JPH0780210A - 傾斜板式沈殿槽の洗浄方法 - Google Patents

傾斜板式沈殿槽の洗浄方法

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JPH0780210A
JPH0780210A JP22457593A JP22457593A JPH0780210A JP H0780210 A JPH0780210 A JP H0780210A JP 22457593 A JP22457593 A JP 22457593A JP 22457593 A JP22457593 A JP 22457593A JP H0780210 A JPH0780210 A JP H0780210A
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Shuichi Yoshida
修一 吉田
Shigeki Takeda
茂樹 武田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】閉塞が生じた場合に閉塞物を容易に除去するこ
とができる傾斜板式沈殿槽の洗浄方法を提供すること。 【構成】多数の傾斜板5を備えた傾斜板配置部4の上方
に、浮上性ろ材が充填されたろ材充填部6を設けた傾斜
板式沈殿槽が閉塞したとき、下方に設けた空気導入管9
から空気を吹き込んで浮上性ろ材を攪拌し、捕捉懸濁物
を浮上性ろ材から分離させたうえで槽内の水を排出す
る。また第2の発明によれば、空気を吹き込みつつ槽内
の水を徐々に排出することにより、捕捉懸濁物を浮上性
ろ材から分離させるとともに、攪拌される浮上性ろ材に
よって傾斜板の表面の生物膜や藻類等の付着物を除去す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は傾斜板式沈殿槽の洗浄方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】傾斜板式沈殿槽とは、例えば図2に示し
たように傾斜した多数の板(傾斜板)12を槽体11の内部
に配置した沈殿槽を意味するものである。図2の構造で
は13は集水樋、14は清澄水樋、15は清澄水流出管であ
る。このような傾斜板式沈殿槽は、傾斜板12によって沈
殿槽の沈降面積を増大させるとともに槽内流況を改善
し、沈殿槽の処理能率の向上を図ることができるので、
主として上水道の沈殿槽として広く使用されている。
【0003】ところがこのような傾斜板式沈殿槽では、
狭い傾斜板の間に生物膜や藻類が付着して閉塞を招き易
いうえ、効果的な洗浄方法も開発されていなかった。特
に高濃度懸濁物を含む汚水の処理においてはその傾向が
顕著であるため、傾斜板式沈殿槽を下水の一次処理に適
用することは困難視されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
の問題点を解決し、閉塞を生じた場合に容易に閉塞物を
除去することができる傾斜板式沈殿槽の洗浄方法を提供
するために完成されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた第1の発明の傾斜板式沈殿槽の洗浄方法
は、被処理水が上向きに流れる傾斜板配置部の上方に、
浮上性ろ材が充填されたろ材充填部を設けた傾斜板式沈
殿槽のろ材充填部が閉塞したとき、被処理水の流入を停
止し、傾斜板配置部の下方に設けた空気導入管から空気
を吹き込んで浮上性ろ材を攪拌し、捕捉懸濁物を浮上性
ろ材から分離させたうえで槽内の水を排出することを特
徴とするものである。また第2の発明の傾斜板式沈殿槽
の洗浄方法は、被処理水が上向きに流れる傾斜板配置部
の上方に、浮上性ろ材が充填されたろ材充填部を設けた
傾斜板式沈殿槽のろ材充填部が閉塞したとき、被処理水
の流入を停止し、空気導入管から空気を吹き込みつつ槽
内の水を徐々に排出することにより、捕捉懸濁物を浮上
性ろ材から分離させるとともに、攪拌される浮上性ろ材
によって傾斜板の表面の付着物を除去することを特徴と
するものである。
【0006】
【作用】このように構成された傾斜板式沈殿槽は、汚水
等の被処理水を傾斜板配置部の傾斜板の間と、ろ材充填
部の浮上性ろ材の間とを通じて上向きに流せば、比較的
粒径の大きい懸濁物は傾斜板の上に沈殿し、比較的粒径
の小さい懸濁物は浮上性ろ材によって除去することがで
きるため、効率よく懸濁物を分離することができる。ま
たこの傾斜板式沈殿槽のろ材充填部が閉塞したときに
は、空気を吹き込んで浮上性ろ材を攪拌し、捕捉懸濁物
を浮上性ろ材から分離させたうえで槽内の水を排出する
ことにより、容易に閉塞を解消することができる。更に
第2の発明によれば、この傾斜板式沈殿槽のろ材充填部
が閉塞したときには、空気を吹き込みつつ槽内の水を徐
々に排出することにより、捕捉懸濁物を浮上性ろ材から
分離させるとともに、攪拌される浮上性ろ材によって傾
斜板の表面の生物膜や藻類等の付着物を除去することも
できる。
【0007】
【実施例】以下に本発明を図示の実施例とともに更に詳
細に説明する。図1は傾斜板式沈殿槽の構造を示すもの
で、1は下部に被処理水の流入口2を持ち、上部に被処
理水の流出口3を持つ縦長の槽体である。この槽体1の
中央部には傾斜板配置部4が設けられており、その内部
には多数枚の傾斜板5が一定間隔で配置されている。こ
れらの傾斜板5の間隔は特に限定されるものではない
が、実施例では100mm 程度とされている。流入口2から
供給された被処理水はこの傾斜板配置部4を上向きに流
れるようになっている。
【0008】この傾斜板配置部4の上方には、ろ材充填
部6が設けられている。このろ材充填部6の容積は、傾
斜板配置部4の容積の0.7 倍以上であることが好まし
い。ろ材充填部6には比重が0.9 以上1.0 以下の浮上性
ろ材が充填されている。この浮上性ろ材の形状や材質は
特に限定されるものではなく、例えば合成樹脂製や繊維
製のろ材が使用される。しかし浮上性ろ材は傾斜板5の
間を自由に通過できることが必要であるため、その直径
は傾斜板5の間隔の40%以下とすることが好ましく、実
施例では40mm以下のろ材が使用される。
【0009】傾斜板配置部4の下方は汚泥集合部7とさ
れている。この汚泥集合部7の底部は傾斜板5の下端か
ら流下する汚泥を集めるために漏斗状とされており、そ
の下端に汚泥排出口8が設けられている。また汚泥集合
部7と傾斜板配置部4との間には、空気導入管9と前記
した被処理水の流入口2とが設けられている。
【0010】このように構成された傾斜板式沈殿槽は、
被処理水の流入口2から流入させた汚水等の被処理水を
傾斜板配置部4の傾斜板5の間と、ろ材充填部6の浮上
性ろ材の間とを通じて上向きに流し、浄化された水を被
処理水の流出口3から取り出すようにしたものである。
この間に比較的粒径の大きい懸濁物は傾斜板5の上に沈
殿し、比較的粒径の小さい懸濁物は浮上性ろ材によって
除去することができる。このため、効率よく懸濁物を分
離することができる。
【0011】このような運転を続けることによって浮上
性ろ材が捕捉懸濁物によって閉塞してきたときには、二
通りの方法で洗浄することができる。なお、本明細書に
おいて閉塞とは、完全に閉塞した状態のみを意味するも
のではなく、閉塞に至る途中の状態をも意味するもので
ある。第1の発明の洗浄方法は、まず被処理水の流入を
停止し、空気導入管9から空気を吹き込む。この結果、
ろ材充填部6の浮上性ろ材は空気によって激しく流動・
攪拌され、付着している捕捉懸濁物がろ材から分離され
る。そこで空気の吹き込みを停止したうえ、汚泥排出口
8から槽内の水を排出し、水面が少なくとも傾斜板5の
下端よりも低くなるまで排水する。すると、浮上性ろ材
から分離された捕捉懸濁物が水とともに流出するのみな
らず、水面の低下とともに下降する浮上性ろ材が傾斜板
5の表面に付着している生物膜や藻類を剥離し、下方に
落下して排出される。このようにして閉塞物が除去され
た後、流入口2から被処理水を流入させて再び運転を開
始すればよい。
【0012】第2の発明の洗浄方法は、まず被処理水の
流入を停止し、水面を傾斜板5の上端よりも50mm程度高
いレベルまで排水する。そして空気導入管9から空気を
吹き込むと同時に汚泥排出口8から槽内の水を徐々に排
出する。すると浮上性ろ材から分離された捕捉懸濁物が
水とともに流出するのみならず、水面の低下とともに下
降する浮上性ろ材が傾斜板5の表面に付着している生物
膜や藻類等の付着物を削り剥離する。さらにこの状態で
空気の吹き込みが継続されるので、傾斜板5の間にある
浮上性ろ材が水面付近で特に激しく攪拌され、傾斜板5
の表面の付着物をより効果的に剥離する。このようにし
て閉塞物が除去された後、流入口2から被処理水を流入
させて再び運転を開始すればよい。
【0013】
【発明の効果】以上に詳細に説明したように、本発明の
傾斜板式沈殿槽の洗浄方法によれば、傾斜板式沈殿槽の
浮上性ろ材が捕捉懸濁物により目詰まりし始めた場合に
は、傾斜板配置部4の下方の空気導入管9から空気を吹
き込んだうえで水位を低下させることによって、あるい
は空気を吹き込みながら水位を低下させることによっ
て、浮上性ろ材から分離された捕捉懸濁物を除去できる
のみならず、水面の低下とともに浮上性ろ材が低下する
ことと空気の吹き込みによる浮上性ろ材の流動によっ
て、傾斜板5の表面の生物膜や藻類等の付着物をも除去
することができる。このため、本発明によれば従来は適
用が困難とされていた高濃度懸濁物を含む下水の一次処
理にも、傾斜板式沈殿槽を適用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す断面図である。
【図2】従来の傾斜板式沈殿槽の代表例を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
4 傾斜板配置部、5 傾斜板、6 ろ材充填部、8
汚泥排出口、9 空気導入管

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被処理水が上向きに流れる傾斜板配置部の
    上方に、浮上性ろ材が充填されたろ材充填部を設けた傾
    斜板式沈殿槽のろ材充填部が閉塞したとき、被処理水の
    流入を停止し、傾斜板配置部の下方に設けた空気導入管
    から空気を吹き込んで浮上性ろ材を攪拌し、捕捉懸濁物
    を浮上性ろ材から分離させたうえで槽内の水を排出する
    ことを特徴とする傾斜板式沈殿槽の洗浄方法。
  2. 【請求項2】被処理水が上向きに流れる傾斜板配置部の
    上方に、浮上性ろ材が充填されたろ材充填部を設けた傾
    斜板式沈殿槽のろ材充填部が閉塞したとき、被処理水の
    流入を停止し、空気導入管から空気を吹き込みつつ槽内
    の水を徐々に排出することにより、捕捉懸濁物を浮上性
    ろ材から分離させるとともに、攪拌される浮上性ろ材に
    よって傾斜板の表面の付着物を除去することを特徴とす
    る傾斜板式沈殿槽の洗浄方法。
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