JP5897246B2 - 制震装置 - Google Patents

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Description

本発明は、地震力や強風力などの外力による建築物の揺れを抑制する制震装置に関する。
地震力や強風力などの外力による建築物の揺れを抑制する制震装置として、両材端の軸力を受ける点を共通にした互いに対向するく字状の主部材の中間をそれぞれピン接合とし、該ピン接合位置同士を金属からなる弾塑性ダンパーを介在させて連結し、この弾塑性ダンパーの弾塑性変形を利用して建築物の構造部材に加わる外力を吸収するものが知られている(特許文献1参照)。しかし、上述した制震装置では、弾塑性変形の起きる箇所が応力の集中する一箇所のみで他の箇所では弾塑性変形が起きないため、制震装置全体の大きさに比して外力の吸収効率が低いという難点がある。
そこで、建築物の構造部材に加わる圧縮力及び伸長力を吸収可能な二枚の板状金属部材の両端部を該板状金属部材の間に空間部が形成されるように建築物の構造部材に固定し、上記空間部に板状金属部材と連結して異なる形状の複数の補助金属部材を該補助金属部材間に複数の空間部が形成されるように配置した制震装置が特許文献2に開示されている。
特開昭63−114772号公報 特開2008−88641号公報
特許文献2に開示された制震装置によると、建築物の構造部材に加わる外力を効果的に吸収して制震性能の向上を図ることが可能である。しかしながら、板状金属部材と補助金属部材とを連結する場合などにネジ等の固定具を必要とするため、小型化が難しいという問題があった。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたもので、小型化が可能で且つ制震性能の高い制震装置を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る発明は、建築物の構造部材間に介装され、地震時あるいは強風時に前記構造部材に加わる外力を吸収する外力吸収部を備えた制震装置であって、
前記外力吸収部が前記外力の作用方向に沿って配列された複数の中空部を有するアルミニウムまたはアルミニウム合金の押出形材であり、
前記外力吸収部が互いに対向する複数のプレート部を有し、前記複数の中空部が前記プレート部の間に形成された複数の円弧状のリブによって形成され、
外力による弾塑性変形が前記リブの中央部を起点として発生する程度に、前記リブの中央部厚さが両端部厚さより薄く形成され、
前記中空部が前記プレート部に作用する外力の作用方向に対して凸状または凹状に湾曲した形状であることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る発明は、建築物の構造部材間に介装され、地震時あるいは強風時に前記構造部材に加わる外力を吸収する外力吸収部を備えた制震装置であって、
前記外力吸収部が前記外力の作用方向に沿って配列された複数の中空部を有するアルミニウムまたはアルミニウム合金の押出形材であり、
前記外力吸収部が互いに対向する複数のプレート部を有し、前記複数の中空部が前記プレート部の間に形成された複数のほぼU字状のリブによって形成され、
外力による弾塑性変形が前記リブの中央部を起点として発生する程度に、前記リブの中央部厚さが両端部厚さより薄く形成され、
前記中空部が前記プレート部に作用する外力の作用方向に対して凸状または凹状に湾曲した形状であることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る発明は、建築物の構造部材間に介装され、地震時あるいは強風時に前記構造部材に加わる外力を吸収する外力吸収部を備えた制震装置であって、
前記外力吸収部が前記外力の作用方向に沿って配列された複数の中空部を有するアルミニウムまたはアルミニウム合金の押出形材であり、
前記外力吸収部が互いに対向する複数のプレート部を有し、前記複数の中空部が前記プレート部の間に形成された複数の波形のリブによって形成され、
外力による弾塑性変形が前記リブの中央部を起点として発生する程度に、前記リブの中央部厚さが両端部厚さより薄く形成され、
前記中空部が前記外力吸収部の両端部に対して凹凸状に湾曲した形状であることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る発明は、請求項3記載の制震装置において、前記リブの両端部と前記プレート部との接続点が前記外力の作用方向にずれていることを特徴とする。
本発明の請求項5に係る発明は、請求項3または4記載の制震装置において、前記リブの湾曲方向が隣り合う二つのリブ同士で相反する方向であることを特徴とする。
本発明の請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれか一項記載の制震装置において、前記外力吸収部が複数のダンパー部を連結して形成されたことを特徴とする。
本発明の請求項7に係る発明は、請求項6記載の制震装置において、前記外力吸収部が前記ダンパー部の周囲に角筒状のダンパー座屈防止部材を有することを特徴とする。
本発明によれば、外力吸収部が複数の中空部を有する複雑な断面形状であるため、外力による変形が複数の箇所で起きる。これにより、外力の吸収効率が向上し、制震性能を高めることができる。また、複数の金属部材をネジなどで連結しなくても外力吸収部の内部に複数の中空部を形成できるので、制震装置の小型化を図ることができる。
また、リブの中央部厚さを両端部厚さより薄くすることで、外力による弾塑性変形がリブの厚さ方向中央部を起点として発生し、これにより、中空部が外力の作用方向により変形しやすくなるため、より大きな制震性能を得ることができる。
さらに、リブを円弧状に押出成形して外力吸収部を形成したことで、リブを直線状に押出成形して外力吸収部を形成したものと比較して、外力吸収部のプレート部に作用する外力が比較的小さい場合でもリブが変形しやすくなり、外力吸収部の振動減衰能力が向上するので、より大きな制震性能を得ることができる。
本発明の第1の実施形態に係る制震装置の側面図である。 図1のA−A線に沿う矢視図である。 図2に楕円Bで示される部分の拡大図である。 本発明の第1の実施形態に係る制震装置の作用を説明するための図である。 本発明の第2の実施形態に係る制震装置の側面図である。 図5のC−C線に沿う矢視図である。 本発明の第2の実施形態に係る制震装置の作用を説明するための図である。 本発明の第3の実施形態に係る制震装置の側面図である。 図8のD−D線に沿う矢視図である。 本発明の第3の実施形態に係る制震装置の作用を説明するための図である。 本発明の第4の実施形態に係る制震装置の側面図である。 本発明の第4の実施形態に係る制震装置の作用を説明するための図である。 本発明の第5の実施形態に係る制震装置を示す図である。 本発明の第6の実施形態に係る制震装置を示す図である。 本発明の第7の実施形態に係る制震装置を示す図である。 本発明の第8の実施形態に係る制震装置を示す図である。 本発明の第9の実施形態に係る制震装置を示す図である。 本発明の第10の実施形態に係る制震装置を示す図である。
以下、図面を参照して本発明に係る制震装置について説明する。
本発明の第1の実施形態に係る制震装置の側面図を図1に、図1のA−A線に沿う矢視図を図2に、図2に楕円Bで示される部分の拡大図を図3に示す。
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る制震装置16は木造住宅等の建築物の土台11、柱12,13及び梁14で形成された開口部15に設けられるものであって、ダンパー連結部材17,18と履歴ダンパー(外力吸収部)19を備えている。
ダンパー連結部材17は履歴ダンパー19の一方の端部を土台11と柱12の仕口部(接合部)に連結するためのものであって、木材等を角柱状に加工して形成されている。
ダンパー連結部材18は履歴ダンパー19の他方の端部を柱13と梁14の仕口部に連結するためのものであって、ダンパー連結部材17と同様に木材等を角柱状に加工して形成されている。
履歴ダンパー19は柱12,13や梁14に加わる地震力や強風力などの外力を吸収するものであって、図2に示すように、外側プレート部191a,191b、中間プレート部191c及び連結部192a,192b,192cを有している。
外側プレート部191a,191bと中間プレート部191cは、アルミニウムまたはアルミニウム合金を板状に押出成形して形成されている。また、これらのプレート部191a,192b,191cは履歴ダンパー19が組み込まれる開口部15の対角方向に沿って矩形状に且つ互いに平行に形成されている。
連結部192a,192b,192cは履歴ダンパー19とダンパー連結部材17,18とをボルト20とナット21によって連結するためのもので、外側プレート部191a,191b及び中間プレート部191cの長手方向一端部に形成されている。
図2に示すように、履歴ダンパー19は、また、複数のリブ193を外側プレート部191a,191bと中間プレート部191cとの間に有している。これらのリブ193は外側プレート部191aと中間プレート部191c及び外側プレート部191bと中間プレート部191cの相対向する面同士を接続して履歴ダンパー19の内部に複数の中空部194を形成するためのもので、外側プレート部191a,191b、中間プレート部191c及び連結部192a,192b,192cと一体に押出成形によって形成されている。
また、図3に示すように、リブ193は外側プレート部191a,191b及び中間プレート部191cの厚さ方向における中央部の厚さth1が両端部の厚さth2よりも薄く形成されている。
なお、履歴ダンパー19の連結部192a,192b,192cには、ボルト20を連結部192a,192b,192cの板厚方向に貫通させるためのボルト挿通孔195(図2参照)が穿設されている。
図4は第1の実施形態に係る制震装置16の作用を説明するための図で、地震力や強風力などの外力が木造住宅等の建築物の柱12,13や梁14に作用して開口部15が矩形状から平行四辺形状に変形すると、柱12,13や梁14に作用する外力がダンパー連結部材17,18を介して履歴ダンパー19に引張力や圧縮力として作用する。そして、地震力や強風力などの外力がダンパー連結部材17,18を介して履歴ダンパー19に作用すると、図4に示すように、履歴ダンパー19の各リブ193が外力の作用方向に弾塑性変形し、これに伴って履歴ダンパー19のプレート部191a,191b,191c間に形成された複数の中空部194が外力の大きさに応じて矩形状から平行四辺形状に変形する。このとき、ダンパー連結部材17,18を介して履歴ダンパー19に作用した外力はリブ193が外力の作用方向に弾塑性変形することによって吸収される。
上述した第1の実施形態では、履歴ダンパー19が複数の中空部194を有する複雑な断面形状であるため、外力による変形が複数の箇所で起きる。これにより、特許文献1に開示されたもののように、弾塑性変形の起きる箇所が応力の集中する一箇所のみでなく、履歴ダンパー19の各リブ193で弾塑性変形が生じるため、地震力や強風力などの外力を効果的に吸収して制震性能の向上を図ることができる。
また、特許文献2に開示されたもののように、複数の金属部材をネジなどで連結しなくても履歴ダンパー19の内部に複数の中空部194を形成できるので、制震装置の小型化を図ることができる。
また、上述した第1の実施形態では、外側プレート部191a,191b及び中間プレート部191cの厚さ方向におけるリブ193の中央部の厚さth1を両端部の厚さth2より薄くしたことで、外力による弾塑性変形がリブ193の厚方向中央部を起点として発生し、これにより、中空部194が外力の作用方向により変形しやすくなるため、より大きな制震性能を得ることができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る制震装置の側面図を図5に、図5のC−C線に沿う矢視図を図6に示す。
図5に示すように、本発明の第2の実施形態に係る制震装置23は、第1の実施形態と同様に、木造住宅等の建築物の土台11、柱12,13及び梁14で形成された開口部15に設けられるものであって、ダンパー連結部材17,18と履歴ダンパー(外力吸収部)19を備えている。
ダンパー連結部材17は履歴ダンパー19の一方の端部を土台11と柱12の仕口部(接合部)に連結するためのものであって、木材等を角柱状に加工して形成されている。
ダンパー連結部材18は履歴ダンパー19の他方の端部を柱13と梁14の仕口部に連結するためのものであって、ダンパー連結部材17と同様に木材等を角柱状に加工して形成されている。
履歴ダンパー19は柱12,13や梁14に加わる地震力や強風力などの外力を吸収するものであって、図6に示すように、外側プレート部191a,191b、中間プレート部191c及び連結部192a,192b,192cを有している。
外側プレート部191a,191bと中間プレート部191cは、アルミニウムまたはアルミニウム合金を板状に押出成形して形成されている。また、これらのプレート部191a,192b,191cは履歴ダンパー19が組み込まれる開口部15の対角方向に沿って矩形状に且つ互いに平行に形成されている。
連結部192a,192b,192cは履歴ダンパー19とダンパー連結部材17,18とをボルト20とナット21によって連結するためのもので、外側プレート部191a,191b及び中間プレート部191cの長手方向一端部に形成されている。
図6に示すように、履歴ダンパー19は、また、複数のリブ193を外側プレート部191a,191bと中間プレート部191cとの間に有している。これらのリブ193は外側プレート部191aと中間プレート部191c及び外側プレート部191bと中間プレート部191cの相対向する面同士を接続して履歴ダンパー19の内部に複数の中空部194を形成するためのもので、外側プレート部191a,191b、中間プレート部191c及び連結部192a,192b,192cと一体に押出成形によって形成されている。さらに、リブ193はプレート部191a,191b,191cの厚さ方向に沿う断面の厚さがプレート部191a,191b,191cの厚さよりも薄くなるように押出成形によって形成されている。
中空部194は、履歴ダンパー19の中央部と一方の端部との間に形成される中空部194(履歴ダンパー19の中央部より図中下側の中空部)が履歴ダンパー19の一方の端部に接続されるダンパー連結部材17に対して凸状に湾曲すると共に履歴ダンパー19の中央部と他方の端部との間に形成される中空部194(履歴ダンパー19の中央部より図中上側の中空部)が履歴ダンパー19の他方の端部に接続されるダンパー連結部材18に対して凸状に湾曲した形状となるように、プレート部191a,191b,191cの中央部に位置するリブ193を除いた残りのリブ193を円弧状に押出成形して形成されている。
図7は第2の実施形態に係る制震装置23の作用を説明するための図で、地震力や強風力などの外力が木造住宅等の建築物の柱12,13や梁14に作用して開口部15が矩形状から平行四辺形状に変形すると、柱12,13や梁14に作用する外力がダンパー連結部材17,18を介して履歴ダンパー19に引張力や圧縮力として作用する。そして、地震力や強風力などの外力がダンパー連結部材17,18を介して履歴ダンパー19に作用すると、図7に示すように、履歴ダンパー19の各リブ193が外力の作用方向に弾塑性変形し、これに伴って履歴ダンパー19の内部に形成された中空部194が外力の大きさに応じて矩形状から平行四辺形状に変形する。このとき、ダンパー連結部材17,18を介して履歴ダンパー19に作用した外力はリブ193が外力の作用方向に弾塑性変形することによって吸収される。
上述した第2の実施形態では、履歴ダンパー19が複数の中空部194を有する複雑な断面形状であるため、外力による変形が複数の箇所で起きる。これにより、特許文献1に開示されたもののように、弾塑性変形の起きる箇所が応力の集中する一箇所のみでなく、履歴ダンパー19の各リブ193で弾塑性変形が生じるため、地震力や強風力などの外力を効果的に吸収して制震性能の向上を図ることができる。
また、特許文献2に開示されたもののように、複数の金属部材をネジなどで連結しなくても履歴ダンパー19の内部に複数の中空部194を形成できるので、制震装置の小型化を図ることができる。
さらに、上述した第2の実施形態のように、リブ193を円弧状に押出成形して履歴ダンパー19を形成したことで、リブを直線状に押出成形して履歴ダンパーを形成したものと比較して、履歴ダンパー19に作用する振動エネルギーが小さい場合でもリブ193が変形しやすくなり、履歴ダンパー19の振動減衰能力が向上するので、より大きな制震性能を得ることができる。
なお、上述した第2の実施形態では、履歴ダンパー19の内部に形成される中空部194が履歴ダンパー19の両端部に接続されたダンパー連結部材17,18に対して凸状に湾曲した形状となるようにリブ193を円弧状に押出成形して履歴ダンパー19を形成したが、中空部194がダンパー連結部材17,18に対して凹状に湾曲した形状となるようにリブ193を円弧状に押出成形して履歴ダンパー19を形成してもよい。
次に、本発明の第3の実施形態に係る制震装置の側面図を図8に、図8のD−D線に沿う矢視図を図9に示す。
図8に示すように、本発明の第3の実施形態に係る制震装置24は木造住宅等の建築物の土台11、柱12,13及び梁14で形成された開口部15に設けられるものであって、ダンパー連結部材17,18と履歴ダンパー(外力吸収部)19を備えている。
ダンパー連結部材17は履歴ダンパー19の一方の端部を土台11と柱12の仕口部(接合部)に連結するためのものであって、木材等を角柱状に加工して形成されている。
ダンパー連結部材18は履歴ダンパー19の他方の端部を柱13と梁14の仕口部に連結するためのものであって、ダンパー連結部材17と同様に木材等を角柱状に加工して形成されている。
履歴ダンパー19は柱12,13や梁14に加わる地震力や強風力などの外力を吸収するものであって、図9に示すように、外側プレート部191a,191b及び連結部192a,192bを有している。
外側プレート部191a,191bは、アルミニウムまたはアルミニウム合金を板状に押出成形して形成されている。また、これらのプレート部191a,192bは履歴ダンパー19が組み込まれる開口部15の対角方向に沿って矩形状に且つ互いに平行に形成されている。
連結部192a,192bは履歴ダンパー19とダンパー連結部材17,18とをボルト20とナット21によって連結するためのもので、外側プレート部191a,191bの長手方向一端部に形成されている。
図9に示すように、履歴ダンパー19は、また、複数のリブ193を外側プレート部191aと外側プレート部191bとの間に有している。これらのリブ193は外側プレート部191aと外側プレート部191bの相対向する面同士を接続して履歴ダンパー19の内部に複数の中空部194を形成するためのもので、外側プレート部191a,191b及び連結部192a,192bと一体に押出成形によって形成されている。
また、リブ193は押出成形方向と直交する厚さが外側プレート部191a,191bの厚さよりも小さく形成されている。
図10は第3の実施形態に係る制震装置24の作用を説明するための図で、地震力や強風力などの外力が木造住宅等の建築物の柱12,13や梁14に作用して開口部15が矩形状から平行四辺形状に変形すると、柱12,13や梁14に作用する外力がダンパー連結部材17,18を介して履歴ダンパー19に引張力や圧縮力として作用する。そして、地震力や強風力などの外力がダンパー連結部材17,18を介して履歴ダンパー19に作用すると、図10に示すように、履歴ダンパー19の各リブ193が外力の作用方向に弾塑性変形し、これに伴って履歴ダンパー19の内部に形成された中空部194が外力の大きさに応じて矩形状から平行四辺形状に変形する。このとき、ダンパー連結部材17,18を介して履歴ダンパー19に作用した外力はリブ193が外力の作用方向に弾塑性変形することによって吸収される。
上述した第3の実施形態では、履歴ダンパー19が複数の中空部194を有する複雑な断面形状であるため、外力による変形が複数の箇所で起きる。これにより、特許文献1に開示されたもののように、弾塑性変形の起きる箇所が応力の集中する一箇所のみでなく、履歴ダンパー19の各リブ193で弾塑性変形が生じるため、地震力や強風力などの外力を効果的に吸収して制震性能の向上を図ることができる。
また、特許文献2に開示されたもののように、複数の金属部材をネジなどで連結しなくても履歴ダンパー19の内部に複数の中空部194を形成できるので、制震装置の小型化を図ることができる。
さらに、押出成形方向と直交するリブ193の厚さを外側プレート部191a,191bの厚さよりも小さく形成したことで、外力によるリブ193の弾塑性変形がより生じやすくなるため、より大きな制震性能を得ることができる。
次に、本発明の第4の実施形態に係る制震装置の側面図を図11に示す。
図11に示すように、本発明の第4の実施形態に係る制震装置25は木造住宅等の建築物の土台11、柱12,13及び梁14で形成された開口部15の隅部に設けられているものであって、履歴ダンパー(外力吸収部)26及びダンパー取付け板27を備えている。
履歴ダンパー26は柱12,13や梁14に加わる地震力などの外力を吸収する複数枚(例えば5枚)の外力吸収板261を有し、これらの外力吸収板261は開口部15の隅部に向けて円弧状に湾曲している。また、外力吸収板261はアルミニウムまたはアルミニウム合金を板状に押出成形して形成されている。
また、履歴ダンパー26は外力吸収板261を開口部15の隅部に向けて支持する一対の吸収板支持部材262,263を有し、これらの吸収板支持部材262,263は外力吸収板261と同様にアルミニウムまたはアルミニウム合金から形成されている。また、吸収板支持部材262,263は外力吸収板261の端部を支持する複数の吸収板支持溝264を有し、これらの吸収板支持溝264は隣り合う2枚の外力吸収板261,261の間に中空部265が形成されるようにアルミニウムまたはアルミニウム合金を押出成形して形成されている。
ダンパー取付け板27は履歴ダンパー26の吸収板支持部材262,263を開口部15の隅部に装着するものであって、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金をL字状に押出成形して形成されている。また、ダンパー取付け板27は図示しないねじ等によって柱12(または柱13)の側面と梁14の下面に固定されている。
図12は第4の実施形態に係る制震装置25の作用を説明するための図で、地震力や強風力などの外力が木造住宅等の柱12,13や梁14に作用して開口部15が矩形状から平行四辺形状に変形すると、柱12,13や梁14に作用する外力がダンパー取付け板27を介して履歴ダンパー26に作用する。そして、地震力や強風力などの外力がダンパー取付け板27を介して履歴ダンパー26に作用すると、図12に示すように、履歴ダンパー26の外力吸収板261が開口部15の隅部に向けて弾塑性変形し、これに伴って外力吸収板261の間に形成された中空部265が変形する。このとき、ダンパー取付け板27を介して履歴ダンパー26に作用した外力は外力吸収板261が開口部15の隅部に向けて弾塑性変形することによって吸収される。
上述した第4の実施形態では、履歴ダンパー26が複数の中空部265を有する複雑な断面形状であるため、外力による変形が複数の箇所で起きる。これにより、特許文献1に開示されたもののように、弾塑性変形の起きる箇所が応力の集中する一箇所のみでなく、履歴ダンパー26の各外力吸収板261で弾塑性変形が生じるため、地震力や強風力などの外力を効果的に吸収して制震性能の向上を図ることができる。
また、特許文献2に開示されたもののように、特許文献2に開示されたもののように、複数の金属部材をネジなどで連結しなくても複数の中空部265を形成できるので、制震装置の小型化を図ることができる。
次に、本発明の第5の実施形態について図13を参照して説明する。
図中符号28は本発明の第5の実施形態に係る制震装置を示し、この制震装置28は、第1〜第3の実施形態と同様に、ダンパー連結部材17,18と履歴ダンパー(外力吸収部)19を備えている。
ダンパー連結部材17は履歴ダンパー19の一方の端部を図1に示す土台11と柱12の仕口部(接合部)に連結するためのものであって、木材等を角柱状に加工して形成されている。
ダンパー連結部材18は履歴ダンパー19の他方の端部を図1に示す柱13と梁14の仕口部に連結するためのものであって、ダンパー連結部材17と同様に木材等を角柱状に加工して形成されている。
履歴ダンパー19は柱12,13や梁14に加わる地震力や強風力などの外力を吸収するものであって、外側プレート部191a,191b及び連結部192a,192bを有している。
外側プレート部191a,191bは、アルミニウムまたはアルミニウム合金を板状に押出成形して形成されている。また、これらのプレート部191a,192bは履歴ダンパー19が組み込まれる開口部の対角方向に沿って矩形状に且つ互いに平行に形成されている。
連結部192a,192bは履歴ダンパー19とダンパー連結部材17,18とをボルト20とナット21によって連結するためのもので、外側プレート部191a,191bの長手方向一端部に形成されている。
履歴ダンパー19は、また、複数のリブ193を外側プレート部191aと外側プレート部191bとの間に有している。これらのリブ193は外側プレート部191a,191bの相対向する面同士を接続して外側プレート部191aと外側プレート部191bとの間に中空部194を形成するもので、外側プレート部191a,191b及び連結部192a,192bと一体に押出成形によって形成されている。
さらに、リブ193は押出成形方向と直交する断面の厚さが外側プレート部191a,191bの厚さよりも小さく形成されている。
中空部194は、履歴ダンパー19の中央部と一方の端部との間に形成される中空部194(履歴ダンパー19の中央部より図中下側の中空部)が履歴ダンパー19の一方の端部に接続されるダンパー連結部材17に対して凸状に湾曲すると共に履歴ダンパー19の中央部と他方の端部との間に形成される中空部194(履歴ダンパー19の中央部より図中上側の中空部)が履歴ダンパー19の他方の端部に接続されるダンパー連結部材18に対して凸状に湾曲した形状となるように、リブ193をほぼU字状に押出成形して形成されている。
上述した制震装置28では地震力や強風力などの外力が木造住宅等の建築物の柱12,13や梁14に作用して図1に示す開口部15が矩形状から平行四辺形状に変形すると、柱12,13や梁14に作用する外力がダンパー連結部材17,18を介して履歴ダンパー19に引張力や圧縮力として作用する。そして、地震力や強風力などの外力がダンパー連結部材17,18を介して履歴ダンパー19に作用すると、図13(b)に示すように、履歴ダンパー19の各リブ193が外力の作用方向に弾塑性変形し、これに伴って履歴ダンパー19の内部に形成された複数の中空部194が外力の大きさに応じて変形する。
このとき、ダンパー連結部材17,18を介して履歴ダンパー19に作用した外力は履歴ダンパー19の各リブ193が外力の作用方向に弾塑性変形することによって吸収される。従って、特許文献1に開示されたもののように、弾塑性変形の起きる箇所が応力の集中する一箇所のみでなく、履歴ダンパー19の各リブ193で弾塑性変形が生じるため、地震力や強風力などの外力を効果的に吸収して制震性能の向上を図ることができる。
また、特許文献2に開示されたもののように、複数の金属部材をネジなどで連結しなくても履歴ダンパー19の内部に複数の中空部194を形成できるので、制震装置の小型化を図ることができる。
さらに、上述した第5の実施形態のように、リブ193をほぼU字状に押出成形して履歴ダンパー19を形成したことで、リブを直線状に押出成形して履歴ダンパーを形成したものと比較して、履歴ダンパー19に作用する振動エネルギーが小さい場合でもリブ193が変形しやすくなり、履歴ダンパー19の振動減衰能力が向上するので、より大きな制震性能を得ることができる。また、リブ193の断面における塑性変形領域が拡大するので、履歴ダンパー19の振動エネルギー吸収効果をより高めることができる。
なお、上述した第5の実施形態では、履歴ダンパー19の内部に形成される中空部194が履歴ダンパー19の両端部に接続されたダンパー連結部材17,18に対して凸状に湾曲した形状となるようにリブ193をほぼU字状に押出成形して履歴ダンパー19を形成したが、中空部194がダンパー連結部材17,18に対して凹状に湾曲した形状となるようにリブ193をほぼU字状に押出成形して履歴ダンパー19を形成してもよい。
次に、本発明の第6の実施形態について図14を参照して説明する。
図中符号29は本発明の第6の実施形態に係る制震装置を示し、この制震装置29は、第1〜第3の実施形態と同様に、ダンパー連結部材17,18と履歴ダンパー(外力吸収部)19を備えている。
ダンパー連結部材17は履歴ダンパー19の一方の端部を図1に示す土台11と柱12の仕口部(接合部)に連結するためのものであって、木材等を角柱状に加工して形成されている。
ダンパー連結部材18は履歴ダンパー19の他方の端部を図1に示す柱13と梁14の仕口部に連結するためのものであって、ダンパー連結部材17と同様に木材等を角柱状に加工して形成されている。
履歴ダンパー19は柱12,13や梁14に加わる地震力や強風力などの外力を吸収するものであって、外側プレート部191a,191b及び連結部192a,192bを有している。
外側プレート部191a,191bは、アルミニウムまたはアルミニウム合金を板状に押出成形して形成されている。また、これらのプレート部191a,192bは履歴ダンパー19が組み込まれる開口部の対角方向に沿って矩形状に且つ互いに平行に形成されている。
連結部192a,192bは履歴ダンパー19とダンパー連結部材17,18とをボルト20とナット21によって連結するためのもので、外側プレート部191a,191bの長手方向一端部に形成されている。
履歴ダンパー19は、また、複数のリブ193を外側プレート部191aと外側プレート部191bとの間に有している。これらのリブ193は外側プレート部191a,191bの相対向する面同士を接続して外側プレート部191aと外側プレート部191bとの間に中空部194を形成するもので、外側プレート部191a,191b及び連結部192a,192bと一体に押出成形によって形成されている。
また、リブ193は押出成形方向と直交する断面の厚さが外側プレート部191a,191bの厚さよりも小さく形成されている。さらに、リブ193は外側プレート部191a,191bの厚さ方向における中央部の断面が波形に形成されているとともに、外側プレート部191a,191bとの接続点P1,P2を外力の作用方向にずらして外側プレート部191aと外側プレート部191bとの間に形成されている。
中空部194は、履歴ダンパー19の両端部に接続されるダンパー連結部材17,18対して凹凸状に湾曲した形状になると共に凹凸状に湾曲する方向が履歴ダンパー19の中央部で反転するように、リブ193を波形に押出成形して形成されている。
また、中空部194は、リブ193の両端部とプレート部191a,191bとの接続点P1,P2が外力の作用方向(プレート部191a,191bの長手方向)にずれて形成されるように、リブ193を波形に押出成形して形成されている。つまり、中空部194は接続点P1と接続点P2との間にずれ量Xが形成されるように、リブ193を波形に押出成形して形成されている。
上述した制震装置29では地震力や強風力などの外力が木造住宅等の建築物の柱12,13や梁14に作用して図1に示す開口部15が矩形状から平行四辺形状に変形すると、柱12,13や梁14に作用する外力がダンパー連結部材17,18を介して履歴ダンパー19に引張力や圧縮力として作用する。そして、地震力や強風力などの外力がダンパー連結部材17,18を介して履歴ダンパー19に作用すると、図14(b)に示すように、履歴ダンパー19の各リブ193が外力の作用方向に弾塑性変形し、これに伴って履歴ダンパー19の内部に形成された複数の中空部194が外力の大きさに応じて変形する。
このとき、ダンパー連結部材17,18を介して履歴ダンパー19に作用した外力は履歴ダンパー19の各リブ193が外力の作用方向に弾塑性変形することによって吸収される。従って、特許文献1に開示されたもののように、弾塑性変形の起きる箇所が応力の集中する一箇所のみでなく、履歴ダンパー19の各リブ193で弾塑性変形が生じるため、地震力や強風力などの外力を効果的に吸収して制震性能の向上を図ることができる。
また、特許文献2に開示されたもののように、複数の金属部材をネジなどで連結しなくても履歴ダンパー19の内部に複数の中空部194を形成できるので、制震装置の小型化を図ることができる。
さらに、上述した第6の実施形態のように、リブ193を波形に押出成形して履歴ダンパー19を形成したことで、リブを直線状に押出成形して履歴ダンパーを形成したものと比較して、履歴ダンパー19に作用する振動エネルギーが小さい場合でもリブ193が変形しやすくなり、履歴ダンパー19の振動減衰能力が向上するので、より大きな制震性能を得ることができる。また、第5の実施形態と同様に、リブ193の断面における塑性変形領域が拡大するので、履歴ダンパー19の振動エネルギー吸収効果をより高めることができる。
さらに、リブ193の両端部とプレート部191a,191bとの接続点P1,P2がプレート部191a,191bに作用する外力の作用方向にずれるようにリブ193を波形に押出成形したことで、ダンパー連結部材17,18を介して履歴ダンパー19に作用する外力が小さい場合でもリブ193が外力の作用方向に大きく変形し、接続点P1,P2を外力の作用方向にずらないでリブを波形に押出成形したものと比較して、リブ193の変形量が大きくなるので、履歴ダンパー19の振動減衰能力を高めることができる。
次に、本発明の第7の実施形態について図15を参照して説明する。
図中符号30は本発明の第7の実施形態に係る制震装置を示し、この制震装置30は、第1〜第3の実施形態と同様に、ダンパー連結部材17,18と履歴ダンパー(外力吸収部)19を備えている。
ダンパー連結部材17は履歴ダンパー19の一方の端部を図1に示す土台11と柱12の仕口部(接合部)に連結するためのものであって、木材等を角柱状に加工して形成されている。
ダンパー連結部材18は履歴ダンパー19の他方の端部を図1に示す柱13と梁14の仕口部に連結するためのものであって、ダンパー連結部材17と同様に木材等を角柱状に加工して形成されている。
履歴ダンパー19は柱12,13や梁14に加わる地震力や強風力などの外力を吸収するものであって、外側プレート部191a,191b及び連結部192a,192bを有している。
外側プレート部191a,191bは、アルミニウムまたはアルミニウム合金を板状に押出成形して形成されている。また、これらのプレート部191a,192bは履歴ダンパー19が組み込まれる開口部の対角方向に沿って矩形状に且つ互いに平行に形成されている。
連結部192a,192bは履歴ダンパー19とダンパー連結部材17,18とをボルト20とナット21によって連結するためのもので、外側プレート部191a,191bの長手方向一端部に形成されている。
履歴ダンパー19は、また、複数のリブ193を外側プレート部191aと外側プレート部191bとの間に有している。これらのリブ193は外側プレート部191a,191bの相対向する面同士を接続して外側プレート部191aと外側プレート部191bとの間に中空部194を形成するためのもので、外側プレート部191a,191b及び連結部192a,192bと一体に押出成形によって形成されている。
また、リブ193は押出成形方向と直交する断面の厚さが外側プレート部191a,191bの厚さよりも小さく形成されている。さらに、リブ193は外側プレート部191a,191bの厚さ方向における中央部の断面が波形に形成されているとともに、外側プレート部191a,191bとの接続点P1,P2を外力の作用方向にずらして外側プレート部191aと外側プレート部191bとの間に形成されている。
中空部194は、履歴ダンパー19の両端部に接続されたダンパー連結部材17,18に対して凹凸状に湾曲した形状になると共に凹凸状に湾曲する方向が隣り合う二つのリブ同士で相反する方向となるように、リブ193を波形に押出成形して形成されている。また、中空部194は、リブ193の両端部とプレート部191a,191bとの接続点P1,P2が外力の作用方向(プレート部191a,191bの長手方向)にずれて形成されるように、リブ193を波形に押出成形して形成されている。つまり、中空部194は接続点P1と接続点P2との間にずれ量Xが形成されるように、リブ193を波形に押出成形して形成されている。
上述した制震装置30では地震力や強風力などの外力が木造住宅等の建築物の柱12,13や梁14に作用して図1に示す開口部15が矩形状から平行四辺形状に変形すると、柱12,13や梁14に作用する外力がダンパー連結部材17,18を介して履歴ダンパー19に引張力や圧縮力として作用する。そして、地震力や強風力などの外力がダンパー連結部材17,18を介して履歴ダンパー19に作用すると、図15(b)に示すように、履歴ダンパー19の各リブ193が外力の作用方向に弾塑性変形し、これに伴って履歴ダンパー19の内部に形成された複数の中空部194が外力の大きさに応じて変形する。
このとき、ダンパー連結部材17,18を介して履歴ダンパー19に作用した外力は履歴ダンパー19の各リブ193が外力の作用方向に弾塑性変形することによって吸収される。従って、特許文献1に開示されたもののように、弾塑性変形の起きる箇所が応力の集中する一箇所のみでなく、履歴ダンパー19の各リブ193で弾塑性変形が生じるため、地震力や強風力などの外力を効果的に吸収して制震性能の向上を図ることができる。
また、特許文献2に開示されたもののように、複数の金属部材をネジなどで連結しなくても履歴ダンパー19の内部に複数の中空部194を形成できるので、制震装置の小型化を図ることができる。
さらに、リブ193を波形に押出成形して履歴ダンパー19を形成したことで、リブを直線状に押出成形して履歴ダンパーを形成したものと比較して、履歴ダンパー19に作用する振動エネルギーが小さい場合でもリブ193が変形しやすくなり、履歴ダンパー19の振動減衰能力が向上するので、より大きな制震性能を得ることができる。また、第5の実施形態と同様に、リブ193の断面における塑性変形領域が拡大するので、履歴ダンパー19の振動エネルギー吸収効果をより高めることができる。
さらに、リブ193の両端部とプレート部191a,191bとの接続点P1,P2がプレート部191a,191bに作用する外力の作用方向にずれるようにリブ193を波形に押出成形したことで、ダンパー連結部材17,18を介して履歴ダンパー19に作用する外力が小さい場合でもリブ193が外力の作用方向に大きく変形し、接続点P1,P2を外力の作用方向にずらないでリブを波形に押出成形したものと比較して、リブ193の変形量が大きくなるので、履歴ダンパー19の振動減衰能力を高めることができる。
また、上述した第7の実施形態のように、波形に湾曲するリブ193の湾曲方向が隣り合うリブ同士で相反する方向となるように、リブ193を波形に押出成形して履歴ダンパー19を形成したことで、リブの湾曲方向を隣り合うリブ同士で一致させてリブを波形に押出成形したもののように、隣り合う2つのリブが履歴ダンパーに作用する外力によって同一方向に変形してしまうことがなく、リブ193の変形方向が隣り合うリブ同士で相反する方向となるので、履歴ダンパー19がプレート部191a,191bの厚さ方向に変形することによって履歴ダンパー19の振動減衰能力が低下することを抑えることができる。
次に、本発明の第8の実施形態について図16を参照して説明する。
図中符号31は本発明の第8の実施形態に係る制震装置を示し、この制震装置31は、第1〜第3の実施形態と同様に、ダンパー連結部材17,18と履歴ダンパー(外力吸収部)19を備えている。
ダンパー連結部材17は履歴ダンパー19の一方の端部を図1に示す土台11と柱12の仕口部(接合部)に連結するためのものであって、アルミニウムまたはアルミニウム合金を角筒状に押出成形して形成されている。
ダンパー連結部材18は履歴ダンパー19の他方の端部を図1に示す柱13と梁14の仕口部に連結するためのものであって、アルミニウムまたはアルミニウム合金を角筒状に押出成形して形成されている。
履歴ダンパー19は柱12,13や梁14に加わる地震力や強風力などの外力を吸収するものであって、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるダンパー部32a,32bと、これらのダンパー部32a,32bを連結するためのボルト33及びナット34とから構成されている。
履歴ダンパー19のダンパー部32a,32bは外側プレート部321,322と中間プレート部323をそれぞれ有し、これらのプレート部321,322,323はアルミニウムまたはアルミニウム合金を板状に押出成形して形成されているとともに、履歴ダンパー19が組み込まれる開口部の対角方向に沿って矩形状に且つ互いに平行に形成されている。
また、履歴ダンパー19のダンパー部32a,32bはダンパー部同士を連結する連結部324,325をそれぞれ有し、これらの連結部324,325はダンパー部32a,32bの一端部と他端部に形成されている。
履歴ダンパー19のダンパー部32a,32bは、また、複数のリブ326を外側プレート部321と中間プレート部323及び外側プレート部322と中間プレート部323との間に有している。これらのリブ326はプレート部321,322,323の相対向する面同士を接続して外側プレート部321と中間プレート部323及び外側プレート部322と中間プレート部323との間に中空部327を形成するためのもので、外側プレート部321,322、中間プレート部323及び連結部324,325と一体に押出成形によって形成されている。
また、リブ326は押出成形方向と直交する断面の厚さが外側プレート部321,322及び中間プレート部323の厚さよりも小さく形成されているとともに、外側プレート部321,322及び中間プレート部323の厚さ方向における断面が波形に形成されている。さらに、リブ326は外側プレート部321,322及び中間プレート部323との接続点P1,P2及びP3,P4を外力の作用方向にずらして外側プレート部321と中間プレート部323及び外側プレート部322と中間プレート部323との間に形成されている。
中空部327は、履歴ダンパー19の両端部に接続されたダンパー連結部材17,18に対して凹凸状に湾曲した形状になると共に凹凸状に湾曲する方向が隣り合う二つのリブ同士で相反する方向となるように、リブ326を波形に押出成形して形成されている。また、中空部327は、リブ326の両端部とプレート部321,322,323との接続点P1,P2,P3,P4が外力の作用方向(プレート部321,322,323の長手方向)にずれて形成されるように、リブ326を波形に押出成形して形成されている。
なお、履歴ダンパー19とダンパー連結部材17,18は図示しない複数のビスによって連結されている。
上述した制震装置30では地震力や強風力などの外力が木造住宅等の建築物の柱12,13や梁14に作用して図1に示す開口部15が矩形状から平行四辺形状に変形すると、柱12,13や梁14に作用する外力がダンパー連結部材17,18を介して履歴ダンパー19に引張力や圧縮力として作用する。そして、地震力や強風力などの外力がダンパー連結部材17,18を介して履歴ダンパー19に作用すると、履歴ダンパー19のダンパー部32a,32bの各リブ326が外力の作用方向に弾塑性変形し、これに伴って履歴ダンパー19の内部に形成された複数の中空部327が外力の大きさに応じて変形する。
このとき、ダンパー連結部材17,18を介して履歴ダンパー19に作用した外力はダンパー部32a,32bの各リブ326が外力の作用方向に弾塑性変形することによって吸収される。従って、特許文献1に開示されたもののように、弾塑性変形の起きる箇所が応力の集中する一箇所のみでなく、ダンパー部32a,32bの各リブ326で弾塑性変形が生じるため、地震力や強風力などの外力を効果的に吸収して制震性能の向上を図ることができる。
また、特許文献2に開示されたもののように、複数の金属部材をネジなどで連結しなくても履歴ダンパー19の内部に複数の中空部327を形成できるので、制震装置の小型化を図ることができる。
さらに、リブ326を波形に押出成形して履歴ダンパー19のダンパー部32a,32bを形成したことで、リブを直線状に押出成形して履歴ダンパーを形成したものと比較して、履歴ダンパー19に作用する振動エネルギーが小さい場合でもリブ326が変形しやすくなり、履歴ダンパー19の振動減衰能力が向上するので、より大きな制震性能を得ることができる。
さらに、リブ326の両端部とプレート部321,322,323との接続点P1,P2,P3,P4が外力の作用方向(プレート部321,322,323の長手方向)にずれるようにリブ326を波形に押出成形したことで、ダンパー連結部材17,18を介して履歴ダンパー19に作用する外力が小さい場合でもリブ326が外力の作用方向に大きく変形し、接続点を外力の作用方向にずらないでリブを波形に押出成形したものと比較して、リブ326の変形量が大きくなるので、履歴ダンパー19の振動減衰能力を高めることができる。
また、波形に湾曲するリブ326の湾曲方向が隣り合うリブ同士で相反する方向となるように、リブ326を波形に押出成形して履歴ダンパー19のダンパー部32a,32bを形成したことで、リブの湾曲方向を隣り合うリブ同士で一致させてリブを波形に押出成形したもののように、隣り合う2つのリブが履歴ダンパーに作用する外力によって同一方向に変形してしまうことがなく、リブ326の変形方向が隣り合うリブ同士で相反する方向となるので、履歴ダンパー19のダンパー部32a,32bがプレート部321,322,323の厚さ方向に変形することによって履歴ダンパー19の振動減衰能力が低下することを抑えることができる。
また、ダンパー部32a,32bを直列に連結して履歴ダンパー19を形成したことで、履歴ダンパー19が1つのダンパー部から形成されているものと比較して、履歴ダンパーが大型化(長尺化)しても、ダンパー自体の座屈(プレート部の変形、面外変形等)を防ぐことができる。
次に、本発明の第9の実施形態について図17を参照して説明する。
図中符号35は本発明の第9の実施形態に係る制震装置を示し、この制震装置35は、第1〜第3の実施形態と同様に、ダンパー連結部材17,18と履歴ダンパー(外力吸収部)19を備えている。
ダンパー連結部材17は履歴ダンパー19の一方の端部を図1に示す土台11と柱12の仕口部(接合部)に連結するためのものであって、木材等を角柱状に加工して形成されている。
ダンパー連結部材18は履歴ダンパー19の他方の端部を図1に示す柱13と梁14の仕口部に連結するためのものであって、ダンパー連結部材17と同様に木材等を角柱状に加工して形成されている。
履歴ダンパー19は柱12,13や梁14に加わる地震力や強風力などの外力を吸収するものであって、ダンパー部36a,36b,36c,36d,36e,36f、ダンパー連結部37a,37b,37c及びダンパー接続部38a,38b,38cを有している。
ダンパー部36a〜36fは外側プレート部361,362を有し、これらの外側プレート部361,362はアルミニウムまたはアルミニウム合金を板状に押出成形して形成されているとともに、履歴ダンパー19が組み込まれる開口部の対角方向に沿って矩形状に且つ互いに平行に形成されている。
また、ダンパー部36a〜36fはダンパー部同士を連結する連結部363,364を有し、これらの連結部363,364はダンパー部36a〜36fの一方の端部と他方の端部に形成されている。
ダンパー部36a〜36fは、また、複数のリブ365をプレート部361とプレート部362との間に有している。これらのリブ365は外側プレート部361,362の相対向する面同士を接続してプレート部361とプレート部362との間に中空部366を形成するためのもので、外側プレート部361,362及び連結部363,364と一体に押出成形によって形成されている。
また、リブ365は押出成形方向と直交する断面の厚さが外側プレート部361,362の厚さよりも小さく形成されているとともに、外側プレート部361,362の厚さ方向における断面が波形に形成されている。さらに、リブ326は外側プレート部361,362との接続点P1,P2を外力の作用方向にずらしてプレート部361とプレート部362との間に形成されている。
ダンパー連結部37aはダンパー部36aのプレート部361とダンパー部36bのプレート部361とを重ね合わせて連結するものであって、アルミニウムまたはアルミニウム合金を凹状に押出成形して形成されている。
ダンパー連結部37bはダンパー部36cのプレート部361とダンパー部36dのプレート部361とを重ね合わせて連結するものであって、アルミニウムまたはアルミニウム合金を凹状に押出成形して形成されている。
ダンパー連結部37cはダンパー部36eのプレート部361とダンパー部36fのプレート部361とを重ね合わせて連結するものであって、アルミニウムまたはアルミニウム合金を凹状に押出成形して形成されている。
ダンパー接続部38aはダンパー部36aの連結部363又は364をダンパー連結部材17に接続するためのものであって、アルミニウムまたはアルミニウム合金を所定の形状に押出成形して形成されている。
ダンパー接続部38bはダンパー部36bの連結部363又は364をダンパー連結部材17に接続するためのものであって、アルミニウムまたはアルミニウム合金を所定の形状に押出成形して形成されている。
ダンパー接続部38cはダンパー部36e,36fの連結部363又は364をダンパー連結部材18に接続するためのものであって、アルミニウムまたはアルミニウム合金を所定の形状に押出成形して形成されている。
中空部366は、履歴ダンパー19の両端部に接続されたダンパー連結部材17,18に対して凹凸状に湾曲した形状になると共に凹凸状に湾曲する方向が隣り合う二つのリブ同士で相反する方向となるように、リブ365を波形に押出成形して形成されている。また、中空部366は、リブ366の両端部とプレート部361,362との接続点P1,P2が外力の作用方向(プレート部361,362の長手方向)にずれて形成されるように、リブ365を波形に押出成形して形成されている。
上述した制震装置35では地震力や強風力などの外力が木造住宅等の建築物の柱12,13や梁14に作用して図1に示す開口部15が矩形状から平行四辺形状に変形すると、柱12,13や梁14に作用する外力がダンパー連結部材17,18を介して履歴ダンパー19に引張力や圧縮力として作用する。そして、地震力や強風力などの外力がダンパー連結部材17,18を介して履歴ダンパー19に作用すると、履歴ダンパー19のダンパー部36a〜36fの各リブ365が外力の作用方向に弾塑性変形し、これに伴ってダンパー部36a〜36fの内部に形成された複数の中空部366が外力の大きさに応じて変形する。
このとき、ダンパー連結部材17,18を介して履歴ダンパー19に作用した外力はダンパー部36a〜36fの各リブ365が外力の作用方向に弾塑性変形することによって吸収される。従って、特許文献1に開示されたもののように、弾塑性変形の起きる箇所が応力の集中する一箇所のみでなく、ダンパー部36a〜36fの各リブ365で弾塑性変形が生じるため、地震力や強風力などの外力を効果的に吸収して制震性能の向上を図ることができる。
また、特許文献2に開示されたもののように、複数の金属部材をネジなどで連結しなくても履歴ダンパー19の内部に複数の中空部366を形成できるので、制震装置の小型化を図ることができる。
さらに、リブ365を波形に押出成形して履歴ダンパー19のダンパー部36a〜36fを形成したことで、リブを直線状に押出成形して履歴ダンパーの各ダンパー部を形成したものと比較して、履歴ダンパー19に作用する振動エネルギーが小さい場合でもリブ365が変形しやすくなり、履歴ダンパー19の振動減衰能力が向上するので、より大きな制震性能を得ることができる。
さらに、リブ365の両端部とプレート部361,362との接続点P1,P2が外力の作用方向(プレート部361,362の長手方向)にずれるようにリブ365を波形に押出成形したことで、ダンパー連結部材17,18を介して履歴ダンパー19に作用する外力が小さい場合でもリブ365が外力の作用方向に大きく変形し、接続点を外力の作用方向にずらないでリブを波形に押出成形したものと比較して、リブ365の変形量が大きくなるので、履歴ダンパー19の振動減衰能力を高めることができる。
また、波形に湾曲するリブ365の湾曲方向が隣り合うリブ同士で相反する方向となるように、リブ365を波形に押出成形して履歴ダンパー19のダンパー部36a〜36fを形成したことで、リブの湾曲方向を隣り合うリブ同士で一致させてリブを波形に押出成形したもののように、隣り合う2つのリブが履歴ダンパーに作用する外力によって同一方向に変形してしまうことがなく、リブ365の変形方向が隣り合うリブ同士で相反する方向となるので、履歴ダンパー19の各ダンパー部がプレート部361,362の厚さ方向に変形することによって履歴ダンパー19の振動減衰能力が低下することを抑えることができる。
また、履歴ダンパー19を複数のダンパー部36a〜36fから形成したことで、履歴ダンパー19が1つのダンパー部から形成されているものと比較して、履歴ダンパーが大型化(長尺化)しても、ダンパー自体の座屈(プレート部の変形、面外変形等)を防ぐことができる。
次に、本発明の第10の実施形態について図18を参照して説明する。
図中符号39は本発明の第10の実施形態に係る制震装置を示し、この制震装置39はダンパー連結部材17,18、履歴ダンパー(外力吸収部)19およびダンパー座屈防止部材40を備えている。
ダンパー連結部材17は履歴ダンパー19の一方の端部を図1に示す土台11と柱12の仕口部(接合部)に連結するためのものであって、木材等を角柱状に加工して形成されている。
ダンパー連結部材18は履歴ダンパー19の他方の端部を図1に示す柱13と梁14の仕口部に連結するためのものであって、木材等を角柱状に加工して形成されている。
履歴ダンパー19は柱12,13や梁14に加わる地震力や強風力などの外力を吸収するものであって、直列に連結されたダンパー部43a,43bを有している。
ダンパー座屈防止部材40は履歴ダンパー19が座屈するのを防止するためのものであって、アルミニウムまたはアルミニウム合金を角筒状に押出成形して形成されている。
履歴ダンパー19のダンパー部43a,43bは外側プレート部431,432、中間プレート部433及び連結部434を有し、外側プレート部431,432と中間プレート部433はアルミニウムまたはアルミニウム合金を板状に押出成形して形成されているとともに、履歴ダンパー19が組み込まれる開口部の対角方向に沿って矩形状に且つ互いに平行に形成されている。
連結部434はダンパー部同士を連結するためのもので、中間プレート部433の長手方向一端部に形成されている。
履歴ダンパー19のダンパー部43a,43bは、また、複数のリブ435を外側プレート部431と中間プレート部433及び外側プレート部432と中間プレート部433との間に有している。これらのリブ435はプレート部431,432,433の相対向する面同士を接続して外側プレート部431と中間プレート部433及び外側プレート部432と中間プレート部433との間に中空部436を形成するためのもので、外側プレート部431,432、中間プレート部433及び連結部434と一体に押出成形によって形成されている。
また、リブ435は押出成形方向と直交する断面の厚さがプレート部431,432,433の厚さよりも小さく形成されているとともに、プレート部431,432,433の厚さ方向における断面が波形に形成されている。さらに、リブ435はプレート部431,432,433との接続点P1,P2及びP3,P4を外力の作用方向にずらして外側プレート部431と中間プレート部433及び外側プレート部432と中間プレート部433との間に形成されている。
中空部436は、履歴ダンパー19の両端部に接続されたダンパー連結部材17,18に対して凹凸状に湾曲した形状になると共に凹凸状に湾曲する方向が隣り合う二つのリブ同士で相反する方向となるように、リブ435を波形に押出成形して形成されている。また、中空部436は、リブ435の両端部とプレート部431,432,433との接続点P1,P2,P3,P4が外力の作用方向(プレート部431,432,433の長手方向)にずれて形成されるように、リブ435を波形に押出成形して形成されている。
上述した制震装置39では地震力や強風力などの外力が木造住宅等の建築物の柱12,13や梁14に作用して図1に示す開口部15が矩形状から平行四辺形状に変形すると、柱12,13や梁14に作用する外力がダンパー連結部材17,18を介して履歴ダンパー19に引張力や圧縮力として作用する。そして、地震力や強風力などの外力がダンパー連結部材17,18を介して履歴ダンパー19に作用すると、履歴ダンパー19のダンパー部43a,43bの各リブ435が外力の作用方向に弾塑性変形し、これに伴ってダンパー部43a,43bの内部に形成された複数の中空部436が外力の大きさに応じて変形する。
このとき、ダンパー連結部材17,18を介して履歴ダンパー19に作用した外力はダンパー部43a,43bの各リブ435が外力の作用方向に弾塑性変形することによって吸収される。従って、特許文献1に開示されたもののように、弾塑性変形の起きる箇所が応力の集中する一箇所のみでなく、ダンパー部43a,43bの各リブ435で弾塑性変形が生じるため、地震力や強風力などの外力を効果的に吸収して制震性能の向上を図ることができる。
また、特許文献2に開示されたもののように、複数の金属部材をネジなどで連結しなくても履歴ダンパー19の内部に複数の中空部436を形成できるので、制震装置の小型化を図ることができる。
さらに、リブ435を波形に押出成形して履歴ダンパー19を形成したことで、リブを直線状に押出成形して履歴ダンパーを形成したものと比較して、履歴ダンパー19に作用する振動エネルギーが小さい場合でもリブ435が変形しやすくなり、履歴ダンパー19の振動減衰能力が向上するので、より大きな制震性能を得ることができる。
さらに、リブ435の両端部とプレート部431,432,433との接続点P1,P2,P3,P4が外力の作用方向(プレート部431,432,433の長手方向)にずれるように、リブ435を波形に押出成形して履歴ダンパー19を形成したことで、ダンパー連結部材17,18を介して履歴ダンパー19に作用する外力が小さい場合でもリブ435が外力の作用方向に大きく変形し、接続点を外力の作用方向にずらないでリブを波形に押出成形したものと比較して、リブ435の変形量が大きくなるので、履歴ダンパー19の振動減衰能力を高めることができる。
また、波形に湾曲するリブ435の湾曲方向が隣り合うリブ同士で相反する方向となるように、リブ435を波形に押出成形して履歴ダンパー19を形成したことで、リブの湾曲方向を隣り合うリブ同士で一致させてリブを波形に押出成形したもののように、隣り合う2つのリブが履歴ダンパーに作用する外力によって同一方向に変形してしまうことがなく、リブ435の変形方向が隣り合うリブ同士で相反する方向となるので、履歴ダンパー19のダンパー部43a,43bがプレート部431,432,433の厚さ方向に変形することによって履歴ダンパー19の振動減衰能力が低下することを抑えることができる。
また、履歴ダンパー19を複数のダンパー部43a,43bから形成したことで、履歴ダンパー19が1つのダンパー部から形成されているものと比較して、履歴ダンパーが大型化(長尺化)しても、ダンパー自体の座屈(プレート部の変形、面外変形等)を防ぐことができる。
また、上述した第10の実施形態のように、履歴ダンパー19の側面部を角筒状のダンパー座屈防止部材40で覆ったことにより、ダンパー連結部材17,18を介して履歴ダンパー19に作用する外力によって履歴ダンパー19に座屈や曲りが生じることを防止でき、これにより、履歴ダンパー19の長尺化等を図ることができる。
なお、上述した第1〜第10の実施形態では、本発明を建築物の制震に適用した場合を例示したが、建築物の制震に限られるものではない。例えば、電子機器の筐体が振動により位置ずれを起こしたり転倒したりするのを防止するために、本発明の履歴ダンパーを電子機器の筐体内に組み込んでもよい。
また、上述した各実施形態において、履歴ダンパーの素材はアルミニウムやアルミニウム合金でなくてもよく、押出可能で塑性変形を起こすもの(例えば樹脂等)で履歴ダンパーを形成してもよい。
11…土台
12,13…柱
14…梁
15…開口部
16,23,24,25,28,29,30,31,35,39…制震装置
17,18…ダンパー連結部材
19,26…履歴ダンパー
20,33…ボルト
21,34…ナット
27…ダンパー取付け板
32a,32b…ダンパー部
36a,36b,36c,36d,36e,36f,43a,43b…ダンパー部
37a,37b,37c…ダンパー連結部
38a,38b,38c…ダンパー接続部
40…ダンパー座屈防止部材
191a,191b,321,322,361,362,431,432…外側プレート部
191c,323,433…中間プレート部
192a,192b,192c,324,325,363,364,434…連結部
193,326,365,435…リブ
194,265,327,366,436…中空部
261…外力吸収板
262,263…吸収板支持部材
264…吸収板支持溝

Claims (7)

  1. 建築物の構造部材間に介装され、地震時あるいは強風時に前記構造部材に加わる外力を吸収する外力吸収部を備えた制震装置であって、
    前記外力吸収部が前記外力の作用方向に沿って配列された複数の中空部を有するアルミニウムまたはアルミニウム合金の押出形材であり、
    前記外力吸収部が互いに対向する複数のプレート部を有し、前記複数の中空部が前記プレート部の間に形成された複数の円弧状のリブによって形成され、
    外力による弾塑性変形が前記リブの中央部を起点として発生する程度に、前記リブの中央部厚さが両端部厚さより薄く形成され、
    前記中空部が前記プレート部に作用する外力の作用方向に対して凸状または凹状に湾曲した形状であることを特徴とする制震装置。
  2. 建築物の構造部材間に介装され、地震時あるいは強風時に前記構造部材に加わる外力を吸収する外力吸収部を備えた制震装置であって、
    前記外力吸収部が前記外力の作用方向に沿って配列された複数の中空部を有するアルミニウムまたはアルミニウム合金の押出形材であり、
    前記外力吸収部が互いに対向する複数のプレート部を有し、前記複数の中空部が前記プレート部の間に形成された複数のほぼU字状のリブによって形成され、
    外力による弾塑性変形が前記リブの中央部を起点として発生する程度に、前記リブの中央部厚さが両端部厚さより薄く形成され、
    前記中空部が前記プレート部に作用する外力の作用方向に対して凸状または凹状に湾曲した形状であることを特徴とする制震装置。
  3. 建築物の構造部材間に介装され、地震時あるいは強風時に前記構造部材に加わる外力を吸収する外力吸収部を備えた制震装置であって、
    前記外力吸収部が前記外力の作用方向に沿って配列された複数の中空部を有するアルミニウムまたはアルミニウム合金の押出形材であり、
    前記外力吸収部が互いに対向する複数のプレート部を有し、前記複数の中空部が前記プレート部の間に形成された複数の波形のリブによって形成され、
    外力による弾塑性変形が前記リブの中央部を起点として発生する程度に、前記リブの中央部厚さが両端部厚さより薄く形成され、
    前記中空部が前記外力吸収部の両端部に対して凹凸状に湾曲した形状であることを特徴とする制震装置。
  4. 請求項3記載の制震装置において、前記リブの両端部と前記プレート部との接続点が前記外力の作用方向にずれていることを特徴とする制震装置。
  5. 請求項3または4記載の制震装置において、前記リブの湾曲方向が隣り合う二つのリブ同士で相反する方向であることを特徴とする制震装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項記載の制震装置において、前記外力吸収部が複数のダンパー部を連結して形成されたことを特徴とする制震装置。
  7. 請求項6記載の制震装置において、前記外力吸収部が前記ダンパー部の周囲に角筒状のダンパー座屈防止部材を有することを特徴とする制震装置。
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