JP4455735B2 - 凝集沈殿装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、凝集沈殿装置に関し、更に詳細には、接触材集積層の洗浄間隔を長くすると共に排泥に際して処理液の水質を低下させないようにした凝集沈殿装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
公共下水及び工場排水の排水等を河川、海等に排水する際には、排水を基準の水質レベルまで水処理して排水することが必要である。
このような公共下水及び工場排水等の排水の水処理装置として、凝集沈殿性能及び濾過性能が高く、しかも運転が容易である等の理由から、いわゆる上昇流式凝集沈殿装置が、多数、採用されている。
上昇流式凝集沈殿装置は、原水(排水を含めて処理する被処理水を原水と言う)に凝集剤を添加する添加手段と、添加手段の下流に設けられ、空隙率の大きな小片接触材を堆積させてなる接触材集積層を有し、接触材集積層内を上向流で原水を流して、原水中の懸濁物を凝集、沈殿させる凝集沈殿手段とから構成されている。
【0003】
ところで、発電所からの排水、或いは各種産業プラント等からの排水は、排水に含まれる懸濁物の凝集性が悪いので、排水中の懸濁物の凝集性、沈殿性を高めて処理を容易にするために、凝集剤として、無機凝集剤に加えて有機高分子凝集剤を併用して原水に添加している。
ここで、図から図を参照して、無機凝集剤と有機高分子凝集剤とを併用している、従来の上昇流式凝集沈殿装置の構成及び運転方法を説明する。図は従来の上昇流式凝集沈殿装置の構成を示すフローシート、図は凝集沈殿槽の構成を示す模式図、及び図は接触材の構成を示す斜視図である。
従来の上昇流式凝集沈殿装置10は、図に示すように、原水槽12と、原水槽12から原水を汲み出し、送水する原水ポンプ14と、2系列の凝集剤添加装置16A及び16Bと、2個の直列に接続配置された薬品混和槽18A及び18Bと、凝集沈殿槽20とを備えている。
【0004】
原水ポンプ14の吐出側に接続された原水供給管22には、原水の濁度を測定する濁度計24が設けてある。
凝集剤添加装置16Aは、ポリ塩化アルミニウム(PAC)等の無機凝集剤を収容する無機凝集剤槽26Aと、濁度計24の下流の原水供給管22に無機凝集剤槽26Aから無機凝集剤を注入する凝集剤ポンプ28Aとを備えて、無機凝集剤を原水に注入する。
凝集剤混和槽18Aは、攪拌機29Aを備えた容器であって、無機凝集剤が注入された原水を一時的に滞留させ、攪拌機29Aにより原水を攪拌して、原水と無機凝集剤とを急速混和する。
【0005】
凝集剤添加装置16Bは、ポリアクリル酸塩等の有機高分子凝集剤を収容する有機凝集剤槽26Bと、有機凝集剤槽26Bから有機凝集剤を汲み出し、凝集剤混和槽18Bに注入する凝集剤ポンプ28Bとを備え、所定量の有機凝集剤を原水に注入する。
凝集剤混和槽18Bは、攪拌機29Bを備え、凝集剤混和槽18Aの下流に設置された容器であって、無機凝集剤が混和された原水と有機高分子凝集剤とを緩速混和した後に、流入管30を介して原水を凝集沈殿槽20に流入させる。
【0006】
凝集沈殿槽20は、原水中の懸濁物が凝集剤によってフロック化した凝集フロックを凝集、濾過、分離する槽であって、図に示すように、下から上に、順次、区画された原水の流入ゾーン32、接触材集積ゾーン34、及び集水ゾーン36から構成されている。
【0007】
接触材集積ゾーン34は、ゾーンの上部及び下部に設けられた網目状、目板状等の多孔性隔板である流出防止板38、40で区画され、その間の領域に、空隙率の大きな小片接触材、例えば、図に示すような短尺チューブ形状の比較的比重の小さいプラスチック製小片接触材42を多数収容している。
原水の通水時には、接触材42は原水の上向流により浮上し、上部流出防止板38の下に堆積して接触材集積層44を形成する一方、接触材集積層44と流出防止板40との間には接触材42が存在しない流水領域部45が形成される。
【0008】
集水ゾーン36は、接触材集積ゾーン34を流過して処理された処理水を集水する領域であって、接触材集積ゾーン34の流出防止板38の直ぐ上に設けられた集水部46と、集水部46の上端から溢流する処理水を集める集水トラフ48と、集水トラフ48に接続されて、処理水を流出させる流出管50とから構成され、処理水を処理水槽52(図参照)に送水する。
【0009】
流入ゾーン32には、薬品混和槽18Bから出た原水が流入管30を介して流入する。
流入管30は、流入ゾーン32の中央に貫入して下向きの開口を先端に備えている。流入管30の開口の下方には、下向きに流入した原水の向きを上方に変えるために、傘を逆にした形状の変流板54が設けてある。また、流入管30には、アルカリ剤注入管56が接続され、必要に応じてアルカリ溶液を注入して原水のpHを調整するようになっている。
【0010】
流入ゾーン32の底部、即ち変流板54の下方は、汚泥を堆積するために逆円錐状の汚泥貯留ゾーン58になっていて、汚泥を排出する排泥管60がその最下部に接続されている。
また、流入ゾーン32の上部には、上方に向け空気を噴射する空気ノズルを多数備えた空気供給管62が設けられ、空気ブロア64で送入された空気を噴出して、接触材集積ゾーン34の接触材42を攪拌洗浄するようになっている。
【0011】
凝集沈殿槽20では、凝集剤が添加された原水が、先ず、流入ゾーン32に流入する。流入ゾーン32では、原水中の懸濁物が凝集して形成されたフロックのうち比較的大きなフロックが、先ず、沈降分離する。
次いで、原水は接触材集積ゾーン34に流入する。そこでは、原水中の残りの微小フロックが、接触材外表面及び接触材内表面に付着したり、あるいは接触材42同士の間隙に捕捉されたりして、分離される。
一方、原水は、接触材42の空隙、或いは接触材42と接触材42との間を流れて、空隙内或いは接触材間に形成されたフロック層により濾過されると共に、原水中の微小フロックがフロック層に捕捉される。
【0012】
接触材42に付着した、あるいは接触材42間に捕捉されたフロックは、後続する微小フロックとの接触等によって徐々に成長し、フロック径が大きくなる。そして、原水の上昇流速より沈降速度が大きいフロックが形成されるにつれて、このフロックが、原水の流れによって接触材42から剥離し、更には原水の流れに逆らって沈降して、汚泥貯留ゾーン58に堆積する。
このように、原水中の懸濁物は、懸濁物フロックの凝集作用、原水に対する濾過作用、フロックの分離及び沈殿作用等により、原水から分離され、汚泥貯留ゾーン58に沈殿する。一方、原水は、処理水となって上部の集水ゾーン36から処理水槽52に流出する。
【0013】
本上昇流式凝集沈殿装置は、粗大化した凝集フロックの密度が高く、大きな沈降速度を有することから、原水の高速処理が可能になるので、設備がコンパクトになって、設備面積が小さくなり、しかも薬品使用量も少なく、発生汚泥の処理処分が容易であると評価されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、凝集剤として無機凝集剤と有機高分子凝集剤とを併用して、排水を凝集沈殿処理する凝集沈殿装置では、懸濁物の凝集、沈殿により汚泥貯留ゾーン58に堆積する汚泥量が、上水の凝集沈殿処理に比べて、著しく多く、従って、懸濁物が堆積して形成する懸濁物堆積層、或いは汚泥層の成長が速い。
懸濁物が汚泥貯留ゾーン58に堆積し続け、懸濁物堆積層が流出防止板40を越えて接触材集積層44にまで到達すると、懸濁物堆積層から脱離した多量のフロックが、接触材集積層44内に進入するようになる。その結果、接触材集積層44の凝集沈殿濾過作用が著しく減退する。
【0015】
換言すれば、堆積した懸濁物堆積層を放置すると、接触材集積層の機能は、堆積した懸濁物と接触材との接触により減退する。そこで、接触材集積層の機能を回復するために、接触材集積層の洗浄操作が度々必要になり、洗浄操作と洗浄操作との洗浄間隔が短くなる結果、通水運転時間が短くなる。つまり、接触材集積層の濁質捕捉限界容量に到達するまでの時間が、著しく短くなる。
従って、凝集沈殿槽の接触材集積層の洗浄間隔を長く、つまり通水運転時間を長くするためには、懸濁物堆積層が接触材集積層に到達する前に、堆積した懸濁物、すなわち、汚泥を排泥することが必要である。
このような理由から、汚泥貯留ゾーンに堆積した懸濁物を排泥管から頻繁に排泥することが必要になる。しかも、凝集沈殿装置の処理効率を維持するためには、原水の通水中に排泥することが必要である。
しかし、従来の凝集沈殿装置では、堆積懸濁物を原水の通水中に排泥すると、懸濁物の排泥が終了した際に、処理水の水質が一時的に著しく低下するという問題があった。
【0016】
そこで、本発明の目的は、原水を通水しつつ排泥する際に、処理水の水質が低下しないような構成を備えた凝集沈殿装置を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、堆積した懸濁物を原水の通水中に排泥すると、懸濁物の排泥が終了した際に処理水の水質が一時的に低下する理由を研究した結果、次のことが判った。
凝集沈殿槽の大きさ、原水の導水流量、排泥管の管径等にもよるが、排泥する際、排泥の流速、或いは排泥流量が小さいと、排泥管が閉塞する恐れがあるので、速い流速、或いは大きな流量で排泥する必要がある。そのために、排泥流量は、通常、原水の導水流量より大きい。
従って、原水の通水中に排泥を行うと、原水の導水流量と排泥流量との差に相当する流量が不足して、凝集沈殿槽20の水位が低下する。その結果、水切れが接触材集積層44の上部で生じ、水の浮力により流出防止板38に押しつけられていた接触材集積層44は、水位の低下に伴い、それ自体が槽内を下降し始める。
【0018】
このような接触材集積層44の下降現象が、一旦、生じると、排泥の終了により、凝集沈殿槽20内の水位が、再び、上昇して、処理水が集水部46からオーバーフローするようになっても、接触材集積層44による凝集沈殿作用が完全には機能せず、処理水の水質が一時的に悪化することが多い。
それは、充填材堆積層44の内部に捕捉されていた凝集フロックは、水切れによって接触材集積層44が下降すると共に破砕され、微細化してしまうために、排泥の終了後、水位が再び上昇して、水と接するようになった時に、微細化したフロックは、処理水に同伴して接触材集積層44を通過し、集水部46にリークしてしまうからである。
【0019】
そこで、本発明者は、原水の通水中でも、処理水の水質の低下を引き起こすことなく排泥ができるようにするためには、凝集沈殿槽20内の水位を低下させないようにすることが必要であると考え、実験の末に、本発明を発明するに到った。
【0020】
上記目的を達成するために、上述の知見に基づいて、本発明に係る凝集沈殿装置は、被処理液に凝集剤を添加する添加手段と、添加手段の下流に設けられ、被処理液中の懸濁物を凝集、沈殿させる凝集沈殿槽とを有して、被処理液より濁度の低い処理液を流出させる装置であって、
前記凝集沈殿槽は、内部を上下に区画した多孔性隔板と、前記多孔性隔板より上の槽上部に設けられた、空隙率の大きな小片接触材を堆積させてなる接触材集積層と、前記多孔性隔板より下の槽下部に設けられた、沈殿する懸濁物を堆積させる汚泥貯留ゾーンとを有し、
前記凝集沈殿槽には、前記添加手段により凝集剤を添加した被処理液を前記多孔性隔板より下の領域から前記接触材集積層内に上向流で流入させる流入管と、前記接触材集積層を流過して処理された処理水を流出させる流出管と、前記汚泥貯留ゾーンから堆積した懸濁物を汚泥として排出する排泥管とが連結された、凝集沈殿装置において、
接触材集積層の下で汚泥貯留ゾーン上の領域に連結され、排泥流量以上の流量で処理液又は被処理液を槽外から凝集沈殿槽内に導入する導入管と、
前記導入管に設けられた第1の自動開閉弁と、
前記排泥管に設けられた第2の自動開閉弁と、
前記凝集沈殿槽内における懸濁物の堆積層と被処理液との界面を検出する界面計と、
前記第1及び第2の自動開閉弁の開閉を前記界面計の界面検出と連動させて制御する制御装置とを備え、
排泥時には、流入管から被処理液を凝集沈殿槽に導水しつつ、かつ前記制御装置の制御により、導入管から処理液又は被処理液を凝集沈殿槽に導入しながら、排泥管から汚泥を排出することを特徴としている。
【0021】
発明では、処理液又は被処理液の導入位置は、好適には、接触材集積層の下で隔板上の槽上部である。導入管は、被処理液又は処理液を所定の流量で供給できる限り、その構成には制約はない。例えば、導入管として、凝集沈殿槽の槽壁を貫通して多孔性隔板上に臨む開口を一端に備え、他端が槽外の処理液タンクから処理液を汲み出す処理液ポンプの吐出側に接続された管体を設ける。処理液ポンプに代えて、水頭差を利用した重力式でも良いが、圧力損失を小さくするために導入管の断面積を大きくすることが必要である。
導入する処理液又は被処理液の流量は、排泥流量よりも大きくする。排泥量は排泥管の距離、管路形状、管摩擦係数等によって規定される量である。また、「排泥流量の体積流速」と「排泥中でない通常運転時の原水流量の体積流速」の和よりも小さいことが好ましい。
尚、処理液の代わりに、工業用水や水道水を用いても良いが、コスト的な面から処理液又は被処理液を用いるのが好ましい。
【0022】
本発明では、導入管から槽内に導入する処理液又は被処理液の導入流量が、排泥排出管から排出する汚泥流量以上の流量であるから、凝集沈殿槽内の水位は、排泥中も低下するようなことは生じない。
【0023】
汚泥の抜き出し方式は、堆積した懸濁物を汚泥貯留ゾーンから汚泥として連続的に排泥する連続方式でもよいが、断続的に抜き出す断続抜き出し方式とするのが好ましい。
凝集、沈降して塊状に堆積した汚泥状の懸濁物は、懸濁物の性状、排泥管の管径、形状、管面の摩擦係数等に依存するものの、流速が遅いと、排泥管に沈積して閉塞する恐れがある。従って、常時、少量ずつ排出する連続方式は、あまり好ましくない。
【0024】
そこで、本発明では、凝集沈殿槽内における懸濁物の堆積層と被処理液との界面を検出する界面計と、導入管に設けられた第1の自動開閉弁と、排泥管に設けられた第2の自動開閉弁と、第1及び第2の自動開閉弁の開閉を界面計の界面検出と連動させて制御する制御装置とを備えている。
【0025】
発明では、懸濁物堆積層と被処理液との界面(いわゆる、汚泥界面)が所定の上限位置に上昇したことを界面計によって検出し、その旨の界面計の出力信号によって制御装置は、第1及び第2の自動開閉弁を開放して、導入管から処理液又は被処理液を導入しながら排泥する。
次いで、汚泥界面が所定の下限位置に下降したことを界面計によって検出し、その旨の界面計の出力信号によって制御装置は、第1及び第2の自動開閉弁を閉止し、処理液又は被処理液の導入及び排泥を停止する。
【0026】
また、別法として、制御装置が、第1及び第2の自動開閉弁を開放した後、タイマで経過時間を計時し、所定時間の後に、制御装置が第1及び第2の自動開閉弁を閉止するようにしても良い。
本実施態様では、排泥弁の開閉動作を界面計の界面検出に連動して調節する制御装置を備えることにより、汚泥界面を所定範囲内に維持することができる。これにより、懸濁物堆積層から分離したフロックが接触材集積層に進入するのを確実に阻止することができる。
【0027】
界面計は、懸濁物堆積層と被処理液との界面(汚泥界面)を検出することができる限り、その構成に制約はない。例えば懸濁物堆積層及びその上の被処理液に光を入射させ、それぞれの透過光の光量を測定して、透過光の光量の大きい測定領域を被処理液とすることにより、懸濁物堆積層と被処理液との界面を検出するようにした光学的界面計を使用することができる。
また、超音波を利用した界面計、粘度測定を利用した界面計等を使用しても良い。
【0032】
発明で、上限位置は、懸濁物堆積層が特定した位置より更に上に上昇すると、処理液の水質が低下するという特定の位置より下方の位置に設定されている。また、下限位置は、懸濁物堆積層が特定した位置より更に下に下降すると、懸濁物よりは寧ろ原水が排出されるという特定の位置より上方の位置に設定されている。
発明では、凝集沈殿槽内に堆積する懸濁物の量が多く、頻繁に抜き出す必要があるような場合であっても、排泥流量に見合う処理液又は被処理液を凝集沈殿槽内に導入して、凝集沈殿槽内の水位が低下しないようにすることにより、従来の凝集沈殿装置に比べて、凝集沈殿槽に設けた接触材集積層の洗浄間隔を長くし、しかも液質の高い処理液を長時間にわたり安定して流出させると共に、発生する汚泥を引き抜く際にも処理液の液質が低下しないようにしている。
【0033】
本発明の凝集沈殿装置で処理できる被処理液は、その液源、液質に制約はない。特に、凝集性が悪く、無機および有機高分子凝集剤を比較的大量に添加する必要があるために、発生する汚泥量が多い排水、例えば、発電所総合排水等の無機成分濃度の比較的高い排水を処理する際に、大きな効果を発揮する。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下に、実施形態例を挙げ、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に説明する。尚、本発明は下記実施形態例に限定されるものではない。
実施形態例
本実施形態例は、発明に係る凝集沈殿装置の実施形態の一例である。図1は本実施形態例の凝集沈殿装置の要部、即ち凝集沈殿槽の構成を示す模式図である。
本実施形態例の凝集沈殿装置は、排泥の際に凝集沈殿槽内の水位が低下しないようにした水位維持/排泥機構68を凝集沈殿槽70に設けたことを除いて、図に示す従来の凝集沈殿装置と同じ構成を備えている。
水位維持/排泥機構68は、図1に示すように、処理水導入管72と、処理水導入管72に設けられた第1の自動開閉弁74と、処理水槽52から処理水を汲み出して処理水導入管72を介して凝集沈殿槽70に供給する処理水ポンプ76と、界面計78と、排泥管60に設けられた第2の自動開閉弁80と、第1及び第2の自動開閉弁74、80の開閉動作及び処理水ポンプ76の起動・停止を制御する制御装置82とから構成されている。
【0035】
処理水導入管72は、凝集沈殿槽70の下部流出防止板40上で接触材集積層44の下方に開口を有する管体である。処理水ポンプ76は、排泥管60から流出する排泥流量と同じ流量の処理水を処理水導入管72から槽内に導入する。
界面計78は、懸濁物堆積層と原水との界面が、所定の上限位置HL及び所定の下限位置LLに到達したことを、それぞれ、検出し、その旨の信号を制御装置82に出力するレベルスイッチ形式の界面計である。
上限位置HLは、懸濁物堆積層が特定した位置より更に上に上昇すると、処理水の水質が低下するという特定の位置より下方の位置に設定されている。また、下限位置LLは、懸濁物堆積層が特定した位置より更に下に下降すると、懸濁物よりは寧ろ原水が排出されるという特定の位置より上方の位置に設定されている。
界面計78として、例えばセントラル科学(株)の濁度計、(株)ノーケンのモデル名OX100形の光式界面計等を使用することができる。
【0036】
界面計78が懸濁物堆積層と原水との界面が上限位置HLに上昇したことを検出し、その旨の信号を制御装置82に出力すると、制御装置82は、処理水ポンプ76を起動し、第1及び第2の自動開閉弁74、80を開放する。
次いで、汚泥が排泥管60から排出され、界面計78が界面が下限位置LLに下降したことを検出し、その旨の信号を制御装置82に出力すると、制御装置82は、第1及び第2の自動開閉弁74、80を閉止し、処理水ポンプ76を停止する。
【0037】
本実施形態例の凝集沈殿槽70では、原水の通水中に、堆積した懸濁物は、汚泥として自動的に排泥される。即ち、原水の通水開始と共に、原水中の懸濁物が、凝集、沈殿して、汚泥貯留ゾーン58に堆積し始める。時間の経過と共に、懸濁物堆積層は、汚泥貯留ゾーン58に充満し、更に下部流出防止板40を越えて、上限位置HLに達する。
界面計78が懸濁物堆積層と原水との界面が上限位置HLに上昇したことを検出すると、その旨の信号を制御装置82に出力し、制御装置82は、処理水ポンプ76を起動し、第1及び第2の自動開閉弁74、80を開放する。これにより、堆積した懸濁物は、汚泥として排泥管60から排出され始める。
【0038】
汚泥の排出と共に、懸濁物堆積層と原水との界面は下降し、下限位置LLに達する。界面が下限位置LLに下降したことを界面計78が検出すると、その旨の信号を制御装置82に出力し、制御装置82は、処理水ポンプ76を停止し、第1及び第2の自動開閉弁74、80を閉止する。これにより、排泥は停止される。
本実施形態例の凝集沈殿槽70では、上述した水位維持/排泥機構68によって、排泥流量と同じ流量の処理水が処理水ポンプ76によって導入されるので、凝集沈殿槽70内の水位が低下することもなく、また、懸濁物堆積層と原水との界面は、界面計78の監視によって、上限位置HLと下限位置LLとの範囲内に維持されつつ、排泥が自動的に行われる。
【0046】
【発明の効果】
発明によれば、接触材集積層の下で汚泥貯留ゾーン上の領域に、排泥流量以上の流量で処理液又は被処理液を槽外から導入する導入管を備え、排泥時には、被処理液を凝集沈殿槽に導水しつつ、かつ導入管から処理液又は被処理液を導入しながら排泥管から汚泥を排出することにより、凝集沈殿槽内の水位が低下するようなことが生じない。よって、排泥が終了した時点で、従来のように処理液の液質が低下するようなことが生じない
本発明に係る凝集沈殿装置を適用することにより、汚泥を抜き出す際にも処理水の水質を悪化させることなく被処理液の導入を継続することができ、また、接触材集積層の洗浄間隔を長くし、長時間にわたり安定して液質の高い処理液を流出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態例の凝集沈殿槽の構成を示す模式図である。
【図2】 従来の上昇流式凝集沈殿装置の構成を示すフローシートである。
【図3】 凝集沈殿槽の構成を示す模式図である。
【図4】 接触材の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 従来の上昇流式凝集沈殿装置
12 原水槽
14 原水ポンプ
16A、B 凝集剤添加装置
18A、B 薬品混和槽
20 凝集沈殿槽
22 原水供給管
24 濁度計
26A、B 凝集剤槽
28A、B 凝集剤ポンプ
29A、B 攪拌機
30 流入管
32 流入ゾーン
34 接触材集積ゾーン
36 集水ゾーン
38、40 流出防止板
42 小片接触材
44 接触材集積層
45 流水領域部
46 集水部
48 集水トラフ
50 流出管
52 処理水槽
54 変流板
56 アルカリ剤注入管
58 汚泥貯留ゾーン
60 排泥管
62 空気供給管
64 空気ブロア
68 水位維持/排泥機構
70 実施形態例1の凝集沈殿槽
72 処理水導入管
74 第1の自動開閉弁
76 処理水ポンプ
78 界面計
80 第2の自動開閉弁
82 制御装

Claims (1)

  1. 被処理液に凝集剤を添加する添加手段と、添加手段の下流に設けられ、被処理液中の懸濁物を凝集、沈殿させる凝集沈殿槽とを有して、被処理液より濁度の低い処理液を流出させる装置であって、
    前記凝集沈殿槽は、内部を上下に区画した多孔性隔板と、前記多孔性隔板より上の槽上部に設けられた、空隙率の大きな小片接触材を堆積させてなる接触材集積層と、前記多孔性隔板より下の槽下部に設けられた、沈殿する懸濁物を堆積させる汚泥貯留ゾーンとを有し、
    前記凝集沈殿槽には、前記添加手段により凝集剤を添加した被処理液を前記多孔性隔板より下の領域から前記接触材集積層内に上向流で流入させる流入管と、前記接触材集積層を流過して処理された処理水を流出させる流出管と、前記汚泥貯留ゾーンから堆積した懸濁物を汚泥として排出する排泥管とが連結された、凝集沈殿装置において、
    接触材集積層の下で汚泥貯留ゾーン上の領域に連結され、排泥流量以上の流量で処理液又は被処理液を槽外から凝集沈殿槽内に導入する導入管と、
    前記導入管に設けられた第1の自動開閉弁と、
    前記排泥管に設けられた第2の自動開閉弁と、
    前記凝集沈殿槽内における懸濁物の堆積層と被処理液との界面を検出する界面計と、
    前記第1及び第2の自動開閉弁の開閉を前記界面計の界面検出と連動させて制御する制御装置とを備え、
    排泥時には、流入管から被処理液を凝集沈殿槽に導水しつつ、かつ前記制御装置の制御により、導入管から処理液又は被処理液を凝集沈殿槽に導入しながら、排泥管から汚泥を排出することを特徴とする凝集沈殿装置。
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