JP2796997B2 - ボルト締めによる制震用ダンパー - Google Patents
ボルト締めによる制震用ダンパーInfo
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、プレキャストコンクリート(PCa)耐震
壁又は鉄骨ブレース入りPCa版又は外装PCa版あるいは
耐震梁又は耐震柱などを制震要素又は耐震要素に利用し
て耐震性、耐風性の建物を建築する場合に、その制震要
素又は耐震要素の制震機構として採用され実施されるボ
ルト締めによる制震用ダンパー(エネルギー吸収ダンパ
ー、粘性ダンパー)に関する。
壁又は鉄骨ブレース入りPCa版又は外装PCa版あるいは
耐震梁又は耐震柱などを制震要素又は耐震要素に利用し
て耐震性、耐風性の建物を建築する場合に、その制震要
素又は耐震要素の制震機構として採用され実施されるボ
ルト締めによる制震用ダンパー(エネルギー吸収ダンパ
ー、粘性ダンパー)に関する。
従来の技術 従来、建物の横揺れを制御し、建物の耐震性、耐風性
を向上させるために使用されるPCa耐震壁又は鉄骨ブレ
ース入りPCa版などの制震機構としては、ピストンシリ
ンダ型の鉛ダンパーや摩擦ダンパーが入られ使用されて
いる。
を向上させるために使用されるPCa耐震壁又は鉄骨ブレ
ース入りPCa版などの制震機構としては、ピストンシリ
ンダ型の鉛ダンパーや摩擦ダンパーが入られ使用されて
いる。
また、特願平1−28284号明細書及び図面に記載され
た高力ボルト応用の制震用ダンパーは、地震力が導入さ
れる少なくとも一対のダンパープレートを重ね合わせ、
これらを高力ボルトとナットで締結し、所定大きさの荷
重でダンパープレート間にすべりが発生し、それによっ
て地震エネルギーの吸収が行なわれる構成となってい
る。
た高力ボルト応用の制震用ダンパーは、地震力が導入さ
れる少なくとも一対のダンパープレートを重ね合わせ、
これらを高力ボルトとナットで締結し、所定大きさの荷
重でダンパープレート間にすべりが発生し、それによっ
て地震エネルギーの吸収が行なわれる構成となってい
る。
本発明が解決しようとする課題 上述したピストンシリンダ型の鉛ダンパー、あるいは
摩擦ダンパーは、それぞれ制震機構としては優れた制震
作用を奏することが検証されている。しかし、何分にも
一台が数10万円もし、摩擦ダンパーにあっては10t用で2
7〜30万円と云う程高価なものである。したがって、一
つの耐震建物で非常にたくさんの個数が必要とされる制
震機構としては上述のダンパーは費用負担が大き過ぎ、
一般の建築物にはとても使用できない。その上、ピスト
ンシリンダ型のダンパーは、例えば耐震壁の壁厚とシリ
ンダ外径との関係などにおいて納まりが良くないという
問題がある。また、ピストンロッドとシリンダ基端部を
地震力が導入される耐震構造要素に対してどのような態
様で組み入れるかという点でも使用上の適用範囲や意匠
的外観に問題があり、これらが解消すべき課題となって
いる。
摩擦ダンパーは、それぞれ制震機構としては優れた制震
作用を奏することが検証されている。しかし、何分にも
一台が数10万円もし、摩擦ダンパーにあっては10t用で2
7〜30万円と云う程高価なものである。したがって、一
つの耐震建物で非常にたくさんの個数が必要とされる制
震機構としては上述のダンパーは費用負担が大き過ぎ、
一般の建築物にはとても使用できない。その上、ピスト
ンシリンダ型のダンパーは、例えば耐震壁の壁厚とシリ
ンダ外径との関係などにおいて納まりが良くないという
問題がある。また、ピストンロッドとシリンダ基端部を
地震力が導入される耐震構造要素に対してどのような態
様で組み入れるかという点でも使用上の適用範囲や意匠
的外観に問題があり、これらが解消すべき課題となって
いる。
この点、上記高力ボルト応用の制震用ダンパーは、上
述のダンパーにとって代わる新規な構想に基ずく新しい
安価な制震用ダンパーである。しかし、ダンパープレー
ト間にすべりが発生する荷重の大きさを設定する技術的
手段に未だ不十分な点があり、その品質、信頼性を向上
することが解決するべき課題となっている。
述のダンパーにとって代わる新規な構想に基ずく新しい
安価な制震用ダンパーである。しかし、ダンパープレー
ト間にすべりが発生する荷重の大きさを設定する技術的
手段に未だ不十分な点があり、その品質、信頼性を向上
することが解決するべき課題となっている。
課題を解決するための手段 上記従来技術の課題を解決するための手段として、こ
の発明に係るボルト締めによる制震用ダンパーは、図面
の第1図〜第6図に実施例を示したとおり、 地震力が導入されるダンパープレートが少なくとも3
枚互い違いの配置すべり板5を介在せしめて重ね合わ
せ、これらを各ダンパープレート1、1と2を貫通する
ボルト3とナット4又は同様な緊結材で締結した。中間
に挟まれたダンパープレート2に形成された長孔6の中
には鉛又は軟質合成樹脂等の固形の摩擦充填材61を充填
し、前記ボルト3の軸部における少なくとも前記長孔6
の中に臨む軸部分31の横断面はダンパープレート1、2
のすべり方向に細長い形状とし、荷重でダンパープレー
ト1、2間にすべりが発生すると前記固形の摩擦充填材
61がボルト3の軸部31に衝突しこれを迂回しながら流動
し又は変形する際に摩擦力(抵抗力)を発生する構成と
したことを特徴とする。
の発明に係るボルト締めによる制震用ダンパーは、図面
の第1図〜第6図に実施例を示したとおり、 地震力が導入されるダンパープレートが少なくとも3
枚互い違いの配置すべり板5を介在せしめて重ね合わ
せ、これらを各ダンパープレート1、1と2を貫通する
ボルト3とナット4又は同様な緊結材で締結した。中間
に挟まれたダンパープレート2に形成された長孔6の中
には鉛又は軟質合成樹脂等の固形の摩擦充填材61を充填
し、前記ボルト3の軸部における少なくとも前記長孔6
の中に臨む軸部分31の横断面はダンパープレート1、2
のすべり方向に細長い形状とし、荷重でダンパープレー
ト1、2間にすべりが発生すると前記固形の摩擦充填材
61がボルト3の軸部31に衝突しこれを迂回しながら流動
し又は変形する際に摩擦力(抵抗力)を発生する構成と
したことを特徴とする。
本発明はまた、中間に挟まれたダンパープレート2を
鋼板の加工品又は鋳造品などとして形成したこと、 中間に挟まれたダンパープレート2の長孔6には、ボ
ルト3の軸部31に対して固形の摩擦充填材61が流動、変
形がしやすい拡大部62を付設したこと、 長孔6は、複数本のボルト3、3が直列又は並列の並
びに配置され得る大きさ、形状に形成したこと、 固形の摩擦充填材61は、中間に挟まれたダンパープレ
ート2に形成した長孔の両側面をすべり板5、5で塞い
だ状態における長孔6の容積よりもやや少な目の量だけ
充填したこと、もそれぞれ特徴とする。
鋼板の加工品又は鋳造品などとして形成したこと、 中間に挟まれたダンパープレート2の長孔6には、ボ
ルト3の軸部31に対して固形の摩擦充填材61が流動、変
形がしやすい拡大部62を付設したこと、 長孔6は、複数本のボルト3、3が直列又は並列の並
びに配置され得る大きさ、形状に形成したこと、 固形の摩擦充填材61は、中間に挟まれたダンパープレ
ート2に形成した長孔の両側面をすべり板5、5で塞い
だ状態における長孔6の容積よりもやや少な目の量だけ
充填したこと、もそれぞれ特徴とする。
作用 この制震用ダンパー10、重ね合わされたダンパープレ
ート1、2の摩擦面Eの摩擦力とすべり変形を利用して
一種の粘性ダンパー又は摩擦ダンパーの作用を奏する。
即ち、前記ダンパープレート1,2には、ボルト3及びナ
ット4の締結力により摩擦面E(すべり面)に所定大き
さの垂直力が付与され、摩擦面Eの摩擦係数との積で決
まる大きさの摩擦力が設定される。と同時に、固形の摩
擦充填材61がボルト3の軸部31に衝突しこれを迂回しな
がら流動し又は変形する際に相当な大きさの摩擦力(抵
抗力)を発生する。こうした摩擦力の総合が当該制震用
ダンパー10の耐力(耐荷重)の大きさとして設定されて
いる。したがって、前記ダンパープレート1,2に負荷さ
れた地震力(荷重)の大きさが前記摩擦力より以下であ
るときはすべりを発生せず、当該制震用ダンパー10は耐
震壁又はその外周架構の剛性、耐力を十分に発揮させ、
それらに変形を生じさせない。
ート1、2の摩擦面Eの摩擦力とすべり変形を利用して
一種の粘性ダンパー又は摩擦ダンパーの作用を奏する。
即ち、前記ダンパープレート1,2には、ボルト3及びナ
ット4の締結力により摩擦面E(すべり面)に所定大き
さの垂直力が付与され、摩擦面Eの摩擦係数との積で決
まる大きさの摩擦力が設定される。と同時に、固形の摩
擦充填材61がボルト3の軸部31に衝突しこれを迂回しな
がら流動し又は変形する際に相当な大きさの摩擦力(抵
抗力)を発生する。こうした摩擦力の総合が当該制震用
ダンパー10の耐力(耐荷重)の大きさとして設定されて
いる。したがって、前記ダンパープレート1,2に負荷さ
れた地震力(荷重)の大きさが前記摩擦力より以下であ
るときはすべりを発生せず、当該制震用ダンパー10は耐
震壁又はその外周架構の剛性、耐力を十分に発揮させ、
それらに変形を生じさせない。
ところが、前記ダンパープレート1,2に負荷された地
震入力又は風荷重の大きさが前記摩擦力の大きさ以上に
なると、ダンパープレート1、2間にすべりが発生し、
摩擦面Eのすべりエネルギー及び固形の摩擦充填材61の
変形により地震エネルギーの吸収が行なわれる。特に、
ボルト3の長孔6に臨む軸部分31はダンパープレート
1、2のすべり方向に細長い形状とされていること、あ
るいは長孔6に拡大部62が付設されているが故に、ボル
ト3の軸部分31が対する摩擦充填材61の流動、変形は常
に円滑に行なわれ、摩擦力の大きさが安定した定量化さ
れる。
震入力又は風荷重の大きさが前記摩擦力の大きさ以上に
なると、ダンパープレート1、2間にすべりが発生し、
摩擦面Eのすべりエネルギー及び固形の摩擦充填材61の
変形により地震エネルギーの吸収が行なわれる。特に、
ボルト3の長孔6に臨む軸部分31はダンパープレート
1、2のすべり方向に細長い形状とされていること、あ
るいは長孔6に拡大部62が付設されているが故に、ボル
ト3の軸部分31が対する摩擦充填材61の流動、変形は常
に円滑に行なわれ、摩擦力の大きさが安定した定量化さ
れる。
したがって、外力の向きが正反対である負の荷重に対
しても全く同じで、くり返し荷重に対して安定した略長
方形の大きなヒステリシスループ(エネルギー吸収ルー
プ)を描き、地震エネルギーの吸収能力(制震作用)を
大きい訳である。
しても全く同じで、くり返し荷重に対して安定した略長
方形の大きなヒステリシスループ(エネルギー吸収ルー
プ)を描き、地震エネルギーの吸収能力(制震作用)を
大きい訳である。
実施例 次に、図面に示した本発明の実施例を説明する。
第1図a及ひ第1図bに示した制震用ダンパー10は、
地震力又は風荷重が導入される2枚のダンパープレート
1,1によってその中間にもう1枚のダンパープレート2
をサンドイッチ状に挟み互い違いの配置とすると共に、
各々の摩擦面Eにはすべり板5を介在させて重ね合わ
せ、各ダンパープレート1、2を貫通するボルト3及び
ナット4で前記ダンパープレートを全て貫通して締結さ
れている。前記ボルト3の軸部、特に第3図に示したよ
うにダンパープレート2の長孔6に臨む軸部分31の横断
面形状は、各ダンパープト1、2のすべり方向(第1図
の矢印F方向)に細長い楕円形状(又はサブマリン形
状)に形成し、固形の摩擦充填材61が流動する際の粘性
抵抗又は変形の際の抵抗ができるだけ少ない構成とされ
ている。(第2、4図)。中間に挟まれたダンパープレ
ート2は、固形の摩擦充填材61を収容する長孔6を形成
する好ましい手段として鋳造品として成形されている。
あるいは鋼板の加工品として作ることもできる。すべり
板5は、一対のダンパープレート1,1とその中間に挟ま
れたダンパープレート2との間のすべりをよくするため
のものであり、テフロン加工したプレートなどが使用さ
れている。中間に挟まれたダンパープレト2のボルト孔
は、各ダンパープレート1、2のすべり方向F(第1図
b)に沿って長い長孔6に形成されている。この長孔6
の中にボルト3を拘束し一定大きさの抵抗力を発生する
鉛又は軟質合成樹脂等の固形の摩擦充填材61が充填され
ている。所定大きさの荷重でダンパープレート1と2の
間に定量化されたすべりを発生させるための工夫とし
て、長孔6の形状は地震力が導入される方向(前記すべ
り方向F)の両端部に半円状の拡大部62を付設した構成
で実施されている(第4図a)。あるいは2本(但し、
2本の限りではない。以下同じ)のボルト3、3をすべ
り方向に直列な並びの配置とし、丁度各ボルト3の両横
側の位置には半円形状の拡大部62を付設した構成で実施
する場合がある(第4図b)。第4図cのように、2本
(2本の限りではない)のボルト3、3を前記ダンパー
プレートのすべり方向Fに対し直角な方向に2個並列な
並びに配置して、長孔6は十分に大きな円形(又は方形
状)に形成して実施する場合がある。あるいは第5図に
示したように、固形の摩擦充填材61はすべり板5、5で
両側面を塞がれた長孔6の容積よりもやや少なめの量だ
け充填し、もって摩擦充填材61の表面とすべり板5との
間に若干の間隙Dを形成した構成で実施する場合もあ
る。
地震力又は風荷重が導入される2枚のダンパープレート
1,1によってその中間にもう1枚のダンパープレート2
をサンドイッチ状に挟み互い違いの配置とすると共に、
各々の摩擦面Eにはすべり板5を介在させて重ね合わ
せ、各ダンパープレート1、2を貫通するボルト3及び
ナット4で前記ダンパープレートを全て貫通して締結さ
れている。前記ボルト3の軸部、特に第3図に示したよ
うにダンパープレート2の長孔6に臨む軸部分31の横断
面形状は、各ダンパープト1、2のすべり方向(第1図
の矢印F方向)に細長い楕円形状(又はサブマリン形
状)に形成し、固形の摩擦充填材61が流動する際の粘性
抵抗又は変形の際の抵抗ができるだけ少ない構成とされ
ている。(第2、4図)。中間に挟まれたダンパープレ
ート2は、固形の摩擦充填材61を収容する長孔6を形成
する好ましい手段として鋳造品として成形されている。
あるいは鋼板の加工品として作ることもできる。すべり
板5は、一対のダンパープレート1,1とその中間に挟ま
れたダンパープレート2との間のすべりをよくするため
のものであり、テフロン加工したプレートなどが使用さ
れている。中間に挟まれたダンパープレト2のボルト孔
は、各ダンパープレート1、2のすべり方向F(第1図
b)に沿って長い長孔6に形成されている。この長孔6
の中にボルト3を拘束し一定大きさの抵抗力を発生する
鉛又は軟質合成樹脂等の固形の摩擦充填材61が充填され
ている。所定大きさの荷重でダンパープレート1と2の
間に定量化されたすべりを発生させるための工夫とし
て、長孔6の形状は地震力が導入される方向(前記すべ
り方向F)の両端部に半円状の拡大部62を付設した構成
で実施されている(第4図a)。あるいは2本(但し、
2本の限りではない。以下同じ)のボルト3、3をすべ
り方向に直列な並びの配置とし、丁度各ボルト3の両横
側の位置には半円形状の拡大部62を付設した構成で実施
する場合がある(第4図b)。第4図cのように、2本
(2本の限りではない)のボルト3、3を前記ダンパー
プレートのすべり方向Fに対し直角な方向に2個並列な
並びに配置して、長孔6は十分に大きな円形(又は方形
状)に形成して実施する場合がある。あるいは第5図に
示したように、固形の摩擦充填材61はすべり板5、5で
両側面を塞がれた長孔6の容積よりもやや少なめの量だ
け充填し、もって摩擦充填材61の表面とすべり板5との
間に若干の間隙Dを形成した構成で実施する場合もあ
る。
上述した制震用ダンパー10の用途及び用法は、例えば
第6図aに示したようにPCa耐震壁11と柱7、梁8との
取り合い部に第7図のような用法で適用される。この場
合、PCa耐震壁11の下縁は下位の梁8に固着(定着)さ
れ、上縁及び両側縁は上位の梁8及び左右の柱7,7との
間に若干の隙間をあけて自由縁となし、上縁と上位の梁
8とが制震用ダンパー10で連結されている。即ち、ダン
パープレート1、1は梁8のフランジ底面に固着し、中
間に挟まれたダンパープレート2はアンカー9を使用す
るなどしてPCa耐震壁11に一体化されている。前記ダン
パープレート1,2はボルト3とナット4で締結され、例
えば設計上のPCa壁短期許容力の約半分の水平力(地震
力又は風荷重)で摩擦面がすべるように摩擦力の大きさ
が設定されている。
第6図aに示したようにPCa耐震壁11と柱7、梁8との
取り合い部に第7図のような用法で適用される。この場
合、PCa耐震壁11の下縁は下位の梁8に固着(定着)さ
れ、上縁及び両側縁は上位の梁8及び左右の柱7,7との
間に若干の隙間をあけて自由縁となし、上縁と上位の梁
8とが制震用ダンパー10で連結されている。即ち、ダン
パープレート1、1は梁8のフランジ底面に固着し、中
間に挟まれたダンパープレート2はアンカー9を使用す
るなどしてPCa耐震壁11に一体化されている。前記ダン
パープレート1,2はボルト3とナット4で締結され、例
えば設計上のPCa壁短期許容力の約半分の水平力(地震
力又は風荷重)で摩擦面がすべるように摩擦力の大きさ
が設定されている。
上記の制震用ダンパー10はまた、第6図bに示した鉄
骨ブレース入りPCa耐力壁11の鉄鋼ブレース12に第8図
に詳示した用法で適用される。すなわち、鉄骨ブレース
12は制震用ダンパーの設置箇所で分断され、各々の鉄骨
ウェブ部を重ね合わせた上でボルト3及びナットで締結
され、もって制震用ダンパー10による鉄骨ブレースの接
合が行なわれている。
骨ブレース入りPCa耐力壁11の鉄鋼ブレース12に第8図
に詳示した用法で適用される。すなわち、鉄骨ブレース
12は制震用ダンパーの設置箇所で分断され、各々の鉄骨
ウェブ部を重ね合わせた上でボルト3及びナットで締結
され、もって制震用ダンパー10による鉄骨ブレースの接
合が行なわれている。
さらに上記の制震用ダンパー10は、第6図cに示した
耐震用間柱14又は耐震梁8にも第9図に示した用法で適
用される。即ち、一般の高力ボルトによるジョイントと
同様に梁8,8同士のジョイント部のウエブ同士及びフラ
ンジ同士にカゼットプレート15を当てがいボルト3及び
ナットで締結することにより制震用ダンパー10による接
合が行なわれている。
耐震用間柱14又は耐震梁8にも第9図に示した用法で適
用される。即ち、一般の高力ボルトによるジョイントと
同様に梁8,8同士のジョイント部のウエブ同士及びフラ
ンジ同士にカゼットプレート15を当てがいボルト3及び
ナットで締結することにより制震用ダンパー10による接
合が行なわれている。
本発明が奏する効果 以上に実施例と併せて詳述したとおりであって、この
発明に係るボルト締めによる制震用ダンパー10は、ダン
パープレート1,2とボルト3、ナット4と摩擦材とで非
常に安価に実施できる。しかも寸法、形状ともに実施態
様の自由度が大で、PCa耐震壁11や鉄骨ブレース入りP
Ca耐震壁のブレース又は耐震梁8や耐震柱14などへ制震
機構として適用するにあたり、相手の構造、形態に応じ
た実施ができるので極めて実用的である。
発明に係るボルト締めによる制震用ダンパー10は、ダン
パープレート1,2とボルト3、ナット4と摩擦材とで非
常に安価に実施できる。しかも寸法、形状ともに実施態
様の自由度が大で、PCa耐震壁11や鉄骨ブレース入りP
Ca耐震壁のブレース又は耐震梁8や耐震柱14などへ制震
機構として適用するにあたり、相手の構造、形態に応じ
た実施ができるので極めて実用的である。
また、この制震用ダンパー10の耐力は主としてボルト
3の大きさで決められるため、設計、製作が容易で、精
度、品質上のバラツキがほとんどないものが得られる。
しかもエネルギー吸収ループの大きい制震作用を期待で
きるので、建物の耐震、耐風性能の信頼性向上に寄与す
るところが大である。
3の大きさで決められるため、設計、製作が容易で、精
度、品質上のバラツキがほとんどないものが得られる。
しかもエネルギー吸収ループの大きい制震作用を期待で
きるので、建物の耐震、耐風性能の信頼性向上に寄与す
るところが大である。
その上、この制震用ダンパー10は、柱14や梁8の接合
部(高力ボルトジョイント)を兼ねる形で実施できる便
利さもあり、施工性に優れるのである。
部(高力ボルトジョイント)を兼ねる形で実施できる便
利さもあり、施工性に優れるのである。
さらに、外装プレキャストコンクリートにおいては、
ファスナー兼用とすることにより、現状では耐震、耐風
に利用されていない外壁を有効に利用できるのである。
ファスナー兼用とすることにより、現状では耐震、耐風
に利用されていない外壁を有効に利用できるのである。
第1図aは制震用ダンパーの一部断面図、第1図bは第
1図aのI−I線矢視の平面図、第2図は第1図のII−
II矢視の断面図、第3図は高力ボルトの側面図、第4図
a,b,cは長孔と高力ボルトの配置説明図、第5図は制震
用ダンパーの異なる実施例の断面図、第6図a,b,cは本
発明に係る制震用ダンパーの適用例を示した正面図、第
7図〜第9図は制震用ダンパーの用法を示した正面図で
ある。 1,2……ダンパープレート、3……高力ボルト 4……ナット、5……すべり板、6……長孔 E……摩擦面、61……摩擦充填材
1図aのI−I線矢視の平面図、第2図は第1図のII−
II矢視の断面図、第3図は高力ボルトの側面図、第4図
a,b,cは長孔と高力ボルトの配置説明図、第5図は制震
用ダンパーの異なる実施例の断面図、第6図a,b,cは本
発明に係る制震用ダンパーの適用例を示した正面図、第
7図〜第9図は制震用ダンパーの用法を示した正面図で
ある。 1,2……ダンパープレート、3……高力ボルト 4……ナット、5……すべり板、6……長孔 E……摩擦面、61……摩擦充填材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 修 東京都中央区銀座8丁目21番1号 株式 会社竹中工務店東京本店内 (56)参考文献 実開 昭58−171452(JP,U) 実開 昭62−153440(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04H 9/02
Claims (5)
- 【請求項1】地震力が導入されるダンパープレートが少
なくとも3枚互い違いの配置ですべり板を介在せしめて
重ね合わされ、これらが各ダンパープレートを貫通する
ボルトとナット又は同様な緊結材で締結されており、中
間に挟まれたダンパープレートに形成された長孔中は鉛
又は軟質合成樹脂等の固形の摩擦充填材が充填されてお
り、前記ボルトの軸部における少なくとも前記長孔中に
臨む部分の横断面はダンパープレートのすべり方向に細
長い形状とされ、荷重でダンパープレート間にすべりが
発生すると前記固形の摩擦充填材がボルトの軸部に衝突
しこれを迂回しながら流動し又は変形する際に摩擦力
(抵抗力)を発生する構成とされていること、をそれぞ
れ特徴とするボルト締めによる制震用ダンパー。 - 【請求項2】中間に挟まれたダンパープレートは、鋼板
の加工品又は鋳造品として形成されていることを特徴と
する、請求項1に記載したボルト締めによる制震用ダン
パー。 - 【請求項3】長孔には、ボルトの軸部に対して固形の摩
擦充填材の流動、変形がしやすい拡大部が付設されてい
ることを特徴とする、請求項1又は2に記載した、ボル
ト締めによる制震用ダンパー。 - 【請求項4】長孔は、複数本のボルトが直列又は並列の
並びに配置され得る大きさ、形状に形成されていること
を特徴とする、請求項1〜3のいずれか1に記載した、
ボルト締めによる制震用ダンパー。 - 【請求項5】固形の摩擦充填材は、中間に挟まれたダン
パープレートに形成された長孔の両側面がすべり板で塞
がれた状態における長孔の容積りもやや少な目の量だけ
充填されていることを特徴とする、請求項1〜4のいず
れか1に記載した、ボルト締めによる制震用ダンパー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1202113A JP2796997B2 (ja) | 1989-08-03 | 1989-08-03 | ボルト締めによる制震用ダンパー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1202113A JP2796997B2 (ja) | 1989-08-03 | 1989-08-03 | ボルト締めによる制震用ダンパー |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0366877A JPH0366877A (ja) | 1991-03-22 |
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