JPH09242188A - ブレースにおける制振部材の取付け構造 - Google Patents

ブレースにおける制振部材の取付け構造

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JPH09242188A
JPH09242188A JP5456896A JP5456896A JPH09242188A JP H09242188 A JPH09242188 A JP H09242188A JP 5456896 A JP5456896 A JP 5456896A JP 5456896 A JP5456896 A JP 5456896A JP H09242188 A JPH09242188 A JP H09242188A
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JP
Japan
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brace
flange
damping
link member
damping member
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JP5456896A
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Inventor
Yasuhiko Takahashi
泰彦 高橋
Yuji Shinabe
祐児 品部
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Obayashi Corp
Original Assignee
Obayashi Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 復旧作業に際しては、制振部材の接合箇所を
溶接技術者の手作業により溶断し新部材の溶接作業が必
要であり、作業が煩雑で時間がかかる。 【解決手段】 梁材3とブレース材2との間に低降伏点
素材からなる制振部材としてのリンク部材4を介在させ
たブレースにおいて、リンク部材4は、ブレース用ガゼ
ットプレートのフランジ14と、梁材3のフランジ16
の間に狭持される上下のフランジ18を備え、前記各フ
ランジに開口された多数のボルト挿通孔22にボルト2
4を挿通し、他端側をナット26により着脱可能に固定
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば建物等に対
する地震の振動エネルギを吸収するブレースに関し、特
にそのエネルギー吸収母体となる低降伏点素材を組込ん
だ制振部材の取付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建物の制振構造として代表的なも
のは、Y形制振ブレース(特公昭50−32539号公
報参照)や制振間柱(特開昭5−287933号公報参
照)などがある。いずれも、地震の発生時に、それらに
組込まれる制振部材としてのリンク部材や小耐力部材を
早期に降伏させることにより、地震による振動エネルギ
をこれらの部材の塑性エネルギに変換することで振動応
答を抑え、建物に制振効果を付与する。
【0003】このうちY形制振ブレースは、図3
(a),(b)に示すように、一対の柱1の下部に一端
を傾斜状態に固定された一対のブレース材2の上端と梁
材3との間に低降伏点鋼材からなる制振部材としてのリ
ンク部材4を介在させてある。このリンク部材4を構成
する低降伏点素材は、通常の構造鉄骨に比べて強度が著
しく低く、図3(b)に示すように、地震などの大きな
振動エネルギーが矢印Pのごとく建物に入力した場合に
は、このリンク部材が集中的に塑性変形(図中変形分を
Δで表す)して他の部分の変形を防止する。
【0004】この種の制振ブレースの製作方法は、一般
に、工場などにおいて建物寸法仕様に応じてブレース材
2とリンク部材4を溶接によって一体化し、Y型形状と
したものを現場に搬入し、溶接、ボルト、リベット締め
などにより柱1及び梁材3に接合する手法が取られてお
り、一般の鉄骨組立方法と変りがないが、以下に述べる
問題を内在している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、この種の制
振構造部材は、その建物のライフサイクルの中で一度あ
るかないかの大きな地震に備えた設備であるため、特に
日常でのメンテナンス等に煩わされるものでなく、通常
設備として他の部材とともに鉄骨組に一体化されるのが
一般的である。
【0006】しかしながら、例えば、近時の阪神大震災
などの例に見られるように、一旦大規模な地震が建物に
作用した場合には、前述のごとく、制振部材(リンク部
材4)が集中的に塑性変形するため、本体が健在であっ
たとしても、この箇所だけは交換する必要がある。
【0007】それ故、震災後の復旧作業に際しては、制
振部材の接合箇所を梁3及びブレース材2から切離し、
新たな部材を継ぐ必要があり、その都度溶接技術者の手
作業により旧部材の溶断、及び新部材の現場組立及び溶
接作業を行わなければならず、作業が煩雑で時間がかか
る。加えて、作業に際しては、鉄骨梁組の設計仕様書な
どを参照しながらその溶断位置を特定しなければならな
いなどの手間も必要となっていた。
【0008】この発明は以上の問題を解決するものであ
って、復旧現場における制振部材の取付け、取外しが簡
単に行え、復旧作業の迅速化を図ること、及びユニット
化することにより、該当する形状寸法の多数の制振部材
を迅速に工場出荷できるようにしたブレースにおける制
振部材の取付け構造を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
め、本発明は、梁材とブレース材との間に制振部材を介
在させたブレースにおいて、前記制振部材は、ブレース
用ガゼットプレートに設けたフランジと、梁材のフラン
ジの間に狭持される上下のフランジを備え、前記各フラ
ンジに開口された多数のボルト挿通孔にボルトを挿通
し、他端側をナットにより着脱可能に固定したものであ
る。
【0010】ここで、本発明で定義する「制振部材」と
は、ブレースと梁との間を連結する金物をいい、別名と
して束材とも呼ばれている。
【0011】また、本発明で定義する「制振部材」は、
地震発生により、建物架工に応力が発生すると、他の素
材よりも早期に降伏し応力が降伏耐力を上回ったときか
ら、弾塑性挙動による履歴減衰性能を生じ、制振効果を
発揮する低降伏点素材を採用することが望ましい。
【0012】このような低降伏点素材の一例として、低
降伏点鋼が掲げられる。推奨される低降伏点鋼として
は、例えばBT−LYP100またはBT−LYP23
5(ともに、新日本製鐵株式会社製の商品名)及びこれ
らの同等品を採用することができる。前者の降伏応力σ
yは1.0t/cm2 、破断応力σuは2.4t/cm2 であ
り、後者の降伏応力σyは2.4t/cm2 、破断応力σu
は3.5t/cm2 である。
【0013】なお、低降伏点鋼以外に、普通鋼材、アル
ミニウムなどの金属、鉛及びこれらの組合わせも使用す
ることができることは勿論である。
【0014】本発明は、以上の構成により、地震によっ
て制振部材が変形を受けた後は、ボルトを取外すことに
よって該当する制振部材を撤去し、新たに作られた、あ
るいは交換部品として予め保管されている同一寸法、同
一仕様の制振部材を、両フランジ間にセットし、再度ボ
ルトナット結合することで、復旧が完了する。 この制
振部材は、ユニット化しているため、同一寸法仕様の必
要個数を工場で製造し、現場で組立てることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施例につ
き、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明
にかかるブレースの組立状況を示す分解図である。な
お、図における従来と同一箇所には同一符号を付し、異
なる部分あるいは新たに付加された構成要素のみ異なる
符号を用いて説明を行う。
【0016】図において、両ブレース2の下端は、各柱
1の下部隅角部に固定されているとともに、上端は、柱
1間の中央においてH型鋼などからなる梁材3の下面に
対向するガゼットプレート12にボルトナット接合など
によって固定され、柱−梁間に三角形状をなして配置さ
れている。
【0017】ガゼットプレート12の上端にはフランジ
14が一体に形成されており、このフランジ上面と梁材
3の下部フランジ16との間に本発明による制振部材と
してのリンク部材4が着脱可能に固定される。
【0018】リンク部材4は、上下に前記各フランジ1
4,16に面接触する一対のフランジ18と、フランジ
18間に組付けられたリンク部材本体20とからなって
いる。このリンク部材本体20は、前述する低降伏点鋼
材などから構成される縦横のプレート20aをその要求
強度に応じて棚状に組合わせ、溶接により一体化したも
のである。
【0019】そして、各フランジ14,16,18には
上下方向に沿って多数のボルト挿通孔22が開口形成さ
れ、この各ボルト挿通孔22にボルト24を挿通し、他
端突出端にナット26をねじ込むことにより、ブレース
2と梁材3間に一体的に組付けられる。
【0020】なお、図中符号28は、梁材3のリンク部
材取付け位置に縦に配置された取付け補強用プレートで
ある。
【0021】図2は、以上の制振構造を持った建物が震
災被害を受けた状態から、復旧するまでの手順を示して
いる。まず、(a)に示すように、震災被害を受けた状
態では、リンク部材本体20は、塑性変形を受け、その
振動の入力方向に対してせん断変形している。この状態
から、上下フランジ14,16,18間を結合している
ボルト24及びナット26を取外すことによって、
(b)に示すように、リンク部材4をフランジ14,1
6間から横方向にスライドさせて抜取ることができる。
【0022】次に、新たな同一仕様のリンク部材4を空
いた隙間に差込み、ボルト挿通孔22同士を一致させて
位置決めし、再度ボルト24を挿通し、ナット26を締
付ければ、(c)に示すように、新たなリンク部材4の
交換作業が終了する。
【0023】なお、フランジ14,16間の隙間が狭
く、その隙間からリンク部材4を抜いたり、差込みにく
い場合には、ガゼットプレート12とブレース2間を結
合しているボルトナットをはずし、リンク部材4をガゼ
ットプレート12ごと取外し、新たなリンク部材4をガ
ゼットプレート12上にボルトナット結合した状態で、
これを梁材3の下面に固定し、同時にガゼットプレート
12とブレース2間の再結合を行うようにすることもで
きる。
【0024】なお、上記実施例におけるブレースは逆Y
字型をなして柱−梁に固定された構造を例示したが、逆
の取付け構造も可能であり、この場合のリンク部材4の
取付け取外しは床面上での作業となるため、交換作業を
さらに容易にできる。
【0025】交換用のリンク部材4は、予め同一仕様の
ものを災害用の備蓄部品として建物内の格納場所にスト
ックしておくか、あるいは、震災の通報を受けて点検作
業員を現場に派遣し、その破損数、状況などを確実に把
握した上で、支援工場などに設計書、仕様書とともに注
文するなどの対応により、迅速に復旧を行うことができ
る。いずれにしろ、形状、寸法、使用素材などの規格を
統一しユニット化しておけば、簡単な指示によって必要
個数を直ちに入手することが可能である。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
地震によって制振部材が変形を受けた後は、ボルトを取
外すことによって該当する制振部材を撤去し、新たに作
られた、あるいは交換部品として予め保管されている同
一寸法、同一仕様の制振部材を、両フランジ間にセット
し、再度ボルトナット結合することで、復旧が完了する
ため、災害時における迅速な復旧作業を行うことができ
る。
【0027】またこの発明にあっては、制振部材をユニ
ット化しておくことにより、不時の際に該当する形状寸
法の多数の制振部材を迅速に工場出荷できる等の利点が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるブレースの組立状況を示す分解
図である。
【図2】(a)〜(c)は復旧手順を示す説明図であ
る。
【図3】(a),(b)はブレースの一般的原理機構を
示す説明図である。
【符号の説明】
1 柱 2 ブレース 3 梁 4 リンク部材(制振部材) 12 ガゼットプレート 14、16、18 フランジ 20 リンク部材本体 22 ボルト挿通孔 24 ボルト 26 ナット

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 梁材とブレース材との間に制振部材を介
    在させたブレースにおいて、 前記制振部材は、ブレース用ガゼットプレートに設けた
    フランジと、梁材のフランジの間に狭持される上下のフ
    ランジを備え、前記各フランジに開口された多数のボル
    ト挿通孔にボルトを挿通し、他端側をナットにより着脱
    可能に固定したことを特徴とするブレースにおける制振
    部材の取付け構造。
JP5456896A 1996-03-12 1996-03-12 ブレースにおける制振部材の取付け構造 Pending JPH09242188A (ja)

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Cited By (7)

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