JP5899767B2 - 食い込み式管接続構造 - Google Patents

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Description

本発明は、食い込み式管接続構造、特に、2つのフェルールを使用した食い込み式管接続構造に関する。
従来より、冷凍装置の配管系統において、継手本体と、継手本体に螺合されて組み付けられる結合部材と、継手本体及び結合部材とは別体に形成されるとともに継手本体と結合部材との間に挟着されるフェルールとを有する食い込み式管継手が使用されている。
このようなフェルールを使用した食い込み式管継手としては、1つのフェルールを使用したシングルフェルール構造を有するものと、2つのフェルール(フロントフェルール及びバックフェルール)を使用したダブルフェルール構造を有するものとがある。ここで、シングルフェルール構造の食い込み式管継手としては、特許文献1(実開昭49−3111号公報)、及び、特許文献2(特開2006−207795号公報)に記載されているものがある。また、ダブルフェルール構造の食い込み式管継手としては、特許文献3(特開2005−337326号公報)、及び、特許文献4(特表2001−520728号公報)に記載されているものがある。
ここで、ダブルフェルール構造の食い込み式管継手は、フロントフェルール及びバックフェルールが確実に配管に食い込むため、シングルフェルール構造の食い込み式管継手に比べて、配管支持力が高く、管接続構造として高い信頼性を有している。
しかし、従来のダブルフェルール構造の食い込み式管継手では、各部材間のシールの観点で見ると、継手本体とフロントフェルールとの間だけでなく、フロントフェルールとバックフェルールとの間もシールされるため、配管とフェルールとのシールは、2重シールとなり、漏れ信頼性が向上するが、配管とフェルールとのシール以外のシール(継手本体とフェルールとのシール)については、流体が外部に漏れる箇所が増加してしまい、継手全体としての流体の漏れに対する信頼性を大幅に向上させるには限界がある。
また、特許文献3のダブルフェルール構造の食い込み式管継手では、結合部材が継手本体に組み付けられる際に、まず、フロントフェルールの先端と継手本体との間のシール及びフロントフェルールの配管への食い込みが行われる。そして、フロントフェルールの先端の配管への食い込みがある程度進行すると、次に、フロントフェルールとバックフェルールとの間のシール及びバックフェルールの配管への食い込みが行われる。フロントフェルールとバックフェルールとの間のシール及びバックフェルールの配管への食い込みが開始されると、フロントフェルールの後端と継手本体とが接触してフロントフェルールの軸方向移動が拘束されるため、この時点からは、フロントフェルールの先端の配管への食い込みが進行しにくくなる。また、軸方向移動が拘束された状態でフロントフェルールがバックフェルールによって押圧されると、フロントフェルールには、軸方向移動が拘束された位置を中心とする回転モーメントが発生する。この回転モーメントは、フロントフェルールの先端と配管との間の面圧を減少させる力を発生させる。このため、フロントフェルールの配管への食い込み不足が発生するおそれがある。このように、特許文献3のダブルフェルール構造の食い込み式管継手では、フロントフェルールと配管との間のシール性が低下してしまい、流体の漏れに対する信頼性が損なわれるおそれがある。
さらに、ダブルフェルール構造の食い込み式管継手において、組み付けられた結合部材を冷凍装置の移設等の要求から継手本体から外し、その後、結合部材を継手本体に再度組み付けるような場合には、既に両フェルールが変形した状態になっている。このため、再組み付け時において、フロントフェルールには、継手本体に対する押圧力がほとんど作用しなくなり、フロントフェルールと配管との間のシール性が低下してしまうことから、流体の漏れに対する信頼性が大幅に損なわれるおそれがある。
本発明の課題は、2つのフェルールを使用した食い込み式管接続構造において、流体の漏れに対する信頼性を向上させることにある。
第1の観点にかかる食い込み式管接続構造は、継手本体と、継手本体に螺合されて組み付けられる結合部材と、継手本体及び結合部材とは別体に形成されるとともに継手本体と結合部材との間に挟着されるフロントフェルール及びバックフェルールとを有している。フロントフェルールは、継手本体との間で、継手本体とフロントフェルールとの間をシールする継手本体−フロントフェルール間シール部を形成している。バックフェルールは、フロントフェルールとの間で、フロントフェルールとバックフェルールとの間をシールするフロントフェルール−バックフェルール間シール部を形成している。しかも、バックフェルールは、継手本体との間で、流体の漏れ方向に対して継手本体−フロントフェルール間シール部及びフロントフェルール−バックフェルール間シール部の下流側の位置に、継手本体とバックフェルールとの間をシールする継手本体−バックフェルール間シール部を形成している。
この食い込み式管接続構造では、継手本体−フロントフェルール間シール部を通じて漏れる流体とフロントフェルール−バックフェルール間シール部を通じて漏れる流体とが合流して、継手本体−バックフェルール間シール部に達することになる。このため、継手本体−フロントフェルール間シール部を通じて漏れる流体は、流体の漏れ方向に対して直列に配置された継手本体−バックフェルール間シール部においてシールされて、外部への流体の漏れが抑えられる。また、フロントフェルール−バックフェルール間シール部を通じて漏れる流体も、流体の漏れ方向に対して直列に配置された継手本体−バックフェルール間シール部においてシールされて、外部への流体の漏れが抑えられる。しかも、継手本体−バックフェルール間シール部は、継手本体−フロントフェルール間シール部及びフロントフェルール−バックフェルール間シール部に共通であるため、従来のダブルフェルール構造に比べて、流体が外部へ漏れる箇所が1箇所減少することになる。
これにより、この食い込み式管接続構造では、シール部が直列に配置されるとともに、流体が外部に漏れる箇所を減少させることができるため、流体の漏れに対する信頼性を向上させることができる。
また、この食い込み式管接続構造では、継手本体が、結合部材が継手本体に組み付けられる際にバックフェルールを径方向内周側に押圧する力を発生する継手本体−バックフェルール押圧面を有している。また、継手本体−バックフェルール押圧面が、締結方向に対して、前側に向かうにつれて径が小さくなる傾斜面をなしている。また、バックフェルールのうち継手本体−バックフェルール押圧面に対向している外周側テーパ面が、締結方向に対して、前側に向かうにつれて径が小さくなる傾斜面をなしている。さらに、外周側テーパ面の軸心に対する傾斜角度が、継手本体−バックフェルール押圧面の軸心に対する傾斜角度よりも大きくなっている。
第2の観点にかかる食い込み式管接続構造は、第1の観点にかかる食い込み式管接続構造において、フロントフェルールは、結合部材が継手本体に組み付けられる際にバックフェルールを径方向内周側に押圧する力を発生するフロントフェルール−バックフェルール押圧面を有している。継手本体は、結合部材が継手本体に組み付けられる際にフロントフェルールを径方向内周側に押圧する力を発生する継手本体−フロントフェルール押圧面有している。
この食い込み式管接続構造では、継手本体−フロントフェルール押圧面によって、フロントフェルールの配管への食い込みが行われて、フロントフェルールと配管との間のシール部及び継手本体−フロントフェルール間シール部を形成する。また、フロントフェルール−バックフェルール押圧面によって、バックフェルールの配管への食い込みが行われて、バックフェルールと配管との間のシール部及びフロントフェルール−バックフェルール間シール部を形成する。しかも、継手本体−バックフェルール押圧面によって、バックフェルールの配管への食い込みをさらに進行させるとともに、継手本体−バックフェルール間シール部を形成する。
これにより、この食い込み式管接続構造では、両フェルールの配管への食い込みを確実に行うとともに、継手本体−バックフェルール間シール部を形成することができるため、流体の漏れに対する信頼性を向上させることができる。
第3の観点にかかる食い込み式管接続構造は、第2の観点にかかる食い込み式管接続構造において、継手本体は、フロントフェルールを収容するフェルール収容部を有している。フェルール収容部は、フロントフェルールとの間で、継手本体−フロントフェルール間シール部を形成している。フェルール収容部は、バックフェルールの一部をさらに収容し、バックフェルールとの間で、継手本体−バックフェルール間シール部を形成している。
この食い込み式管接続構造では、フェルール収容部において、フロントフェルールと継手本体の間からの流体の漏れ、及び、継手本体とバックフェルールとの間からの流体の漏れを抑えることができる。
第4の観点にかかる食い込み式管接続構造は、第3の観点にかかる食い込み式管接続構造において、バックフェルールの外径は、フロントフェルールの外径よりも大きい。フェルール収容部は、継手本体−フロントフェルール間シール部及びフロントフェルール−バックフェルール間シール部の径方向外周側の位置において、バックフェルールとの間で、継手本体−バックフェルール間シール部を形成している。
この食い込み式管接続構造では、バックフェルールの外径をフロントフェルールの外径よりも大きくすることによって、他のシール部の径方向外周側の位置に継手本体−バックフェルール間シール部を形成することができる。
第5の観点にかかる食い込み式管接続構造は、第3又は第4の観点にかかる食い込み式管接続構造において、結合部材を継手本体に組み付ける前の状態において、結合部材を継手本体に組み付ける方向である締結方向に対して、フェルール収容部に収容されたフロントフェルールの後端は、フェルール収容部よりも後側に位置している。
この食い込み式管接続構造では、結合部材を継手本体に組み付ける前の状態において、フロントフェルールの後端がフェルール収容部よりも後側に位置している。このため、結合部材が継手本体に組み付けられる際には、まず、フロントフェルールの後端がフェルール収容部内に収容されるとともに、継手本体−フロントフェルール間シール部の形成及びフロントフェルールの配管への食い込みが行われる。そして、フロントフェルールの配管への食い込みが進行すると、次に、フロントフェルール−バックフェルール間シール部の形成及びバックフェルールの配管への食い込みが行われる。さらに、結合部材の継手本体への組み付けが進行すると、フロントフェルールの後端だけでなくバックフェルールの一部もフェルール収容部内に収容される。すると、バックフェルールが継手本体の継手本体−バックフェルール押圧面に接触して、バックフェルールの配管への食い込みがさらに進行するとともに、継手本体−バックフェルール間シール部が形成される。
このように、この食い込み式管接続構造では、継手本体及び配管とフロントフェルールとの間、フロントフェルール及び配管とバックフェルールとの間、及び、継手本体とバックフェルールとの間の順に各部材間のシールを行うことができる。
第6の観点にかかる食い込み式管接続構造は、第2〜第5の観点のいずれかにかかる食い込み式管接続構造において、継手本体−フロントフェルール押圧面、及び、フロントフェルール−バックフェルール押圧面、締結方向に対して、前側に向かうにつれて径が小さくなる傾斜面をなしている。
この食い込み式管接続構造では、継手本体−バックフェルール間シール部を形成する状態まで結合部材の継手本体への組み付けが進行すると、バックフェルールを介してフロントフェルールが締結方向に向かってさらに押圧されることになる。このため、この食い込み式管接続構造では、バックフェルールの配管への食い込みが開始された後であるにもかかわらず、フロントフェルールの配管への食い込みがさらに進行するようになっている。また、組み付けに使用して変形した状態になったフェルールを用いて結合部材を継手本体に再度組み付ける場合であっても、フロントフェルールの配管への食い込みを進行させることができる。
これにより、この食い込み式管接続構造では、フロントフェルールの配管への食い込み不足が発生しにくくすることができ、また、結合部材を継手本体に再度組み付ける場合においても、流体の漏れに対する信頼性を確保することができる。
第7の観点にかかる食い込み式管接続構造は、第1〜第6の観点のいずれかにかかる食い込み式管接続構造において、流体の漏れ方向に対して継手本体−フロントフェルール間シール部の上流側の位置に、Oリング式シール部を設けている。
この食い込み式管接続構造では、流体の漏れ方向に対してシール部がさらに直列に配置されることになるため、流体の漏れに対する信頼性をさらに向上させることができる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下のような効果が得られる。
第1の観点にかかる食い込み式管接続構造では、シール部が直列に配置されるとともに、流体が外部に漏れる箇所を減少させることができるため、流体の漏れに対する信頼性を向上させることができる。
第2の観点にかかる食い込み式管接続構造では、両フェルールの配管への食い込みを確実に行うとともに、継手本体−バックフェルール間シール部を形成することができるため、流体の漏れに対する信頼性を向上させることができる。
第3の観点にかかる食い込み式管接続構造では、フェルール収容部において、フロントフェルールと継手本体の間からの流体の漏れ、及び、継手本体とバックフェルールとの間からの流体の漏れを抑えることができる。
第4の観点にかかる食い込み式管接続構造では、バックフェルールの外径をフロントフェルールの外径よりも大きくすることによって、他のシール部の径方向外周側の位置に継手本体−バックフェルール間シール部を形成することができる。
第5の観点にかかる食い込み式管接続構造では、継手本体及び配管とフロントフェルールとの間、フロントフェルール及び配管とバックフェルールとの間、及び、継手本体とバックフェルールとの間の順に各部材間のシールを行うことができる。
第6の観点にかかる食い込み式管接続構造では、フロントフェルールの配管への食い込み不足が発生しにくくすることができ、また、結合部材を継手本体に再度組み付ける場合においても、流体の漏れに対する信頼性を確保することができる。
第7の観点にかかる食い込み式管接続構造では、流体の漏れ方向に対してシール部がさらに直列に配置されることになるため、流体の漏れに対する信頼性をさらに向上させることができる。
本発明の一実施形態にかかる食い込み式管接続構造の配管接続開始時の状態を示す断面図である。 図1のA部を拡大して示す断面図である。 食い込み式管接続構造の配管接続初期の状態を示す拡大断面図である。 食い込み式管接続構造の配管接続中期の状態を示す拡大断面図である。 食い込み式管接続構造の配管接続後期の状態を示す拡大断面図である。 食い込み式管接続構造の配管接続完了時の状態を示す断面図である。 食い込み式管接続構造の配管接続時における結合部材の回転角度とフェルール押圧力との関係を示す図(新規使用時)である。 食い込み式管接続構造の配管接続時における結合部材の回転角度とフェルール押圧力との関係を示す図(再使用時)である。 変形例1における食い込み式管接続構造の配管接続開始時の状態を示す断面図である。 変形例1におけるバックフェルールと結合部材とが仮組みされた状態を示す断面図である。 図10のB部を拡大して示す断面図である。 変形例1における結合部材を示す断面図である。 変形例1におけるバックフェルールを示す断面図である。 変形例1における食い込み式管接続構造の配管接続完了時の状態を示す断面図である。 変形例2における食い込み式管接続構造の配管接続完了時の状態を示す断面図である。 変形例3における食い込み式管接続構造の配管接続開始時の状態を示す断面図である。 変形例3における食い込み式管接続構造の配管接続完了時の状態を示す断面図である。 変形例4における食い込み式管接続構造の配管接続完了時の状態を示す断面図である。 変形例5における食い込み式管接続構造の配管接続開始時の状態を示す断面図である。 変形例5における継手本体を示す断面図である。 変形例5における結合部材を示す断面図である。 変形例5における結合部材を示す後面図である。 変形例5における食い込み式管接続構造の配管接続完了時の状態を示す断面図である。 変形例5における食い込み式管接続構造の専用治具の要部を示す斜視図である。 変形例6における食い込み式管接続構造の配管接続開始時の状態を示す断面図である。 変形例6における食い込み式管接続構造の配管接続完了時の状態(切断直前の状態)を示す断面図である。 変形例6における食い込み式管接続構造の配管接続完了時の状態(切断後の状態)を示す断面図である。
以下、本発明にかかる食い込み式管接続構造の実施形態について、図面に基づいて説明する。
<構成>
本実施形態の食い込み式管接続構造1は、ヒートポンプ式空気調和装置や温水装置等の冷凍装置の配管系統において、配管同士を接続するための管継手における管継手部に適用されたり、配管が接続される弁類等の機器における管継手部に適用されるものである。ここで、図1は、本発明の一実施形態にかかる食い込み式管接続構造1の配管接続開始時の状態を示す断面図である。図2は、図1のA部を拡大して示す断面図である。図3は、食い込み式管接続構造1の配管接続初期の状態を示す拡大断面図である。図4は、食い込み式管接続構造1の配管接続中期の状態を示す拡大断面図である。図5は、食い込み式管接続構造1の配管接続後期の状態を示す拡大断面図である。図6は、食い込み式管接続構造1の配管接続完了時の状態を示す断面図である。図7は、食い込み式管接続構造1の配管接続時における結合部材3の回転角度とフェルール押圧力との関係を示す図(新規使用時)である。図8は、食い込み式管接続構造1の配管接続時における結合部材3の回転角度とフェルール押圧力との関係を示す図(再使用時)である。尚、以下の説明で使用する「前」、「後」は、結合部材を継手本体に組み付ける方向である締結方向を基準とする向きを意味し、図1においては、紙面左方を向く側を「前」とし、紙面右方を向く側を「後」とする。また、「軸方向」とは、各部材の軸心に沿う方向を意味し、「径方向」とは、軸方向に交差する方向を意味する。また、図3〜図6等は、フェルール4、5が配管P2に食い込んだ状態を示すイメージ図であり、実際にフェルール4、5が配管P2に食い込んだ状態は、図3〜図6等とは若干異なる場合もあり得る。
食い込み式管接続構造1は、主として、継手本体2と、結合部材3と、フロントフェルール4及びバックフェルール5とを有している。継手本体2は、被接続側機器から導出される配管P1に取り付けられる部材である。結合部材3は、継手本体2に接続する配管P2に外装され、継手本体2に螺合されて組み付けられる部材である。フロントフェルール4及びバックフェルール5は、継手本体2及び結合部材3とは別体に形成されるとともに、継手本体2と結合部材3との間に挟着される部材である。尚、配管P1、P2は、銅等の金属製の部材である。
継手本体2は、黄銅等の金属製の部材であり、汎用の締結工具で把持できるように略六角ナット形状の外形に形成された基部21を有している。基部21の前側には、ソケット部22が形成され、基部21の後側には、軸部23が形成されている。軸部23の外周部分には、結合部材3を螺合するための雄ねじからなる螺子部23aが形成されている。ソケット部22から基部21にかけての軸心部分には、配管P1を差し込むための差込口24が形成されている。軸部23から基部21にかけての軸心部分には、配管P2を差し込むための差込口25が形成されている。差込口24と差込口25との軸方向間には、差込口24及び差込口25よりも小径の連通孔を形成するとともに配管P1、P2の軸方向移動を規制する段差部26が形成されている。段差部26は、差込口24、25に差し込まれた配管P1、P2の先端を段差部26に当接させることによって、配管P1、P2の先端位置を一定に保持するものである。軸部23の先端部分、すなわち、差込口25の後端部分には、フロントフェルール4を収容するフェルール収容部27が形成されている。フェルール収容部27の前側部分には、カム面27a(継手本体−フロントフェルール押圧面)が形成されている。カム面27aは、前側部分が差込口25に連なっており、後側に向かうにつれて径が大きくなる傾斜面をなしている。カム面27aは、結合部材3が継手本体2に組み付けられる際にフロントフェルール4を径方向内周側に押圧する力を発生するものである。カム面27aは、後側部分の軸心に対する傾斜角度α1に比べて、前側部分の軸心に対する傾斜角度α2が大きくなるように形成されている(図2参照)。また、フェルール収容部27の中間部分には、円筒面27bが形成されている。円筒面27bは、前側部分がカム面27aに連なっており、前後方向に径が変化しない平坦面をなしている。さらに、フェルール収容部27の後側部分には、テーパ面27c(継手本体−バックフェルール押圧面)が形成されている。テーパ面27cは、前側部分が円筒面27bに連なっており、後側に向かうにつれて径が大きくなる傾斜面をなしている。すなわち、テーパ面27cは、円筒面27bを介してカム面27aの後側に連なっており、かつ、カム面27aの径方向外周側に配置されている。テーパ面27cは、結合部材3が継手本体2に組み付けられる際にバックフェルール5を径方向内周側に押圧する力を発生するものである。ここで、テーパ面27cの軸心に対する傾斜角度をα3とする(図2参照)。そして、フェルール収容部27は、結合部材3を継手本体2に組み付ける前の状態において、フロントフェルール4の後端がフェルール収容部27の後側に位置する状態で、フロントフェルール4の前側部分を収容している(図2参照)。
結合部材3は、黄銅等の金属製の部材であり、配管P2を差し込むための差込口32が軸心部分に形成された基部31を有している。基部31の前側には、継手本体2と螺合する締結部33が形成されている。締結部33の内周部分には、継手本体2の螺子部23aに螺合する雌ねじからなる螺子部33aが形成されている。基部31から締結部33にかけての外周部分は、汎用の締結工具で把持できるように略六角ナット形状の外形に形成されている。基部31の前側部分には、押圧面34が形成されている。押圧面34は、軸心側が後方に後退する傾斜面をなしている。押圧面34は、結合部材3が継手本体2に組み付けられる際に、結合部材3を締め付ける締付トルクを、軸方向前側、かつ、径方向内周側に押圧する力に代えて、バックフェルール5を押圧するものである。
フロントフェルール4は、黄銅等の金属製の部材であり、結合部材3が継手本体2に組み付けられる前の状態において、バックフェルール5とは別体に形成されている。フロントフェルール4の軸心部分には、配管P2が差し込まれる配管貫通孔41が形成されている。フロントフェルール4は、前側部分が前方部42を構成し、後側部分が後方部43を構成している。前方部42の外周面には、前方に向かうにつれて径が小さくなるテーパ面42aが形成されている。テーパ面42aは、軸心に対する傾斜角度β1がカム面27aの後側部分の傾斜角度α1よりも小さくなるように形成されている(図2参照)。前方部42の内周面には、径方向外周側に向かって切り込まれたノッチ42bが形成されている。ノッチ42bは、軸方向に沿う断面形状が略直角三角形状である。前方部42の前端部分、すなわち、ノッチ42bよりも前側の部分の変形を容易にするためのものである。後方部43の外周面は、軸心に対して略平行な面が形成されている。後方部43の内周面には、前方に向かうにつれて径が小さくなるテーパ面43a(フロントフェルール−バックフェルール押圧面)が形成されている。テーパ面43aは、結合部材3が継手本体2に組み付けられる際にバックフェルール5を径方向内周側に押圧する力を発生するものである。ここで、テーパ面43aの軸心に対する傾斜角度をβ2とする(図2参照)。
バックフェルール5は、黄銅等の金属製の部材であり、結合部材3が継手本体2に組み付けられる前の状態において、フロントフェルール4とは別体に形成されている。バックフェルール5の軸心部分には、配管P2が差し込まれる配管貫通孔51が形成されている。バックフェルール5は、前側部分が前方部52を構成し、後側部分が後方部53を構成している。バックフェルール5の前方部52の外径Dbは、フロントフェルール4の後方部43の外径Dfよりも大きくなっている(図2参照)。そして、前方部52の外周面の径方向内周部分は、フロントフェルール4の後方部43に対向しており、前方に向かうにつれて径が小さくなる内周側テーパ面52aが形成されている。また、前方部52の外周面の径方向外周部分は、継手本体2のテーパ面27cに対向しており、前方に向かうにつれて径が小さくなる外周側テーパ面52bが形成されている。ここで、内周側テーパ面52aは、軸心に対する傾斜角度γ1がフロントフェルール4のテーパ面43aの傾斜角度β2よりも小さくなるように形成されている(図2参照)。また、外周側テーパ面52bは、軸心に対する傾斜角度γ2が継手本体2のテーパ面27cの傾斜角度α3よりも大きくなるように形成されている(図2参照)。尚、ここでは、外周側テーパ面52bは、内周側テーパ面52aの径方向外周側に滑らかに連なるように形成されており、傾斜角度γ1と傾斜角度γ2とが同じ角度をなしているが、これに限定されるものではなく、傾斜角度γ1と傾斜角度γ2とが異なっていてもよい。
<方法>
次に、以上のように構成された本実施形態の食い込み式管接続構造1による配管接続方法について説明する。
継手本体2は、配管P2を接続するに先だって、被接続側機器から導出される配管P1に取り付けられている。次に、食い込み式管接続構造1による配管P2の接続は、まず、結合部材3の差込口32に接続すべき配管P2を差し込み、結合部材3を配管P2に外装する。次に、フロントフェルール4及びバックフェルール5の配管貫通孔41、51に配管P2を差し込み、フロントフェルール4及びバックフェルール5を配管P2に外装する。そして、配管P2の前端部分を継手本体2の差込口25に差し込み、配管P2が段差部26に当接した状態にして、互いが仮組みされたフロントフェルール4及びバックフェルール5を軸方向間に挟んだ状態で結合部材3を継手本体2に螺合する。
この状態から結合部材3を手回しで継手本体2に締結すると、結合部材3の押圧面34によって、バックフェルール5の後方部53が前側に押圧される。また、バックフェルール5の前方部52によって、フロントフェルール4の後方部43が前側に押圧される。これにより、フロントフェルール4の前方部42のテーパ面42aが継手本体2のカム面27aの後側部分に接触する。このとき、フロントフェルール4の前方部42のノッチ42bよりも前側の部分が径方向内周側に折れ曲がり、カム面27の前側部分(傾斜角度α2の部分)に仮止めされる。また、バックフェルール5の前方部52の内周側テーパ面52aがフロントフェルール4の後方部43のテーパ面43aに接触する。
この状態から汎用の締結工具を使用して結合部材3を継手本体2に締め付ける。
すると、まず、締め付け初期(配管接続初期)においては、テーパ面42aがカム面27aに押圧されるとともに、傾斜面からなるカム面27aがフロントフェルール4の前方部42を径方向内周側に押圧する力を発生する。そして、この押圧力によって、前方部42の前側部分の配管P2への食い込みが行われる(図3参照)。このとき、テーパ面42aの傾斜角度β1がカム面27aの後側部分の傾斜角度α1よりも小さくなっているため(図2参照)、フロントフェルール4の前方部42を径方向内周側に押圧する力を強めることができる。また、フロントフェルール4の後端がフェルール収容部27内に収容された状態になる(図3参照)。これにより、継手本体2のカム面27aとフロントフェルール4のテーパ面42aとの間のシール部61(継手本体−フロントフェルール間シール部)が形成されることになる(図3参照)。また、これとともに、フロントフェルール4の前端と配管P2との間のシール部62(フロントフェルール−配管間シール部)が形成されることになる(図3参照)。
次に、フロントフェルール4の先端の配管P2への食い込みがある程度進行して、締め付け中期(配管接続中期)になる。この締め付け中期(配管接続中期)においては、フロントフェルール4のテーパ面43aとバックフェルール5の内周側テーパ面52aとの間のシール部63(フロントフェルール−バックフェルール間シール部)が形成される(図4参照)。また、これとともに、バックフェルール5の前端と配管P2との間のシール部64(バックフェルール−配管間シール部)が形成される(図4参照)。具体的には、内周側テーパ面52aがテーパ面43aに押圧されるとともに、傾斜面からなるテーパ面43aがバックフェルール5の前方部52を径方向内周側に押圧する力を発生する。そして、この押圧力によって、前方部52の前側部分の配管P2への食い込みが行われる(図4参照)。このとき、内周側テーパ面52aの傾斜角度γ1がテーパ面43aの傾斜角度β2よりも小さくなっているため(図2参照)、バックフェルール5の前方部52を径方向内周側に押圧する力を強めることができる。
さらに、結合部材3の継手本体2への組み付けが進行すると、フロントフェルール4の後端だけでなくバックフェルール5の一部もフェルール収容部27内に収容される(図4及び図5参照)。すると、バックフェルール5の外周側テーパ面52bが継手本体2のテーパ面27cに接触して、バックフェルール5の配管P2への食い込みがさらに進行する(図5参照)。また、これとともに、継手本体2とバックフェルール5との間をシールするシール部65(継手本体−バックフェルール間シール部)が形成される(図5参照)。具体的には、外周側テーパ面52bがテーパ面27cに押圧されるとともに、傾斜面からなるテーパ面27cがバックフェルール5の前方部52を径方向内周側に押圧する力を発生する(図5参照)。そして、この押圧力によって、バックフェルール5の前方部52の前側部分の配管P2への食い込みがさらに進行するとともに、シール部65を形成する(図5参照)。また、ここでは、フロントフェルール4の軸方向前側への移動が拘束されていない。このため、外周側テーパ面52bの軸方向前側への移動に伴うバックフェルール5の内周側テーパ面52aの軸方向前側への移動によって、フロントフェルール4の後方部43が軸方向前側にさらに押圧されることになる。そして、この押圧力によって、フロントフェルール4の前方部42の前側部分の配管P2への食い込みもさらに進行することになる(図5参照)。すなわち、図7に示すように、フロントフェルール4には、バックフェルール5(外周側テーパ面52b)が継手本体2(テーパ面27c)に接触した後においても、押圧力が作用しており、この押圧力によって、配管P2への食い込みがさらに進行する。このとき、外周側テーパ面52bの傾斜角度γ2がテーパ面27cの傾斜角度α3よりも大きくなっているため(図2参照)、バックフェルール5の前方部52を軸方向前側に押圧する力を強めることができる。
このようにして、本実施形態の食い込み式管接続構造1による配管接続が行われる。この配管接続によって、食い込み式管接続構造1には、従来のダブルフェルール構造が有するシール部61〜64だけでなく、継手本体2とバックフェルール5との間をシールするシール部65が形成されている(図5及び図6参照)。
ここで、シール部65がない場合には、食い込み式管接続構造1における配管P2内からの流体の漏れは、シール部61を通じた漏れ経路と、シール部62、63を通じた漏れ経路と、シール部62、64を通じた漏れ経路とによって生じる。すなわち、シール部65がない場合には、流体の漏れ方向に対してシール部が直列に配置された漏れ経路が2つだけであるため、直列にシール部が配置されていないシール部61を通じた漏れ経路からの流体の漏れが多くなるおそれがある。また、シール部65がない場合には、流体が外部に漏れる箇所が3つ存在するため、流体の漏れが多くなるおそれがある。
これに対して、シール部65がある場合には、食い込み式管接続構造1における配管P2内からの流体の漏れは、シール部61、65を通じた漏れ経路と、シール部62、63、65を通じた漏れ経路と、シール部62、64を通じた漏れ経路とによって生じる。すなわち、シール部65がある場合には、流体の漏れ方向に対してシール部が直列に配置された漏れ経路が3つ存在しているため、シール部65がない場合に比べて、流体の漏れを少なくすることができるようになっている。また、シール部65がある場合には、シール部61を通じた漏れ経路とシール部62、63を通じた漏れ経路とが、これらのシール部61、62、63よりも流体の漏れ方向の下流側の位置に配置されたシール部65で合流している。このため、シール部65がある場合には、シール部65がない場合に比べて、流体が外部に漏れる箇所が1箇所減少することになり、これにより、流体の漏れを少なくすることができるようになっている。
また、上記のようにして組み付けられた結合部材3を冷凍装置の移設等の要求から継手本体2から外し、その後、結合部材3を継手本体2に再度組み付けるような場合がある。このような再組み付け時においては、フェルールが既に変形した状態になっている。このため、通常のダブルフェルール構造の場合には、組み付けに使用して変形した状態になったフェルールを用いて結合部材を継手本体に再度組み付けても、フロントフェルールには、継手本体に対する押圧力がほとんど作用しない。そうすると、フロントフェルールと配管との間のシール性が低下してしまうことから、流体の漏れに対する信頼性が大幅に損なわれるおそれがある。
これに対して、食い込み式管接続構造1では、上記に説明したように、シール部65が形成されており、また、フロントフェルール4の軸方向前側への移動が拘束されていない。そして、バックフェルール5が継手本体2に接触した後においても、フロントフェルール4に押圧力が作用するようになっている。このため、組み付けに使用して変形した状態になったフェルール4、5を用いて結合部材3を継手本体2に再度組み付ける場合であっても、フロントフェルール4に押圧力を作用させることができる(図8参照)。これにより、フロントフェルール4の配管P2への食い込みを進行させることができ、流体の漏れに対する信頼性を確保することができるようになっている。
<特徴>
次に、以上のように構成された本実施形態の食い込み式管接続構造1の特徴について説明する。
(A)
食い込み式管接続構造1では、上記のように、流体の漏れ方向に対してシール部61(継手本体−フロントフェルール間シール部)及びシール部63(フロントフェルール−バックフェルール間シール部)の下流側の位置に、継手本体2とバックフェルール5との間をシールするシール部65(継手本体−バックフェルール間シール部)が形成されている。
これにより、食い込み式管接続構造1では、シール部61を通じて漏れる流体とシール部63を通じて漏れる流体とが合流して、シール部65に達することになる。このため、シール部61を通じて漏れる流体は、流体の漏れ方向に対して直列に配置されたシール部65においてシールされて、外部への流体の漏れが抑えられる。また、シール部63を通じて漏れる流体も、流体の漏れ方向に対して直列に配置されたシール部65においてシールされて、外部への流体の漏れが抑えられる。しかも、シール部65は、シール部61及びシール部63に共通であるため、従来のダブルフェルール構造に比べて、流体が外部へ漏れる箇所が1箇所減少することになる。すなわち、食い込み式管接続構造1では、シール部が直列に配置されるとともに、流体が外部に漏れる箇所を減少させることができるため、流体の漏れに対する信頼性を向上させることができる。
(B)
食い込み式管接続構造1では、上記のように、カム面27a(継手本体−フロントフェルール押圧面)によって、フロントフェルール4の配管P2への食い込みが行われて、フロントフェルール4と配管P2との間のシール部62及びシール部61(継手本体−フロントフェルール間シール部)を形成する。また、テーパ面43a(フロントフェルール−バックフェルール押圧面)によって、バックフェルール5の配管P2への食い込みが行われて、バックフェルール5と配管P2との間のシール部64及びシール部63(フロントフェルール−バックフェルール間シール部)を形成する。しかも、テーパ面27c(継手本体−バックフェルール押圧面)によって、バックフェルール5の配管P2への食い込みをさらに進行させるとともに、シール部65(継手本体−バックフェルール間シール部)を形成する。
これにより、食い込み式管接続構造1では、両フェルール4、5の配管P2への食い込みを確実に行うとともに、シール部65を形成することができるため、流体の漏れに対する信頼性を向上させることができる。
(C)
食い込み式管接続構造1では、上記のように、継手本体2がフロントフェルール4を収容するフェルール収容部27を有している。フェルール収容部27は、フロントフェルール4との間で、シール部61(継手本体−フロントフェルール間シール部)を形成している。フェルール収容部27は、バックフェルール5の一部をさらに収容し、バックフェルール5との間で、シール部65(継手本体−バックフェルール間シール部)を形成している。
これにより、食い込み式管接続構造1では、フェルール収容部27において、フロントフェルール4と継手本体2の間からの流体の漏れ、及び、フロントフェルール4とバックフェルール5との間からの流体の漏れを抑えることができる。
(D)
食い込み式管接続構造1では、上記のように、バックフェルール5の外径Dbがフロントフェルール4の外径Dfよりも大きい。フェルール収容部27は、シール部61(継手本体−フロントフェルール間シール部)及びシール部63(フロントフェルール−バックフェルール間シール部)の径方向外周側の位置において、バックフェルール5との間で、シール部65(継手本体−バックフェルール間シール部)を形成している。
これにより、食い込み式管接続構造1では、バックフェルール5の外径をフロントフェルール4の外径よりも大きくすることによって、他のシール部61、63の径方向外周側の位置にシール部65を形成することができる。
(E)
食い込み式管接続構造1では、上記のように、結合部材3を継手本体2に組み付ける前の状態において、結合部材3を継手本体2に組み付ける方向である締結方向に対して、フェルール収容部27に収容されたフロントフェルール4の後端が、フェルール収容部27よりも後側に位置している。
これにより、食い込み式管接続構造1では、結合部材3が継手本体2に組み付けられる際には、まず、フロントフェルール4の後端がフェルール収容部27内に収容されるとともに、シール部61(継手本体−フロントフェルール間シール部)の形成及びフロントフェルール4の配管P2への食い込みが行われる。そして、フロントフェルール4の配管P2への食い込みが進行すると、次に、シール部63(フロントフェルール−バックフェルール間シール部)の形成及びバックフェルール5の配管P2への食い込みが行われる。さらに、結合部材3の継手本体2への組み付けが進行すると、フロントフェルール4の後端だけでなくバックフェルール5の一部もフェルール収容部27内に収容される。すると、バックフェルール5が継手本体2のテーパ面27c(継手本体−バックフェルール押圧面)に接触して、バックフェルール5の配管P2への食い込みがさらに進行するとともに、シール部65(継手本体−バックフェルール間シール部)が形成される。
このように、食い込み式管接続構造1では、継手本体2及び配管P2とフロントフェルール4との間、フロントフェルール4及び配管P2とバックフェルール5との間、及び、継手本体2とバックフェルール5との間の順に各部材間のシールを行うことができる。
(F)
食い込み式管接続構造1では、上記のように、カム面27a(継手本体−フロントフェルール押圧面)、テーパ面43a(フロントフェルール−バックフェルール押圧面)、及び、テーパ面27c(継手本体−バックフェルール押圧面)が、締結方向に対して、前側に向かうにつれて径が小さくなる傾斜面をなしている。
これにより、食い込み式管接続構造1では、シール部65(継手本体−バックフェルール間シール部)を形成する状態まで結合部材3の継手本体2への組み付けが進行すると、バックフェルール5を介してフロントフェルール4が締結方向に向かってさらに押圧されることになる。このため、食い込み式管接続構造1では、バックフェルール5の配管P2への食い込みが開始された後であるにもかかわらず、フロントフェルール4の配管P2への食い込みがさらに進行するようになっている。また、組み付けに使用して変形した状態になったフェルール4、5を用いて結合部材3を継手本体2に再度組み付ける場合であっても、フロントフェルール4の配管P2への食い込みを進行させることができる。
このように、食い込み式管接続構造1では、フロントフェルール4の配管P2への食い込み不足が発生しにくくすることができ、また、結合部材3を継手本体2に再度組み付ける場合においても、流体の漏れに対する信頼性を確保することができる。
<変形例1>
上記実施形態の食い込み式管接続構造1(図1〜図9参照)において、結合部材3とバックフェルール5とが互いが仮組み可能に構成されていてもよい。
本変形例の食い込み式管接続構造1は、図9〜図14に示すように、結合部材3及びバックフェルール5の構成が上記実施形態と異なっている。このため、以下の説明では、バックフェルール5及び結合部材3の構成を中心に行い、バックフェルール5及び結合部材3以外の構成についての説明を省略する。
結合部材3は、上記実施形態と同様に、黄銅等の金属製の部材であり、差込口32及び押圧面34が形成された基部31と、螺子部33aが形成された締結部33とを有している。そして、本変形例において、基部31の前側部分には、バックフェルール5と結合部材3とを仮組み可能にするための仮組み係合部35がさらに形成されている。仮組み係合部35は、押圧面34の前側に位置しており、螺子部33aの後側に位置している。仮組み係合部35は、主として、仮組み突出部36と仮組み拡径部37とを有している。仮組み突出部36は、押圧面34よりも前側の位置において、径方向内周側に向かって突出する環状の部分である。仮組み突出部36の内周面は、前側に向かうにつれて径が大きくなる傾斜面36aを有している。傾斜面36aは、バックフェルール5の後方部53に形成された仮組み突出部57を圧入しやすくするためのものである。仮組み拡径部37は、仮組み突出部36の後側の位置、すなわち、押圧面34と仮組み突出部36との軸方向間の位置において、仮組み突出部36よりも大きな内径を有する部分である。仮組み拡径部37は、仮組み突出部36を介して挿入される仮組み突出部57を保持するためものである。ここで、仮組み突出部36の内径をDcn1とし、仮組み拡径部37の内径をDcn2とする(図11参照)。
バックフェルール5は、上記実施形態と同様に、黄銅等の金属製の部材であり、その軸心部分に配管貫通孔51が形成されている。また、バックフェルール5の前側部分を構成する前方部52には、テーパ面52a及びテーパ面52bが形成されている。そして、本変形例において、バックフェルール5の後側部分を構成する後方部53には、バックフェルール5と結合部材3とを仮組み可能にするための仮組み係合部56がさらに形成されている。仮組み係合部56は、結合部材3の仮組み係合部35に係合可能である。仮組み係合部56は、主として、仮組み突出部57を有している。仮組み突出部57は、径方向外周側に向かって突出する環状の部分である。仮組み突出部57の軸方向に沿う断面形状は、円弧形状である。すなわち、仮組み突出部57の外周面は、その軸方向中央付近の部分が最も径方向外周側に向かって突出しており、この部分よりも前側及び後側に向かうにつれて径が小さくなるような円弧面をなしている。仮組み突出部57は、結合部材3が継手本体2に組み付けられる際に、結合部材3の押圧面34に接触するようになっている。ここで、仮組み突出部57の外径、すなわち、仮組み係合部56の最大外径Dnは、結合部材3の仮組み突出部36の内径Dcn1よりも大きく、かつ、仮組み拡径部37の内径Dcn2よりも小さくなっている(図11参照)。
以上のように構成されたバックフェルール5と結合部材3とは、結合部材3が継手本体2に組み付けられる前の状態において、互いが仮組み可能に構成されている(図10参照)。ここでは、バックフェルール5と結合部材3とは、バックフェルール5の後方部53に形成された仮組み係合部56と結合部材3の基部31に形成された仮組み係合部35とを係合させることによって、互いの軸方向移動及び径方向移動が制限された状態になるように仮組みされるようになっている。より具体的には、バックフェルール5の後方部53が、バックフェルール5の軸心と結合部材3の軸心とを芯合わせした状態で、結合部材3の基部31に押し付けられることによって仮組みされるようになっている。すなわち、仮組み突出部57が、仮組み突出部36の傾斜面36aに押し付けられることによって、仮組み突出部36がわずかに拡径するように変形し、また、仮組み突出部57がわずかに縮径するように変形する。そして、このような仮組み突出部36、57の変形によって、仮組み突出部57が仮組み突出部36を介して圧入されて仮組み拡径部37内に挿入される。そして、仮組み突出部57が仮組み拡径部37内に挿入された後は、仮組み突出部36、57が変形後のバックリングにより、変形前の状態あるいは変形前に近い状態に戻り、仮組み突出部57が仮組み拡径部37内に挿入された状態で保持されるようになっている。これにより、フロントフェルール4とバックフェルール5と結合部材3とが、互いに仮組みされた状態で、継手本体2に結合させることができるようになっている。
次に、以上のように構成された本変形例の食い込み式管接続構造1による配管接続方法について説明する。
継手本体2は、配管P2を接続するに先だって、被接続側機器から導出される配管P1に取り付けられている。次に、食い込み式管接続構造1による配管P2の接続は、まず、結合部材3の差込口32に接続すべき配管P2を差し込み、結合部材3を配管P2に外装する。次に、フロントフェルール4とともに予め互いに仮組みされた状態のバックフェルール5及び結合部材3の配管貫通孔31、41、51に配管P2を差し込み、フロントフェルール4、バックフェルール5及び結合部材3を配管P2に外装する。そして、配管P2の前端部分を継手本体2の差込口25に差し込み、配管P2が段差部26に当接した状態にして、バックフェルール5が仮組みされた状態で結合部材3を継手本体2に螺合する。そして、上記実施形態と同様に、結合部材3を継手本体2に締め付けることによって、シール部61〜65が形成される(図14参照)。ここで、前方部52の前側部分の配管P2への食い込みが行われるとき、バックフェルール5の後方部53が、結合部材3の押圧面34によって、径方向内周側に向かって押し付けられる。このため、結合部材3に仮組みされたバックフェルール5において、仮組み突出部57が変形するが、周方向で不揃いに変形すると、バックフェルール5が偏心して押し付けられることになり、流体の漏れにつながる。しかし、本変形例では、仮組み突出部57の軸方向に沿う断面形状を円弧形状にしているため、仮組み突出部57が変形しにくく、周方向で不揃いに変形するのを防止している。
本変形例の食い込み式管接続構造1においても、上記実施形態と同様に、シール部61〜64だけでなくシール部65(継手本体−バックフェルール間シール部)が形成される。これにより、シール部がすべて直列に配置されるとともに、流体が外部に漏れる箇所を減少させることができるため、流体の漏れに対する信頼性を向上させることができる。
しかも、本変形例の食い込み式管接続構造1では、上記のように、バックフェルール5と結合部材3とが、互いに仮組みされた状態で、継手本体2に結合させることができるようになっている。
これにより、本変形例の食い込み式管接続構造1では、結合部材3を継手本体2に組み付ける際の作業性を向上させることができる。
また、本変形例の食い込み式管接続構造1では、上記のように、仮組み係合部56と仮組み係合部35との係合によって、互いの軸方向移動及び径方向移動が制限された状態で結合部材3とバックフェルール5とを仮組みすることができる。
これにより、本変形例の食い込み式管接続構造1では、バックフェルール5及び結合部材3間の係合によって、互いの軸方向移動及び径方向移動が制限された状態でバックフェルール5と結合部材3とを仮組みすることができる。
また、本変形例の食い込み式管接続構造1では、仮組み係合部56が、径方向外周側に向かって突出する仮組み突出部57である。仮組み係合部35は、径方向内周側に向かって突出する仮組み突出部36と、仮組み突出部36よりも大きな内径を有する仮組み拡径部37とを有している。そして、仮組み係合部56は、仮組み突出部36を介して仮組み拡径部37内に挿入されて保持されている。このため、結合部材3とバックフェルール5とが軸方向に重なった状態で係合して仮組みされることになる。
これにより、本変形例の食い込み式管接続構造1では、結合部材3とバックフェルール5とが仮組みされた状態を解除されにくくすることができる。
また、本変形例の食い込み式管接続構造1では、上記のように、仮組み係合部56が、仮組み突出部36に圧入されて仮組み拡径部37内に挿入されている。
これにより、本変形例の食い込み式管接続構造1では、バックフェルール5と結合部材3とを互いに押圧することによって仮組みすることができる。尚、バックフェルール5と結合部材3との仮組み構造としては、仮組み突出部57を仮組み突出部36に圧入して仮組み拡径部37内に挿入する構造に代えて、各突出部に螺子やスプラインを設けて係合させる仮組み構造を採用してもよい。
また、本変形例の食い込み式管接続構造1では、上記のように、仮組み係合部56の軸方向に沿う断面形状を円弧形状にしている。
これにより、本変形例の食い込み式管接続構造1では、仮組み係合部56が周方向で不揃いに変形するのを防止し、流体の漏れの抑制に寄与している。尚、仮組み係合部56の軸方向に沿う断面形状は、略三角形状の断面形状でもよいが、ここでは、上記のような周方向で不揃いに変形することや流体の漏れのおそれを考慮して、円弧形状としている。
<変形例2>
上記実施形態及びその変形例1の食い込み式管接続構造1では、5つのシール部61〜65によって流体の漏れを抑えるようにしている(図6及び図14参照)。
このような5つのシール部61〜65を有する食い込み式管接続構造1において、流体の漏れに対する信頼性をさらに向上させるために、図15に示すように、継手本体2と配管P2との間をシールするOリング式のシール部66を設けるようにしてもよい。ここでは、継手本体2の軸部23のカム面27aよりも前側の部分に環状の溝部28を形成し、この溝部28にOリング67を嵌め込むようにしている。
これにより、本変形例の食い込み式管接続構造1では、流体の漏れ方向に対してシール部がさらに直列に配置されることになるため、流体の漏れに対する信頼性をさらに向上させることができる。尚、図15は、上記変形例1の構成にOリング式のシール部66を設けたものであるが、上記実施形態において、Oリング式のシール部66を設けるようにしてもよい。
<変形例3>
上記実施形態及びその変形例1、2の食い込み式管接続構造1では、継手本体2のフェルール収容部27がカム面27a(継手本体−フロントフェルール押圧面)とテーパ面27c(継手本体−バックフェルール押圧面)との間に円筒面27bを有している。そして、フロントフェルール4も、テーパ面42aの後側に前後方向に径が変化しない平坦面が円筒面27bに沿うように形成されている。しかし、図16及び図17に示すように、継手本体2の円筒面27bを省略し、これに沿うフロントフェルール4の平坦面の軸方向寸法を短くするようにしてもよい。
これにより、本変形例の食い込み式管接続構造1では、その軸方向寸法を小さくすることができる。尚、図16及び図17は、上記変形例1の構成において、継手本体2の円筒面27bを省略し、これに沿うフロントフェルール4の平坦面の軸方向寸法を短くしたものである。しかし、これに限定されるものではなく、上記実施形態や変形例2の構成において、継手本体2の円筒面27bを省略し、これに沿うフロントフェルール4の平坦面を短くするようにしてもよい。
<変形例4>
上記実施形態及びその変形例1〜3では、配管P1が継手本体2にロウ付け等で取り付けられており、配管P2側だけが食い込み式管接続構造1によって構成されているが、これに限定されるものではない。
例えば、図18に示すように、継手本体2の配管P1側にも、配管P2側と同様の食い込み式管接続構造1を設けた両ユニオン構造にしてもよい。
また、この場合においては、上記実施形態及びその変形例1〜3の継手本体2の基部21に形成された汎用の締結工具で把持するために略六角ナット形状の外形を省略して、2つの結合部材3を締結工具で把持することによって継手本体2に締結するようにしてもよい。また、継手本体2の大部分が結合部材3によって覆われるようにしてもよい。これにより、食い込み式管接続構造1の軸方向寸法を短くすることができる。尚、図18は、上記変形例1の構成を両ユニオン構造にしたものであるが、これに限定されるものではなく、上記実施形態や変形例2、3の構成を両ユニオン構造にするようにしてもよい。
<変形例5>
上記実施形態及びその変形例1〜4の食い込み式管接続構造1では、結合部材3が略六角ナット形状の外形を有しており、結合部材3が継手本体2に締結されて組み付けられた後も、結合部材3を汎用の締結工具で把持して緩めることが可能な構造になっている。
このような食い込み式管接続構造1において、継手本体2に結合部材3が締結されて組み付けられた後に、結合部材3を汎用の締結工具で把持することができないようにして、結合部材3を緩めることができないように構成するようにしてもよい。
例えば、上記変形例1と同様のダブルフェルール構造を採用するとともに、継手本体2に組み付けられた後に、汎用の締結工具で把持される工具掛け部が継手本体2と螺合する締結部から切断されるようにした結合部材3を採用してもよい。
本変形例の食い込み式管接続構造1は、図19〜図24に示すように、継手本体2及び結合部材3の構成が上記変形例1と異なっている。このため、以下の説明では、継手本体2及び結合部材3の構成を中心に行い、継手本体2及び結合部材3以外の構成についての説明を省略する。
継手本体2は、黄銅等の金属製の部材であり、基部121を有している。基部121の前側には、ソケット部22が形成され、基部121の後側には、筒部123と軸部23とが形成されている。筒部123の内周部分には、結合部材3を螺合するための雌ねじからなる螺子部123aが形成されている。軸部23は、筒部123の内周側の空間内に突出するように形成されている。軸部23の外周面には、配管接続時に軸部23の強度を調節するための環状空間125が形成されている。また、環状空間125の外周部には、内部凍結防止用の通気孔125aが形成されている。基部121及び筒部123の外周部分は、汎用の締結工具で把持できるように略六角ナット形状の外形に形成されている。ソケット部22から基部121にかけての軸心部分には、配管P1を差し込むための差込口24が形成されている。軸部23から基部121にかけての軸心部分には、配管P2を差し込むための差込口25が形成されている。差込口24と差込口25との軸方向間には、差込口24及び差込口25よりも小径の連通孔を形成するとともに配管P1、P2の軸方向移動を規制する段差部26が形成されている。軸部23の先端部分、すなわち、差込口25の後端部分には、変形例1と同様のカム面27a、円筒面27b及びテーパ面27cが形成されている。
結合部材3は、黄銅等の金属製の部材であり、軸心部分に配管P2を差し込むための差込口32が形成されるとともに、結合部材3を前後に二分するように径方向の切れ目を有する円盤状スリット132が形成されている。円盤状スリット132の前側には、継手本体2と螺合する締結部133が形成され、円盤状スリット132の後側には、汎用の締結工具で把持される工具掛け部134が形成されている。締結部133の外周部分には、継手本体2の螺子部123aに螺合する雄ねじからなる螺子部133aが形成されている。工具掛け部134の外周部分は、汎用の締結工具で把持できるように略六角ナット形状の外形に形成されている。そして、円盤状スリット132と差込口32との径方向間には、締結部133と工具掛け部134とを連結する薄肉の環状部分からなる切断部136が形成されている。切断部136は、工具掛け部134の締め付けトルクが配管接続完了時の値まで大きくなると切断される強度になるように設計されている。ここでは、切断部136は、前側に向かって肉厚が小さくなるように形成されており、締結部133の近傍で切断されるようになっている。また、締結部133の前側部分は、基部31を構成しており、上記変形例1と同様の押圧面34及び仮組み係合部35が形成されている。また、締結部133の後側部分には、専用治具107が係合することが可能な断面が円形で所定深さの複数(ここでは、6個)の係合孔135が形成されている。また、工具掛け部134には、係合孔135を工具掛け部134側から加工可能にするための加工用孔137が係合孔135に対向するように形成されている。
次に、以上のように構成された本変形例の食い込み式管接続構造1による配管接続方法について説明する。
継手本体2は、配管P2を接続するに先だって、被接続側機器から導出される配管P1に取り付けられている。次に、食い込み式管接続構造1による配管P2の接続は、まず、結合部材3の差込口32に接続すべき配管P2を差し込み、結合部材3を配管P2に外装する。次に、フロントフェルール4とともに予め互いに仮組みされた状態のバックフェルール5及び結合部材3の配管貫通孔31、41、51に配管P2を差し込み、フロントフェルール4、バックフェルール5及び結合部材3を配管P2に外装する。そして、配管P2の前端部分を継手本体2の差込口25に差し込み、配管P2が段差部26に当接した状態にして、バックフェルール5が仮組みされた状態で結合部材3を継手本体2に螺合する。そして、上記変形例1と同様に、結合部材3を継手本体2に締め付けることによって、シール部61〜65が形成される。そして、これらのシール部61〜65の形成が完了して、工具掛け部134の締め付けトルクが配管接続完了時の値まで大きくなると、切断部136が切断されて、工具掛け部134が締結部133から切断される(図23参照)。
このようにして、本変形例の食い込み式管接続構造1による配管接続が行われる。
次に、上記のような状態で締結された締結部133は、工具掛け部134が切断されるため、誰でも簡単に締結部133を緩めることができないが、図24に示すような専用治具107を用いることによって、締結部133を緩めることができるようになっている。
専用治具107は、主として、六角盤を2つに分割した形状の2つの基部171a、171bを有している。基部171a、171bは、両者が結合されることによって、六角ナットを形成するナット部172a、172bを有している。基部171bの基部171aに対向する面には、基部171aの係合孔(図示せず)に係合する2個の円柱形状の係合突出部175bが形成されている。また、基部171a、171bの中央には、半円形状の孔173a、173bが形成されている。孔173a、173bの内径は、配管P2の外径よりもやや大径に形成されている。基部171a、171bの側面には、締結部133の係合孔135に係合可能な3個の円柱形状の係合突出部174a、174bがそれぞれ形成されている。
そして、専用治具107の基部171a、171bを係合孔及び係合突出部175bによって結合させるとともに、係合突出部174a、174bを締結部133の係合孔135に係合させる。そして、専用治具107のナット部172a、172bを汎用の締結工具で専用治具107を回転させることによって、締結部133と継手本体1との螺合を緩めて、配管P2を取り外すことができる。この配管接続解除の方法によれば、配管P2を切断することなく、配管P2を取り外すことができる。
本変形例においても、上記変形例1と同様に、シール部61〜64だけでなくシール部65(継手本体−バックフェルール間シール部)が形成される。これにより、シール部がすべて直列に配置されるとともに、流体が外部に漏れる箇所を減少させることができるため、流体の漏れに対する信頼性を向上させることができる。しかも、継手本体2に結合部材3が締結されて組み付けられた後においては、結合部材3を汎用の締結工具では結合部材3を緩めることができないようにすることができる。尚、ここでは、上記変形例1の構成を前提として、組み付け後に結合部材3を緩めることができないようにする構成を採用した例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、上記実施形態及びその変形例2〜4において、組み付け後に結合部材3を緩めることができないようにする構成を採用してもよい。
<変形例6>
上記変形例5の食い込み式管接続構造1では、工具掛け部134の締め付けトルクが配管接続完了時の値まで大きくなった際に切断部136が切断されるようになっている。
しかし、食い込み式の管接続構造では、回転角度に対する締め付けトルクの変化が緩やかであるため、使用材料の強度や部材の寸法公差等によって、大きな切断トルクのバラツキが発生するおそれがある。
そこで、本変形例では、図25〜図27に示すように、締結部133の螺子部133aの後側に径方向に突出する突起138を設けるようにしている。この突起138は、結合部材3の継手本体2への螺合が進み、工具掛け部134が締結部133から切断される直前に、継手本体2の筒部123の後側の端面に当接するように形成されている。このため、継手本体2の筒部123の後側の端面が突起138に当接した後は、切断トルク以上の締め付けトルクが工具掛け部134に作用して、工具掛け部134が締結部133から切断されるようになっている。
これにより、本変形例では、上記のような切断トルクのバラツキにも対応することができる。尚、ここでは、上記変形例1の構成を前提とした変形例5の構成において、突起138を設けた例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、上記実施形態及びその変形例2〜4の構成を前提とした変形例5の構成において、突起138を設けるようにしてもよい。
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、上記実施形態及びその変形例に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
上記実施形態及びその変形例1〜4においては、継手本体2の螺子部23aを雄ねじとし、結合部材3の螺子部33aを雌ねじとしているが、これに限定されるものではなく、螺子部23aを雌ねじとし、螺子部33aを雄ねじとしてもよい。また、上記変形例5、6においては、継手本体2の螺子部23aを雌ねじとし、結合部材3の螺子部33aを雄ねじとしているが、これに限定されるものではなく、螺子部23aを雄ねじとし、螺子部33aを雌ねじとしてもよい。
また、上記変形例5、6において、切断部136が、結合部材3を前後に二分するように径方向の切れ目を有する円盤状スリット132によって形成されているが、これに限定されるものではない。例えば、切断部136が、結合部材3を内外に二分するように軸方向の切れ目を有する円筒状スリットによって形成されていてもよい。
また、上記実施形態及びその変形例においては、配管として、銅等の金属材料を使用し、継手本体、結合部材及びフェルールとして、黄銅等の金属材料を使用しているが、これに限定されるものではない。例えば、配管や継手本体、結合部材及びフェルールとして、アルミニウム、ステンレス、樹脂、鉄等を使用してもよい。
本発明は、2つのフェルールを使用した食い込み式管接続構造に対して広く適用可能である。
1 食い込み式管接続構造
2 継手本体(
3 結合部材
4 フロントフェルール
5 バックフェルール
27 フェルール収容部
27a カム面(継手本体−フロントフェルール押圧面)
27c テーパ面(継手本体−バックフェルール押圧面)
43a テーパ面(フロントフェルール−バックフェルール押圧面)
61 シール部(継手本体−フロントフェルール間シール部)
63 シール部(フロントフェルール−バックフェルール間シール部)
65 シール部(継手本体−バックフェルール間シール部)
66 Oリング式シール部
実開昭49−3111号公報 特開2006−207795号公報 特開2005−337326号公報 特表2001−520728号公報

Claims (7)

  1. 継手本体(2)と、前記継手本体に螺合されて組み付けられる結合部材(3)と、前記継手本体及び前記結合部材とは別体に形成されるとともに前記継手本体と前記結合部材との間に挟着されるフロントフェルール(4)及びバックフェルール(5)とを備えた食い込み式管接続構造において、
    前記フロントフェルールは、前記継手本体との間で、前記継手本体と前記フロントフェルールとの間をシールする継手本体−フロントフェルール間シール部(61)を形成し、
    前記バックフェルールは、前記フロントフェルールとの間で、前記フロントフェルールと前記バックフェルールとの間をシールするフロントフェルール−バックフェルール間シール部(63)を形成するとともに、前記継手本体との間で、流体の漏れ方向に対して前記継手本体−フロントフェルール間シール部及び前記フロントフェルール−バックフェルール間シール部の下流側の位置に、前記継手本体と前記バックフェルールとの間をシールする継手本体−バックフェルール間シール部(65)を形成しており、
    前記継手本体は、前記結合部材が前記継手本体に組み付けられる際に前記バックフェルールを径方向内周側に押圧する力を発生する継手本体−バックフェルール押圧面(27c)を有しており、
    前記継手本体−バックフェルール押圧面は、前記締結方向に対して、前側に向かうにつれて径が小さくなる傾斜面をなしており、
    前記バックフェルールのうち前記継手本体−バックフェルール押圧面に対向している外周側テーパ面(52b)は、前記締結方向に対して、前側に向かうにつれて径が小さくなる傾斜面をなしており、
    前記外周側テーパ面の軸心に対する傾斜角度(γ2)は、前記継手本体−バックフェルール押圧面の軸心に対する傾斜角度(α3)よりも大きくなっている、
    食い込み式管接続構造(1)。
  2. 前記フロントフェルール(4)は、前記結合部材(3)が前記継手本体(2)に組み付けられる際に前記バックフェルール(5)を径方向内周側に押圧する力を発生するフロントフェルール−バックフェルール押圧面(43a)を有しており、
    前記継手本体は、前記結合部材が前記継手本体に組み付けられる際に前記フロントフェルールを径方向内周側に押圧する力を発生する継手本体−フロントフェルール押圧面(27a)有している、
    請求項1に記載の食い込み式管接続構造(1)。
  3. 前記継手本体(2)は、前記フロントフェルール(4)を収容するフェルール収容部(27)を有しており、
    前記フェルール収容部は、前記フロントフェルールとの間で、前記継手本体−フロントフェルール間シール部(61)を形成しており、
    前記フェルール収容部は、前記バックフェルール(5)の一部をさらに収容し、前記バックフェルールとの間で、前記継手本体−バックフェルール間シール部(65)を形成している、
    請求項2に記載の食い込み式管接続構造(1)。
  4. 前記バックフェルール(5)の外径は、前記フロントフェルール(4)の外径よりも大きく、
    前記フェルール収容部(27)は、前記継手本体−フロントフェルール間シール部(61)及び前記フロントフェルール−バックフェルール間シール部(63)の径方向外周側の位置において、前記バックフェルールとの間で、前記継手本体−バックフェルール間シール部(65)を形成している、
    請求項3に記載の食い込み式管接続構造(1)。
  5. 前記結合部材(3)を前記継手本体(2)に組み付ける前の状態において、前記結合部材を前記継手本体に組み付ける方向である締結方向に対して、前記フェルール収容部(27)に収容された前記フロントフェルール(4)の後端は、前記フェルール収容部よりも軸方向後側に位置している、
    請求項3又は4に記載の食い込み式管接続構造(1)。
  6. 前記継手本体−フロントフェルール押圧面(27a)、及び、前記フロントフェルール−バックフェルール押圧面(43a)、前記締結方向に対して、前側に向かうにつれて径が小さくなる傾斜面をなしている、
    請求項2〜5のいずれか1項に記載の食い込み式管接続構造(1)。
  7. 流体の漏れ方向に対して前記継手本体−フロントフェルール間シール部(27a)の上流側の位置に、Oリング式シール部(66)を設けている、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の食い込み式管接続構造(1)。
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