JP6634116B2 - ろ過器の逆洗方法及び逆洗装置 - Google Patents

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Description

本発明は、濾材が充填されたろ過器の逆洗方法及び逆洗装置に関するものである。
水処理施設等において、原水中の濁質を分離除去する手段としてろ過器(砂ろ過器)が広く一般に使用されている。このろ過器はアンスラサイトや珪砂等の砂状もしくは粒状の濾材を充填した濾層を有し、このろ過器の前段において原水に凝集剤等を添加して濁質を凝集させ、この凝集物を濾層で捕集することで原水中の濁質を除去する。しかしながら、ろ過器は継続的な使用により濾材間に捕集物が溜まって濾層の間隙が閉塞し、ろ過抵抗が次第に大きくなる。このことは、ろ過流量の減少によるろ過効率の低下を引き起こす他、濾水の水質悪化の原因ともなる。従って、定期的に濾層の洗浄を行い、ろ過能力を回復する必要がある。濾層の洗浄方法としては濾層の下方から逆洗水(通常は濾水が用いられる)を送水し、濾層に溜まった捕集物を逆洗水ごとろ過器の上方に設けられた排出配管から排出する逆流洗浄(水逆洗)により行うことが一般的である。尚、水道施設設計指針によれば有効径0.6mm、均等係数1.3の濾層に対しては、水温20℃の逆洗水で逆流洗浄流速約0.6m/minの条件で逆洗を行うことで濾層の膨張率が約20%となり、捕集物を濾材から剥離除去するのに適当な流動状態になるとされている。
しかしながら、最適な条件で水逆洗を行ったとしても、捕集物は完全には除去できず徐々に堆積してろ過効率を低下させる。また、逆洗では除去が困難な濁質の塊、所謂マッドボールの形成要因となる。そして、このマッドボールは濾層を閉塞してろ過効率を著しく悪化させ、水処理施設全体の運用に支障をきたす場合もある。
この問題点に対し、例えば下記[非特許文献1]、[特許文献1]、[特許文献2]には、捕集物を出来るだけ排出するために水逆洗に表面洗浄または空気洗浄を組み合わせて行うことが記載されている。特に、[特許文献1]、[特許文献2]では、空気洗浄と水逆洗の組み合わせにおいてマイクロバブルを用いる逆洗方法が記載されている。
水道維持管理指針2016 日本水道協会
特許第5748338号公報 特開2014−151304号公報
しかしながら、空気洗浄(以後、空洗とする)は気泡径が大きく濾層全体が攪乱され、濾材からの捕集物の剥離、細分化の効果は大きいものの、空洗時に濾層が膨張しすぎて濾材が舞い上がり排出配管から流出する虞がある。このため[非特許文献1]に記載されているように、ろ過器の水位を低下させてから空洗を行うことが必要となり、逆洗操作が煩雑化するという問題点がある。
また、[特許文献1]、[特許文献2]のように、逆洗水にマイクロバブルを混合した気液混合流(気泡流)を用いて逆洗を行う方法では、マイクロバブルが濾材に抑留された捕集物に付着して剥離を促進する効果はあるものの、マイクロバブルが合体して気泡径が大きくなることはほとんど無く上昇速度は非常に小さい。このため濾材を攪乱する力が弱く、大きな懸濁物質(捕集物)を細分化する効果は少ない。よって、大きな捕集物は逆洗水の流速では掃流されずに残留し易く、洗浄効率が低いという問題点がある。
また、濾層は、大きさの異なるろ過砂利を大きい順に下方から積層した支持層によって支持されていることが多い。しかしながら、空洗時の気泡は支持層のろ過砂利の成層を乱す場合があり、この場合には濾材が支持層を抜けて濾水とともに流失する虞が有る。この問題点に対し、支持層に多孔樹脂プレートを用いることが考えられる。しかしながら、支持層に多孔樹脂プレートを用いた場合、空洗時の気泡が特定の部位に偏ることが確認され、濾層全体を空洗できないという問題点がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ろ過器の水位を低下させることなく効果的な逆洗を行う事が可能なろ過器の逆洗方法及び逆洗装置の提供を目的とする。
本発明は、
(1)濾材の充填により構成され凝集剤の添加により形成された凝集物を捕集する濾層52と、前記濾層52を支持するための支持層54と、を有するろ過器50の逆洗方法であって、
前記支持層54の下方から送水される逆洗水中に気泡径が1μm〜100μmのマイクロバブルと気泡径が100μm〜数mmのミニバブルを混合し、
前記マイクロバブルは前記凝集物に付着して前記凝集物の浮力を増大させるとともに、気泡径が数mmのミニバブルは前記濾層52中を上昇する過程で一部が合体して大きな径の気泡となって前記濾層52を撹乱し、さらに前記大きな径の気泡は前記濾層52の濾材粒子濃度の高いI層と、その上部に位置し水と気泡で構成されるII層との界面で前記I層からII層へ移動する際にジエット流を発生させ、前記ジエット流によりI層の上層の濾材粒子及び凝集物を撹乱することを特徴とするろ過器50の逆洗方法を提供することにより、上記課題を解決する。
(2)濾材の充填により構成され凝集剤の添加により形成された凝集物を捕集する濾層52と、前記濾層52を支持するための支持層54と、を有するろ過器50の逆洗装置であって、
逆洗水を貯留する逆洗水槽16と、前記逆洗水槽16と前記ろ過器50とを繋ぎ、前記逆洗水槽16の逆洗水を前記支持層54の下方に送出する逆洗配管38と、前記逆洗配管38に逆洗水を圧送する逆洗ポンプ34と、前記ろ過器50のろ過面よりも上方に設けられた排出配管36と、を有し、
さらに、前記逆洗配管38に設けられ外部から供給されるエアを気泡径が100μm〜数mmのミニバブルと気泡径が1μm〜100μmのマイクロバブル化して逆洗水中に混合する微細気泡生成手段60と、前記マイクロバブル及びミニバブルのそれぞれの量を調節するエア流入量調節機構と、を備えたことを特徴とする逆洗装置80を提供することにより、上記課題を解決する。
本発明に係るろ過器の逆洗方法及び逆洗装置は、逆洗水にマイクロバブル及びミニバブルを混合することで優れた逆洗能力を有することができる。また、本発明に係るろ過器の逆洗方法及び逆洗装置は、逆洗時にろ過器の水位を低下させる必要がなく、ろ過動作から連続して逆洗動作を行うことができる。これにより、高い逆洗能力を有する逆洗を容易に行うことができる。
本発明に係る逆洗装置を備えたろ過システムの概略構成図である。 本発明に係る逆洗装置を備えたろ過システムの他の例を示す図である。 本発明に係る微細気泡生成手段の一例を示す模式断面図である。 微細気泡混合水の逆洗効果を示すグラフである。 エア供給量と逆洗効果の関係を示すグラフである。
本発明に係るろ過器の逆洗方法及び逆洗装置について図面に基づいて説明する。ここで、図1は本発明に係る逆洗装置80を備えたろ過システム100の概略構成図である。尚、ここでは気泡径が概ね1μm〜100μmのものをマイクロバブルと称し、気泡径が概ね100μm〜数mmのものをミニバブルと称する。
先ず、本発明を適用するろ過システム100は、例えば、原水を供給する供給配管20と、この供給配管20に接続され原水に対し周知の凝集剤を添加する凝集剤添加部30と、原水と凝集剤とを混合するラインミキサ等の周知の混合手段15と、凝集剤によって生じた凝集物を捕集するろ過器50と、このろ過器50を通過した濾水を濾水槽16に送る濾水配管22と、本発明に係る逆洗装置80と、を有している。
また、ろ過器50は、周知の濾材の充填により構成された濾層52と、この濾層52を支持する支持層54と、を有している。尚、本例では濾層52を有効径の大きい濾材と有効径の小さい濾材とによる2層で構成した例を示しているが、濾層52の層数には特に限定は無く、単層としても良いし、3層、4層等、何層としても良い。
次に、本発明に係る逆洗装置80の構成を説明する。本発明に係る逆洗装置80は、逆洗水を貯留する逆洗水槽16と、この逆洗水槽16とろ過器50とを繋ぎ逆洗水槽16の逆洗水を支持層54の下方に送出する逆洗配管38と、この逆洗配管38に逆洗水を圧送する逆洗ポンプ34と、ろ過器50のろ過面よりも上方に設けられた排出配管36と、外部からエアを供給するエア供給管42と、逆洗配管38に設けられ外部から供給されるエアをミニバブル及びマイクロバブル化して逆洗水中に混合する微細気泡生成手段60と、を有している。尚、ここでは微細気泡生成手段60にエア供給管42を接続する例を示しているが、エア供給管42の接続位置は特にこれに限定されるものではない。また、逆洗に用いる逆洗水はろ過器50でろ過された濾水を用いるのが一般的である。よって、図1に示すように、逆洗水槽16は濾水槽16が兼ねることが一般的である。
次に、ろ過システム100の動作を簡単に説明する。先ず、井戸や河川等の水源からポンプ等により原水を汲み上げる。汲み上げられた原水は例えば原水槽10等に貯留される。そして、供給配管20の開閉弁20aが開いた状態で供給ポンプ12が動作することで原水槽10の原水が供給配管20を流下しろ過システム100に供給される。次に、ろ過システム100に供給された原水には、凝集剤添加部30によってポリ塩化アルミニウム(PAC)等の周知の凝集剤が添加される。尚、凝集剤の添加前に周知の塩素系殺菌剤等を添加して原水に対する殺菌等を行っても良い。次に、原水と凝集剤とは混合手段15により混合され、これにより、原水中の濁質は凝集剤とともに凝集して凝集物を形成する。そして、この凝集物は原水とともにろ過器50に送出される。このとき、ろ過器50の排出配管36及び逆洗配管38の開閉弁36a、38aは閉状態にあり、濾水配管22の開閉弁22aは開状態にある。
そして、原水中の凝集物は濾層52により捕集され、原水から分離される。そして、凝集物が除去された濾水は支持層54を通過して、濾水配管22を流下し例えば濾水槽16に貯留される。そして、必要に応じて殺菌等のしかるべき処理が施された後、例えば給水配管16a等を介して所定の水需要に給される。
また、ろ過器50の継続使用により、濾層52には捕集物(凝集物)が溜まり濾材間の間隙が閉塞する。これによりろ過器50のろ過抵抗が次第に大きくなり、供給配管20側のろ過器内圧力が上昇する。このろ過器内圧力の上昇は図示しない圧力計がモニタして、内圧が所定の値を超えた場合に逆洗装置80が逆洗動作を行う。
ここで、逆洗装置80の動作の一例を説明する。先ず、圧力計のろ過器内圧力が所定の値を超えると、ろ過システム100は供給ポンプ12を停止するとともに、供給配管20及び濾水配管22の開閉弁20a、22aを閉状態とする。これにより、ろ過器50への原水の供給が止まり、ろ過動作が停止する。次に、逆洗装置80の制御部が排出配管36及び逆洗配管38の開閉弁36a、38aを開状態とし、逆洗ポンプ34を動作させる。これにより、逆洗水槽16(濾水槽16)内の逆洗水が逆洗配管38を流下して微細気泡生成手段60に流入する。また、逆洗装置80はエア供給管42に設けられた開閉弁42aを開状態とする。これにより、エア供給管42から微細気泡生成手段60にエアが供給される。供給されたエアは微細気泡生成手段60によって微細化され、気泡径が概ね100μm〜数mmのミニバブルと気泡径が概ね1μm〜100μmのマイクロバブルとなり逆洗水中に混合する。そして、この微細気泡が混合した逆洗水はろ過器50の支持層54の下方に送出される。
そして、微細気泡が混合した混合水は支持層54を通過して濾層52に到達する。そして、逆洗水及び微細気泡が濾材間の隙間を増大させ濾層52を膨張させるとともに、捕集物を攪乱、剥離する。剥離した捕集物は逆洗水とともに掃流され濾層52から離脱し、ろ過器50の上方の排出配管36から排出される。これにより、濾層52の捕集物は除去され、ろ過器50のろ過能力は回復する。尚、この際、マイクロバブル及びミニバブルは従来の空洗時の気泡よりも小さいため、過剰に濾材を巻き上げることが無い。このため、従来の空洗のようにろ過器50の水位を低下させる必要はない。また、支持層54をろ過砂利で構成した場合でも支持層54を乱すことは無い。
ここで、マイクロバブル及びミニバブルによる逆洗の効果について、マイクロバブルのゼータ電位は負(−)であるのに対し、PACなどの凝集剤により生成される凝集物のゼータ電位は正(+)を示す。このため、マイクロバブルは捕集物(凝集物)に付着しやすく、これにより捕集物の浮力が増大する。また、気泡径が数mmのミニバブルはろ過器50の支持層54を通って濾層52の中を上昇する過程で、一部の気泡が合体してさらに大きな径の気泡になり、濾層52を深部から適度に撹乱し、捕集物の剥離や分散を促進する。さらに、濾層52の濾材粒子濃度の高い固体・水・気泡で構成される層(I層)と、その上部に位置し浮遊する濾材粒子は無く水と気泡で構成される層(II層)の界面では、I層中でミニバブルの一部が合体し径が大きくなった気泡がI層からII層へ移動する際に、I層とII層との界面でジエット流を発生させる。そして、このジエット流によりI層の上層の濾材粒子や捕集物が撹乱されるとともにI層からII層へ放出される。尚、ジエット流で放出された濾材粒子は、重力により再びII層からI層へ戻る。このようにI層の上層部は表面洗浄のように激しく攪乱されるため捕集物の剥離や細分化が生じ、濾層52からの排出がされやすくなる。
尚、微細気泡生成手段60を用い且つミニバブルの量とマイクロバブルの量を容易に制御するためには、図2に示すように例えば逆洗装置80の逆洗ポンプ34よりも上流側に第2のエア供給管40を接続しても良い。そして、この第2のエア供給管40の開閉弁40aを開状態とすることにより、第2のエア供給管40から逆洗配管38にエアが供給され逆洗水と混合する。この逆洗水中のエアは逆洗ポンプ34によって混合され細かな気泡(マイクロバブルなど)となる。そして、この気泡は逆洗水とともに微細気泡生成手段60に流入し、エア供給管42から流入したエアと合わされて微細化されマイクロバブル及びミニバブルとなる。尚、第2のエア供給管40からのエアは逆洗ポンプ34と微細気泡生成手段60との双方で微細化されるためマイクロバブルの比率が多くなる。よって、エア供給管42からのエア流入量、第2のエア供給管40からのエア流入量を調節することで、逆洗水中のマイクロバブルやミニバブルのそれぞれの量をある程度制御することができる。また、逆洗水のみで逆洗を行う場合には、エア供給管42の開閉弁42a及び第2のエア供給管40の開閉弁40aの双方を閉状態とする。
次に、マイクロバブル、ミニバブルの逆洗効果の検証実験を以下のようにして行った。実験はミニバブルとマイクロバブルのそれぞれの量を調節しやすい図2に示す第2のエア供給管40を備えた構成にて行った。なお、微細気泡発生手段60は、図3に示す微細気泡発生器を使用した。ここで、図3に示す微細気泡生成手段60は、エア供給管42が接続し逆洗水中にエアを混合する混合部66と、この混合部66の下流側に設けられた第1のベンチュリー管68aと、この第1のベンチュリー管68aの下流側に設けられたエルボ部69と、このエルボ部69の下流側に設けられた第2のベンチュリー管68bと、を有している。そして、逆洗水中のエアが第1のベンチュリー管68a、第2のベンチュリー管68bを通過する際にこれを減圧して微細化し、ミニバブル及びマイクロバブルを生成する。
(検証実験)
先ず、水道水に濁質としてカオリンを添加し濁度2度の模擬原水を調製した。この模擬原水をろ過速度(原水流量÷ろ過器断面積)が160m/日となるようにろ過器50に対して連続通水を行った。尚、ろ過器50の直径は104mmであり、濾層は0.6mmの珪砂600mmの単層と、1.2mmのアンスラサイト200mm+0.6mmの珪砂400mmの複層の両方で行った。また、支持層54は12mm〜24mmのろ過砂利を75mm、8mm〜12mmのろ過砂利を75mm、4mm〜8mmのろ過砂利を75mm、2mm〜4mmのろ過砂利を75mm、下から順に積層し構成した。また、凝集剤添加部30による凝集剤(PAC)の注入はライン注入とし、添加量は15mg/L〜20mg/Lとした。尚、このろ過器50を通過した濾水の濁度は0.1度であり、十分に濁質の除去された良好な値をとった。そして、ろ過器50のろ過器内圧力が20kPaとなったところで模擬原水の通水を停止し、逆洗を行った。
逆洗は、逆洗水のみ、ミニバブルのみの混合水、マイクロバブルのみの混合水、ミニバブル及びマイクロバブルの混合水、空洗+水逆洗の5条件で逆洗速度0.6m/min(逆洗水量18L/min)にて行った。尚、エア供給管42からのエア供給量は1L/minとし、第2のエア供給管40からのエア供給量は0.5L/minとした。また、空洗+水逆洗の条件では、ろ過器50の水位を低下させた後、エア供給量24L/min(0.8m/min)で空洗を3分間行い、水位を元に戻しながら逆洗水による逆洗を5分間行った。そして、各条件の洗浄効果として濁質の回収率を下記式に基づいて算出した。
回収率(%)=(逆洗排水SS(mg/L)×逆洗排水量(L))/濁質量×100
尚、ここでの濁質量とは、模擬原水の濁質(カオリン)の総量+凝集剤量である。
ここで、図4(a)に単層条件のろ過器50における実験結果を示す。また、図4(b)に複層条件のろ過器50にける実験結果を示す。図4(a)より、単層条件のろ過器50において、ミニバブルのみの混合水、ミニバブル+マイクロバブルの混合水による逆洗は空洗+水逆洗による逆洗条件とほぼ同等の高い回収率を示した。また、マイクロバブルのみの混合水は、他の条件よりは若干劣るものの逆洗水のみの逆洗条件よりは高い回収率を示した。また、図4(b)より、複層条件のろ過器50においても、微細気泡が混合した混合水による逆洗は逆洗水のみの逆洗条件よりも高い回収率を示した。特に、マイクロバブルのみの混合水、ミニバブル+マイクロバブルの混合水による逆洗は空洗+水逆洗による逆洗条件よりも高い回収率を示した。
以上のことから、ミニバブル+マイクロバブルの混合した混合水による逆洗は、逆洗水のみの逆洗(水逆洗)やマイクロバブルのみによる逆洗よりも回収率が高く、優れた逆洗能力を有することがわかる。この優れた逆洗能力は、先ず、気泡径が数mmのミニバブルは空洗の時の気泡よりも上昇速度が小さく、過度に濾層52を攪乱させることなく濾層52を深部より攪乱し、捕集物の剥離や分散を促進することによるものと考えられる。また、前述したように濾材粒子が流動する粒子濃度の高いI層の中において径が大きくなった一部の気泡が、濾材粒子のないII層へ移動するときの異相界面でジェット流となり、このジェット流により濾材粒子や捕集物がII層へ放出され、このうち濾材粒子は自重により再びI層に戻され、これにより流動する濾材粒子の上層の激しい撹乱によって捕集物に剥離や細分化が起き、濾層52からの排出が促進されることによるものと考えられる。
次に、ミニバブル及びマイクロバブル生成のためのエア供給量を変化させて以下の実験を行った。先ず、濁質として水道水にカオリンを添加し濁度5度の模擬原水を調製した。この模擬原水をろ過器50に対しろ過速度が120m/日となるように連続通水を行った。尚、凝集剤添加部30による凝集剤(PAC)の注入はライン注入とし、添加量は5mg/L〜10mg/Lとした。そして、ろ過器内圧力が所定の値となったところで通水を停止し、第2のエア供給管40及びエア供給管42のエア供給量を変化させて逆洗を行い、その回収率を算出した。尚、濾層52は1.2mmのアンスラサイト200mm+0.6mmの珪砂400mmの複層で行った。また、支持層54は先の実験と同様とした。
先ず、ミニバブル+マイクロバブル混合水において、エア供給管42からのエア流入量を1L/minに固定し、エア供給管40からのエア流入量を0.2L/min、0.5L/min、1.0L/min、1.5L/minに変化させたときの回収率のグラフを図5(a)に示す。また、エア供給管42の開閉弁42aを閉状態としたマイクロバブルのみの混合水において、エア供給管40からのエア流入量を0.5L/min、1.0L/min、1.5L/minに変化させたときの回収率のグラフを図5(b)に示す。
図5(a)、図5(b)から、ミニバブル+マイクロバブル混合水及びマイクロバブルのみの混合水による逆洗において、エア供給管40からのエア流入量は1.0L/minのときが最も高い回収率をとることがわかる。これは、エア供給量が少なすぎるとミニバブルの濃度が不足して濾層の攪乱による捕集物の除去能力が低下し、エア供給量が多すぎるとマイクロバブルの径が大きくなり微細なマイクロバブルの量が減少するためと考えられる。そして、図5(a)、図5(b)から回収率85%以上の場合のエア供給量は0.8L/min〜1.3L/minであり、よってマイクロバブル及びミニバブル生成のためのエア供給量は逆洗水量に対し4.4%〜7.2%が好ましいことがわかる。さらに、回収率90%以上の場合のエア供給量は0.9L/min〜1.1L/minであり、よってエア供給量は逆洗水量に対し5.0%〜6.1%とすることが特に好ましいことがわかる。
次に、ミニバブル+マイクロバブル混合水において、エア供給管40からのエア流入量を1.0L/minに固定し、エア供給管42からのエア流入量を0.5L/min、1.0L/min、1.5L/min、2.0L/min、2.5L/minに変化させたときの回収率のグラフを図5(c)に示す。図5(c)から、ミニバブル及びマイクロバブル混合水における逆洗において、エア供給管42からのエア供給量を変化させても回収率に大きな差は認められなかった。よって、ミニバブル+マイクロバブル混合水におけるエア供給管42からのエア供給量は0.5L/min〜2.5L/min、即ち、逆洗水量に対し2.8%〜13.8%とする。尚、ミニバブルのみの混合水におけるエア供給菅42からのエア供給量は1.0L/min〜2.5L/minで逆洗水のみの逆洗よりも高い回収率を示す。よって、ミニバブルのみの混合水におけるエア供給量は逆洗水量に対し5.5%〜13.9%とすることが好ましい。
尚、支持層54をろ過砂利で構成した場合、マイクロバブルはこのろ過砂利を通過する際に合体して気泡径が大きくなり微細なマイクロバブルの濃度が低下する。この点、ろ過砂利に替えて多孔樹脂プレートを支持層54として用いることで微細なマイクロバブルの減少を抑制し、マイクロバブルによる逆洗をより一層効果的に機能させることができる。よって、逆洗水にマイクロバブルを混合する場合には、支持層54に多孔樹脂プレートを用いることが好ましい。尚、多孔樹脂プレートを使用した場合、従来の空洗では気泡の偏りが生じ濾層52の一部のみしか空洗が行えなかったが、マイクロバブル、ミニバブルでは偏りは発生せず、濾層52全体にマイクロバブル、ミニバブルによる効果的な逆洗を行う事ができる。
以上のように、本発明に係るろ過器の逆洗方法及び逆洗装置80は、逆洗水にマイクロバブル、ミニバブルの微細気泡を混合することで優れた逆洗能力を有することができる。また、微細気泡は空洗時の気泡よりも小さいため濾材を過剰に巻き上げることが無い。このため、ろ過器50の水位を低下させる必要がなく、ろ過動作から連続して逆洗動作を行うことができる。これにより、高い逆洗能力を有する逆洗を容易に行うことができる。また、微細気泡は空洗とは異なり支持層54のろ過砂利の成層を乱すことがなく、濾材が流出することも無い。さらに、支持層54に多孔樹脂プレートを用いた場合でも微細気泡の通過位置に偏りが発生せず、濾層52全体に微細気泡による効果的な逆洗を行う事ができる。
さらに、図3に示す本発明に好適な微細気泡生成手段60は既存の逆洗配管38にも容易に設置することができる。さらに第2のエア供給管40を備えた図2の構成では、エア供給管42の開閉弁42a、エア供給管40の開閉弁40aの開閉状態を調節することにより、マイクロバブル及びミニバブルのそれぞれの量を調節し、逆洗水へのマイクロバブル及びミニバブルの混合の割合を変えることができる。また、逆洗水を、逆洗水のみ、ミニバブルのみの混合水、マイクロバブルのみの混合水、ミニバブル+マイクロバブルの混合水の中から容易に選択することができる。
尚、本例で示したろ過システム100、逆洗装置80、ろ過器50、微細気泡生成手段60及び付随設備の構成、配管経路、寸法、ろ過動作、逆洗動作の条件等は一例であるから、適宜必要な設備、装置、工程等を挿入可能な他、本発明は本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更して実施することが可能である。
16 逆洗水槽
34 逆洗ポンプ
36 排出配管
38 逆洗配管
42 エア供給管
42a 開閉弁
50 ろ過器
52 濾層
54 支持層
60 微細気泡生成手段
80 逆洗装置
100 ろ過システム

Claims (2)

  1. 濾材の充填により構成され凝集剤の添加により形成された凝集物を捕集する濾層と、前記濾層を支持するための支持層と、を有するろ過器の逆洗方法であって、
    前記支持層の下方から送水される逆洗水中に気泡径が1μm〜100μmのマイクロバブルと気泡径が100μm〜数mmのミニバブルを混合し、
    前記マイクロバブルは前記凝集物に付着して前記凝集物の浮力を増大させるとともに、気泡径が数mmのミニバブルは前記濾層中を上昇する過程で一部が合体して大きな径の気泡となって前記濾層を撹乱し、さらに前記大きな径の気泡は前記濾層の濾材粒子濃度の高いI層と、その上部に位置し水と気泡で構成されるII層との界面で前記I層からII層へ移動する際にジエット流を発生させ、前記ジエット流によりI層の上層の濾材粒子及び凝集物を撹乱することを特徴とするろ過器の逆洗方法。
  2. 濾材の充填により構成され凝集剤の添加により形成された凝集物を捕集する濾層と、前記濾層を支持するための支持層と、を有するろ過器の逆洗装置であって、
    逆洗水を貯留する逆洗水槽と、
    前記逆洗水槽と前記ろ過器とを繋ぎ、前記逆洗水槽の逆洗水を前記支持層の下方に送出する逆洗配管と、
    前記逆洗配管に逆洗水を圧送する逆洗ポンプと、
    前記ろ過器のろ過面よりも上方に設けられた排出配管と、を有し、
    さらに、前記逆洗配管に設けられ外部から供給されるエアを気泡径が100μm〜数mmのミニバブルと気泡径が1μm〜100μmのマイクロバブル化して逆洗水中に混合する微細気泡生成手段と、前記マイクロバブル及びミニバブルのそれぞれの量を調節するエア流入量調節機構と、を備えたことを特徴とする逆洗装置。
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