JP2008200763A - 作業用マニピュレータの制御装置 - Google Patents

作業用マニピュレータの制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】特異点に接近もしくは通過するような目標軌道を与えられた場合でも、計算上の破綻なく連続してマニピュレータを動作させて作業を続行可能とする。
【解決手段】作業用マニピュレータの制御装置は、目標値生成手段101、感度パラメータ計算手段103、対応感度計算手段105、複数の制御手段109〜113、制御方式切替手段107、及び外力検出手段を備える。感度パラメータ計算手段103はマニピュレータ機構からの関節変位応答を用いて感度パラメータを計算し、対応感度計算手段105は感度パラメータを用いて対応感度を計算し、制御方式切替手段107は対応感度に基づいて制御手段109〜113の切り替えを行う。各制御手段109〜113は、目標値、関節変位応答、外力検出手段で検出された外力、及び感度パラメータを用いて制御処理を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、作業用マニピュレータの制御装置に係り、例えば複数の関節を有するリンク機構からなり主に接触作業を目的としたマニピュレータの制御装置に好適なものである。
接触作業を目的としたマニピュレータの制御装置の例として、例えば特開平7−13642号公報(特許文献1)に示されるマニピュレータのコンプライアンス制御装置がある。ここでは、マニピュレータ手先点が特異点領域に近付けば近付くほど大きさが大きくなり、マニピュレータ手先点が特異点領域から遠ざかる向きを持つ仮想外力ベクトルを与えることにより、特異点領域から外れる方向に動作させる制御装置が示されている。
特開平7−13642号公報
一般に、作業用マニピュレータで接触作業を行う場合、先端における目標位置を与え、慣性項・粘性項・剛性項の和からなる運動方程式に基づいて先端外力との関係付けを行うことで、安定な特性を実現することを目的としたコンプライアンス制御という制御方式がある。
通常、外界に働きかける制御はマニピュレータ先端の並進と回転を表す作業空間(位置3自由度、姿勢3自由度からなる6次元の空間)を基準に記述されているが、最終的には各関節変位が張る関節空間(通常6次元)に位置や力の情報を変換して制御を行う。このとき、作業空間と関節空間とを対応付ける感度パラメータ(微小変位間の対応係数)が必要となる。そのようなパラメータは行列の形で整理され、速度や微小変位、或いは力の変換に用いられる。これはマニピュレータのヤコビアン行列(もしくはヤコビ行列と略記されることもある)と呼ばれる。該ヤコビアン行列は関節の微小変位を作業空間での位置姿勢の微小変位に変換するものであるが、コンプライアンス制御ではその逆変換すなわち逆行列が必要になる部分がある。
しかしながら、当該行列の要素の値はマニピュレータの姿勢、言い換えれば各関節変位に応じて変化し、中には逆行列を求められなくなる要素値を与える関節変位の組(関節空間上の点)がある。そのような点を特異点、或いはそのような状態を退化状態と呼ぶ。上記の理由により、特異点に接近またはそれを通過するような軌道上では、かりに関節の可動範囲に関して余裕がある状態でもコンプライアンス制御を含め上記逆行列を利用する全ての制御方式に支障が生じていた。そのため従来は、この特異点に近付かないようにする様々な制御方法・装置によって回避せざるを得なかった。
本発明の目的は、特異点に接近もしくは通過するような目標軌道を与えられた場合でも、計算上の破綻なく連続してマニピュレータを動作させて作業を続行することができる作業用マニピュレータの制御装置を提供することにある。
前述の目的を達成するために、本発明は、作業空間基準もしくは関節空間基準の目標変位およびその微係数・目標発生力を指令値として生成する目標値生成手段と、関節空間−作業空間対応の感度パラメータを計算する感度パラメータ計算手段と、対応感度を計算する対応感度計算手段と、複数の制御手段と、前記複数の制御手段を切り替える制御方式切替手段と、作業空間基準もしくは関節空間基準の外力検出手段とを備えた作業用マニピュレータの制御装置であって、前記感度パラメータ計算手段はマニピュレータ機構からの関節変位応答を用いて感度パラメータを計算し、前記対応感度計算手段は前記感度パラメータ計算手段で計算された感度パラメータを用いて対応感度を計算し、前記制御方式切替手段は前記対応感度計算手段で計算された対応感度に基づいて制御手段の切り替えを行い、前記各制御手段は、前記目標値生成手段で生成された目標変位および目標発生力と、前記マニピュレータ機構からの関節変位応答と、前記外力検出手段で検出された外力と、前記感度パラメータ計算手段で計算された感度パラメータとを用いて制御処理を行うことにある。
本発明の作業用マニピュレータの制御装置によれば、特異点に接近もしくは通過するような目標軌道を与えられた場合でも、計算上の破綻なく連続してマニピュレータを動作させて作業を続行することができる。
以下、本発明の一実施例を、図面を用いて説明する。
図1は本発明の一実施例に係る作業用マニピュレータの制御装置の構成を示すブロック図である。図1において、101はマニピュレータ動作目標値生成手段、102は伝達される各種動作目標値、103は関節空間−作業空間対応感度パラメータ計算手段、104は各種動作目標値102とそれに加えて感度パラメータ計算手段103で計算された感度パラメータ、105は対応感度計算手段、106は102を含んだ感度パラメータ104とそれに加えて対応感度計算手段105で計算された対応感度、107は制御方式切替手段、108はいずれかの制御方式に対応感度106と同じ情報を伝達することを示す矢印、109〜113は制御方式1〜nで制御される制御手段1〜n、114〜118は制御手段109〜113から出力された制御量、119はマニピュレータ機構、120はマニピュレータに働く外力および動作応答の情報を示す。
目標値生成手段101では、選択された制御手段109〜113に応じてマニピュレータ先端位置・速度が生成される。すなわち、目標値生成手段101は、作業空間基準もしくは関節空間基準の目標変位およびその微係数・目標発生力を指令値として生成する手段である。指令として生成する変位微係数の階数の最大値を2としている。感度パラメータ計算手段103は動作応答120のうちの関節位置応答の情報を用いて104のうちの対応感度パラメータ行列の各要素を計算する手段である。対応感度計算手段105は104のうちの該パラメータ行列の要素を用いて対応感度106を計算する手段である。制御方式切替手段107は対応感度106に応じて制御手段109〜113を選択して切り替える手段である。各制御手段109〜113は前記目標値102および外力、動作応答を用いて制御量114〜118を計算し、マニピュレータ機構119に与える。
次に、制御手段1〜nの数がn=2で、作業空間基準でのコンプライアンス制御とスティフネス制御とを切り替える場合の処理の流れを図2を用いて説明する。ここでは、簡単のために、対象とするマニピュレータは6自由度で全関節が回転関節であるものとし、関節に関し一般的な表現として位置・速度と表記していたものを角度・角速度とする。
まず、作業空間での先端目標位置姿勢Xrおよび目標速度・角速度dXr/dtが生成される(ステップ201)。目標姿勢の表現方法は、3x3の回転行列によるもの、オイラーパラメータ(四元数)によるもの、などの何通りか考えられるが、ここでは、Roll-Pitch-Yaw角α =[α β γ]T(以下、行列の右側に置かれたTは転置を表す)で表現する。ここで、α、β、γはz、y、x各軸まわりの回転角である。また目標速度・角速度は[dx/dt dy/dy dz/dt dα/dt dβ/dt dγ/dt]を表す。
次に、現在の関節角ベクトルΘ=[θ1 θ2 θ3 θ4 θ5 θ6]Tからヤコビアン行列J(Θ)を、ΘとJからdX/dtを以下の手順(1)〜(4)で計算する(ステップ202)。なお、座標Σkの設定やAkの導出やその他の詳細などは、例えばロボット・マニピュレータ、Richard.P.Paul著、吉川訳、コロナ社(1984)等に開示されている。
(1) 次に示す数式1から同次変換行列Tk(k=1..6)を導く。数式1の中のAkはリンクに固定された座標Σk−1からΣkへの変換行列である。
Figure 2008200763
(2) 次に示す数式2から基礎ヤコビアン行列JB(Θ)を導く。数式2の中のz0は、ベース座標Σ0のz方向単位ベクトルであり、z0=[0 0 1]T、p0は、Σ0の原点位置であり、p0=[0 0 0]Tである。z1〜z5、p1〜p5は、Σ1〜Σ5のz方向単位ベクトルおよび原点位置をΣ0基準で表現したものである。zk、pkは、Tkの(1、3)(2、3)(3、3)要素および(1、4)(2、4)(3、4)要素からなるベクトルである。pは、先端座標系の原点をΣ0基準で表現したものであり、T6の(1、4)(2、4)(3、4)要素からなる。
Figure 2008200763
JB(Θ)は先端座標Σ6の、Σ0に対する速度・角速度の関係を示している。すなわち、この速度・角速度をそれぞれv=[vx vy vz]T、ω=[ωx ωy ωz]Tとし、ν=[vT ωT]Tとすると、ν=JB(Θ)dΘ/dtの関係がある。
(3) 姿勢角の表現方法に応じてωとdα /dtを変換する。ここでは、Roll-Pitch-Yaw角表現の場合を示す。ωとdα /dtの関係は次の数式3のように書ける。
Figure 2008200763
このときKzyxは数式4のように書ける。式中Sα、Sβ、Cα、Cβはsinα、sinβ、cosα、cosβを示している。これ以降も同様である。
Figure 2008200763
なお、数式3、数式4の導出に関しては、例えばロボットモーション、内山、中村著、岩波書店(2004)等に開示されている。
よって、前記のνとの関係は、次の数式5のようになる。
Figure 2008200763
(4) 次に、JBとJの関係を導く。
数式5のようにK(α )を定義すると、νとJB、Jの関係は、次に示す数式6、数式7のようになる。
Figure 2008200763
Figure 2008200763
以上よりJ(Θ)が導かれるので、dX/dt=J(Θ)dΘ/dtとして先端の速度・角速度を求める。dΘ/dtは実装上はΘの差分に代えるか、オブザーバ等の演算で求めるかなど、方法は特に限定しない。
次に、対応感度を計算する(ステップ203)。対応感度Sとしてヤコビアン行列の行列式を用いるとすると、detJは次に示す数式8のようになる。この値が小さいほどJは非正則な状態、言い換えれば逆行列を求める際に誤差が非常に大きくなる状態に近付いている。
Figure 2008200763
ここで、K(α )の逆行列は次に示す数式9のようであるから、その行列式は数式10のようになる。
Figure 2008200763
Figure 2008200763
結局、J(Θ)の行列式は次に示す数式11のようになる。
Figure 2008200763
ただし、数式11の中のCβ=cosβは姿勢角の表現に依存したものであり、表現形式が変わればこの項も変わる。例えば、姿勢角の表現をオイラー角(z−y−z回転)にすれば、この部分はsinβになる。これらは機構の特異点に直接関係はない。結局、機構特異点への接近度はdetJBで評価すればよい。
ステップ204では、ステップ203で計算された対応感度Sと設定された閾値Scとを比較し、対応感度Sが設定された閾値Scを超えない場合は、Jの逆行列を用いず、Jとその転置JTを用いて作業空間での位置姿勢Xr、およびその時間変化率dXr/dtを指令とするスティフネス制御を行う(ステップ205)。逆にS≧Scの場合は、Jから転置行列と逆行列を導き、目標位置姿勢Xr、外力F等を用いてコンプライアンス制御を行う(ステップ206)。
ヤコビアン行列の行列式を計算する方法は特異点への接近を確実に検出できるが、特定のマニピュレータ機構においてはより処理量の少ない方法で特異点への接近を知ることができる。一例として、図3に示すような機構構成の6自由度マニピュレータを考える。図3において、301はリンク0(土台リンク)、302は関節1、303はリンク1、304は関節2、305はリンク2、306は関節3、307はリンク3、308は関節4、309はリンク4、310は関節5、311はリンク5、312は関節6、313はリンク6(先端リンク)、314は接触センサ、315は力センサである。接触センサ314は作業対象との接触状態を検出する手段であり、力センサ315は作業対象からの外力を検出する手段ある。なお、外力検出手段としては、作業空間基準もしくは関節空間基準の外力検出手段が考えられる。本実施例のマニピュレータは、複数の関節を有するリンク機構からなり、主に接触作業を目的とした作業をするのに好適なものである。
ここで、糸巻き形の記号で示される関節1、3、5はリンク1、3、5の長手方向を軸として捻るように回る。○に黒点で示される関節2、4、6は黒点を中心にリンク2、4、6を振るように回る。関節n(n=1..6)の回転角をθnとする。また、基準姿勢は、腕を真横に伸ばし、かつ関節2、4、6の軸が紙面に垂直な状態とし、そのときの角度を0とする。各リンクはオフセットなしで軸に取り付けられており、基準姿勢においては関節1、3、5の回転軸が一直線になるものとする。
このような機構のマニピュレータにおいては、少なくとも図4や図5のような特異点姿勢が存在する。図4はθ2=0、図5はθ4=0の場合である。他にはθ2=±π、θ4=±πなども特異点姿勢であり、それらは腕を折り曲げた姿勢になる。いずれの場合も、関節1、3、5のうちの2つ以上の回転軸が一直線上に並び、自由度の縮退が起こるため、先端位置姿勢6自由度全てを決めることができなくなる。よって、ステップ203において、detJを計算する前にθ2≒0、θ4≒0か否かをチェックすれば、計算時間を減らすことができる。
一般のマニピュレータにおいては、関節空間を小空間に区切り、動作中にはdetJによって特異点への接近判定を行うとともに、常に関節空間中のどの小空間にあるかを監視する。特異点に接近したと判断された場合は、その関節角度の組が存在する小空間にフラグを立てる。こうすることで、次にその小空間に関節角度の組が入ったときには、detJを計算することなく特異点への接近を判断できる。
小空間の数は表現によるが、例えば、まず各関節の可動範囲ziをn分割し、nの6乗個の小空間に分け、動作中に特異点接近を検出したらθiをzi/nで除した商をもってインデックスとし、6個のインデックスで指定されるその小空間にフラグを立てる。1つの小空間を1バイトで表現し分割数nを10程度に取ると、必要なマップのサイズは10の6乗=1[MB]であり、大した分量ではない。nを大きく取ればこれだけでも十分使用に耐えるが、マップの大部分は使われないので、メモリ節約のためにはnを小さく取り、その代わりフラグの立った小空間に関してのみ再度分割を行い、これを再帰的に繰り返すことで、必要な領域においてのみ局所的に分解能を上げつつメモリの節約を果たすこともできる。分割数をn=2、4、8にすれば二分木、四分木、八分木構造で管理できる。これらの構造であれば、探索等に関してさまざまな効率的手法が研究されており、それらを利用可能であるという利点がある。
次に、切り替える制御手段の例を図6〜図9を使って説明する。
図6に作業空間基準のコンプライアンス制御系の一例を示す。この制御系は特異点に接近していないときに適用する。図6において、601は外力・モーメント、602は目標位置姿勢、603は位置姿勢応答、604は関節角応答、605は関節トルクもしくは推力、606は関節角速度指令、607は先端速度・角速度指令、608は先端加速度・角加速度指令、609は仮想慣性の逆行列、610は仮想粘性、611は仮想剛性、612は関節角から先端位置姿勢への変換部、613はヤコビアン行列の逆行列、614は積分要素、615はロボット制御系、616はロボット機構をそれぞれ表す。601〜608は6次元ベクトル、609〜611は6x6行列である。
制御則は以下の式で表される。
Figure 2008200763
数式12において、各要素609〜611を指定することで所望の運動特性を実現される。実装は離散値系で近似的に行われることが多いので、数式12の積分を後退差分法や双一次変換法などで置き換え、k回目のサンプル時刻をtkで表し、遅延オペレータzの次数だけ添字kをずらして整理する。後退差分法で整理した一例を数式13に示す。この場合は左右のdXr/dtの時刻を同じと考えて整理してある。
Figure 2008200763
数式13の中のIは単位行列である。なお、広義のコンプライアンス制御には多くのバリエーションがあり、上記はその一例にすぎない。また、同じ制御則であっても、実装方法は一通りとは限らないのは言うまでもない。
次に、数式13の制御則によって導かれた目標値dXr/dtにヤコビアン行列Jの逆行列613を乗じることで、各関節速度目標値dΘr/dtが得られる。ロボット制御系615は、この目標値とロボット機構616から出力される関節角度応答Θをもとに、関節の速度制御系もしくは位置制御系を構成する。ここに用いられる制御則としては、位置または速度を追従させるものであればどのようなものでもよく、ここでは方法を特定しない。速度制御系であればロボット機構からの角度応答を微分して用いるか、もしくはタコジェネレータ等で位置とは別途速度を検出する方法を用いてもよい。演算により微分を近似するときは、使用領域より高いカットオフ周波数をもつ1次以上のフィルタを分母に加えて要素全体をプロパな系にして用いる。位置制御系ならば角度目標値606を積分して用いればよい。ロボット制御系615は最終的に各関節トルク605を出力し、これによってロボット機構616が動作する。
なお、外力・モーメント601はロボット機構の中に備えられた力センサ315からの情報でも、仮想的に設定された値でもよい。前者であれば通常のコンプライアンス制御、後者であれば例えばマスタ・スレーブ制御の際に、物理的障害物の存在しない作業空間の領域に適当な粘弾性特性を有した仮想障壁を設定することなどに利用できる。
図7〜図9はJの逆行列を用いない制御の例である。すなわち、特異点に接近している場合に適用する。以下にこれらを説明する。
図7は各関節でコンプライアンス制御を行う場合のブロック図である。図7において、701は外乱トルク、702は目標関節角、703は関節角応答、704は関節出力トルクもしくは推力、705は関節角速度指令、706は関節角加速度指令、707は仮想慣性の逆数、708は仮想粘性、709は仮想剛性、710は積分要素、711はロボット制御系、712はロボット機構をそれぞれ表す。701〜709はいずれもスカラである。この場合の制御則は数式14で示される。
Figure 2008200763
これを一例として後退差分法で離散化すると数式15のようになる。
Figure 2008200763
図8は一般にスティフネス制御と称する制御方式の一例である。これもJの逆行列を必要としないので、特異点近傍における逆行列演算誤差が問題になることはない。図8において、801は作業座標基準の目標位置・姿勢、802は位置・姿勢応答、803は関節角応答、804は作業座標基準の目標速度・角速度、805は速度・角速度応答、806は関節角の角速度応答、807は作業座標基準の発生力・トルク目標値、808は発生力・トルクの応答、809は各関節に与えるトルク、810は剛性係数、811は粘性係数、812は力フィードバック係数、813は関節角Θから先端位置姿勢Xへの変換記述、814はヤコビアン行列、815はヤコビアン行列の転置、816はロボット機構、817は該機構に装備されている力センサである。801〜809はベクトル、810〜812は行列である。
制御則は数式16で記述される。
Figure 2008200763
関節に発生すべきトルクと発生力との関係は数式16の1段目のようになる。これに対して運動特性を規定するのが2段目の式である。これは作業座標基準での位置・姿勢偏差および速度・角速度偏差に対するフィードバックと等価である。これによって剛性と粘性を制御する。3段目の右辺第二項は力を正確に発生するためのフィードバック項である。各関節のトルクが正確に発生できる場合は係数行列Kfは0(零行列)でよい。その場合、Fs=Fとなり、当該制御系では位置のPD制御を行っているのと同じになる。剛性係数810、粘性係数811は固定でもよいが、ロボットの状態や作業の内容に応じて適宜変更することで適応性が高まる。係数の設定変更に関してはここでは詳述しない。
図9は各関節でスティフネス制御を行う制御系の一例である。これは関節毎の制御であり、ヤコビアン行列自体を必要とせず、特異点という概念もない。図9において、901は関節角基準の目標角度、902は関節角応答、903は関節角基準の目標角速度、904は角速度応答、905は関節剛性・粘性を与えるトルク指令、906は関節の発生トルク、907はトルク目標値、908は剛性係数、909は粘性係数、910は力フィードバック係数、911はロボット関節機構、912は該機構に装備されている関節トルクセンサである。901〜910はスカラである。
制御則は数式17で記述される。
Figure 2008200763
関節の運動特性を規定するのが数式17の1段目の式である。これは関節角基準での角度偏差および角速度偏差に対するフィードバックと等価である。これによって関節の剛性と粘性を制御する。2段目の右辺第二項はトルクを正確に発生するためのフィードバック項である。各関節のトルクが正確に発生できる場合、係数kfは0でよい。その場合、τs=τとなり、当該制御系では関節のPD制御を行っているのと同じになる。剛性係数908、粘性係数909は固定でもよいが、ロボットの状態や作業の内容に応じて適宜変更することで適応性が高まる。係数の設定変更に関しては作業座標基準における制御と同様ここでは詳述しない。
以上に示した制御系はいずれも一例にすぎないが、特異点への接近度を評価して図6と図7〜図9との間で切り替えを行うことで、作業空間と関節空間との対応感度を表現した行列(ヤコビアン行列)の逆行列を制御に用いることに起因した問題を回避することができ、特異点へ接近または通過しながら関節の可動範囲全域を動作に用いることができる。
本発明の作業用マニピュレータの制御装置の構成図である。 図1の制御装置の処理手順を示すフローチャートである。 図1の作業用マニピュレータのマニピュレータ機構を示す図である。 マニピュレータ機構の自明な特異点姿勢の例を示す図である。 マニピュレータ機構の自明な特異点姿勢の他の例を示す図である。 図1の作業用マニピュレータの作業座標基準でのコンプライアンス制御系の例を示す図である。 図1の作業用マニピュレータの関節角度基準でのコンプライアンス制御系の例を示す図である。 図1の作業用マニピュレータの作業座標基準でのスティフネス制御系の例を示す図である。 図1の作業用マニピュレータの関節角度基準でのスティフネス制御系の例を示す図である。
符号の説明
101…マニピュレータ動作目標値生成手段、102…伝達される各種動作目標値、103…関節空間−作業空間対応の感度パラメータ計算手段、104…102とそれに加えて103で計算された感度パラメータ、105…対応感度計算手段、106…104とそれに加えて105で計算された対応感度、107…制御方式切替手段、108…いずれかの制御方式に106と同じ情報を伝達することを示す矢印、109、110、111、112、113…制御方式1〜制御方式n、114、115、116、117、118…109〜113から出力された制御量、119…マニピュレータ機構、120…マニピュレータに働く外力および動作応答の情報、201…作業空間での先端目標位置姿勢および目標速度・角速度が生成されるステップ、202…現在の関節角ベクトルからヤコビアン行列Jと先端速度・角速度応答を計算するステップ、203…対応感度を計算するステップ、204…計算された対応感度と設定された閾値とを比較するステップ、205…Jとその転置JTを用いて作業空間での位置姿勢および速度・角速度を指令とするスティフネス制御を行うステップ、206…Jから転置行列と逆行列を導き、目標位置姿勢、外力等を用いてコンプライアンス制御を行うステップ、301…リンク0(土台リンク)、302…関節1、303…リンク1、304…関節2、305…リンク2、306…関節3、307…リンク3、308…関節4、309…リンク4、310…関節5、311…リンク5、312…関節6、313…リンク6(先端リンク)、314…接触センサ、315…力センサ、601…外力・モーメント、602…目標位置姿勢、603…位置姿勢応答、604…関節角応答、605…関節トルクもしくは推力、606…関節角速度指令、607…先端速度・角速度指令、608…先端加速度・角加速度指令、609…仮想慣性の逆行列、610…仮想粘性、611…仮想剛性、612…関節角から先端位置姿勢への変換部、613…ヤコビアン行列の逆行列、614…積分要素、615…ロボット制御系、616…ロボット機構、701…外乱トルク、702…目標関節角、703…関節角応答、704…関節出力トルクもしく…推力、705…関節角速度指令、706…関節角加速度指令、707…仮想慣性の逆数、708…仮想粘性、709…仮想剛性、710…積分要素、711…ロボット制御系、712…ロボット機構、801…作業座標基準の目標位置・姿勢、802…位置・姿勢応答、803…関節角応答、804…作業座標基準の目標速度・角速度、805…速度・角速度応答、806…関節角の角速度応答、807…作業座標基準の発生力・トルク目標値、808…発生力・トルクの応答、809…各関節に与えるトルク、810…剛性係数、811…粘性係数、812…力フィードバック係数、813…関節角から先端位置姿勢への変換記述、814…ヤコビアン行列、815…ヤコビアン行列の転置、816…ロボット機構、817…力センサ、901…関節角基準の目標角度、902…関節角応答、903…関節角基準の目標角速度、904…角速度応答、905…関節剛性・粘性を与えるトルク指令、906…関節の発生トルク、907…トルク目標値、908…剛性係数、909…粘性係数、910…力フィードバック係数、911…ロボット関節機構、912…関節トルクセンサ。

Claims (4)

  1. 作業空間基準もしくは関節空間基準の目標変位およびその変位微係数・目標発生力を指令値として生成する目標値生成手段と、
    関節空間−作業空間対応の感度パラメータを計算する感度パラメータ計算手段と、
    対応感度を計算する対応感度計算手段と、
    複数の制御手段と、
    前記複数の制御手段を切り替える制御方式切替手段と、
    作業空間基準もしくは関節空間基準の外力検出手段とを備えた作業用マニピュレータの制御装置であって、
    前記感度パラメータ計算手段は、マニピュレータ機構からの関節変位応答を用いて感度パラメータを計算し、前記対応感度計算手段は前記感度パラメータ計算手段で計算された感度パラメータを用いて対応感度を計算し、
    前記制御方式切替手段は前記対応感度計算手段で計算された対応感度に基づいて制御手段の切り替えを行い、
    前記各制御手段は、前記目標値生成手段で生成された目標変位および目標発生力と、前記マニピュレータ機構からの関節変位応答と、前記外力検出手段で検出された外力と、前記感度パラメータ計算手段で計算された感度パラメータとを用いて制御処理を行うこと、
    を特徴とする作業用マニピュレータの制御装置。
  2. 請求項1において、前記指令として生成する変位微係数の階数の最大値を2とすることを特徴とする作業用マニピュレータの制御装置。
  3. 請求項1において、前記感度パラメータをヤコビアン行列で表現することを特徴とする作業用マニピュレータの制御装置。
  4. 請求項3において、前記感度パラメータを前記ヤコビアン行列の行列式、もしくは該ヤコビアン行列の転置行列と該ヤコビアン行列との積の行列式で表現することを特徴とする作業用マニピュレータの制御装置。
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