JP4345318B2 - 浮上濾過装置及び方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、原水を浮上濾材により濾過処理する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
水を浮上濾過処理する浮上式の濾過装置にあっては、濾過塔内に浮上濾材による濾過層を形成し、水を上向流方式にて通水し、濾過層を通過した水を濾過処理水として流出させる。この浮上濾材は、比重が水の比重と同等以下のものである。濾過塔内の上部には、濾材の流出を防ぐための多孔板やメッシュ等よりなる濾材支持体が設けられており、この濾材支持体の下側に浮上濾材による濾過層が形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の浮上濾過方法及び装置にあっては、原水中の懸濁物質(SS)は主に濾過層の原水導入側たる下面側で捕捉されるため、濾過層の下面側が早期に目詰り状となり、圧損が早期に上昇する。この結果、濾過層を頻繁に洗浄する必要があった。特に、処理水質を向上させるために濾材の粒径を小さくすると、濾過層下面側がより早く目詰り状となる。
【0004】
本発明は、浮上濾材による濾過層下面側の目詰りが抑制され、濾過層の洗浄頻度が少なくて済む浮上濾過装置及び方法を提供することを目的とする。また、本発明は、濾材として粒径の小さいものを採用しても濾過運転を低洗浄頻度にて継続することができる浮上濾過装置及び方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の浮上濾過装置は、筒軸方向を上下方向とした筒形の濾過塔内に浮上濾材による濾過層が形成された浮上濾過装置において、該濾過層の下部に原水を旋回方向に導入して該濾過層下部に旋回流動を生じさせる原水導入手段と、該濾過層下部から該浮上濾材の一部を取り出し再度該濾過層下部に導入する濾材循環手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0006】
また、本発明の浮上濾過方法は、筒軸方向を上下方向とした濾過塔の内部に浮上濾材による濾過層が形成された濾過装置内に原水を導入し、該濾過層を通過した水を処理水として流出させるようにした浮上濾過方法において、該濾過層の下部に原水を該濾過塔の旋回方向に導入して該濾過層の下部に旋回流動を生じさせると共に、該濾過層下部から該浮上濾材の一部を取り出し、再度、該濾過層下部の該旋回流動部分に導入するようにしたことを特徴とするものである。
【0007】
かかる本発明の浮上濾過装置及び方法によると、浮上濾材による濾過層の下部が旋回流動するので、濾過層の下面部が懸濁物質で目詰りしにくい。そのため、洗浄頻度を少なくしても低圧損で濾過運転を継続することができる。また、浮上濾材として粒度の小さいものを用いても、目詰りによる圧損の増大が十分に抑制される。
【0008】
本発明では、この濾過運転を行っているときに、濾過層の下部から該浮上濾材の一部を取り出し再度該濾過層下部に導入するのであるが、この濾過層下部に再導入される濾材が濾過層に衝突して濾過層下部を撹乱させ、旋回流動層の形成と濾過層下部の更新が促進される。また、濾材の衝突により濾材に付着している付着物が剥離するので、濾過層の目詰りが抑制される。
【0009】
本発明の一態様では、循環される浮上濾材を、濾過塔内に導入される原水と合流させる。このようにすれば、水流の勢いと濾材の勢いとによって旋回方向の力を濾過層下部に与え、該濾過層下部により強い旋回流動を生じさせることができる。
【0010】
本発明の別の一態様では、循環される浮上濾材を、濾過塔への原水導入とは独立して、原水導入によって形成される旋回方向と同方向に導入する。このようにすると、旋回流をより強くすることができる。
【0011】
なお、濾材を循環させる場合、濾過塔内の浮上濾材層から濾材の一部を取り出すと共に、該浮上濾材層よりも下方の濾過塔内から水を取り出し、これらの取り出した濾材と水とを混合して循環させるのが好ましい。このように水を循環濾材に混ぜることにより、濾材循環用ポンプの閉塞を防止することができる。
【0012】
本発明において、濾過層を洗浄するには、濾過塔の下部から水を排出して濾過塔内の水位を低下させる排水工程と、該濾過塔内に再度水を導入する水張り工程とを少なくとも1回ずつ行うようにしてもよい。この方法による濾過層洗浄は極めて簡便である。
【0013】
濾材をより強力に洗浄するために、濾過塔内から浮上濾材を取り出し撹拌装置で浮上濾材を撹拌して付着物を剥離させ、その後、浮上濾材を濾過塔内に戻すようにしてもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
図1は本発明の実施の形態に係る浮上濾過装置の系統図である。
【0016】
この浮上濾過装置は、原水槽1内の原水を配管2、ポンプP1、配管3、バルブV2、配管4を介して濾過塔10内に導入し、浮上濾材よりなる濾過層13によって濾過し、配管30より濾過処理水として取り出し、この濾過処理水を配管32を介して濾過水槽33に導くようにしたものである。
【0017】
この濾過塔10は、上端部及び下端部付近を除いて円筒形状であり、筒軸方向を上下方向にして設置されている。この濾過塔10内の上部には、該濾過塔10を水平方向に横断するようにメッシュ或いは多孔板よりなる濾材支持体14が設けられており、この濾材支持体14の下側に浮上濾材よりなる該濾過層13が形成されている。
【0018】
この浮上濾材は、原水の比重と同等以下の比重を有する粒状のものであり、確実に浮上するように比重は原水の比重よりも所要程度小さいことが好ましい。この濾材の粒径は、原水中の懸濁物質の粒径や要求処理水水質に応じて適宜選択されるが、通常の場合、0.1〜1mm程度のものが好適であり、このように微細な粒状物を浮上濾材として用いることにより、高度な処理水質が得られる。浮上濾材の材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの合成樹脂、無機質発泡体など各種のものを用いることができるが、中でも発泡スチロール等の発泡合成樹脂が好適である。この浮上濾材の充填量は、原水導入用の配管4の接続部分と、該支持体14との間の領域に濾過層13が形成され、かつ該濾過層13の下面が配管4よりも若干下位となるようにするのが好ましい。
【0019】
この原水導入用の配管4は、図2に示される通り、それから濾過塔10内に導入される原水の導入方向が円筒形濾過塔10の水平断面において旋回方向となるように接続されており、好ましくは該配管4は円筒形濾過塔10に対し接線方向に接続される。
【0020】
濾過塔10の側面には、該原水導入用配管4と略同等の高さ部分に、濾過層13の下部から浮上濾材を取り出すための配管21が接続されている。この配管21にはバルブV7が設けられている。
【0021】
また、濾過塔10の側面部には、この配管21よりも下方であって、かつ濾過層13の下面よりも下方部分に、濾過塔10内の水を抜き出すための配管22が接続されており、この配管22にバルブV6が設けられている。
【0022】
この配管21,22はそれぞれ配管23に連なり、該配管23はポンプP2、バルブV9、配管24を介して前記原水導入用配管4に接続されている。ポンプP1、P2を作動させると共に、バルブV2,V6,V7,V9を開放させると、濾過塔10内に原水及び塔内水並びに一部の浮上濾材が旋回方向に導入される。これにより、濾過層13の下部には旋回流動層11が形成される。濾過層13の上部は、この旋回流動を受けず、ほぼ停止状態となっている固定層12が形成される。
【0023】
なお、比重約0.1、粒径0.4〜0.8mmの発泡スチロールを濾材として用い、配管4から原水を導入することにより、層厚30〜40cmの上部固定層、層厚30〜40cmの下部旋回流動層からなる濾過層が形成される。この場合、配管4は下部旋回流動層のほぼ中央の高さに位置する。
【0024】
前記処理水取り出し用の配管30は、濾過塔10の上部に接続されており、該配管30と前記配管32との間には流量計31及びバルブV32が設けられている。当然ながら、配管30は支持体14よりも上方に接続されている。
【0025】
配管30には、該配管30内を大気に連通させるための大気開放用バルブV5が設けられている。
【0026】
濾過塔10の下部は下端に向かって縮径するテーパ形状となっている。この濾過塔10内の下部には、下方に向かって縮径する円錐台形状の傾斜板40が設けられている。この実施の形態では、傾斜板40は上下2段に設けられているが、この傾斜板40の設置段数はこれに限定されるものではない。後述するように、好ましくは傾斜板を上下方向に3段以上、より好ましくは4段または5段に積層するのがよい。傾斜板40の下端は開放しており、上方から沈降してきた汚泥を濾過塔10の底部に案内する。
【0027】
濾過塔10の下端には、沈降した汚泥を排出するための配管41が設けられ、この配管41にはバルブV4が設けられている。配管41を介して排出された汚泥は汚泥貯槽42に受け入れられ、ポンプを有する汚泥取り出し用配管43を介して汚泥処理工程へ送泥可能とされている。
【0028】
このように構成された浮上濾過装置を用いて浮上濾過運転を行う作動について次に説明する。濾過運転を行う場合には、バルブV5を閉とし、バルブV2,V6,V7,V9,V32を開とし、ポンプP1,P2を駆動する。バルブV4は、この運転例では閉とされているが、後述のように開とされてもよい。
【0029】
ポンプP1,P2の駆動により、原水槽1内の原水が配管2,3,4を介して濾過塔10内に旋回方向に導入されると共に、濾過層13の下部の浮上濾材が塔内水と共に配管21,23,24を介して循環する。前記の通り、この循環する浮上濾材には配管22から水が混合される。
【0030】
この導入された原水及び循環浮上濾材により、濾過層13の下部には旋回流動層11が形成される。原水は、この旋回流動層11を通り、更に固定層12を通って濾過処理された後、支持体14を通り、配管30,32から濾過水槽33へ送られる。この濾過運転に際し、濾過層13の下部が旋回流動層11を形成するため、濾過層13の下部での浮上濾材の目詰まりが抑制され、濾過層の洗浄頻度を著しく少なくしても、低圧損にて連続して長期に亘り濾過運転を続行することができる。
【0031】
上述のように、原水が旋回方向に導入されることにより濾過層13下部に旋回流動層11が形成されるが、この際、原水と共に旋回流動層11に循環浮上濾材も導入されるので、濾材が濾過層下表面へ衝突して濾過層下部を撹乱させ、旋回流動層11の形成と濾過層下部の更新を容易にする。また、濾材の衝突は濾材に付着している付着物を剥離させ、目詰まりの抑制に寄与する。
【0032】
そして、旋回流動が形成されることにより、濾過層下方の濾過塔内の水も旋回し、原水に含有されている比較的重質の懸濁物質、旋回流動によって濾材から剥離した濾滓がサイクロン作用によって塔内中央部付近に集合して沈降しやすい状態になり、塔底ヘ沈降する。塔下部に傾斜板40が設けられているので、沈降が促進され、固液分離が容易になる。塔底部に沈降した汚泥は配管41から排出される。
【0033】
なお、前記の通り、浮上濾材を循環させるに際し、これに配管22から水を加えるようにしているため、循環用のポンプP2の閉塞を防止することができる。
【0034】
上記の如く、濾過運転を長期に亘り継続すると、次第に濾過圧損が増大してくるので、濾過層13の洗浄を行う。
【0035】
この濾材の洗浄方法の一例について図3を参照して説明する。
【0036】
図3(a)の通り、ポンプP1,P2を停止した後、バルブV4,V5を開とし、濾過塔10内の水を配管41から排出し、濾過塔10内の水面を低下させる。なお、バルブV4を開とすることにより、濾過塔10の底部に溜まっていた汚泥が汚泥貯槽42に排出される。次に、バルブV4,V5を閉とした後、ポンプP1を作動させ、原水槽1から原水を濾過塔10内に導入して濾過塔10内の水面を回復させる(図3(b))。
【0037】
このように、濾過塔10内の水位を下げ、その後再び上昇させることにより、濾過層13の固定層12が緩み、濾材が撹拌され、濾過層13に捕捉されていた懸濁物質が剥離され、濾材が洗浄される。なお、必要に応じ図3(a),(b)の濾過層13の上下動を複数回行う。図3(b)のように濾過塔10内の水面を回復させる場合、原水槽1から原水を導入してもよく、濾過水槽33から濾過水を導入するようにしてもよい。
【0038】
また、図3に図示の通り、濾過塔10内の下部に散気管17を設け、図3(a)の如く濾過層13を下降させた後、該散気管17から空気等の気体を吹き込んで浮上濾材よりなる濾過層13を強力に撹拌し、濾材同士を擦り合わせて付着物を剥離するようにしてもよい。
【0039】
このような濾過層13の洗浄を行った後、図1に示す濾過運転に復帰するが、この復帰後の濾過運転当初は、剥離した懸濁物質が濾過水にリークするので、最初の数分はリンス工程とし、配管32から取り出される水を廃棄するか或いは原水槽1に戻すのが好ましい。このリンス工程は、通常の場合2〜3分程度行えば十分である。
【0040】
上記のような濾過工程及び洗浄工程を繰り返しながら運転を継続していくと、上記図3の洗浄工程では十分に清浄化し難い汚れが濾材に付着してくる場合がある。このような強固な付着物を除去するには、図4,5の如く、濾材を強力に洗浄する機構を設けることが好ましい。
【0041】
図4,5の実施の形態にあっては、原水導入用の配管2の原水槽1の直近にバルブV1を設けると共に、このバルブV1よりもポンプP1側に処理水導入用の配管2aを接続し、濾過水槽33から処理水を配管2に導入可能としている。この配管2aにはバルブV10が設けられている。
【0042】
また、この図4,5の実施の形態にあっては、濾過塔10の上部から浮上濾材を抜き出すように、濾過塔10の上部に支持体14を貫通して濾材取り出し用配管45が設けられている。この配管45はバルブV8及び配管46を介して配管21に接続されている。なお、配管46と配管21との合流箇所は、バルブV7よりも濾過塔10から遠い側である。
【0043】
更に、この実施の形態にあっては、ポンプP2とバルブV9との間の配管23aから配管50を分岐させ、この配管50をバルブV50を介して浮上濾材撹拌用のミキサ51に接続している。このミキサ51で撹拌された浮上濾材は、配管52、バルブV52を介して濾材洗浄槽60に導入可能とされている。
【0044】
この濾材洗浄槽60の上部には多孔板もしくはメッシュよりなる支持体61が設けられている。この濾材洗浄槽60には、該支持体61の上側から水を抜き出すための配管62が設けられ、該配管62にバルブV62が設けられている。この支持体61を貫通して、濾材返送用の配管70が設けられ、バルブV70、配管71を介して濾材がポンプP2よりも上流側の配管23へ返送可能とされている。
【0045】
ミキサ51を用いて、濾過塔10内の浮上濾材を洗浄する場合、図4の通り、バルブV1,V7,V5,V32,V70を閉とし、バルブV10,V2,V6,V50,V52,V62を開とする。この状態でポンプP1,P2を作動させ、濾過水槽33内の濾過処理水を濾過塔10に導入すると共に、濾過塔10の上部から浮上濾材を配管45,46,21,23を介して取り出し、配管23a,50を介してミキサ51に送り込む。
【0046】
このミキサ51は、内部にスクリューや撹拌羽根を備えており、導入された濾材を撹拌し、その表面に付着した懸濁物質を剥離させる。このミキサ51で撹拌された濾材は、剥離された懸濁物質と共に配管52から濾材洗浄槽60へ送られる。
【0047】
濾過塔10内の濾材がすべて濾材洗浄槽60へ送られた後、図5に示すように、バルブV8を閉、バルブV9を開、バルブV50を閉、バルブV70を開とする。更に、バルブV32も開とする。これにより、濾材洗浄槽60内の濾材は、配管70,71,23a,24を介して濾過塔10内に返送される。なお、この返送に際しては、濾材洗浄槽60へ原水又は濾過処理水を供給する。濾材洗浄槽60からすべての濾材を濾過塔10に戻した後、前記図1と同様のバルブ選択状態とし、濾過運転を再開する。この濾過運転再開に際しても、当初はリンス工程とし、濾過塔取り出し水を廃棄するか又は原水槽1に戻す。
【0048】
なお、図4,5では、図1に比べて配管や弁の数が増え、構成が複雑であるので、配管45,46を介して取り出される濾材を直接にミキサ51に導くようにポンプ、配管を構成してもよい。
【0049】
上記実施の形態は本発明の一例であり、本発明は上記以外の形態をもとり得る。
【0050】
例えば、図1では、取り出した浮上濾材を濾過塔内へ循環するための配管24は原水導入用配管4に接続されているが、浮上濾材は濾過塔内の旋回流動部分(旋回流動層11)へ循環されればよく、濾過塔への原水導入とは独立して、浮上濾材循環用の配管24を直接濾過塔へ開口させることができる。例えば、配管24を、原水導入用配管4からの原水導入によって形成される旋回流とほぼ同じ高さの位置に開口し、原水導入とは別々に配管24から浮上濾材を旋回流部分に導入するようにできる。なかでも、図6に示すように、配管24の開口を、原水導入用配管4の開口位置と対角線上の位置に設け、かつ配管24から導入される流れが旋回方向に向くように濾過塔に対し接線方向に開口させることが好ましい。
【0051】
この図6に示したように、配管4からの原水導入流と配管24からの浮上濾材導入流とが対角線上の2ヶ所において旋回流方向に導入されると、1ヶ所のみの導入に比べ旋回流動層の形成が容易となり、均一な流速の旋回流となる。
【0052】
前述の通り、旋回流動が形成されることにより、濾過層下方の濾過塔内の水も旋回し、原水に含有されている比較的重質の懸濁物質、旋回流動によって濾材から剥離した濾滓がサイクロン作用によって塔内中央部付近に集合して塔底へ沈降する。塔下部の傾斜板によりこの沈降が促進される。
【0053】
塔下部に設置される傾斜板40が1段または2段である場合は、旋回流の影響により傾斜板上の汚泥は舞い上がり易く、底部より十分濃縮されない汚泥を頻繁に排出する必要があるが、傾斜板が上下方向に3段以上に積層して設置されている場合は、上から3段目以降の傾斜板においては旋回流の影響が少なくなり、特に4段目以降はほとんど影響がなくなり、沈降が確実に促進され、汚泥の濃縮をさらに促進することができる。傾斜板の設置段数を増やすことは旋回流の影響をなくする上で好ましいが、必要以上に段数を増やすことは装置を複雑化するので、傾斜板は4段または5段に設置することが最適である。図7は傾斜板4段に設置した構成を示している。
【0054】
また、前記図1の運転の場合、濾過塔1からの沈降汚泥の排出は、図3(a)の如く、濾過層13の洗浄時に併せて沈降汚泥を配管41から抜き出すものとしているが、濾材洗浄工程とは別に定期的に濾過塔10の底部から沈降汚泥を抜き出してもよい。また、原水中の懸濁物質濃度が高い場合には、濾過塔10の底部から連続的に沈降汚泥を排出するようにしてもよい。
【0055】
上記の洗浄は、流量計31で検出される濾過水流量が低下してきた場合に行うようにしてもよく、所定時間毎に洗浄を行うようにしてもよい。また、濾過層13の圧損を検出し、これに基づいて洗浄を行うようにしてもよい。
【0056】
図2では、原水導入用の配管4は濾過塔10に1個だけ接続されているが、濾過塔10の直径等に応じて2個以上設けてもよい。
【0057】
この濾過装置で処理される原水の懸濁物質が微細であったり或いは溶解性である場合には、原水槽1に凝集剤を添加して、又は原水槽の後段に凝集反応槽を設けて凝集剤を添加して凝集処理した後、濾過塔10へ供給するようにしてもよい。
【0058】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によると、浮上濾過装置における濾過層の目詰まりを抑制し、低洗浄頻度にて効率よく濾過運転を行うことができる。また、浮上濾材として粒径の小さなものを用いても濾過圧損の上昇を抑制し、安定して濾過運転を行うと共に、濾過水質を向上させることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る浮上濾過装置の系統図である。
【図2】図1の濾過塔の水平断面図である。
【図3】図1の浮上濾過装置における洗浄工程を示す断面図である。
【図4】別の実施の形態を示す系統図である。
【図5】図4の実施の形態における濾材返送時の系統図である。
【図6】濾過塔上部の別の構成を示す図2と同様部分の断面図である。
【図7】傾斜板を4段に設置した構成例を示す図3と同様部分の断面図である。
【符号の説明】
1 原水槽
10 濾過塔
11 旋回流動層
12 固形層
13 濾過層
14 濾材支持体
42 汚泥貯槽
51 ミキサ
60 濾材洗浄槽
Claims (9)
- 筒軸方向を上下方向とした筒形の濾過塔内に浮上濾材による濾過層が形成された浮上濾過装置において、
該濾過層の下部に原水を旋回方向に導入して該濾過層下部に旋回流動を生じさせる原水導入手段と、
該濾過層下部から該浮上濾材の一部を取り出し再度該濾過層下部に導入する濾材循環手段とを備えたことを特徴とする浮上濾過装置。 - 請求項1において、該濾材循環手段は、前記原水導入手段によって濾過塔内に導入される原水に対し循環濾材を合流させるように構成されていることを特徴とする浮上濾過装置。
- 請求項1において、該濾材循環手段は、該原水導入手段により形成される旋回方向と同方向に循環濾材を該濾過塔内に、原水導入とは独立して、導入するように構成されていることを特徴とする浮上濾過装置。
- 請求項1ないし3のいずれか1項において、該濾材循環手段は、該浮上濾材層から濾材の一部を取り出すと共に、該浮上濾材層よりも下方の濾過塔内から水を取り出し、これらの取り出した濾材と水とを混合して循環させるように構成されていることを特徴とする浮上濾過装置。
- 請求項1ないし4のいずれか1項において、該濾過塔の底部に、沈降した固形分の排出手段が設けられていることを特徴とする浮上濾過装置。
- 請求項5において、該濾過層下方で、該排出手段の上方の濾過塔内に、傾斜板を3段以上、上下に間隔をあけて設置したことを特徴とする浮上濾過装置。
- 筒軸方向を上下方向とした濾過塔の内部に浮上濾材による濾過層が形成された濾過装置内に原水を導入し、該濾過層を通過した水を処理水として流出させるようにした浮上濾過方法において、
該濾過層の下部に原水を該濾過塔の旋回方向に導入して該濾過層の下部に旋回流動を生じさせると共に、該濾過層下部から該浮上濾材の一部を取り出し、再度、該濾過層下部の該旋回流動部分に導入するようにしたことを特徴とする浮上濾過方法。 - 請求項7において、濾過運転工程と濾過層の洗浄工程とを行うようにした方法であって、
該洗浄工程は、該濾過塔の下部から水を排出して濾過塔内の水位を低下させる排水工程と、
該濾過塔内に再度水を導入する水張り工程とを少なくとも1回ずつ行うものであることを特徴とする浮上濾過方法。 - 請求項7において、濾過運転工程と濾過層の洗浄工程とを行うようにした方法であって、
該洗浄工程は、該濾過塔内から浮上濾材を取り出し撹拌装置で浮上濾材を撹拌して付着物を剥離させ、その後、浮上濾材を濾過塔内に戻すものであることを特徴とする浮上濾過方法。
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JP2004249165A (ja) | 2004-09-09 |
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