
本発明にあっては、このスピノーダル分解において、相分離の進行に伴って共連続相構造を形成し、さらに相分離が進行すると、連続相が自らの表面張力により非連続化し、液滴相構造(球状、真球状、円盤状や楕円体状等の独立相の海島構造)となる。従って、相分離の程度によって、共連続相構造と液滴相構造との中間的構造(上記共連続相から液滴相に移行する過程の相構造)も形成できる。本発明の凹凸層の相分離構造は、海島構造(液滴相構造、又は一方の相が独立または孤立した相構造)、共連続相構造(又は網目構造)であってもよく、共連続相構造と液滴相構造とが混在した中間的構造であってもよい。これらの相分離構造により溶剤乾燥後には凹凸層の表面に微細な凹凸を形成できる。
相分離構造において、凹凸層の表面に凹凸形状が形成され、かつ表面硬度を高める点からは、少なくとも島状ドメインを有する液滴相構造(海島構造)であるのが有利である。なお、ポリマーと前記前駆体(又は硬化樹脂)とで構成された相分離構造が海島構造である場合、ポリマー成分が海相を形成してもよいが、表面硬度の観点から、ポリマー成分が島状ドメインを形成するのが好ましい。なお、島状ドメインの形成により、乾燥後には凹凸層の表面に所望の光学特性を発揮する凹凸形状が形成される。
前記相分離構造のドメイン間の平均距離は、通常、実質的に規則性又は周期性を有している。例えば、ドメインの平均相間距離は、表面粗さ形状でいうところのSmに相当し、60〜250μmであるのがよい。さらに好ましいのは、60〜200μmの範囲である。
上記相分離構造のドメイン間の平均距離は、樹脂の組み合わせの選択(特に溶解性パラメータに基づく樹脂の選択)等によって調整することができる。このようにドメイン間の平均距離を調整することによって、最終的に得られるフィルム表面の凹凸間の距離を所望の値とすることができる。
3)塗膜に凹凸形状を賦型して形成される凹凸層
また、本発明の前面フィルタの更に別の実施形態として、凹凸層が、2)の方法と同様に、凹凸形状の形成のために微粒子を必要としない別の方法によって形成されたものである前面フィルタを挙げることができる。
3−1)凹凸層は、表面が平坦な、凹凸層の前駆層を形成し、その後、当該前駆層の表面に対して、凹凸形状を付与する賦型処理を行って形成されてもよい。例えば、基材上に、凹凸層の前駆層を形成し、該凹凸層の表面に凹凸形状を形成することが挙げられる。
本発明の好ましい態様によれば、凹凸層が有する凹凸形状と逆の凹凸形状を有する型を用いた賦型処理で行われることが好ましい。逆の凹凸形状を有する型はエンボス版、エンボスロール等が挙げられ、これらの内容は後記する3−2)と同じであってよい。
3−2)凹凸層は、光透過性基材と凹凸層の表面に形成される凹凸形状と逆の凹凸形状を有する型とを所定の間隔を空けて対向させ、それらの間に凹凸層用組成物を供給し、同時に硬化処理することにより、所望の凹凸形状を有してなる凹凸層として形成されてもよい。
これらの形成法によれば、微粒子を配合せずに、所望の凹凸形状を有する防眩層を形成した光学積層体を得ることもできるので、凹凸層組成物の選択範囲が広いという利点を有する。つまり、ギラツキ防止性を付与する必要がある場合には、凹凸層用組成物に、光拡散性を有する微粒子を必要以上に添加する必要がないし、ギラツキ防止性が不必要であれば、微粒子は使用しないで、様々な樹脂材料を用途にあわせて選択できるようになる。本発明の好ましい態様によれば、エンボスローラー以外に、平板状のエンボス板を用いることもできる。
また、当該塗膜に凹凸形状を賦型して凹凸を形成する方法は、凹凸形状を最適化するために、上記1)の方法や2)の方法と併せて用いても良い。
エンボスローラー又は平板状のエンボス板等に形成されている凹凸型面は、サンドブラスト法又はビーズショット法等の公知の種々の方法により、形成することができる。サンドブラスト法によるエンボス版(エンボスローラー)を用いて形成された単層防眩層は、その凹凸形状を断面でみた場合、凹形状が多数分布した形状となる。ビーズショット法によるエンボス版(エンボスローラー)を用いて形成された単層防眩層は、凹凸形状を断面でみた場合、上側に凸形状が多数分布した形状となる。
単層防眩層の表面に形成された凹凸形状の平均粗さが同じ場合に、上側に凸部が多数分布した形状を有している単層防眩層は、上側に凹部が多数分布した形状を有しているものと比較して、室内の照明装置等の映り込みが少ないとされている。このことから、本発明の好ましい態様によれば、ビーズショット法により単層防眩層の凹凸形状と同一形状に形成された凹凸型を利用して単層防眩層の凹凸形状を形成することが好ましい。
凹凸型面を形成するための型材としては、金属、プラスチック、木またはこれらの複合体を使用することができる。本発明の好ましい型材としては、強度、繰返使用による耐摩耗性の観点から、金属としてのクロムが好ましく、経済性等の観点から、鉄製エンボス版(エンボスローラー)の表面にクロムをメッキしたものが好ましくは例示される。
サンドブラスト法またはビーズショット法により凹凸型を形成する際に、吹き付ける粒子(ビーズ)の具体例としては、金属粒子、シリカ、アルミナ、またはガラス等の無機質粒子が挙げられる。これらの粒子の粒子径(直径)としては、50μm〜300μm程度であることが好ましい。これらの粒子を型材に吹き付ける際には、これら粒子を高速の気体と共に吹き付ける方法が挙げられる。この際、適切な液体、例えば、水等を併用してよい。また、本発明にあっては、凹凸形状を形成した凹凸型には、使用時の耐久性を向上させる目的で、クロムメッキ等を施してから使用することが好ましく、硬膜化、および腐食防止の上で好ましい。
4)光拡散層からなる凹凸層
凹凸層は、光拡散層からなるものであってもよい。ここで「光拡散層」とは、本来、画像表示装置のバックライト側に使用される光拡散板または光拡散フィルムであり、上記1)〜3)に示した防眩層とは用途が相違するものである。光拡散板または光拡散フィルムは、一般的に各種ディスプレイあるいは照明器具において、光源の光を均一に広げ、視認性を高めるために用いられている。これらの光拡散板あるいは光拡散フィルムは、通常、光源とディスプレイの間に設置され、点光源ないしは線光源を均一な面光源に変換することを目的として用いられるものである。液晶表示のバックライト用の光拡散板または光拡散フィルムとしては、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂等の光透過性樹脂の表面に凹凸を形成したものが挙げられる。また、ポリメチルメタアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂等の光透過性樹脂に光拡散剤を分散したり、さらには光拡散剤を光透過性樹脂中に配合分散させた組成物をフィルム基材上に塗布したりして作製される。
この光拡散層を凹凸層として使用する場合には、この上に表面形状調整層を積層し、必ず二層以上にすることで本案件の所望の形状とすることができる。
(光拡散剤)
光拡散剤としては、炭酸カルシウム、アクリル系粒子等が挙げられる。光拡散剤に使用されるアクリル系粒子の具体例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のメタクリレート重合体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリレート重合体;スチレン、ビニルトルエン、α-メチルスチレン、ハロゲン化スチレン等の芳香族ビニルモノマー;アリルメタクリレート、トリアリルシアヌレート等の架橋性モノマー等を重合させることによって得られるものである。アクリル系粒子は単独または二種以上を組み合わせて用いることができる。アクリル系粒子の平均粒子径は1μm以上50μm以下であり、好ましくは下限が6μm以上であり、上限が20μm以下である。
(樹脂)
光拡散層の形成に使用される樹脂の具体例としては、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、オルガノシロキサン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリアリレート系樹脂等が挙げられる。この中でも、光拡散剤との屈折率差の制御性、濡れ性や透明基材との接着性あるいは樹脂自体の耐擦傷性、耐光性、透明性などの点から、ポリエステル系樹脂が好ましい。
(任意の添加剤)
光安定剤、熱安定剤、帯電防止剤、レベリング剤、その他の添加剤を光拡散層を形成する樹脂組成物中に更に添加してもよい。レベリング剤としては、フッ素系またはシリコーン系等のレベリング剤が挙げられる。レベリング剤を添加した光拡散層用組成物は、塗布または乾燥時に塗膜表面に対して塗工適性を向上させ、滑り性や防汚性が付与でき、かつ、耐擦傷性の効果を付与することを可能とする。
(板又はフィルム形態の光拡散層)
「光拡散層」は、ポリエステルフィルムに形成された板またはフィルムに形成されてもよい。ポリエステルフィルムの厚みは通常50μm以上200μm以下程度である。
〔表面形状調整層〕
本発明にあっては、防眩層表面の凹凸形状を調整するために、凹凸層の上に表面形状調整層を形成することが好ましい。表面形状調整層は、前記凹凸層が本発明の防眩層の凹凸形状と異なる、例えば微細化された凹凸形状である場合や、大きな凹凸差を有する場合も、防眩層の観察者側の最表面において、上記本発明で特定した平均間隔Sm、平均傾斜角θa、十点平均粗さRzの範囲となるように、調整する際の自由度を拡大し、また製造を容易にし、更に様々な機能を前面フィルタに付与することができる。
すなわち、図19を参照して説明すると、図19(A)及び図19(B)のように、単に凹凸層11が樹脂9中に透光性微粒子10が含有した層のみからなる場合には、Sm、θa、Rzの数値を独立に制御することが難しく、特にθaをSmとRzと独立に変えることは困難である。従って、これらの数値を前記特定の最適範囲にすることも困難である。
例えば図19(A)のような形で透光性微粒子10を含有する樹脂9の塗膜として凹凸層11が形成され、透光性微粒子によりSm、θa、Rzの数値が特定の値に決定したとする。図19(A)の凹凸層で決まったSm、θa、Rzの数値のうち、例えばθaを小さくしようとする場合、図19(B)のように、透光性微粒子10同士の間隔をあけるか、或いは透光性微粒子の粒径を小さくする必要がある(図19(B)では両方併用した場合を図示)。しかし、図より明らかなように、その結果、Smは大きくなり、且つRzは小さくなる。Sm及びRzを変えずにθaのみを変えることは困難である。
一方、図19(A)の凹凸層の表面に、更に、透明樹脂を塗工して表面形状調整層12を形成する場合が図19(C)及び図19(D)である。この場合は、図より明らかなように、透光性微粒子10の粒径及び隣接する透光性微粒子10間の距離は固定しても、表面形状調整層の膜厚、塗工時の流動性や塗工条件を変えることによって、他の数値は不変か、或いは変化しても少量に留めた上で、θaの値を増減可能である。図19(C)及び図19(D)のいずれもθaは小さくなる例であるが、Smは同一で、Rzの変化量は比較的小さい。Sm、Rzの数値が比較的大きければ、表面形状調製層形成前後のSm、Rzの差は小さくて済む。なお、図に添記したSm、θa、Rzは、説明の便宜上、特定の粒子についての粒子間隔をSm、凹凸の山谷の段差をRz、透光性微粒子近傍を被覆する塗膜表面がポリエステルフィルム2の表裏面とのなす角度をθaとしている。物理的意義の説明としてはこれで良いが、厳密にはSm、θa、Rzは多数の粒子による凹凸を充分な面積にわたって平均化した代表値であり、個々の粒子についての値と全く一致するわけではない。
更に、当該表面形状調整層は、凹凸層の表面粗さにおいて凹凸スケール(凹凸の山高さと山間隔)の1/10以下のスケールで凹凸形状に沿って存在している微細な凹凸を埋めて、スムージングを掛けて凹凸表面を滑らかにしたり、あるいは、凹凸の山間隔や山高さ、山の頻度(個数)の調整をする。また、表面形状調整層に、帯電防止、屈折率調整、高硬度化、防汚染性等の機能をさらに付与してもよい。
表面形状調整層の膜厚(硬化時)は0.6μm以上15μm以下であることが好ましく、より好ましくは下限が3μm以上であり上限が8μm以下である。なお、上記表面形状調整層の厚みは、後述するレーザー顕微鏡観察、SEM又はTEM観察による、防眩層の層厚の測定方法と同様に測定した値である。
(樹脂)
樹脂(モノマー、オリゴマー等の樹脂成分を包含する)としては、透明性のものが好ましく、その具体例としては、紫外線または電子線により硬化する樹脂である電離放射線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂と溶剤乾燥型樹脂との混合物、または熱硬化型樹脂の三種類が挙げられ、好ましくは電離放射線硬化型樹脂が挙げられる。
電離放射線硬化型樹脂の具体例としては、凹凸層で述べた樹脂を挙げることができる。また、必要に応じて電離放射線硬化型樹脂に混合して使用することができる光重合開始剤、光重合促進剤、光増感剤、溶剤乾燥型樹脂等も、凹凸層で述べたものをそれぞれ使用することができる。
上記表面形状調整層は、流動性を調整する有機微粒子や無機微粒子を含有するものであってもよい。微粒子の中でも好ましいのは、コロイダルシリカである。従来、表面形状調整層の形成によって微細な凹凸を目止めして、スムージングをかけようとすると、過剰なスムージングがかかってしまうことによって、防眩性が著しく低下してしまった。しかし、上記コロイダルシリカを含有する組成物によって被膜の形成を行うと、防眩性と黒色再現性の両立を図ることができる。このような効果が得られる作用は、明確ではないが、コロイダルシリカを含有する組成物は、その流動性が制御されることによって表面の凹凸形状への追随性が良好であることから、スムージングにおいて、従来の表面形状調整層では完全につぶれてしまう下地凹凸層にある微細な凹凸形状に、適度な滑らかさを付与させながら完全につぶさず残すことができるものと推測される。
上記流動性調整剤として使用することができる有機微粒子又は無機微粒子の形状は特に制限されるものではなく、例えば、球状、板状、繊維状、不定形、中空等のいずれのものでも良い。特に、好ましい流動性調整剤は、コロイダルシリカである。
本発明において「コロイダルシリカ」とは、コロイド状態のシリカ粒子を水又は有機溶媒に分散させたコロイド溶液を意味する。上記コロイダルシリカの粒子径(直径)は、1〜50nm程度の超微粒子のものであることが好ましい。なお、本発明におけるコロイダルシリカの粒子径は、BET法による平均粒子径(BET法により表面積を測定し、粒子が真球であるとして換算して平均粒子径を算出する)である。
上記コロイダルシリカは、公知のものであり、市販のものとしては、例えば、「メタノールシリカゾル」、「MA−ST−M」、「IPA−ST」、「EG−ST」、「EG−ST−ZL」、「NPC−ST」、「DMAC−ST」、「MEK」、「XBA−ST」、「MIBK−ST」(以上、日産化学工業(株)製品、いずれも商品名)、「OSCAL1132」、「OSCAL1232」、「OSCAL1332」、「OSCAL1432」、「OSCAL1532」、「OSCAL1632」、「OSCAL1132」、(以上、触媒化成工業(株)製品、いずれも商品名)で市販されているものを挙げることができる。
上記有機微粒子又は無機微粒子は、表面形状調整層のバインダ樹脂質量100に対し、微粒子質量が5〜300で含まれていることが好ましい(微粒子質量/バインダ樹脂質量=P/V比=5〜300/100)。5未満であると、凹凸形状への追随性が不充分となるため、艶黒感等の黒色再現性と防眩性とを両立することが困難になる場合がある。300を超えると、密着性や耐擦傷性など物性面で不良が起こるため、この範囲以内がよい。添加量は、添加する微粒子によって変化するが、コロイダルシリカの場合には、添加量は5〜80が好ましい。80を超えると、それ以上添加しても防眩性が変化しない領域となるため、添加する意味がなくなることと、これを超えると下層との密着性不良が起こるため、この範囲以下にすることがよい。
(表面形状調整層の形成法)
表面形状調整層は、通常、表面形状調整層用組成物を前記凹凸層上に塗布することにより形成される。表面形状調整層用組成物を塗布する方法としては、ロールコート法、マイヤーズバーコート法、グラビアコート法等の塗布方法が挙げられる。表面形状調整層用組成物の塗布後に、乾燥と紫外線硬化を行う。紫外線源の具体例としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハライドランプ灯の光源が挙げられる。紫外線の波長としては、190〜380nmの波長域を使用することができる。電子線源の具体例としては、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、または直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が挙げられる。
〔低屈折率層〕
低屈折率層は、外部からの光(例えば蛍光灯、自然光等)が光学積層体の表面にて反射する際、多層膜での光の干渉効果によってその反射率を低くするという役割を果たす層である。本発明の防眩層の好ましい態様によれば、単層からなる凹凸層の上か、または、二層以上からなる凹凸層、及び表面形状調整層の表面に低屈折率層を形成したものが好ましい。低屈折率層は、その屈折率が該層の下の層のそれより低いものである。
本発明の好ましい態様によれば、低屈折率層に隣接する凹凸層又は表面形状調整層の屈折率が1.5以上であり、低屈折率層の屈折率が1.45以下であり、好ましくは1.42以下で構成されてなるものが好ましい。
低屈折率層としては、好ましくは1)シリカ又はフッ化マグネシウムを含有する樹脂、2)低屈折率樹脂であるフッ素系樹脂、3)シリカ又はフッ化マグネシウムを含有するフッ素系樹脂、4)シリカ又はフッ化マグネシウムの薄膜等のいずれか構成される。フッ素樹脂以外の樹脂については、凹凸層を構成する樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
上記フッ素系樹脂としては、少なくとも分子中にフッ素原子を含む重合性化合物又はその重合体を用いることができる。重合性化合物は、特に限定されないが、例えば、電離放射線で硬化する官能基、熱硬化する極性基等の硬化反応性の基を有するものが好ましい。また、これらの反応性の基を同時に併せ持つ化合物でもよい。この重合性化合物に対し、重合体とは、上記のような反応性基などを一切もたないものである。
電離放射線硬化性基を有する重合性化合物としては、エチレン性不飽和結合を有するフッ素含有モノマーを広く用いることができる。より具体的には、フルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロブタジエン、パーフルオロ‐2,2‐ジメチル‐1,3‐ジオキソールなど)を例示することができる。(メタ)アクリロイルオキシ基を有するものとして、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート、α−トリフルオロメタクリル酸メチル、α−トリフルオロメタクリル酸エチルのような、分子中にフッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物;分子中に、フッ素原子を少なくとも3個持つ炭素数1〜14のフルオロアルキル基、フルオロシクロアルキル基又はフルオロアルキレン基と、少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステル化合物などもある。
熱硬化性極性基として好ましいのは、例えば水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基等の水素結合形成基である。これらは、塗膜との密着性だけでなく、シリカなどの無機超微粒子との親和性にも優れている。熱硬化性極性基を持つ重合成化合物としては、例えば、4−フルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体;フルオロエチレン−炭化水素系ビニルエーテル共重合体;エポキシ、ポリウレタン、セルロース、フェノール、ポリイミド等の各樹脂のフッ素変性品などを挙げることができる。
電離放射線硬化性基と熱硬化性極性基とを併せ持つ重合性化合物としては、アクリル又はメタクリル酸の部分及び完全フッ素化アルキル、アルケニル、アリールエステル類、完全又は部分フッ素化ビニルエーテル類、完全又は部分フッ素化ビニルエステル類、完全または部分フッ素化ビニルケトン類等を例示することができる。
また、含フッ素重合体としては、例えば、次のようなものを挙げることができる。
上記電離放射線硬化性基を有する重合性化合物の含フッ素(メタ)アクリレート化合物を少なくとも1種類含むモノマー又はモノマー混合物の重合体;上記含フッ素(メタ)アクリレート化合物の少なくとも1種類と、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートの如き分子中にフッ素原子を含まない(メタ)アクリレート化合物との共重合体;フルオロエチレン、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、1,1,2−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレンのような含フッ素モノマーの単独重合体又は共重合体など。これらの共重合体にシリコーン成分を含有させたシリコーン含有フッ化ビニリデン共重合体も使うことができる。この場合のシリコーン成分としては、(ポリ)ジメチルシロキサン、(ポリ)ジエチルシロキサン、(ポリ)ジフェニルシロキサン、(ポリ)メチルフェニルシロキサン、アルキル変性(ポリ)ジメチルシロキサン、アゾ基含有(ポリ)ジメチルシロキサン、ジメチルシリコーン、フェニルメチルシリコーン、アルキル・アラルキル変性シリコーン、フルオロシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、脂肪酸エステル変性シリコーン、メチル水素シリコーン、シラノール基含有シリコーン、アルコキシ基含有シリコーン、フェノール基含有シリコーン、メタクリル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が例示される。中でもジメチルシロキサン構造を有するものが好ましい。
さらには、以下のような化合物からなる非重合体又は重合体も、フッ素系樹脂として用いることができる。すなわち、分子中に少なくとも1個のイソシアナト基を有する含フッ素化合物と、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基のようなイソシアナト基と反応する官能基を分子中に少なくとも1個有する化合物とを反応させて得られる化合物;フッ素含有ポリエーテルポリオール、フッ素含有アルキルポリオール、フッ素含有ポリエステルポリオール、フッ素含有ε−カプロラクトン変性ポリオールのようなフッ素含有ポリオールと、イソシアナト基を有する化合物とを反応させて得られる化合物等を用いることができる。
また、上記したフッ素原子を持つ重合成化合物や重合体とともに、凹凸層製造方法に記載したような各樹脂成分を混合して使用することもできる。更に、反応性基等を硬化させるための硬化剤、塗工性を向上させたり、防汚性を付与させたりするために、各種添加剤、溶剤を適宜使用することができる。
本発明の好ましい態様によれば、低屈折率剤として、「空隙を有する微粒子」を利用することが好ましい。「空隙を有する微粒子」は低屈折率層の層強度を保持しつつ、その屈折率を下げることを可能とする。本発明において、「空隙を有する微粒子」とは、微粒子の内部に気体が充填された構造及び/又は気体を含む多孔質構造体を有し、微粒子本来の屈折率に比べて微粒子中の気体の占有率に反比例して屈折率が低下する微粒子を意味する。また、本発明にあっては、微粒子の形態、構造、凝集状態、塗膜内部での微粒子の分散状態により、内部、及び/又は表面の少なくとも一部にナノポーラス構造の形成が可能な微粒子も含まれる。この微粒子を使用した低屈折率層は、屈折率を1.30〜1.45に調節することが可能である。
空隙を有する無機系の微粒子の具体例としては、特開2001−233611号公報で開示されている技術を用いて調製したシリカ微粒子が好ましくは挙げられる。また、特開平7−133105、特開2002−79616号公報、特開2006−106714号公報等に記載された製法によって得られるシリカ微粒子であってもよい。空隙を有するシリカ微粒子は製造が容易でそれ自身の硬度が高いため、バインダと混合して低屈折率層を形成した際、その層強度が向上され、かつ、屈折率を1.20〜1.45程度の範囲内に調製することを可能とする。特に、空隙を有する有機系の微粒子の具体例としては、特開2002−80503号公報で開示されている技術を用いて調製した中空ポリマー微粒子が好ましく挙げられる。
塗膜の内部及び/又は表面の少なくとも一部にナノポーラス構造の形成が可能な微粒子としては先のシリカ微粒子に加え、比表面積を大きくすることを目的として製造され、充填用のカラムおよび表面の多孔質部に各種化学物質を吸着させる除放材、触媒固定用に使用される多孔質微粒子、または断熱材や低誘電材に組み込むことを目的とする中空微粒子の分散体や凝集体を挙げることができる。そのような具体的としては、市販品として日本シリカ工業株式会社製の商品名NipsilやNipgelの中から多孔質シリカ微粒子の集合体、日産化学工業(株)製のシリカ微粒子が鎖状に繋がった構造を有するコロイダルシリカUPシリーズ(商品名)から、本発明の好ましい粒子径の範囲内のものを利用することが可能である。
「空隙を有する微粒子」の平均粒子径は、5nm以上300nm以下であり、好ましくは下限が8nm以上であり上限が100nm以下であり、より好ましくは下限が10nm以上であり上限が80nm以下である。微粒子の平均粒子径がこの範囲内にあることにより、低屈折率層に優れた透明性を付与することが可能となる。
(低屈折率層の形成)
低屈折率層の形成に当たっては、必要に応じて適宜な溶剤を用い、粘度を、樹脂組成物として好ましい塗布性が得られる0.5〜5cps(25℃)、好ましくは0.7〜3cps(25℃)の範囲のものとすることが好ましい。粘度を適切に調節することによって可視光線の優れた反射防止膜を実現でき、かつ、均一で塗布ムラのない薄膜を形成することができ、かつ基材に対する密着性に特に優れた低屈折率層を形成することができる。
樹脂の硬化手段は、凹凸層の項で説明したのと同様であってよい。硬化処理のために加熱手段が利用される場合には、加熱により、例えばラジカルを発生して重合性化合物の重合を開始させる熱重合開始剤がフッ素系樹脂組成物に添加されることが好ましい。
低屈折率層の膜厚(nm)dは、下記式(V):
=mλ/(4n) (V)
(上記式中、
は低屈折率層の屈折率を表し、
mは正の奇数を表し、好ましくは1を表し、
λは波長であり、好ましくは480〜580nmの範囲の値である)
を満たすものが好ましい。
また、本発明にあっては、低屈折率層は下記数式(VI):
120<n<145 (VI)
を満たすことが低反射率化の点で好ましい。
〔添加剤〕
上記各層は、更に別の機能を有していてもよく、例えば、帯電防止剤、屈折率調整剤、防汚染剤、硬度調整剤からなる群から選択される一種または二種以上の機能付加成分を含んでなる組成物により形成されてもよい。機能付加成分は、上記各層のうち、特に表面形状調整層に含有させることが好ましい。
I)帯電防止剤(導電剤)
上記各層、特に表面形状調整層中に、帯電防止剤を含有させることにより、光学積層体の表面における塵埃付着を有効に防止することができる。帯電防止剤の具体例としては、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1〜第3アミノ基等のカチオン性基を有する各種のカチオン性化合物、スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基、ホスホン酸塩基等のアニオン性基を有するアニオン性化合物、アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系等の両性化合物、アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系等のノニオン性化合物、スズおよびチタンのアルコキシドのような有機金属化合物およびそれらのアセチルアセトナート塩のような金属キレート化合物等が挙げられ、さらに上記に列記した化合物を高分子量化した化合物が挙げられる。また、第3級アミノ基、第4級アンモニウム基、または金属キレート部を有し、かつ、電離放射線により重合可能なモノマーまたはオリゴマー、或いは官能基を有するカップリング剤のような有機金属化合物等の重合性化合物もまた帯電防止剤として使用できる。
また、導電性超微粒子が挙げられる。導電性微粒子の具体例としては、金属酸化物からなるものを挙げることができる。そのような金属酸化物としては、ZnO(屈折率1.90、以下、カッコ内の数値は屈折率を表す。)、CeO(1.95)、Sb(1.71)、SnO(1.997)、ITOと略して呼ばれることの多い酸化インジウム錫(1.95)、In(2.00)、Al(1.63)、アンチモンドープ酸化錫(略称;ATO、2.0)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(略称;AZO、2.0)等を挙げることができる。微粒子とは、1ミクロン以下の、いわゆるサブミクロンの大きさのものを指し、好ましくは、平均粒子径が0.1nm〜0.1μmのものである。この平均粒子径の範囲内であることにより、超微粒子をバインダに分散した折、ヘイズがほとんどなく、全光線透過率が良好な高透明な膜を形成できる組成物を作製できるという観点からみて好ましい。上記導電性金属酸化物微粒子の平均粒子径は、動的光散乱法等によって測定することができる。
また、帯電防止剤として、導電性ポリマーが挙げられ、その具体例としては、脂肪族共役系のポリアセチレン、芳香族共役系のポリ(パラフェニレン)、複素環式共役系のポリピロール、ポリチオフェン、含ヘテロ原子共役系のポリアニリン、混合型共役系のポリ(フェニレンビニレン)が挙げられ、これら以外に、分子中に複数の共役鎖を持つ共役系である複鎖型共役系、前述の共役高分子鎖を飽和高分子にグラフトまたはブロック共重した高分子である導電性複合体等を挙げられる。
上記帯電防止剤は、上記バインダ樹脂量(溶剤を除く)に対する添加が5〜250質量%であることが好ましい。より好ましくは、上記添加量の上限が100以下であり、下限が7以上である。添加量を上記数値範囲に調整することにより、光学積層体としての透明性を保ち、また艶黒感や防眩性等の性質に悪影響を与えることなく、帯電防止性能を付与することができる点で好ましい。
尚、本発明の別の態様によれば、本発明による防眩層を構成する各層間に、任意の層として、帯電防止層(導電層)を形成してもよい。
帯電防止層の形成の具体例としては、防眩層のいずれかの層の上面に導電性金属もしくは導電性金属酸化物等を蒸着またはスパッタリングすることにより蒸着膜を形成する方法または樹脂中に導電性微粒子を分散した樹脂組成物を塗布するにより塗膜を形成する方法が挙げられる。
帯電防止層を蒸着により形成する場合、帯電防止剤としては、導電性金属もしくは導電性金属酸化物、例えばアンチモンドープのインジウム・錫酸化物(以下、「ATO」という)、インジウム・錫酸化物(以下、「ITO」という)が挙げられる。帯電防止層としての蒸着膜の厚さは、10nm以上200nm以下であり、好ましくは上限が100nm以下であり、下限が50nm以下である。
帯電防止層は帯電防止剤を含む塗液により形成されてもよい。この場合、帯電防止剤は、機能付加成分としての帯電防止剤において説明したものと同様のものを使用できる。導電性微粒子を用いて塗膜する場合、好ましくは硬化型樹脂を用いる。硬化型樹脂としては、凹凸層を形成するものと同様であってよい。塗膜を形成するには、導電性微粒子に硬化型樹脂に含ませた塗液を、ロールコート法、ミヤバーコート法、グラビアコート法等の塗布方法により塗布する。塗布後に、乾燥と紫外線硬化を行う。
電離放射線硬化型樹脂組成物の硬化方法としては、電子線または紫外線の照射によって硬化する。電子線硬化の場合には、100KeV〜300KeVのエネルギーを有する電子線等を使用する。紫外線硬化の場合には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等を使用する。
II)屈折率調整剤
表面形状調整層に、屈折率調整剤を添加することにより、防眩層表面の反射防止特性を調整することが可能となる。屈折率調整剤には、低屈折率剤、中屈折率剤、高屈折率剤等が挙げられる。
II−a)低屈折率剤
低屈折率剤は、その屈折率が防眩層より低いものである。本発明の好ましい態様によれば、防眩層の屈折率が1.5以上であり、低屈折率剤の屈折率が1.5未満であり、好ましくは1.45以下で構成されてなるものが好ましい。
具体的には、低屈折率層の説明において挙げた低屈折率剤を好ましく用いることができる。
低屈折率剤を含有させた表面形状調整層の膜厚は、1μmよりも厚い方が好ましい。これは、この層が最外層となるため、耐擦傷性や硬度が必要であるからである。
II−b)高屈折率剤/中屈折率剤
反射防止性をさらに向上させるために、高屈折率剤、中屈折率剤を表面形状調整層に含有させてもよい。高屈折率剤、中屈折率剤の屈折率は1.46〜2.00の範囲内で設定されてよく、中屈折率剤は、その屈折率が1.46〜1.80の範囲内のものを意味し、高屈折率剤は、その屈折率が1.65〜2.00の範囲内のものを意味する。
これら高屈折率剤/中屈折率剤としては、微粒子が挙げられ、その具体例(かっこ内は屈折率を示す)としては、酸化亜鉛(1.90)、チタニア(2.3〜2.7)、セリア(1.95)、スズドープ酸化インジウム(1.95)、アンチモンドープ酸化スズ(1.80)、イットリア(1.87)、ジルコニア(2.0)が挙げられる。
III)レベリング剤
表面形状調整層は、レベリング剤を添加することができる。レベリング剤の好ましいものとしては、フッ素系またはシリコーン系等が挙げられる。レベリング剤を添加した表面形状調整層は、塗工面を良好にし、塗布または乾燥時に塗膜表面に対して塗工適性を向上させ、滑り性や防汚性を付与し、かつ、耐擦傷性の効果を付与することを可能とする。
IV)防汚染剤
表面形状調整層には防汚染剤を含有させることができる。防汚染剤は、光学積層体の最表面の汚れ防止を主目的とし、さらに光学積層体の耐擦傷性を付与することが可能となる。防汚染剤の具体例としては、撥水性、撥油性、指紋拭き取り性を発現するような添加剤が有効である。より具体例としては、フッ素系化合物、ケイ素系化合物、またはこれらの混合化合物が挙げられる。より具体的には、2−パーフロロオクチルエチルトリアミノシラン等のフロロアルキル基を有するシランカップリング剤等が挙げられ、特に、アミノ基を有するものが好ましくは使用することができる。
V)硬度調整剤(高硬化剤)
表面形状調整層は、耐擦傷性の効果を付与することを目的として、硬度調整剤(高硬化剤)を添加することができる。硬度調整剤の具体例としては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレートプレポリマー、或いは、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレートモノマーを単独で或いはこれらの中から2種以上選択して組み合わせて配合した電離放射線硬化性樹脂を挙げることができる。
防眩層は、凹凸層、及び必要に応じて表面形状調整層、低屈折率層により構成されてなるが、さらに任意の層として、上記添加剤を含んでなる層、例えば帯電防止層、防汚染層等を備えてなるものであってよい。帯電防止層、防汚染層は、上記帯電防止剤、防汚染剤等を樹脂に添加した組成物を調製し、それぞれの層を塗布し、必要に応じ乾燥、硬化処理等を経て形成することができる。
上記防眩層全体の層厚は、5μm以上25μm以下であり、好ましくは下限が6μm以上であり、上限が20μm以下である。
尚、防眩層の層厚とは、防眩層が凹凸層のみからなる場合、凹凸層の層厚を意味し、表面形状調整層、その他機能層などが積層され、多層になっている場合、当該多層全体の膜厚を意味する。つまり、基材の表示面側界面から空気と接する防眩性凹凸最表面までの厚さをいう。
防眩層の層厚は、例えば、共焦点レーザー顕微鏡(LeicaTCS-NT:ライカ社製:倍率「100〜1000倍」)を用いて、光学積層体の断面を透過観察し、界面の有無を判断し、1画面につき、凹凸の最大凸部、最小凹部の基材からの膜厚を1点ずつ計2点測定し、それを5画面分、計10点測定し、平均値を算出することにより求めることができる。ハレーションのない鮮明な画像を得るため、測定の際に、共焦点レーザー顕微鏡に、湿式の対物レンズを使用し、かつ、対物レンズと光学積層体との間の空気層を消失させるため、光学積層体の上に屈折率1.518のオイルを約2ml乗せて観察し判断した。
その他、TEMやSEMの断面観察によっても、5画面を観察することでレーザー顕微鏡と同様な方法で算出することができる。
<機能層>
機能層は本発明の前面フィルタに必須の層であり、表示装置側の表面に1層又は2層以上設けられる。機能層の各層には、近赤外線吸収機能、ネオン光吸収機能、調色機能、紫外線吸収機能等の光学的機能、並びに、電磁波遮蔽機能、粘着機能、耐衝撃等の其の他の機能のうち、いずれか1種又は2種類以上の機能が含まれることにより、これら各種機能を前面フィルタに付与することができる。なお、これら機能層は、各々独立した層、例えば、近赤外線吸収機能とネオン吸収機能の2機能を付与する場合、近赤外線吸収層1層及びネオン光吸収層1層の合計2層としても良いが、前面フィルタ全体の厚み、工程数、及び価格を低減するためには、複数の機能層を1層に兼用させたり、或いは更に機能層以外の層とも兼用することが好ましい。例えば、同じく近赤外線吸収機能とネオン光吸収機能の2機能を付与する場合に、近赤外線吸収剤、及びネオン光吸収剤を、前面フィルタを表示装置面に貼り合わせるための粘着剤層中に含有させれば、近赤外線吸収層、ネオン光吸収層、及び粘着剤層を合計1層に集約することが可能である。
〔近赤外線吸収層〕
近赤外線吸収層としては、近赤外線吸収色素をバインダへ含有させた組成物を製膜したフィルムを用いたり、或いは該組成物を透明基材上に塗布して積層したり、透明基材中に添加したり、又は接着剤乃至粘着剤層中に添加したりしものを用いてもよい。近赤外線吸収色素としては、光学フィルタをプラズマディスプレイパネルの前面に適用する場合、プラズマディスプレイパネルが放出するキセノンガス放電に起因して生じる近赤外線領域、即ち、800nm〜1100nmの波長域を吸収するものを用いる。該帯域の近赤外線の透過率が20%以下、更に10%以下であることが好ましい。同時に近赤外線吸収フィルタは、可視光領域、即ち、380nm〜780nmの波長域で、十分な光線透過率を有することが望ましい。
近赤外線吸収色素としては、具体的には、ポリメチン系化合物、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、イモニウム系化合物、ジイモニウム系化合物、ジチオール系金属錯体類の有機系近赤外線吸収色素、6塩化タングステン、複合タングステン酸化物微粒子等の無機系近赤外線吸収色素、を1種、又は2種以上を併用することができる。
前記複合タングステン酸化物微粒子は、一般式MxWyOz(但し、M元素は、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1.1、2.2≦z/y≦3.0)で示される微粒子である。なお、複合タングステン酸化物微粒子の平均分散粒子径は、近赤外線吸収層の透明性の点から800nm以下であることが好ましく、更に好ましくは200nm以下、特に好ましくは100nm以下である。なおここでの平均分散粒径は、体積平均粒径をいい、粒度分布・粒子径分布測定装置(例えば、日機装株式会社製、ナノトラック粒度分布測定装置)を用いて測定することができる。上記一般式MxWyOzで表わされる化合物としては、例えば、M元素が、Cs(セシウム)元素であるもの(セシウムタングステン酸化物)が好ましく用いられる。長時間の使用、特に高温下や高湿下での長時間の使用によっても近赤外線吸収色素の劣化に帰属される分光特性変化が起こり難い点からは、複合タングステン酸化物微粒子が好適に用いられる。
また、バインダ樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂が用いられる。
尚、近赤外線吸収層を設ける場合には、外光に含まれる紫外線による近赤外線吸収色素の分解を防ぐため、当該層よりも観察者側のいずれかの層に紫外線吸収剤を含有させることが好ましい。
〔ネオン光吸収層〕
ネオン光吸収層は、光学フィルタがプラズマディスプレイ用として用いられる際に、プラズマディスプレイパネルから放射されるネオン光、即ちネオン原子の発光スペクトルを吸収するべく設置される。ネオン光の発光スペクトル帯域は波長550〜640nmの為、ネオン光吸収フィルタの分光透過率は波長550〜640nmにおいて50%以下になるように設計することが好ましい。ネオン光吸収フィルタは、少なくとも550〜640nmの波長領域内に吸収極大を有する色素として従来から利用されてきた色素を近赤外線吸収フィルタのところに挙げたようなバインダ樹脂に分散させて塗膜形成したり、透明基材中に添加したり、或いは接着剤乃至粘着剤層中に添加したりして形成することができる。該色素の具体例としては、シアニン系、オキソノール系、メチン系、サブフタロシアニン系もしくはテトラアザポルフィリン等のポルフィリン系等を挙げることができる。中でも特に、テトラアザポルフィリンが環境条件下での耐久性、ネオン光領域の吸収性とその他波長の可視光線の透明性との両立性等の点で好ましい。
〔調色層〕
調色層は、ディスプレイからの発光の色純度や色再現範囲、電源OFF時のディスプレイ色などの改善の為にディスプレイ用前面フィルタの色を調整するためのものである。例えば調色色素をバインダ樹脂に分散させた組成物を製膜したり、或いはこれを透明基材又は他の機能性フィルタ上に塗布したり、透明基材中に添加したり、或いは接着剤乃至粘着剤層中に添加したりして形成することができる。調色色素としては、可視領域である380〜780nmに最大吸収波長を有する公知の色素から、目的に応じて任意に色素を組み合わせて使用することができる。調色色素として用いることのできる公知の色素としては、特開2000−275432号公報、特開2001−188121号公報、特開2001−350013号公報、特開2002−131530号公報等に記載の色素が好適に使用できる。更にこのほかにも、黄色光、赤色光、青色光等の可視光を吸収するアントラキノン系、ナフタレン系、アゾ系、フタロシアニン系、ピロメテン系、テトラアザポルフィリン系、スクアリリウム系、シアニン系等の色素使用することができる。当該バインダ樹脂としては、上記近赤外線吸収フィルタのところに挙げたような樹脂を用いることができる。
〔紫外線吸収層〕
また、紫外線吸収層としては、例えば、紫外線吸収剤をバインダ樹脂に分散させた組成物を透明基材上に塗膜形成したり、透明基材中に添加したり、或いは接着剤乃至粘着剤層中に添加したりして形成することができる。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系等の有機系化合物、微粒子状の酸化亜鉛、酸化セリウム等からなる無機系化合物からなるものが挙げられる。当該バインダ樹脂としては、上記近赤外線吸収フィルタのところに挙げたような樹脂を用いることができる。
〔透明導電体層〕
本発明の前面フィルタにおける透明導電体層は電磁波遮蔽性能と可視光透過性能とを兼ね備えた層である。ここで、透明とは、可視光(単に光とも呼称する)に対して光透過性を有する物質の全面連続体の被膜である場合だけでなく、材料そのものは不透明であってもメッシュ化することによって、光透過性を付与したものであっても良い。尚、要求される光透過性としては、全光線透過率が50%以上、より好ましくは80%以上とすることが好ましい。
本発明では、透明導電体層の材料及び形状は特に限定されるものではなく、従来公知の光透過性の電磁波遮蔽フィルタに於ける各種導電体層を適宜採用できるものである。透明導電体層は、透明基材上に接着剤層等で積層された金属層(金属箔)をエッチングして形成したメッシュ状のものが代表的である。透明導電体層は、その他に例えば、導電性インキの印刷法や金属めっき法等を利用して透明基材上に最初からメッシュ状の形状で透明導電体層を形成したものや、最初は透明基材上に全面に、蒸着、スパッタ、めっき等の1又は2以上の物理的或いは化学的形成手法を用いて透明導電体層を形成後、エッチング等でメッシュ状の透明導電体層を形成したものが挙げられる。また、透明基材シートに積層前の金属箔単体をエッチングでパターンニングしてメッシュ状の透明導電体層とすることも可能である。この層単体のメッシュ状導電体層は、接着剤等で透明基材シートに積層する。
導電性インキの印刷法の場合、該導電インキとしては、平均粒径1〜10μm程度の銀、銅、ニッケル等の金属、黒鉛等の導電体から成る粒子を、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂バインダー中に分散したものが用いられる。導電体粒子の形状は、鱗片状、針状、多面体状等の形状が好ましい。印刷法としては、凹版印刷、シルクスクリーン印刷等が用いられる。
また、光透過性を有する物質の全面被膜である透明導電体層としては、例えば、透明基材上に銀、ITO(酸化インジウム錫)等の蒸着により全面被膜を形成したものが挙げられる。
透明導電体層は、電磁波遮蔽性能を発現するに足る導電性を有する物質であれば、特に制限は無いが、通常は、導電性が良い点で金属層が好ましく、金属層は上記のように、蒸着、めっき、金属箔ラミネート等により形成することができる。金属層乃至は金属箔の金属材料としては、例えば、金、白金、銀、銅、鉄、錫、ニッケル、クロム等が挙げられる。
また金属層の金属は合金でも良く、金属層は単層でも多層でも良い。例えば、鉄の場合には、低炭素リムド鋼や低炭素アルミキルド鋼などの低炭素鋼、Ni−Fe合金、インバー合金、等が好ましい。一方、金属が銅の場合は、金属材料は銅や銅合金となり、銅箔としては圧延銅箔や電解銅箔があるが、薄さ及びその均一性、黒化層との密着性等の点からは、電解銅箔が好ましい。
なお、上記金属層によるメッシュ状導電体層の厚さは、1〜50μm程度、好ましくは2〜15μmである。厚さがこれより薄くなり過ぎると電気抵抗上昇により十分な電磁波シールド性能を得難くなり、厚さがこれより厚くなり過ぎると高精細なメッシュ形状が得難くなり、メッシュ形状の均一性が低下する。
また、メッシュ状導電体層となる金属層の表裏面は、透明基材と接着積層させる為の透明接着剤層等の隣接層との密着性向上が必要な場合は当該面を粗面とすると良い。表面粗さは、メッシュ状導電体層となる金属層の表面の輪郭曲線として粗さ曲線を採用した時に、当該輪郭曲線の十点平均粗さRz(JIS B0601(1994年版))が0.5〜1.5μm程度であることが好ましい。
(黒化処理)
上記透明導電体層がメッシュ形状を有する透明導電体層(以下、メッシュ状導電体層と呼称する場合がある。)である場合、上記透明導電体層表面の光反射を防ぐことを目的として、黒化処理面を形成することができる。黒化処理面により、メッシュ状導電体層の表面における外光反射による透視画像の黒レベルの低下を防いで、艶黒感(白化防止)にも寄与し、また、透視画像の明室(乃至明所)コントラストを向上させて、ディスプレイの画像の視認性を向上するものである。このような黒化処理面をプラズマディスプレイの少なくとも観察者側の面に形成することにより、本願発明の防眩層による効果と相俟って、映り込み防止、艶黒感、及び明室コントラスト向上効果をより高めることができる。黒化処理面は、メッシュ状導電体層のライン部(線状部分)の全ての面に設けることが好ましいが、本発明では表裏両面のうち少なくとも観察者側を黒化処理面とする。その理由は、観察者側が即ち外光入射側でもある為である。メッシュ状導電体層の貼り合わせる側と反対側の表面や、側面(両側或いは片側)が更に黒化処理されていても良い。黒化層は、少なくとも観察側に設ければ良いが、ディスプレイ面側にも設ける場合には、ディスプレイから発生する迷光を抑えられるので、さらに、画像の視認性が向上する。また、ライン部の側面にも黒化層を設ける場合には、該側面で反射する外光、或いは画像光の不要な反射を抑制することができるため、更に視認性を高めることができる。
黒化処理としては、メッシュ状金属層の場合は、金属層面を粗化するか、全可視光スペクトルに亘って光吸収性を付与する(黒化する)か、或いは両者を併用するか、何れかにより行なう。特に、黒化処理面を実現する具体的手段として、光吸収性の(黒色の)層を形成する場合、該層を黒化層と呼称する。具体的に黒化処理としては、メッシュ状導電体層にメッキ等で黒化層を付加的に設ける他、エッチング等で表面から内部に向かって該表面を構成する層自体を黒化層に変化させても良い。
又、印刷で形成する導電性インキメッシュの場合は、導電性インキ中の導電体粒子として黒鉛等の黒色の導電体を用いるか、或いは金属の導電体粒子を含む導電性インキ中に黒色顔料(導電性は不必須)を更に添加して金属光沢を隠蔽して黒化する形態が好適である。黒色顔料としては、カーボンブラック(墨)、黒色酸化鉄(鉄黒)等が使用できる。
本発明において黒化層は、黒、濃灰色、褐色、紺色、深緑色等の可視光反射率の低い(通常、20%以下)暗色を呈し、密着性等の基本的物性を満足するものであれば良く、公知の黒化層を適宜採用し得る。
(防錆層)
メッシュ状導電体層としては、必要に応じ適宜その他の層の形成、乃至は処理を施しても良い。例えば、錆びに対する耐久性が不十分な場合は、防錆層を設けると良い。防錆層は、前述した黒化層と同様に、それがメッシュ状導電体層の形状的特徴であるメッシュ形状を維持する限り、メッシュ状導電体層に含まれる構成層として本発明では捉える。
防錆層は、それで被覆するメッシュ状導電体層よりも錆び難いものであれば、金属等の無機材料、樹脂等の有機材料、或いはこれらの組合せ等、特に限定されるものではない。また場合によっては、黒化層をも防錆層で被覆することで、黒化層の粒子の脱落や変形を防止し、黒化層の黒さを高めることもできる。従って、本発明においては、黒化層の脱落や変質防止の点から、透明樹脂基材と貼り合わせる側の黒化層上に防錆層が設けられることが好ましい。
防錆層は、従来公知のものを適宜採用すれば良く、例えば、クロム、亜鉛、ニッケル、スズ、銅等の金属乃至は合金、或いは金属酸化物の金属化合物の層等である。これらは、公知のめっき法等で形成できる。ここで、防錆効果及び密着性等の点で好ましい防錆層の一例を示せば、亜鉛めっきした後、クロメート処理して得られるクロム化合物層が、挙げられる。また、防錆層中には、エッチングや酸洗浄時の耐酸性向上の為に、シランカップリング剤等のケイ素化合物を含有させることもできる。
なお、上記メッシュ状導電体層のメッシュの形状は、任意で特に限定されないが、そのメッシュの開口部の形状として、正方形が代表的である。
また、バイアス角度(メッシュのライン部と電磁波シールドフィルタの外周辺との成す角度)は、ディスプレイの画素ピッチや発光特性を考慮して、モアレが出難い角度に適宜設定すれば良い。
また、メッシュ状導電体層は前面フィルタの全面にわたってメッシュ状領域としても良いが、光透過性が必要な部分をメッシュ状として、その他の部分(例えば4辺全周囲を額縁状に囲う様な)非メッシュ状としても良い。非メッシュ状領域は、前記メッシュ状領域以外の部分であり、光透過性が面として必要でない領域であって、前述のように通常接地用領域として利用される。なお、非メッシュ状領域の具体的な大きさは使われ方によるが、額縁状でアース部や外枠とする場合、額縁の幅は10〜30mm程度で、なかでも10〜15mmとするのが一般的である。
〔接着剤層(粘着剤層)〕
上記各層を接着するのに、接着剤層(又は粘着剤層)が用いられても良い。接着剤層は、接着しようとする層同士を接着することが可能なものであれば、材料の種類等は特に限定されるものではない。
但し、上記メッシュ状導電体層が、金属箔及び透明基材を接着剤層を介して貼り合わせた後、金属箔をエッチングによりメッシュ形状とする態様である場合、接着剤層は耐エッチング性を有することが好ましい。
具体的には、ポリエステルウレタン、アクリルウレタン、ポリエーテルウレタン等のポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール単独もしくはその部分鹸化品、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等を好ましく用いることができる。また、本発明に用いられる接着剤層(又は粘着剤層)は、紫外線硬化型であってもよく、また熱硬化型であってもよい。特に、透明基材との密着性や、ネオン光吸収色素等との相溶性、分散性などの観点からアクリル樹脂もしくはポリエステル樹脂が好ましい。
接着剤層を介してドライラミネーション法等により透明基材シートやメッシュ状導電体層を形成するための金属箔を接着することができる。また、この接着剤層の膜厚が0.5μm〜50μmの範囲内、中でも1μm〜20μmであることが好ましい。これにより、透明基材シートとメッシュ状導電体層とを強固に接着することができ、また、メッシュ状導電体層を形成するエッチングの際に透明基材シートが酸化鉄等のエッチング液の影響を受けること等を防ぐことができるからである。
当該接着剤層中に、上述のような近赤外線吸収色素、ネオン光吸収色素、調色色素、及び/又は紫外線吸収剤を1種以上含有させてもよい。このようにすることにより、複数の機能を1層で兼務し、且つこれを接着剤層とも統合することができるため、前面フィルタの総厚み、工程数、原価を低減することが可能となり、好ましい。
〔耐衝撃層〕
また、前面フィルタの表示装置側の面には、耐衝撃効果を高める観点から、耐衝撃層を設けてもよい。耐衝撃層は、耐衝撃材として、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系等が適用でき、樹脂の中でも、アクリル系樹脂、或いはウレタン系樹脂が好ましい。例えば、上記接着剤層に用いられる上記接着剤を用いて、厚さ100〜800μmの接着剤層を形成したものを好適に用いることができる。
当該耐衝撃層中に、上述のような近赤外線吸収色素、ネオン光吸収色素、及び/又は調色色素を1種以上含有させてもよい。
〔保護フィルム、離型フィルム〕
本発明に係る前面フィルタは、ディスプレイの前面に設置されるまで、又は別の光学積層体等と積層されるまで、或いは、製造途中に、観察者側表面の防眩層を保護するための保護フィルムを一時的に仮積層してもよい。一次的に仮積層する保護フィルムとしては、仮接着できる程度の粘着性を有する粘着剤層を備えた保護フィルムであることが好ましい。
更に、本発明に係る前面フィルタは、表示装置側表面が接着剤層又は粘着剤層である場合に、離型フィルムを一時的に仮積層してもよい。
本発明に係る前面フィルタが帯状形態で保存時や加工時に巻き取る場合であって、表示装置側表面が接着剤層又は粘着剤層の場合には、接着剤層又は粘着剤層に接触する保護フィルムや離型フィルムは、表面が平滑な物を用いることが好ましい。接着剤層又は粘着剤層に接触する保護フィルムや離型フィルム表面に凹凸が存在すると、帯状に巻き取られる際に、その凹凸が接着剤層又は粘着剤層に賦形される場合がある。従って、接着剤層又は粘着剤層に接触する保護フィルムや離型フィルムとしては、平滑性が高いポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルフィルムが好適に用いられる。接着剤層又は粘着剤層に接触する離型フィルムの代わりに、無塵紙を合紙として用いても良い。接着剤層又は粘着剤層に直接接触しない保護フィルムの場合には、材料は特に限定されず、例えばポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムを用いることができる。
また、保護フィルムとして、JIS−K7136に準拠したヘイズ値が10以下であるフィルムを用いる場合には、前面フィルタ表面にできた小さな球状体や表面の異物の目視検査が容易になる点から好ましい。
<前面フィルタの用途>
本発明に係る前面フィルタは、プラズマディスプレイの前面に設けられることにより、艶黒感を達成しながら、同時に映り込みを有効に防止し、更に、各種機能をディスプレイに付与することができる。
本発明に係る前面フィルタは、特に大画面のテレビ用ディスプレイに好適に用いられる。
尚、本発明の前面フィルタは、プラズマディスプレイの他、陰極線管表示装置、或いはエレクトロルミネッセンスディスプレイ等に用いることもできる。
<プラズマディスプレイ>
本発明に係るプラズマディスプレイは、プラズマディスプレイの表示面に、上記本発明に係るプラズマディスプレイ用前面フィルタを備えてなることを特徴とする。
本発明に係るプラズマディスプレイは、艶黒感を達成し、明所での画像コントラストを向上させながら、同時に映り込みを有効に防止し、例えば表示装置の前面に電磁波が漏洩しないなど、更に前面フィルタの機能層よってプラズマディスプレイの問題が解消されている。
以下、本発明について実施例を示して具体的に説明する。これらの記載により本発明を制限するものではない。尚、実施例中、特別の断りの無い限り、「部」及び「%」は質量基準である。組成物に配合される単分散微粒子の粒度分布は、全て平均粒子径±0.3〜±1μmのものを使用している。但し、粒子径が3.5μm以下のものの場合は、この粒度分布の限りではない。
<製造例1:凹凸層用組成物の調製>
防眩層を構成する各層の組成物を下記の組成に従って調製した。
〔製造例1−1〕
(紫外線硬化型樹脂)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(屈折率1.51):2.18重量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)(屈折率1.51):0.98重量部
ポリメチルメタクリレート(PMMA)(分子量75,000):0.31重量部
(光硬化開始剤)
イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):0.20重量部
イルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):0.03重量部
(透光性第1微粒子)
単分散アクリルビーズ(粒子径9.5μm、屈折率1.535):0.74重量部
(透光性第2微粒子)
不定形シリカインキ(平均粒子径1.5μm、固形分60%、シリカ成分は全固形分の15%):1.46重量部
(レベリング剤)
シリコーン系レベリング剤:0.02重量部
(溶剤)
トルエン:5.53重量部
アノン:1.55重量部
上記材料を十分混合し、固形分40.5%の組成物として調製した。この組成物を孔径30μmのポリプロピレン製フィルタで濾過して凹凸層用組成物1を調製した。
〔製造例1−2〕
(紫外線硬化型樹脂)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(屈折率1.51):2.20重量部
イソシアヌル酸変性ジアクリレート M215(東亞合成(株)製、屈折率1.51):1.21重量部
ポリメチルメタクリレート(PMMA)(分子量75,000):0.34重量部
(光硬化開始剤)
イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):0.22重量部
イルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):0.04重量部
(透光性第1微粒子)
単分散アクリルビーズ(粒子径9.5μm、屈折率1.535):0.82重量部
(透光性第2微粒子)
不定形シリカインキ(平均粒子径1.5μm、固形分60%、シリカ成分は全固形分の15%):1.73重量部
(レベリング剤)
シリコーン系レベリング剤:0.02重量部
(溶剤)
トルエン:5.88重量部
アノン:1.55重量部
上記材料を十分混合し、固形分40.5%の組成物として調製した。この組成物を孔径30μmのポリプロピレン製フィルタで濾過して凹凸層用組成物2を調製した。
〔製造例1−3〕
(紫外線硬化型樹脂)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(屈折率1.51):14重量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)(屈折率1.51):6重量部
ポリメチルメタクリレート(PMMA)(分子量75,000):2重量部
(光硬化開始剤)
イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):1.32重量部
イルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):0.22重量部
(透光性第1微粒子)
単分散スチレンビーズ(粒子径5.0μm、屈折率1.60):0.64重量部
(透光性第2微粒子)
単分散メラミンビーズ(粒子径1.8μm、屈折率1.68):2.2重量部
(レベリング剤)
シリコーン系レベリング剤:0.0088重量部
上記材料と、トルエン:シクロヘキサノンが8:2の溶剤を、全固形分が42%となるように添加して十分混合し組成物として調製した。この組成物を孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して凹凸層用組成物3を調製した。
〔製造例1−4〕
(紫外線硬化型樹脂)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(屈折率1.51):19.5重量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)(屈折率1.51):10.5重量部
ポリメチルメタクリレート(PMMA)(分子量75,000):3重量部
(光硬化開始剤)
イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):1.98重量部
イルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):0.33重量部
(透光性第1微粒子)
単分散アクリルビーズ(粒子径9.0μm、屈折率1.535):4.95重量部
(透光性第2微粒子)
スチレンビーズ(粒子径3.5μm、屈折率1.60):6.6重量部
(レベリング剤)
シリコーン系レベリング剤:0.0132重量部
上記材料と、トルエン:シクロヘキサノンが8:2の溶剤を、全固形分が40.5%となるように添加して十分混合し、組成物として調製した。この組成物を孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して凹凸層用組成物4を調製した。
〔製造例1−5〕
(紫外線硬化型樹脂)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(屈折率1.51):19.5重量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)(屈折率1.51):10.5重量部
ポリメチルメタクリレート(PMMA)(分子量75,000):3重量部
(光硬化開始剤)
イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):1.98重量部
イルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):0.33重量部
(透光性第1微粒子)
単分散アクリルビーズ(粒子径7.0μm、屈折率1.535):6.6重量部
(透光性第2微粒子)
スチレンビーズ(粒子径3.5μm、屈折率1.60):11.55重量部
(レベリング剤)
シリコーン系レベリング剤:0.0132重量部
上記材料と、トルエン:シクロヘキサノンが8:2の溶剤を、全固形分が40.5%となるように添加して十分混合し、組成物として調製した。この組成物を孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して凹凸層用組成物5を調製した。
〔製造例1−6〕
(紫外線硬化型樹脂)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(屈折率1.51):21重量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)(屈折率1.51):9重量部
ポリメチルメタクリレート(PMMA)(分子量75,000):3重量部
(光硬化開始剤)
イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):1.98重量部
イルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):0.33重量部
(透光性第1微粒子)
単分散アクリルビーズ(粒子径4.6μm、屈折率1.535、疎水挙動タイプ):4.95重量部
(透光性第2微粒子)
スチレンビーズ(粒子径3.5μm、屈折率1.60):0.33重量部
(レベリング剤)
シリコーン系レベリング剤:0.0132重量部
上記材料と、トルエン:シクロヘキサノンが8:2の溶剤を、全固形分が42%となるように添加して十分混合し、組成物として調製した。この組成物を孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して凹凸層用組成物6を調製した。
〔製造例1−7〕
(紫外線硬化型樹脂)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(屈折率1.51):30重量部
ポリメチルメタクリレート(PMMA)(分子量75,000):3重量部
(光硬化開始剤)
イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):1.98重量部
イルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):0.33重量部
(透光性第1微粒子)
単分散アクリルビーズ(粒子径7.0μm、屈折率1.535):4.95重量部
(透光性第2微粒子)-
スチレンビーズ(粒子径3.5μm、屈折率1.60):5.445重量部
(レベリング剤)
シリコーン系レベリング剤:0.0132重量部
上記材料と、トルエン:シクロヘキサノンが8:2の溶剤を、全固形分が40.5%となるように添加して十分混合し、組成物として調製した。この組成物を孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して凹凸層用組成物7を調製した。
〔製造例1−8〕
(紫外線硬化型樹脂)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(屈折率1.51):19.5重量部
イソシアヌル酸変性ジアクリレートM215(東亞合成(株)製):10.5重量部
ポリメチルメタクリレート(PMMA)(分子量75,000):3重量部
(光硬化開始剤)
イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):1.98重量部
イルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):0.33重量部
(透光性第1微粒子)
単分散アクリルビーズ(粒子径9.0μm、屈折率1.535):3.3重量部
(透光性第2微粒子)
スチレンビーズ(粒子径3.5μm、屈折率1.60):4.62重量部
(レベリング剤)
シリコーン系レベリング剤:0.0132重量部
上記材料と、トルエン:シクロヘキサノンが8:2の溶剤を、全固形分が60%となるように添加して十分混合し、組成物として調製した。この組成物を孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して凹凸層用組成物8を調製した。
〔製造例1−9〕
不定形シリカマット剤分散インキ:平均粒子径2.5μmの不定形シリカの樹脂(PETA)分散液(固形分60%、シリカ成分は全固形分の15%、溶剤はトルエン)と紫外線硬化型樹脂であるペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(屈折率1.51)を用いて、全固形量におけるPETAの総量を100重量部とした時に、透光性微粒子としての単分散アクリルビーズ(粒子径7.0μm、屈折率1.535)が20重量部であり、単分散スチレンビーズが3.0重量部(粒子径3.5μm、屈折率1.60)、不定形シリカが、2.0重量部となるように調整して、更にシリコーン系レベリング剤を樹脂の総量100重量部に対し、0.04%添加し、最終的な組成物の固形分が40.5wt%となるように、また、トルエン/シクロヘキサノン=8/2になるよう、トルエン、シクロヘキサノンを適宜添加して十分混合したのち、この組成物を孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して凹凸層用組成物9とした。
〔製造例1−10〕
透光性微粒子としての、単分散スチレンビーズを16.5重量部(粒子径3.5μm、屈折率1.60)用いたこと以外は、製造例1−9と同様の方法で、凹凸層用組成物10を調製した。
〔製造例1−11〕
透光性微粒子としての、単分散スチレンビーズを8.5重量部(粒子径3.5μm、屈折率1.60)用いたこと以外は、製造例1−9と同様の方法で、凹凸層用組成物11を調製した。
〔製造例1−12〕
透光性微粒子としての、単分散スチレンビーズを2.5重量部(粒子径3.5μm、屈折率1.60)用いたこと以外は、製造例1−9と同様の方法で、凹凸層用組成物12を調製した。
〔製造例1−13〕
透光性微粒子としての、単分散スチレンビーズを2.5重量部(粒子径3.5μm、屈折率1.60)、不定形シリカ(平均粒径2.5μm)を1.0重量部用いたこと以外は、製造例1−9と同様の方法で、凹凸層用組成物13を調製した。
〔製造例1−14〕
透光性微粒子としての、単分散スチレンビーズを2.5重量部(粒子径3.5μm、屈折率1.60)、不定形シリカ(平均粒径2.5μm)を、3.5重量部用いて、製造例1−9と同様の方法で、凹凸層用組成物14を調製した。
〔製造例1−15〕
(紫外線硬化型樹脂)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(屈折率1.51):13・0重量部
イソシアヌル酸変性ジアクリレートM215(東亞合成(株)製):7.0重量部
ポリメチルメタクリレート(PMMA)(分子量75,000):2重量部
(光硬化開始剤)
イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):1.32重量部
イルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):0.22重量部
(透光性第1微粒子)
単分散アクリルビーズ(粒子径13.5μm、屈折率1.535):0.44重量部
(透光性第2微粒子)
単分散スチレンビーズ(粒子径3.5μm、屈折率1.60):0.88重量部
(レベリング剤)
シリコーン系レベリング剤:0.0077重量部
上記材料と、トルエン:シクロヘキサノンが6:4の溶剤を、全固形分が38%となるように添加して十分混合し、組成物として調製した。この組成物を孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して凹凸層用組成物15を調製した。
〔製造例1−16〕
(紫外線硬化型樹脂)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(屈折率1.51):50質量部
(光硬化開始剤)
イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):1.50質量部
イルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):50質量部
PETAを40℃オーブン中で1時間温めた後、2種類の光硬化開始剤をゆっくりと添加しながら攪拌し、40℃オーブンで更に1時間温め、その後、再攪拌し光硬化開始剤を完全に溶解させ、固形分100%の凹凸層用組成物16として調整した。
〔製造例1−17〕
(紫外線硬化型樹脂)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(屈折率1.51):19.5重量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)(屈折率1.51):10.5重量部
ポリメチルメタクリレート(PMMA)(分子量75,000):3重量部、
(光硬化開始剤)
イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):1.98重量部
イルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):0.33重量部
(透光性微粒子)
単分散アクリルビーズ(粒子径3.5μm、屈折率1.535):6.6重量部
(レベリング剤)
シリコーン系レベリング剤:0.0132重量部
上記材料と、トルエン:シクロヘキサノンが8:2の溶剤を、全固形分が40.5%となるように添加して十分混合し、組成物として調製した。この組成物を孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して凹凸層用組成物17を調製した。
〔製造例1−18〕
透光性微粒子として、粒度分布ありアクリルビーズ((株)日本触媒製、粒子径5.0μm±3.0、屈折率1.535)6.6重量部を用いたこと以外は、製造例1−17と同様の方法で、凹凸層用組成物18を調製した。
〔製造例1−19〕
(紫外線硬化型樹脂)
ウレタンアクリレートモノマーUV1700B(日本合成化学工業(株)製、屈折率1.52):30重量部
ポリメチルメタクリレート(PMMA)(分子量75,000):3重量部
(光硬化開始剤)
イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):1.98重量部
イルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):0.33重量部
(透光性微粒子)
単分散スチレンビーズ(粒子径3.5μm、屈折率1.60):6.6重量部
(レベリング剤)
シリコーン系レベリング剤:0.0132重量部
上記材料と、トルエン溶剤を、全固形分が40.0%となるように添加して十分混合し、組成物として調製した。この組成物を孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して凹凸層用組成物19を調製した。
〔製造例1−20〕
(紫外線硬化型樹脂)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(屈折率1.51):18重量部
イソシアヌル酸変性ジアクリレート(M215 東亜合成(株)製):12重量部
ポリメチルメタクリレート(PMMA)(分子量75,000):3重量部
(光硬化開始剤)
イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):1.98重量部
イルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):0.33重量部
(透光性第1微粒子)
単分散アクリルビーズ(粒子径5.0μm、屈折率1.535):5.28重量部
(透光性第2微粒子)
単分散スチレンビーズ(粒子径3.5μm、屈折率1.60):0.53重量部
(レベリング剤)
シリコーン系レベリング剤:0.0132重量部
上記材料と、トルエン:シクロヘキサノンが8:2の溶剤を、全固形分が40.5%となるように添加して十分混合し、組成物として調製した。この組成物を孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して凹凸層用組成物20を調製した。
〔製造例1−21〕
(紫外線硬化型樹脂)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(屈折率1.51):13.0重量部
イソシアヌル酸変性ジアクリレートM215(東亞合成(株)製):7.0重量部
ポリメチルメタクリレート(PMMA)(分子量75,000):2重量部
(光硬化開始剤)
イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):1.32重量部
イルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):0.22重量部
(透光性第1微粒子)
単分散アクリルビーズ(粒子径9.0μm、屈折率1.535):4.4重量部
(透光性第2微粒子)
単分散スチレンビーズ(粒子径3.5μm、屈折率1.60):0.44重量部
(レベリング剤)
シリコーン系レベリング剤:0.0077重量部
上記材料と、トルエン:シクロヘキサノンが8:2の溶剤を、全固形分が40.5%となるように添加して十分混合し、組成物として調製した。この組成物を孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して凹凸層用組成物21を調製した。
〔製造例1−22〕
(紫外線硬化型樹脂)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(屈折率1.51):28.4重量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)(屈折率1.51):1.50重量部
ポリメチルメタクリレート(PMMA)(分子量75,000):3.18重量部
(光硬化開始剤)
イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):1.96重量部
イルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):0.33重量部
(透光性微粒子)
単分散スチレンビーズ(粒子径3.5μm、屈折率1.60):4.55重量部
(レベリング剤)
シリコーン系レベリング剤:0.0105重量部
上記材料と、トルエン:シクロヘキサノンが7:3の溶剤を、全固形分が38%となるように添加して十分混合し、組成物として調製した。この組成物を孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して凹凸層用組成物22を調製した。
〔製造例1−23〕
(紫外線硬化型樹脂)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(、屈折率1.51):12.0重量部
イソシアヌル酸変性ジアクリレートM215(東亞合成(株)製):8.0重量部
ポリメチルメタクリレート(PMMA)(分子量75,000):2重量部
(光硬化開始剤)
イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):1.32重量部
イルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):0.22重量部
(透光性第1微粒子)
単分散スチレン−アクリル共重合ビーズ(粒子径3.5μm、屈折率1.555):4.84重量部
(透光性第2微粒子)
単分散スチレンビーズ(粒子径3.5μm、屈折率1.60):0.55重量部
(レベリング剤)
シリコーン系レベリング剤:0.0077重量部
上記材料と、トルエン:シクロヘキサノンが6:4の溶剤を、全固形分が38%となるように添加して十分混合し、組成物として調製した。この組成物を孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して凹凸層用組成物23を調製した。
〔製造例1−24〕
(紫外線硬化型樹脂)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(屈折率1.51):32重量部
セルロースアセテートプロピオネート:CAP(分子量50,000):0.4重量部
(光硬化開始剤)
イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):1.92重量部
イルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):0.32重量部
シリコーン系レベリング剤:0.11重量部
(透光性微粒子)
単分散ポリスチレン粒子(粒子径3.5μm、屈折率1.60):1.94重量部
上記材料と、トルエン:シクロヘキサノンが7:3の溶剤を、全固形分が38%となるように添加して十分混合し組成物として調製した。この組成物を孔径30μmのポリプロレン製フィルタでろ過して凹凸層用組成物24を調製した。
〔製造例1−25〕
(紫外線硬化型樹脂)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(屈折率1.51):30重量部
セルロースアセテートプロピオネート:CAP(分子量50,000):0.375重量部
(光硬化開始剤)
イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):1.82重量部
イルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):0.30重量部
シリコーン系レベリング剤:0.125重量部
(透光性微粒子)
単分散ポリスチレン粒子(粒子径3.5μm、屈折率1.60):2.73重量部
上記材料と、トルエン:シクロヘキサノンが7:3の溶剤を、全固形分が35%となるように添加して十分混合し組成物として調製した。この組成物を孔径30μmのポリプロ
レン製フィルタでろ過して凹凸層用組成物25を調製した。
〔製造例1−26〕
(樹脂)
酢酸プロピオン酸セルロースエステル(イーストマンケミカル社製、CAP482−20):0.95重量部
反応性オリゴマー[(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体のカルボキシル基の一部に、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチルアクリレートを付加させた化合物;ダイセル・ユーシービー(UCB)(株)製、サイクロマーP]:16.25重量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA):15.8重量部
(光重合開始剤)
イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):1.25重量部
(溶剤)
メチルエチルケトン:51重量部
ブタノール:17重量部
上記材料を適宜添加して十分混合した。この組成物を孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して固形分33.5%の凹凸層用組成物26とした。
〔製造例1−27〕
(紫外線硬化型樹脂)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(屈折率1.51):2.18重量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)(屈折率1.51):0.98重量部
ポリメチルメタクリレート(PMMA)(分子量75,000):0.31重量部
(光硬化開始剤)
イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):0.20重量部
イルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):0.03重量部
(レベリング剤)
シリコーン系レベリング剤:0.02重量部
(溶剤)
トルエン:5.53重量部
アノン:1.55重量部
上記材料を十分混合し、固形分40.5%の組成物として調製した。この組成物を孔径30μmのポリプロピレン製フィルタで濾過して凹凸層用組成物27を調製した。
<製造例2:表面形状調整層用組成物の調製>
〔製造例2−1〕
(紫外線硬化型樹脂)
UV1700B(日本合成化学工業(株)製、屈折率1.51):31.1重量部
イソシアヌル酸変性トリアクリレートM315(東亞合成(株)製):10.4重量部
(光硬化開始剤)
イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):0.49重量部
イルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):0.41重量部
(防汚剤)
UT−3971(日本合成化学工業(株)製):2.07重量部
(溶剤)
トルエン:48.76重量部
シクロヘキサノン:5.59重量部
上記成分を十分混合して固形分45%の組成物として調製した。この組成物を孔径10μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して表面形状調整層用組成物1を調製した。
〔製造例2−2〕
(紫外線硬化型樹脂)
UV1700B(日本合成化学工業(株)製、屈折率1.51):31.1重量部
イソシアヌル酸変性トリアクリレートM315(東亞合成(株)製):10.4重量部
(光硬化開始剤)
イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):0.49重量部
イルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):0.41重量部
(レベリング剤)
シリコーン系レベリング剤:0.19重量部
(溶剤)
トルエン:46.7重量部
シクロヘキサノン:5.45重量部
上記成分を十分混合して組成物として調製した。この組成物を孔径10μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して表面形状調整層用組成物2を調製した。
〔製造例2−3〕
溶剤として、トルエンを48.0重量部、シクロヘキサノンを5.5重量部用いたこと以外は、製造例2−1と同様の方法で、表面形状調整層用組成物3を調製した。
〔製造例2−4〕
溶剤として、トルエンを525.18重量部、シクロヘキサノンを60.28重量部用いたこと以外は、製造例2−1と同様の方法で、表面形状調整層用組成物4を調製した。
〔製造例2−5〕
溶剤として、トルエンを48.0重量部、シクロヘキサノンを5.5重量部用いたこと以外は、製造例2−2と同様の方法で、表面形状調整層用組成物5を調製した。
〔製造例2−6〕
(帯電防止剤)
C-4456 S-7(ATO含有導電インキ、ATOの平均粒子径300〜400nm、固形分濃度45% 日本ペルノックス(株)製):21.6重量部
(紫外線硬化型樹脂)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)(屈折率1.51):28.69重量部
(光硬化開始剤)
イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):1.56重量部
MIBK(メチルイソブチルケトン):33.7重量部
シクロヘキサノン:14.4重量部
上記成分を混合して組成物として調製した。この組成物を孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して表面形状調整層用組成物6を調製した。
〔製造例2−7〕
ジルコニア含有塗料組成物(JSR(株)製、商品名;「KZ7973」、屈折率:1.69の樹脂マトリックス、固形分50%)を用い、樹脂マトリックスの屈折率が1.60となるように、下記の組成の表面形状調整層用組成物5を作製した。
(紫外線硬化型樹脂)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(屈折率1.51):18.59重量部
ジルコニア(JSR(株)製、商品名;「KZ7973」に含有されているジルコニア、平均粒子径40〜60nm、屈折率2.0)(紫外線硬化型樹脂に含有させて樹脂マトリックスを発現させる):17.18重量部
ジルコニア分散剤(JSR(株)製、商品名;「KZ7973」に含有されているジルコニア分散安定剤):1.22重量部
ポリメチルメタクリレート(PMMA)(分子量40,000):0.94重量部
(光硬化開始剤)
イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):0.56重量部
(光硬化開始剤)
イルガキュア907チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製):0.26重量部
(レベリング剤)
シリコーン系レベリング剤:0.039重量部
(溶剤)
トルエン:14.34重量部
シクロヘキサノン:15.76重量部
MEK:2.80重量部
上記成分を十分混合して組成物として調製した。この組成物を孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して表面形状調整層用組成物7を調製した。
〔製造例2−8〕
コロイダルシリカスラリー(MIBK分散;固形分40%、平均粒子径20nm):26.01重量部
UV−1700B(紫外線硬化型樹脂;日本合成化学工業製):23.20重量部
アロニックスM315(紫外線硬化型樹脂;東亜合成製):7.73重量部
イルガキュア184(光硬化開始剤;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):1.86重量部
イルガキュア907(光硬化開始剤;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.31重量部
UT−3971(防汚剤;固形分30%MIBK溶液;日本合成化学工業製):1.55重量部
(溶剤)
トルエン:19.86重量部
MIBK:15.56重量部
シクロヘキサノン:3.94重量部
上記成分を十分混合して組成物として調製した。この組成物を孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して表面形状調整層用組成物8を調製した。
〔製造例2−9〕
UT−3971(防汚剤;固形分30%MIBK溶液;日本合成化学工業製)1.55重量部の代わりに、シリコーン系レベリング剤(固形分10%トルエン溶液)0.14重量部を用いたこと以外は、製造例2−8と同様の方法で、表面形状調整層用組成物9を調製した。
<製造例3:低屈折率層用組成物の調製>
〔製造例3−1〕
下記組成表の成分を攪拌した後、孔径10μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、低屈折率層用組成物1を調製した。
中空シリカスラリー(IPA,MIBK分散、固形分20%、粒子径50nm):9.57重量部
ポリメチルメタクリレート(PMMA)(紫外線硬化型樹脂):0.981重量部
AR110(フッ素ポリマー;固形分15%MIBK溶液;ダイキン工業製):6.53重量部
イルガキュア369(光硬化開始剤;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.069重量部
シリコーン系レベリング剤:0.157重量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME):28.8重量部
メチルイソブチルケトン:53.9重量部
〔製造例3−2〕
フッ素系樹脂組成物(JSR(株)製、商品名;「TM086」):34.14重量部
光重合開始剤(JSR(株)製、商品名;「JUA701」):0.85重量部
MIBK:65重量部
上記成分を攪拌の後、孔径10μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、低屈折率層用組成物2を調製した。
〔製造例3−3〕
下記組成表の成分を攪拌した後、孔径10μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、低屈折率層用組成物3を調製した。
表面処理シリカゾル(空隙を有する微粒子):14.3重量部(20%メチルイソブチルケトン溶液使用)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(屈折率1.51):1.95重量部
イルガキュア907(チバスペシャリティケミカルズ社製):0.1重量部
ポリエーテル変性シリコーンオイル:0.15重量部
メチルイソブチルケトン:83.5重量部
<製造例4:帯電防止層用組成物の調製>
下記組成表の成分を攪拌の後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過し、帯電防止層用組成物を調製した。
帯電防止剤 C-4456 S-7(ATO含有導電インキ、ATOの平均粒子径300〜400nm、固形分濃度45% 日本ペルノックス(株)製):2.0重量部
メチルイソブチルケトン:2.84重量部
シクロヘキサノン:1.22重量部
<製造例5:防眩性光学積層体の製造>
防眩性光学積層体を下記の通りにそれぞれ調製した。
〔製造例5−1〕
(凹凸層の形成)
厚さ100μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製、商品名「A4300」)をポリエステルフィルムとして用い、凹凸層用組成物1を、フィルム上にコーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#10を用いて塗布し、70℃のオーブン中で30秒間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、紫外線を照射線量が30mJになるよう照射して塗膜を硬化させ凹凸層を形成した。
(表面形状調整層の形成)
さらに凹凸層の上に、表面形状調整層用組成物1を、コーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#12を用いて塗布し、70℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、窒素パージ下(酸素濃度200ppm以下)で、紫外線を照射線量が80mJになるよう照射して塗膜を硬化させ、表面形状調整層を積層し、防眩性光学積層体を得た。(基材上の防眩層の総厚:約12μm)
〔製造例5−2〕
(凹凸層の形成)
厚さ100μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製、商品名「A1540」)をポリエステルフィルムとして用い、凹凸層用組成物2を、フィルム上にコーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#10を用いて塗布したこと以外は、製造例5−1と同様に凹凸層を形成した。
(表面形状調整層の形成)
紫外線を照射線量が70mJになるよう照射して塗膜を硬化させて、表面形状調整層を積層したこと以外は、製造例5−1と同様に、防眩性光学積層体を得た。(基材上の防眩層の総厚:約12μm)
〔製造例5−3〕
(凹凸層の形成)
製造例5−2において、ポリエステルフィルムとして厚さ100μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製、商品名「A1540」)を用いる代わりに、厚さ100μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製、商品名「A1542」)用いたこと以外は、製造例5−2と同様に凹凸層を形成した。
(表面形状調整層の形成)
紫外線を照射線量が70mJになるよう照射して塗膜を硬化させて、表面形状調整層を積層したこと以外は、製造例5−1と同様に、防眩性光学積層体を得た。(基材上の防眩層の総厚:約12μm)
(低屈折率層の形成)
さらに表面形状調整層上に、低屈折率層用組成物1を、コーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#4を用いて塗布し、50℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、窒素パージ下(酸素濃度200ppm以下)で、紫外線を照射線量が100mJになるよう照射して塗膜を硬化させ、膜厚が約100nmの低屈折率層を形成して、防眩性低反射光学積層体を得た。(基材上の防眩層の総厚:約12.1μm)
〔製造例5−4〕
(凹凸層の形成)
厚さ100μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製、商品名「A4300」)をポリエステルフィルムとして用い、凹凸層用組成物3を、フィルム上にコーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#10を用いて塗布し、70℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、窒素パージ下(酸素濃度200ppm以下)で、紫外線を照射線量が14mJになるよう照射して塗膜を硬化させ凹凸層を形成した。凹凸層で、バインダ樹脂との屈折率差が最大0.17である微粒子を使用することで、内部拡散効果を出し、ギラツキをより効果的に防止できるようにした。
(表面形状調整層の形成)
さらに凹凸層の上に、表面形状調整層用組成物4を、コーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#8を用いて塗布し、70℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、窒素パージ下(酸素濃度200ppm以下)で、紫外線を照射線量が100mJになるよう照射して塗膜を硬化させ、表面形状調整層を積層し、防眩性光学積層体を得た。(基材上の防眩層の総厚:約6.5μm)
〔製造例5−5〕
(凹凸層の形成)
厚さ100μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製、商品名「A4300」)をポリエステルフィルムとして用い、凹凸層用組成物4を、フィルム上にコーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#10を用いて塗布し、70℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、紫外線を照射線量が30mJになるよう照射して塗膜を硬化させ凹凸層を形成した。凹凸層で、バインダ樹脂との屈折率差が最大0.09である微粒子を使用することで、内部拡散効果を出し、ギラツキをより効果的に防止できるようにした。
(表面形状調整層の形成)
さらに凹凸層の上に、表面形状調整層用組成物3を、コーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#12を用いて塗布し、70℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、窒素パージ下(酸素濃度200ppm以下)で、紫外線を照射線量が100mJになるよう照射して塗膜を硬化させ、表面形状調整層を積層し、防眩性光学積層体を得た。(基材上の防眩層の総厚:約13μm)
〔製造例5−6〕
(凹凸層の形成)
製造例5−5と同様の方法で形成した。
(表面形状調整層の形成)
さらに凹凸層の上に、表面形状調整層用組成物5を、コーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#12を用いて塗布し、70℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、窒素パージ下(酸素濃度200ppm以下)で、紫外線を照射線量が30mJになるよう照射して塗膜を硬化させ、表面形状調整層を積層し、防眩性光学積層体を得た。
(低屈折率層の形成)
さらに表面形状調整層上に、低屈折率層用組成物2を、コーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#4を用いて塗布し、50℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、窒素パージ下(酸素濃度200ppm以下)で、紫外線を照射線量が150mJになるよう照射して塗膜を硬化させ、膜厚が約100nmの低屈折率層を形成して、防眩性低反射光学積層体を得た。(基材上の防眩層の総厚:約13μm)(反射Y値:2.4%)
〔製造例5−7〕
(帯電防止層の形成)
厚さ100μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製、商品名「A4300」)をポリエステルフィルムとして用い、帯電防止用組成物を、フィルム上にコーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#7を用いて塗布し、50℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、窒素パージ下(酸素濃度200ppm以下)で、紫外線を照射線量が30mJになるようハーフキュアでの照射をして塗膜を硬化させ、膜厚が1μmの帯電防止層を形成した。
(凹凸層の形成)
先に設けた帯電防止層上に、凹凸層用組成物4を、コーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#10を用いて塗布し、70℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、紫外線を照射線量が30mJになるよう照射して塗膜を硬化させ凹凸層を形成した。凹凸層で、バインダ樹脂との屈折率差が最大0.09である微粒子を使用することで、内部拡散効果を出し、ギラツキをより効果的に防止できるようにした。
(表面形状調整層の形成)
さらに凹凸層の上に、表面形状調整層用組成物5を、コーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#12を用いて塗布し、70℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、窒素パージ下(酸素濃度200ppm以下)で、紫外線を照射線量が30mJになるよう照射して塗膜を硬化させ、表面形状調整層を積層し、防眩性光学積層体を得た。
(低屈折率層の形成)
さらに表面形状調整層上に、低屈折率層用組成物3を、コーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#4を用いて塗布し、50℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、窒素パージ下(酸素濃度200ppm以下)で、紫外線を照射線量が150mJになるよう照射して塗膜を硬化させ、膜厚が約100nmの低屈折率層を形成して、防眩性低反射光学積層体を得た。この積層体は、帯電防止性を有している。(基材上の防眩層の総厚:約14μm)(反射Y値:1.9%)(表面抵抗値:3.2×1012Ω/□)
〔製造例5−8〕
(凹凸層の形成)
製造例5−5と同様の方法で、凹凸層を形成した。
(表面形状調整層の形成)
さらに凹凸層の上に、表面形状調整層用組成物7を、コーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#12を用いて塗布し、70℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、窒素パージ下(酸素濃度200ppm以下)で、紫外線を照射線量が30mJになるよう照射して塗膜を硬化させ、表面形状調整層を積層し、防眩性光学積層体を得た。
(低屈折率層の形成)
更にこの表面形状調整層上に、製造例5−6と同様にして、膜厚が約100nmの低屈折率層を形成して、防眩性低反射光学積層体を得た。(基材上の防眩層の総厚:約13μm)(反射Y値:0.9%)
〔製造例5−9〕
(凹凸層の形成)
製造例5−5と同様の方法で、凹凸層を形成した。
(表面形状調整層の形成)
さらに凹凸層の上に、表面形状調整層用組成物6(帯電防止性)を、コーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#12を用いて塗布し、70℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、窒素パージ下(酸素濃度200ppm以下)で、紫外線を照射線量が100mJになるよう照射して塗膜を硬化させ、表面形状調整層を積層し、防眩性光学積層体を得た。(基材上の防眩層の総厚:約13μm)(表面抵抗値:2.0×1012Ω/□)
〔製造例5−10〕
(凹凸層の形成)
厚さ100μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製、商品名「A4300」)をポリエステルフィルムとして用い、凹凸層用組成物5を、フィルム上にコーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#8を用いて塗布し、70℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、紫外線を照射線量が30mJになるよう照射して塗膜を硬化させ凹凸層を形成した。凹凸層で、バインダ樹脂との屈折率差が最大0.09である微粒子を使用することで、内部拡散効果を出し、ギラツキをより効果的に防止できるようにした。
(表面形状調整層の形成)
さらに凹凸層の上に、表面形状調整層用組成物6(帯電防止性)を、コーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#12を用いて塗布し、70℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、窒素パージ下(酸素濃度200ppm以下)で、紫外線を照射線量が100mJになるよう照射して塗膜を硬化させ、表面形状調整層を積層し、防眩性光学積層体を得た。(基材上の防眩層の総厚:約11μm)(表面抵抗値:2.0×1012Ω/□)
〔製造例5−11〕
(凹凸層の形成)
製造例5−10と同様にして、凹凸層を形成した。
(表面形状調整層の形成)
さらに凹凸層の上に、表面形状調整層用組成物3を、コーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#12を用いて塗布し、70℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、窒素パージ下(酸素濃度200ppm以下)で、紫外線を照射線量が30mJになるよう照射して塗膜を硬化させ、表面形状調整層を積層し、防眩性光学積層体を得た。
(低屈折率層の形成)
さらに表面形状調整層上に、低屈折率層用組成物3を、コーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#4を用いて塗布し、50℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、窒素パージ下(酸素濃度200ppm以下)で、紫外線を照射線量が150mJになるよう照射して塗膜を硬化させ、膜厚が約100nmの低屈折率層を形成して、防眩性低反射光学積層体を得た。(基材上の防眩層の総厚:約11μm)(反射Y値:1.8%)
〔製造例5−12〕
(防眩層(凹凸層)の形成)
厚さ100μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製、商品名「A4300」)をポリエステルフィルムとして用い、凹凸層用組成物6を、フィルム上にコーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#10を用いて塗布し、70℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、窒素パージ下(酸素濃度200ppm以下)で、紫外線を照射線量が100mJになるよう照射して塗膜を硬化させ防眩性光学積層体を形成した。防眩層で、バインダ樹脂との屈折率差が最大0.09である微粒子を使用することで、内部拡散効果を出し、ギラツキをより効果的に防止できるようにした。(基材上の防眩層の総厚:約4.5μm)
〔製造例5−13〕
(凹凸層の形成)
厚さ100μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製、商品名「A4300」)をポリエステルフィルムとして用い、凹凸層用組成物7を、フィルム上にコーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#8を用いて塗布し、70℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、紫外線を照射線量が30mJになるよう照射して塗膜を硬化させ凹凸層を形成した。凹凸層で、バインダ樹脂との屈折率差が最大0.09である微粒子を使用することで、内部拡散効果を出し、ギラツキをより効果的に防止できるようにした。
(表面形状調整層の形成)
さらに凹凸層の上に、表面形状調整層用組成物3を、コーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#12を用いて塗布し、70℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、窒素パージ下(酸素濃度200ppm以下)で、紫外線を照射線量が100mJになるよう照射して塗膜を硬化させ、表面形状調整層を積層し、防眩性光学積層体を得た。(基材上の防眩層の総厚:約12μm)
〔製造例5−14〕
(防眩層(凹凸層)の形成)
厚さ100μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製、商品名「A4300」)をポリエステルフィルムとして用い、凹凸層用組成物8を、フィルム上にコーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#28を用いて塗布し、70℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、窒素パージ下(酸素濃度200ppm以下)で、紫外線を照射線量が30mJになるよう照射して塗膜を硬化させ防眩性光学積層体を形成した。防眩層で、バインダ樹脂との屈折率差が最大0.09である微粒子を使用することで、内部拡散効果を出し、ギラツキをより効果的に防止できるようにした。(基材上の防眩層の総厚:約27μm)(反射Y値:1.6%)
〔製造例5−15〕
(凹凸層の形成)
厚さ100μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製、商品名「A4300」)をポリエステルフィルムとして用い、凹凸層用組成物9を、フィルム上にコーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#8を用いて塗布し、70℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、紫外線を照射線量が30mJになるよう照射して塗膜を硬化させ凹凸層を形成した。凹凸層で、バインダ樹脂との屈折率差が最大0.09である微粒子を使用することで、内部拡散効果を出し、ギラツキをより効果的に防止できるようにした。
(表面形状調整層の形成)
さらに凹凸層の上に、製造例5−13と同様にして表面形状調整層を積層し、防眩性光学積層体を得た。(基材上の防眩層の総厚:約11μm)
〔製造例5−16〕
(凹凸層の形成)
厚さ100μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製、商品名「A4300」)をポリエステルフィルムとして用い、凹凸層用組成物10を、フィルム上にコーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#8を用いて塗布し、70℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、紫外線を照射線量が30mJになるよう照射して塗膜を硬化させ凹凸層を形成した。凹凸層で、バインダ樹脂との屈折率差が最大0.09である微粒子を使用することで、内部拡散効果を出し、ギラツキをより効果的に防止できるようにした。
(表面形状調整層の形成)
さらに凹凸層の上に、表面形状調整層用組成物8を、コーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#12を用いて塗布し、70℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、窒素パージ下(酸素濃度200ppm以下)で、紫外線を照射線量が100mJになるよう照射して塗膜を硬化させ、表面形状調整層を積層し、防眩性光学積層体を得た。(基材上の防眩層の総厚:約11μm)
〔製造例5−17〕
(凹凸層の形成)
製造例5−16と同様にして、凹凸層を形成した。
(表面形状調整層の形成)
さらに凹凸層の上に、表面形状調整層用組成物9を、コーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#12を用いて塗布し、70℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、窒素パージ下(酸素濃度200ppm以下)で、紫外線を照射線量が30mJになるよう照射して塗膜を硬化させ、表面形状調整層を積層し、防眩性光学積層体を得た。
(低屈折率層の形成)
さらに表面形状調整層上に、低屈折率層用組成物1を、コーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#4を用いて塗布し、50℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、窒素パージ下(酸素濃度200ppm以下)で、紫外線を照射線量が150mJになるよう照射して塗膜を硬化させ、膜厚が約100nmの低屈折率層を形成して、防眩性低反射光学積層体を得た。(基材上の防眩層の総厚:約11μm)(反射Y値:1.2%)
〔製造例5−18〕
(凹凸層の形成)
厚さ100μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製、商品名「A4300」)をポリエステルフィルムとして用い、凹凸層用組成物11を、フィルム上にコーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#8を用いて塗布し、70℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、紫外線を照射線量が30mJになるよう照射して塗膜を硬化させ凹凸層を形成した。凹凸層で、バインダ樹脂との屈折率差が最大0.09である微粒子を使用することで、内部拡散効果を出し、ギラツキをより効果的に防止できるようにした。
(表面形状調整層の形成)
さらに凹凸層の上に、製造例5−16と同様にして表面形状調整層を積層し、防眩性光学積層体を得た。(基材上の防眩層の総厚:約11μm)
〔製造例5−19〕
(凹凸層の形成)
凹凸層用組成物11の代わりに、凹凸層用組成物12を塗布したこと意外は、製造例5−18と同様の方法で、凹凸層を形成した。
(表面形状調整層の形成)
さらに凹凸層の上に、製造例5−16と同様にして表面形状調整層を積層し、防眩性光学積層体を得た。(基材上の防眩層の総厚:約11μm)
〔製造例5−20〕
(凹凸層の形成)
製造例5−19と同様にして、凹凸層を形成した。
(表面形状調整層の形成)
さらに凹凸層の上に、表面形状調整層用組成物9を、コーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#12を用いて塗布し、70℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、窒素パージ下(酸素濃度200ppm以下)で、紫外線を照射線量が30mJになるよう照射して塗膜を硬化させ、表面形状調整層を積層し、防眩性光学積層体を得た。
(低屈折率層の形成)
さらに表面形状調整層上に、低屈折率層用組成物1を、コーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#4を用いて塗布し、50℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、窒素パージ下(酸素濃度200ppm以下)で、紫外線を照射線量が150mJになるよう照射して塗膜を硬化させ、膜厚が約100nmの低屈折率層を形成して、防眩性低反射光学積層体を得た。(基材上の防眩層の総厚:約11μm)(反射Y値は1.2%)
〔製造例5−21〕
(凹凸層の形成)
凹凸層用組成物11の代わりに、凹凸層用組成物13を用いたこと以外は、製造例5−18と同様の方法で、凹凸層を形成した。
(表面形状調整層の形成)
さらに凹凸層の上に、表面形状調整層用組成物8を、コーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#12を用いて塗布し、70℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、窒素パージ下(酸素濃度200ppm以下)で、紫外線を照射線量が100mJになるよう照射して塗膜を硬化させ、表面形状調整層を積層し、防眩性光学積層体を得た。(基材上の防眩層の総厚:約11μm)
〔製造例5−22〕
(凹凸層の形成)
凹凸層用組成物11の代わりに、凹凸層用組成物14を用いたこと以外は、製造例5−18と同様の方法で、凹凸層を形成した。
(表面形状調整層の形成)
さらに凹凸層の上に、製造例5−21と同様にして表面形状調整層を積層し、防眩性光学積層体を得た。(基材上の防眩層の総厚:約11μm)
〔製造例5−23〕
(エンボスローラーの調製)
鉄製のローラーを準備し、ローラーの表面に、100メッシュ(粒径分布;106μm〜150μm)のガラスビーズを用いて、ビーズショットを行なうことにより、凹凸を形成し、得られた凹凸面にクロムを厚みが5μmになるようメッキして、エンボスローラーとした。ビーズショットの際の吹付け圧力、吹付けノズルとローラーとの間隔等を調整することにより、本発明の光学積層体が有する防眩層の凹凸形状の光学特性に合致したエンボスローラーを作成した。
(プライマー層の形成)
厚み100μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(東洋紡績社製、商品名「A4300」)上に、ポリウレタン樹脂系のプライマー塗料(ザ・インクテック(株)製、ケミカルマットニス用メジウム主剤、硬化剤(XEL硬化剤(D))を、主剤/硬化剤/溶剤の質量比を、10/1/3.3の割合で混合した組成物を用いてグラビアコーティングを行ない、乾燥して、厚み3μmのプライマー層を形成した。溶剤としては、トルエン/メチルエチルケトン=1/1のものを用いた。
(凹凸層の形成)
図16に示されるエンボスフィルムの製造装置40に、調製したエンボスローラー47を装着し、また、調製した凹凸層用組成物16をコーティングヘッド43の液溜め44に供給した。液溜め44は40℃で常に保温した。プライマー層を形成した厚み100μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(東洋紡績社製、商品名「A4300」)41を準備し、エンボスローラー47に供給した。スロット部49から凹凸層用組成物16を吐出してエンボスローラー42に塗布し、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムをその組成物上に重ね、ゴムローラー45aでラミネートし、続いて、フィルム側より、紫外線光源48を用いて紫外線を200mJ照射し硬化させ、ゴムローラー45b部でエンボスローラー47より剥離し、防眩層を形成した。(基材上の防眩層の総厚:約15μm)
〔製造例5−24〕
(凹凸層の形成)
厚さ100μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製、商品名「A4300」)をポリエステルフィルムとして用い、凹凸層用組成物26を、フィルム上にコーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#24を用いて塗布し、80℃のオーブン中で2分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させると共に、液相からのスピノーダル分解により相分離型凹凸層を形成し、その後、紫外線を照射線量が100mJになるよう照射して塗膜を硬化させ防眩層を形成した。(基材上の防眩層の総厚:約8μm)
〔製造例5−25〕
光拡散フィルム:120μm厚の(株)ツジデン(株)製光拡散フィルム「商品名:D122」(光透過性基材はポリエチレンテレフタレートフィルム)の上に、表面形状調整層用組成物1を、コーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#8を用いて塗布し、70℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、窒素パージ下(酸素濃度200ppm以下)で、紫外線を照射線量が100mJになるよう照射して塗膜を硬化させ、表面形状調整層を積層し、防眩性光学積層体を得た。(基材上の防眩層の総厚:約25μm)
〔製造例5−26〕
(防眩層(凹凸層)の形成)
厚さ100μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製、商品名「A4300」)をポリエステルフィルムとして用い、凹凸層用組成物17を、フィルム上にコーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#8を用いて塗布し、70℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、窒素パージ下(酸素濃度200ppm以下)で、紫外線を照射線量が100mJになるよう照射をして塗膜を硬化させ、防眩性光学積層体を形成した。(基材上の防眩層の総厚:約5μm)
〔製造例5−27〕
(防眩層(凹凸層)の形成)
凹凸層用組成物17の代わりに、凹凸層用組成物18を、フィルム上にコーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#10を用いて塗布したこと以外は、製造例5−26と同様の方法で、防眩性光学積層体を形成した。できあがった積層体は、平均粒子径分布が大きいため、不均一に存在する巨大粒子の影響で凹凸形状の均一性も失われ、ギラツキが悪化した。(基材上の防眩層の総厚:約5μm)
〔製造例5−28〕
(防眩層(凹凸層)の形成)
凹凸層用組成物17の代わりに、凹凸層用組成物19を、フィルム上にコーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#14を用いて塗布したこと以外は、製造例5−26と同様の方法で、防眩性光学積層体を形成した。(基材上の防眩層の総厚:約7μm)
〔製造例5−29〕
(防眩層(凹凸層)の形成)
凹凸層用組成物17の代わりに、凹凸層用組成物19を、フィルム上にコーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#12を用いて塗布したこと以外は、製造例5−26と同様の方法で、防眩性光学積層体を形成した。(基材上の防眩層の総厚:約6μm)
〔製造例5−30〕
(防眩層(凹凸層)の形成)
凹凸層用組成物17の代わりに、凹凸層用組成物19を、フィルム上にコーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#10を用いて塗布したこと以外は、製造例5−26と同様の方法で、防眩性光学積層体を形成した。(基材上の防眩層の総厚:約5μm)
〔製造例5−31〕
(防眩層(凹凸層)の形成)
凹凸層用組成物17の代わりに、凹凸層用組成物20を、フィルム上にコーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#10を用いて塗布したこと以外は、製造例5−26と同様の方法で、防眩性光学積層体を形成した。(基材上の防眩層の総厚:約4.5μm)
〔製造例5−32〕
(防眩層(凹凸層)の形成)
凹凸層用組成物17の代わりに、凹凸層用組成物21を、フィルム上にコーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#10を用いて塗布したこと以外は、製造例5−26と同様の方法で、防眩性光学積層体を形成した。(基材上の防眩層の総厚:約7μm)
〔製造例5−33〕
(防眩層(凹凸層)の形成)
凹凸層用組成物17の代わりに、凹凸層用組成物22を、フィルム上にコーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#12を用いて塗布したこと以外は、製造例5−26と同様の方法で、防眩性光学積層体を形成した。(基材上の防眩層の総厚:約4.5μm)
〔製造例5−34〕
(防眩層(凹凸層)の形成)
凹凸層用組成物17の代わりに、凹凸層用組成物23を、フィルム上にコーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#12を用いて塗布したこと以外は、製造例5−26と同様の方法で、防眩性光学積層体を形成した。(基材上の防眩層の総厚:約4.5μm)
〔製造例5−35〕
(凹凸層の形成)
厚さ100μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製、商品名「A4300」)をポリエステルフィルムとして用い、凹凸層用組成物24を、フィルム上にコーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#8を用いて塗布し、70℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、窒素パージ下(酸素濃度200ppm以下)で、紫外線を照射線量が14mJになるよう照射して塗膜を硬化させ凹凸層を形成した。
(表面形状調整層の形成)
さらに凹凸層の上に、表面形状調整層用組成物3を、コーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#20を用いて塗布し、70℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、窒素パージ下(酸素濃度200ppm以下)で、紫外線を照射線量が100mJになるよう照射して塗膜を硬化させ、表面形状調整層を積層し、防眩性光学積層体を得た。(基材上の防眩層の総厚:約13.5μm)
〔製造例5−36〕
(防眩層(凹凸層)の形成)
凹凸層用組成物17の代わりに、凹凸層用組成物25を、フィルム上にコーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#8を用いて塗布したこと以外は、製造例5−26と同様の方法で、防眩性光学積層体を形成した。(基材上の防眩層の総厚:約3μm)
〔製造例5−37〕
(凹凸層の形成)
厚さ100μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製、商品名「A4300」)をポリエステルフィルムとして用い、凹凸層用組成物15を、フィルム上にコーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#14を用いて塗布し、70℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、紫外線を照射線量が30mJになるよう照射して塗膜を硬化させ凹凸層を形成した。凹凸層で、バインダ樹脂との屈折率差が最大0.09である微粒子を使用することで、内部拡散効果を出し、ギラツキをより効果的に防止できるようにした。
(表面形状調整層の形成)
さらに凹凸層の上に、表面形状調整層用組成物3を、コーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#12を用いて塗布し、70℃のオーブン中で1分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、窒素パージ下(酸素濃度200ppm以下)で、紫外線を照射線量が100mJになるよう照射して塗膜を硬化させ、表面形状調整層を積層し、防眩性光学積層体を得た。(基材上の防眩層の総厚:約16μm)
<実施例1>
図6に示す本発明に係る前面フィルタを以下の方法で作製した。
(1)ポリエステルフィルムの準備
また、ポリエステルフィルムとして厚さ100μmで連続帯状の無着色透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績社製、商品名「A4300」)を準備した。
(2)粘着剤層(兼紫外線吸収層)の形成
上記PETフィルムに対して、紫外線吸収剤を添加した粘着剤層を形成した。
粘着剤層を形成する為の塗布用溶液は、アクリル系粘着剤(クラレ株式会社製、商品名LA2140)を溶剤{メチルエチルケトン/トルエン(溶剤配合比=質量基準で1:1)}中に、固形分20%(質量基準)となるよう溶解したアクリル系粘着系溶液中に、紫外線吸収剤(ベンゾトリイアゾール系)を1質量%添加し十分分散させて塗布用溶液を作製した。
そして、該積層体の導電体層上に、ダイコーターにより、塗布量20g/mになるように塗布し、風速5m/secのドライエアーが当たるオーブンにて100℃で1分間乾燥して粘着剤層を形成して、連続帯状の状態で複合フィルタを得た。尚、粘着剤層の面には、更に再剥離可能な離型フィルムを貼り合わせて保護した。
斯くして、〔PETフィルム/粘着剤層(兼紫外線吸収層)〕から成る積層体を得た。尚、「/」はその左右の層が積層一体化されている事を示す。
(3)防眩層の形成
製造例5−1で得られた防眩性光学積層体の防眩層に相当する層を、(2)で得られた積層体のPETフィルム側の表面に、製造例5−1と同様の方法で形成した。
斯くして、〔防眩層/PETフィルム/粘着剤層(兼紫外線吸収層)〕から成る、実施例1の前面フィルタを得た。
<実施例2〜15、参考例1、及び実施例17〜25>
実施例1の防眩層の形成において、製造例5−2〜製造例5−25で得られた防眩性光学積層体の防眩層に相当する防眩層を、実施例1の(2)で得られた積層体のUV吸収層(兼ポリエステルフィルム)側の表面にそれぞれ形成したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2〜15、参考例1、及び実施例17〜25の前面フィルタをそれぞれ得た。
<比較例1〜12>
実施例1の防眩層の形成において、製造例5−26〜製造例5−37で得られた防眩性光学積層体の防眩層に相当する防眩層を、実施例1の(2)で得られた積層体のUV吸収層(兼ポリエステルフィルム)側の表面にそれぞれ形成したこと以外は実施例1と同様にして、比較例1〜12の前面フィルタをそれぞれ得た。
<実施例26>
図9に示す本発明に係る前面フィルタを以下の方法で作製した。
(1)積層体〔UV吸収層(兼PETフィルム)/プライマー層/透明導電体層〕の形成:
先ず、導電体層として、一方の面に銅−コバルト合金粒子から成る黒化層が電解メッキ形成された厚さ10μmの連続帯状の電解銅箔を用意した。前記銅箔の両面に対して、亜鉛めっき後、ディッピング法にて公知のクロメート処理を行い、表裏両面に防錆層を形成した。
また、厚さ100μmで連続帯状の無着色透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績社製、商品名「A4300」)を用意した。尚、該PETフィルムは、紫外線(UV)吸収剤を混合して製膜して成り、紫外線(UV)吸収層も兼備するものである。
次いで、該PETフィルムの両面上にポリエステル樹脂系プライマー層を形成した。
次いで、この銅箔をその黒化層面側で該PETフィルムのプライマー層上に、主剤が平均分子量3万のポリエステルポリウレタンポリオール12重量部から、又硬化剤がキシレンジイソシアネート系プレポリマー1重量部とから成る透明な2液硬化型ウレタン樹脂系接着剤でドライラミネートした後、50℃、3日間養生して、銅箔(防錆層)とPETフィルム間に厚さ7μmの透明接着剤層を有する連続帯状の積層体を得た。
次いで、上記連続帯状の積層体に対して、その導電体層及び黒化層をフォトリソグラフィー法を利用したエッチングにより、開口部及びライン部とから成るメッシュ状領域、及びメッシュ状領域の4周を囲繞する外縁部に額縁状のメッシュ非形成の接地用領域を有する導電性メッシュ層を形成した。
エッチングは、具体的には、カラーTVシャドウマスク用の製造ラインを利用して、連続帯状の上記積層シートに対してマスキングからエッチングまでを一貫して行った。すなわち、上記積層シートの導電体層面全面に感光性のネガ型エッチングレジストを塗布後、所望のメッシュパターンのネガパターンを有するマスクを密着露光し、現像、硬膜処理、ベーキングして、メッシュのライン部に相当する領域上にはレジスト層が残留し、開口部に相当する領域上にはレジスト層が無い様なパターンにレジスト層を加工した後、塩化第二鉄水溶液で、導電体層及び黒化層を、エッチング除去してメッシュ状の開口部を形成し、次いで、水洗、レジスト剥離、洗浄、乾燥を順次行った。
斯くして、〔UV吸収層(兼PETフィルム)/プライマー層/透明導電体層〕から成る連続帯状の積層体を得た。尚、「/」はその左右の層が積層一体化されている事を示す。
(2)粘着剤層(兼Ne光吸収、NIR吸収、及び調色層)の形成:
(1)で得られた連続帯状の積層体の導電体層(金属メッシュ層)側の面に対して、各種色素を添加した粘着剤層を形成した。
粘着剤層を形成する為の粘着剤としては、アクリル系粘着剤(クラレ株式会社製、商品名LA2140)を溶剤{メチルエチルケトン/トルエン(溶剤配合比=質量基準で1:1)}中に、固形分20%(質量基準)となるよう溶解したアクリル系粘着系溶液中に、フタロシアニン系NIR吸収色素である、商品名エクスカラーIR‐10Aを0.04重量部、エクスカラー906Bを0.02重量部、エクスカラー910B(以上3種類共に日本触媒株式会社製)を0.04重量部、ポルフィリン系Ne光吸収色素(商品名TAP−2 山田化学株式会社製)を0.009重量部、調色用色素(商品名Plast red 8320 有本化学株式会社製)0.005重量部を、各々添加し十分分散させて塗布用溶液を作製した。
そして、該積層体の導電体層上に、ダイコーターにより、塗布量20g/mになるように塗布し、風速5m/secのドライエアーが当たるオーブンにて100℃で1分間乾燥して粘着剤層を形成して、連続帯状の状態で複合フィルタを得た。尚、粘着剤層の面には、更に再剥離可能な離型フィルムを貼り合わせて保護した。
斯くして、〔UV吸収層(兼PETフィルム)/プライマー層/透明導電体層/Ne光吸収、NIR吸収、及び調色層(兼粘着剤層)〕から成る積層体を得た。
(3)防眩層の形成(各積層体の積層、複合化):
製造例5−1で得られた防眩性光学積層体の防眩層に相当する層を、(1)で得られた積層体のUV吸収層(兼PETフィルム)側の表面に、製造例5−1と同様の方法で形成した。
斯くして、〔防眩層/UV吸収層(兼PETフィルム)/プライマー層/透明導電体層/Ne光吸収、NIR吸収、及び調色層(兼粘着剤層)〕から成る、実施例26の前面フィルタを得た。
<実施例27〜40、参考例2、及び実施例42〜50>
実施例26の防眩層の形成において、製造例5−2〜製造例5−25で得られた防眩性光学積層体の防眩層に相当する防眩層を、(2)で得られた積層体のUV吸収層(兼PETフィルム)側の表面にそれぞれ形成したこと以外は実施例26と同様にして、実施例27〜40、参考例2、及び実施例42〜50の前面フィルタをそれぞれ得た。
<比較例13〜24>
実施例26の防眩層の形成において、製造例5−26〜製造例5−37で得られた防眩性光学積層体の防眩層に相当する防眩層を、(2)で得られた積層体のUV吸収層(兼PETフィルム)側の表面にそれぞれ形成したこと以外は実施例26と同様にして、比較例13〜24の前面フィルタをそれぞれ得た。
<比較例25>
(1)ポリエステルフィルムの準備
また、ポリエステルフィルムとして厚さ100μmで連続帯状の無着色透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績社製、商品名「A4300」)を準備した。
(2)防眩層の形成
(i)凹凸型の準備
鉄板表面に銅メッキ層を被覆して成る金属板の銅メッキ層表面に、クロムのマット(艶消し粒状)メッキ層を施して、表1に示すように、Sm=151μm、θa=0.75°、Rz=1.13μmとなるような凹凸形状を表面に作製した凹凸型を準備した。
(ii)凹凸層用組成物の塗膜の形成
上記PETフィルム表面に、前記製造例1−27で得られた凹凸層用組成物27を、コーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#10を用いて塗布し、70℃のオーブン中で30秒間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた。
(iii)凹凸の賦形
上記で得られた凹凸層用組成物の塗膜上に、上記凹凸型の凹凸形状面側を押圧、密着させた後、PETフィルム側から紫外線を照射線量が30mJになるよう照射して塗膜を硬化させ、その後凹凸型を離型し、該塗膜表面に凹凸型の凹凸形状が賦形された凹凸層を得た。該凹凸層を防眩層とした。
(3)粘着剤層(兼紫外線吸収層)の形成
上記PETフィルムの防眩層が形成された面と反対側の面に、実施例1と同様にして、紫外線吸収剤を添加した粘着剤層を形成した。
斯くして、〔防眩層/PETフィルム/粘着剤層(兼紫外線吸収層)〕から成る、比較例25の前面フィルタを得た。
<比較例26>
比較例25の(2)(i)凹凸型の準備において、クロムのマットメッキ層の形成条件を変更して、表1に示すように、Sm=187μm、θa=0.10°、Rz=1.98μmとなるような凹凸形状を表面に作製した凹凸型を準備した。
その他は、比較例25と同様にして、比較例26の前面フィルタを得た。
<比較例27>
比較例25の(2)(i)凹凸型の準備について、以下のように電鋳法にて凹凸型を作製した以外は、比較例25と同様にして、比較例27の前面フィルタを得た。
まず、粒径1〜10μmの粒径分布の炭酸カルシウム粒子を練り込んで、延伸して製膜したポリエチレンテレフタレートフィルムからシリコーン樹脂にて型取りした。次いで、当該シリコーン樹脂型から更に2液硬化型ウレタン樹脂にて型取りを行った。当該ウレタン樹脂型表面に銀鏡反応にて導電化処理を施した上で、当該銀鏡膜表面に銅を電解メッキして銅層を積層した。その後、銅層をウレタン樹脂型から離型し、表1に示すように、Sm=158μm、θa=0.43°、Rz=0.17μmとなるような凹凸形状を表面に作製した凹凸型を準備した。
<比較例28〜38>
比較例27において、炭酸カルシウムの粒径分布、添加量、及び延伸条件を変更して、表1の比較例28〜38で示したようなSm、θa、Rzの値を有する凹凸形状を表面に作製した凹凸型を用いた以外は、比較例27と同様にして、比較例28〜38の前面フィルタを得た。
<比較例39〜52>
実施例26及び図9で説明したようなの構成の前面フィルタにおいて、表面の防眩層を、それぞれ上記比較例25〜比較例38に記載したのと同じ防眩層に変えた他は、実施例26と同様にして、比較例39〜比較例52の前面フィルタを得た。
〔評価方法〕
上記、製造例5、実施例、比較例に対して、以下の点を評価した。実施例1〜25、比較例1〜12、及び比較例25〜38の結果を表1に記載する。実施例26〜50、比較例13〜24、及び比較例39〜52の結果を表2に記載する。実施例および比較例の防眩層の層厚、表面抵抗測定、反射Y値の結果については、各製造例において示したものと同様になった。
評価1:表面形状と光学特性
実施例と比較例の前面フィルタについて、以下の定義に従って、Sm、θa、Rzを測定した。
I)Sm、θa、Rz
Sm、θa、Rzの定義は、JIS B0601 1994に従い、測定は表面粗さ測定器(型番:SE−3400/(株)小坂研究所製)を用いて行った。測定条件は以下の通りである。
1)表面粗さ検出部の触針:
型番/SE2555N(2μm標準)(株)小坂研究所製
(先端曲率半径2μm/頂角:90度/材質:ダイヤモンド)
2)表面粗さ測定器の測定条件:
基準長さ(粗さ曲線のカットオフ値λc):0.8mm
評価長さ(基準長さ(カットオフ値λc)×5):4.0mm
触針の送り速さ:0.1mm/s
評価2:明室環境における艶黒感
図17に、本発明に係るプラズマディスプレイ用前面フィルタの、明室環境における艶黒感の測定法を模式的に示した。実施例又は比較例の前面フィルタ101の表示装置側に、黒色アクリル板102を、光学フィルム用アクリル系粘着剤(日立化成工業(株)社製、商品名「DA−1000」)を介して貼り合わせた評価用サンプル100を水平面に置き、評価用サンプル100、評価者103、及び三波長線管(30W)104を、図17に示すような位置関係で配置し、三波長線管104を点灯させた状態で目視官能評価を行い、艶黒感(艶のある黒色の再現性)を下記基準によって詳細に評価した。
(評価基準)
評価○:艶のある黒色を再現することができた。
評価×:艶のある黒色を再現することができなかった。
評価3:映り込み防止性能
図18に、本発明に係るプラズマディスプレイ用前面フィルタの、映り込み防止性能の測定法を模式的に示した。実施例又は比較例の前面フィルタ101の表示装置側に、黒色アクリル板102を、光学フィルム用アクリル系粘着剤(日立化成工業(株)社製、商品名「DA−1000」)を介して貼り合わせた評価用サンプル100を、冶具105に備え付けた。また、幅20mmの白黒ストライプ板106を用意した。評価用サンプル100、評価者103、及び白黒ストライプ板106を図18に示すような位置関係で配置し、更に、室内の天井の任意の位置に、任意の数だけ設けられた三波長線管104との位置関係を調整して、サンプル面の照度が250lxで、ストライプの輝度(白)が65cd/mとなるようにした。この状態で観察者がサンプルを見たときに、映り込んだストライプの見え方により、次のように定義した基準によって、目視官能評価を行った。
(評価基準)
○:ストライプが認識できない
×:ストライプが認識できる
評価4:明室コントラスト
PDP107、前面フィルタ101、及び40Wの白色蛍光灯108((株)東芝製、商品名「ネオライン白色FL40S−W」)2本を、図20のように配置し、PDP表示部表面の中心の照度が輝度計による測定値で370lxとなるように外光を設定した状態で、評価者は図20における輝度計109の位置で以下の目視評価を行った。
コントラストの官能評価は、無彩色の最高濃度(完全な黒)及び無彩色の最低濃度(完全な白)の画像データからなる2色で、碁盤目(方形格子)を交互に配置したパターンの画像データ(図21)を、PDP(パイオニア社製、品名「PDP−435HDL(42インチ)」、画像品質(明るさ、及びコントラスト、)を「標準」モードに設定)で表示し、その前面に各実施例及び各比較例の当該フィルタを全部並べて載置して、目視で当該パターンの白黒の境界がはっきり見えるように感じるか否かで、良否を判断した。白黒の境界がはっきり見え、且つ試験用の蛍光灯の消灯時との差が感じられなかったものを◎、白黒の境界が見えたものの、試験用の蛍光灯の消灯時との差は若干感じられたが違和感がなかったものを○、白黒の境界が判別し難いか、或いは境界が見えても試験用の蛍光灯の消灯時と比べての差が大きく、違和感があったものを×とした。
評価5:その他の評価
5−1)防眩層の層厚
共焦点レーザー顕微鏡(LeicaTCS-NT:ライカ社製:倍率「300〜800倍」)にて、前面フィルタの断面を透過観察し、界面の有無を判断し下記の評価基準で判断した。具体的には、ハレーションのない鮮明な画像を得るため、共焦点レーザー顕微鏡に、湿式の対物レンズを使用し、かつ、対物レンズと前面フィルタとの間の空気層を消失させるため、前面フィルタの上に屈折率1.518のオイルを約2ml乗せて観察し判断した。
1画面につき凹凸の最大凸部、最小凹部の基材からの膜厚を1点ずつ計2点測定し、それを5画面分、計10点測定し、平均値を算出した。
5−2)鉛筆硬度
鉛筆硬度は、鉛筆硬度試験機(東洋精機社製)を用いて、JIS K−5400に従って測定した。本発明における「光学積層体の鉛筆硬度」とは、ポリエステルフィルム上に形成された防眩層の観察者側の表面をJIS K−5400に準じた鉛筆硬度試験によって測定した鉛筆硬度である。該鉛筆硬度試験は、5回の鉛筆硬度試験の内、3回以上の傷等の外観異常が認められなかった場合に使用した鉛筆についての硬度を求めるものである。例えば、3Hの鉛筆を用いて、5回の試験を行い、3回外観異常が生じなければ、その光学積層体の鉛筆硬度は少なくとも3Hである。
本発明実施例の光学積層体は、4.9Nの荷重をかけて上記試験を実施した場合、全て4Hの鉛筆硬度を有していた。
5−3)表面抵抗測定
防眩層中に、帯電防止層や反射防止層を設けた場合、表面抵抗値(Ω/□)は、表面抵抗率測定器(三菱化学製、製品番号;Hiresta IP MCP−HT260)を用いて印加電圧1000Vで測定した。
5−4)反射Y値(視感反射率)
防眩層中に、帯電防止層や反射防止層を設けた場合、反射Y値は、島津製作所製 MPC3100分光光度計にて、5°正反射率を380〜780nmまでの波長範囲で測定し、その後、人間が目で感じる明度として換算するソフト(MPC3100内蔵)で算出した。なお、5°正反射率を測定する場合には、光学積層体であるフィルムの裏面反射を防止するため、測定膜面とは逆側に、黒テープ(寺岡製)を貼って測定した。
評価6:総合評価
明室環境における艶黒感、映り込み防止性能、明室コントラストの全てを達成できた(○又は◎であった)ものを総合評価として○とし、上記3つの評価の1つでも達成できなかったものを総合評価として×とした。
Figure 0005035236
Figure 0005035236
図22に、θa及びRz(対)艶黒感及び映り込み防止性能との関係のグラフを示す。但し、Smが許容範囲内のデータのみ表示してある。また、図23に、Rz及びSm(対)艶黒感及び映り込み防止性能との関係のグラフを示す。但し、θaが許容範囲内のデータのみ表示してある。図22、23において、◆は、艶黒感及び映り込み防止性能の両方ともが良好な場合、●は、艶黒感が悪い場合、▲は、映り込み防止性能が悪い場合を示している。これらのグラフから、本発明で規定した、Smが60μm以上250μm以下であり、θaが0.3度以上1.0度以下であり、且つ、Rzが0.3μm以上1.0μm以下であるという数値範囲には、艶黒感及び映り込み防止性能の両方を達成するために臨界的意義のある範囲であることが明らかである。
<実施例51>
図8に示す本発明に係る前面フィルタを以下の方法で作製した。
(1)積層体〔透明導電体層/プライマー層/PETフィルム〕の形成
先ず、ポリエステルフィルムとして、連続帯状で無着色透明な厚さ100μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績社製、商品名「A4300」)を用意した。
このPETフィルムの片面にポリエステル樹脂系プライマー層を形成し、次いで、スパッタ法で、順次、厚さ0.1μmのニッケル−クロム合金層及び厚さ0.2μmの銅層(導電体層の一部)を設けて、導電処理層とした。次に、該導電処理層面に、硫酸銅浴を用いた電解メッキ法で厚さ2.0μmの銅の金属メッキ層を設けた。
次いで、該導電体層(金属メッキ層)上に黒化層を形成した。具体的には、アノードにニッケル板を用い、硫酸ニッケルアンモニウム水溶液と硫酸亜鉛水溶液とチオシアン酸ナトリウム水溶液との混合水溶液からなる黒化処理メッキ浴に、該導電体層がポリエステルフィルム上に形成された積層フィルムを、浸漬して電解メッキを行って黒化処理して、ニッケル−亜鉛合金からなる黒化層を、露出している金属メッキ層の全面に被覆形成して、PETフィルムの片面に導電体層(導電処理層、金属メッキ層、及び黒化層)が積層された、連続帯状の積層体を得た。
次いで、上記連続帯状の積層体に対して、その導電体層をフォトリソグラフィー法を利用したエッチングにより、適用するディスプレイ一単位毎に、開口部及びライン部とから成るメッシュ領域、及びメッシュ領域の4周を囲繞する外縁部に額縁状の接地用領域を形成した。
尚、上記エッチングは、カラーTVシャドウマスク用の製造ラインを利用し、上記連続帯状の積層体に対して、マスキングからエッチングまでを一貫して行った。すなわち、上記積層体の導電体層面の全面に、感光性のネガ型エッチングレジストを塗布後、所望のメッシュパターンのネガパターンを有するマスクを用いて密着露光し、現像、硬膜処理、ベーキングして、メッシュのライン部に相当する部分にはレジスト層が残留し、開口部に相当する部分にはレジスト層が無い様なパターンにレジスト層を加工後、塩化第二鉄水溶液によって、導電体層(導電処理層と金属メッキ層)及び黒化層を、エッチング除去してメッシュ状の開口部を形成し、次いで、水洗、レジスト剥離、洗浄、乾燥を順次行った。
又、上記パターンは、メッシュ領域のメッシュの形状は、その開口部が正方形で、非開口部となるライフ部のライン幅は10μm、そのライン間隔(ピッチ)は300μm、ライン部の高さは2.3μmで、長方形の枚葉シートに切断した場合に、該長方形の長辺に対する劣角として定義されるバイアス角度は49度である。また、連続帯状の複合フィルタを、適用するディスプレイ一単位(一台)毎に四角形の枚葉シートに切断した時に、そのメッシュ領域は、複合フィルタをPDPの前面に貼り合わせた際に、該PDPの画像表示領域に対峙する部分が存在し、又該メッシュ状領域の周縁部の四辺外周には、接地用領域として開口部が存在し無い幅15mmの額縁部を残す様なパターンに設計した。
斯くして、透明導電体層を構成する連続帯状の積層体(PETフィルムにメッシュ状導電体層を積層済みの積層フィルム)を得た。
(2)粘着剤層(兼Ne光吸収及び調色層)の形成
次に、(1)で得られた連続帯状の積層体の、メッシュ状導電体層とは反対側の面(PETフィルム側の面)に対して、Ne光吸収層及び調色色素を添加した粘着剤層を形成した。
粘着剤層を形成する為の粘着剤としては、アクリル系粘着剤(クラレ株式会社製、商品名LA2140)を溶剤{メチルエチルケトン/トルエン(溶剤配合比=質量基準で1:1)}中に、固形分20%(質量基準)となるよう溶解した物を用いた。
該アクリル系粘着系溶液中に、ポルフィリン系Ne光吸収色素(商品名TAP−2 山田化学株式会社製)を0.009重量部、調色用色素(商品名Plast red 8320 有本化学株式会社製)0.005重量部を、各々添加し十分分散させて塗布用溶液を作製した。
そして、積層体の裏面となるPETフィルム側の面に対して、ダイコーターにより、塗布量20g/mになる様に塗布し、風速5m/secの乾燥空気が当たるオーブンにて100℃で1分間乾燥して粘着剤層を形成し、更に粘着剤層の面には、再剥離可能な離型フィルムを貼合わせて保護した。
(3)積層体〔NIR吸収層/PETフィルム/粘着剤層〕の形成
連続帯状で無着色透明な厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績社製、商品名「A4300」)を用意した。
次いで、此のPETフィルムの片面にポリエステル樹脂系プライマー層を形成した。
次いで、近赤外線吸収塗料を準備した。即ち、アクリル系樹脂のバインダを溶剤{メチルエチルケトン/トルエン(溶剤配合比=質量基準で1:1)}中に、固形分20%(質量基準)となるよう溶解し、これにフタロシアニン系NIR吸収色素である、商品名エクスカラーIR‐10Aを0.04重量部、エクスカラー906Bを0.02重量部、エクスカラー910B(以上3種類共に日本触媒株式会社製)を0.04重量部各々添加し十分分散させて塗布用溶液を作製した。
そして、該ポリエステルフィルム側の該プライマー層上に対して、ダイコーターにより、塗布量20g/mになる様に塗布し、風速5m/secの乾燥空気が当たるオーブンにて100℃で1分間乾燥して近赤外線吸収層を形成した。
次いで、該ポリエステルフィルムの近赤外線吸収層とは反対側の面に無着色透明な粘着剤層を形成した。粘着剤としては、アクリル系粘着剤(クラレ株式会社製、商品名LA2140)を溶剤{メチルエチルケトン/トルエン(溶剤配合比=質量基準で1:1)}中に、固形分20%(質量基準)となるよう溶解した物を用いた。
該粘着剤塗工液はフィルム側の塗工面に対して、ダイコーターにより、塗布量20g/mになる様に塗布し、風速5m/secの乾燥空気が当たるオーブンにて100℃で1分間乾燥して粘着剤層を形成し、更に粘着剤層の面には、再剥離可能な離型フィルムを貼合わせて保護した。
斯くして、積層体〔NIR吸収層/PETフィルム/粘着剤層〕を得た。
(4)積層体〔防眩層/PETフィルム/粘着剤層兼紫外線吸収層〕の形成
製造例5−1で得た防眩性光学積層体のポリエステルフィルム面側に、無着色透明な粘着剤層を形成した。粘着剤塗工液は、アクリル系粘着剤(クラレ株式会社製、商品名LA2140)を溶剤{メチルエチルケトン/トルエン(溶剤配合比=質量基準で1:1)}固形分20%(質量基準)となるよう溶解し、更に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を1質量%添加した物を用いた。
該粘着剤塗工液を該防眩性積層体のポリエステルフィルム側の塗工面に対して、ダイコーターにより、塗布量20g/mになる様に塗布し、風速5m/secの乾燥空気が当たるオーブンにて100℃で1分間乾燥して粘着剤層兼紫外線吸収層を形成し、更に粘着剤層の面には、再剥離可能な離型フィルムを貼合わせて保護した。
斯くして、積層体〔防眩層/PETフィルム/粘着剤層兼紫外線吸収層〕を得た。
(5)各積層体層の積層、複合化
上記の如く製造した各積層体を積層、複合化した。
先ず、(4)で用意した積層体から裏面の離型フィルムを剥離除去し、露出した粘着剤層兼紫外線吸収層側を、(3)で用意した積層体の近赤外線吸収層側に当接して1対のローラー間で加圧して、〔防眩層/PETフィルム/粘着剤層兼紫外線吸収層/NIR吸収層/PETフィルム/粘着剤層〕からなる積層体を形成した。
次いで、得られた積層体の粘着剤層面から離型フィルムを剥離除去し、露出した粘着剤層を、(1)で用意した透明導電体層上に当接し、1対のローラー間で加圧して、〔防眩層/PETフィルム/粘着剤層兼紫外線吸収層/NIR吸収層/PETフィルム/粘着剤層/透明導電体層/プライマー層/PETフィルム/粘着剤層(兼Ne光吸収及び調色層)〕からなる積層体を形成し、実施例51の前面フィルタを得た。
<実施例52>
図10に示す本発明に係る前面フィルタを以下の方法で作製した。
(1)ポリエステルフィルムの準備
透明樹脂基材フィルムとして厚さ100μmで連続帯状の無着色透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績社製、商品名「A4300」)を準備した。尚、該基材フィルムは、紫外線吸収剤を混合して製膜して成り、紫外線吸収層も兼備するものである。
(2)Ne光吸収及びNIR吸収層の形成
アクリル系樹脂(硝子転移温度130℃、水酸基価=0)の樹脂バインダを溶剤{メチルエチルケトン/トルエン(溶剤配合比=質量基準で1:1)}中に、固形分20%(質量基準)となるよう溶解したアクリル系樹脂溶液中に、フタロシアニン系NIR吸収色素である、商品名エクスカラーIR‐10Aを0.04重量部、エクスカラー906Bを0.02重量部、エクスカラー910B(以上3種類共に日本触媒株式会社製)を0.04重量部、ポルフィリン系Ne光吸収色素(商品名TAP−2 山田化学株式会社製)を0.009重量部を、各々添加し十分分散させて塗布用溶液を作製した。
そして、(1)のPETフィルム上に、ダイコーターにより、塗布量20g/mになるように塗布し、風速5m/secのドライエアーが当たるオーブンにて100℃で1分間乾燥して、非粘着固体化せしめ、Ne光吸収及びNIR吸収層を兼用する層を形成した。
斯くして、〔UV吸収層(兼PETフィルム)/Ne光吸収及びNIR吸収層〕から成る積層体を得た。
(3)防眩層の形成
製造例5−1で得られた防眩性光学積層体の防眩層に相当する層を、(2)で得られた積層体のPETフィルム側の表面に、製造例5−1と同様の方法で形成した。
斯くして、〔防眩層/UV吸収層(兼PETフィルム)/Ne光吸収及びNIR吸収層〕から成る、実施例52の前面フィルタを得た。
<実施例53>
図11に示す本発明に係る前面フィルタを以下の方法で作製した。
(1)積層体〔UV吸収層(兼PETフィルム)/プライマー層/透明導電体層〕の形成
透明樹脂基材フィルムとして、連続帯状で無着色透明な厚さ100μmのPETフィルム(東洋紡績社製、商品名「A4300」)の代わりに、厚さ100μmで連続帯状の無着色透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績社製、商品名「A4300」)を準備したこと以外は、実施例51の(1)透明導電体層の作成と同様にして、透明導電体層を構成する連続帯状の積層体(PETフィルムにメッシュ状導電体層を積層済みの積層フィルム)を得た。尚、該基材フィルムは、紫外線吸収剤を混合して製膜して成り、紫外線吸収層も兼備するものである。
(2)Ne光吸収、NIR吸収、及び調色層の形成
アクリル系樹脂(硝子転移温度130℃、水酸基価=0)の樹脂バインダを溶剤{メチルエチルケトン/トルエン(溶剤配合比=質量基準で1:1)}中に、固形分20%(質量基準)となるよう溶解したアクリル系樹脂溶液中に、フタロシアニン系NIR吸収色素である、商品名エクスカラーIR‐10Aを0.04重量部、エクスカラー906Bを0.02重量部、エクスカラー910B(以上3種類共に日本触媒株式会社製)を0.04重量部、ポルフィリン系Ne光吸収色素(商品名TAP−2 山田化学株式会社製)を0.009重量部、調色用色素(商品名Plast red 8320 有本化学株式会社製)0.005重量部を、各々添加し十分分散させて塗布用溶液を作製した。
そして、上記積層体の透明導電体層上に、ダイコーターにより、塗布量20g/mになるように塗布し、風速5m/secのドライエアーが当たるオーブンにて100℃で1分間乾燥して、非粘着固体化せしめ、Ne光吸収、NIR吸収、及び調色層を兼用する層を形成した。
斯くして、〔UV吸収層(兼PETフィルム)/プライマー層/透明導電体層/Ne光吸収、NIR吸収、及び調色層〕から成る積層体を得た。
(3)積層体〔防眩層/PETフィルム/粘着剤層〕
粘着剤層中への紫外線吸収剤を添加しない他は実施例52(4)と同様にして、積層体〔防眩層/PETフィルム/粘着剤層〕を得た。
(4)各積層体の積層、複合化
上記の如く製造した各積層体を積層、複合化した。
先ず、厚さ5mmの無着色透明な硝子板を用意した。
次いで、(3)で用意した積層体から裏面の離型フィルムを剥離除去し、露出した粘着剤層側を、該硝子板の一方の面に当接して1対のローラー間で加圧して積層した。
次いで、得られた積層体について、硝子板の他方の面(防眩層の無い側)に、塗工量20g/m2の粘着剤層を介して、(2)で用意した積層体を、ポリエステルフィルム側が該硝子板側を向く様にして1対のローラー間で加圧して積層した。
斯くして、〔防眩層/PETフィルム/粘着剤層/硝子板/粘着剤層/UV吸収層(兼ポリエステルフィルム)/プライマー層/透明導電体層/Ne光吸収、NIR吸収、及び調色層〕からなる積層体を形成し、実施例53の前面フィルタを得た。
<実施例54>
図12に示す本発明に係る前面フィルタを以下の方法で作製した。
(1)防眩層の形成
防眩層を、厚さ100μmで連続帯状の無着色透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績社製、商品名「A4300」)上に形成した。具体的には、先ず、電離放射線硬化型樹脂として、ペンタエリスリトールトリアクリレートを70質量部(日本化薬(株)製、屈折率1.49)、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレートを30質量部(東亜合成(株)製、屈折率1.51)、アクリル系ポリマー(三菱レイヨン(株)製、分子量75,000)を10.0質量部、光硬化開始剤である商品名イルガキュア184を5.0質量部(チバガイギ(株)製)配合してなる紫外線硬化型樹脂に、更に、透光性微粒子としてスチレンビーズを15.0質量部(綜研化学(株)製、粒径3.5μm、屈折率1.60)、レベリング剤として商品名「10−28」を0.01質量部(ザ・インクテック(株)製)、トルエンを127.5質量部、及び、シクロヘキサノン54.6質量部、を充分混合して塗布液とした。この塗布液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、防眩層形成用の塗布液を調製した。次に、上記PETフィルムの面上に、該塗布液を、膜厚7μmとなるように塗工した後、50℃のオーブンで加熱乾燥させ、N雰囲気下でUV照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)製)のHバルブを光源に用いて紫外線照射して硬化し(積算光量200mj)、防眩層を形成した。
(2)電磁波遮蔽シートの作製
透明樹脂基材として、厚さ100μmで連続帯状の無着色透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績社製、商品名「A4300」)を用意した。次に、このPET表面に真空スパッタ法によりニッケルと銅と酸素を含む合金からなる黒化層(Ni−Cu−O黒化層)を形成した。その上に銅蒸着を行い、導電体層を積層した。尚、シート抵抗は0.01Ω/□であった。
次いで、上記積層体において、その導電体層及び黒化層をフォトリソグラフィー法を利用したエッチングにより、使用するPDPの画像表示領域に対応させて形成した開口部及びライン部とから成るメッシュ状領域から成る透明導電体層、及びメッシュ状領域の4周を囲繞する外縁部に額縁状のメッシュ非形成の接地用領域を有する導電性メッシュ層を形成した。メッシュ形状は開口部が正方形の正方格子であり、線幅は10μm、開口部の間口幅(正方形の辺長)は290μmとした。該メッシュ形状を有する長方形領域1つがPDPの1画面分に対応する。斯かる長方形のメッシュ状領域が、連続帯状に30mm間隔で一方に配列し、又該メッシュ状領域の配列の両側には各々幅15mmの餘白部を形成し、周縁部の接地用領域の幅を15mmとした。
エッチングは、具体的には、カラーTVシャドウマスク用の製造ラインを利用して、上記積層体に対して、レジスト形成、マスキングからエッチングまでを一貫して行った。すなわち、上記積層体の透視性導電体層面全面に感光性のエッチングレジストを塗布後、所望のメッシュパターンのマスクを密着露光し、現像、硬膜処理、ベーキングして、メッシュのライン部に相当する領域上にはレジスト層が残留し、開口部に相当する領域上にはレジスト層が無い様なパターンにレジスト層を加工した後、塩化第二鉄水溶液で、レジスト層非形成領域の導電体層及び黒化層を、エッチング除去してメッシュ状の開口部を形成し、次いで、水洗、レジスト剥離、洗浄、乾燥を順次行った。
(3)積層体〔防眩層/PETフィルム/ネオン光吸収剤及び色補正色素入り粘着剤層/電磁波遮蔽シート〕の形成:
(1)で得られた防眩層付きシートと(2)で得られた電磁波遮蔽シートをネオン光吸収剤および調色(色補正)の粘着で貼合した。
アクリル系粘着剤(綜研化学株式会社製、SKダイン2094)100重量部に対して、硬化剤(綜研化学株式会社製、E−5XM)0.25重量部、ネオン光吸収剤(山田化学株式会社製、TAP−2;テトラアザポルフィリン系色素)0.045重量部、色補正色素(日本化薬株式会社、KAYASET RED A2G)0.3重量部を各々添加し、充分分散させて粘着剤層組成物を調製した。
上記粘着組成物を上記防眩層のPETフィルム側にダイコーターにより乾燥時の厚み25μmになるように塗布し、風速5m/secのドライエアーが当たるオーブンにて100℃で1分間乾燥して粘着剤層を形成し、電磁波遮蔽シートのPETフィルム側を粘着層に貼合し、積層体を作製した。
(4)積層体〔防眩層/PETフィルム/ネオン光吸収剤及び色補正色素入り粘着剤層/電磁波遮蔽シート/近赤外線吸収剤入り粘着剤層/ガラス板〕の形成:
近赤外線吸収剤入り粘着剤で(3)で得られた積層体をガラス板に貼合した。
アクリル系粘着剤(綜研化学株式会社製、SKダイン2094)100重量部に対して、硬化剤(綜研化学株式会社製、E−5XM)0.25重量部、セシウム含有タングステン酸化物(Cs0.33WO)含有量18.5重量%懸濁液(住友金属鉱山(株)製、YMF−02;平均分散粒径800nm以下)11.32重量部を各々添加し、充分分散させて粘着剤層組成物を調製した。
次に、(3)で得られた積層体の電磁波遮蔽シートの透明導電体層であるメッシュ面に対して、上記で得られた粘着剤層組成物をダイコーターにより乾燥時の厚み25μmになるように塗布し、風速5m/secのドライエアーが当たるオーブンにて100℃で1分間乾燥して粘着剤層を形成し、ガラス板サイズにカットしたのちに、枚葉貼合機にてソーダガラス製のガラス板に貼り合わせて、PDP用前面ガラスフィルタを作製した。
<実施例55>
図13に示す本発明に係る前面フィルタを以下の方法で作製した。
(1)電磁波遮蔽シートの作製
上記実施例54と同様に電磁波遮蔽シートを作製した。
(2)積層体〔防眩層/PETフィルム/透明導電層〕の形成:
(1)で得られた電磁波遮蔽シートにおけるPETフィルムの透明導電体層が積層されている面と反対側の面に防眩層を形成した。防眩層の作製条件は上記実施例54と同様に行った。
(3)積層体〔防眩層/PETフィルム/透明導電層/近赤外線吸収剤、ネオン光吸収剤及び色補正色素入り粘着剤層〕の形成:
次に、上記防眩層形成済みの電磁波遮蔽シートの導電性メッシュ層側の面に対して、各種光吸収剤を添加した粘着剤層を形成した。アクリル系粘着剤(綜研化学株式会社製、SKダイン2094)100重量部に対して、硬化剤(綜研化学株式会社製、E−5XM)0.25重量部、セシウム含有タングステン酸化物(Cs0.33WO)含有量18.5重量%懸濁液(住友金属鉱山(株)製、YMF−02;平均分散粒径800nm以下)11.32重量部、ネオン光吸収剤(山田化学株式会社製、TAP−2;テトラアザポルフィリン系色素)0.045重量部、色補正色素(日本化薬株式会社、KAYASET RED A2G)0.3重量部を各々添加し、充分分散させて粘着剤層組成物を調製した。
次に、上記積層体の導電性メッシュ層側の面に対して、ダイコーターにより乾燥時の厚み25μmになるように塗布し、風速5m/secのドライエアーが当たるオーブンにて100℃で1分間乾燥して粘着剤層を形成し、連続帯状の状態で複合フィルタを得た。尚、粘着剤層の面には、更に再剥離可能な離型フィルムを貼り合わせて保護した。
(4)積層体〔防眩層/PETフィルム/透明導電層/近赤外線吸収剤、ネオン光吸収剤及び色補正色素入り粘着剤層/ガラス板〕の形成:
上記(3)で得られた積層体をソーダガラス製のガラス板と同サイズに切り出した。粘着層の面上の離型フィルムを剥がし、ガラス面に貼合し、PDP用前面ガラスフィルタを作製した。
<実施例56>
図7に示す本発明に係る前面フィルタを以下の方法で作製した。
(1)防眩層の形成
実施例54と同様に、防眩層を、厚さ100μmで連続帯状の無着色透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績社製、商品名「A4300」)上に形成した。
(2)積層体〔防眩層/PETフィルム/近赤外線吸収剤入り粘着剤層〕の形成:
アクリル系粘着剤(綜研化学株式会社製、SKダイン2094)100重量部に対して、硬化剤(綜研化学株式会社製、E−5XM)0.25重量部、セシウム含有タングステン酸化物(Cs0.33WO)含有量18.5重量%懸濁液(住友金属鉱山(株)製、YMF−02;平均分散粒径800nm以下)11.32重量部を各々添加し、充分分散させて粘着剤層組成物を調製した。
次に、上記PETフィルムの防眩層が積層されている面と反対側の面に、ダイコーターにより乾燥時の厚み25μmになるように塗布し、風速5m/secのドライエアーが当たるオーブンにて100℃で1分間乾燥して粘着剤層を形成し、粘着剤層の面には、更に再剥離可能な離型フィルムを貼り合わせて保護した。
<実施例57>
図15に示す本発明に係る前面フィルタを以下の方法で作製した。
(1)防眩層の形成
実施例54と同様に、防眩層を、厚さ100μmで連続帯状の無着色透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績社製、商品名「A4300」)上に形成した。
(2)積層体〔防眩層/PETフィルム/ネオン光吸収および調色層〕の形成:
まず、バインダ樹脂として、脂環式炭化水素基を有するオプトレッツOZ−1100(日立化成(株)製、酸価=0)とアクリル樹脂のダイヤナールBR−83(三菱レイヨン(株)製、酸価=2)とを1対1の割合で混合した樹脂(酸価=1)を、メチルエチルケトン/トルエン中(溶媒配合比=1:1)に固形分比が20%(質量基準)となるよう溶解した樹脂溶液を用意した。この樹脂に、550〜640nmの波長領域内に吸収最大波長を有するシアニン系色素(旭電化(株)製、商品名:TY102)と色補正色素(日本化薬株式会社、KAYASET RED A2G)を入れ、インキを調合した。この樹脂をダイコート法により透明樹脂基材面上に、コートして乾燥膜厚が10μmになるように塗布し、風速5m/secのドライエアーが当たるオーブンにて100℃で1分間乾燥してネオン光吸収および調色層を形成した。
(3)電磁波遮蔽シートの作製
透明樹脂基材として、厚さ100μmで連続帯状の無着色透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績社製、商品名「A4300」)を用意した。片面を黒化処理した厚みが10μmの銅箔(古河サーキットフォイル(株)製、品番;B2X−WS)を準備し、二液硬化型のポリウレタン樹脂系接着剤(武田薬品工業(株)製、タケラックA310(主剤、Tg=20℃)/タケネートA10(硬化剤)/酢酸エチル=12/1/21の質量比で混合、以降も含め、部数および配合比は質量基準である。)を用いたドライラミネート方式により、黒化処理した面が外側になるよう連続的に貼り合せを行なった以外は、実施例56と同様に電磁波遮蔽シートを作製した。
(4)積層体〔透明導電層/PETフィルム/近赤外線吸収剤入り粘着剤層〕の形成:
次に、上記(3)で得られた電磁波遮蔽シートのPETフィルム面に対して、近赤外線吸収剤を添加した粘着剤層を形成した。アクリル系粘着剤(綜研化学株式会社製、SKダイン2094)100重量部に対して、硬化剤(綜研化学株式会社製、E−5XM)0.25重量部、セシウム含有タングステン酸化物(Cs0.33WO)含有量18.5重量%懸濁液(住友金属鉱山(株)製、YMF−02;平均分散粒径800nm以下)11.32重量部を各々添加し、充分分散させて粘着剤層組成物を調製した。
次に、上記積層体のPETフィルム側の面に対して、ダイコーターにより乾燥時の厚み25μmになるように塗布し、風速5m/secのドライエアーが当たるオーブンにて100℃で1分間乾燥して粘着剤層を形成し、連続帯状の状態で複合フィルタを得た。尚、粘着剤層の面には、更に再剥離可能な離型フィルムを貼り合わせて保護した。
(5)積層体〔透明導電層/PETフィルム/近赤外線吸収剤入り粘着剤層/ガラス板〕の形成:
上記(4)で得られた積層体をガラス板と同サイズに切り出した。粘着層の面上の離型フィルムを剥がし、ソーダガラス製のガラス面に貼合した。
(6)積層体〔防眩層/PETフィルム/ネオン光吸収および調色層/粘着剤層/透明導電層/PETフィルム/近赤外線吸収剤入り粘着剤層/ガラス板〕の形成:
上記(2)で得られた積層体のネオン光吸収および調色層が施された面に粘着剤TU−41A(巴川製紙所製)をラミネートし、上記ガラス板上の電磁波遮蔽シートの導電性メッシュ面と貼合した。導電性メッシュ層の凹凸内に気泡が入ったが、加熱加圧処理(0.5MPaの加圧下で、70℃、30分間処理)を行い、気泡を消失させ、PDP用前面ガラスフィルタを作製した。
<実施例58>
図14に示す本発明に係る前面フィルタを以下の方法で作製した。
実施例55の粘着剤層組成物において、近赤外線吸収色素としてセシウム含有タングステン酸化物を用いる代わりに、フタロシアニン系近赤外線吸収色素である、商品名エクスカラーIR‐12、エクスカラーIR−14、エクスカラー910B(以上3種類共に日本触媒株式会社製)を使用し、更に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を0.1重量部添加した以外は実施例57と同様にPDP前面ガラスフィルタを作製した。上記フタロシアニン系近赤外線吸収色素は、エクスカラーIR12が0.157重量部、エクスカラーIR14が0.112重量部、エクスカラー910Bが0.220重量部を各々添加し、充分分散させて粘着剤層組成物を調製した。
<実施例59>
図12に示す本発明に係る前面フィルタを以下の方法で作製した。
実施例54の(2)電磁波遮蔽シートの作製を以下のように作製した以外は、実施例54と同様にして、PDP用前面ガラスフィルタを作製した。
(2)電磁波遮蔽シートの作製
透明樹脂基材として、厚さ100μmで連続帯状の無着色透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績社製、商品名「A4300」)を用意した。導電インキは藤倉化成製の銀ペーストFA−333を使用し、シルク印刷法にて線巾30μm、ピッチ300μmのメッシュを透明樹脂基材上に形成した。風速5m/secのドライエアーが当たるオーブンにて100℃で1分間乾燥して電磁波遮蔽シートを作製した。
本発明に係るプラズマディスプレイ用前面フィルタの基本的な層構成の一例の断面図である。 本発明に係るプラズマディスプレイ用前面フィルタの基本的な層構成の他の一例の断面図である。 本発明に係るプラズマディスプレイ用前面フィルタの基本的な層構成の他の一例の断面図である。 本発明に係るプラズマディスプレイ用前面フィルタの一例の断面図である。 本発明に係るプラズマディスプレイ用前面フィルタの一例の断面図である。 本発明に係るプラズマディスプレイ用前面フィルタの実施形態の一例の断面を模式的に示したものである。 本発明に係るプラズマディスプレイ用前面フィルタの実施形態の一例の断面を模式的に示したものである。 本発明に係るプラズマディスプレイ用前面フィルタの実施形態の一例の断面を模式的に示したものである。 本発明に係るプラズマディスプレイ用前面フィルタの実施形態の一例の断面を模式的に示したものである。 本発明に係るプラズマディスプレイ用前面フィルタの実施形態の一例の断面を模式的に示したものである。 本発明に係るプラズマディスプレイ用前面フィルタの実施形態の一例の断面を模式的に示したものである。 本発明に係るプラズマディスプレイ用前面フィルタの実施形態の一例の断面を模式的に示したものである。 本発明に係るプラズマディスプレイ用前面フィルタの実施形態の一例の断面を模式的に示したものである。 本発明に係るプラズマディスプレイ用前面フィルタの実施形態の一例の断面を模式的に示したものである。 本発明に係るプラズマディスプレイ用前面フィルタの実施形態の一例の断面を模式的に示したものである。 本発明に係るプラズマディスプレイ用前面フィルタの凹凸層を製造するための、エンボスフィルム製造装置を模式的に示したものである。 本発明に係るプラズマディスプレイ用前面フィルタの、明室環境における艶黒感の測定法を模式的に示したものである。 本発明に係るプラズマディスプレイ用前面フィルタの、映り込み防止性能の測定法を模式的に示したものである。 本発明に係るプラズマディスプレイ用前面フィルタの実施形態の一例の断面を模式的に示したものである。 本発明に係るプラズマディスプレイ用前面フィルタの、明室環境におけるコントラストの測定法を模式的に示したものである。 本発明に係るプラズマディスプレイ用前面フィルタの、明室環境におけるコントラストの官能評価のための画像データを示したものである。 実施例及び比較例について、θa及びRzと艶黒感及び映り込み防止性能との関係のグラフを示したものである。 実施例及び比較例について、Rz及びSmと艶黒感及び映り込み防止性能との関係のグラフを示したものである。
符号の説明
1 防眩層
2(2a〜2c) ポリエステルフィルム
3 機能層
4 透明導電体層
9 樹脂
10 透光性微粒子
11 凹凸層
12 表面形状調整層
13 低屈折率層
14 プライマー層
15(15a〜15b) 接着剤層(粘着剤層)
16 耐衝撃層(粘着剤層)
17 近赤外線吸収層
18 黒化層
19 銅メッシュ層
20 近赤外線吸収層
21 近赤外線吸収色素
22 ネオン光吸収色素
23 調色色素
24 UV吸収剤
30 ガラス板
31 ネオン光吸収、近赤外線吸収、調色フィルタ層
32 近赤外線吸収、ネオン光吸収フィルタ層
33 ネオン光吸収フィルタ層
40 エンボスフィルム製造装置
41 樹脂フィルム
42 エンボス
43 コーディングヘッド
44 液溜め
45 ゴムローラー
46 凹凸層用組成物供給口
47 エンボスローラー
48 紫外線光源
49 スロット
100 測定サンプル
100 評価用サンプル
101 前面フィルタ
102 黒色アクリル板
103 評価者
104 三波長線管
105 冶具
106 白黒ストライプ板
107 PDP
108 白色蛍光灯
109 輝度計

Claims (11)

  1. 最表面に凹凸形状を有する防眩層、ポリエステルフィルム、及び機能層を含んでなり、当該防眩層を観察者側の表面に配置してなるプラズマディスプレイ用前面フィルタであって、
    前記防眩層の凹凸の平均間隔をSmとし、凹凸部の平均傾斜角をθaとし、凹凸の十点平均粗さをRzとした場合に、
    Smが72μm以上250μm以下であり、
    θaが0.3度以上0.98度以下であり、
    Rzが0.3μm以上1.0μm以下であり、
    前記防眩層が、透光性微粒子を添加した樹脂からなる凹凸層と、当該凹凸層の観察者側に配置された表面形状調整層を含む2層以上からなる積層構造を有し、当該表面形状調整層が、当該凹凸層の表面の凹凸のSmは変えずにθa及び/又はRzを低減している、プラズマディスプレイ用前面フィルタ。
  2. 前記防眩層が凹凸層と、当該凹凸層の観察者側の最表面に配置された低屈折率層を含む、2層以上からなる積層構造を有する、請求項1に記載のプラズマディスプレイ用前面フィルタ。
  3. 前記表面形状調整層が、帯電防止剤、屈折率調整剤、防汚染剤、硬度調整剤からなる群から選択される1種または2種以上の機能付加成分を含有する請求項1又は2のいずれかに記載のプラズマディスプレイ用前面フィルタ。
  4. 前記防眩層の層厚が、5μm以上25μm以下である、請求項1乃至のいずれかに記載のプラズマディスプレイ用前面フィルタ。
  5. 前記ポリエステルフィルムの厚みが、20〜250μmである、請求項1乃至のいずれかに記載のプラズマディスプレイ用前面フィルタ。
  6. 前記機能層として、少なくとも透明導電体層を有する、請求項1乃至のいずれかに記載のプラズマディスプレイ用前面フィルタ。
  7. 前記透明導電体層が、金属メッシュ状導電体層と、その観察者側に形成された黒化層とからなる、請求項に記載のプラズマディスプレイ用前面フィルタ。
  8. 前記透明導電体層が、樹脂バインダー中に導電体粒子と黒色顔料とを分散した黒色の導電性インキから形成されたメッシュ状導電体層からなる、請求項に記載のプラズマディスプレイ用前面フィルタ。
  9. 前記表面形状調整層の膜厚が、0.6μm以上15μm以下である、請求項1乃至8のいずれかに記載のプラズマディスプレイ用前面フィルタ。
  10. 前記Smが110μm以上200μm以下であり、前記θaが0.5度以上0.8度以下であり、前記Rzが0.5μm以上0.8μm以下である、請求項1乃至のいずれかに記載のプラズマディスプレイ用前面フィルタ。
  11. プラズマディスプレイの表示面に、請求項1乃至10のいずれかに記載のプラズマディスプレイ用前面フィルタを備えてなる、プラズマディスプレイ。
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