JP6224806B2 - 管継手及び空気調和装置 - Google Patents

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Description

本発明は、管継手及びこれを備えた空気調和装置に関する。
従来、空気調和装置における冷媒配管の接続に使用される管継手が知られている。このような管継手の一つとして、配管が挿入される継手本体と、当該継手本体に対して締め込み可能なナットと、継手本体とナットとの間に配置され、先端部を変形させて配管に食い込ませるフェルールと、を備えた食い込み式の管継手がある。この食い込み式の管継手によれば、施工現場において溶接機やバーナーなどを使用せずに配管の接続が可能になる。
このような食い込み式の管継手の例が下記特許文献1〜3に開示されている。これらの公報には、継手本体とナットとの間にフロントフェルール及びバックフェルールの2つのフェルールが配置されたダブルフェルール方式の管継手が開示されている。
特表2013−518220号公報 特表2009−512828号公報 特表2010−535989号公報
ダブルフェルール方式の管継手は、ナットを継手本体に対して締め込むことによりナットの内面でバックフェルールの後端部を押し、バックフェルールの先端部によりフロントフェルールの後端部を押す構造となっている。これにより、各フェルールが軸方向に移動する。そして、フロントフェルールの先端部が継手本体の傾斜部への押し付けにより変形すると同時に、バックフェルールの先端部がフロントフェルールの後端部への押し付けにより変形する。
この時、バックフェルールは、ナットにより押されることで軸方向に移動しつつ先端部を径方向に変形させて配管に食い込ませる。つまり、バックフェルールは、先端部を配管に食い込ませながら軸方向に移動する。このため、配管においては、バックフェルールの先端部の食い込みにより、径方向の変形量だけでなく軸方向の変形量も増大する。これにより、配管を径方向に変形させるのに必要なトルクに加えて軸方向に変形させるトルクがさらに必要となり、その結果、本来配管の固定に必要な量以上にトルクが増大するという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、配管の軸方向の変形に起因したトルクの増大を抑制することが可能な管継手及びこれを備えた空気調和装置を提供することである。
本発明の一局面に係る管継手(1,1A,1C,1D)は、フェルール(10,20)の先端部(11,21)を変形させて配管(2)の表面(2A)に食い込ませる食い込み式の管継手(1,1A,1C,1D)である。この管継手(1,1A,1C,1D)は、前記配管(2)の周囲を囲む環形状からなり、前記配管(2)の軸方向における両端部である第1先端部(11)及び第1後端部(12)を有する第1フェルール(10)と、前記配管(2)の周囲を囲む環形状からなり、前記軸方向において前記第1後端部(12)に隣接する第2先端部(21)を有する第2フェルール(20)と、前記第1先端部(11)が前記配管(2)の径方向に変形するように、前記第1フェルール(10)に対して前記軸方向に第1押圧力(F1)を付与する第1押圧部(31,71,91)と、前記第2先端部(21)が前記径方向に変形するように、前記第2フェルール(20)に対して前記軸方向に第2押圧力(F2)を付与する第2押圧部(32)と、前記配管(2)が挿入される継手本体(40)と、前記継手本体(40)に外嵌装着され、前記第1及び第2押圧部(31,71,91,32)が設けられた締付手段(30)と、を備える。前記第1押圧部(31,71,91)は、前記第1先端部(11)の変形量が所定の基準変形量に到達することによって前記第1押圧力(F1)を解除するように構成されている。前記第2押圧部(32)は、前記第1押圧力(F1)を解除することによって前記第2押圧力(F2)の付与を開始するように構成されている。前記締付手段(30)は、前記第1押圧力(F1)を解除することによって前記第1フェルール(10)に対して前記軸方向に相対移動することにより前記第2フェルール(20)に前記第2押圧力(F2)を付与するように構成されている。前記第1押圧部(31,71,91)は、前記第1フェルール(10)を押すときに受ける反力により変形又は破断可能に構成されている。前記第1押圧部(31,71,91)は、前記第1先端部(11)の変形量が前記基準変形量に到達することによって変形又は破断することにより前記第1押圧力(F1)を解除するように構成されている。より具体的には、前記第1押圧部(31)は、前記軸方向に折れ曲がることにより前記第1押圧力(F1)を解除するように構成されていてもよい。
上記管継手(1,1A,1C,1D)では、まず、第1押圧部(31,71,91)から付与される第1押圧力(F1)によって第1フェルール(10)を軸方向に移動させることにより第1先端部(11)を配管(2)の径方向に変形させ、変形した第1先端部(11)を配管(2)に食い込ませることができる。そして、第1先端部(11)の変形量が所定の基準変形量に到達することによって第1押圧力(F1)を解除することにより、第1フェルール(10)の軸方向の移動量が減少する。その後、第2押圧部(32)から第2フェルール(20)に対する第2押圧力(F2)の付与を開始することにより、第1フェルール(10)の軸方向の移動量が減少した状態で第2先端部(21)を径方向に変形させることができる。このように、第1フェルール(10)の軸方向の移動量が減少した状態で第2先端部(21)の変形を開始させることにより、第2フェルール(20)の軸方向の移動量が減少した状態で第2先端部(21)を変形させることができる。これにより、配管(2)において第2先端部(21)の食い込みによる軸方向の変形を抑制することが可能となり、配管(2)の軸方向の変形に起因したトルクの増大を抑制することができる。また、第1及び第2押圧部(31,71,91,32)の両方が締付手段(30)に設けられることにより、第1及び第2押圧部(31,71,91,32)が別々の部材に設けられる場合に比べて、管継手の構造を簡易化することができる。また、第1押圧力(F1)を解除するための複雑な構成が必要なく、第1押圧部(31,71,91)を変形又は破断させるだけで第1押圧力(F1)を容易に解除することができる。
本明細書において、「第1先端部(11)の変形量が所定の基準変形量に到達する」とは、第1フェルール(10)の第1先端部(11)の食い込みによって配管(2)のシール性が確保されることであり、第1先端部(11)の食い込みにより配管(2)の塑性変形が開始することを意味する。このとき、管継手(1,1A,1B,1C,1D,1E)のトルクは、定格の75%〜95%程度となる。
上記管継手(1A)において、前記締付手段(30)は、前記第1及び第2フェルール(10,20)の外周面(14,24)に対して前記径方向に対向する内周面(34)を有していてもよい。前記第1押圧部(31)は、前記内周面(34)から前記径方向内側に向かって突出していてもよい。前記内周面(34)は、前記第1押圧部(31)から見て押圧方向前方に位置する前方内周面(34A)と、前記第1押圧部(31)から見て押圧方向後方に位置する後方内周面(34B)と、を含んでいてもよい。上記管継手(1A)においては、前記後方内周面(34B)の内径(D2)が前記前方内周面(34A)の内径(D1)よりも大きくなることにより、折れ曲がった後の前記第1押圧部(31)を収容可能な前記径方向の隙間(S1)が形成されていてもよい。より具体的には、前記前方内周面(34A)の内径をD1、前記後方内周面(34B)の内径をD2、前記第1フェルール(10)の前記第1後端部(12)における外径をD3、前記第1押圧部(31)の前記軸方向の厚さをt、a=(D2−D1)/2、d=(D1−D3)/2とした場合に、D2≧D3、D2≧D1、a+d≧tの関係式が満たされてもよい。
この構成によれば、第1押圧部(31)が折れ曲がった後、当該第1押圧部(31)が第1フェルール(10)の外周面(14)と締付手段(30)の内面(34)との間の隙間に挟まるのを防止することができる。これにより、第1フェルール(10)の自由な動きが拘束されてトルクが増大するのを抑制することができる。
上記管継手(1A)において、前記後方内周面(34B)の前記軸方向の長さをb、前記第1押圧部(31)の前記径方向の長さをhとした場合に、b≧(h及びtのうち大きい方)の関係式が満たされてもよい。
この構成によれば、第1押圧部(31)の後方において第1押圧部(31)が折れ曲がるために必要な軸方向の隙間を十分に確保することができる。このため、第1押圧部(31)が十分に折れ曲がることができず、その結果第1フェルール(10)の軸方向の動きが拘束されるのを抑制することができる。
上記管継手(1A)において、d/h≦0.6の関係式が満たされてもよい。
この構成によれば、第1押圧部(31)により第1フェルール(10)の第1後端部(12)を押す際に、第1押圧部(31)の根元部に近い部分に第1後端部(12)を接触させることができる。これにより、第1押圧部(31)の根元部において曲げ応力よりもせん断応力が支配的になり、その結果第1押圧部(31)の破断を促すことが可能になる。
上記管継手(1C)において、前記第1押圧部(71)は、前記径方向に折れ曲がることにより前記第1押圧力(F1)を解除するように構成されていてもよい。
この構成によれば、第1押圧部(71)が軸方向に折れ曲がる場合と同様に、簡単な構成によって第1押圧力(F1)を容易に解除することができる。
上記管継手(1A)において、前記第1フェルール(10)は、前記軸方向において前記第1先端部(11)と前記第1後端部(12)との間に設けられ、前記第1先端部(11)の変形量を規制するための変形量規制部(10A)を有していてもよい。前記変形量規制部(10A)は、前記第1先端部(11)が所定量変形したときに前記継手本体(40)に当接することにより、前記第1先端部(11)が前記所定量を超えて変形することを規制してもよい。より具体的には、前記変形量規制部(10A)は、前記第1フェルール(10)の外周面(14)が前記軸方向に対して成す角度が前記第1先端部(11)における当該角度よりも大きく且つ90°以下となる部位であってもよい。
この構成によれば、変形量規制部(10A)によって第1フェルール(10)の第1先端部(11)が所定量を超えて変形するのを規制することにより、不要なトルク上昇を抑制することができる。
本発明の他局面に係る空気調和装置(100)は、室内熱交換器(112)と、室外熱交換器(105)と、圧縮機(103)と、膨張弁(106)と、が配管(2)により互いに接続された冷媒回路を備える。前記配管(2)は、上記管継手(1)により繋がれている。
上記空気調和装置(100)は、トルクの増大を抑制可能な上記管継手(1)を備えている。このため、配管(2)を上記管継手(1,1A,1B,1C,1D,1E)により繋ぐ作業の負担を軽減することが可能になり、配管接続時の施工性に優れた空気調和装置(100)を提供することができる。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、配管の軸方向の変形に起因したトルクの増大を抑制することが可能な管継手及びこれを備えた空気調和装置を提供することができる。
本発明の実施形態1に係る空気調和装置の構成を示す概略図である。 本発明の実施形態1に係る管継手の軸方向に沿った部分断面図である。 第1押圧部によりフロントフェルールが押される様子を示す図である。 第1押圧部が軸方向に折れ曲がる様子を示す図である。 比較例に係る管継手の軸方向に沿った部分断面図である。 比較例に係る管継手におけるフェルールの変形初期の様子を示す図である。 比較例に係る管継手におけるフェルールの変形後期の様子を示す図である。 本発明の実施形態2に係る管継手の軸方向に沿った部分断面図である。 上記管継手の第1押圧部の周辺におけるフロントフェルール及びナットの寸法を示す図である。 d/hの寸法比と第1押圧部の根元部における発生応力比との関係を示すグラフである。 上記管継手において第1押圧部が破断した状態を示す図である。 上記管継手において変形量規制部が作用する状態を示す図である。 本発明の実施形態3に係る管継手の軸方向に沿った部分断面図である。 本発明の実施形態4に係る管継手の軸方向に沿った部分断面図である。 本発明の実施形態5に係る管継手の軸方向に沿った部分断面図である。 本発明の実施形態6に係る管継手の軸方向に沿った部分断面図である。 本発明のその他実施形態におけるバックフェルールの先端部とフロントフェルールの後端部との当接部を示す拡大図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。
(実施形態1)
<空気調和装置>
まず、本発明の実施形態1に係る空気調和装置100について、図1を参照して説明する。図1に示すように、空気調和装置100は、ビルディング用のマルチタイプの空気調和装置であり、室外機101と、当該室外機101に対して並列に接続された複数(本実施形態では3つ)の室内機102と、を備える。なお、本発明の空気調和装置はこれに限定されず、1つの室外機101に対して1つの室内機102が設けられたタイプのものであってもよい。
室外機101は、圧縮機103と、四路切替弁104と、室外熱交換器105と、室外膨張弁106と、これらを接続する配管2と、を主に備える。各室内機102は、室内膨張弁111と、室内熱交換器112と、これらを接続する配管2と、を主に備える。室外機101の配管2の一方の端部にはガス側閉鎖弁122が設けられ、室外機101の配管2の他方の端部には液側閉鎖弁121が設けられている。図1に示すように、空気調和装置100は、室内膨張弁111と、室内熱交換器112と、圧縮機103と、四方切替弁104と、室外熱交換器105と、室外膨張弁106と、が配管2により互いに接続された冷媒回路を備えている。
冷房運転時には、四路切替弁104が図1中実線で示す状態に保持される。そして、圧縮機103から吐出された高温高圧のガス冷媒は、四路切替弁104を介して室外熱交換器105に流入し、室外空気と熱交換して凝縮し液化する。液化した冷媒は、開状態の室外膨張弁106を通過し、配管2を通って各室内機102に流入する。室内機102において、冷媒は、室内膨張弁111で所定の低圧に減圧され、さらに室内熱交換器112で室内空気と熱交換して蒸発する。そして、冷媒の蒸発によって冷却された室内空気は、図略の室内ファンによって室内へと吹き出され、室内を冷房する。また、室内熱交換器112で蒸発して気化した冷媒は、配管2(ガス側冷媒連絡配管)を通って室外機101に戻り、圧縮機103に吸い込まれる。
一方、暖房運転時は、四路切替弁104が図1中破線で示す状態に保持される。圧縮機103から吐出された高温高圧のガス冷媒は、四路切替弁104を介して各室内機102の室内熱交換器112に流入し、室内空気と熱交換して凝縮し液化する。冷媒の凝縮によって加熱された室内空気は、室内ファンによって室内へと吹き出され、室内を暖房する。室内熱交換器112において液化した冷媒は、開状態の室内膨張弁111から配管2(液側冷媒連絡配管)を通って室外機101に戻る。室外機101に戻った冷媒は、室外膨張弁106で所定の低圧に減圧され、さらに室外熱交換器105で室外空気と熱交換して蒸発する。そして、室外熱交換器105で蒸発して気化した冷媒は、四路切替弁104を介して圧縮機103に吸い込まれる。
この空気調和装置100では、本実施形態に係る管継手1により配管2同士が互いに繋がれている。以下、本実施形態に係る管継手1の構造について詳細に説明する。
<管継手>
次に、本実施形態に係る管継手1の構造について、図2を参照して説明する。図2は、管継手1の軸方向に沿った部分断面図であり、ナット30(締付手段)が継手本体40に外嵌装着された状態を示している。
管継手1は、空気調和装置100(図1)の冷媒回路を構成する配管2の終端部同士を繋ぐためのものである。図2は、配管2同士の接続部における右側部分のみを示しているが、左側部分も同様の断面構造となっており、2本の配管2の終端部同士が管継手1により互いに接続されている。
管継手1は、継手本体40と、フロントフェルール10(第1フェルール)と、バックフェルール20(第2フェルール)と、ナット30と、を備える。図2に示すように、管継手1においては、継手本体40に形成された挿入孔41に配管2の終端部が挿入され、当該配管2にフロントフェルール10及びバックフェルール20が順に嵌められる。そして、ナット30を継手本体40に対して締め込むことにより、各フェルール10,20の先端部11,21を径方向内側に変形させ、配管2の表面2Aに食い込ませる。これにより、配管2のシール性及び保持力が確保される。
配管2は、軸方向に沿って延びる円筒形状を有し、冷媒が流れる中空部2Bが内部に形成されている。配管2は、フェルール10,20が食い込み易い銅製のものである。しかし、配管2の材質はこれに限定されず、アルミニウムや鋼などの他の金属材料でもよい。
継手本体40は、配管2の材質よりも硬い黄銅などの金属材料からなり、略円筒形状を有する。継手本体40には、配管2の終端部が挿入される挿入孔41が軸方向に沿って形成されている。この挿入孔41は、継手本体40の内周面により画定されている。
継手本体40の内周面は、軸方向に平行な本体内周面42と、本体内周面42の外端から軸方向外側に向かって拡径するように傾斜する本体傾斜面43と、を有する。本体内周面42の内径は、配管2の外径よりも大きくなっている。本体傾斜面43は、フロントフェルール10の第1先端部11と軸方向に対向する。これにより、第1先端部11を本体傾斜面43に押し付けることで、径方向内側に変形させることができる。
継手本体40は、配管2の終端面が当接する当接面44を含む当接部45を有する。当接部45は、継手本体40の内周面(本体内周面42)から径方向内側に向かって平行に突出し、当該内周面の周方向に沿って環状に形成されている。
継手本体40の外周面において軸方向の中央部には、本体掴み部46が設けられている。本体掴み部46は、径方向外側に向かって平行に突出する。また本体掴み部46は、スパナやレンチなどの工具により掴み易くするため、軸方向から見た形状が六角形状となるように形成されている。
継手本体40の外周面において軸方向の端部側には、ナット30が螺合する本体ネジ部47が設けられている。本体ネジ部47は、ナット30の内周面に設けられたナットネジ部33と螺合するように構成されている。これにより、図2に示すように、ナット30を継手本体40の軸方向端部に外嵌装着することができる。そして、ナット30を軸周りに回転させることにより、ナット30を継手本体40に対して締め込むことができる。
フロントフェルール10は、配管2の周囲を囲む円環形状からなる黄銅製の部材である。図2に示すように、フロントフェルール10は、軸方向において継手本体40とバックフェルール20との間に配置されている。
フロントフェルール10は、第1先端部11と、第1後端部12と、フロントフェルール内周面13と、フロントフェルール外周面14と、を有する。第1先端部11は、フロントフェルール10における継手本体40側の端部であり、第1後端部12は第1先端部11の軸方向反対側に設けられている。フロントフェルール内周面13は、軸方向に平行な面であり、第1先端部11の内端から第1後端部12の内端まで延びている。フロントフェルール外周面14は、軸方向外側に向かって拡径する傾斜面であり、第1先端部11の外端から第1後端部12の外端まで延びている。
フロントフェルール外周面14の軸方向に対する角度は、本体傾斜面43のそれよりも小さくなっている。またフロントフェルール10は、第1後端部12から第1先端部11に向かって外径が徐々に小さくなる形状を有する。これにより、第1先端部11を本体傾斜面43に沿って移動させつつ、フロントフェルール10を軸方向に移動させることができる。
第1先端部11には、第1先端面11Aが設けられている。この第1先端面11Aは、軸方向に垂直な平面であり、その外径が本体内周面42の内径よりも大きくなっている。このため、図2に示すように、第1先端面11Aの外周縁部が本体傾斜面43に当接可能となっている。なお、第1先端面11Aは、軸方向に垂直な平面に限定されず、例えば本体傾斜面43側に膨出する凸状の曲面でもよい。また第1先端面11Aが設けられず、第1先端部11が尖った形状に形成されていてもよい。
第1後端部12は、後端傾斜面12Aと、後端面12Cと、これらの面を接続する後端接続面12Bと、を有する。後端傾斜面12Aは、フロントフェルール内周面13の外端から軸方向外側に向かって拡径するように傾斜する。ここで、後端傾斜面12Aの軸方向に対する角度は、本体傾斜面43のそれよりも大きくなっている。後端面12Cは、軸方向に垂直な面であり、フロントフェルール外周面14の外端に連設されている。なお、後端接続面12Bが省略され、後端傾斜面12Aが後端面12Cまで延びる構成でもよい。また後端面12Cは、軸方向に垂直な面に限定されず、軸方向外側に向かって拡径する傾斜面でもよい。
バックフェルール20は、フロントフェルール10と同様に、配管2の周囲を囲む円環形状からなる黄銅製の部材である。バックフェルール20は、フロントフェルール10と略同じ内径を有し、フロントフェルール10よりも軸方向の長さが小さくなっている。
図2に示すように、バックフェルール20は、軸方向においてフロントフェルール10とナット30との間に配置されている。バックフェルール20は、第1後端部12と軸方向に隣接する第2先端部21と、第2先端部21の軸方向反対側に設けられた第2後端部22と、軸方向に平行なバックフェルール内周面23と、軸方向外側に向かって拡径するように傾斜するバックフェルール外周面24と、を有する。バックフェルール内周面23は、第2先端部21の内端から第2後端部22の内端まで延びている。バックフェルール外周面24は、第2先端部21の外端から第2後端部22の外端まで延びている。バックフェルール20は、第2後端部22から第2先端部21に向かって外径が徐々に小さくなる形状を有する。
第2先端部21には、軸方向に垂直な第2先端面21Aが設けられている。第2先端面21Aの外径は、フロントフェルール内周面13の内径よりも大きくなっている。このため、図2に示すように、第2先端面21Aの外周縁部が後端傾斜面12Aに当接可能となっている。
第2後端部22には、軸方向に垂直な後端垂直面22Aが設けられている。図2に示すように、ナット30の内端面32は、この後端垂直面22Aの外端に当接可能となっている。なお、第2先端部21は、軸方向に垂直な第2先端面21Aが設けられる場合に限定されない。即ち、第2先端部21には、フロントフェルール10側に向かって膨出する凸面状の先端面が設けられてもよい。また第2先端面21Aが省略され、第2先端部21が尖った形状に形成されていてもよい。
ナット30は、黄銅などの金属材料からなる環状の締付部材である。ナット30の内周面には、ナットネジ部33が設けられている。ナット30は、ナットネジ部33が本体ネジ部47と螺合するように継手本体40に外嵌装着される。この状態において、フロントフェルール10及びバックフェルール20は、軸方向において継手本体40とナット30との間に位置する。ナット30は、継手本体40に対して締め込む際に工具により掴み易くするため、軸方向から見た外形が六角形状となるように構成されている。
なっている。
ナット30は、ナットネジ部33の外端から軸方向に平行に延びるナット内周面34と、ナット内周面34の外端から軸方向外側に向かって縮径するテーパ面であるナット内端面32と、を有する。ナット内周面34は、フェルール外周面14,24に対して径方向に対向し、且つフェルール外周面14,24との間に径方向の間隔を有する。ナット内端面32は、第2後端部22に対して軸方向に対向する。ナット30は、ナット内端面32の内端から軸方向に平行に延びるナット孔壁面35をさらに有する。このナット孔壁面35により、ナット30において配管2が挿入される挿入孔が画定されている。
ナット内周面34には、径方向内側に向かって平行に突出する突起である第1押圧部31が設けられている。第1押圧部31は、軸方向に垂直な押圧面31Aを有し、ナット内周面34の周方向に沿って環状に形成されている。また図2に示すように、第1押圧部31は、フロントフェルール10の後端面12Cよりも軸方向外側に設けられると共に、当該後端面12Cに対して軸方向に対向する。
第1押圧部31は、押圧面31Aにおいてフロントフェルール10の後端面12Cと当接可能になっている。そして、ナット30を継手本体40に締め込むことにより、第1押圧部31からフロントフェルール10に対して軸方向に第1押圧力F1が付与される。フロントフェルール10は、第1押圧力F1を受けることにより継手本体40に向かって軸方向に移動し、そのとき第1先端部11が本体傾斜面43に押し付けられる。そして、第1先端部11は、本体傾斜面43から受ける反力によって径方向内側に変形し、変形した第1先端部11が配管2の表面2Aに食い込む。これにより、配管2のシール性が確保される。なお、第1押圧部31は、径方向に平行に延びる突起である場合に限定されず、径方向に対して傾斜するように突出する突起であってもよい。また第1押圧部31は、後端面12Cの内端まで延びていてもよい。
第1押圧部31は、後端面12Cを押すときに受ける反力により変形又は破断可能に構成されている。より具体的には、第1押圧部31は、ナット30を締め込むことにより第1先端部11の変形量が基準変形量に到達し、後端面12Cから受ける反力が一定以上に到達することによって軸方向外側に折れ曲がり、又はナット内周面34から破断するように構成されている。第1先端部11及び第1押圧部31の厚み及び強度は、上述のように第1先端部11の変形量が基準変形量に到達することによって第1押圧部31が変形又は破断するようにそれぞれ設計されている。
なお、第1押圧部31は、後端面12Cからの反力により変形又は破断する構成に限定されず、当該反力により削られる構成でもよい。また第1押圧部31は、ナット30と一体形成される構成に限定されない。例えば、第1押圧部31は、ナット内周面34に接着固定されたリング状部材により構成されてもよいし、ナット内周面34から径方向外側に凹む凹部に圧入されたリング状部材により構成されてもよい。これらの場合、第1押圧部31は、後端面12Cから受ける反力が一定以上になると、ナット内周面34から剥離し、又は凹部から外れる。
ナット内端面32は、後端垂直面22Aに対して軸方向に対向する。ナット内端面32は、第2押圧部であって、ナット30を継手本体40に締め込む際に後端垂直面22Aの外端に当接し、バックフェルール20に対して軸方向に第2押圧力F2を付与する。バックフェルール20は、第2押圧力F2を受けて軸方向に押されることにより、第2先端部21が後端傾斜面12Aに押し付けられる。これにより、第2先端部21が後端傾斜面12Aから受ける反力によって径方向内側に変形し、変形した第2先端部21が配管2の表面2Aに食い込む。これにより、配管2が径方向に変形し、配管2が固定される。
このように、本実施形態に係る管継手1では、フロントフェルール10を押圧するための第1押圧部31と、バックフェルール20を押圧するための第2押圧部(ナット内端面32)と、がナット30に設けられている。そして、以下詳細に説明するように、本実施形態に係る管継手1は、第1先端部11の変形量が所定の基準変形量に到達することによって第1押圧力F1を解除し、第1押圧力F1を解除することによって第2押圧力F2の付与を開始するように構成されている。これにより、フロントフェルール10の第1先端部11を先に変形させた後、バックフェルール20の第2先端部21を後から変形させる構造となっている。
<管継手による配管のシール及び固定>
次に、上記管継手1による配管2のシール及び固定について、図2〜図4を参照して説明する。図2に示すように、まず、配管2が継手本体40の挿入孔41に挿入され、配管2の終端面が当接面44に当接する。この状態で、フロントフェルール10及びバックフェルール20が配管2に対して順に嵌められ、その後、ナット30が継手本体40に外嵌装着される。そして、ナット30を軸周りに回転させることにより、継手本体40に対するナット30の締め込みが開始される。
図2に示すように、ナット30の締め込み開始直後においては、第1押圧部31(押圧面31A)と後端面12Cとの間に軸方向の隙間が空いている。そして、ナット30を締め込み、継手本体40に向かって移動させることにより、図3に示すように押圧面31Aが後端面12Cの径方向外側部分に当接する。この状態でナット30をさらに締め込むことにより、第1押圧部31から後端面12Cに第1押圧力F1が付与される。これにより、フロントフェルール10が継手本体40に向かって軸方向に移動する。この過程において、第1先端部11(図2)が本体傾斜面43に押し付けられることにより径方向内側に変形し、配管2の表面2Aに食い込む。
このようにして第1先端部11が変形する間、バックフェルール20は、後端傾斜面12A及びナット内端面32に当接した状態又は隙間を空けた状態で、ナット30及びフロントフェルール10の軸方向の移動に合わせて移動する。このため、第1押圧力F1がフロントフェルール10に付与される間は、ナット内端面32(第2押圧部)からバックフェルール20に第2押圧力F2が加わらず、第2先端部21の変形が起こらない。
そして、第1先端部11の変形量が増加するのに伴ってナット30の締付トルクが上昇し、フロントフェルール10の軸方向の移動量が徐々に減少する。これにより、第1押圧部31が後端面12Cから受ける反力が次第に増加する。そして、第1先端部11の変形量が所定の基準変形量に到達することによって、図4に示すように第1押圧部31は後端面12Cから受ける反力によって軸方向外側に折れ曲がる(又は破断する)。これにより、第1押圧力F1が解除され、第1押圧部31がフロントフェルール10を押さなくなる。このように第1押圧力F1が解除されることで、フロントフェルール10の軸方向への移動量が減少する(又は移動が停止する)。
ここで、第1先端部11の変形量が所定の基準変形量に到達する時点は、第1先端部11の食い込みにより配管2の塑性変形が開始する時点である。この時点において、管継手1の締付トルクは、定格トルクの75%〜95%の範囲内となる。
次に、フロントフェルール10の軸方向の移動量が減少した状態(又は移動が停止した状態)でナット30をさらに締め込むことにより、ナット30がフロントフェルール10に対して軸方向に相対移動を開始する。これにより、図4に示すように、ナット内端面32(第2押圧部)からバックフェルール20の後端垂直面22Aの外端に対して軸方向に第2押圧力F2が付与される。この第2押圧力F2により、第2先端部21が後端傾斜面12Aに押し付けられることで径方向内側に変形し、変形した第2先端部21が配管2の表面2Aに食い込む。これにより、配管2が径方向に変形する。
このように第2先端部21が変形する間は、フロントフェルール10の軸方向の移動量が減少(又は移動が停止)している。このため、第2先端部21が変形する間、バックフェルール20は軸方向に殆ど移動しない。つまり、第2先端部21が径方向に変形しつつバックフェルール20が軸方向に移動するのを抑制することができる。これにより、第2先端部21の食い込みによって配管2が径方向だけでなく軸方向に変形するのを抑制することが可能になり、配管2の軸方向の変形に起因するトルクの上昇を抑えることができる。
<作用効果>
次に、本実施形態に係る管継手1の特徴的な構成及びその作用効果について説明する。
管継手1は、フェルール10,20の先端部11,21を変形させて配管2の表面2Aに食い込ませる食い込み式の管継手である。この管継手1は、配管2の周囲を囲む環形状からなり、配管2の軸方向における両端部である第1先端部11及び第1後端部12を有するフロントフェルール10と、配管2の周囲を囲む環形状からなり、軸方向において第1後端部12に隣接する第2先端部21を有するバックフェルール20と、第1先端部11が配管2の径方向に変形するように、フロントフェルール10に対して軸方向に第1押圧力F1を付与する第1押圧部31と、第2先端部21が径方向に変形するように、バックフェルール20に対して軸方向に第2押圧力F2を付与する第2押圧部32と、を備える。第1押圧部31は、第1先端部11の変形量が所定の基準変形量に到達することによって第1押圧力F1を解除するように構成されている。第2押圧部32は、第1押圧力F1を解除することによって第2押圧力F2の付与を開始するように構成されている。
図5は、比較例に係る管継手の断面構造を示している。この管継手は、ナット300を継手本体400に対して締め込むことによってナット300の内端面によりバックフェルール200の後端部を押し、バックフェルール200の先端部によりフロントフェルール100の後端部を押す構造となっている。これにより、各フェルール100,200がそれぞれ軸方向に移動し、フロントフェルール100の先端部が継手本体400の傾斜面に押し付けられることにより径方向内側に変形し、それと同時にバックフェルール200の先端部がフロントフェルール100の後端部に押し付けられることにより径方向内側に変形する。そして、変形したフェルール100,200の先端部が食い込むことにより配管2が変形する。
この管継手では、バックフェルール200は、ナット300によって押されることにより軸方向に移動しつつ先端部を径方向に変形させる。つまり、バックフェルール200は、先端部を配管2に食い込ませながら軸方向に移動する。このため、図6に示すフェルールの変形初期の状態に比べて図7に示す変形後期の状態では、配管2の径方向の変形量がD1からD2まで増加するだけでなく、軸方向の変形量もW1からW2まで増大する。このため、配管2を径方向に変形させるのに必要なトルクに加えて軸方向に変形させるトルクがさらに必要となり、本来配管2の固定に必要な量以上にトルクが増大してしまう。
これに対して、本実施形態に係る管継手1では、まず、図3に示すように第1押圧部31からの第1押圧力F1によってフロントフェルール10を軸方向に移動させ、第1先端部11を配管2の径方向に変形させる。そして、第1先端部11の変形量が所定の基準変形量に到達することによって、図4に示すように第1押圧部31が軸方向外側に折れ曲がることにより第1押圧力F1が解除され、フロントフェルール10の軸方向の移動量が減少する。そして、第1押圧力F1を解除することによって第2押圧部32からバックフェルール20への第2押圧力F2の付与が開始され、フロントフェルール10の軸方向の移動量が減少した状態で第2先端部21の径方向への変形が開始する。これにより、上記比較例のようにバックフェルール20が第2先端部21を配管2に食い込ませながら軸方向に移動することが抑制され、配管2において軸方向の変形量の増大を抑制することができる。その結果、配管2の軸方向の変形に起因した締付トルクの増大を抑制することができる。
上記管継手1は、配管2が挿入される継手本体40と、継手本体40に外嵌装着され、第1及び第2押圧部31,32が設けられたナット(締付手段)30と、をさらに備える。ナット30は、第1押圧力F1を解除することによってフロントフェルール10に対して軸方向に相対移動することによりバックフェルール20に第2押圧力F2を付与するように構成されている。このように、第1及び第2押圧部31,32の両方をナット30に設けることにより、第1及び第2押圧部31,32を別々の部材に設ける場合に比べて管継手の構造を簡易化することができる。
上記管継手1において、第1押圧部31は、フロントフェルール10を押すときに受ける反力により変形又は破断可能に構成されている。第1押圧部31は、第1先端部11の変形量が基準変形量に到達することによって変形又は破断することにより第1押圧力F1を解除するように構成されている。より具体的には、第1押圧部31は、図4に示すように、軸方向に折れ曲がることにより第1押圧力F1を解除するように構成されている。これにより、第1押圧力F1を解除するための複雑な構成が必要なくなり、第1押圧部31を変形又は破断させるだけで第1押圧力F1を容易に解除することができる。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2に係る管継手1Aについて説明する。本実施形態では、上記実施形態1に係る管継手1と異なる構成についてのみ詳細に説明する。
図8に示すように、ナット内周面34は、前方内周面34Aと、後方内周面34Bと、を含む。ここで、第1押圧部31がフロントフェルール10の第1後端部12を押す向きを「押圧方向前方」、その反対の向きを「押圧方向後方」とすると、前方内周面34Aは第1押圧部31から見て押圧方向前方に位置し、後方内周面34Bは第1押圧部31から見て押圧方向後方に位置する。前方内周面34Aはフロントフェルール外周面14の後部に対して径方向に隙間を空けて対向し、後方内周面34Bはバックフェルール外周面24の後部に対して径方向に隙間を空けて対向する。前方内周面34Aは第1押圧部31からナットネジ部33に向かって軸方向に平行に延び、後方内周面34Bは第1押圧部31からナット内端面32の外端に向かって軸方向に平行に延びている。
図9は、上記管継手1Aの第1押圧部31の周辺の拡大図であり、フロントフェルール10及びナット30の各寸法を示している。前方内周面34Aの内径をD1、後方内周面34Bの内径をD2、フロントフェルール10の第1後端部12における外径をD3、第1押圧部31の軸方向の厚さをt、a=(D2−D1)/2、d=(D1−D3)/2とした場合に、上記管継手1においては、D2≧D3、D2≧D1、a+d≧tの関係式がそれぞれ満たされる。この寸法では、後方内周面34Bの内径D2が前方内周面34Aの内径D1よりも大きくなるため、第1押圧部31よりも押圧方向後方において「a」の長さを有する径方向の隙間S1が形成されている。これにより、図4に示すように軸方向に折れ曲がった後の第1押圧部31を当該隙間S1に収容することができる。また後方内周面34Bの軸方向の長さをb、第1押圧部31の径方向の長さをhとした場合に、b≧(h及びtのうち大きい方)の関係式も満たされる。
上記管継手1Aにおいては、第1押圧部31が折れ曲がった後(図4)、フロントフェルール10がナット30に対して自由になり、バックフェルール20を介して間接的に押されることが望ましい。しかし、第1押圧部31よりも押圧方向後方において径方向の隙間が小さい場合には、フロントフェルール10とナット30との隙間に第1押圧部31が挟まる場合がある。これにより、フロントフェルール10の軸方向における自由な動きが拘束され、その結果締付トルクが大幅に増大する場合がある。また第1押圧部31よりも押圧方向後方におけるナット内周面34(後方内周面34B)の軸方向の長さが小さい場合には、第1押圧部31が十分に変形することが困難になり、同様にフロントフェルール10の軸方向における自由な動きが拘束される。
これに対して、本実施形態では、a+d≧tの関係式を満たす寸法を採用することにより、第1押圧部31よりも押圧方向後方において、折れ曲がった後の第1押圧部31を収容可能な径方向の隙間S1が十分に確保されている。このため、折れ曲がった後の第1押圧部31がフロントフェルール10とナット30との間に挟まることに起因してフロントフェルール10の動きが拘束されるのを防止することができる。またb≧(h及びtのうち大きい方)の関係式を満たす寸法を採用することにより、第1押圧部31が十分に変形することが可能になる。
下記の表1は、No.1〜4の管継手におけるナット30及びフロントフェルール10の各寸法と、各管継手におけるトルク測定の結果を示している。なお、配管2の仕様及び表1に記載した寸法以外の管継手の寸法は、No.1〜4において全て同じである。表1から明らかなように、(a+d)−tが負の値((a+d)<t)であるNo.1〜3に比べて、(a+d)−tが正の値((a+d)≧t)であるNo.4では、管継手のトルクが大幅に低減された。
Figure 0006224806
また上記管継手1Aにおいて、フロントフェルール10及びナット30の寸法は、d/h≦0.6(好ましくはd/h≦0.55)の関係式を満たすように設計されている。以下、この寸法を採用した理由について説明する。
図10のグラフは、d/hの寸法比(横軸)と、第1押圧部31の根元部(ナット内周面34との接続部周辺)における発生応力比と、の関係を示している。「発生応力比」とは、材料の強さに対する応力の比である。即ち、「曲げ応力比」とは、材料の曲げ強さに対する曲げ応力の比であり、「せん断応力比」とは、材料のせん断強さに対するせん断応力の比である。このグラフは、第1押圧部31の軸方向の厚さt、第1押圧部31の径方向の長さh及び第1押圧部31を軸方向に押す力をそれぞれ一定とし、フロントフェルール外周面14とナット30の前方内周面34Aとの間の径方向の隙間dを変化させた場合における、発生応力比の変化を示している。(A)は曲げ応力比の平均を示し、(A)’は曲げ応力比の上限を示し、(A)’’は曲げ応力比の下限をそれぞれ示している。また(B)はせん断応力比の平均を示し、(B)’はせん断応力比の上限を示し、(B)’’はせん断応力比の下限をそれぞれ示している。
図10のグラフに示すように、曲げ応力比(A)はd/hに比例する一方、せん断応力比(B)はd/hに依存せずに一定となる。d/hが0.60以下になると、曲げ応力比(A)とせん断応力比(B)との差が小さくなり、特にd/hが0.55以下になると、曲げ応力比の下限(A)’’がせん断応力比の上限(B)’以下になる。この場合、第1押圧部31の根元部において曲げ応力よりもせん断応力が支配的になるため、第1押圧部31において変形よりも破断が優先的に起こる。
一方、d/hが0.6を超える場合、第1押圧部31の根元部においてせん断応力よりも曲げ応力が支配的になるため、第1押圧部31において破断よりも変形が優先的に起こる。この場合、第1押圧部31が変形する間にバックフェルール20(第2先端部21)とフロントフェルール10(第1後端部12)との間の軸方向の隙間S2(図8)が徐々に小さくなり、第2先端部21が第1後端部12に接触する。このため、第1押圧力F1の解除前に第2先端部21の変形が開始してしまう場合がある。一方、これを防ぐために、第2先端部21と第1後端部12との間の軸方向の隙間S2を大きくした場合には、ナット30の回転ロスが大きくなってしまう。
本実施形態では、d/h≦0.6(好ましくはd/h≦0.55)の関係式を満たす寸法を採用することで、第1押圧部31の根元部において曲げ応力よりもせん断応力が支配的になるように構成されている。これにより、第1押圧部31において変形よりも破断が起こり易くなるため、第1押圧力F1の解除前に第2先端部21の変形が開始するのを抑制することができる。
図8に示すように、フロントフェルール10は、第1先端部11の変形量を規制するための変形量規制部10Aを有する。この変形量規制部10Aは、フロントフェルール外周面14の一部に設けられた部分であり、軸方向において第1先端部11と第1後端部12との間に設けられている。変形量規制部10Aは、第1先端部11が所定量変形したときに継手本体40に当接することにより、第1先端部11が当該所定量を超えて変形することを規制する。
より具体的には、変形量規制部10Aでは、フロントフェルール外周面14の軸方向に対する角度θ2が、第1先端部11における当該角度θ1よりも大きく且つ90°以下となっている(θ1<θ2≦90°)。フロントフェルール外周面14の角度の変化を軸方向に沿って説明すると、第1先端部11から第1後端部12に向かってθ1からθ2に変化し、その後θ2から0°に変化する。また図8に示すように、継手本体40は、開口端43Aを含む本体傾斜面43と、当該開口端43Aから径方向外側に向かって平行に延びる本体上面44と、を有し、変形量規制部10Aは当該開口端43Aに対して軸方向に対向する。このため、フロントフェルール10が継手本体40に向かって軸方向に移動した時に、変形量規制部10Aを継手本体40の開口端43Aに当接させることができる。
ここで、この変形量規制部10Aによる第1先端部11の変形量の規制について説明する。上記実施形態1で説明したように、第1先端部11の変形量が所定の基準変形量に到達すると、図11に示すように第1押圧部31がナット内周面34から破断する。
この状態でナット30をさらに締め込むと、フロントフェルール10は、バックフェルール20を介してナット30により間接的に押されることで軸方向に移動する。そして、図12に示すように、変形量規制部10Aが継手本体40の開口端43Aに当接する。これ以降ナット30をさらに締め付けても、変形量規制部10Aと継手本体40の開口端43Aとの当接によりフロントフェルール10の軸方向の移動は完全に規制される。従って、第1先端部11の変形が所定量を超えて変形するのを規制することが可能になり、バックフェルール20(第2先端部21)の変形を促すと共に、フロントフェルール10(第1先端部11)の過剰な変形による不要なトルク上昇を抑制することができる。
なお、変形量規制部10Aは、図8に示すように軸方向に対して鋭角である角度θ2を成すように構成されていてもよいがこれに限定されず、軸方向に垂直に構成されていてもよい。
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3に係る管継手1Bについて、図13を参照して説明する。実施形態3に係る管継手1Bは、基本的に上記実施形態1に係る管継手1と同様の構成を有し、同様の作用効果を奏するが、フロントフェルール10に突起部15が設けられ、この突起部15が変形又は破断することによって第1押圧力F1が解除される点が異なっている。
図13に示すように、フロントフェルール外周面14において軸方向に平行な部位には、径方向外側に向かって平行に突出する突起部15が設けられている。またナット内周面34には、段差状の第1押圧部61が設けられている。この第1押圧部61は、突起部15に対して軸方向に対向する押圧面61Aを有し、且つ突起部15よりも軸方向外側に設けられている。
第1押圧部61は、押圧面61Aにおいて突起部15に当接し、突起部15に対して軸方向に第1押圧力F1を付与する。これにより、フロントフェルール10が軸方向に移動し、第1先端部11が本体傾斜面43への押し付けにより径方向に変形する。また突起部15は、第1押圧力F1が一定以上になることによって変形又は破断するように構成されている。このように突起部15が変形又は破断することにより、第1押圧部61がフロントフェルール10を押さなくなり、第1押圧力F1が解除される。
以下、管継手1Bによる配管2の固定について説明する。ナット30の締め込みを開始すると、まず第1押圧部61(押圧面61A)が突起部15に当接する。そして、第1押圧部61によって突起部15に第1押圧力F1が付与され、これによりフロントフェルール10が継手本体40に向かって軸方向に移動する。この過程において、第1先端部11が本体傾斜面43に押し付けられることにより径方向内側に変形し、配管2の表面2Aに食い込む。
そして、第1先端部11の変形量が増加するのに伴ってフロントフェルール10の軸方向への移動量が減少し、これにより突起部15に加わる第1押圧力F1が次第に増加する。そして、第1先端部11の変形量が所定の基準変形量に到達することによって突起部15が軸方向内側に折れ曲がる(又は破断する)。これにより、第1押圧部61がフロントフェルール10を押さなくなり、第1押圧力F1が解除される。その後、上記実施形態1と同様に第1押圧力F1を解除することによってナット30がフロントフェルール10に対して軸方向に相対移動を開始し、第2押圧部(ナット内端面)32によるバックフェルール20への第2押圧力F2の付与が開始され、第2先端部21の変形が開始する。
このように、第1先端部11の変形量が基準変形量に到達することによって変形又は破断する部分をナット30側ではなくフロントフェルール10側に設けた場合でも、上記実施形態1と同様に第1押圧力F1を解除することができる。
また突起部15は、フロントフェルール10と一体形成されたものに限定されず、フロントフェルール外周面14に接着固定されたリング状部材であり、第1押圧力F1が一定以上に到達することによってフロントフェルール外周面14から剥離するように構成されていてもよい。また突起部15は、フロントフェルール外周面14に形成された凹部に圧入されたリング状部材であり、第1押圧力F1が一定以上に到達することによって当該凹部から外れるように構成されていてもよい。なお、上述のように変形又は破断する部分は、ナット30及びフロントフェルール10の両方に設けられていてもよい。
(実施形態4)
次に、本発明の実施形態4に係る管継手1Cについて、図14を参照して説明する。実施形態4に係る管継手1Cは、基本的に上記実施形態1に係る管継手1と同様の構成を有し、同様の作用効果を奏するが、第1押圧部71がナット内周面34ではなくナット内端面32に設けられる点が異なっている。
図14に示すように、ナット内端面32には、軸方向に突出する突起状の第1押圧部71が設けられている。第1押圧部71は、先端面71Aを有し、この先端面71Aがフロントフェルール10の第1後端部12に設けられた外端傾斜面12Dに対して軸方向に対向するように設けられている。先端面71Aは、外端傾斜面12Dと略同じ角度で軸方向外側に向かって縮径するように傾斜している。
第1押圧部71は、先端面71Aにおいて外端傾斜面12Dに当接し、外端傾斜面12Dに対して軸方向に第1押圧力F1を付与する。これにより、フロントフェルール10は軸方向に移動し、第1先端部11が本体傾斜面43へ押し付けられることにより径方向内側に変形する。また第1押圧部71は、外端傾斜面12Dを押すときに受ける反力が一定以上になることによって径方向外側に折れ曲がるように(又は破断するように)構成されている。
以下、管継手1Cによる配管2の固定について説明する。まず、ナット30の締め込みを開始すると、まず第1押圧部71の先端面71Aがフロントフェルール10の外端傾斜面12Dに当接する。そして、第1押圧部71によって外端傾斜面12Dに第1押圧力F1が付与され、これによりフロントフェルール10が継手本体40に向かって軸方向に移動する。この過程において、第1先端部11が本体傾斜面43に押し付けられることにより径方向内側に変形し、配管2の表面2Aに食い込む。
そして、第1先端部11の変形量が増加するのに伴ってフロントフェルール10の軸方向への移動量が減少し、これにより第1押圧部71が外端傾斜面12Dから受ける反力が次第に増加する。そして、第1先端部11の変形量が所定の基準変形量に到達することによって第1押圧部71が外端傾斜面12D上を滑るように径方向外側に折れ曲がる(又は第1押圧部71が破断する)。これにより、第1押圧部71がフロントフェルール10を押さなくなり、第1押圧力F1が解除される。その後、上記実施形態1と同様に第1押圧力F1を解除することによってナット30がフロントフェルール10に対して軸方向に相対移動を開始し、第2押圧部(ナット内端面)32によるバックフェルール20への第2押圧力F2の付与が開始され、第2先端部21の変形が開始する。
このように、第1押圧部71が径方向外側に逃げるように折れ曲がることで第1押圧力F1を解除し、これによって第2押圧力F2の付与を開始した場合でも、上記実施形態1と同様に配管2の軸方向の変形量低減の効果を得ることができる。
また先端面71Aは平面に限定されず、曲面であってもよい。また第1押圧部71はナット30と一体形成されたものでもよいがこれに限定されず、ナット内端面32に対して接着固定されたリング状部材であり、外端傾斜面12Dからの反力によってナット内端面32から剥離するように構成されていてもよい。また第1押圧部71は、ナット内端面32に形成された凹部に圧入されるリング状部材であり、外端傾斜面12Dからの反力によって当該凹部から外れるように構成されていてもよい。
(実施形態5)
次に、本発明の実施形態5に係る管継手1Dについて、図15を参照して説明する。実施形態5に係る管継手1Dは、基本的に上記実施形態1に係る管継手1と同様の構成を有し、同様の作用効果を奏するが、第1押圧部91が皿バネによって構成されている点が異なっている。
図15に示すように、ナット内周面34には、径方向外側に凹む溝34Bが形成されている。この溝34Bは、ナット内周面34に沿って環状に形成されている。また溝34Bの底面には、皿バネによって構成される第1押圧部91が配置されている。第1押圧部91は、溝34Bの底面と略同径のリング状の皿バネであり、図15に示すように軸方向外側に向かって凸の状態で配置されている。
第1押圧部91は、皿バネの内端をフロントフェルール10の後端面12Cに当接させることによりフロントフェルール10に第1押圧力F1を付与し、そのとき受ける反力が一定以上になった時に皿バネの凹凸が反転するように構成されている。即ち、第1押圧部91は、皿バネが軸方向外側に向かって凸の状態においてフロントフェルール10に第1押圧力F1を付与し、皿バネが軸方向内側に向かって凸の状態に反転することによって第1押圧力F1を解除する。
以下、管継手1Dによる配管2の固定について説明する。まず、ナット30の締め込みを開始すると、第1押圧部91を構成する皿バネの内端がフロントフェルール10の後端面12Cに当接する。そして、第1押圧部91によって後端面12Cに第1押圧力F1が付与され、これによりフロントフェルール10が継手本体40に向かって軸方向に移動する。この過程において、第1先端部11が本体傾斜面43に押し付けられることにより径方向内側に変形し、配管2の表面2Aに食い込む。
そして、第1先端部11の変形量が増加するのに伴ってフロントフェルール10の軸方向への移動量が減少し、これにより後端面12Cから第1押圧部91が受ける反力が次第に大きくなる。そして、第1先端部11の変形量が所定の基準変形量に到達することによって第1押圧部91の皿バネが反転し、軸方向内側に凸の状態に変わる。これにより、第1押圧部91がフロントフェルール10を押さなくなり、第1押圧力F1が解除される。
その後、上記実施形態1と同様に第1押圧力F1を解除することによってナット30がフロントフェルール10に対して軸方向に相対移動を開始し、第2押圧部(ナット内端面32)によるバックフェルール20への第2押圧力F2の付与が開始され、第2先端部21の変形が開始する。このように、皿バネの反転によって第1押圧力F1を解除する構成とした場合でも、上記実施形態1と同様に配管2の軸方向における変形抑制の効果が得られる。
(実施形態6)
次に、本発明の実施形態6に係る管継手1Eについて、図16を参照して説明する。実施形態6に係る管継手1Eは、基本的に上記実施形態1に係る管継手1と同様の構成を有し、同様の作用効果を奏するが、第1押圧部である第1ナット92及び第2押圧部である第2ナット93を備える点が異なっている。
図16に示すように、管継手1Eは、継手本体40と、継手本体40に外嵌装着される第1ナット92(第1押圧部)と、第1ナット92に外嵌装着される第2ナット93(第2押圧部)と、フロントフェルール10と、バックフェルール20と、を備える。
フロントフェルール10は、軸方向において継手本体40と第1ナット92との間に配置され、第1先端部11が本体傾斜面43に当接し且つ第1後端部12が第1ナット92の第1内端面92Bに当接している。バックフェルール20は、軸方向において第1ナット92と第2ナット93との間に配置され、第2先端部21が第1ナット92の第1ナット外端面92Fに当接し且つ第2後端部22が第2ナット93の第2ナット内端面93Bに当接している。
第1ナット92の内面には、継手本体40の本体ネジ部47に螺合する内周ネジ部92Cと、内周ネジ部92Cの一端に連設され且つ軸方向に平行な第1ナット内周面92Dと、第1ナット内周面92Dの一端に連設され且つ第1後端部12に対して軸方向に対向する第1ナット内端面92Bと、が設けられている。第1ナット内周面92Dは、フロントフェルール外周面14との間において径方向に間隔を有している。第1ナット内端面92Bは、軸方向外側に向かって徐々に縮径するテーパ面である。第1ナット内端面92Bの内端には軸方向に平行な第1ナット孔壁面92Eが連接され、この第1ナット孔壁面92Eにより配管2が挿入される孔が画定されている。
第1ナット内端面92Bは、フロントフェルール10の第1後端部12に設けられた軸方向に垂直な後端面12Cに対して軸方向に対向している。第1ナット内端面92Bは、第1ナット92を継手本体40に対して締め込むことによって後端面12Cの外端に当接することにより、フロントフェルール10に対して軸方向に第1押圧力F1を付与する。これにより、フロントフェルール10は軸方向に移動し、第1先端部11が本体傾斜面43に押し付けられることにより径方向内側に変形する。
第2ナット93の内面には、第1ナット92の外周面に形成された外周ネジ部92Aに螺合する内周ネジ部93Aと、内周ネジ部93Aの一端に連設され且つ軸方向に平行な第2ナット内周面93Cと、第2ナット内周面93Cの一端に連設され且つ軸方向においてバックフェルール20の第2後端部22に対向する第2ナット内端面93Bと、が設けられている。図16に示すように、第2ナット93は、第1ナット92よりも内径が大きく、内周ネジ部93Aが第1ナット92の外周ネジ部92Aと螺合するように第1ナット92に対して外嵌装着される。
第2ナット内端面93Bは、バックフェルール20の第2後端部22に設けられた軸方向に垂直な後端垂直面22Aに対して軸方向に対向している。第2ナット内端面93Bは、第2ナット93を第1ナット92に対して締め込むことによって後端垂直面22Aの外端を軸方向に押圧し、第2押圧力F2を付与する。これにより、第2先端部21が第1ナット外端面92Fに押し付けられ、径方向内側に変形する。
第1ナット92及び第2ナット93は、個々に独立して回転させることができるように構成されている。つまり、第1ナット92を継手本体40に対して締め込む作業と、第2ナット93を第1ナット92に対して締め込む作業をそれぞれ独立して行うことができる。
以下、管継手1Eによる配管2の固定について説明する。まず、第1ナット92の締め込みを開始すると、第1ナット内端面92Bが後端面12Cの外端に対して軸方向に第1押圧力F1を付与する。これにより、第1先端部11が本体傾斜面43に押し付けられ、径方向内側に変形して配管2の表面2Aに食い込む。
そして、第1先端部11の変形量が増加するのに伴って、フロントフェルール10の軸方向への移動量が減少する。そして、第1先端部11の変形量が所定の基準変形量に到達することによって第1ナット92が継手本体40に対して完全に締め込まれた状態となり、第1ナット92が回転しなくなる。これにより、第1ナット92がフロントフェルール10を押さなくなり、第1押圧力F1が解除される。
次に、第1押圧力F1が解除されることによって第1ナット92に対する第2ナット93の締め込みが開始される。これにより、第2ナット内端面93Bにより後端垂直面22Aへの第2押圧力F2の付与が開始され、第2先端部21が第1ナット外端面92Fに押し付けられることにより径方向内側に変形する。この時、第1ナット92の締め込みは既に完了しているため、第1ナット外端面92Fは軸方向に移動しない。よって、バックフェルール20は軸方向に移動せずに第2先端部21を径方向内側に変形させることができ、配管2において第2先端部21の食い込みより軸方向の変形量が増大するのを抑制することができる。
(その他実施形態)
最後に、本発明の管継手のその他実施形態について説明する。
図17に示すように、フロントフェルール10の第1後端部12には、フロントフェルール内周面13の一端に連設されると共に後端傾斜面12Aの一端に連設され、軸方向に垂直なフェルール垂直面12Eが設けられていてもよい。またバックフェルール20の第2先端部21には、フェルール垂直面12Eに対して軸方向に対向し、曲面状に形成された先端面22Cが設けられていてもよい。
締付手段は、継手本体40に対してネジによって螺合するナット30に限定されず、継手本体40に対して圧入される圧縮押し込み式の部材が用いられてもよい。
第1押圧部として、ナット30の周壁部を貫通するピンを設けてもよい。そして、当該ピンによりフロントフェルール10に第1押圧力F1を付与し、第1先端部11の変形量が所定の基準変形量に到達することによって作業者がピンを引き抜くことにより第1押圧力F1を解除してもよい。
管継手1は、3個以上のフェルールを含むものでもよいし、ナット30と一体となったフェルールを含むものでもよい。また、継手両端が本形態となっているものでもよい。また片側のみが本形態であり、もう片側がロウ付けでもよい。
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと解されるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1,1A〜1E 管継手
2 配管
10 フロントフェルール(第1フェルール)
10A 変形量規制部
11 第1先端部
12 第1後端部
14 フロントフェルール外周面(外周面)
20 バックフェルール(第2フェルール)
21 第2先端部
22 第2後端部
24 バックフェルール外周面(外周面)
30 ナット(締付手段)
31,61,71,91 第1押圧部
32 ナット内端面(第2押圧部)
34 内周面(ナット内周面)
34A 前方内周面
34B 後方内周面
40 継手本体
92 第1ナット(第1押圧部)
93 第2ナット(第2押圧部)
100 空気調和装置
103 圧縮機
105 室外熱交換器
106 室外膨張弁(膨張弁)
112 室内熱交換器
b 後方内周面の軸方向の長さ
D1,D2,D3 内径
F1 第1押圧力
F2 第2押圧力
h 第1押圧部の径方向の長さ
S1 隙間
t 厚さ
θ1,θ2 角度

Claims (10)

  1. フェルール(10,20)の先端部(11,21)を変形させて配管(2)の表面(2A)に食い込ませる食い込み式の管継手(1,1A,1C,1D)であって、
    前記配管(2)の周囲を囲む環形状からなり、前記配管(2)の軸方向における両端部である第1先端部(11)及び第1後端部(12)を有する第1フェルール(10)と、
    前記配管(2)の周囲を囲む環形状からなり、前記軸方向において前記第1後端部(12)に隣接する第2先端部(21)を有する第2フェルール(20)と、
    前記第1先端部(11)が前記配管(2)の径方向に変形するように、前記第1フェルール(10)に対して前記軸方向に第1押圧力(F1)を付与する第1押圧部(31,71,91)と、
    前記第2先端部(21)が前記径方向に変形するように、前記第2フェルール(20)に対して前記軸方向に第2押圧力(F2)を付与する第2押圧部(32)と、
    前記配管(2)が挿入される継手本体(40)と、
    前記継手本体(40)に外嵌装着され、前記第1及び第2押圧部(31,71,91,32)が設けられた締付手段(30)と、を備え、
    前記第1押圧部(31,71,91)は、前記第1先端部(11)の変形量が所定の基準変形量に到達することによって前記第1押圧力(F1)を解除するように構成され、
    前記第2押圧部(32)は、前記第1押圧力(F1)を解除することによって前記第2押圧力(F2)の付与を開始するように構成されており、
    前記締付手段(30)は、前記第1押圧力(F1)を解除することによって前記第1フェルール(10)に対して前記軸方向に相対移動することにより前記第2フェルール(20)に前記第2押圧力(F2)を付与するように構成されており、
    前記第1押圧部(31,71,91)は、前記第1フェルール(10)を押すときに受ける反力により変形又は破断可能に構成され、
    前記第1押圧部(31,71,91)は、前記第1先端部(11)の変形量が前記基準変形量に到達することによって変形又は破断することにより前記第1押圧力(F1)を解除するように構成されている、管継手(1,1A,1C,1D)
  2. 前記第1押圧部(31)は、前記軸方向に折れ曲がることにより前記第1押圧力(F1)を解除するように構成されている、請求項に記載の管継手(1,1A)。
  3. 前記締付手段(30)は、前記第1及び第2フェルール(10,20)の外周面(14,24)に対して前記径方向に対向する内周面(34)を有し、
    前記第1押圧部(31)は、前記内周面(34)から前記径方向内側に向かって突出し、
    前記内周面(34)は、前記第1押圧部(31)から見て押圧方向前方に位置する前方内周面(34A)と、前記第1押圧部(31)から見て押圧方向後方に位置する後方内周面(34B)と、を含み、
    前記後方内周面(34B)の内径が前記前方内周面(34A)の内径よりも大きくなることにより、折れ曲がった後の前記第1押圧部(31)を収容可能な前記径方向の隙間(S1)が形成されている、請求項に記載の管継手(1A)。
  4. 前記前方内周面(34A)の内径をD1、前記後方内周面(34B)の内径をD2、前記第1フェルール(10)の前記第1後端部(12)における外径をD3、前記第1押圧部(31)の前記軸方向の厚さをt、a=(D2−D1)/2、d=(D1−D3)/2とした場合に、D2≧D3、D2≧D1、a+d≧tの関係式が満たされる、請求項に記載の管継手(1A)。
  5. 前記後方内周面(34B)の前記軸方向の長さをb、前記第1押圧部(31)の前記径方向の長さをhとした場合に、b≧(h及びtのうち大きい方)の関係式が満たされる、請求項に記載の管継手(1A)。
  6. d/h≦0.6の関係式が満たされる、請求項に記載の管継手(1A)。
  7. 前記第1押圧部(71)は、前記径方向に折れ曲がることにより前記第1押圧力(F1)を解除するように構成されている、請求項に記載の管継手(1C)。
  8. 前記第1フェルール(10)は、前記軸方向において前記第1先端部(11)と前記第1後端部(12)との間に設けられ、前記第1先端部(11)の変形量を規制するための変形量規制部(10A)を有し、
    前記変形量規制部(10A)は、前記第1先端部(11)が所定量変形したときに前記継手本体(40)に当接することにより、前記第1先端部(11)が前記所定量を超えて変形することを規制する、請求項の何れか1項に記載の管継手(1A)。
  9. 前記変形量規制部(10A)は、前記第1フェルール(10)の外周面(14)が前記軸方向に対して成す角度(θ2)が前記第1先端部(11)における当該角度(θ1)よりも大きく且つ90°以下となる部位である、請求項に記載の管継手(1A)。
  10. 室内熱交換器(112)と、室外熱交換器(105)と、圧縮機(103)と、膨張弁(106)と、が配管(2)により互いに接続された冷媒回路を備え、
    前記配管(2)が請求項1〜の何れか1項に記載の管継手(1,1A,1C,1D)により繋がれている、空気調和装置(100)。
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