JP7420544B2 - ろ過装置およびろ過装置の洗浄方法 - Google Patents
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そして、当該沈殿池のろ過部としては、複数のろ材よりなるろ材層と、ろ材層の上方に配設されてろ材層を構成するろ材の流出を防止する上部スクリーンと、ろ材層の下方に配設されてろ材層を構成するろ材を支持する下部スクリーンとを有し、被処理水をろ材層に上向流で通水させることによりろ過を行うろ過部が用いられている(例えば、特許文献1,2参照)。
(1)リンスの開始からの経過時間が(V1+V2)/Qになる前に水質計の測定値が所定値に到達した場合には、リンスの開始からの経過時間が(V1+V2)/Qになったタイミング
(2)リンスの開始からの経過時間が(V1+V2)/Q以上(V1+V2+V3)/Q以下の間に水質計の測定値が所定値に到達した場合には、水質計の測定値が所定値に到達したタイミング
(3)リンスの開始からの経過時間が(V1+V2+V3)/Qになるまで水質計の測定値が所定値に到達しなかった場合には、リンスの開始からの経過時間が(V1+V2+V3)/Qになったタイミング
上記(1)~(3)の何れかのタイミングであれば、より適切なタイミングでリンスを終了させることができる。
(1)リンス工程の開始からの経過時間が(V1+V2)/Qになる前に測定した透明度または濁度が所定値に到達した場合には、リンス工程の開始からの経過時間が(V1+V2)/Qになったタイミング
(2)リンス工程の開始からの経過時間が(V1+V2)/Q以上(V1+V2+V3)/Q以下の間に測定した透明度または濁度が所定値に到達した場合には、測定した透明度または濁度が所定値に到達したタイミング
(3)リンス工程の開始からの経過時間が(V1+V2+V3)/Qになるまで測定した透明度または濁度が所定値に到達しなかった場合には、リンス工程の開始からの経過時間が(V1+V2+V3)/Qになったタイミング
上記(1)~(3)の何れかのタイミングであれば、より適切なタイミングでリンスを終了させることができる。
以下、本発明のろ過装置の洗浄方法および本発明のろ過装置について、順次説明する。
本発明のろ過装置の洗浄方法は、複数のろ材よりなるろ材層と、ろ材層を洗浄する際に曝気によりろ材層を撹拌するための気体噴出口とを有し、被処理水を上向流でろ過するろ過部を備えるろ過装置を洗浄する際に用いることができる。具体的には、本発明のろ過装置の洗浄方法は、特に限定されることなく、例えば図1に示すようなろ過装置100を洗浄する際に用いることができる。
そして、ろ過部20では、下部から流入した被処理水が、流入部10とろ過部20との水頭差をろ過の推進力として上向流でろ過される。また、ろ過部20のろ材層23は、一定時間毎に、または、予め定めた所定のタイミングで、被処理水を洗浄水として用いて洗浄される。なお、所定のタイミングとしては、特に限定されることなく、例えば、被処理水をろ過して得られる処理水の水質が一定のレベル以下に低下したタイミングや、流入部10とろ過部20との水位差が所定値以上になったタイミングなどが挙げられる。
なお、隔壁21,22は、特に限定されることなく、仕切り板やコンクリート壁を用いて形成することができる。また、図示例では隔壁21,22間にろ過部20が1つのみ設けられている場合を示したが、隔壁21,22間には追加の隔壁によって区画形成された複数のろ過部が設けられていてもよい。
具体的には、気体洗浄工程を終了させるタイミングは、例えば、(i)第2の水位計50で測定したろ過部20の水位が所定の水位以下になったタイミング、または、(ii)第2の水位計50で測定したろ過部20の水位と第1の水位計60で測定した流入部10の水位との差(即ち、水頭差)が所定値以下になったタイミングとすることができる。
このように、ろ過部20の水位またはろ過部20の水位と流入部10の水位との差が所定値以下になり、洗浄中のろ材層23の一次側と二次側との間の差圧が所定の大きさまで低下したタイミングで気体洗浄工程を終了させれば、ろ材層23を適切に洗浄することができる。
具体的には、気体洗浄工程を終了させるタイミングは、例えば、(iii)第2の水位計50で測定したろ過部20の水位が所定の水位以下になり、且つ、水質計70で測定した透明度が所定値以上になったタイミング、または、(iv)第2の水位計50で測定したろ過部20の水位と第1の水位計60で測定した流入部10の水位との差(即ち、水頭差)が所定値以下になり、且つ、水質計70で測定した透明度が所定値以上になったタイミングとすることもできる。
ろ過部20の水位またはろ過部20の水位と流入部10の水位との差は、ろ材層23を撹拌洗浄した際に洗浄水が流通し易い部分(水みち)が局所的に形成された場合にも低下し得る。そのため、ろ過部20の水位またはろ過部20の水位と流入部10の水位との差のみを用いて気体洗浄工程を終了させるタイミングを決定した場合には、十分に洗浄されていない部分がろ材層23に残る虞がある。しかし、ろ過部20の水位またはろ過部20の水位と流入部10の水位との差が所定値以下になり、且つ、水質計70で測定した透明度が所定値以上になった(即ち、洗浄排水が所定の清浄度になった)タイミングで気体洗浄工程を終了させれば、ろ材層23をより適切に洗浄することができる。
また、(iii)および(iv)における透明度の「所定値」は、ろ材層23の所望の洗浄度合いに応じて実験的または理論的に決定することができる。
なお、上記(iii)および(iv)では、水質計70が測定する洗浄排水のパラメータが透明度である場合について説明したが、水質計が測定する洗浄排水のパラメータが濁度である場合には、ろ過部20の水位またはろ過部20の水位と流入部10の水位との差が所定値以下になり、且つ、水質計で測定した濁度が所定値以下になった(即ち、洗浄排水が所定の清浄度になった)タイミングで気体洗浄工程を終了させればよい。そして、濁度の「所定値」は、ろ材層23の所望の洗浄度合いに応じて実験的または理論的に決定することができる。
このように、水質計70で測定した測定値が所定値になり、ろ材層23を通過した水の清浄度が所望のレベルに到達したタイミングでリンス工程を終了させれば、ろ材層23を適切に洗浄することができる。
具体的には、洗浄排水流路としての流路30の体積をV1とし、排水槽40の体積をV2とし、ろ過部20の体積をV3とし、洗浄水として用いる被処理水の流量をQとして、下記(1)~(3)の何れかのタイミングでリンス工程を終了させてもよい。
(1)リンス工程の開始からの経過時間が(V1+V2)/Qになる前に水質計で測定した透明度または濁度が所定値に到達した場合には、リンス工程の開始からの経過時間が(V1+V2)/Qになったタイミング
(2)リンス工程の開始からの経過時間が(V1+V2)/Q以上(V1+V2+V3)/Q以下の間に水質計で測定した透明度または濁度が所定値に到達した場合には、水質計で測定した透明度または濁度が所定値に到達したタイミング
(3)水質計で測定した透明度または濁度がリンス工程の開始からの経過時間が(V1+V2+V3)/Qになるまで所定値に到達しなかった場合には、リンス工程の開始からの経過時間が(V1+V2+V3)/Qになったタイミング
このようにすれば、十分なリンス時間の確保と、リンス時間が過度に長くなることの防止とを両立し、ろ材層23を更に適切に洗浄することができる。
本発明のろ過装置は、複数のろ材よりなるろ材層と、ろ材層を洗浄する際に曝気によりろ材層を撹拌するための気体噴出口とを有し、被処理水を上向流でろ過するろ過部を備え、更に、ろ過部の水位を測定する水位計と、ろ材層を洗浄した際に排出される洗浄排水の透明度または濁度を測定する水質計と、ろ材層を洗浄する際のろ過装置の動作を制御する制御機構とを更に備える。そして、本発明のろ過装置では、制御機構が、気体噴出口からの曝気を終了するタイミングを水位計の測定値を用いて決定すると共に、曝気の終了後にろ材層に洗浄水を流してろ材層をリンスする際にリンスを終了するタイミングを水質計の測定値を用いて決定する。
具体的には、制御機構は、例えば、(i)第2の水位計50で測定したろ過部20の水位が所定の水位以下になったタイミング、または、(ii)第2の水位計50で測定したろ過部20の水位と第1の水位計60で測定した流入部10の水位との差(即ち、水頭差)が所定値以下になったタイミングを曝気を停止するタイミングとして決定する。
このように、ろ過部20の水位またはろ過部20の水位と流入部10の水位との差が所定値以下になり、洗浄中のろ材層23の一次側と二次側との間の差圧が所定の大きさまで低下したタイミングで曝気を終了させれば、ろ材層23を適切に洗浄することができる。
具体的には、制御機構は、例えば、(iii)第2の水位計50で測定したろ過部20の水位が所定の水位以下になり、且つ、水質計70で測定した透明度が所定値以上になったタイミング、または、(iv)第2の水位計50で測定したろ過部20の水位と第1の水位計60で測定した流入部10の水位との差(即ち、水頭差)が所定値以下になり、且つ、水質計70で測定した透明度が所定値以上になったタイミングを曝気を停止するタイミングとして決定してもよい。
ろ過部20の水位またはろ過部20の水位と流入部10の水位との差は、ろ材層23を撹拌洗浄した際に洗浄水が流通し易い部分(水みち)が局所的に形成された場合にも低下し得る。そのため、ろ過部20の水位またはろ過部20の水位と流入部10の水位との差のみを用いて曝気を終了させるタイミングを決定した場合には、十分に洗浄されていない部分がろ材層23に残る虞がある。しかし、ろ過部20の水位またはろ過部20の水位と流入部10の水位との差が所定値以下になり、且つ、水質計70で測定した透明度が所定値以上になった(即ち、洗浄排水が所定の清浄度になった)タイミングで曝気を終了させれば、ろ材層23をより適切に洗浄することができる。
また、(iii)および(iv)における透明度の「所定値」は、ろ材層23の所望の洗浄度合いに応じて実験的または理論的に決定することができる。
なお、上記(iii)および(iv)では、水質計70が測定する洗浄排水のパラメータが透明度である場合について説明したが、水質計が測定する洗浄排水のパラメータが濁度である場合には、ろ過部20の水位またはろ過部20の水位と流入部10の水位との差が所定値以下になり、且つ、水質計で測定した濁度が所定値以下になった(即ち、洗浄排水が所定の清浄度になった)タイミングを曝気を停止するタイミングとして決定すればよい。そして、濁度の「所定値」は、ろ材層23の所望の洗浄度合いに応じて実験的または理論的に決定することができる。
このように、水質計70で測定した測定値が所定値になり、ろ材層23を通過した水の清浄度が所望のレベルに到達したタイミングでリンスを終了させれば、ろ材層23を適切に洗浄することができる。
具体的には、洗浄排水流路としての流路30の体積をV1とし、排水槽40の体積をV2とし、ろ過部20の体積をV3とし、洗浄水として用いる被処理水の流量をQとして、下記(1)~(3)の何れかのタイミングをリンスを終了させるタイミングとして決定してもよい。
(1)リンス工程の開始からの経過時間が(V1+V2)/Qになる前に水質計で測定した透明度または濁度が所定値に到達した場合には、リンス工程の開始からの経過時間が(V1+V2)/Qになったタイミング
(2)リンス工程の開始からの経過時間が(V1+V2)/Q以上(V1+V2+V3)/Q以下の間に水質計で測定した透明度または濁度が所定値に到達した場合には、水質計で測定した透明度または濁度が所定値に到達したタイミング
(3)水質計で測定した透明度または濁度がリンス工程の開始からの経過時間が(V1+V2+V3)/Qになるまで所定値に到達しなかった場合には、リンス工程の開始からの経過時間が(V1+V2+V3)/Qになったタイミング
このようにすれば、十分なリンス時間の確保と、リンス時間が過度に長くなることの防止とを両立し、ろ材層23を更に適切に洗浄することができる。
20 ろ過部
21,22 隔壁
23 ろ材層
24 上部スクリーン
25 曝気管
26 下部スクリーン
27 波立ち防止機構
27A 貫通孔
30 流路
31 ゲート
40 排水槽
41 排水ポンプ
50 第2の水位計
60 第1の水位計
70 水質計
100 ろ過装置
Claims (6)
- 被処理水が流入する流入部と、
複数のろ材よりなるろ材層と、前記ろ材層を洗浄する際に曝気により前記ろ材層を撹拌するための気体噴出口とを有し、前記流入部と下部で連通されて流入した前記被処理水を上向流でろ過するろ過部と、
を備えるろ過装置であって、
前記流入部の水位を測定する第1の水位計と、
前記ろ過部の水位を測定する第2の水位計と、
前記ろ材層を洗浄した際に排出される洗浄排水の透明度または濁度を測定する水質計と、
前記ろ材層を洗浄する際のろ過装置の動作を制御する制御機構と、
前記洗浄排水が流入する排水槽と、
前記ろ過部と前記排水槽とを接続する洗浄排水流路と、
を更に備え、
前記水質計は、前記排水槽内の洗浄排水の透明度または濁度を測定し、
前記制御機構は、前記気体噴出口からの曝気を終了するタイミングを前記第1の水位計の測定値と前記第2の水位計の測定値との差を用いて決定すると共に、曝気の終了後に前記ろ材層に洗浄水を流してろ材層をリンスする際に、リンスを、前記洗浄排水流路の体積V 1 と、前記排水槽の体積V 2 と、前記ろ過部の体積V 3 と、前記洗浄水の流量Qと、前記水質計の測定値とを用いて、下記(1)~(3)の何れかのタイミングで終了させる、ろ過装置。
(1)リンスの開始からの経過時間が(V 1 +V 2 )/Qになる前に水質計の測定値が所定値に到達した場合には、リンスの開始からの経過時間が(V 1 +V 2 )/Qになったタイミング
(2)リンスの開始からの経過時間が(V 1 +V 2 )/Q以上(V 1 +V 2 +V 3 )/Q以下の間に水質計の測定値が所定値に到達した場合には、水質計の測定値が所定値に到達したタイミング
(3)リンスの開始からの経過時間が(V 1 +V 2 +V 3 )/Qになるまで水質計の測定値が所定値に到達しなかった場合には、リンスの開始からの経過時間が(V 1 +V 2 +V 3 )/Qになったタイミング - 前記制御機構は、前記気体噴出口からの曝気を終了するタイミングを、前記第1の水位計の測定値と前記第2の水位計の測定値との差および前記水質計の測定値を用いて決定する、請求項1に記載のろ過装置。
- 前記ろ過部は、前記第2の水位計で水位を測定する部分の水面の波立ちを抑制する波立ち防止機構を備える、請求項1または2に記載のろ過装置。
- 被処理水が流入する流入部、および、複数のろ材よりなるろ材層と、前記ろ材層を洗浄する際に曝気により前記ろ材層を撹拌するための気体噴出口とを有し、前記流入部と下部で連通されて流入した前記被処理水を上向流でろ過するろ過部を備えるろ過装置の洗浄方法であって、
洗浄水を上向流で流しつつ前記気体噴出口から気体を噴き込んで前記ろ材層を構成するろ材を撹拌および洗浄する気体洗浄工程と、
前記気体洗浄工程の後に、前記ろ材層に洗浄水を流してろ材層をリンスするリンス工程と、
を含み、
前記気体洗浄工程を終了するタイミングを、前記流入部の水位と前記ろ過部の水位との差を用いて決定し、
前記リンス工程を終了するタイミングを、前記ろ材層をリンスした際に排出される洗浄排水の透明度または濁度を用いて決定し、
前記ろ過装置は、前記洗浄排水が流入する排水槽と、前記ろ過部と前記排水槽とを接続する洗浄排水流路とを更に備え、
前記透明度または濁度を測定される洗浄排水が前記排水槽内の洗浄排水であり、
前記洗浄排水流路の体積V 1 と、前記排水槽の体積V 2 と、前記ろ過部の体積V 3 と、前記洗浄水の流量Qと、前記ろ材層をリンスした際に排出される洗浄排水の透明度または濁度とを用いて、下記(1)~(3)の何れかのタイミングで前記リンスを終了させる、ろ過装置の洗浄方法。
(1)リンス工程の開始からの経過時間が(V 1 +V 2 )/Qになる前に測定した透明度または濁度が所定値に到達した場合には、リンス工程の開始からの経過時間が(V 1 +V 2 )/Qになったタイミング
(2)リンス工程の開始からの経過時間が(V 1 +V 2 )/Q以上(V 1 +V 2 +V 3 )/Q以下の間に測定した透明度または濁度が所定値に到達した場合には、測定した透明度または濁度が所定値に到達したタイミング
(3)リンス工程の開始からの経過時間が(V 1 +V 2 +V 3 )/Qになるまで測定した透明度または濁度が所定値に到達しなかった場合には、リンス工程の開始からの経過時間が(V 1 +V 2 +V 3 )/Qになったタイミング - 前記気体洗浄工程を終了するタイミングを、前記流入部の水位と前記ろ過部の水位との差と、前記気体洗浄工程で排出される洗浄排水の透明度または濁度とを用いて決定する、請求項4に記載のろ過装置の洗浄方法。
- 前記ろ過部は、水位を測定する部分に水面の波立ちを抑制する波立ち防止機構を備える、請求項4または5に記載のろ過装置の洗浄方法。
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