JP5902538B2 - 固液分離装置および固液分離装置の洗浄方法 - Google Patents

固液分離装置および固液分離装置の洗浄方法 Download PDF

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この発明は、ろ過槽に供給されたろ過対象水によって上向流を生成し、該ろ過対象水内の固形分を分離してろ過水を生成する固液分離装置および固液分離装置の洗浄方法に関する。
従来、下水などの有機分を含む排水処理では、まず、最初沈殿池に導入され自然沈降によって固液分離される。容易に自然沈降する比較的大きな固形物が分離された最初沈殿地流出水は反応槽に送られて活性汚泥と混合され、生物処理が施される。その後、最終沈殿池によって沈殿固液分離され、処理水と活性汚泥とに分離される。分離された処理水は河川等に放流される。一方、活性汚泥の一部は、返送汚泥として反応槽に返送され、再び有機物の分解に用いられる。しかし、反応槽から流出する活性汚泥は性状が不安定であり、後段の最終沈殿池にて固液分離後に放流される処理水中には、SS(Suspended Solid)濃度が高くなる場合がある。
このため、特許文献1では、比重が1.0未満の筒状の浮上ろ材を充填させた濾材充填部を設け、処理対象水を上向きに通過させることによってSS除去率を高めている。
特許第3015274号公報
ところで、上述した筒状の浮上ろ材の比重は、1.0未満、好ましくは0.9程度であり、下向流を生じさせて逆洗が行われる場合、この浮上ろ材は、ろ過対象水とほぼ同じ比重であるため、下向流ととともに流れ出てしまう。このため、浮上ろ材の流出を防ぐためにろ材層の上部に設けられた上部スクリーンの他に、ろ材層の下部に下部スクリーンを設けていた。
しかしながら、この下部スクリーンは、ろ材層にろ過される前のろ過対象水を通過させるため、長期間の運転において下部スクリーンに、ろ過対象水中の髪の毛や紙類などの夾雑物が絡まり、目詰まりが発生し、ろ過能力が低下してしまうという問題点がある。そして、この目詰まりを排除するための洗浄はブラシなどを用いた手作業となり、多大な労力を必要としていた。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、高いSS除去率を得るとともに目詰まりを抑制することができる固液分離装置および固液分離装置の洗浄方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる固液分離装置は、ろ過槽に供給されたろ過対象水によって上向流を生成し、該ろ過対象水内の固形分を分離してろ過水を生成する固液分離装置であって、上部スクリーンと下部スクリーンとを有し、前記上部スクリーンと前記下部スクリーンとに挟まれた上部空間に比重が0.8以上、1.0未満の上部ろ過材を充填して上部ろ過沈殿層を形成する上部ろ過沈殿部と、前記下部スクリーンと前記ろ過槽の底部との間の下部空間に比重が0.1以上、0.8未満の下部ろ過材を充填して下部ろ過層を形成する下部ろ過部と、を備えたことを特徴とする。
また、この発明にかかる固液分離装置は、上記の発明において、前記ろ過槽の底部に洗浄排水を排出する排出管路を備え、前記下部スクリーンと前記ろ過槽の底部との間の高さは、前記排出管路を開にして下向流を生成する洗浄を行った場合に前記下部ろ過材が比重に対応して下方に展開する厚さ以上であることを特徴とする。
また、この発明にかかる固液分離装置は、上記の発明において、前記上部ろ過材は、下部ろ過材よりも比表面積の大きい浮上ろ材であることを特徴とする。
また、この発明にかかる固液分離装置は、上記の発明において、前記下部スクリーンと前記ろ過槽の底部との間の高さは、前記下部ろ過層の厚さの1.5倍以上であることを特徴とする。
また、この発明にかかる固液分離装置は、上記の発明において、前記ろ過槽の底部に洗浄排水を排出する排出管路と、前記排出管路に設けられて前記洗浄排水を吸引して排出するポンプと、を備えたことを特徴とする。
また、この発明にかかる固液分離装置の洗浄方法は、ろ過槽内に上部スクリーンと下部スクリーンとを有し、前記上部スクリーンと前記下部スクリーンとに挟まれた上部空間に比重が0.8以上、1.0未満の上部ろ過材を充填して上部ろ過沈殿層を形成する上部ろ過沈殿部と、前記下部スクリーンと前記ろ過槽の底部との間の下部空間に比重が0.1以上、0.8未満の下部ろ過材を充填して下部ろ過層を形成する下部ろ過部と、を備え、前記ろ過槽に供給されたろ過対象水によって上向流を生成し、該ろ過対象水内の固形分を分離してろ過水を生成する固液分離装置の洗浄方法であって、前記上部ろ過沈殿層に対して気泡を噴出して前記上部ろ過材を旋回流動させ、該上部ろ過材の撹乱による該上部ろ過材が捕捉したSSを剥離させるSS剥離ステップと、前記SS剥離ステップによって剥離されたSSが上部スクリーン上に沈降するまで静置する静置ステップと、前記下部スクリーンと前記ろ過槽の底部との間の高さに相当する前記ろ過槽内の槽水を排出する排出ステップと、を含むことを特徴とする。
この発明によれば、下部スクリーンとろ過槽の底部との間の下部空間に比重が0.1以上、0.8未満の下部ろ過材を充填して下部ろ過層を形成するようにしているので、下部ろ過層での表層付近を中心とするSS抑留によって、下部スクリーンの目詰まりの発生が抑制され、下部スクリーンの洗浄作業が不要となることから、簡易に高いSS除去率を維持することができる。
図1は、この発明の実施の形態にかかる固液分離装置の構成を示す模式図である。 図2は、図1に示した固液分離装置を含むろ過処理システムの構成を模式的に示した平面図である。 図3は、図1に示した上部ろ過材の構成を示す図である。 図4は、図1に示した下部ろ過材の構成を示す図である。 図5は、図1に示した固液分離装置による固液分離処理のうちのろ過処理時の状態を示す模式図である。 図6は、図1に示した固液分離装置による固液分離処理のうちのろ過材洗浄処理時の状態を示す模式図である。 図7は、図1に示した固液分離装置による固液分離処理のうちの洗浄後静置時の状態を示す模式図である。 図8は、図1に示した固液分離装置による固液分離処理のうちの洗浄排出処理時の状態を示す模式図である。 図9は、図1に示した固液分離装置の洗浄処理手順を示すフローチャートである。 図10は、この発明の実施の形態の応用例を説明する説明図である。
以下、添付図面を参照してこの発明を実施するための形態について説明する。
(全体構成)
図1は、この発明の実施の形態にかかる固液分離装置の構成を示す模式図である。また、図2は、固液分離装置を含むろ過処理システムの構成を模式的に示した平面図である。図1に示すように、固液分離装置1は、供給されるろ過対象水W1内のSSである固形分を捕捉して分離するとともに、固形分が分離されたろ過水を処理水として排出するろ過槽10を有する。
ろ過槽10は、上部に上部スクリーン2が配置されるとともに、下部に下部スクリーン3が配置される。上部スクリーン2と下部スクリーン3との間の上部空間には、比重が0.8以上、1.0未満の浮上ろ過材などの上部ろ過材4aが充填されて上部ろ過沈殿層4が形成される。一方、下部スクリーン3とろ過槽10の底部との間の下部空間には、比重が0.1以上、0.8未満の下部ろ過材5aが充填されて下部ろ過層5が形成される。上部スクリーン2は、上部ろ過材4aが通過しない構造であればよく、下部スクリーン3は、上部ろ過材4aおよび下部ろ過材5aが通過しない構であればよい。なお、上部スクリーン2と下部スクリーン3と上部ろ過沈殿層4とは上部ろ過沈殿部であり、下部スクリーン3と下部ろ過層5とは下部ろ過部である。すなわち、下部スクリーン3は、上部ろ過沈澱部と下部ろ過部とに兼用される。
また、ろ過槽10の底部には、供給部12が接続される。さらに、供給部12は、分配槽11に接続される。分配槽11は、上流側に図2に示す原水槽100が接続され、ろ過対象水W1が供給される。分配槽11は、図2に示すように、複数の供給部12(12a〜12d)を介してそれぞれ複数のろ過槽10(10a〜10d)に、ろ過対象水W1を分配する。図1に示すように、供給部12には、開閉弁V1が設けられ、ろ過対象水W1のろ過槽10への供給を制御する。また、供給部12の上部には、供給部12に供給されたろ過対象水W1の水位を検出する水位センサー12aが設けられる。
さらに、各ろ過槽10の上部の側部であって、上部スクリーン2の上部には、図2に示すように、越流するろ過水W2を集めて排出する集合槽15が各ろ過槽10(10a〜10d)に接続され、各ろ過槽10a〜10dからのろ過水W2を一括して排出する。なお、各ろ過槽10a〜10dは、隣接配置されるが、各ろ過槽10a〜10d間は、縦壁で隔離され、各ろ過槽10a〜10dから越流するろ過水W2は集合槽15のみに排出される。
また、ろ過槽10の底部には、洗浄時における洗浄排水W3を排出する排出管路17が設けられる。排出管路17の途中には、開閉弁V3が設けられ、ろ過槽10の下向洗浄時における洗浄排水W3のろ過槽10からの排出を制御する。開閉弁V3の下流には、ポンプ14が設けられ、ポンプ14は、洗浄排水W3の強制排出を行う。
さらに、下部スクリーン3の上部、かつ、ろ過層10の内側の一側部には、空気配管16の先端に設けられた気泡生成部16aが配置される。空気配管16は、開閉弁V2を介してコンプレッサ13に接続される。開閉弁V3を開にしてろ過槽10を下向洗浄する前に、開閉弁V2を開にして、コンプレッサ13から供給される圧縮空気を気泡生成部16から噴出させ、上部ろ過沈殿層4に旋回流動を生成させて上部ろ過材4aを撹乱させることによって上部ろ過材4aに捕捉されたSSを剥離脱落させる。
また、ろ過槽10の底部には、空気配管16´の先端に設けられた気泡生成部16a´が配置される。空気配管16´は、開閉弁V2´を介してコンプレッサ13に接続される。ろ過槽10を下向洗浄中に、開閉弁V2´を断続的に開にして、コンプレッサ13から供給される圧縮空気を気泡生成部16a´から断続的に噴出させ、主として下部ろ過材5aを撹乱させて下部ろ過材5aに捕捉されたSSを剥離させる。
なお、上部ろ過材4aは、図3に示すように、筒状の浮上ろ材であり、沈殿効果によってSSを捕捉する。この沈殿効果とは、ろ過対象水が複数の筒内あるいはろ材同士の間を通過する長いろ過路を形成することによって、沈殿面積を増やして沈殿効果を高めてSSを捕捉しようとするものである。図3に示すように、複数の上部ろ過材4aを介したろ過路L2は、上部ろ過材4aを介さないろ過路L1に比して、例えば2倍程度長くなる。ろ過路L2が長くなることは、SS除去処理上、等価的に沈殿面積が増大することであり、例えば2倍程度に沈澱面積が増大し、SS除去率が増加する。結果的に、同程度のSS除去率を達成するろ過槽のコンパクト化を図ることができる。
上述したように筒状の浮上ろ材は、比重が0.8以上、1.0未満、好ましくは0.9であり、形状が例えば、直径5.5mm、長さ7mmである。この筒状の浮上ろ材は、ろ過対象水よりも軽いが、ほぼろ過対象水と比重が同じであるため、ろ過対象水とともに移動するため、上部スクリーン2および下部スクリーン3によってろ過材が流れ出ないようにしている。筒状の浮上ろ材は、ろ過対象水と化学反応しない材質であればよい。特に、耐アルカリ性材、耐酸性材、耐摩耗性材、非吸水材であることが好ましい。なお、筒状の浮上ろ材によって形成された上部ろ過沈殿層4の厚さは、例えば、70〜100cmである。この筒状の浮上ろ材によって形成された上部ろ過沈殿層4は、好ましくは筒内の空隙とろ材間の空間を合わせた空隙率が90%以上の高空隙層であり、SS除去率が80%程度の高い能力を有する。また、上部ろ過材4aは、筒状であり、下部ろ過材5aに比べて比表面積が大きい。
一方、下部ろ過材5aは、図4に示すように、例えば、風車型の浮上ろ材である。この風車型の浮上ろ材によって形成された下部ろ過層5は、主として下部表層でSSを抑留させる。風車型の浮上ろ材は、上述したように、比重が0.1以上、0.8未満、好ましくは0.7であり、例えば、6mm×6mm×4mmの大きさである。また、風車型の浮上ろ材は、ろ過対象水と化学反応しない材質であればよい。特に、耐アルカリ性材、耐酸性材、耐摩耗性材、非吸水材であることが好ましい。風車型の浮上ろ材は、浮力が大きいため、下部ろ過材5aに対する上部スクリーンとして機能する下部スクリーン3によって上向きへの移動を抑えている。しかし、逆に、例えば、洗浄時の下向流が生じると、下向きに追随し、下部ろ過層5の厚さの1.5倍程度に分散して展開するものの、それ以上に下部に至ることはない。したがって、下部ろ過材5aに対する下部スクリーンは設けなくてもよく、ろ過層10の底部から下部スクリーン3までの深さを、下部ろ過層5の厚さの1.5倍以上とすることによって、抑留された夾雑物、SS等は、排出される一方で、下部ろ過材5aは展開するもののろ過槽10外部に流れ出ることはない。なお、風車型の浮上ろ材によって形成された下部ろ過層5の厚さは、例えば、20cmである。この風車型の浮上ろ材によって形成された下部ろ過層5は、ろ材間の空間を合わせた空隙率が50%程度の中空隙層であり、SS除去率が60〜70%程度である。
このような上部ろ過沈殿層4と下部ろ過層5との2層のろ過層をろ過槽10内に形成し、ろ過対象水W1を上向流として流すことによって、主として下部ろ過層5の表面にSSが抑留されてSSが粗取りされ、下部ろ過層5を通過したろ過対象水は、さらに上部ろ過沈殿層4の沈殿効果によって下部ろ過層5を通過した細かいSSを捕捉し、通過したろ過対象水をろ過水W2としてろ過槽10の外部に排出する。ここで、上部ろ過沈殿層4を構成する上部ろ過材4aの流出を防止するために設けた下部スクリーン3は、下部スクリーン3の下部に形成された下部ろ過層5によって髪の毛や紙類などのSSが捕捉されるため、比較的大きなSSが下部スクリーン3まで到達しにくくなり、目詰まりが発生しにくくなる。従来は、下部スクリーン3が詰まって、逆洗してもろ過能力が復帰しないという、従来の上部ろ過沈殿層の欠点がなくなる。また、従来は必要であったこの目詰まりを排除するためのブラシなどを用いた手作業による洗浄を行う必要がない。この結果、高いSS除去率を確保しつつ容易に維持管理できる固液分離装置を実現できる。
なお、制御部Cは、ろ過時には、開閉弁V1を開、開閉弁V2,V2’,V3を閉にして、ろ過対象水W1をろ過槽10内に導入して上向流を生成させ、ろ過槽10上部からろ過水を越流排出する。また、制御部Cは,ろ過材洗浄の開始時には、開閉弁V1,V2´,V3を閉、開閉弁V2を開にして、コンプレッサ13からの圧縮空気によって気泡生成部16aから気泡を発生させて、上部ろ過材4aを旋回流動させて撹乱させ、SSを剥離させる。さらに、制御部Cは、洗浄排出時には、開閉弁V1,V2,V2´を閉、開閉弁V3を開にして、ポンプ14を駆動させてろ過槽10内のろ過対象水を、SSを含む洗浄排水W3として強制排出させる。なお、制御部Cは、開閉弁V3を開にした強制排水の開始数秒後に、開閉弁V2´を一回もしくは断続的に数秒間、開くことによってパルス的に気泡を噴出させ、主として下部ろ過材5aの撹乱による均等展開を促す。
(固液分離処理)
次に、図5〜図8を参照して、ろ過槽10による、ろ過対象水の固液分離処理について説明する。まず、図5に示すように、開閉弁V1を開にすると、水位差を利用した自然流下によって、分配槽11から供給部12を介してろ過槽10の下部からろ過槽10内に、ろ過対象水W1が導入され、上向流が生成される。すなわち、ろ過対象水W1は、下部ろ過層5および上部ろ過沈殿層4によって順次SSが捕捉され、SSが除去されたろ過水W2がろ過槽10から集合槽15に越流して排出される。下部ろ過層5では主としてその下部表層にSSが抑留し、上部ろ過沈殿層4では、上部ろ過材4aの筒内に沈殿効果によって微細なSSが捕捉される。
その後、下部ろ過層5および上部ろ過沈殿層4におけるSSの捕捉の促進に伴って、下部ろ過層5および上部ろ過沈殿層4のろ過損失水頭が増大し、供給部12の水面が上昇する。ろ過損失水頭が所定値に到達すると洗浄処理を行うが、この洗浄処理は、ろ過材洗浄処理と洗浄排出処理とに分かれる。なお、ろ過損失水頭が所定値に到達したか否かは、水位センサー12a等による水位検出結果をもとに判断する。
ろ過材洗浄処理は、まず、図6に示すように、開閉弁V1を閉にし、開閉弁V2を開にして、コンプレッサ13から空気配管16を介して圧縮空気を気泡生成部16aに送り、気泡を噴出する。この気泡は、上部ろ過材4aを旋回流動させてSS(4b)を上部ろ過材4aから剥離脱落させる。その後、気泡の発生を停止し、静置する(図7)。この静置によって、剥離されたSS(4b)が沈降する場合には、できるだけ長く静置時間をとり、沈降を促進させる。特に、上部ろ過材4aが捕捉したSS(4b)は小さいので沈降速度が遅いため、静置する一定時間は、上部ろ過材4aが捕捉したSS(4b)が下部スクリーン3近傍に沈降するまでの時間とすることが好ましい。なお、下部ろ過材5aに付着したSS(5b)は比較的大きいことから沈降速度が速く、しかも、後述する洗浄排出処理によってSS(5b)を容易に剥離することができるため、この下部ろ過材5aに対して、このろ過材洗浄処理は必須ではない。また、上部ろ過材4aは、SS除去率が大きいが、下部ろ過材5aに比してSSの捕捉量が少ない。
その後、図8に示すように、洗浄排出処理を行う。この洗浄排出処理は、開閉弁V3を開にし、ポンプ14を駆動することによって、ろ過槽10内に蓄えられている、ろ過対象水W1を強制排出する。この強制排出によって、ろ過槽10内には下向流が生成し、剥離されたSS(4b)は下向きに下降する。また、下部ろ過材5aが拡散・展開してSS(5b)も同時に剥離し、下向きに下降、排出される。この強制排出量は、下部ろ過層5の厚さd1の1.5倍以上の高さを有する、下部スクリーン3からろ過槽10の底部までの深さd2に相当する量である。下部ろ過層5の拡散・展開は、1.5倍の厚さであり、この層内が洗浄により離脱したSS(4b、5b)を多く含むからである。なお、ろ過材洗浄処理を行わない場合、ほとんどのSSは、下部ろ過材5aに付着しており、下部ろ過材5aの拡散・展開によって、汚れやすい下部ろ過材5aの洗浄を十分に行うことができる。なお、上部ろ過材4aに多くの微小SSが抑留されている場合には、下部スクリーン3の上方部分も排出する必要があり、開閉弁V3の開時間を長くするか、洗浄回数を増やして、微小SSを含む上部の洗浄排水を排出する。
また、この洗浄排出処理時の途中に、上述したように、開閉弁V2´を一回もしくは断続的に数秒間、開くことによって気泡生成部16a´からパルス的に気泡13bを噴出させ、主として下部ろ過材5aの撹乱による均等展開を促す。
従来は、この洗浄排出処理にろ過水W2をろ過槽10の上部から供給し、下部スクリーン3以下の槽水をすべてろ過水W2に置換していたが、この実施の形態による置換量は、ろ過槽10の底部から下部スクリーン3までの深さに相当する少ない量であるため、洗浄排水が少なくなり、ろ過水回収率を向上させることができる。
また、従来、風車型のろ過材によって形成した下部ろ過層5のみを用いた高速ろ過装置では、下部ろ過層5の厚さが60〜80cmであったが、この実施の形態の下部ろ過層5の厚さは、20cmと薄層化している。この薄層化によるSS除去分の低下は、上部ろ過沈殿層4によって補うことができ、この実施の形態の装置は、従来の装置と同等以上のろ過能力を有している。また、下部ろ過層5の薄層化によって、下部スクリーン3までの高さも低減されるため、洗浄時の洗浄排水量、あるいは、洗浄時にろ過水を使用する場合におけるろ過水量を大幅に低減することができる。
(洗浄処理手順)
上述した制御部Cによる洗浄処理手順について、図9に示したフローチャートを参照して説明する。まず、制御部Cは、水位センサー12aが検出する水位をもとに、ろ過損失水頭が所定値に到達したか否かを判断する(ステップS101)。ろ過損失水頭が所定値に到達しない場合(ステップS101,No)には、この判断を繰り返し、ろ過損失水頭が所定値に到達した場合(ステップS101,Yes)には、開閉弁V1を閉にし(ステップS102)、ろ過処理を停止する。
その後、開閉弁V2を閉から開にして(ステップS103)、気泡生成部16aから気泡を噴出させ、上部ろ過材4aを旋回流動によって撹乱させ、上部ろ過材4aのSS(4b)を剥離する。その後、SS(4b)が剥離する十分な時間である所定時間ΔT1が経過した場合(ステップS104,Yes)には、開閉弁V2を閉にし(ステップS105)、上部ろ過材4aのSS(4b)の剥離処理を終える。所定時間ΔT1が経過しない場合(ステップS104,No)には、所定時間ΔT1が経過するまで、この判断処理を繰り返す。
さらに、その後、剥離されたSS(4b)が下部スクリーン3に沈降するに十分な静置時間である所定時間ΔT2が経過した場合(ステップS106,Yes)には、開閉弁V3を開にし、ポンプ14を駆動して(ステップS107)、ろ過槽10内の槽水を下向し、強制排出を開始する。なお、所定時間ΔT2が経過しない場合(ステップS106,No)には、所定時間ΔT2が経過するまで、この判断処理を繰り返す。
その後、所定時間ΔT3、例えば数秒経過した場合(ステップS108,Yes)には、開閉弁V2´を断続的に開にし(ステップS109)、下向流による下部ろ過材5aの均等展開とともに、気泡生成部16a´からのパルス的な気泡13bの噴出による下部ろ過材5aの撹乱によって、SS(5b)の剥離が促進される。その後、所定時間ΔT4、例えば数秒間経過した場合(ステップS110,Yes)には、開閉弁V2´を閉にし(ステップS111)、気泡噴出を停止させる。なお、所定時間ΔT3が経過しない場合(ステップS108,No)および所定時間ΔT4が経過しない場合(ステップS110,No)には、それぞれ所定時間ΔT3,ΔT4が経過するまで、この判断処理を繰り返す。
その後、深さd2の強制排出が終了したか否かを判断し(ステップS112)、深さd2分の強制排出が終了した場合(ステップS112,Yes)には、開閉弁V3を閉にし、ポンプ14の駆動を停止し、開閉弁V1を開にして(ステップS113)、ろ過処理の再開準備を行って、本処理を終了する。なお、深さd2分の強制排出が終了しない場合(ステップS112,No)には、深さd2分の強制排出が終了するまで、この判断処理を繰り返す。
ところで、従来は、洗浄排水W3をろ過槽10内の水位差を利用した自然流下によって排出していたが、この実施の形態では、ポンプ14を用いて強制排出するようにしている。このポンプ14を用いて洗浄排水を強制排出する場合、自然流下排出に比較して排出管路17内の排出速度(m/s)を速くすることができるため、排出管路17の管径を小さくすることができ、洗浄装置全体の小型化を実現することができる。
また、上述した固液分離装置1は、沈殿池の代替として用いているものであるが、このろ過層10を既設の沈殿池内に設けてもよい。この場合でも、ポンプ14を用いると、用いるべき既設の沈殿池の数を削減することができる。例えば、図10の上図に示すように、従来は、3つの沈殿池101〜103を用い、沈殿池101内でろ過対象水W1を固液分離し、水位差を用いて洗浄排水W3を自然流下させて沈殿池102に排出し、この沈殿池102に排出された洗浄排水W3をポンプで汲み上げて沈殿池103に排出してSSを沈殿させていた。この場合、仮受け槽として機能する沈殿池102に排出される洗浄排水W3の量は、水位差確保のため、沈殿地102の実質的な有効容量は少量となる。これに対して、この実施の形態の応用例では、図10の下図に示すように、ろ過槽10を沈殿池101内に配置し、ろ過槽10からの洗浄排水W3をポンプ14で強制排出し、直接、沈殿池103に排出するようにしているため、仮受け槽である沈殿池102を必要とせず、沈殿池103を同様の沈殿池として有効利用することができる。
なお、上述した上部ろ過材4aと下部ろ過材5aとは異なるろ過材であったが、これに限らず、同一のろ過材であってもよく、ろ過材の形状、性状は任意である。例えば、上部ろ過材4aと下部ろ過材5aとをいずれも風車型のろ過材としてもよい。要は、下部ろ過材5aが比重0.1以上、0.8未満で洗浄時に流れにくい、ろ材であればよい。
1 固液分離装置
2 上部スクリーン
3 下部スクリーン
4 上部ろ過沈殿層
4a 上部ろ過材
4b SS
5 下部ろ過層
5a 下部ろ過材
5b SS
10 ろ過槽
11 分配槽
12 供給部
12a 水位センサー
13b 気泡
15 集合槽
16,16´ 空気配管
16a,16a´ 気泡生成部
17 排出管路
V1,V2,V2´,V3 開閉弁
W1 ろ過対象水
W2 ろ過水
W3 洗浄排水

Claims (6)

  1. ろ過槽に供給されたろ過対象水によって上向流を生成し、該ろ過対象水内の固形分を分離してろ過水を生成する固液分離装置であって、
    上部スクリーンと下部スクリーンとを有し、前記上部スクリーンと前記下部スクリーンとに挟まれた上部空間に比重が0.8以上、1.0未満の上部ろ過材を充填して上部ろ過沈殿層を形成する上部ろ過沈殿部と、
    前記下部スクリーンと前記ろ過槽の底部との間の下部空間に比重が0.1以上、0.8未満の下部ろ過材を充填して下部ろ過層を形成する下部ろ過部と、
    前記ろ過槽の底部に設けられた洗浄排水を排出する排出管路と、
    を備え
    前記ろ過層内に下向流を発生させる逆洗により前記下部ろ過材を拡散および展開させて前記下部ろ過部を洗浄すると共に、前記ろ過層の洗浄排水を前記排出管路から排出することを特徴とする固液分離装置。
  2. 前記上部ろ過材は、前記下部ろ過材よりも比表面積の大きい浮上ろ材であることを特徴とする請求項に記載の固液分離装置。
  3. 前記下部スクリーンと前記ろ過槽の底部との間の高さは、前記下部ろ過層の厚さの1.5倍以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の固液分離装置。
  4. 前記排出管路に設けられて前記洗浄排水を吸引して排出するポンプ備えたことを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の固液分離装置。
  5. ろ過槽内に上部スクリーンと下部スクリーンとを有し、前記上部スクリーンと前記下部スクリーンとに挟まれた上部空間に比重が0.8以上、1.0未満の上部ろ過材を充填して上部ろ過沈殿層を形成する上部ろ過沈殿部と、
    前記下部スクリーンと前記ろ過槽の底部との間の下部空間に比重が0.1以上、0.8未満の下部ろ過材を充填して下部ろ過層を形成する下部ろ過部と、
    を備え、前記ろ過槽に供給されたろ過対象水によって上向流を生成し、該ろ過対象水内の固形分を分離してろ過水を生成する固液分離装置の洗浄方法であって、
    前記上部ろ過沈殿層に対して気泡を噴出して前記上部ろ過材を旋回流動させ、該上部ろ過材の撹乱による該上部ろ過材が捕捉したSSを剥離させるSS剥離ステップと、
    前記SS剥離ステップによって剥離されたSSが下部スクリーン上に沈降するまで静置する静置ステップと、
    前記静置ステップの後に、前記下部スクリーンと前記ろ過槽の底部との間の高さに相当する前記ろ過槽内の槽水を排出する排出ステップと、
    を含むことを特徴とする固液分離装置の洗浄方法。
  6. 前記排出ステップにおいて、所定時間にわたり、前記下部ろ過層に対して気泡を断続的に噴出し、該下部ろ過材の撹乱により該下部ろ過材が捕捉したSSを剥離させながら、前記ろ過槽内の槽水を排出する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の固液分離装置の洗浄方法。
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