JP2806221B2 - 鋼製曲げダンパー - Google Patents

鋼製曲げダンパー

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JP2806221B2
JP2806221B2 JP5223396A JP22339693A JP2806221B2 JP 2806221 B2 JP2806221 B2 JP 2806221B2 JP 5223396 A JP5223396 A JP 5223396A JP 22339693 A JP22339693 A JP 22339693A JP 2806221 B2 JP2806221 B2 JP 2806221B2
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bending
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damper
steel
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浩史 緑川
龍児 中野
真 大塩
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Kajima Corp
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Kajima Corp
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  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Vibration Dampers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築構造物や橋梁の柱
脚、構造部材間に適用し、地震時に構造物に作用する振
動エネルギを吸収するダンパーに関する。
【0002】
【従来の技術】地震等により構造物に作用する振動エネ
ルギを吸収する装置として、従来はオイルダンパー、摩
擦ダンパー、粘性剪断ダンパーが用いられて来た。オイ
ルダンパーはオイルの粘性抵抗によってエネルギの吸収
を図り、摩擦ダンパー、粘性剪断ダンパーは、それぞれ
固体と固体の摩擦抵抗、粘性流体の剪断抵抗によってエ
ネルギを吸収するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のオイルダンパー
や粘性剪断ダンパーは、封入されたオイルや粘性体の保
守点検を必要とし、また、摩擦ダンパーでは、摩擦の調
整が難しい等の問題があった。特にオイルダンパーや粘
性剪断ダンパーでは、温度によって、特性が変化し安定
した振動エネルギの吸収が得られないという欠点があっ
た。本発明はこのような問題点を解決するよう工夫され
たものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1は、構造物から
平行に突出した2本の丸軸を挿通して、ナットで締結す
るボスよりなる2本の第二連結部と、前記2本の第二連
結部の中央に位置する、前記構造物の相対する他の部分
から突出した1本の丸軸を挿通して、ナットで締結する
ボスよりなる1本の第一連結部と、第一連結部と第二連
結部に対して直角に、断面円形又は多角形をした複数本
の曲げ部材を一体に形成し、第二連結部と第一連結部
が、相対移動して前記複数の曲げ部材が曲げ変形をおこ
して、振動エネルギを吸収することを特徴とする鋼製曲
げダンパーであることを要旨とする。
【0005】本発明の鋼製曲げダンパーは形状もコンパ
クトであるため、設置スペースが限られた所でも適用が
可能である。
【0006】請求項2は、両端に第二連結部と中央に
一連結部を有する1本ずつの曲げ部材に分割し、該分割
した曲げ部材を複数本積重して形成したことを特徴とす
る請求項1記載の鋼製曲げダンパーであることを要旨と
する。
【0007】請求項3は、請求項2記載の鋼製曲げダン
パーにおいて、1本ずつの曲げ部材 を第一連結部で分断
し、曲げ部材の先端を第一連結部のボスに穿設したすり
ばち状の孔に挿入組立てて形成することを特徴とする鋼
製曲げダンパーであることを要旨とする。
【0008】従って曲げ部材が第一連結部及び第二連結
部と一体に形成された鋼製曲げダンパーに比較して組
立、調整が容易である。
【0009】
【作用】本ダンパーに振動荷重を負荷した時の応力σ・
歪ε線図を示すと図7のようになる。即ちO点から荷重
が増加していくと弾性限界A点を通過し、ダンパーの曲
げ部材は降伏しB点に達する。負荷が除去されると負荷
直線OAにほぼ平行にBCを辿り、さらに逆負荷がかか
ると、DB’を経由し再び正荷重によってB’C’の履
歴を辿る。このように振動による応力σ・歪ε曲線はヒ
ステリシスループを描きループに囲まれた面積に相当す
るエネルギが塑性変形抵抗により消費され吸収される。
【0010】
【実施例】本発明の曲げダンパー5の実施例を図1に示
す。(a)は正面図で(b)は側面図を示す。本例で
は、請求項1記載の一枚の鋼板から削り出してダンパー
を製作した例であり、ねじを切削した構造物の軸1’を
挿通してナットで固定する第一連結部1のボスと、その
第一連結部1の両側に一体に形成した断面が円形または
多角形をした複数の曲げ部材3と、その曲げ部材3の端
部にねじを切削した構造物の他の2本の軸2’を挿通し
ナットで固定する第二連結部2のボスよりなる。
【0011】構造物の軸1’及び2’がそれぞれ独立し
て異なった位相で左右に変位すれば、曲げ部材3は曲げ
変形を生じて振動エネルギを吸収する。
【0012】図2は、請求項2記載の第一連結部1と第
二連結部2のボスを有する曲げ部材3をそれぞれ一本ず
つ独立して製作し、図3に示す如く、該曲げ部材3を必
要に応じた本数だけ組み立てて使用するものである。
【0013】図4は請求項3記載の鋼製曲げダンパー
で、曲げ部材3は連結部1のボスの部分で第一連結部1
と切り離し、先端を予め第一連結部に穿孔したすりばち
状又はコーン状の孔4に嵌入して組み立てるものであ
る。組立式の曲げダンパーでは、必要な剛性を曲げ部材
3の本数によって任意に調整することが出来る。又曲げ
部材3の断面形状、寸法、曲げ部材3の長さを変えるこ
とによってエネルギの吸収能、変形量を任意に設定でき
るものである。図5(a)は互いに平行な構造物部材6
に曲げダンパー5を取着した側面図であり(b)は上面
図である。図6はブレース材9に曲げダンパー5を取着
した例である。
【0014】
【発明の効果】従来のオイルダンパー、粘性剪断ダンパ
ーのようにオイルや粘性体の保守点検が不要で、又摩擦
ダンパーのように困難な摩擦力の調整を伴わず、かつ性
能が温度に依存しないメンテナンスフリーなダンパーを
提供する。形状もコンパクトであるため設計スペースが
限られた部分での適用も容易である。
【0015】また曲げ部材を1本ずつ分割したものを積
重する請求項2記載の鋼製曲げダンパーでは、曲げ部材
の本数を変えることにより曲げ剛性を任意に調整出来、
かつ曲げ部材の断面形状や長さを変えることによっても
曲げ剛性が調整可能である。また請求項3記載の鋼製曲
げダンパーでは、一方の構造物への取着側が組立式にな
っているので、ダンパーの取着が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)本発明の鋼製曲げダンパーの正面図である。 (b)図1(a)の側面図である。
【図2】 (a)曲げダンパーの曲げ部材を1本ずつに分割して製
作した正面図である。 (b)図2(a)の側面図である。
【図3】図2に示す分割した曲げ部材を組み合わせてな
る曲げダンパーを示す図である。
【図4】 (a)組立式曲げ部材の正面図である。 (b)図4(a)の側面図である。 (c)組立式曲げ部材の組立法を示す図である。
【図5】 (a)平行な構造物部材間に曲げダンパーを取着した正
面図である。 (b)図5(a)の上面図である。
【図6】 (a)ブレース材に曲げダンパーを取着した図である。
【図7】曲げダンパーのヒステリシスループを示す図で
ある。
【符号の説明】
1・・・第一連結部、1’・・・構造物の軸、2・・・
第二連結部、2’・・・構造物の軸、3・・・曲げ部
材、4・・・曲げ部材挿入孔、5・・・曲げダンパー、
6・・・構造物部材、7・・・柱、8・・・梁、9・・
・ブレース材
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−114772(JP,A) 特開 昭56−20280(JP,A) 特開 平5−26275(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04H 9/02 E04B 1/18 F16F 7/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物から平行に突出した2本の丸軸を
    挿通して、ナットで締結するボスよりなる2本の第二連
    結部と、 前記2本の第二連結部の中央に位置する、前記構造物の
    相対する他の部分から突出した1本の丸軸を挿通して、
    ナットで締結するボスよりなる1本の第一連結部と、 第一連結部と第二連結部に対して直角に、断面円形又は
    多角形をした複数本の曲げ部材を一体に形成し、 第二連結部と第一連結部が、相対移動して前記複数の曲
    げ部材が曲げ変形をおこして、振動エネルギを吸収する
    ことを特徴とする鋼製曲げダンパー。
  2. 【請求項2】 両端に第二連結部と中央に第一連結部を
    有する1本ずつの曲げ部材に分割し、該分割した曲げ部
    材を複数本積重して形成したことを特徴とする請求項1
    記載の鋼製曲げダンパー。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の鋼製曲げダンパーにおい
    て、1本ずつの曲げ部材を第一連結部で分断し、曲げ部
    材の先端を第一連結部のボスに穿設したすりばち状の孔
    に挿入組立てて形成することを特徴とする鋼製曲げダン
    パー。
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