JP5899703B2 - ロボット - Google Patents
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Description
しかしながら、例えばベルトコンベヤーなどによって搬送されるワークでは、ロボットに対するワークの位置や姿勢が時間とともに変化するので、撮像部で撮像したときのワークの姿勢とハンドが把持する直前のワークの姿勢とが異なってしまうことがある。このような場合、撮像部で撮像された時点での姿勢とは異なる姿勢に変化したワークをハンド部が把持することになる。このような場合、ハンドがワークを把持した後に、ハンドに対するワークの位置や姿勢がずれたり、ハンドからワークが脱落したりすることがある。このようなことが発生すると、ワークを把持した後の作業が滞りやすい。
つまり、従来のロボットでは、ワークを把持した後の作業が滞りやすいという課題がある。
ここで、例えば、ワークが不安定な状態で保持部に保持されている場合と、ワークが安定した状態で保持部に保持されている場合とでは、保持部を駆動したときの挙動が異なる。この搬送方法では、保持状態認識ステップにおいて、慣性センサーで保持部の挙動を検出した結果に基づいて、不安定な保持状態と安定した保持状態とを判別することができる。
そして、保持状態認識ステップで認識したワークの保持状態に応じて、搬送ステップにおけるワークの搬送速度を制御するので、ワークの保持状態に応じた搬送を行うことができる。例えば、ワークが不安定な状態で保持部に保持されている場合には、搬送過程において、ワークの保持部に対する位置や姿勢がずれたり、ワークが保持部から脱落したりすることを低く抑えやすくすることができる。
この結果、搬送ステップを含む搬送ステップ以後の作業を滞らせにくくすることができる。
制御部は、保持部にワークを保持させ、保持部を駆動した場合の保持部の挙動を慣性センサーで検出し、慣性センサーが検出した結果に基づいて保持部によるワークの保持状態を認識し、保持状態に応じてワークの搬送速度を制御する。
ここで、例えば、ワークが不安定な状態で保持部に保持されている場合と、ワークが安定した状態で保持部に保持されている場合とでは、保持部を駆動したときの挙動が異なる。このため、慣性センサーで保持部の挙動を検出した結果に基づいて、不安定な保持状態と安定した保持状態とを判別することができる。
制御部は、認識したワークの保持状態に応じて、ワークの搬送速度を制御する。これにより、ワークの保持状態に応じた搬送を行うことができる。例えば、ワークが不安定な状態で保持部に保持されている場合には、搬送過程において、ワークの保持部に対する位置や姿勢がずれたり、ワークが保持部から脱落したりすることを低く抑えやすくすることができる。
この結果、ワークの搬送を含む以後の作業を滞らせにくくすることができる。
実施形態におけるロボット1は、概略の構成を示す斜視図である図1(a)に示すように、基台3と、支持台5と、アーム装置7と、ハンド装置9と、撮像装置11と、を有する。
基台3は、X方向及びY方向によって規定されるXY平面に沿って延在している。なお、XY平面に直交する方向は、Z方向として定められる。
支持台5は、基台3に据えられている。支持台5は、アーム装置7を支持している。
アーム装置7は、第1アーム21と、第2アーム23と、を有している。
第1アーム21の他端側には、関節部27を介して第2アーム23の一端側が支持されている。第2アーム23は、関節部27によって回転軸29を中心に回動可能に構成されている。
なお、アーム装置7は、第1アーム21を回動させるための動力を発生させるモーター(図示せず)を有している。また、アーム装置7は、第2アーム23を回動させるための動力を発生させるモーター(図示せず)も有している。
第2アーム23の関節部27側とは反対側の他端側には、ハンド装置9が設けられている。
昇降装置33は、昇降軸31をZ方向に沿って昇降させることができる。昇降装置33は、昇降軸31を昇降させるための動力を発生させる図示しない動力源を有している。動力源からの動力は、図示しない昇降機構を介して昇降軸31に伝達される。これにより、昇降軸31は、Z方向に沿って昇降することができる。なお、本実施形態では、昇降軸31を駆動するための動力源として図示しないモーターが採用されている。
昇降軸31のZ方向における下端側には、揺動装置35及び回転装置37を介してハンド部39が支持されている。
これにより、ロボット1では、一対の指部43でワークWを挟持することができる。そして、ワークWを一対の指部43で挟持した状態でアーム装置7を駆動することによって、このワークWを搬送することができる。以下においては、一対の指部43がワークWを挟持するという動作を、ハンド部39がワークWを掴むと表現したり、ハンド部39がワークWを把持すると表現したりすることがある。
回転装置37は、ハンド部39と昇降軸31との間に介在しており、ハンド部39を図2に示す回転軸45を中心に回転させることができる。
なお、揺動装置35は、ハンド部39を揺動させるための動力を発生させるモーター(図示せず)を有している。また、回転装置37は、ハンド部39を回転させるための動力を発生させるモーター(図示せず)を有している。
撮像装置11は、基台3に設けられた支柱55と、支柱55に支持された梁部57とによって支持されている。撮像装置11は、アーム装置7やハンド装置9から独立して、すなわちアーム装置7やハンド装置9とは別個に設けられている。このため、撮像装置11の光軸の方向や位置は、アーム装置7やハンド装置9の動作によって変化しない。
撮像装置11は、撮像素子を有している。撮像装置11は、ハンド部39が掴むべきワークWを撮像する。ロボット1では、撮像装置11がワークWを撮像した結果に基づいて、ワークWの姿勢が認識される。なお、撮像素子としては、例えば、CCD(Charge Coupled Device)などの素子が採用され得る。
また、ロボット1は、モーター71と、モーター73と、モーター75と、モーター77と、モーター79と、モーター81と、を有している。モーター71、モーター73、モーター75、モーター77、モーター79、及びモーター81は、それぞれ、入出力インターフェイス83とバス69とを介して制御部61に接続されている。
モーター73は、第2アーム23を回動させるための動力を発生させる。
モーター75は、昇降軸31を昇降させるための動力を発生させる。
モーター77は、揺動装置35を駆動するための動力を発生させる。モーター77からの動力によって、ハンド部39を揺動させることができる。
モーター79は、回転装置37を駆動するための動力を発生させる。モーター79からの動力によって、ハンド部39を回転させることができる。
モーター81は、一対の指部43を駆動するための動力を発生させる。
なお、撮像装置11及び角速度センサー51も、それぞれ、入出力インターフェイス83とバス69とを介して制御部61に接続されている。
また、メモリー部67には、姿勢画像データ87を記憶する領域、ハンド姿勢情報89を記憶する領域も設けられている。姿勢画像データ87及びハンド姿勢情報89については、詳細を後述する。
駆動制御部65は、モーター制御部91と、撮像制御部93と、センサー制御部95と、を有している。
撮像制御部93は、CPU63からの指令に基づいて、撮像装置11を制御する。
センサー制御部95は、CPU63からの指令に基づいて、角速度センサー51を制御する。
ここで、撮像制御部93は、CPU63からの指令に基づいて、撮像装置11にワークWを撮像させる。撮像装置11がワークWを撮像した撮像結果は、制御部61のCPU63に出力される。制御部61では、撮像装置11からの撮像結果に基づいて、ワークWの姿勢が認識される。
前述したように、メモリー部67には、姿勢画像データ87が記憶されている。姿勢画像データ87は、ワークWのあらゆる姿勢を示す複数の画像データで構成されている。姿勢画像データ87には、ワークWのあらゆる姿勢が、それぞれ画像データとして記されている。
そして、CPU63は、撮像装置11からの撮像結果を複数の姿勢画像データ87に照合し、複数の姿勢画像データ87の中から撮像結果に最も近似する姿勢画像データ87を抽出する。
上記のように、ロボット1では、撮像装置11でのワークWの撮像結果に基づいて、この撮像結果に最も近似する姿勢画像データ87に対応付けられたハンド姿勢情報89に従って、ハンド部39の姿勢を制御するので、姿勢の制御にかかる演算処理を軽減することができる。この結果、ハンド部39によるワークWの把持動作にかかる時間を軽減することができる。
ここでは、コンベヤーによって輸送されるワークWをコンベヤーから別の場所に搬送する方法を例に説明する。
この搬送方法が適用され得る搬送システム10は、図4に示すように、ロボット1と、コンベヤー101と、フィーダー103と、コンベヤー105と、を有している。なお、図4では、構成をわかりやすく示すため、ロボット1の構成のうち揺動装置35、回転装置37、ハンド部39、及び撮像装置11が図示されている。
フィーダー103は、コンベヤー101にワークWを供給する装置である。フィーダー103は、複数のワークWを収容することができる収容部111と、収容部111に収容されているワークWを1つずつ排出する排出口113と、を有している。排出口113から排出されたワークWは、コンベヤー101の無端ベルト109上に供給される。フィーダー103からコンベヤー101に供給されたワークWは、無端ベルト109上に載置される。この状態で、無端ベルト109を回転駆動することによって、無端ベルト109上のワークWを、ローラー107a及びローラー107bが並ぶ方向である輸送方向Dに沿って、ローラー107aからローラー107bに至る輸送経路で輸送することができる。
コンベヤー105の無端ベルト119上には、コンベヤー101においてロボット1が掴めなかったワークWが供給される。無端ベルト119上に供給されたワークWは、フィーダー103の収容部111に戻される。つまり、コンベヤー101においてロボット1が掴めなかったワークWは、コンベヤー105を介してフィーダー103に回収される。
コンベヤー101の輸送経路において、撮像装置11が配置されている位置よりも下流側にハンド部39が位置している。
上記の構成を有する搬送システム10における搬送方法は、図5に示すように、撮像ステップS1と、姿勢制御ステップS2と、把持ステップS3と、保持力確認ステップS4と、保持状態認識ステップS5と、搬送ステップS6と、を有している。
撮像ステップS1において、撮像装置11は、コンベヤー101の輸送経路において、コンベヤー101によって輸送されるワークWを撮像する。前述したように、撮像装置11からの撮像結果に基づいて、無端ベルト109上のワークWの姿勢が認識される。
次いで、把持ステップS3において、一対の指部43がワークWを挟持することによってワークWがハンド部39に把持される。
保持力確認ステップS4では、ハンド部39におけるワークWの保持力を確認する。このとき、ハンド部39におけるワークWの保持力が不十分である場合、このワークWに対する搬送を中止して、撮像ステップS1に戻る。
保持状態認識ステップS5では、ハンド部39におけるワークWの保持状態を認識する。
そして、搬送ステップS6では、認識された保持状態に応じてアーム装置7及びハンド装置9の駆動を制御することによって、この保持状態に応じた搬送速度でワークWをコンベヤー101とは別の場所に搬送する。
保持力確認ステップS4では、一対の指部43にワークWを挟持させたまま、ハンド部39を揺動させることによって、ハンド部39におけるワークWの保持力を確認する。
この保持力確認ステップS4では、まず、図3に示すCPU63が、モーター制御部91に、モーター77に対する駆動指令を出力する。モーター制御部91は、CPU63からの指令に基づいて、モーター77の駆動を制御する。この制御により、図6(a)に示すように、一対の指部43にワークWを挟持させたまま、関節部47を支点としてハンド部39を振り上げる。
これにより、一対の指部43に不安定な状態で挟持されているワークWを、一対の指部43から脱落させることができる。このため、ハンド部39を振りおろす動作でワークWがハンド部39から脱落するほどの不安定な保持状態のままで、搬送ステップS6に移行することを避けることができる。この結果、搬送にかかる作業の効率を向上させやすくすることができる。
このとき、図6(b)に示すように、一対の指部43が並んでいる方向、すなわちワークWを挟持する方向とは交差する方向に重力を作用させることが好ましい。これにより、重力に反する力をワークWに作用させにくくすることができるので、ワークWをハンド部39から脱落させやすくすることができる。
上記の保持力確認ステップS4でワークWがハンド部39から脱落した場合には、撮像ステップS1に戻り、撮像ステップS1から処理を再開させる。なお、ハンド部39から脱落したワークWは、コンベヤー101の無端ベルト109上に落下してから、コンベヤー105を介してフィーダー103に回収される。
ここで、本実施形態では、保持力確認ステップS4において、角速度センサー51によってハンド部39の挙動が検出される。
ここで、挙動とは、等速運動、加減速運動、往復運動である振動など、直線あるいは非直線運動を問わない、環境に対する物体の相対的な運動を示す概念である。
CPU63は、モーター制御部91にモーター77に対する反転駆動指令を出力するときに、センサー制御部95に検出指令を出力する。センサー制御部95は、CPU63からの指令に基づいて、角速度センサー51に、角速度を検出させる。これにより、ハンド部39が無端ベルト109に向かって振りおろされたときのハンド部39の挙動が検出され得る。なお、このとき、少なくとも、ハンド部39が振りおろされたときのハンド部39の残留振動を含む挙動を検出することが好ましい。
ワークWが安定した状態でハンド部39に保持されている場合、ハンド部39の角速度θvは、図7(a)に示すように、0度/secを中心に、t1の周期で減衰振動するという挙動を示す。
これに対し、ワークWが不安定な状態でハンド部39に保持されている場合、ハンド部39の角速度θvは、一例として、図7(b)に示すように、t1とは異なる周期t2で振動することがある。この他にも、ワークWが不安定な状態でハンド部39に保持されている場合のハンド部39の角速度θvの挙動としては、例えば、振動の振幅、減衰比や減衰率、減衰にかかる時間などが安定状態とは異なっていることがある。このような挙動の違いから不安定な保持状態と、安定した保持状態とを判別することができる。
このようにして、保持状態認識ステップS5では、ワークWの保持状態を認識する。ワークWの保持状態は、CPU63によって認識される。
そして、CPU63は、保持状態認識ステップS5で認識したワークWの保持状態に応じて、搬送ステップS6におけるワークWの搬送速度を制御する。これにより、ワークWの保持状態に応じた搬送を行うことができる。
他方で、ワークWが安定した状態でハンド部39に保持されている場合には、CPU63は、その保持状態に応じてワークWの搬送速度を速くする。これにより、搬送にかかる時間を短くすることができる。この結果、搬送ステップS6にかかる時間を短縮しやすくすることができるので、作業の効率を向上させやすくすることができる。
なお、本実施形態では、保持力確認ステップS4において、ハンド部39におけるワークWの保持力を確認するために実施するハンド部39の駆動として、ハンド部39を揺動させることが採用されている。しかしながら、ハンド部39の駆動方法は、これに限定されない。ハンド部39の駆動方法としては、回転装置37によるハンド部39の回転駆動や、昇降装置33によるハンド部39の昇降駆動、第2アーム23によるハンド部39の揺動、第1アーム21によるハンド部39の揺動も採用され得る。
さらに、ハンド部39の駆動方法としては、揺動装置35による揺動、回転装置37による回転駆動、昇降装置33による昇降駆動、第2アーム23による揺動、及び第1アーム21による揺動のうちの2つ以上を組み合わせた駆動も採用され得る。
また、本実施形態では、スカラー型ロボットが例示されているが、ロボット1の形式はこれに限定されず、6軸ロボットなどの種々の形式が採用され得る。
Claims (3)
- 制御部によって制御されるロボットであって、
ワークを保持する保持部に設けられた慣性センサーと、
前記保持部を揺動させる揺動装置と、を有し、
前記制御部は、前記保持部に前記ワークを保持させ、前記揺動装置に前記保持部を揺動させた場合の前記保持部の挙動を前記慣性センサーで検出し、前記慣性センサーが検出した結果に基づいて前記保持部による前記ワークの保持状態を認識し、前記保持状態に応じて前記ワークの搬送における搬送速度を制御する、
ことを特徴とするロボット。 - 前記制御部は、少なくとも重力が作用する向きを含む向きに前記保持部を揺動させる、
ことを特徴とする請求項1に記載のロボット。 - 前記慣性センサーは、角速度センサーである、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のロボット。
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