JP6450645B2 - シルト濾過装置及びシルト濾過方法 - Google Patents

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Description

本発明は、被処理水からシルトを除去するためのシルト濾過装置とシルト濾過方法とに関する。
シルト等の微細粒子を含有する被処理水から微細粒子を取り除く方法としては、まず、微細粒子を自然沈殿させる方法(以下、「自然沈殿法」と呼ぶ。)が挙げられる。しかし、自然沈殿法は、除去対象の粒子がある程度大きい場合には有効であるものの、除去対象の粒子が小さくなると、その除去に長時間を要するという欠点がある。例えば、粒径50μmの粒子を1m沈殿(沈降)させるためには、8分程度の時間を要し、粒径10μmの粒子を1m沈殿(沈降)させるためには、3時間程度も時間を要する。このため、自然沈殿法は、シルト(粒径3.9〜62.5μmの砕屑物)等の除去においては、実用的ではない。
この点、被処理水に凝集剤を添加して微細粒子を凝集させてから沈殿させる方法(例えば、特許文献1,2を参照。以下、この方法を「凝集沈殿法」と呼ぶ。)を採用すると、微細粒子が沈殿するのに要する時間を短縮することができる。しかし、凝集沈殿法では、凝集剤を添加する必要があるため、連続処理を採用することができず、バッチ処理を採用しなければならないという問題がある。加えて、凝集沈殿法は、凝集剤を消費する分、ランニングコストが嵩むという欠点もある。
被処理水から微細粒子を取り除く別の方法としては、遠心分離機(「求心分離機」と呼ばれることもある。)を用いる方法(以下、この方法を「遠心分離法」と呼ぶ。)も提案されている(例えば、特許文献3〜6を参照。)。しかし、遠心分離法は、遠心分離機を設置する必要がある分、設備が大掛かりになり、初期コストが嵩むという欠点がある。
被処理水から微細粒子を取り除くまた別の方法としては、発泡樹脂体や、微細孔を有する天然石や、活性炭や、ゼオライト等の吸着材に微細粒子を吸着させる方法(以下、「吸着法」と呼ぶ。)も考えられる。しかし、吸着法では、吸着材の使用を経るうちに吸着材の吸着能が徐々に低下するという問題がある。加えて、吸着法は、除去された微細粒子が吸着材に吸着されたままの状態となりやすく、逆洗しても吸着材の吸着能が回復しにくいという欠点もある。
被処理水から微細粒子を取り除くさらに別の方法としては、被処理水を加圧して濾板や濾布等のフィルターを通過させる方法(以下、この方法を「濾過法」と呼ぶ。)も提案されている(例えば、特許文献7を参照。)。しかし、一般的なフィルターで除去できる粒子の粒径は30〜40μm程度までであるため、濾過法では、それよりも小さな粒子を除去することは困難である。加えて、濾過法では、フィルターが目詰まりするため、フィルターの洗浄や交換に手間やコストが掛かるという問題もある。また、濾過法も、大掛かりな設備を要するという欠点を有している。
この点、樹脂チップや樹脂粉末等の充填材を充填した流路に被処理水を流す方法(以下、「充填材濾過法」と呼ぶ。)を採用すれば、場合によっては、かなり小さな粒径の粒子も除去することが可能になる。しかし、この場合、除去できる粒子の粒径は狭い範囲に限られ、様々な粒径の粒子が混在する被処理水では使用することができない。すなわち、粒子の粒径が上記範囲よりも小さいと、当該粒子はフィルターを素通りするようになる一方、粒子の粒径が上記範囲よりも大きいと、フィルターがすぐに目詰まりするようになる。
加えて、充填材濾過法で細かな粒子を除去しようとすると、細かな充填材を密な状態で充填し、充填材の空間充填率を高くする必要が生じるところ、充填材の空間充填率を高くすると、被処理水の流れることができる空間(充填材の隙間)が減少するため、被処理水の圧力を高くしなければ、充填材が充填された濾過層を被処理水が通過できなくなる。ところが、被処理水を高圧にすると、被処理水の流速が極端に速くなる部分が局所的に直線状に形成されやすくなり、その部分で充填材が外方へ押し広げられて、被処理水が濾過層をショートパスしやすくなるという問題がある。すなわち、充填材濾過法で微細粒子を除去しようとすると、充填材の空間充填率を高めながらも、被処理水が濾過層をショートパスしないようにするというジレンマを抱えることになる。
特表2003−517370号公報 特開2013−116457号公報 特開2001−323498号公報 特開2004−316275号公報 特開2014−018774号公報 特開2014−021062号公報 特開2008−114142号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、粒径の小さなシルトを高い除去率で除去することができるシルト濾過装置を提供するものである。また、シルトを連続処理で除去することができるシルト濾過装置を提供することも本発明の目的である。さらに、目詰まりを起こしにくいシルト濾過装置を提供することも本発明の目的である。さらにまた、メンテナンスが容易でランニングコストを抑えることのできるシルト濾過装置を提供することも本発明の目的である。そして、大掛かりな設備を要せず、初期コストを抑えることができるシルト濾過装置を提供することも本発明の目的である。そしてまた、被処理水の流量を多くしてもシルトを除去することができるシルト濾過装置を提供することも本発明の目的である。また、上記のシルト濾過装置を用いて好適に行うことのできるシルト濾過方法を提供することも本発明の目的である。
上記課題は、
シルトを含有する被処理水からシルトを除去するためのシルト濾過装置であって、
被処理水を流すための流路における所定区間(以下、この区間を「濾過区間」と呼ぶことがある。)に、多数の筒状体を不規則に充填し、
筒状体によるシルトの溜まり現象を利用して、被処理水からシルトを除去するようにしたことを特徴とするシルト濾過装置
を提供することによって解決される。
ここで、「被処理水」とは、シルトを含有する液体(代表例としては水が挙げられるが、水以外の液体も含む。)のことを云う。
また、「筒状体」とは、その一端部と他端部とを連通する空洞部が設けられた形態を有する部材のことを云う。筒状体としては、典型的には、円筒形を為す部材が挙げられるが、これに限定されず、四角筒形等の多角筒形を為す部材であってもよい。また、筒状体は、その径(太さ)が一定のものに限定されず、場所によってその径(太さ)が異なるもの(周面がテーパー状に形成されたもの等)であってもよい。さらに、筒状体は、その周壁に開口部(前記空洞部と筒状体の外部とを連通する開口部)を有さないものに限定されず、その周壁に開口部を有するものであってもよい。
さらに、「多数の筒状体を不規則に充填」とは、多数の筒状体を、その中心線の方向が揃わないよう(様々な方向を向くよう)にランダムに充填することを云う。
さらにまた、「筒状体によるシルトの溜まり現象」とは、次のような現象を云う。図1は、筒状体20によるシルトの溜まり現象を説明する図である。本発明のシルト濾過装置では、図1に示すように、被処理水を流すための流路10における濾過区間10aに多数の筒状体20を不規則に充填するため、濾過区間10aにおける筒状体20が存在しない部分(筒状体20の内部空間や隣り合う筒状体20の隙間等)の形態が不規則になる。このため、濾過区間10aには、多数の乱流α(図中における渦状の矢印で示した流れ)が生じ、この乱流αに巻き込まれたシルトが、被処理水Wの流れが緩やかな部分β(図中の網掛けハッチング部)に運ばれ、その部分βに留まるようになる。このように、筒状体20の近傍における被処理水の流れが緩やかな部分βにシルトが溜まることを、「筒状体によるシルトの溜まり現象」と呼ぶ。以下においては、この溜まり現象によってシルトが溜まる部分βを「溜まり部」と呼ぶことがある。溜まり部βは、筒状体20の内周面又は外周面における鉛直上方を向く面に形成されやすい。
本発明のシルト濾過装置では、多数の筒状体を不規則に充填しているため、上述した溜まり部が多数箇所に形成されることに加えて、被処理水が流れる筒状体の隙間の形態を複雑化して、濾過区間における被処理水の移動距離を長くすることができる。このため、粒径の小さなシルトを、ショートパスを生じさせることなく高い除去率で除去することが可能である。溜まり部は、被処理水の流量を多くしても形成されるため、本発明のシルト濾過装置では、被処理水の流量を多くしても、シルトを高い除去率で除去することが可能である。
また、本発明のシルト濾過装置では、被処理水を濾過するための筒状体の内部に空洞部が設けられているため、筒状体を密に充填しても、筒状体の空間充填率を低く抑えることができる。このため、被処理水の流れることができる空間を広く確保し、被処理水を高い圧力まで加圧しなくても濾過区間を通過させることが可能になる。加えて、ショートパスの原因となる現象、すなわち、被処理水の流速が局所的に極端に速くなる現象を生じにくくすることもできるので、濾過区間における被処理水のショートパスをより確実に防止することも可能になる。
さらに、本発明のシルト濾過装置では、凝集剤等を添加する必要もないので、シルトを連続処理するだけでなく、ランニングコストを抑えることも可能になる。さらにまた、本発明のシルト濾過装置では、大掛かりな設備を要しないため、初期コストを抑えることも可能である。そして、本発明のシルト濾過装置は、後述するように、メンテナンスも容易なものとなっている。
本発明のシルト濾過装置において、前記流路の濾過区間における筒状体の空間充填率(以下単に「筒状体の空間充填率」と表記することがある。)は、特に限定されないが、被処理水を濾過するための充填材として空洞部を有する筒状体を用いるため、かなり低く抑えることが可能である。具体的には、筒状体の空間充填率は、30%以下とすることも可能である。このように、筒状体の空間充填率を低く抑えることにより、被処理水の流量を多くしながらも、濾過区間における被処理水のショートパスを防止することが可能になる。筒状体の空間充填率は、20%以下であると好ましく、15%以下であるとより好ましい。
ここで、「濾過区間における筒状体の空間充填率」とは、以下の手順により求められる数値を云う。
[1] 上方に開口を有する有底の測定用容器(容積をVとする。)を用意する。測定用容器は、筒状体の寸法に比して十分に大きな容積(少なくとも筒状体を数百個レベルで充填できる容積)を有するビーカー等を使用する。
[2] 測定用容器に、多数の筒状体をすりきり一杯に充填する。
[3] 上記[2]で筒状体を充填した測定用容器に水をすりきり一杯に注ぎ入れる。このとき、筒状体が測定用容器から溢れ出ないように注意する。筒状体が溢れ出る虞があるときは、通水性を有するメッシュ材等で測定用容器の上方開口を覆っておく。
[4] 上記[3]で測定用容器に注ぎ入れた水の容積(Vとする。)を求める。
[5] (1−V/V)×100を算出し、その算出された数値を「濾過区間における筒状体の空間充填率」とする。
本発明のシルト濾過装置において、筒状体の長さL(筒状体の中心線に沿った長さ。以下同じ。)は、被処理水の流量や、後述するアスペクト比L/D等によっても異なり、特に限定されない。しかし、筒状体の長さLを短くしすぎると、それぞれの筒状体に溜まり部が形成されにくくなり、シルトの除去効率を高く維持できなくなる虞がある。このため、筒状体の長さLは、通常、2mm以上とされる。筒状体の長さLは、3mm以上であると好ましく、4mm以上であるとより好ましく、5mm以上であるとさらに好ましい結果が得られやすくなることが推測される。
一方、筒状体の長さLを長くしすぎると、前記流路の濾過区間に筒状体を充填する際に、筒状体が寝た状態(筒状体の中心線が水平方向に向いた状態)になりやすくなり、その中心線が水平方向或いはそれに近い方向を向いた筒状体の割合が高くなる等、濾過区間に充填された筒状体に指向性が発現しやすくなる虞がある。すなわち、濾過区間に多数の筒状体を不規則に充填しにくくなる虞がある。このため、長さLは、通常、20mm以下とされる。長さLは、15mm以下であると好ましく、10mm以下であるとより好ましく、8mm以下であるとさらに好ましい結果が得られやすくなることが推測される。
本発明のシルト濾過装置において、筒状体の外径Dに対する筒状体の長さLの比L/D(以下、「アスペクト比」と呼ぶことがある。)も、特に限定されない。しかし、アスペクト比L/Dを小さくしすぎると、それぞれの筒状体に溜まり部が形成されにくくなり、シルトの除去効率を高く維持できなくなる虞がある。このため、アスペクト比L/Dは、通常、0.5以上とされる。アスペクト比L/Dは、0.8以上であると好ましく、1以上であるとより好ましい結果が得られやすくなることが推測される。
一方、アスペクト比L/Dを大きくしすぎると、前記流路の濾過区間に筒状体を充填する際に、筒状体が寝た状態(筒状体の中心線が水平方向に向いた状態)になりやすくなり、その中心線が水平方向或いはそれに近い方向を向いた筒状体の割合が高くなる等、濾過区間に充填された筒状体に指向性が発現しやすくなる虞がある。すなわち、濾過区間に多数の筒状体を不規則に充填しにくくなる虞がある。このため、アスペクト比L/Dは、通常、5以下とされる。アスペクト比L/Dは、3以下であると好ましく、2以下であるとより好ましく、1.5以下であるとさらに好ましい結果が得られやすくなることが推測される。
本発明のシルト濾過装置において、筒状体の外径Dに対する筒状体の内径Dの比D/D(以下、「外径内径比」と呼ぶことがある。)も、特に限定されない。しかし、外径内径比D/Dを小さくしすぎると、筒状体の周壁の厚さが、筒状体の外径Dに対して相対的に厚くなる。このため、筒状体の空間充填率を低く抑えにくくなり、被処理水を高い圧力で加圧しなければ、被処理水が濾過区間を通過しにくくなる虞がある。したがって、上述したショートパスが生じやすくなる虞もある。このため、外径内径比D/Dは、筒状体の強度を維持できる範囲でできるだけ大きく(1に近く)すると好ましい。具体的に、外径内径比D/Dは、0.7以上とすると好ましく、0.8以上とするとより好ましく、0.9以上とするとさらに好ましい結果が得られやすくなることが推測される。
本発明のシルト濾過装置において、筒状体を成形する素材は、特に限定されない。筒状体は、表面が粗面化された素材で形成してもよい。しかし、この場合には、使用後の筒状体に逆洗等を施しても、筒状体の表面に付着したシルトが除去されにくくなり、使用を経るうちにシルトの除去効率が低下しやすくなる虞がある。このため、筒状体は、表面の滑らかな素材で形成すると好ましい。これにより、使用後の筒状体に逆洗等を施すことにより、筒状体に捕捉されたシルトが除去されやすくして、使用を経てもシルトの高い除去効率を維持することが可能になる。また、シルト濾過装置のメンテナンスを容易化することも可能になる。本発明のシルト濾過装置は、筒状体によるシルトの溜まり現象を利用してシルトを除去するものであるため、筒状体を表面の滑らかな素材で形成しても、シルトを好適に除去することが可能である。
本発明のシルト濾過装置において、前記流路の濾過区間における被処理水の流れの向きは、特に限定されない。濾過区間における被処理水の流れは、下向き(上から下に向かう向き)としてもよい。しかし、この場合には、濾過区間を浮遊するシルトが、重力によって沈降して濾過区間を通過した被処理水に混入しやすくなる。このため、濾過区間における被処理水の流れは、下向き以外の向き(上向き又は横向き)となるようにすると好ましく、上向き(下から上に向かう向き)となるようにするとより好ましい。これにより、濾過区間を浮遊するシルトが濾過区間を通過した被処理水に混入しにくくして、シルトの除去効率をより高めることが可能になる。
また、上記課題は、
被処理水からシルトを除去するためのシルト濾過方法であって、
被処理水を流すための流路における所定区間(濾過区間)に、多数の筒状体を不規則に充填し、
筒状体によるシルトの溜まり現象を利用して、被処理水からシルトを除去するようにしたことを特徴とするシルト濾過方法
を提供することによっても解決される。
このシルト濾過方法は、上述した本発明のシルト濾過装置を用いて好適に実施することができるものとなっている。
以上のように、本発明によって、粒径の小さなシルトを高い除去率で除去することができるシルト濾過装置を提供することが可能になる。また、シルトを連続処理で除去することができるシルト濾過装置を提供することも可能になる。さらに、目詰まりを起こしにくいシルト濾過装置を提供することも可能になる。さらにまた、メンテナンスが容易でランニングコストを抑えることのできるシルト濾過装置を提供することも可能になる。そして、大掛かりな設備を要せず、初期コストを抑えることができるシルト濾過装置を提供することも可能になる。そしてまた、被処理水の流量をある程度多くしてもシルトを除去することができるシルト濾過装置を提供することも可能になる。また、上記のシルト濾過装置を用いて好適に行うことのできるシルト濾過方法を提供することも可能になる。
筒状体によるシルトの溜まり現象を説明する図である。 本実施態様のシルト濾過装置を構成する濾過槽を鉛直面で切断した状態を示した断面図である。 濾過槽に仕切材を固定している様子を説明する断面斜視図である。 本発明のシルト濾過装置を構成する筒状体を拡大して示した斜視図である。 実験1で使用した実験装置を説明する図である。 実験1の測定結果を示したグラフである。 実験2の測定結果を示したグラフである。
本発明のシルト濾過装置及びシルト濾過方法の好適な実施態様について、図面を用いてより具体的に説明する。図2は、シルト濾過装置を構成する濾過槽10を鉛直面(濾過槽10の中心線を含む鉛直面)で切断した状態を示した断面図である。図3は、濾過槽10に仕切材18を固定している様子を説明する断面斜視図である。図4は、本発明のシルト濾過装置を構成する筒状体20を拡大して示した斜視図である。
1. シルト濾過装置
1.1 濾過槽
本実施態様のシルト濾過装置は、図2に示すように、濾過槽10を用いたものとなっている。濾過槽10は、被処理水Wを流すための流路を形成するとともに、後述する筒状体20を充填する濾過区間10aを形成するためのものとなっている。濾過槽10の形態や寸法は、被処理水Wを所望の流量で所望の向きに流すことができ、且つ、濾過区間10aを設けることができるのであれば、特に限定されない。本実施態様のシルト濾過装置においては、円形を為す底板部11と、底板部11の周縁から起立する円筒状の側壁部12と、側壁部12の上方開口を塞ぐ上蓋部13とを有する一般的なドラム缶(直径が約62cmで高さが約90cmのドラム缶)によって、濾過槽10を形成している。
既に述べた通り、濾過槽10における被処理水Wの流れの向きは、特に限定されないが、上向きとすると好ましい。本実施態様のシルト濾過装置においては、被処理水Wを濾過槽10内に導入するための被処理水導入口14を、濾過槽10の下部に設けるとともに、被処理水Wを濾過槽10外へ導出するための被処理水導出口15を濾過槽10の上部に設けている。このため、被処理水Wは、濾過槽10内において、濾過槽10の下部から上部へと上向きに流れるようになっている。
被処理水導入口14には、被処理水導入バルブ14aが設けられている。本実施態様のシルト濾過装置において被処理水Wからシルトを除去する際(以下、「シルト濾過装置の駆動時」と表記することがある。)には、被処理水導入バルブ14aは、開いた状態とされる。被処理水導入口14よりも上流側には、被処理水導入口14へ被処理水Wを供給するためのポンプが接続される場合もあるが、高低差を利用して被処理水導入口14へ被処理水Wを供給する場合には、同ポンプを省略することもできる。
被処理水導出口15には、被処理水導出バルブ15aが設けられている。シルト濾過装置の駆動時には、被処理水導入バルブ14aは、開いた状態とされる。被処理水導出口15よりも下流側には、被処理水導出口15から被処理水Wを汲み上げるためのポンプが接続される場合もあるが、高低差を利用して被処理水導出口15から被処理水Wが導出されるようにする場合には、同ポンプを省略することもできる。
濾過槽10における被処理水導入口14よりもさらに下側には、被処理水排出口16を設けている。被処理水排出口16は、濾過区間10aから沈降してきたスラッジ(シルトやゴミ等)を排出するためのものとなっている。被処理水排出口16には、被処理水排出バルブ16aが設けられている。シルト濾過装置の駆動時において、被処理水排出バルブ16aは、閉じた状態とされる。
濾過槽10における被処理水導出口15よりもさらに上側には、空気排出口17を設けている。本実施態様のシルト濾過装置においては、濾過槽10の上面が上蓋部13で塞がれているため、濾過槽10内における被処理水Wの水位が上昇してきたときには、濾過槽10内の上部に押しやられた空気の圧力が高まる構成となっているが、空気排出口17は、濾過槽10内の上部の空気を濾過槽10外へと逃がすことにより、濾過槽10内の上部の空気の圧力が高まらないようにするためのものとなっている。空気排出口17には、空気排出バルブ17aが設けられている。シルト濾過装置の駆動時において、空気排出バルブ17aは、僅かに開かれた状態とされる。
1.2 濾過区間
濾過区間10aは、筒状体20が充填された区間となっており、被処理水Wに混入するシルト等を除去するための部分となっている。濾過槽10における濾過区間10aの配置は、特に限定されないが、本実施態様のシルト濾過装置においては、濾過槽10内の上下方向中間部分が濾過区間10aとなるようにしている。濾過槽10内における濾過区間10aの下限となる位置と上限となる位置には、それぞれ仕切材18を配している。下側の仕切材18は、濾過区間10aに充填された筒状体20を下側から支えるための部材となっており、上側の仕切材18は、被処理水Wの流れ等によって筒状体20が浮き上がらないように濾過区間10aに充填された筒状体20を上側から押さえ付けるための部材となっている。このため、仕切材18は、通水性を有しながらも、濾過区間10aに充填される筒状体20が通過できない寸法の目を有する面材が用いられる。
濾過槽10に対する仕切材18の固定方法は、特に限定されないが、本実施態様のシルト濾過装置においては、図3に示すように、濾過槽10における側板部12の内面から内方に突出して環状に設けられた内フランジ12aの上面と、内フランジ12aの上側に配される環状の固定板19の下面との間に、仕切材18の周縁部を挟み込んだ状態とすることで、仕切材18を濾過槽10内で張った状態に支持するようにしている。内フランジ12a及び固定板19の内側の開口部には、それぞれ支持梁12a及び支持梁19aが「X」字状に設けられており、仕切材18における中央部分が、支持梁12aと支持梁19aとに挟み込まれた状態で支持されるようになっている。これにより、支持材18の中央部が下側に垂れさがったり、上側に浮き上がったりしないようにすることが可能になっている。固定板19とフランジ12aは、図示省略のボルト等によって互いに固定される。
濾過槽10における濾過区間10aには、図2に示すように、多数の筒状体20が充填される。既に述べた通り、筒状体20の形態や寸法は、特に限定されない。本実施態様のシルト濾過装置において、筒状体20は、長さL(図4)が8mm、外径D(図4)が6mm、内径D(図4)が5.5mmの円筒状となっている。アスペクト比L/Dは約1.33で、外径内径比D/Dは約0.92となっている。筒状体20の素材も、特に限定されず、樹脂や金属等からなる筒状部材が例示される。本実施態様のシルト濾過装置においては、ポリエチレンからなる筒状部材を筒状体20として用いている。この筒状体20は、その表面が滑らかな状態(いわゆるツルツルした状態)になっているが、その表面に付着したシルト等を後述する逆洗の際に洗い落とすことができる範囲であれば、筒状体20は、その表面に凹凸や小孔等を有するものを用いてもよい。
筒状体20は、濾過槽10内における濾過区間10aに不規則に充填される。濾過区間10aに筒状体20を無理に押し潰しながら充填すると、筒状体20の空洞部が潰れてしまい、所望のシルト除去性能が発揮できなくなるおそれがある。このため、筒状体20は、無理に押し込めなくても自然に入る程度の密度で充填すればよい。濾過区間10aの下側と上側には、上述した仕切材18が設けられているため、その程度の充填具合でも、被処理水Wの流れによって、濾過区間10aにおける筒状体20が殆ど動かないようにすることができる。
濾過区間10aの長さ(被処理水Wの流れ方向に沿った長さ。本実施態様のシルト濾過装置では、上下方向に沿った長さ。以下においては、「濾過区間長」と呼ぶ。)は、シルト濾過装置の用途や、筒状体20の寸法や、被処理水Wの流量等に応じて適宜決定される。しかし、濾過区間長を短くしすぎると、シルトの除去効率を高めにくくなる虞がある。このため、濾過区間長は、通常、5cm以上とされる。濾過区間長は、10cm以上であると好ましく、20cm以上であるとより好ましく、30cm以上であるとさらに好ましい。濾過区間長の上限は、特に限定されないが、濾過槽10の寸法や筒状体20の使用量等を考慮すると、濾過区間長は、通常、2m以下とされる。ただし、本発明のシルト濾過装置を大規模な設備等で使用する場合には、この限りではない。
濾過区間10aの断面積(被処理水Wの流れ方向に垂直な断面の面積。本実施態様のシルト濾過装置では、水平断面の面積。)も、シルト濾過装置の用途や、筒状体20の寸法や、被処理水Wの流量等に応じて適宜決定される。しかし、濾過区間10aの断面積が小さすぎると、シルトの除去効率を高めにくくなる虞がある。このため、濾過区間10aの断面積は、通常、20cm以上とされる。濾過区間10aの断面積は、100cm以上であると好ましく、1000cm以上であるとより好ましく、2000cm以上であるとさらに好ましい。濾過区間10aの断面積の上限は、特に限定されないが、濾過槽10の寸法や筒状体20の使用量等を考慮すると、濾過区間10aの断面積は、通常、1m以下とされる。ただし、本発明のシルト濾過装置を大規模な設備等で使用する場合には、この限りではない。
2. シルト濾過方法
続いて、上記のシルト濾過装置を用いたシルト濾過方法について、図2を参照しながら、具体的に説明する。
まず、被処理水排出バルブ16aを閉じ、空気排出バルブ17aを僅かに開き、被処理水導出バルブ15aを開いた状態で、被処理水導入バルブ14aを開き、被処理水導入口14から濾過槽10内に被処理水Wを導入する。濾過槽10内に供給する被処理水Wの流量は、被処理水導入バルブ14aの開度を調節することによって調整する。濾過槽10内への被処理水Wの導入を開始すると、濾過槽10内における被処理水Wの水位が上昇していき、そのうち、水面が被処理水導出口15に達し、被処理水導出口15から濾過槽10外へ被処理水Wが導出されるようになる。以下、この状態が定常的に保たれるようになる。この状態において、濾過槽10の内部には、濾過槽10の下段部10bから、中段部(濾過区間10a)を経て、上段部10cに達する被処理水Wの流れが生じている。換言すると、濾過槽10は、被処理水Wを上向きに流すための流路として機能するようになっている。
被処理水Wが濾過槽10の下段部10bに入ると、被処理水Wに混入する大き目の不純物(大き目の砂やゴミ等)がこの下段部10bで沈降し、濾過槽10の底に沈んだ状態となる。下段部10bで大き目の不純物が取り除かれた被処理水Wは、下段部10bから上方に移動して濾過区間10aに進む。既に述べた通り、濾過区間10aには、多数の筒状体20が充填されているため、濾過区間10aでは被処理水Wが複雑に流れ、被処理水Wに混入するシルト等の微細な不純物が溜まり部β(図1)に溜まるようになる。すなわち、濾過区間10aでは、筒状体20によるシルトの溜まり現象によって、被処理水Wからシルト等の微細な不純物が除去される。濾過区間10aで微細な不純物が取り除かれた被処理水Wは、濾過区間10aから上方に移動して、上段部10cに達し、被処理水導出口15から濾過槽10外へと導出される。
被処理水導出口15から導出される被処理水Wは、シルト等の微細粒子やゴミ等が除去された状態となっており、濾過槽10内に導入する前の被処理水Wと比較して、澄んだ清浄な状態となっている。
3. 逆洗方法
続いて、上記のシルト濾過装置における筒状体20の逆洗方法について、図2を参照しながら、具体的に説明する。
上記のシルト濾過方法を繰り返し実施していると、そのうち、溜まり部β(図1)に溜まるシルト等の量が飽和して、シルトの除去効率が低下し始める。このため、筒状体20を逆洗して、溜まり部βに溜まったシルト等を洗い流し、シルトの除去性能を回復させる必要がある。本実施態様のシルト濾過装置は、以下の方法により、筒状体20を逆洗することができるようになっている。
まず、被処理水導入バルブ14aを閉じて、濾過槽10への被処理水Wの供給を停止する。続いて、濾過槽10の外部における被処理水排出口16の近くにスラッジを受けるための容器を置いた後、被処理水導出バルブ15a及び空気排出口17aを全開状態として、被処理水排出バルブ16aを徐々に開いていき、濾過槽10内の被処理水Wを被処理水排出口16から前記容器内へと排出する。
このとき、被処理水Wとともに、濾過区間10aの溜まり部βに溜まったシルト等の微細粒子も被処理水排出口16から排出され、筒状体20が逆洗される。濾過槽10に振動を加えると、溜まり部βに溜まったシルト等の微細粒子を除去しやすくすることができる。濾過槽10内に残留していた被処理水Wのみでは、筒状体20の逆洗が十分に行われない場合には、被処理水導出口15から濾過槽10の内部へ洗浄水を入れるとよい。また、この逆洗を行う際には、下段部10bに溜まったスラッジも、被処理水Wとともに、被処理水排出口16から排出される。下段部10bに溜まったスラッジは、被処理水排出口16側が低くなるように濾過槽10を傾けると、その殆どを排出することができる。
以上の逆洗を行うことによって、濾過区間10aの溜まり部βに溜まっていたシルト等の微細粒子を除去するとともに、下段部10bに溜まっていたスラッジを取り除くことができるため、シルト濾過装置は、当初の除去性能を回復することができる。本実施態様のシルト濾過装置は、逆洗等のメンテナンスを容易に行うことができるものとなっている。
4. 用途
本発明のシルト濾過装置及びシルト濾過方法は、その用途を限定されるものではなく、様々な分野で採用することができる。例えば、集水沈殿池の泥水やシールド工法で生じた排水等を処理する汚泥処理分野においては、前記泥水や前記排水等を水分とシルトとに分離する際に、本発明のシルト濾過装置等を採用することができる。また、流水の浄化装置では、微細粒子を補足するフィルターにシルトが捕らえられると、フィルターが目詰まりを起こすため、前段でシルトを除去しておく必要があるが、このシルトの除去に、本発明のシルト濾過装置を採用することができる。さらに、油濾過装置では、油分含有水にシルトが混入していると、油分濾過用のフィルターが目詰まりを起こすため、やはり、前段でシルトを除去しておく必要があるが、このシルトの除去に、本発明のシルト濾過装置を採用することができる。本発明のシルト濾過装置を油濾過装置の前段で使用した場合には、シルト濾過装置における濾過区間でも、油が捕捉されるため、油分をある程度除去することができる。
5. 実験
本発明のシルト濾過装置及びシルト濾過方法によるシルトの除去効果を確認するため、以下の実験1,2を行った。
5.1 実験1
図5は、実験1で使用した実験装置を説明する図である。実験1では、図5に示すように、ガラス管(上述した濾過槽10に相当)に筒状体を充填し、所定量(5L)の被処理水をガラス管の下側から上側に所定の流速で流すことにより、筒状体によるシルトの回収量を測定した。筒状体によるシルトの回収量は、ガラス管に対する被処理水の通水を終えた後に、ガラス管内に残留した被処理水を十分に置換できるだけ量(1000mL程度)の水道水を加え(通水速度は、被処理水を通水する場合と同じとし、水道水の通水は、連続的に行う。)、ガラス管の下部注入口を開けてその内部に残った水を排出し、その排出された水をビーカー等で受けて所定量(450mL程度)採取し、その採取された排水を10分間静置後、その上澄み液(2/3程度)を除去した残りの水を乾燥機で乾燥し、その乾燥後の残存物の重量を測定することにより求めた。すなわち、ここで云う「筒状体によるシルトの回収量」は、筒状体が実際に回収したシルトのうち、水道水による簡単な洗浄により筒状体から落とすことができた分の重量ということになる。
ガラス管は、長さが350mmで内径が40mmのものを使用した。また、筒状体は、ポリエチレンからなる、長さLが8mm、外径Dが6mm、内径Dが5.5mmの円筒部材を用い、その充填厚さ(上述した濾過区間長に相当)は300mmとした。さらに、被処理水は、水道水に赤土を混ぜたものを使用した。水道水に対する赤土の混合比は、水道水5Lに対し赤土150gとした。被処理水は、ガラス管に注水する前に、60メッシュの金網(厚さ250μm)を2枚重ねしたフィルターに通すことにより、大き目の砂や石を除去したものを用いた。この実験1は、ガラス管に通す被処理水の流速を、2.5mm/sとした場合と、3.5mm/sとした場合と、4.5mm/sとした場合との3通りについて行った。
以上の実験1を行ったところ、図6に示す結果が得られた。図6は、実験1の測定結果を示したグラフである。図6のグラフにおける「実施例1」が、上記の筒状体を用いた場合の結果である。また、同グラフにおける「比較例1」は、ガラス管に何も充填したなった場合(ブランクの場合)についての測定結果であり、同グラフにおける「比較例2」は、ガラス管に、筒状体の代わりに、直径1mmの発泡ポリスチレンからなる球状体を充填した場合についての測定結果である。
図6を見ると、比較例1の場合、シルトの回収量は、被処理水の流速にかかわらず、1g/5L程度と少量であることが分かる。比較例1の場合にも少量とはいえシルトが回収された理由は、自然な沈殿によってシルトが除去されたためと思われる。一方、比較例2の場合、シルトの回収量は、比較例1の場合よりも増加しているものの、流速が2mm/s付近でせいぜい1.8g/5Lであることが分かる。また、比較例2の場合には、被処理水の流速が増加するに連れて、シルトの回収量が減少することも分かった。
これに対し、実施例1の場合には、被処理水の流速にかかわらず、シルトの回収量が2.5g/5L前後と非常に高いレベルで推移していることが分かる。このことから、本発明のシルト濾過装置等は、シルトの回収効率に優れたものであることが分かった。また、実施例1の場合には、被処理水の流速が増加するに連れて、シルトの回収量が増加傾向になることも分かった。このことから、本発明のシルト濾過装置等の構成は、被処理水の流速が遅い場合だけでなく、速い場合にも有効であることが分かった。
5.2 実験2
実験2では、ガラス管(上述した濾過槽10に相当)に筒状体を充填し、所定量(5L)の被処理水をガラス管の下側から上側に所定の流速で流すことにより、筒状体により回収されたシルトの粒度ごとの除去率を測定した。ガラス管や筒状体等の諸元は、実験1と略同様である。ただし、実験2では、被処理水として、水道水5Lに対して一般的な土(粗く篩ったもの)を100g混ぜたものを使用した。シルトの粒度ごとの除去率は、株式会社堀場製作所製のレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置 (型式:LA−920)を用いて(超音波による分散時間:7分、溶媒:水)、ガラス管で濾過処理を行う前後のサンプル粒子の粒度を比較することにより求めた。濾過処理後のサンプル粒子は、ガラス管を通過した被処理水をよく撹拌して500mL採取し、これを加熱乾固したものを用いた。
以上の実験2を行ったところ、図7に示す結果が得られた。図7は、実験1の測定結果を示したグラフである。図7のグラフにおける「実施例1」、「比較例1」及び「比較例2」が示すところは、実験1と同様である。
図7を見ると、比較例1の場合、粒度30μm以下の小さな粒子は、殆ど除去されないことが分かる。これは、小さな粒子は、沈降しにくいため、自然な沈殿のみによる比較例1の場合では、除去されないためと考えられる。また、比較例1の場合には、粒度が50μm以上と比較的大きくなっても、その除去率は、せいぜい40〜70%程度であることも分かる。一方、比較例2の場合には、粒度6μm程度から除去効果が現れ始めるものの、その立ち上がりが緩やかであることが分かる。また、比較例2の場合には、粒度が100μm程度となっても、その除去率はせいぜい90%程度であることも分かる。
これに対し、実施例1の場合には、除去効果が現れ始めるのは、比較例2と略同じ粒度6μm程度からであるものの、その立ち上がりが速く、粒度50μm程度では、その除去率が略100%となることが分かる。このことから、本発明のシルト濾過装置等は、粒度50μm以上の微細粒子は、略全てを除去できることが分かる。また、本発明のシルト濾過装置等は、粒度が50μm未満と非常に小さな微細粒子であっても、比較例1や比較例2の場合と比較して、高い除去率で除去できるものであることも分かる。よって、本発明のシルト濾過装置等は、シルトを除去するのに好適に採用できることが分かった。
10 濾過槽(被処理水を流すための流路)
10a 濾過区間(中段部)
10b 下段部
10c 上段部
11 底板部
12 側壁部
12a 内フランジ
12a 支持梁
13 上蓋部
14 被処理水導入口
14a 被処理水導入バルブ
15 被処理水導出口
15a 被処理水導出バルブ
16 被処理水排出口
16a 被処理水排出バルブ
17 空気排出口
17a 空気排出バルブ
18 仕切材
19 固定板
19a 支持梁
20 筒状体
W 被処理水
α 乱流
β 溜まり部(被処理水の流れが緩やかな部分)

Claims (6)

  1. シルトを含有する被処理水からシルトを除去するためのシルト濾過装置であって、
    シルト濾過装置における被処理水を流すための流路部分に、長さLが2〜20mmで外径D に対する長さLの比L/D が0.5〜5とされた多数の筒状体がその中心線の方向が揃わない状態で不規則に充填された濾過区間を有するとともに、
    通水性を有しながらも筒状体が通過できない寸法の目を有する仕切材が濾過区間の上流側と下流側に設けられ、濾過区間内の筒状体がこれらの仕切材によって両側から押さえ付けられて動かない状態とされ、
    濾過区間に被処理水を流した際に濾過区間に多数の乱流が生じて、この乱流に巻き込まれたシルトが筒状体の内部空間又は隣り合う筒状体の隙間における流れの緩やかな部分に留まる現象を利用して、被処理水からシルトを除去するようにしたことを特徴とするシルト濾過装置。
  2. 前記流路の濾過区間における筒状体の空間充填率が、30%以下とされた請求項1記載のシルト濾過装置。
  3. 筒状体の外径Dに対する筒状体の内径Dの比D/Dが、0.7以上とされた請求項1又は2記載のシルト濾過装置。
  4. 筒状体が、表面の滑らかな素材で形成された請求項1〜いずれか記載のシルト濾過装置。
  5. 前記流路の濾過区間における被処理水の流れが、下向き以外の向きとなるようにした請求項1〜いずれか記載のシルト濾過装置。
  6. 被処理水からシルトを除去するためのシルト濾過方法であって、
    被処理水を流すための流路における一部の区間を、長さLが2〜20mmで外径D に対する長さLの比L/D が0.5〜5とされた多数の筒状体がその中心線の方向が揃わない状態で不規則に充填された濾過区間とするとともに、
    通水性を有しながらも筒状体が通過できない寸法の目を有する仕切材を濾過区間の上流側と下流側に設けて、濾過区間内の筒状体がこれらの仕切材によって両側から押さえ付けられて動かない状態とし、
    濾過区間に被処理水を流した際に濾過区間に多数の乱流が生じて、この乱流に巻き込まれたシルトが筒状体の内部空間又は隣り合う筒状体の隙間における流れの緩やかな部分に留まる現象を利用して、被処理水からシルトを除去するようにしたことを特徴とするシルト濾過方法。
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