JP3899792B2 - 廃水処理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、工場廃水などを浄化する廃水処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
工場廃水などを浄化する廃水処理システムにおける流量制御では、従来、廃水処理部分の出口側に流量計を設置すると共に、入口側にも流量計を設置して、各流量計から得られた流量値を基に流量制御を行っていた。こうした流量計としては、汎用の水道メータが代用されたり、電磁流量計などが用いられたりしていた。
【0003】
しかし、流量計として水道メータを用いる場合、特に入口側で、水道メータ内部の流量検出用羽根車が常に廃水と接触し、この羽根車に汚れが付着しやすくなっており、汚れで水道メータ内部に詰まりを生じて流量検出ができなくなる場合もあるという問題を有していた。加えて、廃水中に固形物が含まれている場合には、固形物が羽根車に引っかかるため使用不可能であった。
【0004】
一方、流量計として電磁流量計を用いる場合、水道メータの羽根車のような内部への突出部分がないため、汚れによる詰まりはほとんど生じないが、水道メータに比べ大変高価であり、且つ入口側と出口側に二台設置されることでシステム全体のコストが高くなってしまうという問題を有していた。また、時間経過に伴う汚れの付着・堆積や経年変化で測定誤差が生じ、廃水の流量を正しく出力できなくなるという問題も有していた。さらに、廃水中に固形物が含まれている場合には、その通過に支障がない大きめの内径を有するものを用いなければならないため、より一層のコストアップを招いていた。
【0005】
こうした問題を解消するため、近年、廃水処理システムにおける新たな流量制御技術が提案されている。その一例が特開2000−167580号公報に開示されており、これを図10に示す。図10は従来の廃水処理システムの説明図である。
前記図10に示す従来の廃水処理システム100は、下水管路から流入する廃水を原水として一時貯留する原水ピット101と、原水を浄化処理する浄化処理装置105と、原水ピット101に流入した原水を浄化処理装置105に供給するポンプP1、P1′と、浄化処理装置105で浄化処理されて放流される処理水の放流量を検出して出力する出口側流量計112と、この出口側流量計112の出力を受けて放流した処理水の放流量を集計すると共に、原水を浄化処理装置105に供給するポンプP1、P1′の稼働時間が入力される演算器109とを備える構成である。
【0006】
上記した従来の廃水処理システム100では、出口側流量計112で検出される処理水の放流量とポンプP1、P1′の稼働時間とから、演算器109で浄化処理装置105に供給する原水の供給量を求めることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の廃水処理システムは以上のように構成されていたことから、出口側流量計112のみで処理水の放流量を検出して流量制御を行い、入口側流量計を不要として信頼性向上及びコストダウンを図れたが、出口側には依然として水道メータや電磁流量計などの流量計を用いており、処理水に残る汚れで流量計における詰りや測定誤差の発生などの危険性があり、時間経過に伴う信頼性の低下は免れないという課題を有していた。また、出口側流量計112として電磁流量計を用いる場合、一台でも依然高価であり、システム全体のコストを高くしてしまうという課題を有していた。
【0008】
さらに、従来の廃水処理システムにおける流量制御においては、浄化処理装置105の前段側及び後段側に流量制御用の弁がないため、浄化処理装置105への原水の供給量や浄化処理装置105からの処理水の放流量をそれぞれ増減調整して浄化処理装置105へ原水を連続的に流通させることができず、浄化処理装置105での原水の流通が断続的となり、浄化処理装置105に濾過部分がある場合には、濾材に対し原水が断続的に供給されて濾過処理のピークが度々生じることとなり、濾材に加わる負荷が大きく、濾材の目詰りが短期間に進行してしまい、保守コストが増大するという課題を有していた。
【0009】
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、簡略且つ低コストの測定機構を用いて長期にわたり流量を正確に測定でき、効率よく確実に流量制御を行うことが可能な廃水処理システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る廃水処理システムは、所定の廃水を原水として所定の原水槽に取水し、当該原水槽から原水を処理槽へ供給し、原水の流量を調整しつつ前記処理槽で原水を浄化処理して処理水を得る廃水処理システムにおいて、前記処理槽の所定箇所における水位が所定の上限水位に達したことを検出する上限レベルセンサと、前記処理槽の前記所定箇所における水位が所定の下限水位に達したことを検出する下限レベルセンサと、前記原水槽と処理槽との間に配設され、処理槽への原水の供給量を調整する入口開閉弁と、前記処理槽より処理水排出側に配設され、処理槽からの処理水の排出量を調整する出口開閉弁とを備え、前記下限レベルセンサが下限水位を検出してから、一旦前記処理槽からの処理水排出を停止した状態で前記上限レベルセンサが上限水位を検出するまでの前記処理槽における水位変化の経過時間を計測し、当該経過時間及び下限水位から上限水位までの貯留水量を用いて単位時間あたりの流量を求め、得られた流量値に基づいて前記入口開閉弁及び/又は出口開閉弁の開度を調整し、処理槽における原水の流量制御を行うものである。
【0011】
このように本発明においては、原水の浄化処理を行う処理槽の水位が所定の上限水位に達したことを検出する上限レベルセンサ、及び、処理槽の水位が所定の下限水位に達したことを検出する下限レベルセンサをそれぞれ配設すると共に、処理槽に対し入口開閉弁及び出口開閉弁を配設し、下限レベルセンサで下限水位が検出されると一旦処理槽からの処理水排出を停止する一方、下限レベルセンサが下限水位を検出してから上限レベルセンサが上限水位を検出するまでの経過時間を取得し、単位時間あたりの流量を演算して、この流量値に基づいて入口開閉弁及び/又は出口開閉弁の開度を調整して流量制御を行うことにより、処理槽の入口側及び出口側に流量計を用いずに流量制御を行えることとなり、流量制御に関して低コスト化できることに加えて、汚水による詰まり等も無く流量制御が行え、浄化処理の信頼性を著しく向上させられる。また、流量調整で原水供給量と処理水排出量をバランスさせて処理槽に原水を連続的に流通させられることにより、処理槽に濾過部分がある場合に、濾材に対し原水が連続的に供給されて濾過処理の負荷が平坦化することとなり、濾材の目詰りが進行しにくく、保守コストを低減できる。
【0012】
また、本発明に係る廃水処理システムは、所定の廃水を原水として所定の原水槽に取水し、当該原水槽から原水を処理槽へ供給し、原水の流量を調整しつつ前記処理槽で原水を浄化処理して処理水を得る廃水処理システムにおいて、前記処理槽の所定箇所における水位が所定の上限水位に達したことを検出する上限レベルセンサと、前記処理槽の前記所定箇所における水位が所定の下限水位に達したことを検出する下限レベルセンサと、前記原水槽と処理槽との間に配設され、処理槽への原水の供給量を調整する入口開閉弁と、前記処理槽より処理水排出側に配設され、処理槽からの処理水の排出量を調整する出口開閉弁とを備え、前記上限レベルセンサが上限水位を検出してから、一旦前記処理槽への原水供給を停止した状態で前記下限レベルセンサが下限水位を検出するまでの前記処理槽における水位変化の経過時間を計測し、当該経過時間及び下限水位から上限水位までの貯留水量を用いて単位時間あたりの流量を求め、得られた流量値に基づいて前記入口開閉弁及び/又は出口開閉弁の開度を調整し、処理槽における原水の流量制御を行うものである。
【0013】
このように本発明においては、原水の浄化処理を行う処理槽の水位が所定の上限水位に達したことを検出する上限レベルセンサ、及び、処理槽の水位が所定の下限水位に達したことを検出する下限レベルセンサをそれぞれ配設すると共に、処理槽に対し入口開閉弁及び出口開閉弁を配設し、上限レベルセンサで上限水位が検出されると一旦処理槽への原水供給を停止する一方、上限レベルセンサが上限水位を検出してから下限レベルセンサが下限水位を検出するまでの経過時間を取得し、単位時間あたりの流量を演算して、この流量値に基づいて入口開閉弁及び/又は出口開閉弁の開度を調整して流量制御を行うことにより、処理槽の入口側及び出口側に流量計を用いずに流量制御を行えることとなり、流量制御に関して低コスト化できることに加えて、汚水による詰まり等も無く流量制御が行え、浄化処理の信頼性を著しく向上させられる。また、流量調整で原水供給量と処理水排出量をバランスさせて処理槽に原水を連続的に流通させられることにより、処理槽に濾過部分がある場合に、濾材に対し原水が連続的に供給されて濾過処理の負荷が平坦化することとなり、濾材の目詰りが進行しにくく、保守コストを低減できる。
【0014】
また、本発明に係る廃水処理システムは必要に応じて、前記上限レベルセンサが、フロートスイッチで形成され、前記上限レベルセンサがONとなって一旦前記処理槽への原水供給を停止した時点から、上限レベルセンサがOFFとなるまでの経過時間が、あらかじめ定められた所定時間内である場合には、前記入口開閉弁の開度を所定量小さく調整する一方、前記経過時間が前記所定時間より長い場合には、前記出口開閉弁の開度を所定量大きく調整するものである。
【0015】
このように本発明においては、上限レベルセンサがフロートスイッチからなり、この上限レベルセンサがON状態となって処理槽水位が上限水位を越えた状態を示し、同時に処理槽への原水供給が停止されると、この後上限レベルセンサがON状態から処理槽水位の上限水位を下回った状態を示すOFF状態となるまでの経過時間が取得され、あらかじめ設定された所定時間との比較で、経過時間が所定時間内であれば入口開閉弁を調整し、逆に経過時間が所定時間を超えていれば出口開閉弁を調整して、処理槽における流量制御を行えることにより、上限レベルセンサが上限水位を検出してから下限レベルセンサが下限水位を検出するまでの経過時間よりも短い時間で単位時間あたりの流量を導いて適切な流量制御が行えることとなり、各開閉弁の調整の反応性が向上し、流量の定常状態をより維持しやすくなると共に、流量変化が小さくなり、処理槽前後の各機器への負担も少なくすることができる。
【0016】
また、本発明に係る廃水処理システムは必要に応じて、前記下限レベルセンサが、フロートスイッチで形成され、前記下限レベルセンサがOFFとなって一旦前記処理槽からの処理水排出を停止した時点から、下限レベルセンサのONとなるまでの経過時間が、あらかじめ定められた所定時間内である場合には、前記出口開閉弁の開度を所定量小さく調整する一方、前記経過時間が前記所定時間より長い場合には、前記入口開閉弁の開度を所定量大きく調整するものである。
【0017】
このように本発明においては、下限レベルセンサがフロートスイッチからなり、この下限レベルセンサがOFF状態となって処理槽水位が下限水位より下がった状態を示し、同時に処理槽からの処理水排出が停止されると、この後下限レベルセンサがOFF状態から処理槽水位の下限水位を上回った状態を示すON状態となるまでの経過時間が取得され、あらかじめ設定された所定時間との比較で、経過時間が所定時間内であれば出口開閉弁を調整し、逆に経過時間が所定時間を超えていれば入口開閉弁を調整して、処理槽における流量制御を行えることにより、下限レベルセンサが下限水位を検出してから上限レベルセンサが上限水位を検出するまでの経過時間よりも短い時間で単位時間あたりの流量を導いて適切な流量制御が行えることとなり、各開閉弁の調整の反応性が向上し、流量の定常状態をより維持しやすくなると共に、流量変化が小さくなり、処理槽前後の各機器への負担も少なくすることができる。
【0018】
また、本発明に係る廃水処理システムは必要に応じて、前記原水槽における水位が所定の下限水位に達したことを検出する下限レベルセンサを備え、当該下限レベルセンサが下限水位を検出すると、前記入口開閉弁の開度を所定の期間増大させて原水の入口開閉弁通過流量を増やし、増加させた原水で入口開閉弁の汚れを洗い流すものである。
【0019】
このように本発明においては、原水槽で原水が下限水位に達した状態を検出する下限レベルセンサを配設し、下限レベルセンサの下限水位の検出で入口開閉弁の開度を所定の期間増大させて原水の流量を一時的に増やし、入口開閉弁の汚れを原水の流れで洗い流すことにより、入口開閉弁に付着した汚れを効果的に除去でき、入口開閉弁に詰まりを生じさせず、確実に流量調整を行え、浄化処理の信頼性もより一層高まる。
【0020】
また、本発明に係る廃水処理システムは必要に応じて、前記処理槽に対し原水が略一定量連続的に供給されると共に処理槽から処理水が略一定量連続的に排出される定常運転状態で、前記下限レベルセンサが下限水位を検出してから、一旦処理水の排出を抑えた状態で前記上限レベルセンサが上限水位を検出するまでの前記処理槽における水位変化の経過時間を計測し、当該経過時間があらかじめ定められた所定時間より長い場合は、前記入口開閉弁の開度を所定の期間増大させて原水の入口開閉弁通過流量を増やし、増加させた原水で入口開閉弁の汚れを洗い流すものである。
【0021】
このように本発明においては、原水供給と処理水排出とがバランスよく並行する定常運転状態で、下限レベルセンサで下限水位が検出されると一旦処理水の排出を抑える一方、下限レベルセンサが下限水位を検出してから上限レベルセンサが上限水位を検出するまでの経過時間を取得し、この経過時間があらかじめ定められた所定時間より長い場合には、入口開閉弁に汚れの付着を認め、入口開閉弁の開度を所定の期間増大させて原水の流量を一時的に増やし、入口開閉弁の汚れを原水の流れで洗い流すことにより、定常運転状態であっても入口開閉弁に付着した汚れを効果的に除去でき、入口開閉弁に詰まりを生じさせず、確実に流量調整を行えて連続処理が可能となり、浄化処理の信頼性及び能率を大きく向上させられる。
【0022】
【発明の実施の形態】
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る廃水処理システムを図1ないし図7に基づいて説明する。図1は本実施の形態に係る廃水処理システムの構成説明図、図2は本実施の形態に係る廃水処理システムの要部概略図、図3は本実施の形態に係る廃水処理システムのブロック図、図4は本実施の形態に係る廃水処理システムにおける処理流量設定処理フローチャート、図5は本実施の形態に係る廃水処理システムにおける流量制御処理フローチャート、図6は本実施の形態に係る廃水処理システムにおける運転終了時の入口開閉弁洗浄処理フローチャート、図7は本実施の形態に係る廃水処理システムにおける定常運転中の入口開閉弁洗浄処理フローチャートである。
【0023】
前記各図に示すように、本実施の形態に係る廃水処理システムは、工場などからの廃水を原水として一時貯留する原水槽1と、この原水槽1に集められた原水を後段に送出す原水ポンプ2と、原水を浄化処理する処理槽Aと、処理槽Aから取出された汚泥を一時貯留する汚泥貯留槽7と、この汚泥貯留槽7の汚泥を水と分離して排出する脱水機8と、処理槽Aの逆洗用上水を貯留する逆洗水貯水槽9と、各種ポンプや弁などの機器を総合的にコントロール制御する総合制御装置10とを備える構成である。
【0024】
この本実施の形態に係る廃水処理システム1は、工場廃水などの原水を流量制御しつつ前記原水槽1及び処理槽Aを順次通過させることによって、原水に含まれている汚濁成分(無機・有機性懸濁物質(SS))を除去し、清浄化した処理水のみを河川などへ放流するか、又はリサイクル水として再利用するものである。
【0025】
前記原水槽1は、工場廃水などの原水を集め、一時貯留する槽である。この原水槽1と組合わせて、原水槽1における原水の下限水位に達した状態を検出するフロートスイッチタイプの下限レベルセンサ11が配設される。
前記原水ポンプ2は、原水槽1と処理槽Aとの間に配設され、原水槽1に集められた原水を処理槽Aへ送給するものである。この原水ポンプ2から処理槽Aにつながる取水路の途中には、原水の処理槽Aへの送給量を増減調整する入口開閉弁32が配設される。
【0026】
前記処理槽Aは、原水を原水槽1から原水ポンプ2を介して供給され、原水中の汚れ分を凝集させてフロックとする攪拌凝集槽3と、この攪拌凝集槽3からの原水の流れを整流する整流槽4と、この整流槽4で整流された原水を流入させてフロックを沈降させる沈殿槽5と、この沈殿槽5からフロックを除いた原水を流入させて濾過し、清浄な処理水を得る濾過槽6とを備える構成である。なお、原水の水質によっては、前記濾過槽6を省略したシステム構成とすることもできる。
【0027】
前記攪拌凝集槽3は、処理槽A内における一区画として処理槽Aの他の部分と区切られて形成される構成である。この攪拌凝集槽3と組合わせて、攪拌凝集槽3内の原水に対し所定の中和剤を注入する中和剤注入装置33と、攪拌凝集槽3内の原水に対し所定の凝集剤を注入する凝集剤注入装置34と、原水を中和剤及び凝集剤と共に攪拌して原水、中和剤、及び凝集剤を均一に混合する攪拌装置31とが配設される。
【0028】
この攪拌凝集槽3では、原水槽1から供給された原水に対し、整流槽4内のpHセンサ41により検知した原水のpHに応じて、中和剤注入装置33から所定量の中和剤が注入されると共に、凝集剤注入装置34から所定量の凝集剤が注入され、この中和剤及び凝集剤が注入された原水に対して攪拌装置31による急速攪拌が行われ、原水と中和剤及び凝集剤とがまんべんなく混合され、原水中の汚濁成分が凝集してフロックを形成する。このフロックを含んだ原水は攪拌凝集槽3下部から整流槽4に流入する。
【0029】
前記整流槽4は、処理槽A内における攪拌凝集槽3と隣接する区画として形成され、攪拌凝集槽3と下部で一部連通する構成である。フロックを含んだ原水は攪拌凝集槽3下部から整流槽4に移り、整流槽4内を上昇した後、原水は整流槽4内の仕切板を越えて沈殿槽5寄り部分に移り、さらに下降して沈殿槽5に向う仕組みである。
【0030】
この整流槽4では、攪拌凝集槽3で形成されたフロックを含む原水の流れを、攪拌装置31の攪拌に伴う脈動が沈殿槽5側に伝わらないように整流した上で、沈殿槽5の底部へ導くことができ、沈澱槽5内におけるフロックの沈降を促進させられる。
前記沈殿槽5は、処理槽A内に整流槽4と隣合う区画として形成され、下部の所定箇所で整流槽4と連通する構成である。沈殿槽5内には、傾いた略板状体からなる傾斜板51が複数所定間隔で配設され、この傾斜板51の間に下から上に通される原水中のフロックを原水から分離させる仕組みである。また、沈殿槽5上部には、原水のうちフロックを分離された上澄みを集めて濾過槽6へ導く集水管52が配設される構成である。さらに、沈殿槽5の底にたまった汚泥(フロック)を必要に応じて外部に排出するための汚泥排出用バルブ53が沈殿槽5の底部に配設されている。
【0031】
この沈澱槽5では、フロックを含む原水が傾斜板51の下から上へ向かってゆっくり流れ、原水に含まれているフロックは傾斜板51の沈降効果により上昇を抑えられて沈降し、沈殿槽5の底部に沈殿して堆積する。フロックを分離された原水の上澄みは集水管52で集められ、濾過槽6に流入する。
前記濾過槽6は、沈殿槽5に隣接する区画として処理槽A内に形成される構成であり、槽内に一部突出する集水管52を介して沈殿槽5から原水を流入させ、この原水を濾過した後、外部の河川などへ必要に応じて放流したり、リサイクル水として再利用したりする仕組みである。この濾過槽6内には所定の濾材61が配設され、流入した原水の上澄みはこの濾材61を通過する時に、残余のフロックを除去されて清浄化された処理水となる。
【0032】
さらに、この濾過槽6と組合わせて、濾過槽6における原水の水面が所定の上限水位に達した状態を検出するフロートスイッチタイプの上限レベルセンサ62と、水面が所定の下限水位に達した状態を検出するフロートスイッチタイプの下限レベルセンサ63とが配設される。上限水位については、濾過槽6の上端を越えない範囲で、上限レベルセンサ62の配設高さを変えて上限としての設定水位を変更でき、これにより処理槽A全体の浄化処理能力を調整することができる。
【0033】
加えて、濾過槽6からの放流路には、濾過槽6からの処理水の排出量を増減調整する出口開閉弁64と、濾過槽6における原水の水面が定常水位(上限水位と下限水位との間)にある場合に外部へ処理水の排出を行う処理水ポンプ65とが配設される。
前記汚泥貯留槽7は、沈澱槽5の底から排出される汚泥を一時的に貯留するものである。原水の浄化処理をあらかじめ設定した所定量行う毎に、総合制御装置10の制御により、汚泥排出用バルブ53を開放させると共に、汚泥排出用バルブ53からの汚泥排出路に配設される汚泥引抜きポンプ54を所定時間作動させ、沈殿槽5の底に沈殿堆積した汚泥を引き抜いて、汚泥貯留槽7まで導ける仕組みとなっている。
【0034】
前記脱水機8は、汚泥貯留槽7に貯留された汚泥を取出して脱水する機器であり、脱水された汚泥は約85%程度の水分率の脱水ケーキとして分離排出される。こうして汚泥は大幅に減容された固形の産業廃棄物として廃出できるので、廃水処理費用の大幅なコストダウンが図れる。なお、この脱水機8で汚泥から分離された水は原水槽1へ戻される。
【0035】
前記逆洗水貯水槽9は、原水を所定量浄化処理する毎に濾過槽6の濾材61に対し行われる逆洗に必要な上水を所定量貯留するものである。この逆洗水貯水槽9に加えて、濾過槽6と逆洗水貯水槽9との間の逆洗水路中に、逆洗水貯水槽9からの上水の供給量を増減調整する逆洗用バルブ91と、逆洗水貯水槽9に貯留された上水を濾過槽6へ送給する逆洗水ポンプ92とが配設される。逆洗は、原水の浄化処理があらかじめ設定されている所定量に達する毎に、総合制御装置10の制御により、逆洗用バルブ91を開放すると共に、逆洗水ポンプ92を作動させて、逆洗水貯水槽9内の上水を強力に送水して濾材61の下面側から上面側へ向かう水流を発生させ、濾材61の上面に付着したフロック等を押流すことで、濾材61の目詰まりを解消するものである。
【0036】
前記総合制御装置10は、所定の制御プログラムに基づき、あらかじめ入力された各種設定値、並びに、上限レベルセンサ62及び下限レベルセンサ63をはじめとする各種センサの検出信号を取得して演算処理を行い、原水ポンプ2、入口開閉弁32、中和剤注入装置33、凝集剤注入装置34、攪拌装置31、出口開閉弁64、処理水ポンプ65、汚泥排出用バルブ53、汚泥引抜きポンプ54、脱水機8、逆洗用バルブ91、及び逆洗水ポンプ92を総合的にコントロール制御するものである。
【0037】
この総合制御装置10は、下限レベルセンサ63が下限水位を検出してから上限レベルセンサ62が上限水位を検出するまでの経過時間を計測し、この経過時間及び既知である濾過槽6の前記下限水位から上限水位までの貯留水量を用いて、単位時間あたりの流量を求めることができ、流量計を用いずに流量を取得できる。さらに、この流量値を用いることで、原水槽1及び処理槽Aの各槽の状況や原水ポンプ2及び処理水ポンプ65の作動状態を監視し、流量変化に基づいて所定の制御を行える仕組みである。
【0038】
次に、本実施形態に係る廃水処理システムにおける流量制御及び入口開閉弁洗浄の各処理について説明する。これら各処理に先立つ廃水処理システムの運転開始にあたっては、まず、原水槽1の下限レベルセンサ11がONとなっていて原水槽1に原水があり、且つ濾過槽6の上限レベルセンサがOFFとなっていて濾過槽6に余裕があることが確認された後に、入口開閉弁32が初期開度まで開放され、続けて原水ポンプ2、攪拌装置31、中和剤注入装置33、及び凝集剤注入装置34の作動が開始される。
【0039】
始めに、処理流量(原水ポンプ2による処理槽Aへの原水供給量)の設定処理について図4のフローチャートを用いて説明する。まず、初期状態として、濾過槽6における水位が一旦下限水位より下がって、下限レベルセンサ63がOFFとなり、総合制御装置10が出口開閉弁64の閉止及び原水ポンプ2の作動開始の各制御を行う状態とする(ステップ101)。
【0040】
原水ポンプ2の作動開始後、浄化処理の進行により濾過槽6の水面が次第に上昇して、下限レベルセンサ63がONとなり(ステップ102)、さらに、上限レベルセンサ62がONとなって上限水位を検出する(ステップ103)と、総合制御装置10が入口開閉弁32を閉止させると共に、原水ポンプ2を停止させる(ステップ104)。
【0041】
そして、総合制御装置10は、下限レベルセンサ63のONとなった時点から上限レベルセンサ62のONとなった時点までの経過時間を取得し(ステップ105)、濾過槽6の下限レベルセンサ63のONとなった水位(下限水位)と上限レベルセンサ62のONとなった水位(上限水位)間の容積が既知であり、前記経過時間とから単位時間あたりの処理流量を取得できることから、経過時間値があらかじめ設定された目標範囲下限より大きい、すなわち処理流量が目標の流量範囲上限より少ないか否かを判定する(ステップ106)。
【0042】
このステップ106で経過時間値が目標範囲下限より大きく、処理流量が目標流量範囲上限より少ない場合には、総合制御装置10は改めて経過時間値があらかじめ設定された目標範囲上限より小さい、すなわち処理流量が目標の流量範囲下限より多く、処理流量が目標流量範囲内に含まれるか否かを判定する(ステップ107)。このステップ107で経過時間値が目標範囲上限より小さく、処理流量が目標流量範囲内にある場合には、そのまま一連の処理を終了する。
【0043】
一方、前記ステップ106で経過時間値が目標範囲下限より小さく、処理流量が目標流量範囲上限より多い場合には、総合制御装置10により、入口開閉弁32の開度をより小さく調整する制御が行われる(ステップ108)。この後、前記ステップ101に戻って前記各処理を繰返す。
また、前記ステップ107で経過時間値が目標範囲上限より大きく、処理流量が目標流量範囲下限より少ない場合には、総合制御装置10により、入口開閉弁32の開度をより大きく調整する制御が行われる(ステップ109)。この後、前記ステップ101に戻って前記各処理を繰返す。
【0044】
続いて、定常運転状態について説明する。処理流量設定後は定常運転に移行し、異常発生がなければ、原水ポンプ2と処理水ポンプ65が同時作動したまま、濾過槽6水面が上限水位と下限水位の間に維持され、下限レベルセンサ63がON、上限レベルセンサ62がOFFとなっている。
何らかの理由で下限レベルセンサ63がOFFとなった場合、再び下限レベルセンサ63がONとなった時点からどれ位の時間が経過して上限レベルセンサ62がONとなったかによって、入口開閉弁32又は出口開閉弁64の開度を所定量調整する制御が行われる。一方、上限レベルセンサ62がONとなった場合も、このON時点からどれ位の時間が経過して上限レベルセンサ62がOFFとなる水位に戻ったかによって、入口開閉弁32又は出口開閉弁64の開度を所定量調整する制御が行われる。常時このような制御を行って、漉過槽6の水面を定常水位(上限水位と下限水位間)に維持しつつ設定処理流量を維持する。
【0045】
この定常運転時の流量制御処理について、図5に示すフローチャートを用いて説明する。前提として、流量制御処理開始時点では、下限レベルセンサ63がON、上限レベルセンサ62がOFFとなっており、原水ポンプ2と処理水ポンプ65が共に作動し、濾過槽6の水位が維持されているものとする。
まず、下限レベルセンサ63の状態をチェックし、ON状態となっているか否かを判定する(ステップ201)。下限レベルセンサ63がON状態である場合には、続いて上限レベルセンサ62の状態をチェックし、OFF状態となっているか否かを判定する(ステップ202)。上限レベルセンサ62がOFF状態である場合には、あらかじめ設定された処理流量が正常に維持されていると見なす。この後、定常運転中止指令がなされているか否かを判定し(ステップ203)、中止指令がなされている場合は一連の処理を終了する。前記ステップ203で中止指令がなされていない場合には、前記ステップ201に戻り、以降の各処理を繰返す。
【0046】
前記ステップ201で下限レベルセンサ63がONではなくOFFとなっている場合、総合制御装置10により処理水ポンプ65が停止制御され(ステップ204)、濾過槽6の水面は次第に上昇する。水面の上昇で下限レベルセンサ63がONとなり(ステップ205)、さらに上限レベルセンサ62がONとなると(ステップ206)、総合制御装置10は再び処理水ポンプ65を作動させる(ステップ207)。続いて、総合制御装置10は下限レベルセンサ63がONとなった時点から上限レベルセンサ62がONとなった時点までの経過時間を取得し、この経過時間があらかじめ設定されている所定時間以内であるか否かを判定する(ステップ208)。
【0047】
このステップ208において、経過時間が前記所定時間以内である場合、取水量は正常であり、何らかの原因で送水量が増加したものと見なして、総合制御装置10は出口開閉弁64の開度を所定量小さくするように制御する(ステップ209)。一方、前記ステップ208において経過時間が前記所定時間より長い場合には、何らかの原因で取水量が減少したものと見なし、総合制御装置10は入口開閉弁32の開度を所定量大きくするように制御する(ステップ210)。これらステップ209及びステップ210の後、前記ステップ203へ移行する。
【0048】
また、前記ステップ202で上限レベルセンサ62がOFFではなくONとなっている場合、総合制御装置10により原水ポンプ2が停止制御され(ステップ211)、濾過槽6の水面は次第に下降する。水面の下降で上限レベルセンサ62がOFFとなると(ステップ212)、総合制御装置10は再び原水ポンプ2を作動させる(ステップ213)。続いて、総合制御装置10は上限レベルセンサ62がONとなった時点から上限レベルセンサ62がOFFとなった時点までの経過時間を取得し、この経過時間があらかじめ設定されている所定時間以内であるか否かを判定する(ステップ214)。
【0049】
このステップ214において、経過時間が前記所定時間以内である場合、送水量は正常であり、何らかの原因で取水量が増加したものと見なして、総合制御装置10は入口開閉弁32の開度を所定量小さくするように制御する(ステップ215)。一方、前記ステップ214において経過時間が前記所定時間より長い場合には、何らかの原因で送水量が減少したものと見なし、総合制御装置10は出口開閉弁64の開度を所定量大きくするように制御する(ステップ216)。これらステップ215及びステップ216の後、前記ステップ203へ移行する。
【0050】
さらに、入口開閉弁の洗浄動作について説明する。入口開閉弁32は原水に含まれている汚濁成分により汚れやすく、内部の詰まりを防止するために入口開閉弁32を時々洗浄することが必要となってくる。この入口開閉弁32の洗浄は、原水ポンプ2を作動させたまま入口開閉弁32の開度を所定期間増大させた状態とし、原水を一時的に大量に流して汚れを洗い流すという方法で行われる。この入口開閉弁32の洗浄動作のうち、システムの運転終了時に行う場合と、取水量の減少を検知する毎に行う場合について、詳細に説明する。
【0051】
まず、廃水処理システムの運転終了時に入口開閉弁の洗浄を行う場合について、図6に示すフローチャートを用いて説明する。前提として、システムの運転終了に先立って、原水ポンプ2を作動継続させたまま、原水槽1への工場廃水等の原水の取入れが中止され、これに伴い、原水槽1の水位が低下しているものとする。そのまま水位低下が進んで下限水位に達すると、原水槽1の下限レベルセンサ11はOFF状態となる。
【0052】
総合制御装置10は、原水の取入れ中止後、下限レベルセンサ11がOFFであるか否かを判定し(ステップ301)、下限レベルセンサ11がONである場合はそのまま前記ステップ301を繰返す。このステップ301で下限レベルセンサ11がOFFとなっている場合、総合制御装置10は原水槽1に原水が無くなりつつあると見なし、原水ポンプ2を作動させたまま入口開閉弁32の開度を増大させ(ステップ302)、原水槽1に残っている原水を入口開閉弁32に大量に流して、入口開閉弁32の汚れを洗い流す。所定期間経過後、総合制御装置10は入口開閉弁32を閉じると共に、原水ポンプ2を停止させ(ステップ303)、一連の洗浄処理を終了する。
【0053】
また、定常運転中に取水量の減少を検知する毎に入口開閉弁32の洗浄を行う場合について、図7に示すフローチャートを用いて説明する。前提として、定常運転中に下限水位と上限水位との間に維持されている濾過槽6の水位が、入口開閉弁32への汚れの付着による取水量の減少等の理由によって、次第に低下する状態となっており、そのまま水位低下が進んで下限水位に達すると、濾過槽6の下限レベルセンサ63はOFF状態となる。
【0054】
総合制御装置10は、まず、下限レベルセンサ63の状態をチェックし、OFF状態となっているか否かを判定する(ステップ401)。下限レベルセンサ63がONである場合はそのまま前記ステップ401を繰返す。このステップ401で下限レベルセンサ63がOFFとなっている場合、総合制御装置10は処理水ポンプ65を停止させ(ステップ402)、これにより濾過槽6の水面は次第に上昇する。水面の上昇で下限レベルセンサ63がONとなり(ステップ403)、さらに上限レベルセンサ62がONとなると(ステップ404)、総合制御装置10は再び処理水ポンプ65を作動させる(ステップ405)。処理水ポンプ65が作動すると、濾過槽6の水面は次第に下降し、上限レベルセンサ62がOFFとなる(ステップ406)。
【0055】
同時に、総合制御装置10は先の下限レベルセンサ63がONとなった時点から上限レベルセンサ62がONとなった時点までの経過時間を取得し、この経過時間があらかじめ設定されている所定時間より長いか否かを判定する(ステップ407)。
このステップ407において、経過時間が所定時間より長い場合、総合制御装置10は入口開閉弁32が詰って取水量が減少したものと見なし、原水ポンプ2を作動させたまま入口開閉弁32の開度を増大させ(ステップ408)、原水槽1の原水を入口開閉弁32に大量に流して、入口開閉弁32の汚れを洗い流す。所定の洗浄期間経過後、総合制御装置10は入口開閉弁32を元の開度に戻す(ステップ409)。一方、前記ステップ407において経過時間が所定時間以内である場合には、取水量には異常がなく、何らかの原因で送水量が増加したものと見なし、総合制御装置10は出口開閉弁64の開度を所定量小さくするように制御する(ステップ410)。
【0056】
これらステップ409及びステップ410の後、入口開閉弁32の洗浄処理に対する中止指令がなされているか否かを判定し(ステップ411)、中止指令がなされている場合、一連の洗浄処理を終了する。前記ステップ411で中止指令がなされていない場合、前記ステップ401に戻り、以降の処理を繰返す。
このように、本実施形態に係る廃水処理システムにおいては、浄化処理を行う処理槽Aにおける濾過槽6の水位が所定の上限水位に達したことを検出する上限レベルセンサ62、及び、濾過槽6の水位が所定の下限水位に達したことを検出する下限レベルセンサ63をそれぞれ配設すると共に、処理槽Aに対し入口開閉弁32及び出口開閉弁64を配設し、下限レベルセンサ63と上限レベルセンサ62における各水位の検出から流量を取得し、これに基づいて入口開閉弁32及び出口開閉弁64の開度を調整して流量制御を行うことから、処理槽Aの入口側及び出口側に流量計が不要となり、低コスト化が図れることに加えて、流量計の汚水による詰まり等も無くなり、信頼性を著しく向上させられる。また、運転終了時や定常運転状態で必要に応じて入口開閉弁32の開度を所定期間増大させて原水の流量を一時的に増やし、入口開閉弁32の汚れを原水の流れで洗い流すことから、入口開閉弁32に付着した汚れを効果的に除去でき、入口開閉弁32に詰まりを生じさせず、確実に流量調整を行え、浄化処理の信頼性もより一層高まる。さらに、流量調整で原水供給量と処理水排出量をバランスさせて処理槽Aに原水を連続的に流通させられることから、濾過槽6の濾材61に対し原水が連続的に供給されて濾過処理の負荷が平坦化することとなり、濾材61の目詰りが進行しにくく逆洗の頻度も少なくなって、保守コストを低減できる。
【0057】
なお、前記実施の形態に係る廃水処理システムにおいては、入口開閉弁32の洗浄を廃水処理システムの運転終了時や定常運転中の取水量減少検知時に行う構成としたが、これに限らず、定常運転前の処理流量設定の過程で入口開閉弁の洗浄を行う構成とすることもでき、例えば、処理流量設定過程における下限レベルセンサがONとなってから上限レベルセンサがONとなるまでの経過時間が、あらかじめ設定された所定時間の二倍より長くなった場合に、入口開閉弁32の詰りを認め、入口開閉弁32の開度を所定期間増大させて原水で入口開閉弁32の汚れを洗い流すという前記同様の洗浄動作を行わせることで、定常運転前に入口開閉弁32を確実に流量調整可能な状態に整備でき、浄化処理の信頼性を高められる。
【0058】
また、前記実施の形態に係る廃水処理システムにおいて、処理槽Aは、攪拌凝集槽3、整流槽4、沈殿槽5、及び漉過槽6からなる構成としているが、これに限らず、廃水の浄化処理を行うシステム中で流量調整の行われる所定の一つの槽又は複数槽の集合とすることもできる。
(本発明の第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る廃水処理システムを図8及び図9に基づいて説明する。図8は本実施の形態に係る廃水処理システムにおける処理流量設定処理フローチャート、図9は本実施の形態に係る廃水処理システムにおける流量制御処理フローチャートである。
【0059】
前記各図に示すように、本実施の形態に係る廃水処理システムは、前記第1の実施形態同様、原水槽1と、原水ポンプ2と、処理槽Aと、汚泥貯留槽7と、脱水機8と、逆洗水貯水槽9と、総合制御装置10とを備える一方、異なる点として、処理流量の設定及び定常運転時の流量制御の各処理において、上限レベルセンサ62で上限水位が検出された場合に、一旦処理槽Aへの原水供給を停止する一方、上限レベルセンサ62が上限水位を検出してから下限レベルセンサ63が下限水位を検出するまでの経過時間を取得し、入口開閉弁32及び出口開閉弁64の開度を調整して流量制御を行う構成を有するものである。
【0060】
この本実施形態に係る廃水処理システムにおける流量制御処理について説明する。処理に先立つ廃水処理システムの運転開始にあたっては、前記第1の実施形態同様、まず、原水槽1の下限レベルセンサ11がONとなっていて原水槽1に原水があり、且つ濾過槽6の上限レベルセンサがOFFとなっていて濾過槽6に余裕があることが確認された後に、入口開閉弁32が初期開度まで開放され、続けて原水ポンプ2、攪拌装置31、中和剤注入装置33、及び凝集剤注入装置34の作動が開始される。
【0061】
始めに、処理流量(処理水ポンプ65による処理槽Aからの処理水排出量)の設定処理について図8のフローチャートを用いて説明する。まず、初期状態として、濾過槽6における水位が一旦上限水位に達し、上限レベルセンサ62がONとなり、総合制御装置10が入口開閉弁32の閉止及び処理水ポンプ65の作動開始の各制御を行う状態とする(ステップ501)。
【0062】
処理水ポンプ65の作動開始後、処理水排出の進行により濾過槽6の水面が次第に下降して、上限レベルセンサ62がOFFとなり(ステップ502)、さらに、下限レベルセンサ63がOFFとなって下限水位を検出する(ステップ503)と、総合制御装置10が出口開閉弁64を閉止させると共に、処理水ポンプ65を停止させる(ステップ504)。
【0063】
そして、総合制御装置10は、上限レベルセンサ62のOFFとなった時点から下限レベルセンサ63のOFFとなった時点までの経過時間を取得し(ステップ505)、濾過槽6の下限レベルセンサ63のOFFとなった水位(下限水位)と上限レベルセンサ62のOFFとなった水位(上限水位)間の容積が既知であり、前記経過時間とから単位時間あたりの処理流量を取得できることから、経過時間値があらかじめ設定された目標範囲下限より大きい、すなわち処理流量が目標の流量範囲上限より少ないか否かを判定する(ステップ506)。
【0064】
このステップ506で経過時間値が目標範囲下限より大きく、処理流量が目標流量範囲上限より少ない場合には、総合制御装置10は改めて経過時間値があらかじめ設定された目標範囲上限より小さい、すなわち処理流量が目標の流量範囲下限より多く、処理流量が目標流量範囲内に含まれるか否かを判定する(ステップ507)。このステップ507で経過時間値が目標範囲上限より小さく、処理流量が目標流量範囲内にある場合には、そのまま一連の処理を終了する。
【0065】
一方、前記ステップ506で経過時間値が目標範囲下限より小さく、処理流量が目標流量範囲上限より多い場合には、総合制御装置10により、出口開閉弁64の開度をより小さく調整する制御が行われる(ステップ508)。この後、前記ステップ501に戻って前記各処理を繰返す。
また、前記ステップ507で経過時間値が目標範囲上限より大きく、処理流量が目標流量範囲下限より少ない場合には、総合制御装置10により、出口開閉弁64の開度をより大きく調整する制御が行われる(ステップ509)。この後、前記ステップ501に戻って前記各処理を繰返す。
【0066】
続いて、定常運転状態について説明する。処理流量設定後は定常運転に移行し、異常発生がなければ、原水ポンプ2と処理水ポンプ65が同時作動したまま、濾過槽6水面が上限水位と下限水位の間に維持され、下限レベルセンサ63がON、上限レベルセンサ62がOFFとなっている。
何らかの理由で下限レベルセンサ63がOFFとなった場合、このOFF時点からどれ位の時間が経過して下限レベルセンサ63がONとなる水位に戻ったかによって、入口開閉弁32又は出口開閉弁64の開度を所定量調整する制御が行われる。一方、上限レベルセンサ62がONとなった場合も、再び上限レベルセンサ62がOFFとなった時点からどれ位の時間が経過して下限レベルセンサ63がOFFとなったかによって、入口開閉弁32又は出口開閉弁64の開度を所定量調整する制御が行われる。常時このような制御を行って、漉過槽6の水面を定常水位(上限水位と下限水位間)に維持しつつ設定処理流量を維持する。
【0067】
この定常運転時の流量制御処理について、図9に示すフローチャートを用いて説明する。前提として、流量制御処理開始時点では、下限レベルセンサ63がON、上限レベルセンサ62がOFFとなっており、原水ポンプ2と処理水ポンプ65が共に作動し、濾過槽6の水位が維持されているものとする。
まず、下限レベルセンサ63の状態をチェックし、ON状態となっているか否かを判定する(ステップ601)。下限レベルセンサ63がON状態である場合には、続いて上限レベルセンサ62の状態をチェックし、OFF状態となっているか否かを判定する(ステップ602)。上限レベルセンサ62がOFF状態である場合には、あらかじめ設定された処理流量が正常に維持されていると見なす。この後、定常運転中止指令がなされているか否かを判定し(ステップ603)、中止指令がなされている場合は一連の処理を終了する。前記ステップ603で中止指令がなされていない場合には、前記ステップ601に戻り、以降の各処理を繰返す。
【0068】
前記ステップ601で下限レベルセンサ63がONではなくOFFとなっている場合、総合制御装置10により処理水ポンプ65が停止制御され(ステップ604)、濾過槽6の水面は次第に上昇する。水面の上昇で下限レベルセンサ63がONとなると(ステップ605)、総合制御装置10は再び処理水ポンプ65を作動させる(ステップ606)。続いて、総合制御装置10は下限レベルセンサ63がOFFとなった時点から下限レベルセンサ63がONとなった時点までの経過時間を取得し、この経過時間があらかじめ設定されている所定時間以内であるか否かを判定する(ステップ607)。
【0069】
このステップ607において、経過時間が前記所定時間以内である場合、取水量は正常であり、何らかの原因で送水量が増加したものと見なして、総合制御装置10は出口開閉弁64の開度を所定量小さくするように制御する(ステップ608)。一方、前記ステップ607において経過時間が前記所定時間より長い場合には、何らかの原因で取水量が減少したものと見なし、総合制御装置10は入口開閉弁32の開度を所定量大きくするように制御する(ステップ609)。これらステップ608及びステップ609の後、前記ステップ603へ移行する。
【0070】
また、前記ステップ602で上限レベルセンサ62がOFFではなくONとなっている場合、総合制御装置10により原水ポンプ2が停止制御され(ステップ610)、濾過槽6の水面は次第に下降する。水面の下降で上限レベルセンサ62がOFFとなり(ステップ611)、さらに下限レベルセンサ63がOFFとなると(ステップ612)、総合制御装置10は再び原水ポンプ2を作動させる(ステップ613)。続いて、総合制御装置10は上限レベルセンサ62がOFFとなった時点から下限レベルセンサ63がOFFとなった時点までの経過時間を取得し、この経過時間があらかじめ設定されている所定時間以内であるか否かを判定する(ステップ614)。
【0071】
このステップ614において、経過時間が前記所定時間以内である場合、送水量は正常であり、何らかの原因で取水量が増加したものと見なして、総合制御装置10は入口開閉弁32の開度を所定量小さくするように制御する(ステップ615)。一方、前記ステップ614において経過時間が前記所定時間より長い場合には、何らかの原因で送水量が減少したものと見なし、総合制御装置10は出口開閉弁64の開度を所定量大きくするように制御する(ステップ616)。これらステップ615及びステップ616の後、前記ステップ603へ移行する。
【0072】
このように、本実施形態に係る廃水処理システムにおいては、前記第1の実施形態同様、上限レベルセンサ62及び下限レベルセンサ63をそれぞれ配設すると共に、処理槽Aに対し入口開閉弁32及び出口開閉弁64を配設し、下限レベルセンサ63と上限レベルセンサ62における各水位の検出から流量を取得し、これに基づいて入口開閉弁32及び出口開閉弁64の開度を調整して流量制御を行うことから、処理槽Aの入口側及び出口側に流量計が不要となり、低コスト化が図れることに加えて、流量計の汚水による詰まり等も無くなり、信頼性を著しく向上させられる。
【0073】
なお、前記第1の実施形態に係る廃水処理システムにおいて、定常運転時の流量制御処理における前記ステップ202で上限レベルセンサ62がONとなっている場合に、水位低下で上限レベルセンサ62がOFFとなってから、原水ポンプ2を作動開始させると共に、上限レベルセンサ62のONからOFFになるまでの経過時間を取得し、この経過時間に基づいて各開閉弁の開度制御を行う構成としているが、これに限らず、前記第2の実施形態同様、水位低下で上限レベルセンサ62がOFFとなった後、さらに下限レベルセンサ63がOFFとなるまで原水ポンプ2を作動開始させず、下限レベルセンサ63がOFFとなった後、上限レベルセンサ62がOFFとなってから下限レベルセンサ63がOFFとなるまでの経過時間を取得し、この経過時間に基づいて各開閉弁の開度制御を行う構成とすることもでき、流量の過小状態と過大状態とでちょうど対をなす流量制御とすることができ、制御が容易となる。
【0074】
また、前記第1の実施形態に係る廃水処理システムにおいて、定常運転時の流量制御処理における前記ステップ201で下限レベルセンサ63がOFFとなっている場合に、水位上昇で下限レベルセンサ63がONとなり、さらに上限レベルセンサ62がONとなった後、処理水ポンプ65を作動開始させると共に、下限レベルセンサ63がONとなってから上限レベルセンサ62がONとなるまでの経過時間を取得し、この経過時間に基づいて各開閉弁の開度制御を行う構成としているが、これに限らず、前記第2の実施形態同様、下限レベルセンサ63がONとなった時点で処理水ポンプ65を作動開始させると共に、下限レベルセンサ63のOFFからONになるまでの経過時間を取得し、この経過時間に基づいて各開閉弁の開度制御を行う構成とすることもでき、流量の過小状態と過大状態とでちょうど対をなす流量制御とすることができ、制御が容易となる。
【0075】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、原水の浄化処理を行う処理槽の水位が所定の上限水位に達したことを検出する上限レベルセンサ、及び、処理槽の水位が所定の下限水位に達したことを検出する下限レベルセンサをそれぞれ配設すると共に、処理槽に対し入口開閉弁及び出口開閉弁を配設し、下限レベルセンサで下限水位が検出されると一旦処理槽からの処理水排出を停止する一方、下限レベルセンサが下限水位を検出してから上限レベルセンサが上限水位を検出するまでの経過時間を取得し、単位時間あたりの流量を演算して、この流量値に基づいて入口開閉弁及び/又は出口開閉弁の開度を調整して流量制御を行うことにより、処理槽の入口側及び出口側に流量計を用いずに流量制御を行えることとなり、流量制御に関して低コスト化できることに加えて、汚水による詰まり等も無く流量制御が行え、浄化処理の信頼性を著しく向上させられるという効果を奏する。また、流量調整で原水供給量と処理水排出量をバランスさせて処理槽に原水を連続的に流通させられることにより、処理槽に濾過部分がある場合に、濾材に対し原水が連続的に供給されて濾過処理の負荷が平坦化することとなり、濾材の目詰りが進行しにくく、保守コストを低減できるという効果を有する。
【0076】
また、本発明によれば、原水の浄化処理を行う処理槽の水位が所定の上限水位に達したことを検出する上限レベルセンサ、及び、処理槽の水位が所定の下限水位に達したことを検出する下限レベルセンサをそれぞれ配設すると共に、処理槽に対し入口開閉弁及び出口開閉弁を配設し、上限レベルセンサで上限水位が検出されると一旦処理槽への原水供給を停止する一方、上限レベルセンサが上限水位を検出してから下限レベルセンサが下限水位を検出するまでの経過時間を取得し、単位時間あたりの流量を演算して、この流量値に基づいて入口開閉弁及び/又は出口開閉弁の開度を調整して流量制御を行うことにより、処理槽の入口側及び出口側に流量計を用いずに流量制御を行えることとなり、流量制御に関して低コスト化できることに加えて、汚水による詰まり等も無く流量制御が行え、浄化処理の信頼性を著しく向上させられるという効果を有する。さらに、流量調整で原水供給量と処理水排出量をバランスさせて処理槽に原水を連続的に流通させられることにより、処理槽に濾過部分がある場合に、濾材に対し原水が連続的に供給されて濾過処理の負荷が平坦化することとなり、濾材の目詰りが進行しにくく、保守コストを低減できるという効果を有する。
【0077】
また、本発明によれば、上限レベルセンサがフロートスイッチからなり、この上限レベルセンサがON状態となって処理槽水位が上限水位を越えた状態を示し、同時に処理槽への原水供給が停止されると、この後上限レベルセンサがON状態から処理槽水位の上限水位を下回った状態を示すOFF状態となるまでの経過時間が取得され、あらかじめ設定された所定時間との比較で、経過時間が所定時間内であれば入口開閉弁を調整し、逆に経過時間が所定時間を超えていれば出口開閉弁を調整して、処理槽における流量制御を行えることにより、上限レベルセンサが上限水位を検出してから下限レベルセンサが下限水位を検出するまでの経過時間よりも短い時間で単位時間あたりの流量を導いて適切な流量制御が行えることとなり、各開閉弁の調整の反応性が向上し、流量の定常状態をより維持しやすくなると共に、流量変化が小さくなり、処理槽前後の各機器への負担も少なくすることができるという効果を有する。
【0078】
また、本発明によれば、下限レベルセンサがフロートスイッチからなり、この下限レベルセンサがOFF状態となって処理槽水位が下限水位より下がった状態を示し、同時に処理槽からの処理水排出が停止されると、この後下限レベルセンサがOFF状態から処理槽水位の下限水位を上回った状態を示すON状態となるまでの経過時間が取得され、あらかじめ設定された所定時間との比較で、経過時間が所定時間内であれば出口開閉弁を調整し、逆に経過時間が所定時間を超えていれば入口開閉弁を調整して、処理槽における流量制御を行えることにより、下限レベルセンサが下限水位を検出してから上限レベルセンサが上限水位を検出するまでの経過時間よりも短い時間で単位時間あたりの流量を導いて適切な流量制御が行えることとなり、各開閉弁の調整の反応性が向上し、流量の定常状態をより維持しやすくなると共に、流量変化が小さくなり、処理槽前後の各機器への負担も少なくすることができるという効果を有する。
【0079】
また、本発明によれば、原水槽で原水が下限水位に達した状態を検出する下限レベルセンサを配設し、下限レベルセンサの下限水位の検出で入口開閉弁の開度を所定期間増大させて原水の流量を一時的に増やし、入口開閉弁の汚れを原水の流れで洗い流すことにより、入口開閉弁に付着した汚れを効果的に除去でき、入口開閉弁に詰まりを生じさせず、確実に流量調整を行え、浄化処理の信頼性もより一層高まるという効果を有する。
【0080】
また、本発明によれば、原水供給と処理水排出とがバランスよく並行する定常運転状態で、下限レベルセンサで下限水位が検出されると一旦処理水の排出を抑える一方、下限レベルセンサが下限水位を検出してから上限レベルセンサが上限水位を検出するまでの経過時間を取得し、この計測時間があらかじめ定められた所定時間より長い場合には、入口開閉弁に汚れの付着を認め、入口開閉弁の開度を所定期間増大させて原水の流量を一時的に増やし、入口開閉弁の汚れを原水の流れで洗い流すことにより、定常運転状態であっても入口開閉弁に付着した汚れを効果的に除去でき、入口開閉弁に詰まりを生じさせず、確実に流量調整を行えて連続処理が可能となり、浄化処理の信頼性及び能率を大きく向上させられるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る廃水処理システムの構成説明図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る廃水処理システムの要部概略図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る廃水処理システムのブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る廃水処理システムにおける処理流量設定処理フローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る廃水処理システムにおける流量制御処理フローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る廃水処理システムにおける運転終了時の入口開閉弁洗浄処理フローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る廃水処理システムにおける定常運転中の入口開閉弁洗浄処理フローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る廃水処理システムにおける処理流量設定処理フローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る廃水処理システムにおける流量制御処理フローチャートである。
【図10】従来の廃水処理システムの説明図である。
【符号の説明】
1 原水槽
11 下限レベルセンサ
2 原水ポンプ
3 攪拌凝集槽
31 攪拌装置
32 入口開閉弁
33 中和剤注入装置
34 凝集剤注入装置
4 整流槽
41 pHセンサ
5 沈殿槽
51 傾斜板
52 集水管
53 汚泥排出用バルブ
54 汚泥引抜きポンプ
6 濾過槽
61 濾材
62 上限レベルセンサ
63 下限レベルセンサ
64 出口開閉弁
65 処理水ポンプ
7 汚泥貯留槽
8 脱水機
9 逆洗水貯水槽
91 逆洗用バルブ
92 逆洗水ポンプ
10 総合制御装置
100 廃水処理システム
101 原水ピット
105 浄化処理装置
109 演算器
112 出口側流量計
A 処理槽
P1、P1′ ポンプ
Claims (6)
- 所定の廃水を原水として所定の原水槽に取水し、当該原水槽から原水を処理槽へ供給し、原水の流量を調整しつつ前記処理槽で原水を浄化処理して処理水を得る廃水処理システムにおいて、
前記処理槽の所定箇所における水位が所定の上限水位に達したことを検出する上限レベルセンサと、
前記処理槽の前記所定箇所における水位が所定の下限水位に達したことを検出する下限レベルセンサと、
前記原水槽と処理槽との間に配設され、処理槽への原水の供給量を調整する入口開閉弁と、
前記処理槽より処理水排出側に配設され、処理槽からの処理水の排出量を調整する出口開閉弁とを備え、
前記下限レベルセンサが下限水位を検出してから、一旦前記処理槽からの処理水排出を停止した状態で前記上限レベルセンサが上限水位を検出するまでの前記処理槽における水位変化の経過時間を計測し、当該経過時間及び下限水位から上限水位までの貯留水量を用いて単位時間あたりの流量を求め、得られた流量値に基づいて前記入口開閉弁及び/又は出口開閉弁の開度を調整し、処理槽における原水の流量制御を行うことを
特徴とする廃水処理システム。 - 所定の廃水を原水として所定の原水槽に取水し、当該原水槽から原水を処理槽へ供給し、原水の流量を調整しつつ前記処理槽で原水を浄化処理して処理水を得る廃水処理システムにおいて、
前記処理槽の所定箇所における水位が所定の上限水位に達したことを検出する上限レベルセンサと、
前記処理槽の前記所定箇所における水位が所定の下限水位に達したことを検出する下限レベルセンサと、
前記原水槽と処理槽との間に配設され、処理槽への原水の供給量を調整する入口開閉弁と、
前記処理槽より処理水排出側に配設され、処理槽からの処理水の排出量を調整する出口開閉弁とを備え、
前記上限レベルセンサが上限水位を検出してから、一旦前記処理槽への原水供給を停止した状態で前記下限レベルセンサが下限水位を検出するまでの前記処理槽における水位変化の経過時間を計測し、当該経過時間及び下限水位から上限水位までの貯留水量を用いて単位時間あたりの流量を求め、得られた流量値に基づいて前記入口開閉弁及び/又は出口開閉弁の開度を調整し、処理槽における原水の流量制御を行うことを
特徴とする廃水処理システム。 - 前記請求項1に記載の廃水処理システムにおいて、
前記上限レベルセンサが、フロートスイッチで形成され、
前記上限レベルセンサがONとなって一旦前記処理槽への原水供給を停止した時点から、上限レベルセンサがOFFとなるまでの経過時間が、あらかじめ定められた所定時間内である場合には、前記入口開閉弁の開度を所定量小さく調整する一方、前記経過時間が前記所定時間より長い場合には、前記出口開閉弁の開度を所定量大きく調整することを
特徴とする廃水処理システム。 - 前記請求項2に記載の廃水処理システムにおいて、
前記下限レベルセンサが、フロートスイッチで形成され、
前記下限レベルセンサがOFFとなって一旦前記処理槽からの処理水排出を停止した時点から、下限レベルセンサのONとなるまでの経過時間が、あらかじめ定められた所定時間内である場合には、前記出口開閉弁の開度を所定量小さく調整する一方、前記経過時間が前記所定時間より長い場合には、前記入口開閉弁の開度を所定量大きく調整することを
特徴とする廃水処理システム。 - 前記請求項1ないし4のいずれかに記載の廃水処理システムにおいて、
前記原水槽における水位が所定の下限水位に達したことを検出する下限レベルセンサを備え、
当該下限レベルセンサが下限水位を検出すると、前記入口開閉弁の開度を所定の期間増大させて原水の入口開閉弁通過流量を増やし、増加させた原水で入口開閉弁の汚れを洗い流すことを
特徴とする廃水処理システム。 - 前記請求項1ないし5のいずれかに記載の廃水処理システムにおいて、
前記処理槽に対し原水が略一定量連続的に供給されると共に処理槽から処理水が略一定量連続的に排出される定常運転状態で、前記下限レベルセンサが下限水位を検出してから、一旦処理水の排出を抑えた状態で前記上限レベルセンサが上限水位を検出するまでの前記処理槽における水位変化の経過時間を計測し、当該経過時間があらかじめ定められた所定時間より長い場合は、前記入口開閉弁の開度を所定の期間増大させて原水の入口開閉弁通過流量を増やし、増加させた原水で入口開閉弁の汚れを洗い流すことを
特徴とする廃水処理システム。
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