JP2554493B2 - 廃水処理装置 - Google Patents

廃水処理装置

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JP2554493B2
JP2554493B2 JP62121638A JP12163887A JP2554493B2 JP 2554493 B2 JP2554493 B2 JP 2554493B2 JP 62121638 A JP62121638 A JP 62121638A JP 12163887 A JP12163887 A JP 12163887A JP 2554493 B2 JP2554493 B2 JP 2554493B2
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俊則 京才
和明 佐藤
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KENSETSUSHO DOBOKU KENKYU SHOCHO
Shimizu Construction Co Ltd
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KENSETSUSHO DOBOKU KENKYU SHOCHO
Shimizu Construction Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、濾過材を用いて廃水を浄化する廃水処理
方法に係わり、特に廃水の濾過効率に優れかつ長時間に
亙って連続して廃水処理を行うことの可能な廃水処理装
置に関する。
「従来の技術」 従来供用されている廃水処理方法の一例として、廃水
を処理槽内に形成された濾過層中に通過させてこれを濾
過する方法がある。この方法に用いられる濾過層として
は、廃水中の懸濁固形物(以下、単に「SS分」と称す
る)等の汚濁物質を濾過材間隙ないしはその表面に付着
捕捉させる濾過材から構成されるものが知られている。
そして、このような廃水処理方法は、比重が1以下の浮
上性濾過材を用いた方法と、比重が1を越える沈降性濾
過材を用いた方法とに大別されるが、浮上性濾過材を用
いた方法は、沈降性濾過材を用いた方法に比較して以下
に挙げるような利点を有するため、大変有望視されてい
る。
廃水濾過作業を続けていると、濾過材間の間隙ある
いは濾過材表面等に汚濁物質が多数捕捉されて、濾過層
にいわゆる目詰まり現象が発生するため、この濾過層中
に水流や空気流を発生させて捕捉された前記汚濁物質を
除去して濾過材を再生する、いわゆる逆洗操作を適宜行
う必要がある。ここで、濾過材が浮上性であると、この
濾過材を処理槽内で流動逆洗させる際に濾過材が流動化
され易く、濾過材が沈降性である場合に比較して多大な
エネルギーを必要とせず、運転コストが安上がりとな
る。
浮上性濾過材の粒径にある程度の範囲を持たせてお
くと、浮上速度の差によって濾過層上部に粒径の大きい
濾過材が、濾過層下部に粒径の小さい濾過材が分布す
る。従って、汚濁物質の大きさにバラツキがある廃水を
処理する場合は、下向流で通水することにより、その径
が大きいものが濾過層上部で捕捉され、その径が小さい
ものが濾過層下部で捕捉され、また汚濁物質の大きさが
比較的均一である廃水を処理する場合でも、汚濁物質が
濾過層全体で捕捉される。つまり、濾過効率が良好であ
ると共に、濾過流路の始端部で圧損がたちにくいので、
目詰まりの発生が少ない。
沈降性濾過材を用いた廃水処理方法は、濾過層の濾
過材間の間隙が自重等により狭くなるため、濾過流路の
始端部において目詰まりが発生し易くなり、圧損が高ま
って廃水の濾過速度が遅くなると共に、処理継続可能時
間が短くなる等、濾過効率の低下を招きやすいという問
題点を抱えている。特に、SS分が濃厚な廃水を処理する
場合、前記問題点はより深刻となり、前記目詰まりを解
消するために逆洗操作を頻繁に行う結果、濾過して得た
水に比して逆洗操作に使用する水の比率が大きくなり、
大変不経済となる。
前記浮上性濾過材を用いた場合において、逆洗操作を
処理槽内で行う方法としては、 処理槽内に撹拌羽根を設け、この撹拌羽根で撹拌す
ることで汚濁物質を濾過材から分離させる 処理槽上部から清浄な逆洗水を散水して、この逆洗
水により濾過材を洗浄する 処理槽内に曝気用のドラフトチューブを設け、処理
槽内の濾過層を水に浸漬させた後、ドラフトチューブを
介して処理槽底部から気体を供給することでエアリフト
効果により濾過層を流動化させ、よって濾過材に曝気循
環を行う 等の方法が挙げられる。
「発明が解決しようとする問題点」 しかしながら、前記従来の廃水処理方法における逆洗
操作にあっては、以下に挙げるような問題点があった。
すなわち、 処理槽内に撹拌羽根を設ける方法では、撹拌による
逆洗操作の効率や撹拌羽根の装置の規模等の条件から、
比較的小規模の処理槽に適用が限定されてしまう。
処理槽上部から清浄な逆洗水を散水する方法では、
十分な逆洗を行うのに大量の逆洗水を必要とする。
槽内に曝気用のドラフトチューブを設け、エアリフ
ト効果で濾過材の曝気循環を行う方法では、比重0.5〜
0.9程度の濾過材が好適に用いられるが、より多くのSS
分を捕捉しうる比重0.4以下の濾過材への適用が困難で
ある。すなわち、比重の軽い濾過材を用いた場合、濾過
材が流動化されなかったり、濾過層の一部が水面から浮
上したままの状態で曝気循環されない恐れがあり、濾過
層の逆洗操作の能率が悪くなる。
この発明は、前記問題点に鑑みてなされたもので、比
重の軽い濾過材の適用を可能にすることで、濾過効率の
向上及び長期間に亙る連続運転を可能にし、かつ、処理
槽の規模に関係なく逆洗操作に必要なコスト及び時間を
削減することの可能な廃水処理装置の提供を目的として
いる。
「問題点を解決するための手段」 前述した処理槽内での濾過材の逆洗操作は、この濾過
材が処理槽内で流動化されて初めて可能となる。ここ
で、流体力学の教えるところによれば、液体中を沈降
(あるいは浮上)する球状粒子の終末自由沈降(あるい
は浮上)速度Utは次式で表される。
ただし CD=k・Ret-n(抗力係数) Ret=Ut・dP/ν(レイノズル数) dP:粒子径、ν:動粘度 ρP:粒子比重、ρL:液体比重 従って、この終末自由浮上速度Utよりも大きい下向流
を処理槽内に形成すれば、処理槽内の浮上性濾過材は流
動化するので、この濾過材の逆洗操作が可能となる。
前式に見る如く、終末自由浮上速度Utは粒子比重と液
体比重との差の絶対値に比例する。すなわち、粒子比重
ρと液体比重ρとが近い程終末自由浮上速度Utが小
さくなるため、流動化に必要なエネルギーが小さくて済
む。
一方、廃水処理中に濾過材間の間隙あるいは濾過材表
面に捕捉されたSS分の重力が濾過材の浮力よりも大きく
なると、この濾過材により形成された濾過層の一部が崩
壊したり、あるいは濾過層に亀裂が生じたりする。つま
り、 濾過材の浮力 捕捉SS分の重力 濾過材の重力 処理槽壁面等と濾過材との摩擦力 とすれば、SS分を捕捉した濾過層が浮上して保たれるた
めには、+>+なる条件が満足されている必要
がある。ここで、≫であるので、可能な限り多量の
SS分を濾過材間の間隙等に捕捉して、長期間に亙って連
続的に廃水処理を行うには、できるだけ比重の小さい濾
過材を使用する必要がある。
以上述べた如く、濾過材の流動化を容易にする条件
と、可能な限り多量のSS分を濾過材間の間隙等に捕捉す
るための条件とは相反するものであり、これらを同時に
満足するのは大変困難である。そこで、前述の如くこの
発明は、比重の小さい濾過材を適用しても容易に廃水処
理を行いうる廃水処理装置を提供せんとするものであ
る。
よってこの発明の廃水処理装置は、比重1以下の濾過
材からなり、汚濁物質を含んだ廃水を濾過する濾過層が
形成された有底筒状の処理槽と、該処理槽の上方側に前
記廃水を供給する廃水供給パイプと、該処理槽の濾過層
の下方側から濾過処理水を排出する排出パイプとを備
え、該処理槽内に、その駆動源が水であり、吸引口を前
記濾過層内上部に設けると共に、その吐出口を前記濾過
層を貫通して処理槽底部にまで延出させてなり、前記吸
引口から前記濾過材を吸引して前記水と混合し、前記濾
過材に捕捉された汚濁物質を分離し、該汚濁物質を前記
処理槽底部に吐出する水圧式エゼクタを設けてなること
を特徴とするものである。
「作用」 この発明では、比重が1以下の濾過材からなる濾過層
が形成された処理槽内に、水圧式エゼクタを設け、この
エゼクタの吸入口を濾過層内上部に設けると共に、エゼ
クタの吐出口を濾過層を貫通して処理槽底部にまで延出
させたので、このエゼクタの駆動により濾過材は濾過層
内上部から強制的に吸引され、エゼクタ内部でもたらさ
れる激しい乱流により濾過材間の間隙あるいは濾過材表
面に捕捉されたSS分等の汚濁物質が濾過材から分離され
る。
そして、濾過材及び汚濁物質の混合物が前記エゼクタ
吐出口から強制的に吐出されると、濾過材は自身の浮力
により浮上して再び濾過層を形成する一方、汚濁物質は
処理槽底部に沈降して汚濁物質堆積層を形成する。
「実施例」 以下、図面を参照してこの発明の実施例について詳細
に説明する。
第1図ないし第2図は、この発明を実施する上で好適
に用いられる処理槽の一例を示すものであって、図中符
号1は有底筒状の処理槽である。この処理槽1上部に
は、SS分等の汚濁物質が含まれた廃水をこの処理槽1に
供給する廃水供給パイプ2が配設され、かつ、処理槽1
底部には、この処理槽1で処理された処理水あるいは汚
濁物質を排出するための排出パイプ3、3、…が複数本
配設されている。これら排出パイプ3、3、…の取水口
には、それぞれストレーナ4、4、…が設けられてい
る。排出パイプ3、3、…は、その終端部において1本
の排出パイプ5に合流されている。また、前記処理槽1
底部には、この処理槽1内に蓄積された汚濁物質を排出
する抜泥パイプ6が配設されている。そして、これら排
出パイプ5及び抜泥パイプ6は、それぞれ電磁弁7、8
を介して1本の排出パイプ9に合流されている。この排
出パイプ9は、その終端部においてそれぞれ電磁弁12、
13を有する2本の排出パイプ10、11に分岐され、一方の
排出パイプ10は前記汚濁物質排出専用とされると共に、
他方の排出パイプ11は処理水排出専用とされる。この排
出パイプ11は、処理槽1内の廃水処理等の運転水位と同
じ高さにまで揚げられており、処理水が次工程に送出さ
れた際に位置エネルギーを確保できるようになってい
る。なお、符号14は、処理槽1上端部に設けられ、後述
する濾過材の処理槽1外部への越流を阻止するスクリー
ンである。
このような構成の処理槽1内部には、前述の如く廃水
中のSS分、コロイド状物質を捕捉し、SS分起因のBODを
除去する濾過材30、30、…が充填されている。この濾過
材30は粒子状に形成されて、その比重が1以下とされ、
好ましくは0.05〜0.5程度の範囲とされる。また、この
濾過材30には、その材質として、熱処理した発泡鉱物、
発泡ポリスチレンや発泡ポリプロピレン等の発泡プラス
チック、比重が1以下のプラスチックや木材チップ等の
物質、及び、これらを接着剤、セメント、粘結材等で複
合化したものが好適に用いられる。なお、この複合化に
際して、比重調整や物性変更の目的で、比重が1以上の
物質が混合されても良い。また、濾過材30の形状は球状
の粒子状に限定されず、例えば円柱、円筒等の長形状、
あるいは星状、楕円状等の異形状、さらには無定形状の
ものであっても良い。
そして、このような濾過材30は、処理槽1内部に所定
量充填されると、処理槽1内に予め貯留されていた水に
より上方に浮上しようとするが、処理槽1上端部に設け
られたスクリーン14により浮上が防止され、かつ処理槽
1底部から離間した状態で濾過層31を形成する。ここ
で、この濾過層31の厚さ寸法は、処理槽1の深さ寸法の
60〜90%程度の範囲であることが好ましい。すなわち、
60%未満では、処理槽1の大きさに比べて濾過層31が小
さすぎるため、処理槽1等の諸設備が不経済になるとい
う不都合が生じる。また、90%を越えると、廃水中の汚
濁物質の除去には問題ないものの、濾過層31が大きすぎ
て濾過層31への逆洗操作に際し汚濁物質を底部に沈澱、
分離する空間が不足し、濾過材30間の間隙に捕捉されて
いる汚濁物質を十分除去することができないという不都
合が生じる。また、濾過材30の粒径分布にある程度の範
囲を持たせておけば、この濾過材30は浮上時の浮上速度
の差により濾過層31の上層から下層に向って漸次その粒
径が小さくなるように充填される。従って、前記汚濁物
質の大きさにバラツキがある廃水を処理しても、径の大
きい汚濁物質が濾過層31上層で捕捉され、径の小さい汚
濁物質が濾過層31下層で捕捉されるので、濾過効率が向
上する。更に、この濾過材30は、その上端においてスク
リーン14により処理槽1外部への越流が阻止されている
ので、処理槽1内で稠密な濾過層31を形成する。従っ
て、この濾過材30は、廃水処理時において処理槽1内に
供給される廃水により流動したりあるいは浮遊したりす
ることがなく、不動状態となる。
また、前記処理槽1内部には、エゼクタ15が設けられ
ている。このエゼクタ15は、第2図に示すように、駆動
水供給管16と、この供給管16先端に形成されたノズル17
と、このノズル前方に形成された混合室18と、この混合
室18に連通して設けられた吸入管19、19と、混合室18に
連通してノズル17前方に設けられ、このノズル17から遠
ざかるに連れて拡径されたラッパ状のディフューザ20と
から概略構成されている。このエゼクタ15は、前記処理
槽1の軸線に沿って立設され、かつ、そのディフューザ
20が下方となるように設置されている。前記エゼクタ15
の駆動水供給管16は、その基端部がポンプ22を介して処
理槽1底部にまで延在して開口され、これがエゼクタ15
駆動水の取水口23とされる。また、エゼクタ15の吸入管
19、19先端は、濾過層31内上部において上方に向って開
口され、かつ漏斗状に拡径されている。さらに、エゼク
タ15のディフューザ20下端には、これに連設して内筒21
が取り付けられ、この内筒21の下端部は前記濾過層31を
貫通して前記処理槽1底部にまで延出されていると共
に、内筒21の半径方向外方に拡径されている。なお、前
記吸入管19、19の先端は、少なくとも処理槽1内の有効
水深の1/3より上方に位置されることが好ましく、更に
言えば、処理槽1内の水面Aよりやや下方に位置される
のがより好ましい。
このエゼクタ15では、駆動水供給管16からエゼクタ駆
動用の駆動水が供給されると、これがノズル17を通じて
前方に噴出されて、ノズル17前方の混合室18内が陰圧と
なり、これにより吸入管19、19から濾過材30及び処理槽
1内の水の混合物が混合室18内に吸引されると共に、こ
の混合室18内で前記駆動水と吸入管19、19からの濾過材
30等が混合され、これらの混合物がディフューザ20から
系外に吐出される。従って、吸入管19の先端開口はエゼ
クタ15の吸入口24となり、内筒21の下端開口はエゼクタ
15の吐出口25となる。
前記エゼクタ15の取水口23上方には、処理槽1側壁の
半径方向内方に向って傾斜して、取水口23前方を覆って
なる遮蔽板26が取り付けられている。また、内筒21の下
端開口前方には、この内筒21の下端開口を覆いかつ処理
槽1上方に向かうに従って拡径された倒笠状の整流板27
が設けられている。これら遮蔽板26、整流板27は、エゼ
クタ15によりその内筒21下端開口から吐出される濾過材
30及び処理槽内の水の混合物の流動方向を、第1図中実
線矢印の如く反転させると共に、濾過材30が取水口23か
ら吸入されるのを防止する機能を有する。
また、エゼクタ15の駆動水供給管16の途中には、気体
供給管28が接続され、この気体供給管28はブロア29に連
結されている。このブロア29は、気体供給管28を介し
て、駆動水供給管16内を流通される駆動水に所定の流量
で気体を供給し、以て駆動水中に気体を混入させる機能
を有する。
次に、このような構成からなる処理槽1を用いて、こ
の発明の一実施例である廃水処理方法を説明する。
まず、前述の如く、予め水が貯留された処理槽1内に
濾過材30を所定量充填して、この処理槽1内に濾過層31
を形成する。次に、廃水供給パイプ2を通じて処理槽1
内に廃水を供給すると、この廃水は、処理槽1内の濾過
層31中を流下される間に、廃水中のSS分等の汚濁物質が
濾過材30間の間隙あるいは濾過材30表面に捕捉され、処
理水となって処理槽1底部を経由し、次いで、排出パイ
プ5、11に取り付けられた電磁弁7、13が開放されるこ
とで、ストレーナ4、4、…により濾過材30の流出が防
止されて排出パイプ11を通じて次工程等に送出される。
ここで、処理中の処理槽1内の水位は、排出パイプ11の
排出口11aと同一の高さ以上となる。また、廃水の処理
槽1への供給量は、濾過槽31の処理能力等を考慮して決
定され、通常1時間当たりの供給量が濾過層31の容量の
8倍以内とされる。すなわち、この供給量が濾過層31の
容量の8倍を遥かに越えると、供給量が多すぎて廃水に
対する濾過処理が不十分になると共に、濾過層31の一部
が崩壊する等の不都合が生じる。そして、廃水の処理槽
1への供給は、廃水中の汚濁物質濃度や処理槽1の処理
能力等に応じて適量を主として連続的に行なわれる。
このようにして処理槽1内で廃水に対する濾過処理が
行なわれ続けると、処理槽1内の濾過層31が次第に目詰
まりすることで圧損が高まって廃水の流れが制限され、
ついには処理槽1内の水位が上昇して廃水処理の運転が
不能状態となる。よって、この段階で廃水供給パイプ2
からの廃水の供給を停止すると共に、電磁弁7、13を閉
じて処理槽1からの処理水の排出も停止する。
これ以降は、逆洗操作の工程であり、ポンプ22を駆動
することで処理槽1底部に貯留された水をエゼクタ駆動
水として汲み上げて、これをエゼクタ15に供給する。す
ると、エゼクタ15内に生起する陰圧により、エゼクタ吸
入口24から濾過層31内上部の濾過材30及び水の混合物が
エゼクタ15内に吸引される。次に、これら濾過材30及び
水の混合物は、エゼクタ15の混合室18内でエゼクタ駆動
水と混合され、この際、濾過材30間の間隙あるいは濾過
材30表面に捕捉されていたSS分等の汚濁物質は、混合室
18内で発生する激しい乱流により濾過材30から分離して
水中に懸濁する。そして、混合室18内で混合されたエゼ
クタ駆動水、濾過材30及び汚濁物質は、ディフューザ2
0、内筒21を介して処理槽1底部に開口するエゼクタ吐
出口25から下方に向って吐出される。すると、濾過材30
は、第1図中実線矢印の如く、自身の浮力により速やか
に浮上して濾過層31を形成する一方、水中に懸濁された
汚濁物質は、処理槽1底部に沈降して濃縮された汚濁物
質堆積層を形成する。
すなわち、SS分等の汚濁物質を多量に捕捉した濾過材
30は、濾過層31内上部に配設されたエゼクタ吸入口24か
らエゼクタ15に吸引され、このエゼクタ15内で汚濁物質
が分離された後に処理槽1底部のエゼクタ吐出口25から
吐出され、自身の浮力により浮上して再び濾過層31を形
成する。従って、目詰まりした濾過層31の部分はその上
層から徐々にエゼクタ15により吸引されて減少すると共
に、エゼクタ15によって汚濁物質が分離されて洗浄操作
が行なわれた濾過材30は濾過層31下層に清浄化された濾
過層31を形成し、これにより濾過層31の逆洗操作が行な
われてゆく。この際、前記ブロア29を駆動して、空気供
給管28を介してエゼクタ駆動水中に気泡を混入させてお
けば、この気泡がエゼクタ吐出口25を通じて処理槽1底
部に吐出され、自身の浮力により濾過層31内を拡散しつ
つ上昇する。従って、この気泡が濾過層31を切り崩して
逆洗操作に必要な濾過層31の流動化を促進することがで
きる。
次いで、電磁弁8、12を開放して、処理槽1底部に堆
積したSS分等の汚濁物質を、この処理槽1内に貯留され
た水と共に抜泥パイプ6、排出パイプ9、10を通じて直
接系外に排出する。そして、汚濁物質及び水の排出によ
り濾過層31が下降して処理槽1底部にまで至る寸前にな
ったら、電磁弁8と閉じて電磁弁7を開放し、ストレー
ナ4を介して汚濁物質を系外に排出するようにする。こ
の後、処理槽1内の汚濁物質の大半が排出されたら、電
磁弁7、11を閉じて汚濁物質の排出を停止し、再び処理
槽1内に水を供給して、その水位がエゼクタ吸入口24よ
り高くなった段階で、再度エゼクタ15の駆動を開始して
前記逆洗操作工程を繰り返し、これを2〜3度繰り返し
て逆洗操作工程が完全に終了する。
逆洗操作が完了した後は、前述の廃水濾過作業を再開
して、廃水処理を行えば良い。
従って、この発明によれば、次のような優れた実施例
効果が得られる。
処理槽1内にエゼクタ15を設け、このエゼクタ15の
吸入口24を濾過層31内上部に設けると共に、エゼクタ15
の吐出口25を濾過層31を貫通して処理槽1底部にまで延
出させたので、エゼクタ15内部でもたらされる激しい乱
流により濾過材30間の間隙あるいは濾過材30表面に捕捉
されたSS分等の汚濁物質が濾過材30から確実にかつ能率
良く剥離、分離される。そして、濾過材30、水及び汚濁
物質の混合物が前記エゼクタ吐出口25から吐出される
と、濾過材30は自身の浮力により浮上して再び濾過層31
を形成する一方、汚濁物質は処理槽1底部に沈降して汚
濁物質堆積層を形成する。すなわち、目詰まりした濾過
層31の部分はその上層から徐々にエゼクタ15により吸引
されて減少すると共に、エゼクタ15によって汚濁物質が
分離されて洗浄操作が行なわれた濾過材30は濾過層31下
層に清浄化された濾過層31を形成し、これにより濾過層
31の逆洗操作が行なわれてゆく。従って、汚濁物質の処
理槽1からの回収、排出が容易である。よって、処理槽
1の規模に関係なく逆洗操作の効率が大変向上され、コ
スト、時間共に従来に比して大幅に削減することができ
る。特に、この実施例では、エゼクタ15を駆動する駆動
水に処理槽1底部に貯留された処理水が用いられている
ので、処理槽1内に貯留された水を循環させることで逆
洗操作を行え、従って逆洗操作に用いる逆洗水を大幅に
削減できることから、コストダウンに寄与するところ大
である。また、この実施例では、ブロア29によりエゼク
タ15の駆動水中に気泡を混入させておけば、濾過層31の
流動化が促進され、以て逆洗操作の能率を更に向上でき
る。
エゼクタ15の駆動により、濾過材30及び処理槽1内
に貯留された水の混合物は、濾過層31内上部にあるエゼ
クタ吸入口24から強制的に吸引され、濾過材30間の間隙
あるいは濾過材30表面に捕捉された汚濁物質がエゼクタ
15内で濾過材30から剥離、分離された後、処理槽1底部
のエゼクタ吐出口25から強制的に下方に吐出される。従
って、濾過材30の比重の大小の如何を問わず、濾過層31
全体に亙って逆洗操作を行いうるので、従来適用が困難
であった比重0.05〜0.5程度の軽い濾過材30により濾過
層31を形成することが可能となる。よって、従来に比し
てより多量のSS分等の汚濁物質を濾過材30間の間隙に捕
捉しうるので、長期間に亙って連続的に廃水処理作業を
行え、逆洗操作の実施間隔を長くすることができひいて
は、逆洗操作を行うことで濾過材30表面から微生物膜が
剥離する現象を抑制して濾過材30の吸着濾過機能を長期
間に亙って保持継続することが可能となる。また、逆洗
操作の実施回数が、一定期間内において見れば減少され
るので、逆洗操作で消費されるモータ22、ブロア29等の
動力エネルギーや逆洗水を大幅に削減することができ
る。
なお、この発明の廃水処理装置は、前記実施例に限定
されない。一例として、エゼクタ15の駆動源たる駆動水
は、その供給源が処理槽1内に限定されることなく、処
理槽1外の水であっても支障無い。この場合、槽外から
供給した水の供給量に応じて、処理槽1内の水を引き抜
く等の水量管理を行う必要がある。また、エゼクタ15を
駆動する駆動媒体は水に限定されず、圧搾空気等の気体
であっても良い。すなわち、一例として処理槽1にコン
プレッサ等の圧搾空気供給手段を連設して、この圧搾空
気供給手段からエゼクタ15に直接圧搾空気を供給するこ
とでエゼクタ15を駆動しても、前述と同様の効果が得ら
れると共に、前記実施例においてエゼクタ駆動水に気泡
を混入させた場合と同様に、濾過層31の流動化を促進す
る、という効果も得られる。さらに言えば、前記実施例
の廃水処理方法は、いわゆる開放型の下向流式重力濾過
法に適用されているが、密閉型の加圧濾過法、あるいは
上向流式濾過法に適用されても良く、これら濾過法の差
異によって前述の作用効果が些かも失われることはな
い。そして、大型の処理槽1においては、前記エゼクタ
15を多数配設することで、この発明をより有効に実施し
うることは勿論である。
なお、本願発明者が行った実験結果を以下に示すこと
で、エゼクタ15に供給される駆動水の流量と、エゼクタ
15に吸引され、吐出される濾過材30及び水の容量との関
係について説明する。
第3図は、濾過材30の担体に発泡スチロール製の担体
を用いた場合の、エゼクタ15の圧力損失に対する濾過材
30及び水の容量の関係を示す図である。ここで、発泡ス
チロールの粒径は2.5〜3.5mmの範囲内にあり、またその
比重が0.1以下であった。
第3図に示すように、エゼクタ15の圧力損失を増加さ
せても、すなわちポンプ22によりエゼクタ15に供給する
駆動水の圧力を増加させても、エゼクタ15に供給される
駆動水の水量は大きく変化せず、凡そ14〜18/分の範
囲内に留まっているのに対して、エゼクタ15の圧力損失
の増加に連れてエゼクタ15により吸引、吐出される濾過
材30及び水の容量は増加することが理解できる。そし
て、エゼクタ15に供給された駆動水の流量に対する濾過
材30と水との混合物の容積比は、約7〜30%の範囲内に
あった。
第4図は、濾過材30の担体に、第3図の実験で使用し
た発泡スチロール製の担体の表面に珪藻土を被覆してな
る担体を用いた場合の実験結果を示し、担体の粒径分布
は2.5〜3.5mmと第3図の場合と同様であるが、比重が0.
5程度とされている。このような濾過材30を用いた場合
でも、第3図と同様の傾向が見られることが確認でき
る。また、同一圧力損失における濾過材30及び水の正味
堆積の和と、濾過材30及び水の総和見掛容量との比か
ら、エゼクタ15により吸引、吐出される濾過材30と水と
の容積比が算出でき、この容積比は両図を通じておよそ
1:1〜1:2の範囲内にあった。
「発明の効果」 以上詳細に説明したように、この発明によれば、次の
ような優れた効果が得られる。
比重1以下の濾過材からなり、汚濁物質を含んだ廃
水を濾過する濾過層が形成された処理槽内に、その駆動
源が水であり、濾過材を吸引して前記水と混合し、前記
濾過材に捕捉された汚濁物質を分離し、前記処理槽底部
に吐出する水圧式エゼクタを設け、この水圧式エゼクタ
の吸引口を前記濾過層内に設けると共に、エゼクタの吐
出口を濾過層を貫通して処理槽底部にまで延出させたの
で、エゼクタ内部でもたらされる激しい乱流により濾過
材表面あるいは濾過材間の間隙の捕捉されたSS分等の汚
濁物質が濾過材から確実にかつ能率良く剥離、分離され
る。そして、濾過材及び汚濁物質の混合物が前記エゼク
タ吐出口から吐出されると、濾過材は自身の浮力により
浮上して再び濾過層を形成する一方、汚濁物質は処理槽
底部に沈降して汚濁物質堆積層を形成する。すなわち、
目詰まりした濾過層はその上層から徐々にエゼクタによ
り吸引されて減少すると共に、エゼクタによって汚濁物
質が分離されて洗浄操作が行なわれた濾過材は濾過層下
層に清浄化された濾過層を形成し、これにより濾過層の
逆洗操作が行なわれてゆく。従って、汚濁物質の処理槽
からの回収、排出が容易である。よって、この発明によ
れば、処理槽の規模に関係なく逆洗操作の効率が大変向
上され、コスト、時間共に従来に比して大幅に削減する
ことができる。
エゼクタの駆動により、濾過材は濾過層内上部にあ
るエゼクタ吸入口から強制的に吸引され、濾過材間の間
隙あるいは濾過材表面に捕捉された汚濁物質がエゼクタ
内で濾過材から剥離、分離された後、処理槽底部のエゼ
クタ吐出口から強制的に下方に吐出される。従って、濾
過材の比重の大小の如何を問わず、濾過層全体に亙って
逆洗操作を行いうるので、従来逆洗しづらかった比重0.
05〜0.5程度の軽い濾過材を用いて濾過層を形成するこ
とが可能となる。よって、従来に比してより多量のSS分
等の汚濁物質を濾過材間の間隙に捕捉しうるので、長期
間に亙って連続的に廃水処理作業を行え、逆洗操作の実
施間隔を長くすることができ、ひいては、逆洗操作を行
うことで濾過材表面から微生物膜が剥離する現象を抑制
して微生物膜による付着、吸着濾過機能を長期間に亙っ
て保持継続することが可能となる。また、逆洗操作の実
施回数が、一定期間内において見れば減少されるので、
逆洗操作で消費されるモータ、ブロア等の動力エネルギ
ーや逆洗水を大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の廃水処理装置の一実施例を示す概略
図、第2図は同処理槽内のエゼクタを取り出して示した
要部を断面視した正面図、第3図はエゼクタに供給され
る駆動水の流量と、エゼクタに吸引、吐出される濾過材
及び水の容量との関係の一例を示す図、第4図は同他の
例を示す図である。 1……処理槽、2……廃水供給パイプ、3……排出パイ
プ、15……エゼクタ、23……エゼクタ取水口、24……エ
ゼクタ吸入口、25……エゼクタ吐出口、30……濾過材、
31……濾過層。
フロントページの続き (72)発明者 丹羽 千明 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水 建設株式会社内 (56)参考文献 実開 昭61−159007(JP,U) 実公 昭58−11368(JP,Y1)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】比重1以下の濾過材からなり、汚濁物質を
    含んだ廃水を濾過する濾過層が形成された有底筒状の処
    理槽と、該処理槽の上方側に前記廃水を供給する廃水供
    給パイプと、該処理槽の濾過層の下方側から濾過処理水
    を排出する排出パイプとを備えた廃水処理装置であっ
    て、 該処理槽内に、その駆動源が水であり、吸引口を前記濾
    過層内上部に設けると共に、その吐出口を前記濾過層を
    貫通して処理槽底部にまで延出させてなり、前記吸引口
    から前記濾過材を吸引して前記水と混合し、前記濾過材
    に捕捉された汚濁物質を分離し、該汚濁物質を前記処理
    槽底部に吐出する水圧式エゼクタを設けてなることを特
    徴とする廃水処理装置。
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